JP2021027364A - 太陽電池モジュール用加飾フィルム - Google Patents

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高和 長谷
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Abstract

【課題】優れた意匠性を有しつつ光透過性が高い太陽電池モジュール用加飾フィルムを提供する。【解決手段】基材フィルム層(A)及び加飾層(C)を有する太陽電池加飾用積層フィルムであって、太陽電池加飾用積層フィルムから基材フィルム層(A)を剥離した状態のフィルムは、光透過率が50%以上であり、加飾層(C)は、光輝性顔料を3〜40重量%の範囲で含有することを特徴とする太陽電池モジュール用加飾積層フィルム。【選択図】図6

Description

本発明は、太陽電池モジュール用加飾フィルムに関する。
近年、太陽電池を建築物の壁面等に設置して太陽光発電を行う試みが検討されている(たとえば、特許文献1〜4等)。しかしながら、一般的な太陽電池モジュールは、太陽電池モジュールが外部から見えてしまう状態となることから、意匠性に乏しく、ビルの外壁に設置するのであれば、このような点を改善することが求められる。
しかし、図1に示したように、太陽電池上に設けるフィルムの光透過性が低くなれば、太陽電池の出力が低下することが知られている。すなわち、意匠性を有する層は、一般に可視光を吸収・反射するものである。このため、加飾層を設けると、光の透過率が低下することによって、太陽電池の効率が低下してしまう。このため、意匠性を付与しつつ、太陽電池のエネルギー効率を低下させることがない加飾用積層フィルムが要求されている。太陽電池モジュールで必要とする出力は、用途や目的によってさまざまであるが、例えば、博物館や美術館に設置される場合の、芸術性を重視したほぼ出力がゼロに近い太陽電池モジュール等を除き、実質的に、ZEH(ゼロエネルギーハウス)やZEB(ゼロエネルギービルディング)を実現するためには、実用上、加飾しない場合に比べ60%以上の出力を確保する必要がある。
本発明者らは、特許文献5においてメタル調の加飾を行うことができる加飾フィルムを開示している。しかし、これは、太陽電池の加飾に用いるような光透過性が高い加飾層を有するものではない。
特開2013−229576号公報 特開2014−165389号公報 特開2016−207960号公報 特開2017−69395号公報 特許第3984924号公報
本発明は、上記に鑑み、優れた意匠性を有しつつ光透過性が高い太陽電池モジュール用加飾フィルムを提供することを目的とするものである。
本発明は、
基材フィルム層(A)及び加飾層(C)を有する太陽電池加飾用積層フィルムであって、
太陽電池加飾用積層フィルムから基材フィルム層(A)を剥離した状態のフィルムは、光透過率が50%以上であり、
加飾層(C)は、光輝性顔料を3〜40重量%の範囲で含有する
ことを特徴とする太陽電池モジュール用加飾積層フィルムである。
上記太陽電池モジュール用加飾積層フィルムは、更に、ハードコート層(B)を有するものであってもよい。
上記光輝性顔料は、鱗片状光輝性顔料であることが好ましい。
上記鱗片状光輝性顔料は、面方向の寸法が5〜300μmであり、厚みが0.1〜10μmであることが好ましい。
上記鱗片状光輝性顔料は、干渉アルミナフレーク、干渉マイカフレーク、ガラスフレーク、干渉シリカフレーク、及び/又は、干渉タルクフレークであることが好ましい。
加飾層は、ポリカーボネート含有ウレタン樹脂、塩ビ酢ビ含有ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂及びポリオレフィン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
上記ハードコート層は、活性エネルギー線硬化型コーティング組成物によって形成された層であることが好ましい。
上記ハードコート層は、ポリウレタンアクリレート(B1)、不飽和2重結合を有するモノマー・オリゴマー(B2)及び重合開始剤(B3)を含有する活性エネルギー線硬化型コーティング組成物によって形成されたものであることが好ましい。
上記太陽電池モジュール用加飾積層フィルムは、さらにハードコート層と加飾層の間に密着層と印刷層がこの順に積層したものであってもよい。
本発明の太陽電池モジュール用加飾フィルムは、優れた意匠性を有するものでありつつ、高い光透過性を有するものである。このため、太陽電池の発電効率に悪影響を与えることなく、太陽電池の加飾を行うことができる。
光透過率と太陽電池の出力との関係を示す図である。 実施例におけるPWCと光透過率との関係を示す図である。 実施例におけるPWCと光透過率との関係を示す図である。 実施例における加飾層の厚みと光透過率との関係を示す図である。 実施例における光透過率と出力の関係を示す図である。 本発明における太陽電池モジュール用加飾フィルムの層構成を示す図である。 本発明における太陽電池モジュール用加飾フィルムの層構成を示す図である。 本発明における太陽電池モジュール用加飾フィルムの層構成を示す図である。 本発明における太陽電池モジュール用加飾フィルムの層構成を示す図である。 本発明における太陽電池モジュール用加飾フィルムの層構成を示す図である。 本発明における太陽電池モジュール用加飾フィルムの層構成を示す図である。 本発明による太陽電池モジュール用加飾フィルムによる加飾の工程の一例を示す図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の太陽電池モジュール用加飾フィルムは、基材フィルム層(A)及び加飾層(C)を有し、加飾層(C)は、光透過率が50%以上であり、光輝性顔料を3〜40重量%の範囲で含有するものである。
すなわち、光輝性顔料を配合しつつ、光の透過性を確保した加飾層(C)を有する点に特徴を有するものである。このような高い光透過性を確保するには、光輝性顔料を配合しつつ、その光輝性顔料の加飾層における配向性を高めることが好ましい。
光輝性顔料としては、一般に、扁平な形状を有する板状顔料が使用されている。このような光輝性顔料は、フィルム層中において、フィルム面に平行な方向に高度に配向した状態とすることで、光の乱反射が制御され、高い光透過性を維持することができる。
更に、この光輝性顔料として、光干渉性の光輝性顔料を使用すると、光の干渉効果によって意匠性を得つつ、光の透過性を損なうことなく、意匠性を得ることができる。
なお、特許文献5に記載されたような金属顔料を使用した場合、金属顔料が高い光反射率を有するものとなることから、上述した光透過性を達成することはできない。
このような加飾層を高い光透過率を有するものとするには、加飾層中に存在する光輝性顔料が塗膜の面方向に平行に高度に配列することが好ましい。このような高度の配向を得るためには、従来の一般的な塗装による被膜形成以外の方法によって行うことが好ましい。
このような加飾層を形成するための具体的な方法については、後述する。
以下、本発明の太陽電池加飾用積層フィルムについて詳述する。
本発明の太陽電池加飾用積層フィルムは、光透過率が50%以上である。このように高い光透過率を有するものとすることで、太陽電池の発電効率を低下させることなく加飾できる点で好ましい。なお、本発明において光透過率は、分光光度計U−4100(日立ハイテクノロジーズ)により、波長380.0nm〜810.0nmの範囲で、積分球を用い全光線透過率を測定した値を意味する。測定にあたって、光源はハロゲンランプを使用した。
(層構成)
本発明の太陽電池加飾用積層フィルムは、基材フィルム層(A)及び加飾層(C)を備えるものである。より具体的には、基材フィルム層(A)及び加飾層(C)のみからなるものであってもよいし、必要に応じてその他の層を備えるものであってもよい。
