JP2018066060A - 無電解ニッケルめっき浴 - Google Patents

無電解ニッケルめっき浴 Download PDF

Info

Publication number
JP2018066060A
JP2018066060A JP2017198416A JP2017198416A JP2018066060A JP 2018066060 A JP2018066060 A JP 2018066060A JP 2017198416 A JP2017198416 A JP 2017198416A JP 2017198416 A JP2017198416 A JP 2017198416A JP 2018066060 A JP2018066060 A JP 2018066060A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nickel plating
electroless nickel
plating bath
group
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017198416A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6719437B2 (ja
Inventor
大督 橋本
Daisuke Hashimoto
大督 橋本
田邉 克久
Katsuhisa Tanabe
克久 田邉
直志 西村
Naoshi Nishimura
直志 西村
洋一 丸尾
Yoichi Maruo
洋一 丸尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Uemera Kogyo Co Ltd
C Uyemura and Co Ltd
Original Assignee
Uemera Kogyo Co Ltd
C Uyemura and Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Uemera Kogyo Co Ltd, C Uyemura and Co Ltd filed Critical Uemera Kogyo Co Ltd
Publication of JP2018066060A publication Critical patent/JP2018066060A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6719437B2 publication Critical patent/JP6719437B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C18/00Chemical coating by decomposition of either liquid compounds or solutions of the coating forming compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating; Contact plating
    • C23C18/16Chemical coating by decomposition of either liquid compounds or solutions of the coating forming compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating; Contact plating by reduction or substitution, e.g. electroless plating
    • C23C18/31Coating with metals
    • C23C18/32Coating with nickel, cobalt or mixtures thereof with phosphorus or boron
    • C23C18/34Coating with nickel, cobalt or mixtures thereof with phosphorus or boron using reducing agents
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/10Apparatus or processes for manufacturing printed circuits in which conductive material is applied to the insulating support in such a manner as to form the desired conductive pattern
    • H05K3/18Apparatus or processes for manufacturing printed circuits in which conductive material is applied to the insulating support in such a manner as to form the desired conductive pattern using precipitation techniques to apply the conductive material
    • H05K3/181Apparatus or processes for manufacturing printed circuits in which conductive material is applied to the insulating support in such a manner as to form the desired conductive pattern using precipitation techniques to apply the conductive material by electroless plating
    • H05K3/187Apparatus or processes for manufacturing printed circuits in which conductive material is applied to the insulating support in such a manner as to form the desired conductive pattern using precipitation techniques to apply the conductive material by electroless plating means therefor, e.g. baths, apparatus

