JP2018083950A - 3次元成型品加飾用積層フィルムのクリヤー塗膜層形成用塗料組成物 - Google Patents

3次元成型品加飾用積層フィルムのクリヤー塗膜層形成用塗料組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】各種成型品の加飾に使用した場合に優れた性能を得ることができる成型品加飾用積層フィルムの製造に使用される塗料組成物を提供する。
【解決手段】ポリウレタンアクリレート(B1)と、不飽和2重結合を有するモノマー・オリゴマー(B2)と、重合開始剤(B3)とを含有する塗料組成物であって、
上記ポリウレタンアクリレート(B1)は、
2重結合当量:130〜600g/eq
分子量Mw:4000〜200000
ウレタン濃度:300〜2000g/eq、
である3次元成型品加飾用積層フィルムのクリヤー塗膜層形成用塗料組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、3次元成型品加飾用積層フィルムのクリヤー塗膜層形成用塗料組成物に関する。
プラスチック、金属その他の各種材料から得られた成型品においては、表面に意匠性を付与したり、表面を保護したりする目的で表面への加飾が一般的に行われている。
このような加飾の方法の一つとして、特許文献1〜3等に記載されたような積層フィルムを用いたフィルム加飾法が知られている。これは、成型品を加飾するための層をフィルムとして作成し、これを成型品上に貼着させることによって加飾を行うものである。それに際して、基材フィルム層、クリヤー塗膜層及び意匠層からなり、このうち、クリヤー塗膜層において、各種の硬化型塗料を使用することが開示されている。
加飾用積層フィルムを使用した加飾においては、成型品が有する3次元形状に合わせてフィルムを変形させ、成型品全体を被覆させるものである。したがって、成型品の形によっては、深絞り成形が可能なものであることが好ましい。更に、深絞り後の被膜においては、硬度、屈曲性、耐衝撃性も必要とされる。しかしながら、これらのすべてにおいてすぐれた性能を有する成型品加飾用積層フィルムは知られていない。
更に、フィルムの製造・保管・運搬等の工程においてはフィルムを巻き取る必要がある。その際に、ブロッキングによって巻き取ったフィルム同士が接着してしまうことがある。このような問題を生じない耐ブロッキング性能も必要である。
特開2004−299220号公報 特開2005−255781号公報 特開2002−240202号公報
本発明は、上述したような課題を解決し、各種成型品の加飾に使用した場合に優れた性能を得ることができる3次元成型品加飾用積層フィルムのクリヤー塗膜層(B)形成用塗料組成物を提供することを目的とするものである。
本発明は、ポリウレタンアクリレート(B1)と、不飽和2重結合を有するモノマー・オリゴマー(B2)と、重合開始剤(B3)とを含有する塗料組成物であって、
上記ポリウレタンアクリレート(B1)は、
2重結合当量:130〜600g/eq
分子量Mw:4000〜200000
ウレタン濃度:300〜2000g/eq、
である3次元成型品加飾用積層フィルムのクリヤー塗膜層形成用塗料組成物である。
ポリウレタンアクリレート(B1)は、
ウレア濃度:500〜1000g/eqであることが好ましい。
ポリウレタンアクリレート(B1)は、
ポリカーボネート濃度:0.5〜75wt%
となる割合でポリカーボネートジオール骨格を有することが好ましい。
本発明の塗料組成物は、更に、平均1次粒子径が100nm以下の無機・有機フィラーを0.5〜60重量部含有することが好ましい。
本発明の塗料組成物は、更に、イソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物を0.5〜20重量部含有することが好ましい。
本発明の塗料組成物は、更に、チオール基及び/又はアミン基を有するモノマーを0.5〜20重量部含有することが好ましい。
ポリウレタンアクリレート(B1)は、フッ素、シリコーンで変性されたものであることが好ましい。
本発明の塗料組成物は、(B1)の固形分重量、(B2)の固形分重量の合計量((B1)+(B2))100重量部中に、(B1)を50〜99重量部、(B2)を1〜50重量部の範囲内となるように含有し、(B1)の固形分重量及び(B2)の固形分重量の合計量((B1)+(B2))100重量部に対して(B3)を0.5〜20重量部の範囲内で含有することが好ましい。
本発明の塗料組成物を使用して得られた3次元成型品加飾用積層フィルムは、加飾後の硬度、屈曲性、耐衝撃性においてすぐれた性能を有するものである。更に、深絞り可能であることから、3次元形状を有する物品の加飾を容易に行うことができる。更に、耐ブロッキング性においても優れたものである。
本発明の3次元成型品加飾用積層フィルムの積層構造の一例を示す模式図である。 本発明の3次元成型品加飾用積層フィルムの積層構造の一例を示す模式図である。 本発明の3次元成型品加飾用積層フィルムの積層構造の一例を示す模式図である。 本発明の3次元成型品加飾用積層フィルムの積層構造の一例を示す模式図である。 本発明の3次元成型品加飾用積層フィルムの積層構造の一例を示す模式図である。 本発明におけるTgの測定方法において、チャートからTgの読み取る際の読み取り方法を具体的に示す図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
(3次元成型品加飾用積層フィルム)
本発明の3次元成型品加飾用積層フィルムは、3次元成型品の加飾成形において使用するフィルムである。すなわち、意匠性を有するフィルムを各種成型体に接着させて、成型体に意匠性を付与したり、表面保護機能を付与したりするものである。
その際に、3次元形状の表面に沿った形に変形させて密着させるものである。
このように密着させる方法としては、公知の任意の方法を使用することができるが、例えば、真空成形、圧空成形等の方法によって変形させて密着させる方法を挙げることができる。また、金型内に加飾成形用積層フィルムを金型外壁面の形状に変形させ、その後、射出成型を行う方法等を挙げることができる。
本発明の3次元成型品加飾用積層フィルムは、基材フィルム層(A)、クリヤー塗膜層(B)及び意匠層(C)を有するものである。すなわち、フィルム製造の際の基材となる基材フィルム層(A)、目的とする意匠を付与するための意匠層(C)、更に、表面を保護するためのクリヤー塗膜層(B)とを有するものである。更に、必要に応じて、離形層(D)、接着層(E)を有するものであってもよい。これらの層を必要に応じて種々の積層形態としたものとすることができる。
以下、図を参照しつつ、具体的な積層構造の態様について説明する。
図1に示した第一の積層構造は、基材フィルム(A)上に、離形層(D)、クリヤー塗膜層(B)、意匠層(C)、接着層(E)をこの順で積層した積層フィルムである。当該第一の積層構造においては、使用時に基材フィルム(A)を離形層(D)とともに剥離し、クリヤー塗膜層(B)、意匠層(C)、接着層(E)の三層からなる積層フィルムとして、これを成型品上に接着させ、硬化を行って使用するものである。
図2に示した第二の積層構造は、基材フィルム(A)上に、離形層(D)、クリヤー塗膜層(B)、意匠層(C)をこの順で積層した積層フィルムである。なお、ここでは意匠層(C)において接着層としての機能も同時に付与したものであり、したがって、クリヤー塗膜層(B)及び意匠層(C)からなる2層フィルムを、成型品上に接着させることによって加飾を行うものである。
図3に示した第三の積層構造は、基材フィルム(A)の片面にクリヤー塗膜層(B)を形成し、反対面に意匠層(C)と接着層(E)をこの順に積層したものである。これは、図1、図2に示した積層構造のフィルムとは異なり、基材フィルムを使用時に剥離することなく、これら4層の状態のままで基材上に貼着して使用するものである。
図4に示した第四の積層構造は、基材フィルム(A)の片面にクリヤー塗膜層(B)を形成し、反対面に意匠層(C)を積層したものである。なお、ここでは意匠層(C)において接着層としての機能も同時に付与したものである。