基材フィルム層(A)及び加飾層(C)のみからなる積層フィルムは、その使用態様を図6に示す。当該構成を有するフィルムを基材である太陽電池上に接着することによって、層を形成する。その後、基材フィルム層(A)及び加飾層(C)を形成した後、基材フィルム層(A)を剥離し、更に必要な場合は保護層を形成することもできる。当該保護層の形成は、塗料の塗装及び必要に応じて行う乾燥、硬化や、保護層フィルムの貼付によって行うことができる。
また、図7には、基材フィルム層(A)及び加飾層(C)に加え、印刷層(D)及び密着層(E)を備えた構成を示した。図8には、その他の態様として、基材フィルム層(A)及び加飾層(C)に加え、更に、接着層(F)を備えた構成を示した。
本発明の太陽電池モジュール用加飾フィルムは、更に、ハードコート層(B)を備えるものであってもよい。ハードコート層(B)を備えるものである場合、これらの層は、基材フィルム層(A)、ハードコート層(B)、加飾層(C)の順で形成されていることが好ましい(図9参照)。
更に、必要に応じて、更に、接着層、密着層、印刷層等のその他の層を形成するものであってもよい。接着層を設ける場合は、加飾層(C)に隣接した最外層に形成することが好ましい。また、密着層、印刷層は、ハードコート層と加飾層の間に設けることが好ましい。この場合、密着層をハードコート層側に形成することが好ましい。
また、その他の層構成の例を図10,11に示した。図10は印刷層(D)及び密着層(E)を備えたものである。印刷層を備えることによって、印刷による良好な意匠層が形成できる点で好ましい。また、この印刷層をも植えた場合は、ハードコート層(B)との密着性を良好なものとするために、密着層(E)を備えたものとすることが好ましい。
図11は、接着層(F)を備えた構成である。本発明の太陽電池モジュール用加飾積層フィルムは、加飾層に接着性が良好な樹脂を使用することで接着機能を付与することができる。しかし、加飾層において使用した樹脂が接着性が十分でない場合や、接着機能において高度な性能が求められる場合には、接着層(F)を備えた図9の構成としてもよい。
以下に、本発明の太陽電池加飾用積層フィルムを構成する各層についてそれぞれ詳述する。
(加飾層(C))
本発明において、加飾層(C)は、光輝性顔料を3〜40重量%の範囲で含有するものである。
光輝性顔料は、鱗片状光輝性顔料であることが好ましい。より具体的には、面方向の寸法が5〜300μmであり、厚みが0.1〜10μmであることが好ましい。このような扁平形状を有するものを高度な配向性を有する状態で塗膜中に存在させることで、本発明の目的を好適に発揮することができる。
上記鱗片状光輝性顔料の面方向の寸法及び厚みは、電顕観察により面方向の寸法を計測し、表面積を計算した。厚みについては、比重、重量、表面積から厚みを算出という方法によって測定した値である。なお、面方向の寸法は、長径を意味するものであり、電子顕微鏡写真の画像中に現れた粒子から無作為に選択した100の粒子について測定した長径の平均値をあらわす。
上記光輝性顔料は、干渉アルミナフレーク、干渉マイカフレーク、ガラスフレーク、干渉シリカフレーク、及び/又は、干渉タルクフレークであることが好ましい。これらの光輝性顔料は、鱗片状光輝性顔料であり、かつ、光の干渉性によって意匠性を得ることができる点で好ましい。
上記光輝性顔料の配合量は、加飾層の全固形分量に対して3〜40重量%である。上記配合量とすることで、意匠性と光透過性とを兼ね備えた加飾層(C)を形成することができる点で好ましい。上記配合量の下限は、5重量%であることがより好ましく、10重量%であることが更に好ましい。上記配合量の上限は、35重量%であることがより好ましく、30重量%であることが更に好ましい。
加飾層の膜厚としては特に限定されないが、10〜50μmであることが好ましい。
なお、本発明の太陽電池モジュール用加飾フィルムは、加飾層における光輝性顔料の配合量及び加飾層の厚みが、光透過率に大きな影響を与える。したがって、これらを調整しつつ、所定の光透過率を得ることが重要となる。
上記加飾層は、更に、光輝性顔料ではない着色顔料を含有するものであってもよい。着色顔料を含有することで、更に意匠性を良好なものとすることができる。なお、このような光輝性顔料ではない着色顔料を使用する場合も、太陽電池加飾用積層フィルムは光透過率が50%以上でなければならない。このため、その配合量は、加飾層の全固形分量に対して20重量%以下とすることが好ましい。
加飾層は、ポリカーボネート含有ウレタン樹脂、塩ビ酢ビ含有ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂及びポリオレフィン樹脂から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。これらの樹脂は、塗料分野において一般的に使用されるものを好適に使用することができる。
加飾層は、更に、その他の成分として、紫外線吸収剤(UVA)、光安定剤(HALS)、顔料、表面調整剤、消泡剤、導電性充填剤、溶剤等を含有するものであってもよい。
本発明において、加飾層の形成は、25℃にて1000mPa・S以上5000mPa・S以下の範囲内の粘度を有する着色塗料を、剪断力を与えて塗布する方法によって形成することが好ましい。
このような方法で加飾層を形成することで、光輝性顔料を通常の塗装方法によって塗装した場合よりも、より高度な配向性を持たせることができる。これによって、加飾層(C)を、光輝性顔料を3〜40重量%の範囲で含有するものとしつつ、太陽電池モジュール用加飾積層フィルムの光透過率を50%以上に維持することができる点で好ましい。
(基材フィルム層(A))
基材フィルム層(A)を形成するフィルムとしては、特に限定されず、例えば、2軸延伸ポリエステルフィルム、2軸延伸ポリプロピレンフィルム等の2軸延伸フィルム、軟質塩化ビニルフィルム、無延伸ポリプロピレンフィルム、無延伸ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、アクリル樹脂フィルム、フッ素フィルム等の従来公知のフィルムが挙げられる。これらの中でも、ポリエステルおよび/またはポリオレフィンにより形成されるフィルムが好ましく、特に省エネ低温加工性の点からは、平面基材へ適用させるため成形性(延伸性)が要求されない場合は、2軸延伸ポリエステルフィルムがより好ましく、3次元形状物へ適用させるために成形性(延伸性)が要求される場合は無延伸ポリエステルフィルムがより好ましい。上記基材フィルム層(A)の厚みは、0.01〜0.5mmであることが好ましく、0.02〜0.3mmであることがより好ましい。この範囲を外れると、キャリアフィルムとしての働きや、電磁線硬化の際の経済性の点で好ましくない。
上述したように、基材フィルム層(A)は、剥離せずにそのまま太陽電池である基材上に残し、保護層として利用するものであってもよい。この場合、基材フィルム層(A)は、ETFE等のフッ素樹脂フィルムであることが好ましい。
(ハードコート層(B))
本発明の太陽電池モジュール加飾用フィルムは、ハードコート層(B)を備えるものであってもよい。
本発明で使用するハードコート層(B)は、エネルギー線硬化性塗膜であることが好ましく、その具体的な組成は、積層フィルムとしての物性を害するものでない限り特に限定されるものではなく、公知のエネルギー線硬化性塗膜とすることができる。
上記ハードコート層(B)は、活性エネルギー線硬化型コーティング組成物により形成されるものであることが好ましい。上記ハードコート層(B)は、太陽電池を加飾した際に、最外層を形成するものであることから、耐候性、耐水性、耐衝撃性等の性能を要求されるものである。このため、これらの性能において優れる活性エネルギー線硬化型コーティング組成物で形成された層とすることが好ましい。
上記ハードコート層(B)は、ポリウレタンアクリレート(B1)、不飽和2重結合を有するモノマー・オリゴマー(B2)及び重合開始剤(B3)を含有する活性エネルギー線硬化型コーティング組成物によって形成されたものであることが好ましい。これによって、上述した各物性において優れた性能を有し、また、ブロッキングを生じにくいものとすることができるという利点も有する。