Abstract

【課題】ニッケルスキップやパターン外析出を抑制できると共に、耐食性及び外観に優れた無電解ニッケルめっき皮膜が得られる無電解ニッケルめっき浴を提供する。
【解決手段】本発明の無電解ニッケルめっき浴は、還元剤及びニトロ基を1以上含有するニトロ基含有芳香族化合物を含むことを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、無電解ニッケルめっき皮膜を得るための無電解ニッケルめっき浴に関する。詳細には、プリント配線板などの電子部品に用いられるフレキシブル基板などの回路基板上に形成される無電解ニッケルめっき皮膜を得るための無電解ニッケルめっき浴に関する。
従来、フレキシブル基板などの回路基板と電子部品とを接続する場合、回路基板に設けられた銅パターンなどのパターン上に、バリアメタルとして無電解ニッケルめっきを施した後、接続信頼性の向上を目的として金めっきを行うENIG(Electroless Nickel Immersion Gold)やパターン上に、バリアメタルとして無電解ニッケルめっきを施した後、ニッケルめっきの上に無電解パラジウムを成膜し、その上に接続信頼性の向上を目的として金めっきを行うENEPIG(Electroless Nickel Electroless Palladium Immersion Gold:ENEPIG)などが行われている。
近年、スマートフォンなどの電子機器では、搭載される半導体部品の一層の小型化が求められている。半導体部品を小型化するためには、回路パターンの微細化や回路パターンの高集積化を行う必要がある。しかし、回路パターンの微細化や回路パターンの高集積化が進むにつれて、パターン上に無電解ニッケルめっきを施した際に、パターン上のみならず、パターンとパターンとの間のスペースにもニッケルが析出(以下、パターン外析出という)してしまうため、電気を流すとショートするおそれがある。また、無電解ニッケルめっき浴の反応性を低下させれば、パターン外析出は抑制できるが、パターン上に無電解ニッケルめっき皮膜が積層しない(以下、ニッケルスキップという)おそれがある。
ニッケルスキップやパターン外析出の発生を抑制できる無電解ニッケルめっき浴(無電解ニッケルめっき液)として、本出願人は特許文献1により、S−S硫黄結合を有する化合物が添加された無電解ニッケルめっき液を提案している。また、ニッケルスキップやパターン外析出の発生を抑制できる無電解ニッケルめっき液として、特許文献2のように、銅、鉄、コバルトなどを金属成分として含む錯化合物が添加された無電解ニッケルめっき液や、特許文献3のように銀、銅、亜鉛などより選ばれた金属の塩よりなる可溶性塩が添加された無電解ニッケルめっき液が知られている。
しかし、特許文献1の無電解ニッケルめっき液を用いた場合、回路基板の耐食性が十分ではないことがある。一方、特許文献2や特許文献3の無電解ニッケルめっき液を用いた場合、無電解ニッケルめっき液に添加されている銅などのニッケル以外の金属成分が無電解ニッケルめっき皮膜中に析出するため、変色する等して皮膜特性が変わってしまうおそれがある。
特開平8−269726号公報 特開2005−82883号公報 特許第5622678号公報
本発明は、ニッケルスキップやパターン外析出を抑制できると共に、耐食性及び外観に優れた無電解ニッケルめっき皮膜が得られる無電解ニッケルめっき浴を提供することにある。
本発明の無電解ニッケルめっき浴は、還元剤及びニトロ基を1以上含有するニトロ基含有芳香族化合物を含むことを特徴とする。
上記ニトロ基含有芳香族化合物は、ニトロ基以外の置換基を有してもよいベンゼン、ニトロ基以外の置換基を有してもよいナフタレン、及びそれらのアルカリ金属塩よりなる群から選ばれる少なくとも一つであり、上記置換基は、カルボキシル基、水酸基、ハロゲン原子、スルホン酸基、エステル基、アルコキシ基、及びアミノ基よりなる群から選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。
加えて、本発明は、無電解ニッケルめっき方法も包含しており、上記方法は、無電解ニッケルめっき浴に被めっき物を浸漬して、無電解ニッケルめっき皮膜を上記被めっき物の表面に形成させることを特徴とする。
本発明の無電解ニッケルめっき浴を用いることによって、ニッケルスキップやパターン外析出を抑制できると共に、耐食性及び外観に優れた無電解ニッケルめっき皮膜を得ることができる。
パターン基板に無電解ニッケルめっき皮膜を形成した状態の写真である。