図5に示した第五の積層構造は、基材フィルム(A)の片面に接着層(E)を形成し、反対面に意匠層(C)とクリヤー塗膜層(B)をこの順に積層したものである。これは、図3に示した積層構造と同様に、図1、図2に示した積層構造のフィルムとは異なり、基材フィルムを使用時に剥離することなく、これら4層の状態のままで基材上に貼着して使用するものである。
これらの3次元成型品加飾用積層フィルムを構成する各層について、以下順次説明を行う。
(基材フィルム層(A))
基材フィルム層(A)は、本発明の積層フィルムを製造する際のキャリアフィルムとしての働きをもなすものである。すなわち、本発明の3次元成型品加飾用積層フィルムの製造時に、各層を形成するための基材として使用されるものである。また、上述した図3,4に示したような態様においては、加飾処理を行った後にも成型体上に存在するものもある。この場合には、単なる基材としての役割だけではなく、表面保護機能等の機能も発揮する。
基材フィルム層(A)を形成するフィルムとしては、特に限定されず、例えば、軟質塩化ビニルフィルム、無延伸ポリプロピレンフィルム、無延伸ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、アクリル樹脂フィルム、フッ素フィルム等の従来公知のフィルムが挙げられる。これらの中でも、ポリエステルおよび/またはポリオレフィンにより形成されるフィルムが好ましく、特に省エネ低温加工性の点からは無延伸ポリエステルフィルムがより好ましい。上記基材フィルム層(A)の厚みは、0.01〜0.5mmであることが好ましく、0.02〜0.3mmであることがより好ましい。この範囲を外れると、キャリアフィルムとしての働きや、電磁線硬化の際の経済性の点で好ましくない。
(クリヤー塗膜層(B))
本発明で使用するクリヤー塗膜層(B)は、ポリウレタンアクリレート(B1)、不飽和2重結合を有するモノマー・オリゴマー(B2)及び重合開始剤(B3)を含有する活性エネルギー線硬化型コーティング組成物によって形成されたものである。これによって、使用時の延伸が容易になされ、深絞りにも容易に対応できるため、3次元形状への追随が良好となる。また、ブロッキングを生じにくいものとすることができるという利点も有する。
更に、上記活性エネルギー線硬化型コーティング組成物は、(B1)の固形分重量、(B2)の固形分重量の合計量((B1)+(B2))100重量部中に、(B1)を50〜99重量部、(B2)を1〜50重量部の範囲内となるように含有し、(B1)の固形分重量及び(B2)の固形分重量の合計量((B1)+(B2))100重量部に対して(B3)を0.5〜20重量部の範囲内となるように含有するものである。これによって、硬化前の耐ブロッキング性、深絞り性 (延伸性)を有することができる。さらに硬化後の高い耐擦傷性、表面硬度、耐薬品性、耐衝撃性を有することができる。
以下、(B1)〜(B3)について詳細に説明する。
(ポリウレタンアクリレート(B1))
ポリウレタンアクリレート(B1)は、ウレタン結合を分子内に有し、かつ(メタ)アクリレート基を分子中に有する化合物である。これを使用することによって、加飾成形を行う際の延伸性が向上し、深絞りにも容易に対応できるため、3次元形状への追随が良好となる。
上記ポリウレタンアクリレート(B1)としては、特に限定されず、公知の任意のものを使用することができる。例えば、
i)分子内に2個以上のイソシアナート基を持つ化合物に、分子内に1個以上の水酸基と1個以上の2重結合基を持つ化合物とを当量反応させて得られる化合物、
ii)ポリオールと1塩基酸および/または多塩基酸および/またはその酸無水物との縮合物に、分子内に2個以上のイソシアナート基を持つ化合物を反応させたのち、さらに分子内に1個以上の水酸基と1個以上の2重結合基を持つ化合物を反応させて得られる化合物、
iii)ポリオールに、分子内に2個以上のイソシアナート基を持つ化合物を反応させたのち、さらに分子内に1個以上の水酸基と1個以上の2重結合基を持つ化合物を反応させて得られる化合物、
等が挙げられる。
上記i)〜iii)において、分子内に1個以上の水酸基と1個以上の2重結合基を持つ化合物としては、例えば、2−ヒドロキシ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等や、市販品では、プラクセルF(M)Aシリーズ(ダイセル化学社の商品名)等が挙げられる。また、前記ii)〜iii)において、多価アルコールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリカーボネートジオール、ポリテトラメチレングリコール、トリメチロールプロパン等や、市販品では、プラクセルジオールシリーズ(ダイセル化学社の商品名)、プラクセルトリオールシリーズ(ダイセル化学社の商品名)等が挙げられる。
上記ポリオールとしては特に限定されず、公知のアクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール等を使用することができる。また、エチレングリコール、ブタンジオール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ネオペンチルグリコール等の各種低分子量ジオール等も必要に応じて使用することができる。
上記ポリオールとしては、ポリカーボネート濃度:0.5〜75wt%(ポリウレタンアクリレート(B1)全量に対する割合)となる割合でポリカーボネートジオール骨格を有することが好ましい。ポリカーボネートジオール骨格を有するものを使用することで、強靭性が発現し、加飾成形時の膨れ防止、意匠外観保持(ワレ防止)が可能となる利点を有する。
上記ポリカーボネートジオールは、2〜70重量%であることがより好ましい。
上記ポリイソシアネートとしては、イソシアネート基を2個以上有する化合物であれば特に限定されず、例えば、トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート等の芳香族のもの;ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族のもの;イソホロンジイソシアネート等の脂環族のもの;その単量体及びそのビュレットタイプ、ヌレートタイプ、アダクトタイプ等の多量体等を挙げることができる。
上記ポリイソシアネートの市販品としては、デュラネート24A−90PX(NCO:23.6%、商品名、旭化成社製)、スミジュールN−3200−90M(商品名、住友バイエルウレタン社製)、タケネートD165N−90X(商品名、三井武田ケミカル社製)、スミジュールN−3300、スミジュールN−3500(いずれも商品名、住友バイエルウレタン社製)、デュラネートTHA−100(商品名、旭化成社製)等を挙げることができる。また、必要に応じてこれらをブロックしたブロックイソシアネートを使用することもできる。
上記ポリウレタンアクリレート(B1)は、一部にウレア結合を有するものであってもよい。
ウレア結合を有するものとするためには、ポリウレタンアクリレートの合成において、一部にポリアミン化合物を使用すればよい。使用できるポリアミン化合物としては特に限定されず、例えば、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、トリアミノプロパン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)プロピレンジアミン、(2−ヒドロキシエチルプロピレン)ジアミン、(ジ−2−ヒドロキシエチルエチレン)ジアミン、(ジ−2−ヒドロキシエチルプロピレン)ジアミン、(2−ヒドロキシプロピルエチレン)ジアミン、(ジ−2−ヒドロキシプロピルエチレン)ジアミン、ピペラジン等の脂肪族ポリアミン;1,2−および1,3−シクロブタンジアミン、1,2−、1,3−および1,4−シクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミン(IPDA)、メチレンビスシクロヘキサン2,4’−および/または4,4’−ジアミン、ノルボルナンジアミン等の脂環式ポリアミン;フェニレンジアミン、キシリレンジアミン、2,4−トリレンジアミン、2,6−トリレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン,3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ビス−(sec−ブチル)ジフェニルメタン等の芳香族ジアミン;及びダイマー酸のカルボキシル基をアミノ基に転化したダイマージアミン、末端に一級又は二級アミノ基を有するデンドリマー等を挙げることができる。
