JP2022182014A - 3次元成型品加飾用積層フィルム、その製造方法及び3次元成型品加飾方法 - Google Patents

3次元成型品加飾用積層フィルム、その製造方法及び3次元成型品加飾方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2022182014A
JP2022182014A JP2021089293A JP2021089293A JP2022182014A JP 2022182014 A JP2022182014 A JP 2022182014A JP 2021089293 A JP2021089293 A JP 2021089293A JP 2021089293 A JP2021089293 A JP 2021089293A JP 2022182014 A JP2022182014 A JP 2022182014A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
film
energy ray
decorating
laminated film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021089293A
Other languages
English (en)
Inventor
高和 長谷
Takakazu Hase
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Paint Automotive Coatings Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Automotive Coatings Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Paint Automotive Coatings Co Ltd filed Critical Nippon Paint Automotive Coatings Co Ltd
Priority to JP2021089293A priority Critical patent/JP2022182014A/ja
Publication of JP2022182014A publication Critical patent/JP2022182014A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

【課題】 本発明は、積層フィルム製造時、真空成形時、更に、エネルギー線照射前まで、基材フィルムが剥がれることなく、且つ、エネルギー線照射後には基材フィルムを容易に剥離することができ、よって、加飾成形の安定性に優れる、3次元成型品加飾用積層フィルムを提供する。【解決手段】 基材フィルム(A)、エネルギー線硬化性塗膜からなるクリヤー塗膜層(B)、意匠層(C)を有し、さらに、接着層(D)を備えるものであるか、前記意匠層(C)が接着層としての機能を兼ね備えた意匠層(C-D)である3次元成型品加飾用積層フィルムであって、さらに、基材フィルム(A)のクリヤー塗膜層(B)が接する面に、エネルギー線照射剥離型粘着剤含有組成物からなる層(X)を有することを特徴とする3次元成型品加飾用積層フィルム。【選択図】 図1

Description

本発明は、3次元成型品加飾用積層フィルム、その製造方法及び3次元成型品加飾方法に関する。
プラスチック、金属その他の各種材料から得られた成型品においては、表面に意匠性を付与したり、表面を保護したりする目的で表面への加飾が一般的に行われている。
このような加飾の方法の一つとして、積層フィルムを用いたフィルム加飾法が知られている。これは、成型品を加飾するための層をフィルムとして作成し、これを成型品上に貼着させることによって加飾を行うものである。
このような加飾方法は、意匠層が成形時に傷等の損傷を受けないために、予め意匠層上に基材フィルムを設けておき、成形後に基材フィルムを剥がす方法が知られており、該加飾方法に使用される積層フィルムは転写型と称され、検討がなされている。
転写型の積層フィルムとして、基材フィルムと意匠層との間に未硬化状態の硬化性樹脂層を設け、加飾成形後、エネルギー線照射により該硬化性樹脂層を硬化させ、被着体に接着した後、基材フィルムを剥がす、硬化性樹脂層を有する転写型積層フィルムが知られている。得られた成形体の意匠部分は硬化樹脂層で覆われるため、意匠部分が保護され、強度や美観維持に優れた加飾成形体を得ることができる。
このような積層フィルムは、剥離強度のバランスを確保することが困難であるという課題があった。すなわち、剥離強度が弱すぎると、転写工程において基材フィルムが剥離してしまうことによる問題を生じ、剥離強度が強すぎると硬化性樹脂層と基材フィルムとの間の剥離に不良を生じてしまう。
特許文献1には、ポリビニルアルコール樹脂を主成分とする基材フィルム上に、ラジカル重合性樹脂組成物層と加飾層とをこの順に積層した転写層を有する熱転写用フィルムであって、前記ラジカル重合性樹脂組成物層が、熱可塑性樹脂と、数平均分子量100~600の範囲であるラジカル反応性希釈剤とを含有する熱転写用フィルムが開示されている。
しかしながら、この熱転写用フィルムは、加熱により基材フィルムが容易に剥離できるようになるものであり、真空成形により加飾する場合、真空成形後、活性エネルギー線照射前に、基材フィルムが剥離するため、ラジカル重合性樹脂組成物層表面の平滑性が得られなかったり、美観に問題が生じたりすることがある。
特許文献2には、建築物の壁材、床材、間仕切り等に使用される建材用の化粧板を製造するにあたって用いられる転写シートとして、転写シートから離型性支持体の剥離を容易にするために、剥離層を設けた転写シートが開示されている。
この剥離層は、粘着剤に電離放射線硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂を含有させた組成物により構成されているが、転写シートが被転写基材に転写され、離型性支持体が剥離された後、転写シートの最も外側の層として残存するものである。
しかしながら、このような転写シートは、被転写基材に転写・加飾した後の再表層に位置する転写層表面を制限する必要があり、硬度や耐擦傷性などを満足させることが不十分になる。
特開2010-228315号公報 特開2019-48426号公報
本発明は、積層フィルム製造時、真空成形時、更に、エネルギー線照射前まで、基材フィルムが剥がれることなく、且つ、エネルギー線照射後には基材フィルムを容易に剥離することができ、よって、加飾成形の安定性に優れる、3次元成型品加飾用積層フィルムを提供することを目的とする。
また、本発明は、上記のような3次元成型品加飾用積層フィルムを製造するための製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、基材フィルム(A)、エネルギー線硬化性塗膜からなるクリヤー塗膜層(B)、意匠層(C)を有し、
さらに、接着層(D)を備えるものであるか、前記意匠層(C)が接着層としての機能を兼ね備えた意匠層(C-D)である3次元成型品加飾用積層フィルムであって、
さらに、基材フィルム(A)のクリヤー塗膜層(B)が接する面に、エネルギー線照射剥離型粘着剤含有組成物からなる層(X)を有することを特徴とする3次元成型品加飾用積層フィルムである。
上記クリヤー塗膜層(B)は、ポリウレタンアクリレート(B1)、不飽和2重結合を有するモノマー・オリゴマー(B2)及び重合開始剤(B3)を含有する活性エネルギー線硬化性コーティング組成物によって形成されたものであることが好ましい。
上記意匠層(C)及び接着機能を備えた意匠層(C-D)は、少なくともポリウレタン樹脂(C1)と、光輝材(C2)とを含有し、ポリウレタン樹脂(C1)の固形分質量及び光輝材(C2)の固形分質量の合計量((C1)+(C2))100質量部中に、(C2)を0.5~60質量部の範囲となるように含有する着色塗料組成物によって形成された層であることが好ましい。
上記意匠層(C)が、蒸着アルミを含有する塗膜層(E-1)又はインジウム若しくはスズからなる蒸着金属層(E-2)からなる金属調意匠層(E)であることが好ましい。
本発明の3次元成型品加飾用積層フィルムは、上記クリヤー塗膜層(B)と金属調意匠層(E)の間に、さらに保護層(F)を有することが好ましい。
本発明の3次元成型品加飾用積層フィルムは、さらに、印刷によって形成された意匠層(G)を有することが好ましい。
上記意匠層(C)が、印刷によって形成された意匠層(G)であることが好ましい。
本発明は、キャリアフィルム上に、接着層(D)及び意匠層(C)、又は、接着機能を備えた意匠層(C-D)、並びにクリヤー塗膜層(B)を順に形成する工程(1)、
続いて、クリヤー塗膜層(B)上に、あらかじめエネルギー線照射剥離型粘着剤含有組成物が塗布された基材フィルム(A)を接着させる工程(2)
を有することを特徴とする3次元成型品加飾用積層フィルムの製造方法でもある。
上記基材フィルム(A)に、コロナ処理又は易接着処理を施した後、エネルギー線照射剥離型粘着剤組成物を塗布することが好ましい。
本発明は、上記3次元成型品加飾用積層フィルムを用いて、真空成形又は真空圧空成形により、接着層(D)又は接着機能を備えた意匠層(C-D)を3次元成型品上に貼りつけた後、エネルギー線を基材フィルム(A)側から照射し、基材フィルム(A)をエネルギー線照射剥離型粘着剤含有組成物からなる層(X)とともに、クリヤー塗膜層(B)から剥離することを特徴とする3次元成型品加飾方法でもある。
本発明の3次元成型品加飾用積層フィルムは、積層フィルム製造時、真空成形時、更に、エネルギー線照射前まで、基材フィルムが剥がれることなく、且つ、エネルギー線照射後には基材フィルムを容易に剥離することができ、従って、これまでよりも安定的に加飾成形が可能になった。
本発明の3次元成型品加飾用積層フィルムの積層構造の一例を示す模式図である。 本発明の3次元成型品加飾用積層フィルムの積層構造の一例を示す模式図である。 本発明の3次元成型品加飾用積層フィルムの積層構造の一例を示す模式図である。 本発明の3次元成型品加飾用積層フィルムの積層構造の一例を示す模式図である。 本発明の3次元成型品加飾用積層フィルムの積層構造の一例を示す模式図である。 本発明におけるTgの測定方法において、チャートからTgを読み取る際の読み取り方法を具体的に示す図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
(3次元成型品加飾用積層フィルム)
本発明の3次元成型品加飾用積層フィルムは、3次元成型品の加飾成形において使用するフィルムである。すなわち、意匠性を有するフィルムを各種成型体に接着させて、成型体に意匠性を付与したり、表面保護機能を付与したりするものである。
その際に、3次元形状の表面に沿った形に変形させて密着させるものである。
また、本発明の3次元成型品加飾用積層フィルムは、真空成形あるいは真空圧空成形に好適に用いられる。本発明において、「真空成形」とは、加飾用積層フィルムが基材となる成型品に接着される際、真空下で接着されるような成形であることを意味する。また、「真空圧空成形」とは、真空下での接着と同時に、圧縮空気をかけて成形することにより、より精度の高い成形品が得られる成形であることを意味する。
本発明の3次元成型品加飾用積層フィルムは、基材フィルム(A)、エネルギー線硬化性塗膜からなるクリヤー塗膜層(B)、意匠層(C)を有し、
さらに、接着層(D)を備えるものであるか、上記意匠層(C)が接着層としての機能を兼ね備えた意匠層(C-D)であるものである。すなわち、加飾時にクリヤー塗膜層(B)を保護する基材フィルム(A)、意匠層(C)の表面を保護するためのクリヤー塗膜層(B)、目的とする意匠を付与するための意匠層(C)、更に、積層フィルムを成型品に接着させるための接着層(D)を有するものである。又は、本発明の3次元成型品加飾用積層フィルムは、意匠層(C)及び接着層(D)ではなく、接着層としての機能を備えた意匠層(C-D)を有するものであってもよい。
また、意匠層(C)は、着色塗料組成物によって形成された意匠層であっても、金属調意匠層(E)であってもよい。
更に、必要に応じて、保護層(F)、エネルギー線吸収層(H)等を有するものであってもよい。これらの層を必要に応じて種々の積層形態としたものとすることができる。
さらに、本発明は、基材フィルム(A)のクリヤー塗膜層(B)が接する面に、エネルギー線照射剥離型粘着剤組成物が塗布されていることを特徴としたものである。
本発明は、基材フィルムにエネルギー線照射で剥離が可能となる、すなわち、エネルギー線を照射する前は粘着性を発現し、エネルギー線照射後に剥離性を発現するエネルギー線照射剥離型粘着剤を含有する樹脂組成物を、基材フィルムのクリヤー塗膜層が接する面にあらかじめ加工しておくことで、成形までの密着性と、成形後の剥離性の両立を達成した。よって、これまでよりも安定的に成形が可能になる。
以下、図を参照しつつ、3次元成型品加飾用積層フィルムの具体的な積層構造の態様について説明する。
図1に示した第一の積層構造は、基材フィルム(A)上に、エネルギー線照射剥離型粘着剤組成物からなる層(X)を有し、その上に、クリヤー塗膜層(B)、意匠層(C)、接着層(D)をこの順で積層した積層フィルムである。当該第一の積層構造においては、このような構成のフィルムは、接着層(D)により3次元成型品に接着し、加飾成形・エネルギー線照射後に、基材フィルム(A)をエネルギー線照射剥離型粘着剤組成物とともに剥離することによって、加飾を行う。これによって、クリヤー塗膜層(B)、意匠層(C)、接着層(D)の3層からなる加飾層が3次元成型品上に形成されるものである。
図2に示した第二の積層構造は、基材フィルム(A)上に、エネルギー線照射剥離型粘着剤組成物からなる層(X)を有し、その上に、クリヤー塗膜層(B)、接着層としての機能を備えた意匠層(C-D)をこの順で積層した積層フィルムである。図1と同様に、加飾成形・エネルギー線照射後に、基材フィルム層(A)をエネルギー線照射剥離型粘着剤組成物とともに剥離することによって、加飾を行う。これによって、クリヤー塗膜層(B)、接着層としての機能を備えた意匠層(C-D)の2層からなる加飾層が3次元成型品上に形成されるものである。