本発明の無電解ニッケルめっき浴は、被めっき物の表面に無電解ニッケルめっき皮膜(以下、単に皮膜ということがある)を形成するために用いられるものであり、例えば、無電解ニッケルめっき浴に被めっき物を浸漬して、皮膜を上記被めっき物の表面に形成させることができる。
本発明者らは、無電解ニッケルめっき浴中に還元剤及びニトロ基含有芳香族化合物を含有することにより、ニッケルスキップやパターン外析出を抑制できる(以下、パターン性に優れるということがある)のみならず、耐食性及び外観に優れた皮膜が得られることを見出し、本発明を完成した。
上記ニトロ基含有芳香族化合物の使用により上記作用が発揮されるメカニズムの詳細は不明であるが、以下のように推察される。無電解ニッケルめっき浴では、無電解ニッケルめっき浴に含まれている還元剤の酸化反応により、還元剤から電子が放出される。無電解ニッケルめっき浴中にニトロ基含有芳香族化合物が含有されていない場合、還元剤から放出された電子によってニッケルイオンが還元してニッケルが過剰に析出され、高集積化された回路パターンでは、パターン外析出が発生するおそれがある。しかし、無電解ニッケルめっき浴中にニトロ基含有芳香族化合物が含有されている場合、還元剤から放出された電子はニッケルイオンの還元反応よりもニトロ基の還元反応に優先的に用いられるため、ニッケルが過剰に析出されることがなく、パターン外析出を抑制することができる。なお、本発明における無電解ニッケルめっき浴とは、これらを含む混合物の総称であって、無電解ニッケルめっき液として位置づけることもできる。
本発明の無電解ニッケルめっき浴における、ニトロ基含有芳香族化合物及び還元剤以外の化合物の種類も特に限定されず、無電解ニッケルめっき浴に通常用いられるものを本発明でも用いることができる。
<ニトロ基含有芳香族化合物>
上記ニトロ基含有芳香族化合物は、ニトロ基を1個以上含んでいればよい。すなわち、芳香族化合物に含まれるニトロ基は1個であっても、複数であってもよい。上記ニトロ基含有芳香族化合物は、ニトロ基を1〜3個含むことが好ましく、取扱い性の観点から、ニトロ基が1〜2個であることがより好ましく、ニトロ基が1個であることがさらに好ましい。
また、上記ニトロ基含有芳香族化合物は、ニトロ基以外の置換基を有してもよいベンゼン、ニトロ基以外の置換基を有してもよいナフタレン、及びそれらのアルカリ金属塩よりなる群から選ばれる少なくとも一つであり、上記置換基は、カルボキシル基、水酸基、ハロゲン原子、スルホン酸基、エステル基、アルコキシ基、及びアミノ基よりなる群から選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。
上記置換基は、カルボキシル基、水酸基、ハロゲン原子、スルホン酸基、及びアミノ基よりなる群から選ばれる少なくとも一つであることがより好ましい。
上記ニトロ基含有芳香族化合物がアルカリ金属塩である場合、上記ニトロ基含有芳香族化合物は、ナトリウム塩及びカリウム塩よりなる群から選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。
上記ハロゲン基は、クロロ基、ブロモ基、及びヨード基よりなる群から選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。
無電解ニッケルめっき浴中に占めるニトロ基含有芳香族化合物の含有量(濃度)は、0.0002mmol/L以上、20mol/L以下であることが好ましく、0.1mol/L以上、10mol/L以下であることがより好ましく、0.5mol/L以上、5mol/L以下であることがさらに好ましい。上記含有量の下限が0.0002mmol/Lを下回ると、パターン性が向上しないおそれがある。一方、上記含有量の上限が20mol/Lを超えると、ニッケルスキップが発生するおそれがある。ニトロ基含有芳香族化合物を複数用いている場合には、ニトロ基含有芳香族化合物の含有量とは全てのニトロ基含有芳香族化合物の合計の含有量のことである。
<還元剤>
還元剤の種類は特に限定されず、公知の無電解ニッケルめっき浴において通常用いられる各種還元剤を使用することができる。このような還元剤として、例えば、次亜リン酸塩、ホウ素化合物などが挙げられる。上記次亜リン酸塩としては、例えば次亜リン酸ナトリウム(次亜リン酸ソーダ)、次亜リン酸カリウム等が挙げられる。また、上記ホウ素化合物としては、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム等の水素化ホウ素化合物;ジメチルアミンボラン(DMAB)、トリメチルアミンボラン、トリエチルアミンボラン等のアミンボラン化合物等が挙げられる。