上記ポリウレタンアクリレート(B1)は、2重結合当量が130〜600g/eqであることが好ましく、150〜300g/eqであることがさらに好ましい。2重結合等量が130g/eq未満であると、硬化膜の耐クラック性、耐衝撃性に劣るという問題を生じるおそれがある。2重結合等量が600g/eqを超えると、擦傷性、表面硬度、耐薬品性に劣るという問題を生じるおそれがある。
上記ポリウレタンアクリレート(B1)は、重量平均分子量が3000〜200000であることが好ましい。重量平均分子量が3000未満であると、耐ブロッキング性に劣るという問題を生じるおそれがある。重量平均分子量が200000を超えると、得られるポリウレタンアクリレート (B1)とクリヤー塗料組成物に含まれる不飽和2重結合を有するモノマー・オリゴマー(B2)等との相溶性が低下する。加えて重量平均分子量が200000を超えるとクリヤー塗料組成物の粘度が高くなる傾向にある。また、このような粘度の上昇を改善するために、有機溶剤を用いてクリヤー塗料組成物を希釈すると、クリヤー塗料組成物中の固形分量が著しく低下し、加工性が悪化するという問題を生じるおそれがある。なお、本明細書において、重量平均分子量は後述の方法により測定した。
上記ポリウレタンアクリレート(B1)は、ウレタン濃度が300〜2000g/eqであることが好ましい。ウレタン濃度が300g/eq未満であると、得られるポリウレタンアクリレート (B1)とクリヤー塗料組成物に含まれる不飽和2重結合を有するモノマー・オリゴマー(B2)等との相溶性が低下する。加えてウレタン濃度が300g/eq未満であると、クリヤー塗料組成物の粘度が高くなる傾向にある。また、このような粘度の上昇を改善するために、有機溶剤を用いてクリヤー塗料組成物を希釈すると、クリヤー塗料組成物中の固形分量が著しく低下し、加工性が悪化するという問題を生じるおそれがある。ウレタン濃度が2000g/eqを超えると、耐ブロッキング性、耐衝撃性に劣るという問題を生じるおそれがある。
上記ポリウレタンアクリレート(B1)は、ウレア濃度が500〜1000g/eqであることが好ましい。ウレア濃度が500g/eq未満であると、得られるポリウレタンアクリレート (B1)とクリヤー塗料組成物に含まれる不飽和2重結合を有するモノマー・オリゴマー(B2)等との相溶性が低下する。加えてウレア濃度が500g/eq未満であると、クリヤー塗料組成物の粘度が高くなる傾向にある。また、このような粘度の上昇を改善するために、有機溶剤を用いてクリヤー塗料組成物を希釈すると、クリヤー塗料組成物中の固形分量が著しく低下し、加工性が悪化するという問題を生じるおそれがある。ウレア濃度が1000g/eqを超えると、耐ブロッキング性に劣るという問題を生じるおそれがある。
ポリウレタンアクリレート(B1)は、フッ素及び/又はシリコーンで変性されたものであってもよい。すなわち、フッ素やシリコーン単位を含有する単量体を使用して上述した方法によってポリウレタンアクリレート(B1)を合成するものであってもよいし、上述した方法によって得られたポリウレタンアクリレート(B1)が有する官能基をフッ素及び/又はシリコーンを有する化合物と反応させたものであってもよい。
(不飽和2重結合を有するモノマー・オリゴマー(B2))
上記不飽和2重結合を有するモノマー・オリゴマー(B2)としては、公知の任意のものを使用することができ、例えば、以下の化合物を使用することができる。
官能基数2の(メタ)アクリレートの例は、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ジメチロールートリシクロデカンジ(メタ)アクリレート等を含む。なかでも、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート等を好ましく用いることができる。
官能基数3の(メタ)アクリレートの例は、トリメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート等を含む。なかでも、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート等を好ましく用いることができる。
官能基数4の(メタ)アクリレートの例は、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエチレンオキサイド変性テトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールプロピレンオキサイド変性テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等を含む。なかでも、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等を好ましく用いることができる。
官能基数4以上の(メタ)アクリレートの例は、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエチレンオキサイド変性テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンペンタ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのカプロラクトン変性物のヘキサ(メタ)アクリレートなど多官能性(メタ)アクリレートが挙げられる。これらのモノマーは1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(メタ)アクリル系オリゴマーとしては、例えば、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートなどが挙げられる。ここで、ポリエステルアクリレート系プレポリマーとしては、例えば多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって得られる両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより、あるいは、多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付加して得られるオリゴマーの末端の水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。エポキシアクリレート系プレポリマーは、例えば、比較的低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂のオキシラン環に、(メタ)アクリル酸を反応しエステル化することにより得ることができる。ウレタンアクリレートとしては、一般にポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオールにイソシアネートモノマー、もしくはプレポリマーを反応させて得られた生成物に水酸基を有するアクリレートモノマーを反応させて得ることができる。
これらの(メタ)アクリル系オリゴマーは1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよく、また、上記多官能性(メタ)アクリレート系モノマーと併用してもよい。
上記不飽和2重結合を有するモノマー・オリゴマー(B2)としては、日本合成化学工業社製UV 1700B等の市販のものも使用することができる。
(重合開始剤(B3))
上記クリヤー塗料組成物には、上記したポリウレタンアクリレート(B1)及び不飽和2重結合を有するモノマー・オリゴマー(B2)に加え、さらに重合開始剤(B3)を含有する。上記重合開始剤(B3)としては、紫外線(UV)や電子線等の電磁線によって重合が開始される電磁線重合開始剤、熱硬化用ラジカル重合開始剤等が挙げられるが、これに限定されない。
