JP2002226975A - 無電解金めっき液 - Google Patents
無電解金めっき液Info
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Abstract
優れた無電解金めっき皮膜を形成することが可能な無電
解金めっき液を提供する。 【解決手段】(i)水溶液金塩、(ii)錯化剤、並びに
(iii)スルホキシル酸塩のホルムアルデヒド誘導体及
び亜二チオン酸塩から選ばれた少なくとも一種の化合物
を含有する水溶液からなる無電解金めっき液、及び更に
亜硫酸塩を含有する無電解金めっき液。
Description
に関する。
性、ワイヤーボンディング性等の改善のために、配線回
路の実装部分、端子部分等に金めっき皮膜を形成するこ
とが多い。この場合に、一般には、配線回路の耐食性向
上、金の拡散防止等の目的で、金めっきの下地皮膜とし
てニッケルめっき皮膜が形成されている。
これを搭載する配線基板にも高い配線密度が要求されて
おり、現在では電気的に独立した配線パターンが主流と
なっている。この様な場合、電気めっき法ではめっき皮
膜を形成できない部分が発生するため、無電解めっき法
が採用されており、通常は、無電解ニッケル−リン皮膜
を形成した後、無電解金めっき皮膜が形成されている。
無電解金めっき液と自己触媒タイプの無電解金めっき液
が知られている。これらの内で、置換タイプの無電解金
めっき液は、ニッケル等の下地金属との置換反応によっ
て金が析出するものであるが、一般に、下地金属の種類
や作業条件等の要因の影響を受けやすく、ニッケル皮膜
が過度に浸食されて析出した金皮膜の外観が赤みを帯び
たり、金とニッケル等の下地金属との密着性の低下を引
き起こすという問題がある。
は、還元剤を含有するめっき液であり、形成された金め
っき皮膜による自己触媒作用を利用して、還元作用で金
を析出させるものである。この様な自己触媒タイプの無
電解金めっき液は、下地金属に直接皮膜を形成すること
が難しく、下地金属に直接めっきを行うと、粗雑な析出
になる場合や未析出部分が生じる場合があり、下地金属
との密着性が不十分になりやすいという欠点がある。
下地金属の腐食を極力抑えて、均一で密着性に優れた無
電解金めっき皮膜を形成することが可能な無電解金めっ
き液を提供することである。
に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、無電解金めっき液の還
元剤として、スルホキシル酸塩のホルムアルデヒド誘導
体及び亜二チオン酸塩から選ばれた少なくとも一種の化
合物を用いる場合には、下地金属と金との置換反応で形
成された金めっき皮膜上に、還元反応によって金めっき
皮膜が形成されて下地金属の腐食を抑制でき、下地金属
との密着性に優れた外観の良好な無電解金めっき皮膜を
形成できることを見出した。更に、これらの還元剤を亜
硫酸塩と組み合わせて用いる場合には、金の還元析出が
より一層促進されて、下地金属の腐食を防止すると同時
に、金めっき速度も向上し、比較的短時間に下地金属と
の密着性に優れた外観の良好な無電解金めっき皮膜が形
成されることを見出し、ここに本発明を完成するに至っ
た。
を提供するものである。 1. (i)水溶液金塩、(ii)錯化剤、並びに(ii
i)スルホキシル酸塩のホルムアルデヒド誘導体及び亜
二チオン酸塩から選ばれた少なくとも一種の化合物を含
有する水溶液からなる無電解金めっき液。 2. スルホキシル酸塩のホルムアルデヒド誘導体及び
亜二チオン酸塩から選ばれた少なくとも一種の化合物
が、ホルムアルデヒドナトリウムスルホキシラート、ホ
ルムアルデヒド亜鉛スルホキシラート、亜二チオン酸ナ
トリウム、亜二チオン酸カリウム及び亜二チオン酸アン
モニウムから選ばれた少なくとも一種の化合物である上
記項1に記載の無電解金めっき液。 3. 水溶性金塩を金イオン濃度として0.001〜
0.03mol/l、錯化剤を0.01mol/l以
上、並びにスルホキシル酸塩のホルムアルデヒド誘導体
及び亜二チオン酸塩から選ばれた少なくとも一種の化合
物を0.0005〜0.2mol/l含有する水溶液で
ある上記項1又は2に記載の無電解金めっき液。 4. 更に、亜硫酸塩を含有する水溶液である上記項1
〜3のいずれかに記載の無電解金めっき液。 5. 亜硫酸塩を0.001〜0.2mol/l含有す
る水溶液である上記項4に記載の無電解金めっき液。
(i)水溶液金塩、(ii)錯化剤、並びに(iii)スル
ホキシル酸塩のホルムアルデヒド誘導体及び亜二チオン
酸塩から選ばれた少なくとも一種の化合物を含有する水
溶液である。
ホルムアルデヒド誘導体及び亜二チオン酸塩から選ばれ
た少なくとも一種の化合物は、還元剤として作用するも
のであり、該化合物を還元剤として用いることによっ
て、下地金属との置換反応によって形成された金めっき
