JP2013144835A - 無電解Ni−P−Snめっき液 - Google Patents

無電解Ni−P−Snめっき液 Download PDF

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Abstract

【課題】めっきの析出速度が速く、かつリン含有量が11〜13重量%であって、耐食性及びはんだ接合性に優れた無電解Ni−P−Snめっき皮膜を形成することができる無電解Ni−P−Snめっき液を提供すること。
【解決手段】本発明は、水溶性ニッケル塩、次亜リン酸又はその塩、酒石酸又はその塩、及び水溶性スズ化合物を含有する水溶液であって、前記水溶性スズ化合物の濃度が0.005〜0.15mol/Lである無電解Ni−P−Snめっき液に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、無電解ニッケル−リン−スズ(Ni−P−Sn)めっき液及び無電解Ni−P−Snめっき方法に関する。
無電解ニッケル(Ni)めっきは、めっき液組成及びめっき条件を変化させることで皮膜特性が様々に変化し、耐食性、耐薬品性等の化学的特性;硬度、耐磨耗性等の機械的特性;電気抵抗値、磁性等の電気的・磁気的特性に優れた皮膜が得られることから、自動車・機械産業、電機・電子機器産業、半導体産業等において重要かつ必要不可欠な表面処理技術として普及している。
一般的な無電解Niめっきである無電解ニッケル−リン(Ni−P)めっきは、還元剤として次亜リン酸ナトリウムを用いるめっきであるが、皮膜中のリン含有量により、いわゆる低リンタイプ(リン含有率1〜4重量%程度)、中リンタイプ(リン含有率5〜10重量%程度)及び高リンタイプ(リン含有率11〜13重量%程度)に分類される。Ni−P合金皮膜は、リン含有量の高い皮膜ほど耐食性に優れているため、耐食性、耐磨耗性又は耐薬品性が必要とされる場合には、高リンタイプのめっきが用いられている。
一方、ニッケルに他の金属元素を添加して合金化することにより、耐食性、硬度等の特性に優れた無電解めっき皮膜を作成することが行われている。ニッケルにスズを添加したニッケル−スズ(Ni−Sn)合金めっきは、耐食性に優れており、Sn含有量が高くなるほど耐食性が向上するとされていることから、Sn含有量のより高いNi−Sn系合金めっき皮膜を形成することが可能なめっき液の開発が行われている(例えば、特許文献1)。特許文献1には、2価のNiイオン:0.07〜0.12mol/L、クエン酸イオン、4価のSnイオン:0.015〜0.08mol/L、グルコン酸、水素化ホウ素化合物を含み、pHが7〜11であるNi−Sn系合金めっき液が記載されている。
しかしながら、Ni−Sn系合金めっき及び高リンタイプの無電解Ni−Pめっきは、中リンタイプの無電解Ni−Pめっきに比べてめっき析出速度が遅く、作業効率が悪いという問題があった。
また、プリント基板ではRoHS指令による接合材料のPbフリー化が加速しており、無電解Ni−P/AuめっきをPbフリーはんだで接合する重要性が高まっている。しかしながら、置換Auめっきは下地のNi−P皮膜を酸化溶解しながらAuを析出させるため、はんだ接合性が低下するという問題があった。
特開平6−256964号公報
本発明は、上記した従来技術の現状に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、めっきの析出速度が速く、かつリン含有量が11〜13重量%であって、耐食性及びはんだ接合性に優れた無電解Ni−P−Snめっき皮膜を形成することができる無電解Ni−P−Snめっき液を提供することである。
本発明者らは、上記した目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、無電解Ni−Pめっき液に微量のSnイオン及び錯化剤である酒石酸を添加することにより、リン含有量が高リンタイプと同程度のNi−P−Snめっき皮膜が、中リンタイプと同程度の析出速度で得られることを見出し、ここに本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の無電解Ni−P−Snめっき液及び無電解Ni−P−Snめっき方法を提供するものである。
1.水溶性ニッケル塩、次亜リン酸又はその塩、酒石酸又はその塩、及び水溶性スズ化合物を含有する水溶液であって、前記水溶性スズ化合物の濃度が0.005〜0.15mol/Lである無電解Ni−P−Snめっき液。
2.前記水溶液のpHが3.5〜6.5である、上記項1に記載の無電解Ni−P−Snめっき液。