図3に示した第三の積層構造は、基材フィルム層(A)上に、エネルギー線照射剥離型粘着剤組成物からなる層(X)を有し、その上に、クリヤー塗膜層(B)、印刷によって形成された意匠層(G)、接着層(D)をこの順で積層したフィルムである。図1と同様に、加飾成形・エネルギー線照射後に、基材フィルム層(A)をエネルギー線照射剥離型粘着剤組成物とともに剥離することによって、加飾を行う。これによって、クリヤー塗膜層(B)、印刷によって形成された意匠層(G)、接着層(D)の3層からなる加飾層が3次元成型品上に形成されるものである。
図4に示した第四の積層構造は、基材フィルム層(A)上に、エネルギー線照射剥離型粘着剤組成物からなる層(X)を有し、その上に、クリヤー塗膜層(B)、金属調意匠層(E)、接着層(D)をこの順で積層したフィルムである。図1と同様に、加飾成形・エネルギー線照射後に、基材フィルム層(A)をエネルギー線照射剥離型粘着剤組成物とともに剥離することによって、加飾を行う。これによって、クリヤー塗膜層(B)、金属調意匠層(E)、接着層(D)の3層からなる加飾層が3次元成型品上に形成されるものである。
図5に示した第五の積層構造は、基材フィルム層(A)上に、エネルギー線照射剥離型粘着剤組成物からなる層(X)を有し、その上に、クリヤー塗膜層(B)、印刷によって形成された意匠層(G)、金属調意匠層(E)、接着層(D)をこの順で積層したフィルムである。図1と同様に、加飾成形・エネルギー線照射後に、基材フィルム層(A)をエネルギー線照射剥離型粘着剤組成物とともに剥離することによって、加飾を行う。これによって、クリヤー塗膜層(B)、印刷によって形成された意匠層(G)、金属調意匠層(E)、接着層(D)の4層からなる加飾層が3次元成型品上に形成されるものである。
なお、上述したいずれの構造においても、基材フィルム(A)を剥離した際に、エネルギー線照射剥離型粘着剤は、剥離後にクリヤー塗膜層(B)層上に残存しないものであることが好ましい。エネルギー線照射剥離型粘着剤は、加飾後の3次元成型品においては不要な層であることから、エネルギー線照射剥離型粘着剤が残存しないことが好ましい。
「エネルギー線照射剥離型粘着剤は、剥離後にクリヤー塗膜層(B)層上に残存しない」とは、以下の本明細書の加飾条件で成形品の加飾を行った場合に、エネルギー線照射剥離型粘着剤の残存が目視で確認できないことを意味する。
なお、「エネルギー線照射剥離型粘着剤は、剥離後にクリヤー塗膜層(B)層上に残存しない」3次元成型品加飾用積層フィルムとするためには、以下の工程(1)及び工程(2)を有する製造方法によって製造されたものであることが好ましい。
キャリアフィルム上に、接着層(D)及び意匠層(C)、又は、接着機能を備えた意匠層(C-D)、並びにクリヤー塗膜層(B)を順に形成する工程(1)、
続いて、クリヤー塗膜層(B)上に、あらかじめエネルギー線照射剥離型粘着剤含有組成物からなる層(X)が形成された基材フィルム(A)を接着させる工程(2)
なお、このような製造方法については、以下で詳述する。
(基材フィルム(A))
基材フィルム(A)は、加飾成形時のクリヤー塗膜層(B)を保護するものである。また、基材フィルム(A)は、3次元成型品加飾用積層フィルムに、3次元形状の表面に沿った形に変形させて密着させるための成形性を付与するものである。
基材フィルム(A)を形成するフィルムとしては特に限定されず、例えば、軟質塩化ビニルフィルム、無延伸ポリプロピレンフィルム、無延伸ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、アクリル樹脂フィルム、フッ素フィルム等の従来公知のフィルムが挙げられる。これらの中でも、エネルギー線照射剥離型粘着剤との接着性の点からは、ポリカーボネートフィルム、アクリル樹脂フィルムが好ましい。
上記基材フィルム層の厚みは、0.01~0.5mmであることが好ましく、0.02~0.3mmであることがより好ましい。この範囲を外れると、保護フィルムとしての働きや、加飾成形時の成形性、電磁線硬化の際の経済性の点で問題となる場合がある。
(エネルギー線照射剥離型粘着剤含有組成物からなる層(X))
本発明で使用するエネルギー線照射剥離型粘着剤は、積層フィルム製造時、また、加飾成形時には、クリヤー塗膜層(B)から剥離することがないように、高粘着性であり、加飾成形した後の、活性エネルギー線照射後には、エネルギー線硬化することにより、粘着力が大きく低下し、クリヤー塗膜層(B)から容易に剥離するものである。
その具体的な組成は、積層フィルムとしての物性を害するものでない限り特に限定されるものではなく、公知のエネルギー線照射剥離型粘着剤を使用することができる。
このようなエネルギー線照射剥離型粘着剤は、例えば、粘着性を有する重合性ポリマーを主成分として、光重合開始剤等を含有するエネルギー線照射剥離型接着剤が挙げられる。
このような光硬化型接着剤は、光の照射により接着剤の全体が均一にかつ速やかに重合架橋して一体化するため、重合硬化による弾性率の上昇が著しくなり、粘着力が大きく低下する。
上記重合性ポリマーは、例えば、分子内に官能基を持った(メタ)アクリル系ポリマー(以下、官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーという)をあらかじめ合成し、分子内に上記の官能基と反応する官能基とラジカル重合性の不飽和結合とを有する化合物(以下、官能基含有不飽和化合物という)と反応させることにより得ることができる。
上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーは、常温で粘着性を有するポリマーとして、一般の(メタ)アクリル系ポリマーの場合と同様に、アルキル基の炭素数が通常2~18の範囲にあるアクリル酸アルキルエステル及び/又はメタクリル酸アルキルエステルを主モノマーとし、これと官能基含有モノマーと、更に必要に応じてこれらと共重合可能な他の改質用モノマーとを常法により共重合させることにより得られるものである。上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの質量平均分子量は通常20万~200万程度である。
上記官能基含有モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等のカルボキシル基含有モノマーや、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル等のヒドロキシル基含有モノマーや、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有モノマーや、アクリル酸イソシアネートエチル、メタクリル酸イソシアネートエチル等のイソシアネート基含有モノマーや、アクリル酸アミノエチル、メタクリル酸アミノエチル等のアミノ基含有モノマー等が挙げられる。
上記共重合可能な他の改質用モノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン等の一般の(メタ)アクリル系ポリマーに用いられている各種のモノマーが挙げられる。
上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーに反応させる官能基含有不飽和化合物としては、上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの官能基に応じて上述した官能基含有モノマーと同様のものを使用できる。例えば、上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの官能基がカルボキシル基の場合はエポキシ基含有モノマーやイソシアネート基含有モノマーが用いられ、同官能基がヒドロキシル基の場合はイソシアネート基含有モノマーが用いられ、同官能基がエポキシ基の場合はカルボキシル基含有モノマーやアクリルアミド等のアミド基含有モノマーが用いられ、同官能基がアミノ基の場合はエポキシ基含有モノマーが用いられる。
上記光重合開始剤は、例えば、250~800nmの波長の光を照射することにより活性化されるものが挙げられ、このような光重合開始剤としては、例えば、メトキシアセトフェノン等のアセトフェノン誘導体化合物や、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル系化合物や、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジエチルケタール等のケタール誘導体化合物や、フォスフィンオキシド誘導体化合物や、ビス(η5-シクロペンタジエニル)チタノセン誘導体化合物、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、クロロチオキサントン、ドデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、α-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシメチルフェニルプロパン等の光ラジカル重合開始剤が挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
この光重合開始剤の使用量としては、上記の重合性ポリマー100質量部に対して0.1~5質量部の範囲とするのがよい。この使用量が少なすぎると、粘着剤層の光照射による三次元網状化が不充分となり、クリヤー塗膜層(B)に対する粘着力の低下の程度が小さくなる傾向にある。また、この使用量が多すぎると、それに見合う効果が得られず、クリヤー塗膜層(B)の表面にこの光重合開始剤が残留することがある。
なお、必要に応じてこの光重合開始剤とともにトリエチルアミン、テトラエチルペンタアミン、ジメチルアミノエタノールなどのアミン化合物を光重合促進剤として併用してもよい。
上記エネルギー線照射剥離型粘着剤は、更に、ラジカル重合性の多官能モノマー・オリゴマーを含有することが好ましい。ラジカル重合性の多官能モノマー・オリゴマーを含有することにより、光硬化性が向上する。
上記多官能モノマー・オリゴマーは、分子量が1万以下であるものが好ましく、より好ましくは光の照射による粘着剤層の三次元網状化が効率よくなされるように、その分子量が5000以下でかつ分子内のラジカル重合性の不飽和結合の数が2~20個のものである。
上記多官能モノマー・オリゴマーは、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。その他、1,4-ブチレングリコールジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、市販のオリゴエステルアクリレート、上記同様のメタクリレート類等が挙げられる。これらの多官能モノマー・オリゴマーは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
また、本発明において使用するエネルギー線照射剥離型粘着剤は、粘着性を有するアクリル系ベースポリマーと、ラジカル重合性の不飽和結合を有する多官能化合物と、光重合開始剤を含有するものであってもよい。
または、粘着性を有する官能基含有アクリル系ポリマーと、この官能基と反応する架橋剤と、ラジカル重合性の不飽和結合を有する多官能化合物と、光重合開始剤を含有するものであってもよい。
上記のようなエネルギー線照射剥離型粘着剤としては、一般に市販されているものが使用できる。例えば、JL-2052、JL-2062、JL-2102(星光PMC株式会社)、ソマタックUV125UV-X(ソマール株式会社)等が好適である。
上記エネルギー線照射剥離型粘着剤は、活性エネルギー線照射されると、光重合性官能基同士が重合するか、または光重合性化合物どうしが重合するとともに、ベースポリマーにラジカルが発生してこのポリマーと光重合性化合物とが反応することにより、接着剤は硬化し三次元網状化する。
このように三次元網状化することにより、接着剤の凝集力は光照射前に比べて著しく上昇する。通常100%モジュラス(20℃)が20kg/cm以上となる。これにともない、この層(X)の粘着性はほとんど失われて、クリヤー塗膜層(B)に対する接着力は大幅に低下する。
本発明において使用するエネルギー線照射剥離型粘着剤含有組成物は、エネルギー線照射剥離型粘着剤のみであってもよいが、エネルギー線照射剥離型粘着剤と相溶性のよいアクリル樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、スチレン樹脂等の熱可塑性樹脂から選択されるバインダーを混合し、粘着性を調整するようにしてもよい。なかでも、アクリル樹脂が好ましく、1種単独でまたは2種以上を併用して配合することができる。適度な粘着性を確保することで、成形時の発泡などの不具合が軽減できる。また、クリヤー塗膜設計自由度が向上すると共に、エネルギー線照射により剥離する機構であるため、成形後の基材フィルム剥離の容易性も確保される。
また、基材フィルム上に塗布する組成物へのエネルギー線照射剥離型粘着剤の配合量を調整することで、クリヤー層組成物に応じた剥離層の設計も可能で、かつ、この剥離層は基材フィルムと一体化しており、成形後には基材フィルムとともに剥離されるため、加飾成形品の再表層には本来のクリヤーが形成されることになり、硬度、耐擦傷性、耐薬品性、耐候性などの性能が確保される。
エネルギー線照射剥離型粘着剤とバインダーとの配合割合は、特に限定されるものではなく、エネルギー線照射剥離型粘着剤の粘着性等に応じて適宜設定すればよい。例えば、エネルギー線照射剥離型粘着剤:バインダー=1:99~50:50とすることが好ましい。
エネルギー線照射剥離型粘着剤含有組成物からなる層(X)の厚みとしては、5~40μmであるのが好ましく、10~30μmであることがより好ましい。この範囲内であれば、基材フィルム(A)とクリヤー塗膜層(B)との粘着性が確保でき、また、エネルギー線照射時の粘着剤の硬化が十分となる。
また、このエネルギー線照射剥離型粘着剤含有組成物からなる層(X)は、通常100%モジュラス(20℃)が10kg/cm以下であるのがよく、また、通常はトルエンに24時間浸漬して求めたゲル分率が55質量%未満でゲルの膨潤度が20倍以上であるのがよい。