皮膜上に、還元反応によって良好な金めっき皮膜が形成
され、下地金属の腐食が抑制されて、均一で密着性に優
れた金めっき皮膜を形成することが可能となる。
記した(i)〜(iii)の成分に加えて亜硫酸塩を配合
する場合には、金めっきの速度が向上して、下地金属の
腐食をより一層有効に抑制でき、短時間で密着性に優れ
た均一な金めっき皮膜を形成することが可能となる。
できる亜二チオン酸塩の具体例としては、亜二チオン酸
ナトリウム、亜二チオン酸カリウム、亜二チオン酸アン
モニウム等を挙げることができる。また、スルホキシル
酸塩のホルムアルデヒド誘導体としては、ロンガリット
C、ロンガリットZなどの名称で市販されているホルム
アルデヒドナトリウムスルホキシラート(ナトリウムホ
ルムアルデヒドスルホキシレート)、ホルムアルデヒド
亜鉛スルホキシラート(亜鉛ホルムアルデヒドスルホキ
シレート)等を用いることができる。スルホキシル酸塩
のホルムアルデヒド誘導体と亜二チオン酸塩は、一種単
独又は二種以上混合して用いることができる。
体及び亜二チオン酸塩から選ばれた少なくとも一種の化
合物の添加量は、0.0005〜0.2mol/l程度
とすることが好ましく、0.001〜0.03mol/
l程度とすることがより好ましい。これらの化合物の添
加量が少なすぎる場合には、金めっきの析出性が低下し
易く、一方、添加量が多すぎると金めっき液が不安定に
なり易いので好ましくない。但し、亜二チオン酸塩につ
いては、配合量が多くなるとめっき液の安定性が低下し
易いので、添加量の上限は0.05mol/l程度とす
ることが好ましい。
塩としては、公知の金めっき液において金供給源として
用いられている各種化合物を用いることができる。具体
的には、シアン化金第一カリウム、シアン化金第二カリ
ウム等のシアン化金塩、塩化金酸、塩化金酸のカリウム
塩、アンモニウム塩等の水溶性金化合物を用いることが
できるが、その他に、シアン化金、酸化金、水酸化金等
の比較的溶解度の低い金化合物であっても、シアン化合
物と混合して水中でシアン錯体を形成することによって
金イオン源として使用できる。これらの金化合物は、一
種単独または二種以上混合して用いることができる。
ol/l程度とすることが好ましい。金イオン濃度が低
すぎる場合には析出速度が低下しやすく、一方、金イオ
ン濃度が高すぎると、汲み出しなどによる経済的損失が
大きくなるので好ましくない。
で用いられているものが使用できる。具体的には、リン
酸、ホウ酸等の無機酸、その塩類(ナトリウム塩、カリ
ウム塩、アンモニウム塩等);クエン酸、グルコン酸、
酒石酸、乳酸、リンゴ酸等のカルボン酸、その塩類(ナ
トリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等);エチレ
ンジアミン、トリエタノールアミン等のアミン化合物;
グリシン、アラニン、エチレンジアミン四酢酸、ニトリ
ロトリ酢酸等のアミノカルボン酸、その塩類(ナトリウ
ム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等);アミノトリメ
チレンホスホン酸、エチレンジアミンテトラメチレンホ
スホン酸等のホスホン酸、その塩類(ナトリウム塩、カ
リウム塩、アンモニウム塩等)などを用いることができ
る。錯化剤の含有量は、特に限定的ではないが、0.0
1mol/l程度以上とすることが好ましく、0.05
〜0.5mol/l程度とすることがより好ましい。錯
化剤の配合量が少なすぎると、置換反応が遅くなって充
分な金めっき皮膜を形成できないので好ましくない。
トリウム、亜硫酸カリウムなどを用いることができる。
本発明のめっき液中の亜硫酸塩の含有量は、0.001
〜0.2mol/l程度とすることが好ましい。亜硫酸
塩の配合量が少なすぎる場合には、金の還元析出反応を
促進する効果が充分には得られず、一方、亜硫酸塩の配
合量が多すぎると、汲み出しなどによる経済的な損失が
生じるので好ましくない。
じて、公知の無電解金めっき液で用いられている安定剤
を配合することができる。具体的には、シアン化ナトリ
ウム、シアン化カリウムなどのシアン化合物、2−メル
カプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾ
ール等の含硫黄有機化合物、ベンゾトリアゾールなどの
含窒素化合物などを用いることができる。安定剤の含有
量は特に限定的ではないが、0.0001〜0.02m
ol/l程度とすることが好ましい。安定剤の配合量が
少なすぎる場合には、浴の安定性を充分に向上させるこ
とができない。一方、安定剤の配合量が多すぎると金の
析出性が低下するので好ましくない。
中に金コロイドが生成した場合には、空気撹拌を行うこ
とによって、金コロイドを酸化し再溶解させて、浴を安
定化させることができる。