具体的には、上記電磁線重合開始剤としては、例えば、ベンゾインメチルエーテル等のベンゾイン系化合物;2−エチルアントラキノン等のアントラキノン系化合物;ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;ジフェニルスルフィド等のスルフィド系化合物;2,4−ジメチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン等のアセトフェノン系化合物;2,4,6−トリメチルベンゾインジフェニルホスフィノキサイド等のホスフィノキサイド系化合物;イルガキュア(登録商標)−184,イルガキュア−819(いずれもBASF社製)等の紫外線(UV)硬化用重合開始剤等を挙げることができる。これらの化合物は、重合開始剤として、1種又は2種以上を用いることができる。
また、上記熱硬化用ラジカル重合開始剤としては、例えば、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、トリゴノックス(登録商標)121−50(化薬アクゾ社製)等の有機過酸化物等を挙げることができる。熱硬化用ラジカル重合開始剤としての有機過酸化物は、1種又は2種以上を用いればよい。
((B1)〜(B3)の配合量)
(B1)の固形分重量、(B2)の固形分重量の合計量((B1)+(B2))100重量部中に、(B1)を50〜99重量部、(B2)を1〜50重量部の範囲内となるように含有し、(B1)の固形分重量及び(B2)の固形分重量の合計量((B1)+(B2))100重量部に対して(B3)を0.5〜20重量部の範囲内となるように含有するものである。
上記ポリウレタンアクリレート(B1)の含有量が50重量部未満であると、耐ブロッキング性が低下するという点で好ましいものではない。上記ポリウレタンアクリレート(B1)の含有量が99重量部を超えると、耐擦傷性、表面硬度が不充分となる点で好ましいものではない。上記下限は、55重量部以上であることがより好ましく、65重量部以上であることが更に好ましい。上記上限は、98重量部以下であることがより好ましく、95重量部以下であることが更に好ましい。
上記不飽和2重結合を有するモノマー・オリゴマー(B2)の含有量が1重量部未満であると、耐擦傷性、表面硬度が不充分となる点で好ましいものではない。上記不飽和2重結合を有するモノマー・オリゴマー(B2)の含有量が50重量部を超えると、耐ブロッキング性が低下するという点で好ましいものではない。上記下限は、2重量部以上であることがより好ましく、5重量部以上であることが更に好ましい。上記上限は、45重量部以下であることがより好ましく、35重量部以下であることが更に好ましい。
上記重合開始剤(B3)の含有量が0.5重量部未満であると、クリヤー層を十分に硬化させることができず、得られるクリヤーの耐擦傷性、表面硬度、耐薬品性、耐衝撃性の塗膜物性を得られない可能性がある。上記重合開始剤(B3)の含有量が20重量部を超えると、クリヤー塗膜内に未反応の重合開始剤(B3)が残存し、屋外での太陽光等によって、クリヤー塗膜が劣化し、耐候性が悪化する可能性がある。
上記クリヤー塗料組成物は、チオール基及び/又はアミン基を有するモノマーを0.5〜20重量部含有することが好ましい。
上記チオール基及び/又はアミン基を有するモノマーとしては、特に限定されず、通常使用されるチオール化合物、及び、アミン化合物を挙げることができる。
上記アミン化合物としては、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、等の脂肪族ポリアミン:1,2−および1,3−シクロブタンジアミン、1,2−、1,3−および1,4−シクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミン(IPDA)、メチレンビスシクロヘキサン2,4’−および/または4,4’−ジアミン、ノルボルナンジアミン等の脂環式ポリアミン:フェニレンジアミン、キシリレンジアミン、2,4−トリレンジアミン、2,6−トリレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4−ビス−(sec−ブチル)ジフェニルメタンなどの芳香族アミン:及びダイマー酸のカルボキシ基をアミノ基に転化したダイマー酸ジアミン、末端にアミノ基を有するデンドリマー、アミンを繰返し構造として有するポリアミンを用いることもできるがこれらに限定されない。
上記チオール化合物としては、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、エチレングリコールジメルカプトプロピオネート、ジエチレングリコールジメルカプトプロピオネート、4−t−ブチル−1,2−ベンゼンジチオール、ビス−(2−メルカプトエチル)スルフィド、4,4’−チオジベンゼンチオール、ベンゼンジチオール、グリコールジメルカプトアセテート、グリコールジメルカプトプロピオネート、エチレンビス(3−メルカプトプロピオネート)、ポリエチレングリコールジメルカプトアセテート、ポリエチレングリコールジ−(3−メルカプトピロピオネート)、2,2−ビス(メルカプトメチル)−1,3−プロパンジチオール、2,5−ジメルカプトメチル−1,4−ジチアン、ビスフェノフルオレンビス(エトキシ−3−メルカプトプロピオネート)、4,8−ビス(メルカプトメチル)−3,6,9−トリチア−1,11−ウンデカンジチオール、2−メルカプトメチル−2−メチル−1,3−プロパンジチオール、1,8−ジメルカプト−3,6−ジオキサオクタン、チオグリセロールビスメルカプト−アセテート等の2官能チオール:トリメチロールプロパン(トリスメルカプトプロピオネート)(TMPTMP)、トリメチロールプロパン トリス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールエタン トリス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトアセテート)、トリス(3−メルカプトプロピル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチリルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、1,2,3−トリメルカプトプロパン、及びトリス(3−メルカプトプロピオネート)トリエチル−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、等の3官能チオール:ポリ(メルカプトプロピルメチル)シロキサン(PMPMS)、4−メルカプトメチル−3,6−ジチア−1,8−オクタンジチオールペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトアセテート)、及びペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトール ヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトブチレート)等の多官能チオールを含むが、これらに限定されない。
本発明の3次元成型品加飾用積層フィルムにおいて使用されるクリヤー塗膜層(B)は、上述したようなものであるが、更に好ましくは、ポリウレタンアクリレート(B1)が
2重結合当量:130〜600g/eq
分子量Mw:3000〜200000
ウレタン濃度:300〜2000g/eq、
である塗料組成物によって形成されたものであることが好ましい。これらの性質を満たすものを使用することが好ましい。このようなすべての条件を満たすクリヤー塗料組成物も本発明の一つである。このようなクリヤー塗料組成物によってクリヤー塗膜層(B)を形成することによって、耐ブロッキング性、高い耐擦傷性,表面硬度,耐薬品性を備え,良好な耐衝撃性を付与することができる点で好ましいものである。さらに、上記ポリウレタンアクリレート(B1)は、ウレア濃度:500〜1000g/eqであることが好ましい。
なお、本明細書における重量平均分子量は、東ソー(株)製HLC−82220GPCを用いて測定した。測定条件は下記の通りである。
カラム:TSKgel Super Multipore HZ−M 3本
展開溶媒:テトラヒドロフラン
カラム注入口オーブン 40℃
流量:0.35 ml/min.