上記還元剤の好ましい濃度は、使用する還元剤の種類によって異なるが、例えば、還元剤として次亜リン酸ナトリウムを用いた場合、0.1〜0.5mol/Lであることが好ましい。このような濃度に制御することによって、めっき液中でのニッケルイオンの還元が遅くなり、成膜に長時間を有するといった不具合や、めっき浴の分解等を防止することができる。より好ましい次亜リン酸ナトリウムの濃度は、0.15〜0.35mol/Lである。これにより、上記の問題を、より効果的に防止することができる。
また、上記還元剤としてホウ素化合物であるDMABを用いる場合、DMABの好ましい濃度を0.01〜0.2mol/Lとする。これにより、成膜に長時間を有するといった不具合や、めっき浴の分解等を防止することがきる。より好ましいDMABの濃度は、0.05〜0.09mol/Lである。これにより、上記の問題を、より効果的に防止することができる。
無電解ニッケルめっき浴は、ニトロ基含有芳香族化合物及び還元剤を含有すること以外の要件は特に限定されず、所望とする特性が有効に発揮されるように適宜調整することが推奨されるが、無電解ニッケルめっき浴は、ニトロ基含有芳香族化合物及び還元剤の他に、水溶性ニッケル塩、錯化剤、安定剤、硫黄含有化合物を含んでもよく、水溶性ニッケル塩及び錯化剤を含むことが好ましい。以下、水溶性ニッケル塩、錯化剤、安定剤、硫黄含有化合物について具体的に説明する。
<水溶性ニッケル塩>
水溶性ニッケル塩としては、めっき液に可溶であって、所定濃度の水溶液が得られるものであれば特に限定されない。このような水溶性ニッケル塩の例として、例えば、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、次亜リン酸ニッケル等の無機水溶性ニッケル塩;酢酸ニッケル、リンゴ酸ニッケル等の有機水溶性ニッケル塩等が挙げられる。これらの水溶性ニッケル塩は、単独で用いても良く、二種以上を混合して用いることもできる。
水溶性ニッケル塩の濃度は、例えば、0.05〜0.17mol/Lであることが好ましい。上記範囲に制御することによって、皮膜の析出速度が非常に遅くなって成膜に長時間要するという不具合、めっき液の粘度が高くなって液の流動性が低下してニッケルめっきの均一析出性に悪影響を与えるという不具合、形成した皮膜にピットが生じてしまうなどの不具合などを、有効に防止することができる。
<錯化剤>
錯化剤は、水溶性ニッケル塩などのニッケル化合物の沈殿を防止すると共に、ニッケルの析出反応を適度な速度とするために有効である。本発明では、公知の無電解ニッケルめっき液において通常用いられている各種錯化剤を用いることができる。このような錯化剤の具体例としては、例えば、グリコール酸、乳酸、グルコン酸、プロピオン酸等のモノカルボン酸;リンゴ酸、コハク酸、酒石酸、マロン酸、シュウ酸、アジピン酸等のジカルボン酸;グリシン、グルタミン酸、アスパラギン酸、アラニン等のアミノカルボン酸;エチレンジアミン四酢酸、バーセノール(N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン−N,N’,N’−三酢酸)、クォードロール(N,N,N’,N’−テトラヒドロキシエチルエチレンジアミン)等のエチレンジアミン誘導体;1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸等のホスホン酸;およびこれらの可溶性塩等を挙げることができる。これらの錯化剤は、単独で用いても良いし、二種以上を混合して用いることもできる。
錯化剤の濃度は、使用する錯化剤の種類によっても異なり、特に限定されないが、おおむね、0.001〜2mol/Lの範囲であることが好ましい。錯化剤の濃度をこのような範囲に制御することにより、水酸化ニッケルの沈殿、酸化還元反応が速すぎることによるめっき浴の分解等を防止することができる。更には、皮膜の析出速度が遅くなるという問題、めっき液の粘度が高くなることによる均一析出性の低下等の問題も防止することができる。より好ましい錯化剤の濃度は、0.002〜1mol/Lである。これにより、水酸化ニッケルの沈殿、めっき浴の分解等を、より効果的に防止することができる。
<安定剤>
本発明の無電解ニッケルめっき浴は、必要に応じて、公知の安定剤を更に含有することができる。本発明では無電解ニッケルめっき浴中に安定剤を添加しなくてもパターン外析出を抑制できるが、安定剤を添加した場合であってもニッケルスキップやパターン外析出を抑制できる。上記安定剤としては、特許文献1や特許文献2に記載の公知の安定剤を用いることができ、例えば酢酸鉛等のPb化合物、酢酸ビスマス等のBi化合物などの無機化合物;ブチンジオール等の有機化合物安定剤が挙げられる。これらの安定剤は、単独で用いても良いし、二種以上を混合して用いることもできる。