更に、上記活性エネルギー線硬化型コーティング組成物は、(B1)の固形分重量、(B2)の固形分重量の合計量((B1)+(B2))100重量部中に、(B1)を50〜99重量部、(B2)を1〜50重量部の範囲内となるように含有し、(B1)の固形分重量及び(B2)の固形分重量の合計量((B1)+(B2))100重量部に対して(B3)を0.5〜20重量部の範囲内となるように含有するものである。これによって、硬化前の耐ブロッキング性、延伸性を有することができる。さらに硬化後の高い耐擦傷性、表面硬度、耐薬品性、耐衝撃性を有することができる。
以下、(B1)〜(B3)について詳細に説明する。
(ポリウレタンアクリレート(B1))
ポリウレタンアクリレート(B1)は、ウレタン結合を分子内に有し、かつ(メタ)アクリレート基を分子中に有する化合物である。これを使用することによって、加飾成形を行う際の延伸性が向上し、真空成形にも容易に対応できるため、3次元形状への追随が良好となる。
上記ポリウレタンアクリレート(B1)としては、特に限定されず、公知の任意のものを使用することができる。例えば、i)分子内に2個以上のイソシアナート基を持つ化合物に、分子内に1個以上の水酸基と1個以上の2重結合基を持つ化合物とを当量反応させて得られる化合物、ii)ポリオールと1塩基酸および/または多塩基酸および/またはその酸無水物との縮合物に、分子内に2個以上のイソシアナート基を持つ化合物を反応させたのち、さらに分子内に1個以上の水酸基と1個以上の2重結合基を持つ化合物を反応させて得られる化合物、iii)ポリオールに、分子内に2個以上のイソシアナート基を持つ化合物を反応させたのち、さらに分子内に1個以上の水酸基と1個以上の2重結合基を持つ化合物を反応させて得られる化合物、等が挙げられる。
上記i)〜iii)において、分子内に1個以上の水酸基と1個以上の2重結合基を持つ化合物としては、例えば、2−ヒドロキシ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等や、市販品では、プラクセルF(M)Aシリーズ(ダイセル化学社の商品名)等が挙げられる。また、前記ii)〜iii)において、多価アルコールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリカーボネートジオール、ポリテトラメチレングリコール、トリメチロールプロパン等や、市販品では、プラクセルジオールシリーズ(ダイセル化学社の商品名)、プラクセルトリオールシリーズ(ダイセル化学社の商品名)等が挙げられる。
上記ポリオールとしては特に限定されず、公知のアクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール等を使用することができる。また、エチレングリコール、ブタンジオール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ネオペンチルグリコール等の各種低分子量ジオール等も必要に応じて使用することができる。
上記ポリオールとしては、ポリカーボネート濃度:0.5〜75wt%(ポリウレタンアクリレート(B1)全量に対する割合)となる割合でポリカーボネートジオール骨格を有することが好ましい。ポリカーボネートジオール骨格を有するものを使用することで、強靭性が発現し、加飾成形時の膨れ防止、意匠外観保持(ワレ防止)が可能となる利点を有する。
上記ポリカーボネートジオールは、2〜70重量%であることがより好ましい。
上記ポリイソシアネートとしては、イソシアネート基を2個以上有する化合物であれば特に限定されず、例えば、トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート等の芳香族のもの;ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族のもの;イソホロンジイソシアネート等の脂環族のもの;その単量体及びそのビュレットタイプ、ヌレートタイプ、アダクトタイプ等の多量体等を挙げることができる。
上記ポリイソシアネートの市販品としては、デュラネート24A−90PX(NCO:23.6%、商品名、旭化成社製)、スミジュールN−3200−90M(商品名、住友バイエルウレタン社製)、タケネートD165N−90X(商品名、三井化学社製)、スミジュールN−3300、スミジュールN−3500(いずれも商品名、住友バイエルウレタン社製)、デュラネートTHA−100(商品名、旭化成社製)等を挙げることができる。また、必要に応じてこれらをブロックしたブロックイソシアネートを使用することもできる。
上記ポリウレタンアクリレート(B1)は、一部にウレア結合を有するものであってもよい。
ウレア結合を有するものとするためには、ポリウレタンアクリレートの合成において、一部にポリアミン化合物を使用すればよい。使用できるポリアミン化合物としては特に限定されず、例えば、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、トリアミノプロパン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)プロピレンジアミン、(2−ヒドロキシエチルプロピレン)ジアミン、(ジ−2−ヒドロキシエチルエチレン)ジアミン、(ジ−2−ヒドロキシエチルプロピレン)ジアミン、(2−ヒドロキシプロピルエチレン)ジアミン、(ジ−2−ヒドロキシプロピルエチレン)ジアミン、ピペラジン等の脂肪族ポリアミン;1,2−および1,3−シクロブタンジアミン、1,2−、1,3−および1,4−シクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミン(IPDA)、メチレンビスシクロヘキサン2,4’−および/または4,4’−ジアミン、ノルボルナンジアミン等の脂環式ポリアミン;フェニレンジアミン、キシリレンジアミン、2,4−トリレンジアミン、2,6−トリレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン,3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ビス−(sec−ブチル)ジフェニルメタン等の芳香族ジアミン;及びダイマー酸のカルボキシル基をアミノ基に転化したダイマージアミン、末端に一級又は二級アミノ基を有するデンドリマー等を挙げることができる。
上記ポリウレタンアクリレート(B1)は、2重結合当量が130〜600g/eqであることが好ましく、150〜300g/eqであることがさらに好ましい。2重結合当量が130g/eq未満であると、硬化膜の耐クラック性、耐衝撃性に劣るという問題を生じるおそれがある。2重結合当量が600g/eqを超えると、擦傷性、表面硬度、耐薬品性に劣るという問題を生じるおそれがある。
上記ポリウレタンアクリレート(B1)は、重量平均分子量が3000〜200000であることが好ましい。重量平均分子量が3000未満であると、耐ブロッキング性に劣るという問題を生じるおそれがある。重量平均分子量が200000を超えると、得られるポリウレタンアクリレート(B1)とハードコート塗料組成物に含まれる不飽和2重結合を有するモノマー・オリゴマー(B2)等との相溶性が低下する。加えて重量平均分子量が200000を超えるとハードコート塗料組成物の粘度が高くなる傾向にある。また、このような粘度の上昇を改善するために、有機溶剤を用いてハードコート塗料組成物を希釈すると、ハードコート塗料組成物中の固形分量が著しく低下し、加工性が悪化するという問題を生じるおそれがある。なお、本明細書において、重量平均分子量は後述の方法により測定した。