3.上記項1又は2に記載の無電解Ni−P−Snめっき液に被めっき物を接触させることを特徴とする無電解Ni−P−Snめっき方法。
本発明の無電解Ni−P−Snめっき液によれば、リン含有量が11〜13重量%程度のNi−P−Snめっき皮膜を、速い析出速度で形成することができる。さらに、形成される無電解Ni−P−Snめっき皮膜は、耐食性及びはんだ接合性に優れている。
接合強度試験におけるリフロー条件を示す図である。 Auめっき膜厚が0.03μmのときの接合強度試験の結果(破壊モード及び強度)を示す図である。 Auめっき膜厚が0.05μmのときの接合強度試験の結果(破壊モード及び強度)を示す図である。 Auめっき膜厚が0.07μmのときの接合強度試験の結果(破壊モード率及び強度)を示す図である。 Auめっき初期腐食試験後のNi−P−Snめっき(実施例1)皮膜表面のSEM写真である。 Auめっき初期腐食試験後のNi−Pめっき(比較例2)皮膜表面のSEM写真である。
本発明の無電解Ni−P−Snめっき液は、水溶性ニッケル塩、次亜リン酸又はその塩、水溶性スズ化合物及び酒石酸又はその塩を含有し、前記水溶性スズ化合物の濃度が0.005〜0.15mol/Lである。
本発明の無電解Ni−P−Snめっき液では、水溶性ニッケル塩として、従来の無電解Ni−Pめっき液に配合されているものと同様の化合物を用いることができる。このような水溶性ニッケル塩の具体例として、例えば、硫酸ニッケル、塩化ニッケル等の無機ニッケル塩;酢酸ニッケル、スルファミン酸ニッケル等の有機ニッケル塩等を挙げることができる。水溶性ニッケル塩は、一種単独で又は二種以上を混合して用いることができる。
めっき液中の水溶性ニッケル塩の濃度は、金属ニッケルとして、0.05〜0.15mol/L程度とすることが好ましく、0.1〜0.14mol/L程度とすることがより好ましい。このような濃度とすることで、めっき析出速度を遅くすることを防止することができ、析出した皮膜が適正なNi含有量を有することができる。
本発明の無電解Ni−P−Snめっき液では、還元剤として、次亜リン酸又はその塩を用いる。次亜リン酸又はその塩の具体例として、次亜リン酸、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム等を挙げることができる。
めっき液中の還元剤の濃度は、0.1〜0.5mol/L程度とすることが好ましく、0.2〜0.4mol/L程度とすることがより好ましい。このような濃度とすることで、めっき析出速度を遅くすることを防止することができるとともに、めっき液の分解を防止することができる。
本発明の無電解Ni−P−Snめっき液では、水溶性スズ化合物を0.005〜0.15mol/Lの濃度で含有することが特徴である。
水溶性スズ化合物としては、水に溶けて2価又は4価のスズイオンを供給することができるスズ化合物を用いる。水溶性スズ化合物として、例えば、塩化スズ(II)(SnCl)、塩化スズ(IV)(SnCl)、硫酸スズ(II)(SnSO)、硫酸スズ(IV)(Sn(SO)等の無機スズ塩;メタンスルホン酸スズ、アルカノールスルホン酸スズ等の有機スズ塩等を挙げることができる。本発明では、上記水溶性スズ化合物は、一種単独で又は二種以上を混合して用いることができる。
めっき液中の水溶性スズ化合物の濃度は、通常、0.005〜0.15mol/L程度であり、好ましくは0.01〜0.13mol/L程度である。めっき液に、このような範囲でSnイオンを添加することで、めっき皮膜中のリン含有量が11〜13重量%程度であって、耐食性の高い皮膜を得ることができる。
本発明の無電解Ni−P−Snめっき液には、錯化剤として、酒石酸又はその塩を用いることも必要である。酒石酸又はその塩の具体例として、酒石酸、酒石酸ナトリウム、酒石酸カリウム、酒石酸ナトリウムカリウム等を挙げることができる。
めっき液中の酒石酸又はその塩の濃度は、0.005〜1.5mol/L程度とすることが好ましく、0.01〜1mol/L程度とすることがより好ましい。酒石酸は、錯化剤として作用するだけでなく、還元剤としても作用する。よって、めっき液に、このような範囲で酒石酸又はその塩を添加することで、酸化ニッケルの沈殿、酸化還元が遅すぎることによるめっき液の分解等を防止することができるとともに、還元剤の効果が有効に働くことでめっきの析出速度の低下を防止することができる。