<硫黄含有化合物>
本発明の無電解ニッケルめっき浴は、必要に応じて、公知の硫黄含有化合物を更に含有することができる。上記硫黄含有化合物としては、例えば、チオジグリコール酸、チオグリコール酸、チオ硫酸ソーダ、亜硫酸ソーダ等が挙げられる。これらの硫黄含有化合物は、単独で用いても良いし、二種以上を混合して用いることもできる。
<皮膜におけるリンの濃度>
皮膜におけるリンの濃度により、低リン(皮膜におけるリンの濃度:1.5〜3.0%)、中リン(皮膜におけるリンの濃度:6.0〜7.5%)、中高リン(皮膜におけるリンの濃度:8.0〜9.5%)、高リン(皮膜におけるリンの濃度:10.5〜12.0%)の4種類に分けることができる。そして、高リンの皮膜とするためのめっき浴には、硫黄は含有されていないが、低リン、中リン、中高リンの皮膜とするためのめっき浴には、硫黄が含有されていることが多い。本発明では、無電解ニッケルめっき浴中の硫黄含有化合物の有無にかかわらず、ニッケルスキップやパターン外析出を抑制できる。すなわち、皮膜におけるリンの濃度にかかわらず、ニッケルスキップやパターン外析出を抑制できる。
<無電解ニッケルめっき浴のpH>
本発明に係る無電解ニッケルめっき浴のpHは4.0〜9.0程度とするのが好ましく、4.0〜6.5とすることがより好ましい。pHを上記範囲とすることで、還元剤による還元反応が効率的に起こるようにして、還元剤の分解等が起こることを防止し、また、めっき析出性の低下、めっき浴の分解等を防止することができる。また、pHを上記範囲とすることで、還元剤の還元電位が高すぎることでめっき浴の安定性が低下してしまうのを防止することができる。上記pHに調整するためのpH調整剤としては、アンモニア水、水酸化ナトリウム等のアルカリ;硫酸、塩酸、硝酸、リン酸等の酸;などを用いることができる。
<その他>
本発明の無電解ニッケルめっき浴は、必要に応じて、無電解ニッケルめっき液に配合されている公知の各種添加剤を更に含有することができる。添加剤としては、例えば、反応促進剤、光沢剤、界面活性剤、機能付与剤等が挙げられる。これらの種類は特に限定されず、通常用いられるものを採用することができる。
無電解ニッケルめっき浴にニッケル以外の金属成分が含まれていると、ニッケル以外の金属成分が皮膜中に析出し、ニッケル以外の金属成分によって皮膜特性が変わってしまうおそれがあるため、好ましくない。無電解ニッケルめっき浴中におけるニッケル以外の金属成分の濃度は、1mg/L未満であることが好ましく、0.1mg/L未満であることがより好ましい。
本発明の無電解ニッケルめっき浴を用いて無電解めっきを行うときのめっき条件およびめっき装置は特に限定されず、常法に従い、適宜選択することができる。具体的には、上記組成の無電解ニッケルめっき液を被めっき物に浸漬するなどして接触させれば良い。このときのめっき温度は、めっき浴の組成等によって異なるが、50〜95℃が好ましい。このような温度とすることで、めっき析出反応が緩慢になって皮膜の未析出や外観不良の発生を防止することができる。また、めっき処理時間は、形成する皮膜の膜厚などに応じて、適宜設定することができるが、おおむね、15〜60分程度が一般的である。
また、本発明に用いられる被めっき物の種類も特に限定されず、例えば、鉄、コバルト、ニッケル、パラジウムなどの金属またはこれらの合金などのように無電解ニッケルめっきの還元析出に対して触媒性を有するもの;銅などの触媒性のない金属、ガラス、セラミックスなどが挙げられる。前者の触媒性を有する金属などを用いる場合、常法に従って前処理を行った後、直接、皮膜を形成することができる。一方、後者の触媒性のない金属などを用いる場合、常法に従ってパラジウム核などの金属触媒核を付着させた後、無電解ニッケルめっき処理を行うことができる。
このようにして得られる皮膜の膜厚は、おおむね、3〜7μm程度であり、好ましくは4〜5μmである。このような膜厚とすることで、耐食性などを確保するために皮膜の膜厚を上記のように厚くしても、クラックなどが発生しないなどの点で非常に有用である。
また、無電解ニッケルめっき皮膜が形成された被めっき物はプリント基板の製造に好適に用いられる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記実施例によって制限されず、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
(無電解ニッケルめっき皮膜の形成方法)