上記ポリウレタンアクリレート(B1)は、ウレタン濃度が300〜2000g/eqであることが好ましい。ウレタン濃度が300g/eq未満であると、得られるポリウレタンアクリレート(B1)とハードコート塗料組成物に含まれる不飽和2重結合を有するモノマー・オリゴマー(B2)等との相溶性が低下する。加えてウレタン濃度が300g/eq未満であると、ハードコート塗料組成物の粘度が高くなる傾向にある。また、このような粘度の上昇を改善するために、有機溶剤を用いてハードコート塗料組成物を希釈すると、ハードコート塗料組成物中の固形分量が著しく低下し、加工性が悪化するという問題を生じるおそれがある。ウレタン濃度が2000g/eqを超えると、耐ブロッキング性、耐衝撃性に劣るという問題を生じるおそれがある。
上記ポリウレタンアクリレート(B1)は、ウレア濃度が500〜1000g/eqであることが好ましい。ウレア濃度が500g/eq未満であると、得られるポリウレタンアクリレート(B1)とハードコート塗料組成物に含まれる不飽和2重結合を有するモノマー・オリゴマー(B2)等との相溶性が低下する。加えてウレア濃度が500g/eq未満であると、ハードコート塗料組成物の粘度が高くなる傾向にある。また、このような粘度の上昇を改善するために、有機溶剤を用いてハードコート塗料組成物を希釈すると、ハードコート塗料組成物中の固形分量が著しく低下し、加工性が悪化するという問題を生じるおそれがある。ウレア濃度が1000g/eqを超えると、耐ブロッキング性に劣るという問題を生じるおそれがある。
ポリウレタンアクリレート(B1)は、フッ素及び/又はシリコーンで変性されたものであってもよい。すなわち、フッ素やシリコーン単位を含有する単量体を使用して上述した方法によってポリウレタンアクリレート(B1)を合成するものであってもよいし、上述した方法によって得られたポリウレタンアクリレート(B1)が有する官能基をフッ素及び/又はシリコーンを有する化合物と反応させたものであってもよい。
(不飽和2重結合を有するモノマー・オリゴマー(B2))
上記不飽和2重結合を有するモノマー・オリゴマー(B2)としては、公知の任意のものを使用することができ、例えば、以下の化合物を使用することができる。
官能基数2の(メタ)アクリレートの例は、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ジメチロールートリシクロデカンジ(メタ)アクリレート等を含む。なかでも、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート等を好ましく用いることができる。
官能基数3の(メタ)アクリレートの例は、トリメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート等を含む。なかでも、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート等を好ましく用いることができる。
官能基数4の(メタ)アクリレートの例は、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエチレンオキサイド変性テトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールプロピレンオキサイド変性テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等を含む。なかでも、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等を好ましく用いることができる。
官能基数4以上の(メタ)アクリレートの例は、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエチレンオキサイド変性テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンペンタ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのカプロラクトン変性物のヘキサ(メタ)アクリレートなど多官能性(メタ)アクリレートが挙げられる。これらのモノマーは1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(メタ)アクリル系オリゴマーとしては、例えば、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートなどが挙げられる。ここで、ポリエステルアクリレート系プレポリマーとしては、例えば多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって得られる両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより、あるいは、多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付加して得られるオリゴマーの末端の水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。エポキシアクリレート系プレポリマーは、例えば、比較的低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂のオキシラン環に、(メタ)アクリル酸を反応しエステル化することにより得ることができる。ウレタンアクリレートとしては、一般にポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオールにイソシアネートモノマー、もしくはプレポリマーを反応させて得られた生成物に水酸基を有するアクリレートモノマーを反応させて得ることができる。
これらの(メタ)アクリル系オリゴマーは1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよく、また、上記多官能性(メタ)アクリレート系モノマーと併用してもよい。
上記不飽和2重結合を有するモノマー・オリゴマー(B2)としては、日本合成化学工業社製UV 1700B等の市販のものも使用することができる。
(重合開始剤(B3))
上記ハードコート塗料組成物には、上記したポリウレタンアクリレート(B1)及び不飽和2重結合を有するモノマー・オリゴマー(B2)に加え、さらに重合開始剤(B3)を含有する。上記重合開始剤(B3)としては、紫外線(UV)や電子線等の電磁線によって重合が開始される電磁線重合開始剤、熱硬化用ラジカル重合開始剤等が挙げられるが、これに限定されない。
具体的には、上記電磁線重合開始剤としては、例えば、ベンゾインメチルエーテル等のベンゾイン系化合物;2−エチルアントラキノン等のアントラキノン系化合物;ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;ジフェニルスルフィド等のスルフィド系化合物;2,4−ジメチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン等のアセトフェノン系化合物;2,4,6−トリメチルベンゾインジフェニルホスフィノキサイド等のホスフィノキサイド系化合物;イルガキュア(登録商標)−184,イルガキュア−819(いずれもBASF社製)等の紫外線(UV)硬化用重合開始剤等を挙げることができる。これらの化合物は、重合開始剤として、1種又は2種以上を用いることができる。
また、上記熱硬化用ラジカル重合開始剤としては、例えば、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、トリゴノックス(登録商標)121−50(化薬アクゾ社製)等の有機過酸化物等を挙げることができる。熱硬化用ラジカル重合開始剤としての有機過酸化物は、1種又は2種以上を用いればよい。
((B1)〜(B3)の配合量)
(B1)の固形分重量、(B2)の固形分重量の合計量((B1)+(B2))100重量部中に、(B1)を50〜99重量部、(B2)を1〜50重量部の範囲内となるように含有し、(B1)の固形分重量及び(B2)の固形分重量の合計量((B1)+(B2))100重量部に対して(B3)を0.5〜20重量部の範囲内となるように含有するものである。