本発明の3次元成型品加飾用積層フィルムにおいて、エネルギー線照射剥離型粘着剤含有組成物からなる層(X)とクリヤー塗膜層(B)との剥離強度は、0.05N/25mm以上であることが好ましく、0.1N/25mm以上であることが更に好ましい。0.05N/25mm未満であると、フィルム製造時、加飾成形時、基材フィルム(A)が剥離してしまうなど、作業性が悪くなるおそれがある。
また、UV照射後のエネルギー線照射剥離型粘着剤含有組成物からなる層(X)とクリヤー塗膜層(B)との剥離強度は、0.25N/25mm未満であることが好ましく、0.1N/25mm未満であることが更に好ましい。0.25N/25mm以上であると、UV照射後、クリヤー塗膜層(B)から基材フィルム(A)を剥離することが困難となるおそれがある。
上記剥離強度は、エーディーワイ株式会社製剥離強度テスター(AD-200)を用い、幅25mm、剥離角度170°、剥離速度300mm/分で測定した値である。また、剥離強度は、
UV照射前の剥離強度>UV照射後の剥離強度
の関係を満たすことが好ましい。
(クリヤー塗膜層(B))
本発明で使用するクリヤー塗膜層(B)は、エネルギー線硬化性塗膜であり、その具体的な組成は、積層フィルムとしての物性を害するものでない限り特に限定されるものではなく、公知のエネルギー線硬化性塗膜とすることができる。
エネルギー線硬化性塗膜は、3次元成型品加飾用積層フィルムの状態で被加飾物の形状に変形させた後でエネルギー線照射によって樹脂を硬化させることができる。すなわち、エネルギー線照射前は、延伸が容易になされ、深絞りにも容易に対応できるため、3次元形状への追随が良好である。また、粘着性をほとんど有しないため、ブロッキングを生じにくい。
光の照射によりクリヤー塗膜層(B)の全体が均一にかつ速やかに重合架橋して一体化するため、重合硬化による塗膜強度の増加が著しくなり、耐傷付き性、耐衝撃性、耐薬品性などの表面物性が向上する。エネルギー線照射後は、加飾後の塗膜層の強度、外観、耐薬品性等において優れた性能を示すものである。
なかでも、ポリウレタンアクリレート(B1)、不飽和2重結合を有するモノマー・オリゴマー(B2)及び重合開始剤(B3)を含有する活性エネルギー線硬化型コーティング組成物によって形成されたものであることが好ましい。このような組成のものとすることによって、膜形成性が良好で、使用時の延伸が容易になされ、深絞りにも容易に対応できるため、3次元形状への追随が良好となる。また、ブロッキングを生じにくいものとすることができるという利点も有する。
上記活性エネルギー線硬化型コーティング組成物は、組成物中の固形分全量に対して、ポリウレタンアクリレート(B1)、不飽和2重結合を有するモノマー・オリゴマー(B2)及び重合開始剤(B3)の合計量が40~98質量%の割合であることが好ましい。このように、特定の配合割合とすることで、所定の効果を得ることができる点で好ましい。
更に、上記活性エネルギー線硬化型コーティング組成物は、(B1)の固形分質量、(B2)の固形分質量の合計量((B1)+(B2))100質量部中に、(B1)を50~99質量部、(B2)を1~50質量部の範囲内となるように含有し、(B1)の固形分質量及び(B2)の固形分質量の合計量((B1)+(B2))100質量部に対して(B3)を0.5~20質量部の範囲内となるように含有するものであることが好ましい。これによって、硬化前の耐ブロッキング性、深絞り性(延伸性)を有することができる。さらに硬化後の高い耐擦傷性、表面硬度、耐薬品性、耐衝撃性を有することができる。
以下、(B1)~(B3)について詳細に説明する。
(ポリウレタンアクリレート(B1))
ポリウレタンアクリレート(B1)は、ウレタン結合を分子内に有し、かつ(メタ)アクリレート基を分子中に有する化合物である。これを使用することによって、加飾成形を行う際の延伸性が向上し、深絞りにも容易に対応できるため、3次元形状への追随が良好となる。
上記ポリウレタンアクリレート(B1)としては、特に限定されず、公知の任意のものを使用することができる。例えば、
i)分子内に2個以上のイソシアネート基を持つ化合物に、分子内に1個以上の水酸基と1個以上の2重結合基を持つ化合物とを当量反応させて得られる化合物、
ii)ポリオールと1塩基酸及び/又は多塩基酸及び/又はその酸無水物との縮合物に、分子内に2個以上のイソシアネート基を持つ化合物を反応させたのち、さらに分子内に1個以上の水酸基と1個以上の2重結合基を持つ化合物を反応させて得られる化合物、
iii)ポリオールに、分子内に2個以上のイソシアネート基を持つ化合物を反応させたのち、さらに分子内に1個以上の水酸基と1個以上の2重結合基を持つ化合物を反応させて得られる化合物、
等が挙げられる。
上記i)~iii)において、分子内に1個以上の水酸基と1個以上の2重結合基を持つ化合物としては、例えば、2-ヒドロキシ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等や、市販品では、プラクセルC(M)Aシリーズ(ダイセル化学社の商品名)等が挙げられる。また、前記ii)~iii)において、多価アルコールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリカーボネートジオール、ポリテトラメチレングリコール、トリメチロールプロパン等や、市販品では、プラクセルジオールシリーズ(ダイセル化学社の商品名)、プラクセルトリオールシリーズ(ダイセル化学社の商品名)等が挙げられる。
上記ポリオールとしては特に限定されず、公知のアクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール等を使用することができる。また、エチレングリコール、ブタンジオール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ネオペンチルグリコール等の各種低分子量ジオール等も必要に応じて使用することができる。
上記ポリオールとしては、ポリカーボネート濃度:0.5~75質量%(ポリウレタンアクリレート(B1)全量に対するポリカーボネートの割合。なお、原料として配合した成分の割合にもとづく計算値である)となる割合でポリカーボネートジオール骨格を有することが好ましい。ポリカーボネートジオール骨格を有するものを使用することで、強靭性が発現し、加飾成形時の膨れ防止、意匠外観保持(ワレ防止)が可能となる利点を有する。
上記ポリカーボネートジオールは、2~70質量%であることがより好ましい。
上記ポリイソシアネートとしては、イソシアネート基を2個以上有する化合物であれば特に限定されず、例えば、トリレンジイソシアネート、4,4′-ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート等の芳香族のもの;ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族のもの;4,4‘-メチレンビス-シクロヘキシルジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環族のもの;その単量体及びそのビューレットタイプ、イソシアヌレートタイプ、アダクトタイプ等の多量体等を挙げることができる。
上記ポリイソシアネートの市販品としては、デュラネート24A-90PX(NCO:23.6%、商品名、旭化成社製)、スミジュールN-3200-90M(商品名、住友バイエルウレタン社製)、タケネートD165N-90X(商品名、三井化学社製)、スミジュールN-3300、スミジュールN-3500(いずれも商品名、住友バイエルウレタン社製)、デュラネートTHA-100(商品名、旭化成社製)等を挙げることができる。また、必要に応じてこれらをブロックしたブロックイソシアネートを使用することもできる。
上記ポリウレタンアクリレート(B1)は、一部にウレア結合を有するものであってもよい。
ウレア結合を有するものとするためには、ポリウレタンアクリレートの合成において、一部にポリアミン化合物を使用すればよい。使用できるポリアミン化合物としては特に限定されず、例えば、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、トリアミノプロパン、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジアミン、2-ヒドロキシエチルエチレンジアミン、N-(2-ヒドロキシエチル)プロピレンジアミン、(2-ヒドロキシエチルプロピレン)ジアミン、(ジ-2-ヒドロキシエチルエチレン)ジアミン、(ジ-2-ヒドロキシエチルプロピレン)ジアミン、(2-ヒドロキシプロピルエチレン)ジアミン、(ジ-2-ヒドロキシプロピルエチレン)ジアミン、ピペラジン等の脂肪族ポリアミン;1,2-及び1,3-シクロブタンジアミン、1,2-、1,3-及び1,4-シクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミン(IPDA)、メチレンビスシクロヘキサン2,4’-及び/又は4,4’-ジアミン、ノルボルナンジアミン等の脂環式ポリアミン;フェニレンジアミン、キシリレンジアミン、2,4-トリレンジアミン、2,6-トリレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン,3,3’-ジクロロ-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ビス-(sec-ブチル)ジフェニルメタン等の芳香族ジアミン;及びダイマー酸のカルボキシル基をアミノ基に転化したダイマージアミン、末端に一級又は二級アミノ基を有するデンドリマー等を挙げることができる。
上記ポリウレタンアクリレート(B1)は、2重結合当量が130~600g/eqであることが好ましく、150~300g/eqであることがさらに好ましい。2重結合等量が130g/eq未満であると、硬化膜の耐クラック性、耐衝撃性に劣るという問題を生じるおそれがある。2重結合等量が600g/eqを超えると、擦傷性、表面硬度、耐薬品性に劣るという問題を生じるおそれがある。なお、上記2重結合等量は、樹脂の製造において使用した原料の配合割合に基づいて算出した値である。
上記ポリウレタンアクリレート(B1)は、質量平均分子量が3000~200000であることが好ましい。質量平均分子量が3000未満であると、耐ブロッキング性に劣るという問題を生じるおそれがある。質量平均分子量が200000を超えると、得られるポリウレタンアクリレート(B1)とクリヤー塗料組成物に含まれる不飽和2重結合を有するモノマー・オリゴマー(B2)等との相溶性が低下する。加えて質量平均分子量が200000を超えるとクリヤー塗料組成物の粘度が高くなる傾向にある。また、このような粘度の上昇を改善するために、有機溶剤を用いてクリヤー塗料組成物を希釈すると、クリヤー塗料組成物中の固形分量が著しく低下し、加工性が悪化するという問題を生じるおそれがある。なお、本明細書において、質量平均分子量は後述の方法により測定した。
上記ポリウレタンアクリレート(B1)は、ウレタン濃度が300~2000g/eqであることが好ましい。ウレタン濃度が300g/eq未満であると、得られるポリウレタンアクリレート(B1)とクリヤー塗料組成物に含まれる不飽和2重結合を有するモノマー・オリゴマー(B2)等との相溶性が低下する。加えてウレタン濃度が300g/eq未満であると、クリヤー塗料組成物の粘度が高くなる傾向にある。また、このような粘度の上昇を改善するために、有機溶剤を用いてクリヤー塗料組成物を希釈すると、クリヤー塗料組成物中の固形分量が著しく低下し、加工性が悪化するという問題を生じるおそれがある。ウレタン濃度が2000g/eqを超えると、耐ブロッキング性、耐衝撃性に劣るという問題を生じるおそれがある。なお、ウレタン濃度は、樹脂の質量平均分子量をウレタン結合数で除した数値をあらわすものであり、樹脂の製造において使用した原料の配合割合に基づいて算出した値である。
上記ポリウレタンアクリレート(B1)は、ウレア濃度が500~1000g/eqであることが好ましい。ウレア濃度が500g/eq未満であると、得られるポリウレタンアクリレート(B1)とクリヤー塗料組成物に含まれる不飽和2重結合を有するモノマー・オリゴマー(B2)等との相溶性が低下する。加えてウレア濃度が500g/eq未満であると、クリヤー塗料組成物の粘度が高くなる傾向にある。また、このような粘度の上昇を改善するために、有機溶剤を用いてクリヤー塗料組成物を希釈すると、クリヤー塗料組成物中の固形分量が著しく低下し、加工性が悪化するという問題を生じるおそれがある。ウレア濃度が1000g/eqを超えると、耐ブロッキング性に劣るという問題を生じるおそれがある。なお、ウレア濃度は、樹脂の質量平均分子量をウレア結合数で除した数値をあらわすものであり、樹脂の製造において使用した原料の配合割合に基づいて算出した値である。
ポリウレタンアクリレート(B1)は、フッ素及び/又はシリコーンで変性されたものであってもよい。すなわち、フッ素やシリコーン単位を含有する単量体を使用して上述した方法によってポリウレタンアクリレート(B1)を合成するものであってもよいし、上述した方法によって得られたポリウレタンアクリレート(B1)が有する官能基をフッ素及び/又はシリコーンを有する化合物と反応させたものであってもよい。
(不飽和2重結合を有するモノマー・オリゴマー(B2))
上記不飽和2重結合を有するモノマー・オリゴマー(B2)としては、公知の任意のものを使用することができ、例えば、以下の化合物を使用することができる。なお、上記不飽和2重結合を有するモノマー・オリゴマー(B2)は、質量平均分子量が3000以下のものであることが好ましい。すなわち、上述したポリウレタンアクリレート(B1)の性能を補完するために、不飽和2重結合を有する比較的低分子量のモノマー・オリゴマーを使用するものである。なお上記ポリウレタンアクリレート(B1)に該当するものは、不飽和2重結合を有するモノマー・オリゴマー(B2)には該当しない。