まず、ポリイミド基板上に厚さ18μmの圧延銅箔を積層させてパターン形成を行った上村工業株式会社製上村テストパターン基板を用意した。上記パターン基板として、ラインとスペースとが交互に形成されたラインアンドスペースパターンを有しており、ラインLが20μm、スペースSが20μmである基板(以下、基板Aという)と、ラインLが40μm、スペースSが20μmである基板(以下、基板Bという)とを用意した。なお、ラインとはパターン幅(線幅)を表し、スペースとは隣り合うパターン同士の間隔(スリット幅)を表す。
上記基板A又は上記基板Bを被めっき物として用い、上記被めっき物に対し、表1の処理を順次行った。詳細には、まず上村工業株式会社製ACL−007によるクリーナー(脱脂)処理を行った。次に、100g/Lの過硫酸ナトリウム溶液(SPS)にてソフトエッチング処理を行った。続いて、10%硫酸(H2SO4)溶液でエッチング残渣を除去し(酸洗)、3%硫酸(H2SO4)溶液でプレディップ処理を行った。その後、上村工業株式会社製MNK−4でPd触媒を付与(アクチベーター処理)し、アクチベーター処理された上記被めっき物を後述の無電解ニッケルめっき浴中に浸漬して、厚さ5μmの無電解ニッケルめっき皮膜を形成した。最後に上村工業株式会社製ゴブライト(登録商標)TIG−10を用いて無電解金めっきを行い、厚さ0.05μmの無電解金めっき皮膜を形成した。クリーナー、ソフトエッチング、酸洗、プレディップ、アクチベーター、無電解ニッケルめっき、及び無電解金めっきの各処理における温度及び時間は表1に示す。
(無電解ニッケルめっき浴)
水溶性ニッケル塩として硫酸ニッケル、還元剤として次亜リン酸ナトリウム、並びに錯化剤としてマロン酸、乳酸、及びアジピン酸を含む混合液を用意し、この混合液に表2又は表3に記載の添加物を添加し、無電解ニッケルめっき浴とした。添加物とは、具体的には、実施例1〜39では、表2に記載のニトロ基含有芳香族化合物のことであり、比較例1〜8では、表3に記載のベンゼン環の一置換体のことであり、比較例9・10では表3に記載の硫黄含有化合物のことであり、比較例11〜13では表3に記載の金属成分である。なお、実施例1〜39で用いられるニトロ基含有芳香族化合物であるが、ニトロ基含有芳香族化合物(下記(I))中のR1、R2、R3、R4、及びR5については、表2に特段の記載がない限り、水素原子である。
無電解ニッケルめっき浴における各成分の濃度は、硫酸ニッケル:20g/L(0.129mol/L)、添加物:0.5mol/L、次亜リン酸ナトリウム:30g/L(0.283mol/L)、マロン酸:10g/L(0.096mol/L)、乳酸:10g/L(0.111mol/L)、アジピン酸:10g/L(0.068mol/L)である。各めっき浴のpHは4.6である。
上記無電解ニッケルめっき浴を用いて、以下の物性及び特性を評価した。
(皮膜中のリン濃度)
3cm×3cmの銅張積層板に5μm以上の膜厚の皮膜を形成した。この皮膜中のリン濃度を蛍光X線分析装置であるリガク社製ZSX PrimusIVを用いて測定した。
(パターン性)
上述した皮膜の形成方法によって、上記基板A及び上記基板Bにそれぞれ皮膜を形成したものを下記基準で目視で観察した。なお、図1(a)及び(b)は基板Aの表面に皮膜を形成した後の写真である。
good:スペースにはニッケルが析出していない(図1(a))
poor:スペースにニッケルが析出している(図1(b))
(耐食性(硝酸浸漬試験))
BGA(Ball Grid Array)基板を上述した各無電解ニッケルめっき浴に浸漬させ、BGA基板の表面に膜厚5μmの皮膜を形成した。この皮膜を25℃の60%硝酸を水で2倍に希釈した溶液に30秒浸漬させた後に、皮膜の変色の有無を目視で確認した。皮膜が黒色に変色した場合には「変色あり」と評価し、皮膜の変色が観察されない場合、「変色なし」(耐食性に優れる)と評価した。
(皮膜分析)
SUS304を無電解ニッケルめっき浴に浸漬させ、SUS304の表面に膜厚30μmの皮膜を形成した。この皮膜を50℃の硝酸に1時間浸漬して完全に溶解させ、溶解された皮膜が含まれた硝酸について、ICP発光分析装置である堀場製作所社製Ultima2を用いて皮膜中に含まれる金属の有無や種類を測定した。
これらの結果を表2及び表3に併記する。本発明の無電解ニッケルめっき浴を用いた実施例1〜39では、ニッケルスキップやパターン外析出を抑制でき、かつ、耐食性及び外観に優れた高リンの無電解ニッケルめっき皮膜が得られた。一方、添加物がニトロ基を含有しない芳香族化合物である比較例1〜8ではパターン性が劣っていた。添加物が硫黄含有化合物である比較例9・10では耐食性が劣っていた。添加物が金属である比較例11〜13では無電解ニッケルめっき皮膜にニッケルの他に添加物由来の金属が含まれていた。