本発明の無電解Ni−P−Snめっき液には、錯化剤として、酒石酸又はその塩に加えて、さらに公知の無電解Ni−Pめっき液において用いられている各種の錯化剤を添加することができる。このような錯化剤の具体例として、シュウ酸、アジピン酸、コハク酸等のジカルボン酸、その可溶性塩;クエン酸、リンゴ酸、乳酸等のオキシカルボン酸、その可溶性塩;グリシン、アラニン等のアミノカルボン酸、その可溶性塩;エチレンジアミン四酢酸、バーセノール(N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン−N,N’,N’−三酢酸)、クォードロール(N,N,N’,N’−テトラヒドロキシエチルエチレンジアミン)等のエチレンジアミン誘導体、その可溶性塩;1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸等のホスホン酸、その可溶性塩等を挙げることができる。これらの錯化剤は、一種単独又は二種以上混合して用いることができる。
錯化剤は、Ni及びSnの合計モル濃度(0.055〜0.3mol/L)に対し、酒石酸又はその塩及び酒石酸以外の錯化剤を含めた総量として1倍以上8.5倍未満のモル濃度で添加するのが好ましく、2.5倍以上7倍未満のモル濃度がより好ましい。また、錯化剤全体の濃度中の酒石酸又はその塩の濃度が、0.005〜1.5mol/L程度であることが好ましく、0.01〜1mol/L程度であることがより好ましい。錯化剤の濃度が低すぎると、水酸化ニッケルの沈殿が生じ易くなり、更に、酸化還元反応が速すぎるためにめっき液の分解が生じ易くなるので好ましくない。一方、錯化剤の濃度が高すぎると、めっき皮膜の析出速度が非常に遅くなり、更に、めっき液の粘度が高くなるため、均一析出性が低下するので好ましくない。さらに、錯化剤として、酒石酸を添加していることにより、還元剤の効果が有効に働くことでめっきの析出速度の低下を防止することができる。
本発明の無電解Ni−P−Snめっき液には、更に、必要に応じて、無電解Ni−Pめっき液に配合されている公知の各種添加剤を添加することができる。添加剤として、液安定剤(例えば、Pb、Bi等の金属系安定剤)、pH調整剤、光沢剤、平滑剤、励起剤、ピンホール防止剤、界面活性剤等を挙げることができる。これらの添加剤の種類及び量は、通常の無電解Ni−Pめっき液と同様とすればよい。
本発明の無電解Ni−P−Snめっき液は、pH3.5〜6.5程度とすることが好ましく、pH4〜6程度とすることがより好ましい。めっき液のpHが6.5を超えると、めっき液の安定性及びめっき皮膜の耐食性が悪くなる傾向があり、pHが3.5未満であると、めっき析出速度が遅くなる。
本発明の無電解Ni−P−Snめっき液を用いて無電解Ni−P−Sn皮膜を形成する方法については特に限定はなく、必要な厚さのNi−P−Snめっき皮膜が形成されるまで、被めっき物を無電解Ni−P−Snめっき液に接触させればよい。通常は、無電解Ni−P−Snめっき液中に被めっき物を浸漬する方法によって処理すればよい。
無電解Ni−P−Snめっきを行う際の液温については、具体的なめっき液の組成などによって異なるが、通常、50℃程度以上とすることが好ましく、60〜100℃程度とすることがより好ましい。めっき液の液温が低すぎる場合には、めっき析出反応が緩慢になってNi−P−Snめっき皮膜の未析出や外観不良が生じ易くなる。一方、めっき液の液温が高すぎると、めっき液の蒸発が激しくなってめっき液組成を所定の範囲に維持することが困難となり、更に、めっき液の分解が生じ易くなるので好ましくない。また、必要に応じて、無電解Ni−P−Snめっき液を撹拌してもよい。
被めっき物の種類については、特に限定はなく、従来の無電解Ni−Pめっきの対象物と同様のものを被めっき物とすることができる。前処理方法も従来の無電解Ni−Pめっきの場合と同様とすればよく、また、被めっき物に対する触媒付与処理も、必要に応じて従来法と同様にして行うことができる。
本発明のめっき液により形成されるめっき皮膜は、Ni−P−Sn三元合金皮膜である。具体的なめっき皮膜組成は、配合される各成分の割合等によって変わり得るが、通常、Niが83〜89重量%程度、Pが11〜13重量%程度、及びSnが0.1〜4重量%程度の範囲となる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
実施例1〜5及び比較例1〜3
下記表1に示す組成の無電解めっき液を調製した。なお、比較例1は、実施例1からSnClのみを除いためっき液であり、比較例2は、市販されている中リンタイプのNi−Pめっき液である。また、比較例3は、従来の高リンタイプのNi−Pめっき液である。
表1に示す各無電解めっき液を用いて、両面銅張積層板(25mm×100mm)を被めっき物として、表1に示すpH及び浴温の無電解めっき液中に被めっき物を30分間浸漬することによって無電解めっき皮膜を形成した。なお、pHは、NaOH溶液で調整した。