上記不飽和二重結合を有するモノマー・オリゴマー(B2)を所定量配合することで、高架橋密度の被膜を形成することができ、これによって、クリヤー塗膜層の物性を向上させることができる点で好ましいものである。
官能基数2の(メタ)アクリレートの例は、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ジメチロールートリシクロデカンジ(メタ)アクリレート等を含む。なかでも、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート等を好ましく用いることができる。
官能基数3の(メタ)アクリレートの例は、トリメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、トリス(2-(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート等を含む。なかでも、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート等を好ましく用いることができる。
官能基数4の(メタ)アクリレートの例は、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエチレンオキサイド変性テトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールプロピレンオキサイド変性テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等を含む。なかでも、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等を好ましく用いることができる。
官能基数4以上の(メタ)アクリレートの例は、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエチレンオキサイド変性テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンペンタ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのカプロラクトン変性物のヘキサ(メタ)アクリレートなど多官能性(メタ)アクリレートが挙げられる。これらのモノマーは1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(メタ)アクリル系オリゴマーとしては、例えば、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートなどが挙げられる。ここで、ポリエステルアクリレート系プレポリマーとしては、例えば多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって得られる両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより、あるいは、多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付加して得られるオリゴマーの末端の水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。エポキシアクリレート系プレポリマーは、例えば、比較的低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂のオキシラン環に、(メタ)アクリル酸を反応しエステル化することにより得ることができる。ウレタンアクリレートとしては、一般にポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオールにイソシアネートモノマー、もしくはプレポリマーを反応させて得られた生成物に水酸基を有するアクリレートモノマーを反応させて得ることができる。
これらの(メタ)アクリル系オリゴマーは1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよく、また、上記多官能性(メタ)アクリレート系モノマーと併用してもよい。
上記不飽和2重結合を有するモノマー・オリゴマー(B2)としては、三菱ケミカル社製UV 1700B等の市販のものも使用することができる。
(重合開始剤(B3))
上記重合開始剤(B3)としては、エネルギー線(UV)や電子線等の電磁線によって重合が開始されるエネルギー線重合開始剤を使用することができる。これらのエネルギー線重合開始剤は特に限定されるものではなく、公知の任意のものを使用することができる。
具体的には、上記エネルギー線重合開始剤としては、例えば、ベンゾインメチルエーテル等のベンゾイン系化合物;2-エチルアントラキノン等のアントラキノン系化合物;ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;ジフェニルスルフィド等のスルフィド系化合物;2,4-ジメチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン等のアセトフェノン系化合物;2,4,6-トリメチルベンゾインジフェニルホスフィノキサイド等のホスフィノキサイド系化合物;イルガキュア(登録商標)-184、イルガキュア-819(いずれもBASF社製)等のエネルギー線(UV)硬化用重合開始剤等を挙げることができる。これらの化合物は、重合開始剤として、1種又は2種以上を用いることができる。
((B1)~(B3)の配合量)
(B1)の固形分質量、(B2)の固形分質量の合計量((B1)+(B2))100質量部中に、(B1)を50~99質量部、(B2)を1~50質量部の範囲内となるように含有し、(B1)の固形分質量及び(B2)の固形分質量の合計量((B1)+(B2))100質量部に対して(B3)を0.5~20質量部の範囲内となるように含有するものであることが好ましい。
上記ポリウレタンアクリレート(B1)の含有量が50質量部未満であると、耐ブロッキング性が低下するという点で好ましいものではない。上記ポリウレタンアクリレート(B1)の含有量が99質量部を超えると、耐擦傷性、表面硬度が不充分となる点で好ましいものではない。上記下限は、55質量部以上であることがより好ましく、65質量部以上であることが更に好ましい。上記上限は、98質量部以下であることがより好ましく、95質量部以下であることが更に好ましい。
上記不飽和2重結合を有するモノマー・オリゴマー(B2)の含有量が1質量部未満であると、耐擦傷性、表面硬度が不充分となる点で好ましいものではない。上記不飽和2重結合を有するモノマー・オリゴマー(B2)の含有量が50質量部を超えると、耐ブロッキング性が低下するという点で好ましいものではない。上記下限は、2質量部以上であることがより好ましく、5質量部以上であることが更に好ましい。上記上限は、45質量部以下であることがより好ましく、35質量部以下であることが更に好ましい。
上記重合開始剤(B3)の含有量が0.5質量部未満であると、クリヤー層を十分に硬化させることができず、得られるクリヤーの耐擦傷性、表面硬度、耐薬品性、耐衝撃性の塗膜物性を得られない可能性がある。上記重合開始剤(B3)の含有量が20質量部を超えると、クリヤー塗膜内に未反応の重合開始剤(B3)が残存し、屋外での太陽光等によって、クリヤー塗膜が劣化し、耐候性が悪化する可能性がある。
上記クリヤー塗料組成物は、チオール化合物及び/又はアミン化合物を0.5~20質量部含有することが好ましい。
上記チオール化合物及び/又はアミン化合物としては、特に限定されず、通常使用されるチオール化合物、及び、アミン化合物を挙げることができる。
上記アミン化合物としては、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、等の脂肪族ポリアミン:1,2-及び1,3-シクロブタンジアミン、1,2-、1,3-及び1,4-シクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミン(IPDA)、メチレンビスシクロヘキサン2,4’-及び/又は4,4’-ジアミン、ノルボルナンジアミン等の脂環式ポリアミン:フェニレンジアミン、キシリレンジアミン、2,4-トリレンジアミン、2,6-トリレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4-ビス-(sec-ブチル)ジフェニルメタンなどの芳香族アミン:及びダイマー酸のカルボキシ基をアミノ基に転化したダイマー酸ジアミン、末端にアミノ基を有するデンドリマー、アミンを繰返し構造として有するポリアミンを用いることもできるがこれらに限定されない。
上記チオール化合物としては、1,4-ビス(3-メルカプトブチリルオキシ)ブタン、エチレングリコールジメルカプトプロピオネート、ジエチレングリコールジメルカプトプロピオネート、4-t-ブチル-1,2-ベンゼンジチオール、ビス-(2-メルカプトエチル)スルフィド、4,4’-チオジベンゼンチオール、ベンゼンジチオール、グリコールジメルカプトアセテート、グリコールジメルカプトプロピオネート、エチレンビス(3-メルカプトプロピオネート)、ポリエチレングリコールジメルカプトアセテート、ポリエチレングリコールジ-(3-メルカプトピロピオネート)、2,2-ビス(メルカプトメチル)-1,3-プロパンジチオール、2,5-ジメルカプトメチル-1,4-ジチアン、ビスフェノフルオレンビス(エトキシ-3-メルカプトプロピオネート)、4,8-ビス(メルカプトメチル)-3,6,9-トリチア-1,11-ウンデカンジチオール、2-メルカプトメチル-2-メチル-1,3-プロパンジチオール、1,8-ジメルカプト-3,6-ジオキサオクタン、チオグリセロールビスメルカプト-アセテート等の2官能チオール:トリメチロールプロパン(トリスメルカプトプロピオネート)(TMPTMP)、トリメチロールプロパン トリス(3-メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、トリメチロールエタン トリス(3-メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトアセテート)、トリス(3-メルカプトプロピル)イソシアヌレート、1,3,5-トリス(3-メルカプトブチリルオキシエチル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン、1,2,3-トリメルカプトプロパン、及びトリス(3-メルカプトプロピオネート)トリエチル-1,3,5-トリアジン-2,4,6-(1H,3H,5H)-トリオン、等の3官能チオール:ポリ(メルカプトプロピルメチル)シロキサン(PMPMS)、4-メルカプトメチル-3,6-ジチア-1,8-オクタンジチオールペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトアセテート)、及びペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトール ヘキサキス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトール テトラキス(3-メルカプトブチレート)等の多官能チオールを含むが、これらに限定されない。
本発明の3次元成型品加飾用積層フィルムにおいて使用されるクリヤー塗膜層(B)は、上述したようなものであるが、更に好ましくは、ポリウレタンアクリレート(B1)が
2重結合当量:130~600g/eq
分子量Mw:3000~200000
ウレタン濃度:300~2000g/eq、
である塗料組成物によって形成されたものであることが好ましい。これらの性質を満たすものを使用することが好ましい。このようなクリヤー塗料組成物によってクリヤー塗膜層(B)を形成することによって、耐ブロッキング性、高い耐擦傷性,表面硬度,耐薬品性を備え,良好な耐衝撃性を付与することができる点で好ましいものである。さらに、上記ポリウレタンアクリレート(B1)は、ウレア濃度:500~1000g/eqであることが好ましい。
なお、本明細書における質量平均分子量は、東ソー(株)製HLC-82220GPCを用いて測定した。測定条件は下記の通りである。
カラム:TSKgel Super Multipore HZ-M 3本
展開溶媒:テトラヒドロフラン
カラム注入口オーブン 40℃
流量:0.35 ml/min.
検出器:RI
標準ポリスチレン:東ソー (株)PSオリゴマーキット
(その他の成分)
クリヤー塗料組成物は、通常、塗料材料として添加される化合物が、その他の成分として含まれていてもよい。この場合、その他の成分の配合量は、塗料中の固形分全量に対して60質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることがさらに好ましく、20質量%以下であることが最も好ましい。その他の成分としては、エネルギー線吸収剤(UVA)、光安定剤(HALS)、バインダー用樹脂や架橋剤、顔料、表面調整剤、消泡剤、導電性充填剤、溶剤等を挙げることができる。
更に、クリヤー塗料組成物に含まれる各成分の混合や粘度調整のために溶剤を用いてもよい。該溶剤としては、例えば、エステル系、エーテル系、アルコール系、アミド系、ケトン系、脂肪族炭化水素系、脂環族炭化水素系、芳香族炭化水素系等、塗料に用いられる従来公知の有機溶媒を、1種又は2種以上を組み合わせて用いればよい。なお、上記溶剤を用いる場合、積層フィルムに揮発性物質が残存すると、基材への加飾に際して、揮発性物質が揮散して、ピンホールや膨れが生じることがある。そのため、積層フィルムに含まれる揮発性物質を十分に低減することが好ましい。
更に、上記クリヤー塗料組成物は、更に、平均1次粒子径が100nm以下の無機フィラーや有機フィラーを0.5~60質量部(塗料中の固形分比)含有することが好ましい。これによって、耐ブロッキング性、高い耐擦傷性,表面硬度を改善することができる。上記配合量の下限は、1質量%であることがより好ましく、上限は50質量%であることがより好ましい。