検出器:RI
標準ポリスチレン:東ソー (株)PSオリゴマーキット
(その他の成分)
クリヤー塗料組成物には、上記したポリウレタンアクリレート(B1)、不飽和2重結合を有するモノマー・オリゴマー(B2)、重合開始剤(B3)の他に、通常、塗料材料として添加される化合物が、その他の成分として含まれていてもよい。その他の成分としては、紫外線吸収剤(UVA)、光安定剤(HALS)、バインダー用樹脂や架橋剤、顔料、表面調整剤、消泡剤、導電性充填剤、溶剤等を挙げることができる。
さらに、クリヤー塗料組成物に含まれる各成分の混合や粘度調整のために溶剤を用いてもよい。該溶剤としては、例えば、エステル系、エーテル系、アルコール系、アミド系、ケトン系、脂肪族炭化水素系、脂環族炭化水素系、芳香族炭化水素系等、塗料に用いられる従来公知の有機溶媒を、1種又は2種以上を組み合わせて用いればよい。なお、上記溶剤を用いる場合、積層フィルムに揮発性物質が残存すると、基材への加飾に際して、揮発性物質が揮散して、ピンホールや膨れが生じることがある。そのため、積層フィルムに含まれる揮発性物質を十分に低減することが好ましい。
更に、上記クリヤー塗料組成物は、更に、平均1次粒子径が100nm以下の無機・有機フィラーを0.5〜60重量部含有することが好ましい。これによって、耐ブロッキング性、高い耐擦傷性,表面硬度を改善することができる。上記配合量の下限は、1重量%であることがより好ましく、上限は50重量%であることがより好ましい。
上記無機フィラーとしては、シリカ、微粉末ガラス、アルミナ、炭酸カルシウム、カオリン、クレー、セピオライト(マグネシウム珪酸塩)、タルク(珪酸マグネシウム)、マイカ(珪酸アルミ)、ゾノトライト(珪酸カルシウム)、硼酸アルミニウム、ハイドロタルサイト、ウォラストナイト(珪酸カルシウム)、チタン酸カリウム、酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、イットリア、セリア、炭化ケイ素、炭化ホウ素、ジルコニア、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、あるいはこれらの共融混合物、または成型、焼成などを経て得られる非金属無機材料いわゆるセラミックスフィラーが挙げられる。その中で価格と効果の面からシリカ、アルミナ、ジルコニア、あるいはこれらの共融混合物が好ましい。
上記有機フィラーとしては、アクリル、スチレン、シリコーン、ポリウレタン、アクリルウレタン、ベンゾグアナミン、ポリエチレンの各樹脂のビーズが挙げられる。
また、市販のものとして、オルガノシリカゾルMIBK−ST, MEK−ST−UP、MEK−ST−L,MEK−AC−2140Z (日産化学工業製)、SIRMIBK15ET%−H24、 SIRMIBK15ET%−H83、ALMIBK30WT%−H06(CIKナノテック)等を使用することができる。
クリヤー塗料組成物は、イソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物を0.5〜20重量%(塗料中の固形分比)含有するものであってもよい。ポリイソシアネート化合物を配合することによって、成形性(延伸性)と耐擦傷性を付与できる点で好ましい。上記配合量の下限は、2重量%であることがより好ましく、上限は18重量%であることがより好ましい。
(意匠層(C))
本発明における意匠層(C)は、3次元成型品加飾用積層フィルムによって付与される 意匠外観を形成した層である。このような層としては、着色塗料組成物を塗布した後乾燥することによって形成された層、印刷によって形成された層等を使用することができる。以下、これらについてそれぞれ説明する。
(着色塗料組成物によって形成された意匠層(C))
上記意匠層(C)の形成において使用することができる着色塗料組成物は、特に限定されるものではないが、ウレタン樹脂(C1)及び光輝材(C2)を含有することが好ましい。また、上記着色塗料組成物には、上記の各成分に加えて、紫外線吸収剤(UVA)、光安定剤(HALS)、バインダー用樹脂や架橋剤、顔料、表面調整剤、消泡剤、導電性充填剤、溶剤等のその他の成分が含まれていてもよい。なお、上記着色塗料組成物は、電磁線照射によって硬化するものであってもよく、あるいは、熱可塑性や熱硬化性であってもよい。
なお、図2、図4に示したように、接着層を設けない態様の場合には、意匠層に接着機能を付与することが好ましい。すなわち、樹脂として接着性が高い物を使用した着色塗料組成物によって、意匠層(C)を形成したものであることが好ましい。
(ウレタン樹脂(C1))
着色塗料組成物に含有されるウレタン樹脂(C1)は、特に限定されないが、重量平均分子量Mwが10,000以上200,000以下であることが好ましく、30,000以上150,000以下であることがより好ましい。上記重量平均分子量Mwが10,000未満であると、意匠層(C)の柔軟性が低下し、重量平均分子量Mwが200,000を超えると、着色塗料組成物の製造とフィルムへの塗工が困難となる。
上記ポリウレタン樹脂(C1)は、Tg:−30℃〜30℃であることが好ましい。上記
Tgが−30℃未満であると、塗工、乾燥後の塗膜タック性(ブロッキング)が低下するという問題を生じる場合があり、30℃を超えると、塗膜硬度UPによる成形不良、製品としての低温物性低下という問題を生じる場合がある。
なお、本明細書においてTgは、示差走査熱量計(DSC)(熱分析装置SSC5200(セイコー電子製))にて以下の工程により測定した値を意味するものである。すなわち、昇温速度10℃/minにて20℃から150℃に昇温する工程(工程1)、降温速度10℃/minにて150℃から−50℃に降温する工程(工程2)、昇温速度10℃/minにて−50℃から150℃に昇温する工程(工程3)において、工程3の昇温時のチャートから得られる値である。即ち、図6で示されるチャートの矢印で示される温度をTgとした。