上記ポリウレタンアクリレート(B1)の含有量が50重量部未満であると、耐ブロッキング性が低下するという点で好ましいものではない。上記ポリウレタンアクリレート(B1)の含有量が99重量部を超えると、耐擦傷性、表面硬度が不充分となる点で好ましいものではない。上記下限は、55重量部以上であることがより好ましく、65重量部以上であることが更に好ましい。上記上限は、98重量部以下であることがより好ましく、95重量部以下であることが更に好ましい。
上記不飽和2重結合を有するモノマー・オリゴマー(B2)の含有量が1重量部未満であると、耐擦傷性、表面硬度が不充分となる点で好ましいものではない。上記不飽和2重結合を有するモノマー・オリゴマー(B2)の含有量が50重量部を超えると、耐ブロッキング性が低下するという点で好ましいものではない。上記下限は、2重量部以上であることがより好ましく、5重量部以上であることが更に好ましい。上記上限は、45重量部以下であることがより好ましく、35重量部以下であることが更に好ましい。
上記重合開始剤(B3)の含有量が0.5重量部未満であると、ハードコート層を十分に硬化させることができず、得られるハードコート層の耐擦傷性、表面硬度、耐薬品性、耐衝撃性の塗膜物性を得られない可能性がある。上記重合開始剤(B3)の含有量が20重量部を超えると、ハードコート塗膜内に未反応の重合開始剤(B3)が残存し、屋外での太陽光等によって、ハードコート塗膜が劣化し、耐候性が悪化する可能性がある。
上記ハードコート塗料組成物は、チオール基及び/又はアミン基を有するモノマーを0.5〜20重量部含有することが好ましい。
上記チオール基及び/又はアミン基を有するモノマーとしては、特に限定されず、通常使用されるチオール化合物、及び、アミン化合物を挙げることができる。
上記アミン化合物としては、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、等の脂肪族ポリアミン:1,2−および1,3−シクロブタンジアミン、1,2−、1,3−および1,4−シクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミン(IPDA)、メチレンビスシクロヘキサン2,4’−および/または4,4’−ジアミン、ノルボルナンジアミン等の脂環式ポリアミン:フェニレンジアミン、キシリレンジアミン、2,4−トリレンジアミン、2,6−トリレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4−ビス−(sec−ブチル)ジフェニルメタンなどの芳香族アミン:及びダイマー酸のカルボキシ基をアミノ基に転化したダイマー酸ジアミン、末端にアミノ基を有するデンドリマー、アミンを繰返し構造として有するポリアミンを用いることもできるがこれらに限定されない。
上記チオール化合物としては、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、エチレングリコールジメルカプトプロピオネート、ジエチレングリコールジメルカプトプロピオネート、4−t−ブチル−1,2−ベンゼンジチオール、ビス−(2−メルカプトエチル)スルフィド、4,4’−チオジベンゼンチオール、ベンゼンジチオール、グリコールジメルカプトアセテート、グリコールジメルカプトプロピオネート、エチレンビス(3−メルカプトプロピオネート)、ポリエチレングリコールジメルカプトアセテート、ポリエチレングリコールジ−(3−メルカプトピロピオネート)、2,2−ビス(メルカプトメチル)−1,3−プロパンジチオール、2,5−ジメルカプトメチル−1,4−ジチアン、ビスフェノフルオレンビス(エトキシ−3−メルカプトプロピオネート)、4,8−ビス(メルカプトメチル)−3,6,9−トリチア−1,11−ウンデカンジチオール、2−メルカプトメチル−2−メチル−1,3−プロパンジチオール、1,8−ジメルカプト−3,6−ジオキサオクタン、チオグリセロールビスメルカプト−アセテート等の2官能チオール:トリメチロールプロパン(トリスメルカプトプロピオネート)(TMPTMP)、トリメチロールプロパン トリス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールエタン トリス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトアセテート)、トリス(3−メルカプトプロピル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチリルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、1,2,3−トリメルカプトプロパン、及びトリス(3−メルカプトプロピオネート)トリエチル−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、等の3官能チオール:ポリ(メルカプトプロピルメチル)シロキサン(PMPMS)、4−メルカプトメチル−3,6−ジチア−1,8−オクタンジチオールペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトアセテート)、及びペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトール ヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトブチレート)等の多官能チオールを含むが、これらに限定されない。
本発明の太陽電池モジュール用加飾フィルムにおいて使用されるハードコート層(B)は、上述したようなものであるが、更に好ましくは、ポリウレタンアクリレート(B1)が
2重結合当量:130〜600g/eq
分子量Mw:3000〜200000
ウレタン濃度:300〜2000g/eq、
である塗料組成物によって形成されたものであることが好ましい。これらの性質を満たすものを使用することが好ましい。このようなハードコート塗料組成物によってハードコート層(B)を形成することによって、耐ブロッキング性、高い耐擦傷性,表面硬度,耐薬品性を備え,良好な耐衝撃性を付与することができる点で好ましいものである。さらに、上記ポリウレタンアクリレート(B1)は、ウレア濃度:500〜1000g/eqであることが好ましい。
なお、本明細書における重量平均分子量は、東ソー(株)製HLC−82220GPCを用いて測定した。測定条件は下記の通りである。
カラム:TSKgel Super Multipore HZ−M 3本
展開溶媒:テトラヒドロフラン
カラム注入口オーブン 40℃
流量:0.35 ml/min.
検出器:RI
標準ポリスチレン:東ソー (株)PSオリゴマーキット
(その他の成分)
ハードコート塗料組成物には、上記したポリウレタンアクリレート(B1)、不飽和2重結合を有するモノマー・オリゴマー(B2)、重合開始剤(B3)の他に、通常、塗料材料として添加される化合物が、その他の成分として含まれていてもよい。その他の成分としては、紫外線吸収剤(UVA)、光安定剤(HALS)、バインダー用樹脂や架橋剤、顔料、表面調整剤、消泡剤、導電性充填剤、溶剤等を挙げることができる。
さらに、ハードコート塗料組成物に含まれる各成分の混合や粘度調整のために溶剤を用いてもよい。該溶剤としては、例えば、エステル系、エーテル系、アルコール系、アミド系、ケトン系、脂肪族炭化水素系、脂環族炭化水素系、芳香族炭化水素系等、塗料に用いられる従来公知の有機溶媒を、1種又は2種以上を組み合わせて用いればよい。なお、上記溶剤を用いる場合、積層フィルムに揮発性物質が残存すると、基材への加飾に際して、揮発性物質が揮散して、ピンホールや膨れが生じることがある。そのため、積層フィルムに含まれる揮発性物質を十分に低減することが好ましい。
更に、上記ハードコート塗料組成物は、更に、平均1次粒子径が100nm以下の無機・有機フィラーを0.5〜60重量部含有することが好ましい。これによって、耐ブロッキング性、高い耐擦傷性,表面硬度を改善することができる。上記配合量の下限は、1重量%であることがより好ましく、上限は50重量%であることがより好ましい。