Claims (3)

  1. 還元剤及びニトロ基を1以上含有するニトロ基含有芳香族化合物を含むことを特徴とする無電解ニッケルめっき浴。
  2. 上記ニトロ基含有芳香族化合物は、ニトロ基以外の置換基を有してもよいベンゼン、ニトロ基以外の置換基を有してもよいナフタレン、及びそれらのアルカリ金属塩よりなる群から選ばれる少なくとも一つであり、
    上記置換基は、カルボキシル基、水酸基、ハロゲン原子、スルホン酸基、エステル基、アルコキシ基、及びアミノ基よりなる群から選ばれる少なくとも一つである請求項1に記載の無電解ニッケルめっき浴。
  3. 請求項1又は2に記載の無電解ニッケルめっき浴に被めっき物を浸漬して、無電解ニッケルめっき皮膜を上記被めっき物の表面に形成させることを特徴とする無電解ニッケルめっき方法。
JP2017198416A 2016-10-14 2017-10-12 無電解ニッケルめっき浴 Active JP6719437B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016202365 2016-10-14
JP2016202365 2016-10-14

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018066060A true JP2018066060A (ja) 2018-04-26
JP6719437B2 JP6719437B2 (ja) 2020-07-08

Family

ID=61954473

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017198416A Active JP6719437B2 (ja) 2016-10-14 2017-10-12 無電解ニッケルめっき浴

Country Status (4)

Country Link
JP (1) JP6719437B2 (ja)
KR (1) KR102311483B1 (ja)
CN (1) CN107955942B (ja)
TW (2) TWI807443B (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113463140B (zh) * 2021-06-23 2022-08-05 灵宝金源朝辉铜业有限公司 镀镍溶液及高耐蚀双面镀厚镍压延铜箔工艺
CN114086160A (zh) * 2021-11-10 2022-02-25 江苏艾森半导体材料股份有限公司 一种铜表面化学镀钯活化液及其应用

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4943172B1 (ja) * 1969-05-22 1974-11-19
JPH0565656A (ja) * 1991-09-04 1993-03-19 Tanaka Kikinzoku Kogyo Kk ニツケル薄膜形成材料
JP2009509050A (ja) * 2005-09-20 2009-03-05 エントン インコーポレイテッド マイクロエレクトロニクス応用における無電解堆積の欠陥及びプロセス制御