(光輝材(C2))
上記光輝材(C2)としては特に限定されず、アルミ、ガラス、無機顔料及び有機顔料からなる群より選択される少なくとも1つであることが好ましい。より具体的には、コーティングアルミニウム、アルミニウムフレーク、銅、亜鉛、ニッケル、スズ、酸化アルミニウム等の金属又は合金等の金属性光輝材等を用いた金属系顔料;干渉マイカ、ホワイトマイカ等のマイカ系顔料等を挙げることができる。
上記着色塗料組成物は、(C1)の固形分重量及び(C2)の固形分重量の合計量((C1)+(C2))100重量部中に、(C2)を0.5〜60重量部の範囲となるように含有する物を使用することが好ましい。
(その他の成分)
着色塗料組成物に含まれるその他の成分であるバインダー用樹脂や架橋剤としては、例えば、変性アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、オレフィン樹脂、変性オレフィン樹脂、メラミン樹脂、ポリイソシアナート化合物、ブロックイソシアナート化合物等を挙げることができる。また、上記着色塗料組成物に含まれる溶剤としては、エステル系、エーテル系、アルコール系、アミド系、ケトン系、脂肪族炭化水素系、脂環族炭化水素系、芳香族炭化水素系等の、通常塗料に用いられる有機溶媒を1種又は2種以上を組み合わせて用いればよい。なお、上記溶剤を用いる場合、積層フィルムに揮発性物質が残存すると、基材への加飾に際して、揮発性物質が揮散して、ピンホールや膨れが生じることがある。そのため、積層フィルムに含まれる揮発性物質を十分に低減することが好ましい。
(印刷によって形成された意匠層(C))
本発明の意匠層(C)は、印刷によって形成されたものであってもよい。印刷の方法は特に限定されず、インクジェット印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷又はフレキソ印刷等の公知の方法によって形成することができる。
(離型層D)
本発明における離型層(D)は、公知の任意のものを使用することができ、例えば、シリコーン系離型剤等によって形成することができる。
(接着層(E))
接着層は、基材を積層フィルムにて加飾する際に、積層フィルムを基材表面に密着させて接着させるために用いられる。
接着層に含まれる接着剤としては、従来公知の接着剤であれば特に限定されないが、例えば、バイロンUR−3200(東洋紡社製)、UR−1361ET(東亜合成製)等を挙げることができる。
上記接着剤は、上記接着剤を塗布・乾燥することにより形成したものであっても、接着剤シートをラミネートして形成したものであってもよい。
(破断伸度)
本発明の3次元成型品加飾用積層フィルムは、硬化前に、40〜130℃で30〜400%の破断伸びを有するものであることが好ましい。すなわち上記の温度範囲で、このような破断伸度を有するものとすることで、深絞り成形に容易に対応できるものとなり、本発明の効果を好適に得ることができる。このような数値範囲内のものとすることは、フィルムを形成する各層の成分を調製することで可能となる。本発明において、「40〜130℃で30〜400%の破断伸びを有する」とは、破断伸びが30〜400%を示す温度領域が40〜130℃内にあり、その温度で成形することで、十分な延伸性が得られる。という意味である。
なお、破断伸度は、基材フィルム(A)を含む状態で島津製作所製オートグラフAG−ISを用い、80℃の温度条件下、50mm/minの引張速度にて測定し、いずれかの層が破断した時点の伸びを測定して得られた値である。
(積層フィルムの製造方法)
本発明の3次元成型品加飾用積層フィルムを構成する基材フィルム層(A)以外の各層は、各層を構成する成分を溶剤に溶解した塗料組成物を調製し、これを基材フィルム層(A)上に塗布・乾燥することで、形成することができる。また、意匠層(C)は上述したように、印刷によって形成することもできる。
上記各層を形成するための塗布方法としては、特に限定されないが、例えば、スプレーによる吹付け塗布、アプリケーターや、ダイコーター、バーコーター、ロールコーター、コンマコーター、ローラブラシ、はけ、へら等を用いて塗布すればよい。上記塗布方法にて、着色塗料溶液を塗布した後、該着色塗料溶液中の溶剤を除去するために、加温乾燥を行って、形成することができる。
また、上述したように、接着層(E)に関しては、塗布・乾燥という方法ではなく、ラミネート法によって接着するものであってもよい。すなわち、接着層(E)によって形成されたフィルムを調製し、これをフィルムにラミネートによって接着させる方法で形成してもよい。
(使用方法)
本発明の3次元成型品加飾用積層フィルムを用いて基材を加飾する場合には、従来公知の手法と同様に行えばよく、特に限定されるものではない。すなわち、必要に応じて積層フィルムから基材フィルム層(A)を剥離し、接着層が基材表面に面するようにして、基材表面に積層フィルムを密着するように、該積層フィルムを圧着させて加飾する。その後、電磁波照射又は加熱を行い、各層を硬化させて、塗膜を得る。また、図1及び図2に示した層構成の複層フィルムの場合には、圧着、硬化後に基材フィルム層(A)を剥離してもよい。なお、積層フィルムを基材表面に密着させる場合には、真空成形、射出成型による加熱、成型等を行うことができる。
なお、本発明の積層フィルムによって好適に加飾を施すことができる基材は、特に限定されないが、例えば、バンパー、フロントアンダースポイラー、リヤーアンダースポイラー、サイドアンダースカート、サイドガーニッシュ、ドアミラー等の自動車外装部品、インパネ、センターコンソール、ドアスイッチパネル等の自動車内装部品、携帯電話やオーディオ製品、冷蔵庫、ファンヒータ、照明器具等の家電製品の筐体、洗面化粧台等を挙げることができる。