上記無機フィラーとしては、シリカ、微粉末ガラス、アルミナ、炭酸カルシウム、カオリン、クレー、セピオライト(マグネシウム珪酸塩)、タルク(珪酸マグネシウム)、マイカ(珪酸アルミ)、ゾノトライト(珪酸カルシウム)、硼酸アルミニウム、ハイドロタルサイト、ウォラストナイト(珪酸カルシウム)、チタン酸カリウム、酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、イットリア、セリア、炭化ケイ素、炭化ホウ素、ジルコニア、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、あるいはこれらの共融混合物、または成型、焼成などを経て得られる非金属無機材料いわゆるセラミックスフィラーが挙げられる。その中で価格と効果の面からシリカ、アルミナ、ジルコニア、あるいはこれらの共融混合物が好ましい。
上記有機フィラーとしては、アクリル、スチレン、シリコーン、ポリウレタン、アクリルウレタン、ベンゾグアナミン、ポリエチレンの各樹脂のビーズが挙げられる。
また、市販のものとして、オルガノシリカゾルMIBK−ST, MEK−ST−UP、MEK−ST−L,MEK−AC−2140Z (日産化学工業製)、SIRMIBK15ET%−H24、 SIRMIBK15ET%−H83、ALMIBK30WT%−H06(CIKナノテック)等を使用することができる。
ハードコート塗料組成物は、イソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物を0.5〜20重量%(塗料中の固形分比)含有するものであってもよい。ポリイソシアネート化合物を配合することによって、成形性(延伸性)と耐擦傷性を付与できる点で好ましい。上記配合量の下限は、2重量%であることがより好ましく、上限は18重量%であることがより好ましい。
ハードコート層の膜厚としては特に限定されないが、3〜60μmであることが好ましい。
表面硬度や耐擦り傷性などの性能を維持するためには所定の膜厚を確保することが好ましい。塗料粘度は、塗膜を形成する工法にもよるが、50mPa・s〜5000mPa・sが好ましく、100mPa・s〜3000mPa・sがより好ましい。粘度がこれより低いと膜厚を確保することが困難となり、また作業性が劣ることとなる。粘度がこれより高いと、空気が残存することとなるため、成形時に膨れなどの不具合が発生する。
(印刷層(D))
本発明の太陽電池モジュール用加飾フィルムは、印刷によって形成された印刷層を有するものであってもよい。このような層を設けることによって、印刷層による特異的な外観が得られる点で好ましい。印刷の方法は特に限定されず、インクジェット印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷又はフレキソ印刷等の公知の方法によって形成することができる。特に、インクジェット印刷を使用することで、安価に種々の印刷層を形成することができる点で好ましい。また、印刷に際しては、エネルギー線硬化型のインクを使用した印刷を行うものであってもよい。
(密着層(E))
本発明の太陽電池モジュール加飾用積層フィルムは、特に印刷層を設ける場合、層に隣接する形で密着層を形成したものであることが好ましい。すなわち、印刷層と層の密着を確保するための層であり、また、未硬化状態での延伸によって未硬化状態の塗膜層が動く際に、印刷層が動いてしまい、これによって外観の悪化を生じる場合がある。
更に、印刷層が未硬化状態の塗膜層上に形成することが困難となる場合がある。よって、このような問題を軽減させるという観点からも、印刷適性および密着性が良好であるような密着層を設け、このような問題を改善することが望ましい。
上記密着層としては特に限定されず、例えば、アクリル樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、スチレン樹脂等の樹脂を使用することができ、ウレタン樹脂が好ましく、ポリカーボネート含有ウレタン樹脂がさらに好ましい。1種単独でまたは2種以上を併用して配合することができる。
(接着層(F))
本発明の太陽電池モジュール加飾用フィルムは、接着層を有するものであってもよい。接着層は、基材を積層フィルムにて加飾する際に、積層フィルムを基材表面に密着させて接着させるために用いられる。
接着層に含まれる接着剤としては、従来公知の接着剤であれば特に限定されないが、例えば、バイロンUR−3200(東洋紡社製)、UR−1361ET(東亜合成製)等を挙げることができる。
上記接着剤は、上記接着剤を塗布・乾燥することにより形成したものであっても、接着剤シートをラミネートして形成したものであってもよい。基材がガラスの場合は、加飾層のハードコート層とは反対側の面に接着層を設けることが好ましい。接着層には、公知の材料が種々使用可能であるが、樹脂としてはアクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等が好ましく、イソシアネートで架橋させるのが好ましい。またカップリング剤を含むことが好ましく、ガラス接着用のフィルムをラミネートする等も好ましい。具体的には、樹脂としては、株式会社日本触媒製アクリル樹脂アロタン2050−55等や、カップリング剤として、信越化学工業株式会社製KBM−803、KBM−903、KBM−9007N、KBE−9013、X12−1056ESなど、フィルムは3M社製OCAフィルム8211、8212、8213、8146−1等が好適に使用できる。基材がポリカーボネートなどの樹脂の場合は、接着層が、上述したような加飾層としての機能を有するものであってもよい。
(積層フィルムの製造方法)
本発明の太陽電池加飾用積層フィルムを構成する基材フィルム層(A)以外の各層は、各層を構成する成分を溶剤に溶解した塗料組成物を調製し、これを基材フィルム層(A)上に塗布・乾燥し、加熱及び/又はエネルギー線照射によって硬化することで、形成することができる。
上記太陽電池加飾用積層フィルムにおいては、加飾層(C)が高い光透過率を有することが重要である。このような加飾層(C)を形成するためには、剪断力を与えて上記着色塗料を塗布することによって加飾層(C)が形成されることが好ましい。「剪断力を与えて塗装する」とは、間隙を通るフィルムとともに塗料をある速度でその間隙を通すことで、塗料にせん断がかかり、塗料に含まれる鱗片状光輝性顔料が再配置され配向がよくなることを言う。
上記各層を形成するための塗布方法としては、特に限定されないが、例えば、アプリケーターや、ダイコーター、バーコーター、ロールコーター、コンマコーター等を用いて塗布すればよい。上記塗布方法にて、塗料溶液を塗布した後、該塗料溶液中の溶剤を除去するために、加温乾燥を行って、形成することができる。
上記各層を硬化させるための加熱及び/又はエネルギー線照射は、層を形成した後、各層ごとに逐次行うものであってもよいし、積層構造をすべて形成した後で加熱及び/又はエネルギー線照射を行っても、いずれであってもよい。
また、上述したように、接着層(F)に関しては、塗布・乾燥という方法ではなく、ラミネート法によって接着するものであってもよい。すなわち、接着層(F)によって形成されたフィルムを調製し、これをフィルムにラミネートによって接着させる方法で形成してもよい。
(積層フィルムの使用方法)
本発明の太陽電池モジュール用加飾フィルムは、太陽電池モジュールに貼り付けて使用することができる。この場合、基材フィルム層(A)をはがして使用するものであってもよいし、基材フィルム層(A)をそのまま、保護層として使用するものであってもよい。
本発明の太陽電池モジュール用加飾フィルムがハードコート層(B)を有するものである場合は、基材フィルム層(A)をはがして使用することが好ましい。
本発明の太陽電池加飾用積層フィルムは、太陽電池モジュールの受光面に貼り付けるものであっても、背面に貼り付けるものであってもよい。背面に貼り付ける場合は、加飾層(C)をセルと同色にするのが、意匠を良くするという点で好ましい。