上記無機フィラーとしては、シリカ、微粉末ガラス、アルミナ、炭酸カルシウム、カオリン、クレー、セピオライト(マグネシウム珪酸塩)、タルク(珪酸マグネシウム)、マイカ(珪酸アルミ)、ゾノトライト(珪酸カルシウム)、硼酸アルミニウム、ハイドロタルサイト、ウォラストナイト(珪酸カルシウム)、チタン酸カリウム、酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、イットリア、セリア、炭化ケイ素、炭化ホウ素、ジルコニア、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、あるいはこれらの共融混合物、又は成型、焼成などを経て得られる非金属無機材料いわゆるセラミックスフィラーが挙げられる。その中で価格と効果の面からシリカ、アルミナ、ジルコニア、あるいはこれらの共融混合物が好ましい。
上記有機フィラーとしては、アクリル、スチレン、シリコーン、ポリウレタン、アクリルウレタン、ベンゾグアナミン、ポリエチレンの各樹脂のビーズが挙げられる。
また、市販のものとして、オルガノシリカゾルMIBK-ST,MEK-ST-UP,MEK-ST-L,MEK-AC-2140Z(日産化学工業製)、SIRMIBK15ET%-H24、SIRMIBK15ET%-H83、ALMIBK30WT%-H06(CIKナノテック)等を使用することができる。
クリヤー塗料組成物は、イソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物を0.5~20質量%(塗料中の固形分比)含有するものであってもよい。ポリイソシアネート化合物を配合することによって、成形性(延伸性)と耐擦傷性を付与できる点で好ましい。上記配合量の下限は、2質量%であることがより好ましく、上限は18質量%であることがより好ましい。
上記クリヤー塗料組成物は、着色顔料を含有した有色透明なものであってもよい。すなわち金属蒸着層とこのような着色透明であるクリヤー層との組み合わせによって、着色した金属蒸着を有する加飾を行うことができる。上記クリヤー塗料組成物において使用できる着色顔料は特に限定されず、公知の任意のものを使用することができる。
また、クリヤー塗料組成物は、アクリル樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、スチレン樹脂等の熱可塑性樹脂バインダーを含まない方が好ましい。
クリヤー塗膜層の膜厚としては特に限定されないが、3~60μmであることが好ましい。
表面硬度や耐擦り傷性などの性能を維持するためには、所定の膜厚を確保することが好ましい。
(意匠層(C))
本発明における意匠層(C)は、3次元成型品加飾用積層フィルムによって付与される意匠外観を形成した層である。このような層としては、着色塗料組成物を塗布した後乾燥することによって形成された層であることが好ましい。
(着色塗料組成物によって形成された意匠層(C))
上記意匠層(C)の形成において使用することができる着色塗料組成物は、特に限定されるものではないが、ウレタン樹脂(C1)及び光輝材(C2)を含有することが好ましい。また、上記着色塗料組成物には、上記の各成分に加えて、エネルギー線吸収剤(UVA)、光安定剤(HALS)、バインダー用樹脂や架橋剤、顔料、表面調整剤、消泡剤、導電性充填剤、溶剤等のその他の成分が含まれていてもよい。なお、上記着色塗料組成物は、電磁線照射によって硬化するものであってもよく、あるいは、熱可塑性や熱硬化性であってもよい。
なお、図2に示したように、接着層を設けない態様の場合には、意匠層に接着機能を付与することが好ましい。すなわち、樹脂として接着性が高い物を使用した着色塗料組成物によって、接着層としての機能を兼ね備えた意匠層(C-D)を形成したものであることが好ましい。
(ウレタン樹脂(C1))
着色塗料組成物に含有されるウレタン樹脂(C1)は、特に限定されないが、質量平均分子量Mwが10,000以上200,000以下であることが好ましく、30,000以上150,000以下であることがより好ましい。上記質量平均分子量Mwが10,000未満であると、意匠層(C)の柔軟性が低下し、質量平均分子量Mwが200,000を超えると、着色塗料組成物の製造とフィルムへの塗工が困難となる。
上記ウレタン樹脂(C1)は、Tg:-30℃~30℃であることが好ましい。上記Tgが-30℃未満であると、塗工、乾燥後の塗膜タック性(ブロッキング)が低下するという問題を生じる場合があり、30℃を超えると、塗膜硬度UPによる成形不良、製品としての低温物性低下という問題を生じる場合がある。
なお、本明細書においてTgは、示差走査熱量計(DSC)(熱分析装置SSC5200(セイコー電子製))にて以下の工程により測定した値を意味するものである。すなわち、昇温速度10℃/minにて20℃から150℃に昇温する工程(工程1)、降温速度10℃/minにて150℃から-50℃に降温する工程(工程2)、昇温速度10℃/minにて-50℃から150℃に昇温する工程(工程3)において、工程3の昇温時のチャートから得られる値である。即ち、図6で示されるチャートの矢印で示される温度をTgとした。
(光輝材(C2))
上記光輝材(C2)としては特に限定されず、アルミ、ガラス、無機顔料及び有機顔料からなる群より選択される少なくとも1つであることが好ましい。より具体的には、コーティングアルミニウム、アルミニウムフレーク、銅、亜鉛、ニッケル、スズ、酸化アルミニウム等の金属又は合金等の金属性光輝材等を用いた金属系顔料;干渉マイカ、ホワイトマイカ等のマイカ系顔料等を挙げることができる。
上記着色塗料組成物は、(C1)の固形分質量及び(C2)の固形分質量の合計量((C1)+(C2))100質量部中に、(C2)を0.5~60質量部の範囲となるように含有する物を使用することが好ましい。
(その他の成分)
着色塗料組成物に含まれるその他の成分であるバインダー用樹脂や架橋剤としては、例えば、変性アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、オレフィン樹脂、変性オレフィン樹脂、メラミン樹脂、ポリイソシアナート化合物、ブロックイソシアナート化合物等を挙げることができる。また、上記着色塗料組成物に含まれる溶剤としては、エステル系、エーテル系、アルコール系、アミド系、ケトン系、脂肪族炭化水素系、脂環族炭化水素系、芳香族炭化水素系等の、通常塗料に用いられる有機溶媒を1種又は2種以上を組み合わせて用いればよい。なお、上記溶剤を用いる場合、積層フィルムに揮発性物質が残存すると、基材への加飾に際して、揮発性物質が揮散して、ピンホールや膨れが生じることがある。そのため、積層フィルムに含まれる揮発性物質を十分に低減することが好ましい。
本発明における意匠層(C)は、それぞれ異なる組成の着色塗料組成物によって形成された意匠層を2層以上設けるようにしてもよい。
また、意匠層(C)は、蒸着アルミを含有する塗膜層(E-1)又はインジウム若しくはスズからなる蒸着金属層(E-2)からなる金属調意匠層(E)であってもよい。
以下、これらについてそれぞれ説明する。
(金属調意匠層(E))
本発明は、金属からなるものであるかのような、すぐれた金属調の外観を得るために、蒸着アルミを含有する塗膜層(E-1)又はインジウム若しくはスズからなる蒸着金属層(E-2)であるような金属調意匠層(E)を形成するようにしてもよい。このような金属調意匠層を形成することで、良好な金属外観が得られるだけでなく、3次元の成型品に対して加飾を行う際の延伸によって、ワレや白化を生じることがなく、良好な金属調を有するような加飾を行うことができる。
上記蒸着アルミを含有する塗膜層(E-1)及びインジウム若しくはスズからなる蒸着金属層(E-2)について、以下、詳述する。
(蒸着アルミを含有する塗膜層(E-1))
上記金属調意匠層を形成するための塗膜層として第一に挙げられるのは、蒸着アルミ顔料を含有する塗料によって形成されたものである。
このような蒸着アルミ顔料を含有する塗膜層は、例えば、塗料固形分量に対して30~85質量%の蒸着アルミ顔料を含有するメタリックベース塗料によって形成されたものを挙げることができる。
上記蒸着アルミ顔料は、蒸着アルミニウム膜を細断してフレーク状にしたものである。このようなノンリーフィング蒸着アルミ顔料は、例えば、配向ポリプロピレン、結晶性ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等のプラスチックフィルムをベースフィルムとして用い、その上に剥離剤を塗布し、剥離剤の上にアルミニウム蒸着を行うことによって製造することができる。
上記蒸着アルミ顔料は、アルミフレーク等の通常のアルミ顔料とは異なり、粒子感の少ないものであり、これによって、金属表面のような鏡面状の外観を有する意匠層を提供することができる。
上記蒸着アルミ顔料は、ノンリーフィング蒸着アルミ顔料であることがより好ましい。ノンリーフィング蒸着アルミ顔料は、粒子径が3~20μm、厚みが0.01~0.1μmであることが好ましい。上記粒子径を有するものであることによって、粒子感の少ない金属調の新たな意匠を得ることができる。上記粒子径は5~15μmであることがより好ましい。なお、本明細書における粒子径とは、レーザー回折粉度分布計 LA-910(株式会社 堀場製作所製)にて測定した値である。本発明に使用することができる市販のノンリーフィング蒸着アルミとしては、メタシーン11-0010、41-0010、71-0010,91-0010、MS-750,MS-650(チバスペシャリティー社製)及びシルバーラインP1000、P4100,Metalure L,Metalure A21010BG(エカルト社製)等を挙げることができる。
なお、リーフィング処理とは、アルミニウムの表面に疎水性及び/又は疎油性剤によって行う処理である。本発明で使用するノンリーフィング蒸着アルミ顔料は、このようなリーフィング処理を施していないノンリーフィング蒸着アルミ顔料であることが好ましい。リーフィング蒸着アルミニウムを使用した場合、隣接する塗膜層との密着力が低下し密着性に不具合が生じる。よって、本発明においては、ノンリーフィング蒸着アルミニウムを使用することが好ましい。
上記蒸着アルミ顔料は、上記蒸着アルミを含有する塗膜層(E-1)の固形分全量に対して30~85質量%である。30質量%未満では、緻密金属光沢感を満たす光輝性塗膜が得られず、85質量%を超えると塗膜の物性が低下する。上記ノンリーフィング蒸着アルミ顔料の含有量は、より好ましくは、40~80質量%である。
上記蒸着アルミを含有する塗膜層(E-1)は、上記ノンリーフィング蒸着アルミ顔料に加えて、更にバインダー樹脂を含有する。バインダー樹脂としては特に限定されるものではなく塩化ビニル樹脂やアクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等を挙げることができ、これらのうち、2種類以上を混合して使用するものであってもよい。これらのなかでも特に塩化ビニル樹脂が好ましい。
塩化ビニル樹脂は、市場から入手可能なものを用いることができる。上記塩化ビニル樹脂は、塩化ビニルの単独重合体であってもよいし、塩化ビニルと共重合しうる他のビニル単量体との共重合体であってもよい。上記共重合体としてより具体的には、塩化ビニルと酢酸ビニル、無水マレイン酸あるいはそのエステル類、ビニルエーテル、アクリル酸、アクリル系水酸基含有モノマー等との共重合体等を挙げることができる。
これらの塩化ビニル樹脂の重合度は、通常200~2000、好ましくは300~1000である。入手が容易な塩化ビニル樹脂の市販品としては、日信化学工業製ソルバインC、CN、A、TA2、TAO、TAOL、M5;Wacker製Vinnol H11/59、E15/48A、LL4320、E15/45M;Dow UCAR社製VYHD、VAGD、VMCH、VMCC等を挙げることができる。これらのうち、2種以上を混合して使用することもできる。
上記蒸着アルミを含有する塗膜層(E-1)は、アルミニウム凝集防止剤を添加したものであってもよい。この場合、アルミニウム凝集防止剤の作用によって、アルミニウムと樹脂との間での凝集破壊を抑制することができる点で好ましい。アルミニウム凝集防止剤としては、具体的にはダイアナ―ルRE360(三菱レイヨン社製)等を使用することができる。
上記蒸着アルミを含有する塗膜層(E-1)は、上記特定ノンリーフィング蒸着アルミ顔料以外に、その他の光輝性顔料及び/又は着色顔料を含有することができる。
その他の光輝性顔料としては、例えば、金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料、金属酸化物被覆シリカフレーク顔料、グラファイト顔料、金属酸化物被覆マイカ顔料、金属チタンフレーク顔料、ステンレスフレーク顔料、板状酸化鉄顔料、金属めっきガラスフレーク顔料、金属酸化物被覆ガラスフレーク顔料、ホログラム顔料及びコレステリック液晶ポリマーからなるフレーク状顔料からなる群より選ばれた少なくとも1種の顔料が挙げられ、より好ましくは金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料、金属酸化物被覆シリカフレーク顔料、グラファイト顔料、金属酸化物被覆マイカ顔料又は金属酸化物被覆ガラスフレーク顔料からなる群より選ばれた少なくとも1種の顔料が挙げられる。
上記着色顔料として、例えば、アゾレーキ系顔料、フタロシアニン系顔料、インジゴ系顔料、ペリレン系顔料、キノフタロン系顔料、ジオキサジン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、金属錯体顔料等が挙げられ、また、無機顔料としては、例えば、黄色酸化鉄、ベンガラ、二酸化チタン、カーボンブラックが挙げられる。
上記蒸着アルミを含有する塗膜層(E-1)を形成するためのメタリックベース塗料は、上記成分の他に、ポリエチレンワックス、沈降防止剤、硬化触媒、エネルギー線吸収剤、酸化防止剤、レベリング剤、シリコーンや有機高分子等の表面調整剤、タレ止め剤、増粘剤、消泡剤、架橋性重合体粒子(ミクロゲル)等を適宜添加して含有することができる。上記メタリックベース塗料は、溶剤系塗料、水系塗料等の形態とすることができる。
上記蒸着アルミを含有する塗膜層(E-1)は、厚みが0.05~5μmであることが好ましい。上記範囲外であると、白化やワレ等の問題を生じやすい点で好ましいものではない。