以下、本発明を実施例によって説明する。実施例中、配合割合において%とあるのは特に言及がない限り重量%を意味する。本発明は以下に記載した実施例に限定されるものではない。
<合成例1 ポリウレタンアクリレート(B1)の調製>
攪拌機、還流冷却管、温度計、空気吹き込み管、及びマンホールを備えた反応容器を用意した。反応容器の内部を空気で置換しながら、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合体(水酸基価102.9mgKOH/g)400.0gを仕込んだ。次いで、溶剤として酢酸エチル171.8gを仕込んだ。系内が均一となった後、50℃で4,4’−メチレンビス−シクロヘキシルジイソシアネート115.3gを仕込み、触媒としてジブチルチンラウリレートを使用して75℃で反応させ、プレポリマーを得た。次いで、30℃迄冷却してイソプロピルアルコール171.8gで希釈したイソフォロンジアミン12.5gを徐々に滴下して、赤外吸収スペクトル分析で測定される遊離イソシアネート基による2,270cm−1の吸収が消失するまで反応を進行させた。酢酸エチルとイソプロピルアルコールの質量比が1:1、固形分が40%となるまで希釈して、ポリウレタンを含有する樹脂溶液を得た。得られた樹脂溶液の粘度は60mPa・s/20℃、固形分は40%、2重結合当量は133g/eqであった。また、GPCにより測定したポリウレタンの重量平均分子量は3,000であった。
<合成例2 ポリウレタンアクリレート(B1)の調整>
攪拌機、還流冷却管、温度計、空気吹き込み管、及びマンホールを備えた反応容器を用意した。
反応容器の内部を空気で置換しながら、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合体(水酸基価102.9mgKOH/g)400.0gを仕込んだ。次いで、溶剤として酢酸エチル197.4gを仕込んだ。系内が均一となった後、50℃で4,4‘−メチレンビス-シクロヘキシルジイソシアネート192.2gを仕込み、触媒としてジブチルチンラウリレートを使用して75℃で反応させ、プレポリマーを得た。次いで、30℃迄冷却してイソプロピルアルコール197.4gで希釈したイソフォロンジアミン62.3gを徐々に滴下して、赤外吸収スペクトル分析で測定される遊離イソシアネート基による2,270cm−1の吸収が消失するまで反応を進行させた。酢酸エチルとイソプロピルアルコールの質量比が1:1、固形分が40%となるまで希釈して、ポリウレタンを含有する樹脂溶液を得た。得られた樹脂溶液の粘度は150mPa・s/20℃、固形分は40%、2重結合当量は164g/eqであった。また、GPCにより測定したポリウレタンの重量平均分子量は4,000であった。
<合成例3 ポリウレタンアクリレート(B1)の調製>
攪拌機、還流冷却管、温度計、空気吹き込み管、及びマンホールを備えた反応容器を用意した。反応容器の内部を空気で置換しながら、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール(商品名「デュラノールT6001」、旭化成ケミカルズ(株)製、末端官能基定量による数平均分子量=1,000)200.0g、1,4−ブタンジオール80.0g、及びジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合体(水酸基価102.9mgKOH/g)120.0gを仕込んだ。次いで、溶剤としてメチルエチルケトン(MEK)238.1gを仕込んだ。系内が均一となった後、50℃で4,4’−メチレンビス−シクロヘキシルジイソシアネート314.2gを仕込み、触媒としてジブチルチンラウリレートを使用して80℃で反応させた。溶剤希釈により反応液の粘度を調整し、赤外吸収スペクトル分析で測定される遊離イソシアネート基による2,270cm−1の吸収が消失するまで反応を進行させた。MEKとシクロヘキサノンの質量比が1:1となるまでシクロヘキサノンを添加して、ポリウレタンを含有する樹脂溶液を得た。得られた樹脂溶液の粘度は200dPa・s/20℃、固形分は45%、2重結合当量は600g/eqであった。また、GPCにより測定したポリウレタンの重量平均分子量は44,000であった。
<クリヤー塗料溶液の調整>
攪拌機を備えた容器に、上記のように得られたポリウレタンアクリレート(B1)、モノマー・オリゴマー(B2)を入れ、攪拌しながら最終の塗料がNV=40%となる量のMEKを入れ、さらに重合開始剤(B3)を入れ、30分間攪拌し、クリヤー塗料溶液を得た。
<着色塗料溶液の調整>
攪拌機を備えた容器に、ウレタン樹脂(C1)及び光輝剤(C2)を入れ、攪拌しながら最終の塗料がNV=35%となる量のMIBKを入れ、30分間攪拌し、着色塗料溶液を得た。
<積層フィルムの作製1>
基材フィルム(A)上に、乾燥した時の膜厚(以下、乾燥膜厚)が20μmのクリヤー塗膜層(B)が得られるように、上記クリヤー塗料溶液を、アプリケーターを用いて塗布し、80℃にて15分間乾燥させてクリヤー塗膜層(B)を形成した。なお、以下では、基材フィルム層(A)上にクリヤー塗膜層(B)が形成されてなるものを、(A+B)層フィルムと記載する。
次いで、上記(A+B)層フィルムのクリヤー塗膜層(B)上に、乾燥膜厚が20μmの意匠層(C)が得られるように、上記着色塗料溶液を、アプリケーターを用いて塗布し、その後、80℃にて15分間乾燥させ、意匠層(C)を形成した.
接着層を設ける場合は、続いて、意匠層(C)上に、乾燥膜厚が10μmの接着層が得られるように、接着剤(バイロンUR−3200、東洋紡社製またはUR−1361ET、東亜合成社製)を、アプリケーターを用いて塗布し、80℃にて15分間乾燥させ、接着層を形成した.