本発明の太陽電池モジュール用加飾フィルムを適用することができる太陽電池セルとしては特に限定されず、例えば、光電変換層に多結晶シリコンセル、単結晶シリコンセル、アモルファスシリコンセル、微結晶シリコンセル、CIGSなどの化合物太陽電池セル、有機薄膜太陽電池セル、色素増感型太陽電池セルなどの太陽電池セルを使用するものとすることができる。
本発明の太陽電池モジュール用加飾フィルムは、ガラス基材やポリカーボネート基材上に貼り付けることができる。ガラス基材は、平板状の形状を有するものである。この上に本発明の太陽電池モジュール用加飾フィルムを貼り付ける場合は、熱ラミネートによって行うことができる。また、積層フィルムの製造の際にエネルギー線硬化を行うものであってもよいし、貼り付けた後でエネルギー線硬化を行うものであってもよい。
ポリカーボネート基材は、平板、湾曲状、立体形状物等の形状のものである。これらのうち、平板状のものの上に貼り付ける場合は、上記ガラス基材と同様の手法で行うことができる。
湾曲状であったり、立体形状物であったりするポリカーボネート基材上に本発明の太陽電池モジュール用加飾フィルムを貼り付ける場合、真空成型等の方法で、本発明の太陽電池モジュール用加飾フィルムを変形させながら貼り付ける必要が生じる。このため、ある程度の延伸性がある太陽電池モジュール用加飾フィルムとすることが好ましい。
具体的には、例えば、平板状の基材には容易に適用できるポリエステル二軸延伸フィルムやポリプロピレン二軸延伸フィルム等は、変形させながら貼り付けることが必要な基材においては基材フィルム層(A)としては使用しないことが好ましく、無延伸フィルム(例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、塩化ビニル等)を使用することが好ましい。
また、変形させながら貼り付けることが必要な基材において、エネルギー線による硬化は、フィルム作成時ではなく、基材に貼付した後で行うことが好ましい。
本発明の太陽電池モジュール用加飾フィルムが、ハードコート層(B)を有さないものである場合は、基材に貼付した後、基材フィルム層(A)をはがして使用するものであっても、はがさずにそのまま保護層として使用するものであってもよい。
本発明の太陽電池モジュール用加飾フィルムが、ハードコート層(B)を有さないものである場合は、基材フィルム層(A)をはがして使用すると、意匠層が外層に露出した状態となり、耐候性等の点で問題を生じやすい。このため、このような場合には、本発明の太陽電池モジュール用加飾フィルムによる加飾を行った後、保護層の形成を行うことが好ましい。
このような保護層の形成は、塗料組成物の塗装による方法、フィルムの貼付による方法等を挙げることができる。
本発明の太陽電池モジュール加飾用フィルムを、はがさずに使用する場合の使用方法を図10に示した。図10の(I)において、基材(X)表面に基材フィルム層(A)及び加飾層(C)を有するフィルムを貼り付けて、(II)の状態とする。図10(II)の状態で加飾操作を完了するものであってもよい。
さらに、その後、基材フィルム(A)を剥離して図10(III)の状態とし、その後更に、保護層(Y)を形成するものであってもよい。保護層は、塗装によって形成するものであってもよいし、フィルムを貼り付けることによって形成してもよい。
以下、本発明を実施例により説明する。実施例中、配合割合において%とあるのは特に言及が無い限り重量%を意味する。本発明は以下に示した実施例により限定されるものではない。
(合成例 ポリウレタンの合成)
攪拌機、還流冷却管、温度計、空気吹き込み管、及び材料投入口を備えた反応容器を用意した。反応容器の内部を空気で置換しながら、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール(商品名「デュラノールT6001」、旭化成ケミカルズ(株)製、末端官能基定量による数平均分子量=1,000)200.0g、1,4-ブタンジオール80.0g、及びジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合体(水酸基価102.9mgKOH/g)120.0gを仕込んだ。次いで、溶剤としてメチルエチルケトン(MEK)238.1gを仕込んだ。系内が均一となった後、50℃で4,4‘-メチレンビス-シクロヘキシルジイソシアネート314.2gを仕込み、触媒としてジブチルチンラウリレートを使用して80℃で反応させた。溶剤希釈により反応液の粘度を調整し、赤外吸収スペクトル分析で測定される遊離イソシアネート基による2,270cm-1の吸収が消失するまで反応を進行させた。MEKとシクロヘキサノンの質量比が1:1となるまでシクロヘキサノンを添加して、ポリウレタンを含有する樹脂溶液を得た。
得られた樹脂溶液の粘度は200dPa・s/20°、固形分は45%、2重結合当量は600g/eqであった。また、GPCにより測定したポリウレタンの重量平均分子量は44,000であった。
〔積層フィルムの製造例〕
<ハードコート塗料溶液の調整>
攪拌機を備えた容器に、ポリウレタンアクリレート(B1)、モノマー(B2)を入れ、攪拌しながら最終の塗料がNV=40%となる量のMEKを入れ、さらに重合開始剤(B3)を入れ、30分間攪拌し、ハードコート塗料溶液を得た。
<着色塗料溶液の調整>
攪拌機を備えた容器に、ウレタン樹脂(C1)及び光輝剤(C2)を入れ、攪拌しながら最終の塗料がNV=35%となる量のMIBKを入れ、30分間攪拌し、着色塗料溶液を得た。
<ハードコート層(B)を有さない積層フィルムの作製>
基材フィルム(A)上に、乾燥膜厚が20μmの加飾層(C)が得られるように、上記着色塗料溶液を、アプリケーターを用いて塗布し、その後、120℃にて15分間乾燥させ、加飾層(C)を形成した。なお、加飾層(C)の形成に際しては、アプリケーターを使用することにより、フィルムとの間隙に塗料を通すことで、剪断力をかけながら塗膜の形成を行った。このような方法で製造した積層フィルムの層構成を図6に示した。なお、比較例3は、このような塗装方法を採用せず、一般的なスプレー塗装によって塗装を行った。
<モジュールの作製>
太陽電池セルとして単結晶シリコンセルを、封止材としてエチレンビニルアセテートを、背面材として1mmのアルミ板をそれぞれ用いて、NPC製太陽電池モジュール用真空ラミネーターを用いて、150℃×15分の条件で加飾フィルムを積層し、太陽電池モジュールを得た。
なお、実施例1,2については、加飾フィルム積層後、基材フィルム(A)を剥離せずに使用した。但し、全光線透過率は、基材フィルム(A)を剥離した状態で測定した。それ以外の実施例については、加飾フィルム積層後、基材フィルムを剥離して使用した。
ピューレックス♯38A71(帝人フィルムソリューション):離型処理2軸延伸PE
UV 1700B (日本合成化学工業):ウレタンアクリレートオリゴマー
ルシリンTPO(BASF):2,4,6−トリメチルベンゾイルージフェニルーフォスフィンオキサイド
下記各実施例において、使用した光輝性顔料は、下記表1に示したものである。


出力測定
太陽電池モジュールに対して、ソーラーシミュレーター(1kW/m、JIS C8912 クラスAのスペクトル合致度を満足するように設定)により光を照射し、IVカーブトレーサMP-160(英弘精機精)で出力(W)を計測、加飾層がない場合を100とした時の比率を出力比とした。
密着性:碁盤目粘着テープ剥離試験 2mm 100マスカット
○:剥離なし
△:〜50%剥離
×:〜100%剥離
耐水性:40℃ 240時間浸漬後、外観(しわ、クラック)確認
碁盤目粘着テープ剥離試験 2mm 100マスカット
○:剥離なし
△:〜50%剥離
×:〜100%剥離
GPCによる分子量の確認
<分析装置>
東ソー株式会社
「高速GPC HLC−8220GPC」
<分析条件>
溶離液 THF(酸化防止剤含有)
流量 0.35ml/min
注入量 10μl
温調部 40℃