(インジウム若しくはスズからなる金属蒸着層(E-2))
蒸着とは、真空にした容器の中で、蒸着材料を加熱・気化して、離れた位置に置かれた基材の表面に付着させ、薄膜を形成する工法である。本発明において、蒸着に使用される金属は、スズ、インジウムである。蒸着には10-3~10-4Pa程度の真空度が必要なため、一旦、容器を真空状態にする必要がある。それゆえ、蒸着は完全なバッチ処理となり、連続的な処理が不可能である。
また、フィルムへの蒸着工法は一般的に、(1)チャンバー内にフィルムロール及びターゲット金属をセットし、(2)チャンバー内を真空排気(10-3~10-4Pa)し、フィルムの走行をスタート、(3)ターゲット加熱、蒸気発生でフィルム表面に蒸着され、(4)蒸着完了で、チャンバーを大気開放する工程からなる。部品への直接蒸着に比べ、バッチ処理でありながら、フィルム1ロール分が連続して加工されるため、経済効率が高い。また、蒸着膜の厚みや質が制御しやすいという利点がある。ただし、フィルムのままでは3次元形状物へ適用できないものである。
本発明における上記インジウム若しくはスズからなる金属蒸着層(E-2)は、これらの金属を使用した通常の蒸着法によって形成することができる。インジウム若しくはスズを使用することによって、伸びが良好な金属層とすることができるため、3次元形状への成形を行う場合にワレや白化を生じることがなく、外観に悪影響を生じることもない。これらのなかでもインジウムが特に好ましい。
また、インジウム若しくはスズを使用することで、不連続蒸着という作用によって、ワレや白化が生じにくいという利点を有するものである。更に、金属蒸着層(E-2)の上下に存在する、後述する保護層(F)と接着層(D)とが一部接着することが可能となり、加飾成形後の積層フィルムの硬度を保つことができる。
上記金属蒸着層(E-2)は、光学濃度が0.6~1.4であることが好適である。
金属蒸着層(E-2)の光学濃度が上記0.6未満であると、蒸着された金属の量が不十分であることから、延伸部において充分な金属光沢が得られない。さらに光学濃度が1.4を超えると、延伸部においてマイクロクラックによる白化が顕著になり、良好な金属光沢が得られないという点で好ましくない。
本発明において、金属蒸着層(E-2)の光学濃度は、カラー透過濃度計(大日本スクリーン製造株式会社製、DM-500を用いて測定されたものである。
このような金属蒸着層(E-2)を形成する場合、その厚みは、0.02~5μmであることが好ましい。このような厚みとすることで、上述した目的を良好に達成することができる。なお、金属蒸着層(E-2)の厚みと光学濃度は、密接な関係を有するものであり、厚みが大きいほど光学濃度が高い金属蒸着層となる。被蒸着層の材質にもよるが、一般的には光学濃度が0.6~1.4の場合、その金属蒸着層の厚みは、0.02μm~0.08μmとなる。
上記厚みの下限は、0.03μmであることがより好ましい。上記厚みの上限は、0.1μmであることがより好ましく、0.05μmであることが更に好ましい。
本発明において、上記金属蒸着層(E-2)は、ホログラムパターンの凹凸模様を有するものとしてもよい。ホログラムパターンの凹凸模様とは、ナノオーダーの凹凸模様であり、このような凹凸模様を有する金属蒸着層表面に入射した光と、金属蒸着層表面から反射した光とが干渉することにより、ホログラム意匠が発現される。
ホログラムパターンの凹凸模様を有するものとする場合、金属蒸着層(E-2)の少なくともクリヤー塗膜層(B)側に上記凹凸模様を有するものとすることが好適である。すなわち、クリヤー塗膜層(B)側が外側となることから、こちらの面にホログラム意匠を有する面を形成することで、良好な外観を得ることができる。ホログラム意匠を発現する凹凸模様は、全面に設けられたものであってもよいし、面のうち一部にのみ形成されたものであってもよい。
凸部の形状としては、例えば、柱状の下部と半球状の上部とによって構成される形状(釣鐘状)、錐体状(コーン状、円錐状)等の、先端に向かって細くなる形状(テーパー形状)が挙げられる。
このような表面の凹凸の形成方法は特に限定されるものではなく、例えば、金属ロール表面、平板表面又はフィルム上のUV硬化樹脂表面に加工されたホログラム凹凸パターンを、蒸着面に形状転写する方法等を挙げることができる。このような方法としては一般的に広く知られた周知の方法を適用することができる。上記ホログラム凹凸パターンを表面に有する基材は、周知の方法によって得たものを使用することができる。
(印刷によって形成された意匠層(G))
本発明の3次元成型品加飾用積層フィルムは、上記金属調意匠層(E)上に、印刷によって形成された意匠層(G)を有するものであってもよい。
また、意匠層(C)が、印刷によって形成された意匠層(G)であってもよい。
このような層を設けることによって、特異的な外観が得られる点で好ましい。印刷の方法は特に限定されず、インクジェット印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷又はフレキソ印刷等の公知の方法によって形成することができる。特に、インクジェット印刷を使用することで、安価に種々の印刷層を形成することができる点で好ましい。また、印刷に際しては、エネルギー線硬化型のインクを使用した印刷を行うものであってもよい。
(接着層(D))
接着層は、3次元成型品を積層フィルムにて加飾する際に、積層フィルムを3次元成型品表面に密着させて接着させるために用いられる。
接着層に含まれる接着剤としては、従来公知の接着剤であれば特に限定されないが、例えば、バイロンUR-3200(東洋紡社製)、UR-1361ET(東亜合成製)等を挙げることができる。
上記接着剤は、上記接着剤を塗布・乾燥することにより形成したものであっても、接着剤シートをラミネートして形成したものであってもよい。
(保護層(F))
本発明の3次元成型品加飾用積層フィルムは、クリヤー塗膜層(B)と金属調意匠層(E)とに隣接する形で保護層(F)を形成したものであることが好ましい。すなわち、金属調意匠層(E)は、クリヤー塗膜層(B)と接する位置に設けた場合、未硬化状態での延伸によって未硬化状態のクリヤー塗膜層(B)が動く際に、金属調意匠層(E)が動いてしまい、これによって外観の悪化を生じる場合がある。
上記保護層(F)としては特に限定されず、例えば、アクリル樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、スチレン樹脂等の樹脂を使用することができ、ウレタン樹脂が好ましく、ウレア結合含有ウレタン樹脂がさらに好ましい。1種単独でまたは2種以上を併用して配合することができる。
(エネルギー線吸収層(H))
エネルギー線吸収層(H)を設ける場合は、強度40℃~130℃で3~1000N/cm、表面張力20~60mN/m、及び、エネルギー線透過率290nm~430nmで20%以下を満たすものであることが好ましい。
強度が低いと、成形時膨れを生じ、高いと成形性が不十分になる。また、表面張力が低いとインクがにじみ、高いとインクがハジキ、いずれも良好な印刷画像を得られなくなる。また、エネルギー線透過率が高いと、十分なエネルギー線遮断効果が得られなくなる。
すなわち、インクジェット印刷を行うのに十分な表面張力を有し、クリヤー塗膜層の硬化を防ぐのに十分なエネルギー線遮蔽能を有し、かつ、成形において不具合を生じないだけの強度を有するものとしたものである。
上記エネルギー線吸収層(H)の強度は、エネルギー線吸収層単独で島津製作所製オートグラフAG-ISを用い60℃の温度条件下、50mm/minの引張速度にて、伸び200%の時の膜強度を測定したものである。
上記エネルギー線吸収層(H)の表面張力は、自動接触角計DSA20(クルツ社製)を用い、水およびヨウ化メチレンの接触角を測定し、算出されたものである。
上記エネルギー線吸収層(H)のエネルギー線透過率は、紫外可視分光光度計U-4100(日立ハイテクノロジーズ)を用い、波長290.0nm~430.0nmの範囲で測定されたものである。
また、エネルギー線吸収層(H)は、エネルギー線は吸収するが、可視光は透過しやすいものであることが好ましい。可視光が透過しなければ、意匠層が外部から見にくいものになってしまうためである。
上記エネルギー線吸収層(H)は、バインダー樹脂(H1)及びエネルギー線吸収剤(H2)を含有する塗料組成物によって形成されたものである。そして、これらの成分の配合や組み合わせを調整することによって、上述したパラメータを満たす層を形成すことができる。
上記バインダー樹脂(H1)としては、特に限定されず、アクリル樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、スチレン樹脂等の樹脂を使用することができ、ウレタン樹脂が好ましく、ウレア結合含有ウレタン樹脂がさらに好ましい。1種単独でまたは2種以上を併用して配合することができる。
エネルギー線吸収層(H)全量に対して85~99質量%の範囲内であることが好ましい。
上記エネルギー線吸収剤(H2)としては、特に限定されず、例えば、トリアジン系エネルギー線吸収剤、ベンゾフェノン系エネルギー線吸収剤、ベンゾトリアゾール系エネルギー線吸収剤、シアノアクリレート系エネルギー線吸収剤、ヒドロキシベンゾエート系エネルギー線吸収剤等を使用することができる。
上記トリアジン系エネルギー線吸収剤としては、例えば、2-(2-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)-4,6-ジフェニル-s-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-ヒドロキシメチルフェニル)-4,6-ジフェニル-s-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-ヘキシルオキシフェニル)-4,6-ジフェニル-s-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-ヒドロキシメチルフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-s-トリアジン、2-〔2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシエチル)フェニル〕-4,6-ジフェニル-s-トリアジン等が挙げられる。
上記ベンゾフェノン系エネルギー線吸収剤としては、例えば、2-ヒドロキシベンゾフェノン、5-クロロー2-ヒドロキシベンゾフェノン2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸、2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-n-ドデシロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-n-ベンジロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-n-オクタデシロキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジエトキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジプロポキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジブトキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4-メトキシー4’-プロポキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4-メトキシー4’-ブトキシベンゾフェノン、2,3,4-トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジ(ヒドロキシメチル)ベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジ(2-ヒドロキシエチル)ベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-3,3’-ジメトキシ-5,5’-ジ(ヒドロキシメチル)ベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-3,3’-ジメトキシ-5,5’-ジ(2-ヒドロキシエチル)ベンゾフェノン等が挙げられる。
上記ベンゾトリアゾール系エネルギー線吸収剤としては、例えば、2-(2-ヒドロキシ-5-t-メチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-t-オクチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、2-〔2’-ヒドロキシ-5’-(ヒドロキシメチル)フェニル〕-2H-ベンゾトリアゾール、2-〔2’-ヒドロキシ-5’-(2-ヒドロキシエチル)フェニル〕-2H-ベンゾトリアゾール、2-〔2’-ヒドロキシ-5’-(3-ヒドロキシプロピル)フェニル〕-2H-ベンゾトリアゾール、2-〔2’-ヒドロキシ-3’-メチル-5’-(ヒドロキシメチル)フェニル〕-2H-ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
上記シアノアクリレート系エネルギー線吸収剤としては、例えば、2-エチルヘキシル-2-シアノ-3,3’-ジフェニルアクリレート、エチル-2-シアノ-3,3’-ジフェニルアクリレート、メチル-2-シアノ-3-メチル-3-(p-メトキシフェニル)アクリレート等が挙げられる。
上記ヒドロキシベンゾエート系エネルギー線吸収剤としては、例えば、フェニルサルシレート、レゾルシノールモノベンゾエート、4-t-ブチルフェニルサルシレート、2,5-t-ブチル-4-ヒドロキシ安息香酸n-ヘキサデシルエステル、2,4-ジ-t-ブチルフェニル-3’,5-ジ-t-ブチル-4’-ヒドロキシベンゾエート、2,4-ジ-t-アミルフェニル-3’,5-ジ-t-ブチル-4’-ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル-3’,5-ジ-t-ブチル-4’-ヒドロキシベンゾエート等が挙げられる。