<積層フィルムの作製2>
基材フィルム(A)上に、乾燥した時の膜厚(以下、乾燥膜厚)が20μmのクリヤー塗膜層(B)が得られるように、上記クリヤー塗料溶液を、アプリケーターを用いて塗布し、80℃にて15分間乾燥させてクリヤー塗膜層(B)を形成した。なお、以下では、基材フィルム層(A)上にクリヤー塗膜層(B)が形成されてなるものを、(A+B)層フィルムと記載する。
次いで、上記(A+B)層フィルムのクリヤー塗膜層(B)とは反対側に、乾燥膜厚が20μmの意匠層(C)が得られるように、上記着色塗料溶液を、アプリケーターを用いて塗布し、その後、80℃にて15分間乾燥させ、意匠層(C)を形成した。
接着層を設ける場合は、続いて、意匠層(C)上に、乾燥膜厚が10μmの接着層が得られるように、接着剤(バイロンUR−3200、東洋紡社製またはUR−1361ET、東亜合成社製)を、アプリケーターを用いて塗布し、80℃にて15分間乾燥させ、接着層を形成した。
<積層フィルムの作製3>
基材フィルム(A)上に、乾燥した時の膜厚(以下、乾燥膜厚)が20μmの意匠層(C)が得られるように、上記着色塗料溶液を、アプリケーターを用いて塗布し、80℃にて15分間乾燥させて意匠層(C)を形成した。なお、以下では、基材フィルム層(A)上に意匠層(C)が形成されてなるものを、(A+C)層フィルムと記載する。
次いで、上記(A+C)層フィルムの意匠層(C)上に、乾燥膜厚が20μmのクリヤー塗膜層(B)が得られるように、上記クリヤー塗料溶液を、アプリケーターを用いて塗布し、その後、80℃にて15分間乾燥させ、クリヤー塗膜層(B)を形成した。
接着層を設けるため、続いて、着色塗膜層(C)とは反対側の基材フィルム(A)上に、乾燥膜厚が10μmの接着剤層が得られるように、接着剤(バイロンUR−3200、東洋紡社製)を、アプリケーターを用いて塗布し、80℃にて15分間乾燥させ、接着剤層を形成した。
〔積層フィルムによって加飾された成形体の製造例〕
上下ボックスからなる両面真空成形装置(商品名NGF−0709、布施真空(株)社製)内に装備された上下昇降テーブル上に、ABS製基材(成型品)を載置した。その後、上記両面真空成形装置の成型基材(成型品)の上部にあるシートクランプ枠に、上記にて得た積層フィルムをセットした。続いて、上下ボックス内の真空度が1.0kPaになるように減圧し、近赤外線ヒータを用いて積層フィルムの温度が90℃になるまで加熱し、成型基材を上昇させて、成型基材と積層フィルムとを圧着、その後、上ボックスにのみ200kPaの圧縮空気を導入し、35秒間保持した。上下ボックスを大気圧に開放し、積層フィルムで加飾された加飾成形体を得た。さらに、上記加飾成形体のクリヤー塗膜層(B)側から、120W/cmの高圧水銀灯を用いて、2000mJ/cmの光量の紫外線を照射し、クリヤー塗膜層(B)のクリヤー塗料を硬化させ、UV(紫外線)硬化成形体を得た。
なお、インクジェット印刷は、ミマキエンジニアリング製UJF−3042を用いて行い、ラミネートはMCK(株)製MRK−650Yを用いて、温度:85℃、速度:42cm/minの条件下で直径80mmの耐熱シリコンゴムロールにより行った。
なお、表中で使用した原料は下記の通りである。
UN−951(根上工業)
UV 1700B (日本合成化学工業)
ALMIBK30WT%−H06 (CIK ナノテック)(アルミナ)
PEMP (SC 有機化学株式会社)(チオール)
ルシリンTPO(BASF)
ノバクリアSG007(三菱樹脂)
ソフトシャイン(東洋紡)
アルペースト65−388アルミ(東洋アルミ)
NCO (大日精化社製クロスネートXCR)
得られた積層フィルム及び成形体について、下記の基準に基づき評価を行った。結果を表に示す。
(ブロッキング性)
指触にてタックの有無を確認した。
◎:タックなし
○:僅かにタックあるが巻き取れるレベル
△:僅かにタックあり、巻き取れないレベル
×:タックが顕著にあり
(破断伸度)
基材込みにて島津製作所製オートグラフAG−ISを用い80℃の温度条件下、50mm/minの引張速度にて測定した。いずれかの層が破断した時点で、伸びを判定した。
(成形性)
布施真空(株)製両面真空成形機NGF−0709を用いて、TOM成形にて確認した。
◎:基材に高延伸部まで追随し成形可能
○:基材に中延伸部まで追随し成形可能
△:基材に低延伸部まで追随し成形可能
×:成形不可
(耐SW性)
耐スチールウール性試験機を用いて、100g/cm荷重にて#0000のスチールウールを10往復して、塗膜表面を目視で観察した。
◎:傷なし
○:2〜3本の傷
△:数えられる程度の傷
×:傷が無数
(耐衝撃性)
デュポン耐衝撃試験機を用い、高さ20cmから重さ500gの重りを落下させ、塗膜のワレを目視にて確認した。
○:ワレなし
△:塗膜にわずかなひび
×:塗膜に顕著なひび
(耐薬品性)
内径38mm、高さ15mmの円筒のポリリングを積層フィルムに固定し、下記の溶液を滴下した。各条件下にてフタをして静置し、試験後、水洗いして塗膜の初期状態と比較した。
耐酸 0.1N H2SO4溶液 5ml 20℃×24h
耐アルカリ 0.1N NaOH溶液 5ml 55℃×4h
耐水 蒸留水 5ml 55℃×4h
◎:塗膜に変化なし
○:塗膜外観がわずかに変化(しわ、クラック)
△:塗膜外観が明らかに変化(しわ、クラック)
×:塗膜外観が著しく変化(しわ、クラック)
表より、本発明の積層フィルムは、いずれの評価項目においても優れた性能を有することが示された。
本発明の塗料組成物を使用して得られた3次元成型品加飾用積層フィルムは、各種の成型体に対して3次元的形状面を有する立体的な加飾を行う際に好適に使用することができる。
(A) 基材フィルム層
(B) クリヤー塗膜層
(C) 意匠層
(D) 離形層
(E) 接着層

Claims (8)

  1. ポリウレタンアクリレート(B1)と、不飽和2重結合を有するモノマー・オリゴマー(B2)と、重合開始剤(B3)とを含有する塗料組成物であって、
    上記ポリウレタンアクリレート(B1)は、
    2重結合当量:130〜600g/eq
    分子量Mw:4000〜200000
    ウレタン濃度:300〜2000g/eq、
    である3次元成型品加飾用積層フィルムのクリヤー塗膜層形成用塗料組成物。
  2. ポリウレタンアクリレート(B1)は、
    ウレア濃度:500〜1000g/eqである請求項1記載の塗料組成物。
  3. ポリウレタンアクリレート(B1)は、
    ポリカーボネート濃度:0.5〜75wt%
    となる割合でポリカーボネートジオール骨格を有する請求項1又は2記載の塗料組成物。
  4. 更に、平均1次粒子径が100nm以下の無機・有機フィラーを0.5〜60重量部含有する請求項1〜3のいずれか1に記載の塗料組成物。
  5. 更に、イソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物を0.5〜20重量部含有する請求項1〜4のいずれか1に記載の塗料組成物。
  6. 更に、チオール基及び/又はアミン基を有するモノマーを0.5〜20重量部含有する請求項1〜5のいずれか1に記載の塗料組成物。
  7. ポリウレタンアクリレート(B1)は、フッ素、シリコーンで変性されたものである請求項1〜6のいずれか1に記載の塗料組成物。
  8. (B1)の固形分重量、(B2)の固形分重量の合計量((B1)+(B2))100重量部中に、(B1)を50〜99重量部、(B2)を1〜50重量部の範囲内となるように含有し、(B1)の固形分重量及び(B2)の固形分重量の合計量((B1)+(B2))100重量部に対して(B3)を0.5〜20重量部の範囲内で含有する請求項1〜7のいずれか1に記載の塗料組成物。
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