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3175527B2 (ja) 1995-03-30 2001-06-11 上村工業株式会社 無電解ニッケルめっき液及びめっき方法
JP2000129470A (ja) * 1998-10-22 2000-05-09 Meltex Inc パラジウムまたはパラジウム合金の剥離液
JP3800213B2 (ja) 2003-09-11 2006-07-26 奥野製薬工業株式会社 無電解ニッケルめっき液
JP5525762B2 (ja) * 2008-07-01 2014-06-18 上村工業株式会社 無電解めっき液及びそれを用いた無電解めっき方法、並びに配線基板の製造方法
JP5513784B2 (ja) * 2008-08-25 2014-06-04 日本エレクトロプレイテイング・エンジニヤース株式会社 硬質金系めっき液
US20120061698A1 (en) * 2010-09-10 2012-03-15 Toscano Lenora M Method for Treating Metal Surfaces
JP5622678B2 (ja) 2011-07-14 2014-11-12 石原ケミカル株式会社 イミダゾール環結合型オキシアルキレン化合物を含有するメッキ浴
JP6347853B2 (ja) * 2014-04-10 2018-06-27 アトテツク・ドイチユラント・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツングAtotech Deutschland GmbH パラジウムの無電解めっきのためのめっき浴組成物及び方法
CN105887055B (zh) * 2014-12-01 2018-05-18 苏州市汉宜化学有限公司 一种对锌、铝杂质有高容忍度、长寿命的化学镀镍液
JP6025899B2 (ja) * 2015-03-30 2016-11-16 上村工業株式会社 無電解ニッケルめっき浴及びこれを用いた無電解めっき方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4943172B1 (ja) * 1969-05-22 1974-11-19
JPH0565656A (ja) * 1991-09-04 1993-03-19 Tanaka Kikinzoku Kogyo Kk ニツケル薄膜形成材料
JP2009509050A (ja) * 2005-09-20 2009-03-05 エントン インコーポレイテッド マイクロエレクトロニクス応用における無電解堆積の欠陥及びプロセス制御

Also Published As

Publication number Publication date
TWI807443B (zh) 2023-07-01
TW201816183A (zh) 2018-05-01
TW202208682A (zh) 2022-03-01
CN107955942B (zh) 2021-09-07
JP6719437B2 (ja) 2020-07-08
CN107955942A (zh) 2018-04-24
KR20180041565A (ko) 2018-04-24
KR102311483B1 (ko) 2021-10-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8828131B2 (en) Catalyst application solution, electroless plating method using same, and direct plating method
JP2008144187A (ja) 無電解金めっき浴、無電解金めっき方法及び電子部品
JP6719437B2 (ja) 無電解ニッケルめっき浴
TWI709663B (zh) 用於金之無電電鍍之鍍浴組合物、沉積金層之方法及乙二胺衍生物之用途
JP3800213B2 (ja) 無電解ニッケルめっき液
US20160222519A1 (en) Method of selectively treating copper in the presence of further metal
US10822704B2 (en) Electroless platinum plating bath
KR102116055B1 (ko) 무전해 니켈 스트라이크 도금액
JP2018522142A (ja) 銅にパラジウム−リン無電解めっきを施すための組成物および方法、ならびに当該組成物および方法から得られる被覆部品
CN105051254B (zh) 供无电电镀的铜表面活化的方法
JP2013108170A (ja) 無電解パラジウムめっき液
TWI804539B (zh) 無電鍍金鍍浴
JP4932542B2 (ja) 無電解金めっき液
JP2007246955A (ja) 無電解金めっき浴
JP2002226975A (ja) 無電解金めっき液
JP4842620B2 (ja) 高密度銅パターンを有したプリント配線板の製造方法
TWI690618B (zh) 無電解鎳鍍敷浴
TWI765877B (zh) 無氰化物之置換鍍金液組成物
JP7316250B2 (ja) 無電解金めっき浴および無電解金めっき方法
JP6842475B2 (ja) シアンフリー置換金めっき液組成物
JP2023008204A (ja) 無電解Ni-Pめっき用Ni触媒液、該触媒液を用いた無電解Ni-Pめっき皮膜の形成方法
TWI794751B (zh) 無氰化物之置換鍍金液組成物
JP2013144835A (ja) 無電解Ni−P−Snめっき液
TW202314037A (zh) 電子元件的製造方法
JP2022022149A (ja) 無電解Ni-Pめっき用触媒液、および該触媒液を用いた無電解Ni-Pめっき皮膜の形成方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7426

Effective date: 20171019

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20171019

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20190204

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190515

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200212

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200225

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200414

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200609

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200616

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6719437

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250