上記エネルギー線吸収剤(H2)としては、短波長域から長波長域に渡る広範囲の波長(約280~360nm)のエネルギー線吸収性が高い点で、トリアジン系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系エネルギー線吸収剤が好ましい。
エネルギー線吸収剤は上記化合物を1種単独で又は2種以上を併用して配合することができる。
具体的には、チヌビン400、900、447、1130(BASF社製)を使用することができる。エネルギー線吸収剤(H2)の配合量は使用するエネルギー線吸収剤によって相違し、上述したエネルギー線透過率を満たすものであれば特に限定されないが、エネルギー線吸収層(H)全量に対して1~15質量%の範囲内であることが好ましく、3~10質量%の範囲内であることがさらに好ましい。1質量%未満であるとエネルギー線遮断効果が不十分になる可能性がある。15質量%を超えるとエネルギー線吸収層の強度が低下し成形性が不十分になる可能性があり、またコストの面で不利となる。
上記エネルギー線吸収層(H)は、表面調整剤(H3)を含有するものであってもよい。すなわち、エネルギー線吸収層(H)において使用する樹脂種によっては、表面張力を上述したような範囲内のものとすることが困難となる場合がある。この場合は、表面調整剤(H3)を配合することによって、上述した範囲内の表面張力とすることができる。
上記表面調整剤(H3)としては特に限定されず、例えば、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性ポリメチルアルキルシロキサン、アラルキル変性ポリメチルアルキルシロキサン等を使用することができる。具体的には、例えば、BYK-300、BYK-342、BYK-349(ビックケミージャパン社製)などが挙げられる。
上記表面調整剤(H3)の配合量は特に限定されず、エネルギー線吸収層(H)全量に対して0.01~5質量%の範囲内であることが好ましい。
上記エネルギー線吸収層(H)は、その厚みを特に限定するものではないが、例えば、3~30μmであることが好ましく、5~25μmであることがより好ましい。薄すぎる場合は、エネルギー線遮蔽性能や強度を充分に得ることが困難となりやすく、厚すぎても特に性能が向上するわけではなく、コスト上不利になってしまうばかりか、塗工および乾燥が困難となる。
(破断伸度)
本発明の3次元成型品加飾用積層フィルムは、硬化前に、40~130℃で30~500%の破断伸びを有するものであることが好ましい。すなわち上記の温度範囲で、このような破断伸度を有するものとすることで、真空成形に容易に対応できるものとなり、本発明の効果を好適に得ることができる。このような数値範囲内のものとすることは、フィルムを形成する各層の成分を調製することで可能となる。本発明において、「40~130℃で30~500%の破断伸びを有する」とは、破断伸びが30~500%を示す温度領域が40~130℃内にあり、その温度で成形することで、十分な延伸性が得られる。という意味である。
なお、破断伸度は、基材フィルム(A)を含む状態で島津製作所製オートグラフAG-ISを用い、40~130℃の温度範囲内で、50mm/minの引張速度にて測定し、いずれかの層が破断した時点の伸びを測定して得られた値である。フィルムの性質に応じて、40~130℃の範囲内のいずれかの任意の温度において、破断伸びが上述した範囲のものとなればよい。
(積層フィルムの製造方法)
本発明の3次元成型品加飾用積層フィルムの製造方法は、例えば、キャリアフィルム上に、接着層(D)及び意匠層(C)、又は、接着機能を備えた意匠層(C-D)、並びにクリヤー塗膜層(B)を順に形成する工程(1)、
続いて、クリヤー塗膜層(B)上に、あらかじめエネルギー線照射剥離型粘着剤含有組成物からなる層(X)が塗布された基材フィルム(A)を接着させる工程(2)
を有する方法が好ましい。
従来、3次元成型品加飾用積層フィルムの製造方法としては、上記のような基材フィルムを用い、これに、順次各層を塗布・乾燥して形成する方法が一般的であった。しかしながら、この方法では、基材フィルムが3次元成型品加飾用積層フィルムに加飾成形時に3次元形状の表面に沿って変形させて密着させるための成形性を付与するものであるから耐熱性を有さないため、塗膜後の乾燥温度が上げられず、量産性が確保できなかった。
そこで、耐熱性のある二軸延伸ポリエステルフィルムをキャリアフィルムとして、これにすべての層を塗布・乾燥する方が、コーターでのフィルム走行性や塗料を乾燥する温度設定で有利となるため、塗工速度をアップすることができ、量産性に優れるが、再表層であるクリヤー塗膜層に基材フィルムをラミネートすると、軽剥離性から成形時に発泡したり、基材フィルムとクリヤー塗膜層が剥離したりしてしまう。逆に、基材フィルムのクリヤー塗膜層と接する面にコロナ処理、易接着処理などを行うと、塗工・乾燥後のラミネートには効果的ではあるが、成形時の熱や応力によって、成形後には剥離しにくくなる可能性があった。
本発明の3次元成型品加飾用積層フィルムを構成する基材フィルム(A)、金属調意匠層(E)及び印刷によって形成された意匠層(G)以外の各層は、各層を構成する成分を溶剤に溶解した塗料組成物を調製し、これを基材フィルム(A)上に順次塗布・乾燥することで、形成することができる。
上記各層を形成するための塗布方法としては、特に限定されないが、例えば、スプレーによる吹付け塗布、アプリケーターや、ダイコーター、バーコーター、ロールコーター、コンマコーター、ローラブラシ、はけ、へら等を用いて塗布すればよい。上記塗布方法にて、塗料溶液を塗布した後、該塗料溶液中の溶剤を除去するために、加温乾燥を行って、形成することができる。
このような方法によって3次元成型品加飾用積層フィルムを作成する場合、上記キャリアフィルムは、耐熱性を有する二軸延伸ポリエステルフィルムを用いることが好ましい。
また、接着層(D)に関しては、塗布・乾燥という方法ではなく、ラミネート法によって接着するものであってもよい。すなわち、接着層(D)によって形成されたフィルムを調製し、これをキャリアフィルムにラミネートによって接着させる方法で形成してもよい。そして、このようにして形成された接着層(D)上に、意匠層(C)、クリヤー塗膜層(B)を順次形成するようにしてもよい。
上記金属調意匠層(E)の形成方法は特に限定されるものではなく、上記の通常の公知の方法によって行うことができる。
上記金属調意匠層(E)が、インジウム若しくはスズからなる蒸着金属層(E-2)である場合、蒸着金属層の形成を行う必要がある。このような蒸着金属層の形成方法は特に限定されるものではなく、上記の通常の公知の方法によって行うことができる。
また、基材フィルム(A)として、上記無延伸ポリエステルフィルムや無延伸プロピレンフィルムを用いる場合には、基材フィルム(A)表面に、コロナ処理又は易接着処理を施した後、エネルギー線照射剥離型粘着剤組成物を塗布するようにすることが好適である。
これらの処理をすることにより、基材フィルム(A)表面への、エネルギー線照射剥離型粘着剤含有組成物の接着が強固となる。
コロナ処理とは、基材フィルム表面をコロナ放電照射によって改質させる表面処理技術である。また、易接着処理とは、基材フィルム表面にシラン系化合物や樹脂のコーティングを施し、処理基材フィルム表面とエネルギー線照射剥離型粘着剤との接着性を向上させる表面処理技術である。具体的には、東洋インキ株式会社 PET用ポリエステル樹脂系易接着コートPET134アンカー等が挙げられる。
これらの処理の条件は、それぞれ公知の任意の条件で行えばよい。
上記のように、クリヤー塗膜層(B)と、エネルギー線照射剥離型粘着剤含有組成物が塗布された面とが接するように、基材フィルム(A)を積層することで、本発明の3次元成型品加飾用積層フィルムが得られる。
本発明においては、上記製造方法のように、耐熱性のある二軸延伸ポリエステルフィルム等をキャリアフィルムとし、これに各層を塗布・乾燥後に、表面にエネルギー線照射剥離型粘着剤含有組成物が付与された基材フィルムを熱ラミネートすることで、塗布後の乾燥温度を上げることが可能となり、量産性確保とそれによる製造コストダウンが図れる。
本発明において、上記キャリアフィルムとしては特に限定されず、東レ株式会社 PETフィルム ルミラー、東洋紡フイルムソリューション株式会社 易接着加工PETフィルム テフレックスFT3ZW(両面加工)、FT3PE(片面加工)、東洋紡株式会社 コスモシャイン、三菱ケミカル株式会社 ダイアホイル等を使用することができる。また、当該キャリアフィルムは、剥離した後で回収し再利用することもできる。
(使用方法)
本発明の3次元成型品加飾方法は、3次元成型品加飾用積層フィルムを用いて、真空成形又は真空圧空成形により、接着層(D)又は接着層としての機能を兼ね備えた意匠層(C-D)を3次元成型品上に貼りつけた後、エネルギー線を基材フィルム(A)側から照射し、基材フィルム(A)をエネルギー線照射剥離型粘着剤含有組成物からなる層(X)とともに、クリヤー塗膜層(B)から剥離するものである。
本発明の3次元成型品加飾用積層フィルムを用いて基材を加飾する場合には、従来公知の真空成形による手法と同様に行えばよく、特に限定されるものではない。すなわち、積層フィルムからキャリアフィルムを剥離し、接着層(D)又は接着層としての機能を兼ね備えた意匠層(C-D)が基材表面に面するようにして、被加飾体である3次元成型品表面に積層フィルムを密着するように、該積層フィルムを圧着させて加飾する。その後、電磁波照射又は加熱を行い、各層を硬化させて、塗膜を得る。次いで、圧着、硬化後に基材フィルム(A)を剥離する。
本発明の積層フィルムを真空成形において適用する場合は、成形時、基材とフィルムとの間が70kPa以下であるような真空条件下で接着が行われるものであることが好ましい。このような真空度での成形を行うことで、接着層(D)と成型体との間に空気が入り込むことがなくなり、高密着性の加飾を行うことができる点で好ましい。
また、加飾のための成形は、積層フィルムとして伸びが30~500%となるような温度を40~130℃の温度範囲内から選定して行うことが好ましい。これによって、積層フィルムが好適に高伸度に対応できることから、良好な真空成形を行うことができる。
なお、本発明の積層フィルムによって好適に加飾を施すことができる基材は、特に限定されないが、例えば、バンパー、フロントアンダースポイラー、リヤーアンダースポイラー、サイドアンダースカート、サイドガーニッシュ、ドアミラー等の自動車外装部品、インパネ、センターコンソール、ドアスイッチパネル等の自動車内装部品、携帯電話やオーディオ製品、冷蔵庫、ファンヒータ、照明器具等の家電製品の筐体、洗面化粧台等を挙げることができる。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。実施例中、配合割合において%とあるのは特に言及がない限り質量%を意味する。本発明は以下に記載した実施例に限定されるものではない。
(合成例 ポリウレタンアクリレート(B1)の合成)
攪拌機、還流冷却管、温度計、空気吹き込み管及び材料投入口を備えた反応容器を用意した。
反応容器の内部を空気で置換しながら、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール(商品名「デュラノールT6001」、旭化成ケミカルズ(株)製、末端官能基定量による数平均分子量=1,000)200.0g、1,4-ブタンジオール80.0g、及びジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合体(水酸基価102.9mgKOH/g)120.0gを仕込んだ。
次いで、溶剤としてメチルエチルケトン(MEK)238.1gを仕込んだ。系内が均一となった後、50℃で4,4‘-メチレンビス-シクロヘキシルジイソシアネート314.2gを仕込み、触媒としてジブチルチンラウリレートを使用して80℃で反応させた。溶剤希釈により反応液の粘度を調整し、赤外吸収スペクトル分析で測定される遊離イソシアネート基による2,270cm-1の吸収が消失するまで反応を進行させた。MEKとシクロヘキサノンの質量比が1:1となるまでシクロヘキサノンを添加して、ポリウレタンを含有する樹脂溶液を得た。
得られた樹脂溶液の粘度は200dPa・s/20℃、固形分は45%、2重結合当量は600g/eqであった。また、GPCにより測定したポリウレタンの重量平均分子量は44,000であった。
〔積層フィルムの製造例〕
<エネルギー線照射剥離型粘着剤含有組成物からなる層(X)を積層した基材フィルム(A)の作製>
攪拌機を備えた容器に、バインダー(X1)、エネルギー線照射剥離型粘着剤(X2)を入れ、攪拌しながら最終の塗料がNV=40%となる量のMEKを入れ、30分間攪拌し、エネルギー線照射剥離型粘着剤含有組成物を得た。
基材フィルム(A)上に、乾燥したときの膜厚(以下、乾燥膜厚)が15μmのエネルギー線照射剥離型粘着剤含有組成物からなる層(X)が得られるように、上記エネルギー線照射剥離型粘着剤含有組成物を、アプリケーターを用いて塗布し、80℃にて15分間乾燥させて、エネルギー線照射剥離型粘着剤含有組成物からなる層(X)を形成した。
<クリヤー塗料溶液の調整>
攪拌機を備えた容器に、ポリウレタンアクリレート(B1)、モノマー(B2)を入れ、攪拌しながら最終の塗料がNV=40%となる量のMEKを入れ、さらに重合開始剤(B3)を入れ、30分間攪拌し、クリヤー塗料溶液を得た。
<意匠用塗料溶液の調整>
攪拌機を備えた容器に、ウレタン樹脂(TE-5430、三井化学社製)(C1)及び光輝剤(C2)を入れ、攪拌しながら、最終の塗料がNV=35%となる量のメチルイソブチルケトン(MIBK)を入れ、30分間攪拌し、着色塗料溶液を得た。
<蒸着アルミ含有塗料溶液の調整>
攪拌機を備えた容器に、バインダー樹脂(E1)及び蒸着アルミ(E2)を入れ、攪拌しながら最終の塗料がNV=2%となる量のMIBKを入れ、30分間攪拌し、蒸着アルミ含有塗料溶液を得た。
<接着塗料溶液の調整>