とが好ましい。pHが低すぎると、還元剤の自己分解が
生じ、一方、pHが高すぎると還元力が強くなり、共に
浴の安定性が低下するので好ましくない。pH調整剤と
しては特に限定はなく、公知のめっき液で使用されてい
る水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの水酸化アル
カリ、水酸化アンモニウムなどのアルカリ性化合物、硫
酸、リン酸、ホウ酸などの鉱酸等を使用することができ
る。
40℃〜75℃程度が好ましい。浴温度が低すぎると金
の析出速度が不充分となり、浴温度が高すぎると浴の安
定性が低下するので好ましくない。
の種類については特に限定的ではなく、従来の置換型無
電解金めっき液によって金めっき皮膜を析出させること
が可能な金属であれば、何れも下地金属とすることがで
きる。特に、プリント基板等の様に下地金属がニッケル
金属や無電解ニッケルめっき皮膜の場合には、本発明の
無電解金めっき液を用いることによって、ニッケル金属
や無電解ニッケルめっき皮膜の腐食が抑制され、均一で
密着性に優れた無電解金めっき皮膜を形成できる点で非
常に有利である。この場合、無電解ニッケルめっき皮膜
の種類は特に限定されず、例えば、Ni−P系無電解め
っき皮膜、Ni−B系無電解めっき皮膜等を下地金属と
することができる。
地金属の腐食を抑制して、均一で密着性に優れた無電解
金めっき皮膜を形成できる。
明する。
×5cm)(めっき有効面積15cm2)を被処理物と
して用い、これを脱脂液(商標:ICPクリーンS−1
35:奥野製薬工業(株))に浸漬して脱脂処理し、1
00g/l過硫酸ナトリウム水溶液に浸漬してソフトエ
ッチングを行い、次いで10%硫酸水溶液に浸漬してス
マット除去を行った。
奥野製薬工業(株))に浸漬して、無電解ニッケル−リ
ンめっき(商標:ICPニコロン:奥野製薬工業
(株))を行った。これにより、膜厚5μmの無電解ニ
ッケル−リンめっき皮膜が形成された。
いて、処理温度60℃、処理時間10分で金めっき皮膜
を形成した。尚、比較例2については、処理温度85℃
で10分間無電解金めっきを行った。
皮膜の腐食状態を調べた。めっき皮膜の厚さは、蛍光X
線微小部膜厚計(「SFT−8000」セイコー電子工
業(株)製)により測定した。ニッケル皮膜の腐食状態
については、形成した金めっき皮膜を金剥離剤(商標:
トップリップPD:奥野製薬工業(株))で剥離後、走
査型電子顕微鏡(「JSM−5800」:日本電子
(株)製)でニッケル表面を観察して評価した。また、
無電解金めっき液の分解による金の析出の有無を観察し
て、無電解めっき液の安定性を評価した。結果を下記表
1に示す。
ルデヒドナトリウムスルホキシラートを還元剤とする実
施例1の無電解金めっき液によれば、下地の無電解ニッ
ケルめっき皮膜に腐食を生じることなく、良好な無電解
金めっき皮膜を形成できた。また、ホルムアルデヒドナ
トリウムスルホキシラート又は亜二チオン酸ナトリウム
と亜硫酸塩を含有する実施例2〜7の無電解金めっき液
によれば、下地の無電解ニッケルめっき皮膜に腐食を生
じることなく、より速い析出速度で良好な無電解金めっ
き皮膜を形成できた。
を無添加の比較例1によれば、金めっき皮膜の析出速度
が遅く、しかも下地の無電解ニッケルめっき皮膜にピッ
ト状の腐食が多数生じた。また、このめっき液の液温を
上昇させて析出速度を上昇させた比較例2の場合にも、
下地の無電解ニッケルめっき皮膜にピット状の腐食が多
数生じた。
Claims (5)
- 【請求項1】(i)水溶液金塩、(ii)錯化剤、並びに
(iii)スルホキシル酸塩のホルムアルデヒド誘導体及
び亜二チオン酸塩から選ばれた少なくとも一種の化合物
を含有する水溶液からなる無電解金めっき液。 - 【請求項2】スルホキシル酸塩のホルムアルデヒド誘導
体及び亜二チオン酸塩から選ばれた少なくとも一種の化
合物が、ホルムアルデヒドナトリウムスルホキシラー
ト、ホルムアルデヒド亜鉛スルホキシラート、亜二チオ
ン酸ナトリウム、亜二チオン酸カリウム及び亜二チオン
酸アンモニウムから選ばれた少なくとも一種の化合物で
ある請求項1に記載の無電解金めっき液。 - 【請求項3】水溶性金塩を金イオン濃度として0.00
1〜0.03mol/l、錯化剤を0.01mol/l
以上、並びにスルホキシル酸塩のホルムアルデヒド誘導
体及び亜二チオン酸塩から選ばれた少なくとも一種の化
合物を0.0005〜0.2mol/l含有する水溶液
である請求項1又は2に記載の無電解金めっき液。 - 【請求項4】更に、亜硫酸塩を含有する水溶液である請
求項1〜3のいずれかに記載の無電解金めっき液。 - 【請求項5】亜硫酸塩を0.001〜0.2mol/l
含有する水溶液である請求項4に記載の無電解金めっき
液。
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