検出器 RI
標準 ポリスチレン
従って、算出される分子量は、ポリスチレン換算の値である。




なお、表1〜表5において使用した各原料は、以下のものである。
アルペースト65―388アルミ(東洋アルミ):アルミペースト
アルペースト6320NSアルミ(東洋アルミ):アルミペースト
MAU−2600(大日精化工業):ポリカーボネート系ウレタン樹脂
R−298−1(日本ペイント・オートモーティブコーティングス株式会社):熱硬化型ハードコート
R−298硬化剤(日本ペイント・オートモーティブコーティングス株式会社):R−298−1用イソシアネート硬化剤
R−333シルバー(日本ペイント・オートモーティブコーティングス株式会社):1液型バンパー用シルバー塗料
上述した実施例の結果、本発明の太陽電池モジュール用加飾積層フィルムによって加飾した太陽電池モジュールは、出力の低下が少なく、良好な性能を有することが明らかである。また、比較例3においては、一般的なスプレー塗装・乾燥の工程によって塗膜を形成した。この場合、ムラを生じてしまい、良好な塗膜形成を行うことができなかった。
本発明の太陽電池モジュール用加飾フィルムを使用した太陽電池は、加飾することによる意匠性の向上が見られた一方で、太陽電池の出力の低下を生じることがないものであった。
上記各実施例の結果から、上述した剪断をかけた方法によって加飾層を形成し、かつ、PWCと膜厚とを調整することで所定の光透過率を有する太陽電池モジュール用過食積層フィルムを得ることができることが示された。
<ハードコート層(B)を有する積層フィルムの作製>
基材フィルム(A)上に、乾燥した時の膜厚(以下、乾燥膜厚)が20μmのハードコート層(B)が得られるように、上記ハードコート塗料溶液を、アプリケーターを用いて塗布し、120℃にて15分間乾燥させてハードコート層(B)を形成した。
なお、以下では、基材フィルム層(A)上にハードコート層(B)が形成されてなるものを、(A+B)層フィルムと記載する。
次いで、上記(A+B)層フィルムのハードコート層(B)上に、乾燥膜厚が20μmの加飾層(C)が得られるように、上記着色塗料溶液を、アプリケーターを用いて塗布し、その後、120℃にて15分間乾燥させ、加飾層(C)を形成した。なお、加飾層(C)の形成に際しては、アプリケーターを使用することにより、フィルムとの間隙に塗料を通すことで、剪断力をかけながら塗膜の形成を行った。このような方法で製造した積層フィルムの層構成を図6に示した。なお、比較例3は、このような塗装方法を採用せず、一般的なスプレー塗装によって塗装を行った。
<成形品の作製>
厚さ3mmのポリカーボネート板(タキロン製PC1600)を150℃で60分アニールし、積層フィルムをMCK株式会社製MRK-650Y(直径80mmの耐熱シリコンゴムロール)を用いて、温度:160℃、速度:42cm/minでラミネートし、続いて、オゾンタイプ高圧水銀灯(120W/cm)で、積算光量が3000mJ/cmとなるようUV照射。透明基材を剥離後、加飾フィルムが積層された成形品を得た。
<モジュールの作製>
太陽電池セルとして単結晶シリコンセルを、封止材としてエチレンビニルアセテートを、背面材として1mmのアルミ板をそれぞれ用いて、NPC製太陽電池モジュール用真空ラミネーターを用いて、150℃×15分の条件で加飾フィルムを積層し、太陽電池モジュールを得た。以下の各実施例においては、加飾フィルムの積層後、基材フィルムを剥離して使用した。
ピューレックス♯38A71(帝人フィルムソリューション):離型処理2軸延伸PE
UV 1700B (日本合成化学工業):ウレタンアクリレートオリゴマー
ルシリンTPO(BASF):2,4,6−トリメチルベンゾイルージフェニルーフォスフィンオキサイド
下記各実施例において、使用した光輝性顔料は、上記表1に示したものである。更に、評価方法は、上述したものと同一である。

上述した実施例の結果、本発明の太陽電池モジュール用加飾積層フィルムによって加飾した太陽電池モジュールは、出力の低下が少なく、良好な性能を有することが明らかである。また、比較例3においては、一般的なスプレー塗装・乾燥の工程によって塗膜を形成した。この場合、ムラを生じてしまい、良好な塗膜形成を行うことができなかった。
本発明の太陽電池モジュール用加飾フィルムを使用した太陽電池は、加飾することによる意匠性の向上が見られた一方で、太陽電池の出力の低下を生じることがないものであった。
上述した実施例とは別に本発明に沿って作成した塗膜について、縦軸に光透過率を、横軸にPWC(固形分に対する顔料質量濃度)を横軸にプロットした結果を図2に示す。図2には、顔料の色ごとのグラフとして作成し、図3にはすべての実施例を点として表示した。
これらの結果から、顔料質量を減少させることで光透過率が高くなることが示されている。光線透過率とPWCの関係を示す式を図3に記載した。
更に、上述した実施例とは別に本発明に沿って作成した塗膜について、横軸に加飾層の厚み、縦軸に透過率を示した結果を図4に示す。図4より、加飾層の厚みが光透過率に大きな影響を与えることが示される。さらに、上述した実施例とは別に本発明に沿って作成した塗膜について、横軸に光透過率を、縦軸に太陽電池出力をプロットした結果を図5に示す。図5から、光透過率が高いほど出力が向上することが明らかである。
上記各実施例の結果から、上述した剪断をかけた方法によって加飾層を形成し、かつ、PWCと膜厚とを調整することで所定の光透過率を有する太陽電池モジュール用過食積層フィルムを得ることができることが示された。
本発明の太陽電池モジュール用加飾積層フィルムは、太陽電池の加飾に使用することができる。
(A) 基材フィルム層
(B) ハードコート層
(C) 加飾層
(D) 印刷層
(E) 密着層
(F) 接着層

Claims (9)

  1. 基材フィルム層(A)及び加飾層(C)を有する太陽電池加飾用積層フィルムであって、
    太陽電池加飾用積層フィルムから基材フィルム層(A)を剥離した状態のフィルムは、光透過率が50%以上であり、
    加飾層(C)は、光輝性顔料を3〜40重量%の範囲で含有する
    ことを特徴とする太陽電池モジュール用加飾積層フィルム。
  2. 更に、ハードコート層(B)を有する請求項1記載の太陽電池モジュール用加飾積層フィルム。
  3. 光輝性顔料は、鱗片状光輝性顔料である請求項1又は2記載の太陽電池モジュール用加飾フィルム。
  4. 鱗片状光輝性顔料は、面方向の寸法が5〜300μmであり、厚みが0.1〜10μmである請求項1、2又は3記載の太陽電池モジュール用加飾フィルム。
  5. 鱗片状光輝性顔料は、干渉アルミナフレーク、干渉マイカフレーク、ガラスフレーク、干渉シリカフレーク、及び/又は、干渉タルクフレークである請求項1、2、3又は4記載の太陽電池モジュール用加飾フィルム。
  6. 加飾層は、ポリカーボネート含有ウレタン樹脂、塩ビ酢ビ含有ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂及びポリオレフィン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含む請求項1〜5のいずれか1に記載の太陽電池モジュール用加飾フィルム。
  7. ハードコート層は、活性エネルギー線硬化型コーティング組成物によって形成された層である請求項2〜6のいずれか1に記載の太陽電池モジュール用加飾フィルム。
  8. ハードコート層は、ポリウレタンアクリレート(B1)、不飽和2重結合を有するモノマー・オリゴマー(B2)及び重合開始剤(B3)を含有する活性エネルギー線硬化型コーティング組成物によって形成されたものである請求項2〜7のいずれか1に記載の太陽電池モジュール用加飾フィルム。
  9. さらにハードコート層と加飾層の間に密着層と印刷層がこの順に積層したものである請求項2〜8のいずれか1に記載の太陽電池モジュール用加飾フィルム。
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