攪拌機を備えた容器に、接着塗料用樹脂(バイロンUR-3200、東洋紡社製)を入れ、攪拌しながら最終の塗料がNV=30%となる量のMEKを入れ、30分間攪拌し、接着塗料溶液を得た。
<積層フィルムの作製1>
キャリアフィルム(2軸延伸離形処理PET、ピューレックスA71、東洋紡フィルムソリューション)上に乾燥した時の膜厚(以下、乾燥膜厚)が30μmの接着剤層が得られるように、上記接着塗料溶液を、アプリケーターを用いて塗布し、80℃にて15分間乾燥させ、接着剤層を形成した。
次いで、接着剤層(D)上に、乾燥膜厚が30μmの意匠層(C)が得られるように、上記意匠用塗料溶液を、バーコーターを用いて塗布し、その後、80℃にて15分間乾燥させ、意匠層(C)を形成した。
続いて、意匠層(C)上に、乾燥膜厚が40μmのクリヤー塗膜層(B)が得られるように、上記クリヤー塗料溶液を、アプリケーターを用いて塗布し、80℃にて15分間乾燥させてクリヤー塗膜層(B)を形成した。エネルギー線照射剥離型粘着剤含有組成物からなる層(X)がクリヤー塗膜層(B)に接するようにして、基材フィルム(A)を熱ラミネートした。
<金属調意匠層 蒸着アルミを含有する塗膜層(E-1)>
実施例10および実施例12においては、
蒸着アルミ含有塗料溶液を、バーコーターを用いて塗布し、その後、80℃にて15分間乾燥させ、金属調意匠層(E)を形成した。
<金属調意匠層 インジウムからなる金属蒸着層(E-2)>
実施例9および実施例13においては、接着剤層(D)上に、インジウムからなる金属調意匠層(E)を形成した。
<印刷層>
実施例11~13においては、それぞれ、インクジェットにより印刷層(G)を形成した。
〔積層フィルムによって加飾された成形体の製造例〕
上下ボックスからなる両面真空成形装置(商品名NGF-0709、布施真空(株)社製)内に装備された上下昇降テーブル上に、ABS製基材(成型品)を載置した。その後、上記両面真空成形装置の成型基材(成型品)の上部にあるシートクランプ枠に、上記にて得た積層フィルムをセットした。続いて、上下ボックス内の真空度が1.0kPaになるように減圧し、近赤外線ヒータを用いて積層フィルムの温度が90℃になるまで加熱し、成型基材を上昇させて、成型基材と積層フィルムとを圧着、その後、上ボックスにのみ200kPaの圧縮空気を導入し、35秒間保持した。上下ボックスを大気圧に開放し、積層フィルムで加飾された加飾成形体を得た。
さらに、上記加飾成形体のクリヤー塗膜層(B)側から、120W/cmの高圧水銀灯を用いて、2000mJ/cmの光量の紫外線を照射し、クリヤー塗膜層(B)のクリヤー塗料を硬化させ、UV(紫外線)硬化成形体を得た。
なお、以下に示す各表中で、以下の成分を使用した。
パンライトPC-2151(帝人):ポリカーボネートフィルム
アクリプレンHBS006H(三菱ケミカル):アクリルフィルム
デコフィットシャープ100Q01CK(東レ):オレフィンフィルム
ダイフェラミンMAU-7002H33-50(大日精化):アクリル樹脂
JL-2052(星光PMC):紫外線剥離粘着剤
JL-2062(星光PMC):紫外線剥離粘着剤
UV 1700B(日本合成化学工業):ウレタンアクリレートオリゴマー
ルシリンTPO(BASF):2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォスフィンオキサイド
アルペースト65-388アルミ(東洋アルミ):アルミペースト
UR-1361ET(東亜合成):ウレタン樹脂
UR-3200(東洋紡):ポリエステルウレタン樹脂
ソルバインM5(日信化学工業):塩化ビニル樹脂
メタシーン71-0010(チバスペシャリティー):蒸着アルミ
得られた積層フィルムについて、以下の基準に基づいて評価を行った。
粘着性:エーディーワイ株式会社製剥離強度テスター(AD-200)を用い、幅25mm、剥離角度170°、剥離速度300mm/分で剥離強度を測定した。
○:0.10N/25mm以上
△:0.05N/25mm以上~0.10N/25mm未満
×:0.05N/25mm未満
伸度:基材込みにて島津製作所製オートグラフAG-ISを用い80℃の温度条件下、50mm/minの引張速度にて測定し、いずれかの層が破断した時点で、伸びを判定した。
○:200%以上
△:30%以上
×:30%未満
成形性:布施真空(株)製両面真空成形機NGF-0709を用いてTOM成形にて確認した。
◎:基材に高延伸部まで追随し成形可能
○:基材に中延伸部まで追随し成形可能
△:基材に低延伸部まで追随し成形可能
×:成形不可
剥離性:エーディーワイ株式会社製剥離強度テスター(AD-200)を用い、幅25mm、剥離角度170°、剥離速度300mm/分で剥離強度を測定した。
○:0.10N/25mm未満
△:0.10N/25mm以上~0.25N/25mm未満
×:0.25N/25mm以上
外観:成形後の延伸された部分を目視にて評価した。
○:基材に高延伸部まで追随し外観良好
△:基材に中延伸部まで追随し外観良好
×:外観不良
成形後耐SW性:耐スチールウール性試験機を用いて、100g/cm荷重にて♯0000のスチールウールを10往復させて傷の有無を確認した。
○:傷なし
△:数えられる程度の傷
×:傷が無数
成形後耐衝撃性:デュポン耐衝撃試験機を用い、高さ20cmから重さ500gの重りを落下させ、塗膜のワレを確認した。
○:ワレなし
△:塗膜にわずかなひび
×:塗膜に顕著なひび
成形後耐薬品性:内径38mm、高さ15mmの円筒のポリリングを塗膜に固定し、下記の溶液を滴下した。
各条件下にてフタをして静置した。
試験後、水洗いして塗膜の状態初期と比較した。
耐酸 0.1N HSO溶液 5ml 20℃×24h
耐アルカリ 0.1N NaOH溶液 5ml 55℃×4h
耐水 蒸留水 5ml 55℃×4h
○:塗膜に変化なし
△:塗膜外観が明らかに変化(しわ、クラック)
×:塗膜外観が著しく変化(しわ、クラック)
結果を以下の表1~6に示す。
Figure 2022182014000002
Figure 2022182014000003
Figure 2022182014000004
Figure 2022182014000005
Figure 2022182014000006
Figure 2022182014000007
本発明の3次元成型品加飾用積層フィルムを用いて加飾することにより、積層フィルム製造時、真空成形時、更に、エネルギー線照射前まで、基材フィルムが剥がれることなく、且つ、エネルギー線照射後には基材フィルムを容易に剥離することができることから、加飾成形の安定性に優れる。
(A)基材フィルム
(B)クリヤー塗膜層
(C)意匠層
(D)接着層
(E)金属調意匠層
(G)印刷によって形成された意匠層
(X)エネルギー線照射剥離型粘着剤含有組成物からなる層

Claims (10)

  1. 基材フィルム(A)、エネルギー線硬化性塗膜からなるクリヤー塗膜層(B)、意匠層(C)を有し、
    さらに、接着層(D)を備えるものであるか、前記意匠層(C)が接着層としての機能を兼ね備えた意匠層(C-D)である3次元成型品加飾用積層フィルムであって、
    さらに、基材フィルム(A)のクリヤー塗膜層(B)が接する面に、エネルギー線照射剥離型粘着剤含有組成物からなる層(X)を有することを
    特徴とする3次元成型品加飾用積層フィルム。
  2. クリヤー塗膜層(B)は、ポリウレタンアクリレート(B1)、不飽和2重結合を有するモノマー・オリゴマー(B2)及び重合開始剤(B3)を含有する活性エネルギー線硬化性コーティング組成物によって形成されたものである請求項1記載の3次元成型品加飾用積層フィルム。
  3. 意匠層(C)及び接着機能を備えた意匠層(C-D)は、少なくともポリウレタン樹脂(C1)と、光輝材(C2)とを含有し、ポリウレタン樹脂(C1)の固形分質量及び光輝材(C2)の固形分質量の合計量((C1)+(C2))100質量部中に、(C2)を0.5~60質量部の範囲となるように含有する着色塗料組成物によって形成された層である請求項1又は2に記載の3次元成型品加飾用積層フィルム。
  4. 意匠層(C)が、蒸着アルミを含有する塗膜層(E-1)又はインジウム若しくはスズからなる蒸着金属層(E-2)からなる金属調意匠層(E)である請求項1又は2に記載の3次元成型品加飾用積層フィルム。
  5. クリヤー塗膜層(B)と金属調意匠層(E)の間に、さらに保護層(F)を有する請求項4記載の3次元成型品加飾用積層フィルム。
  6. 更に、印刷によって形成された意匠層(G)を有する請求項4又は5に記載の3次元成型品加飾用積層フィルム。
  7. 意匠層(C)が、印刷によって形成された意匠層(G)である請求項1又は2に記載の3次元成型品加飾用積層フィルム。
  8. キャリアフィルム上に、接着層(D)及び意匠層(C)、又は、接着機能を備えた意匠層(C-D)並びにクリヤー塗膜層(B)を順に形成する工程(1)、
    続いて、クリヤー塗膜層(B)上に、あらかじめエネルギー線照射剥離型粘着剤含有組成物が塗布された基材フィルム(A)を接着させる工程(2)
    を有することを特徴とする3次元成型品加飾用積層フィルムの製造方法。
  9. 基材フィルム(A)表面に、コロナ処理又は易接着処理を施した後、前記処理を施した面に、エネルギー線照射剥離型粘着剤含有組成物を塗布する請求項8記載の3次元成型品加飾用積層フィルムの製造方法。
  10. 請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の3次元成型品加飾用積層フィルムを用いて、真空成形又は真空圧空成形により、接着層(D)又は接着機能を備えた意匠層(C-D)を3次元成型品上に貼りつけた後、エネルギー線を基材フィルム(A)側から照射し、基材フィルム(A)をエネルギー線照射剥離型粘着剤含有組成物からなる層(X)とともに、クリヤー塗膜層(B)から剥離することを特徴とする3次元成型品加飾方法。
JP2021089293A 2021-05-27 2021-05-27 3次元成型品加飾用積層フィルム、その製造方法及び3次元成型品加飾方法 Pending JP2022182014A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021089293A JP2022182014A (ja) 2021-05-27 2021-05-27 3次元成型品加飾用積層フィルム、その製造方法及び3次元成型品加飾方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021089293A JP2022182014A (ja) 2021-05-27 2021-05-27 3次元成型品加飾用積層フィルム、その製造方法及び3次元成型品加飾方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022182014A true JP2022182014A (ja) 2022-12-08

Family

ID=84328902

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021089293A Pending JP2022182014A (ja) 2021-05-27 2021-05-27 3次元成型品加飾用積層フィルム、その製造方法及び3次元成型品加飾方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2022182014A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6815984B2 (ja) 真空成形用3次元成型品加飾用積層フィルム、その製造方法及び3次元成型品加飾方法
CN107000397B (zh) 三维成型品装饰用层积膜、其制造方法以及三维装饰方法
JP6127363B2 (ja) 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物およびそれを用いた積層体
JP6599654B2 (ja) 真空成形用3次元成型品加飾用積層フィルム、3次元成型品加飾方法及び加飾成形体
WO2009119436A1 (ja) プラスチック基材用塗料組成物、それより形成された塗膜、および形成体
JP2012081742A (ja) 積層体
JP6034780B2 (ja) 高耐久機能性成型シート及びそれを用いて得られる加飾成型品
JP6353659B2 (ja) 成型品加飾用積層フィルム、塗料組成物及び加飾成形体
KR101497350B1 (ko) 베이스 코트 도료 조성물 및 복합 도막과 그 제조 방법
JP6423947B2 (ja) 3次元成型品加飾用積層フィルムのクリヤー塗膜層形成用塗料組成物
JP4374262B2 (ja) 積層フィルム
JP7404656B2 (ja) 硬化性樹脂組成物、樹脂硬化物、積層フィルム、転写フィルム及び積層体
JP2013127043A (ja) ハードコート層の下地として使用する下層形成用塗料、及び該下層形成用塗料を塗布して形成した積層体
WO2021132612A1 (ja) 3次元成型品加飾用積層フィルム、その製造方法及び3次元加飾方法
JP2022182014A (ja) 3次元成型品加飾用積層フィルム、その製造方法及び3次元成型品加飾方法
JP7369558B2 (ja) 3次元成型品加飾用積層フィルム
JP2022123593A (ja) 3次元成型品加飾用積層フィルム、その製造方法及び3次元成型品加飾方法
JP5913089B2 (ja) 高耐久機能性成型シート及びそれを用いて得られる加飾成型品
JP7058144B2 (ja) 硬化性組成物及びこれを用いたフィルム、およびフィルムを用いた成形品
JP7369559B2 (ja) 3次元成型品加飾用積層フィルム
JP2022159795A (ja) 3次元成型品加飾用積層フィルム及び3次元成型品加飾方法
WO2016117555A1 (ja) 成型品加飾用積層フィルム及び加飾成形体
JP2022100644A (ja) 3次元成型体加飾用積層フィルム、それを用いた加飾成型体の製造方法及び加飾成型体
JP2021020414A (ja) 3次元成型品加飾用積層フィルム
JP2004262023A (ja) 水圧転写用フィルム及び水圧転写体