上記した方法で形成された各無電解めっき皮膜について、下記の方法で特性を評価した。結果を下記表2に示す。
1.含スズ率、含リン率及び含ニッケル率
めっき皮膜断面についてEDS元素分析を行った。
2.めっき析出速度
めっき皮膜断面の膜厚を測定し、膜厚及び浸漬時間からめっき析出速度を算出した。
以上の結果から、実施例1〜5のめっき液は、比較例3の高リンタイプのめっき液に比べて速い析出速度で、リン含有率の高い無電解めっき皮膜を形成できることがわかる。なお、実施例1〜5のめっき析出速度は、比較例1及び2とほぼ同等であるが、比較例1及び2のめっき液はSnを含まないため、実施例1〜5のめっき液と比較して得られるめっき皮膜の含リン率が低い。
試験例1(接合強度試験)
はんだボールプル試験基板として、直径0.48mmの銅めっき処理基板を用いた。接合強度試験には、上記実施例1及び3の無電解めっき液、及び比較例2及び3の無電解めっき液を用いた。上記試験基板に、脱脂(製品名:ACL−009(上村工業(株)製))−ソフトエッチ(過硫酸ナトリウム100g/L、硫酸18mL/L)−酸処理(硫酸18mL/L)−プレディップ(硫酸18mL/L)−アクチベータ処理(硫酸18mL/L、Pd12mg/L)を施した後、上記の各種無電解めっき液でめっき処理を行い、さらに市販の無電解Auめっき液(製品名:TKK−51(上村工業(株)製))でAuめっきを行った。Ni−P−Sn又はNi−P合金めっき膜厚は約5μmとし、Auめっき膜厚が0.03μm、0.05μm及び0.07μmの3種類のものを作製した。Auめっき後の試験基板にフラックス(製品名:EC−19S−8((株)タムラ製作所製))を塗布し、その上にSn/Ag/Cu=96.5/3.0/0.5の直径0.6mmのはんだボールを搭載し、図1の条件でリフローを行った。はんだボールプル試験は10mm/minの速度で実施した。破壊モードの同定は、光学顕微鏡により実施した。強度の測定は、(株)レスカの試験装置(RHESCA STR−1000)を用いた。各サンプルについてn=20で評価した。Auめっき膜厚が0.03μmのときの破壊モード及び強度の試験結果を図2に、Auめっき膜厚が0.05μmのときの結果を図3に、Auめっき膜厚が0.07μmのときの結果を図4に示す。
図2〜4から、本発明の無電解Ni−P−Snめっき液を用いた場合には、Auめっき膜厚が厚い場合においても高い接合信頼性が得られることが確認された。
試験例2(Auめっき初期腐食試験)
Ni−P−Snめっき皮膜の耐食性を調べるための試験基板として、直径0.48mmのパッドがすべて同一回路上に構成されている試験基板を用いた。耐食性試験には、上記実施例1の無電解めっき液、及び比較例2の無電解めっき液を用いた。上記試験基板に、脱脂(製品名:ACL−009(上村工業(株)製))−ソフトエッチ(過硫酸ナトリウム100g/L、硫酸18mL/L)−酸処理(硫酸18mL/L)−プレディップ(硫酸18mL/L)−アクチベータ処理(硫酸18mL/L、Pd12mg/L)を施した後、上記の各種無電解めっき液でめっき処理を行った。その後市販の無電解Auめっき液(製品名:TKK−51(上村工業(株)製))に浸漬させる際、浸漬初期のみ試験基板に一定の+の電圧を0、3、10、30又は60秒印加した。Ni−P−Sn又はNi−P合金めっき膜厚は約5μmとし、Auめっきは電圧を印加しない場合に0.03μm析出する時間処理した。上記条件で処理したAuめっき皮膜を剥離した後、Ni−P−Sn又はNi−Pめっき皮膜表面をSEMで観察した。その結果を図5及び6に示す。なお、図5及び6において、(a)は電圧印加時間が0秒の場合、(b)は3秒の場合、(c)は10秒の場合、(d)は30秒の場合、(e)は60秒の場合のSEM写真である。
図6から、比較例2の無電解めっき液では、電圧印加時間を長くすると筋状に腐食が深く進行していくことがわかる。また、図5からは、実施例1の無電解めっき液を用いた場合には、電圧印加時間を長くすると微細孔が増加していく傾向があることがわかる。これらの結果から、実施例1の無電解めっき液を用いると、比較例2の無電解めっき液を用いた場合に比べて耐食性の高い皮膜が得られることが確認された。
試験例3(耐食性試験)
Ni−P−Snめっき皮膜の耐食性を調べるための試験基板として、Fe板(製品名:山本鍍金試験器 ハルセル鉄板Zn引き)(25mm×100mm、厚さ:0.3mm)を用いた。耐食性試験には、上記実施例1又は4の無電解めっき液、及び比較例3の無電解めっき液を用いた。上記Fe板を30%塩酸で処理してZnめっきを剥離した後、電解脱脂(エンボンドCA−S(メルテックス株式会社製)、1.0A/cm、室温、60分間)及び酸処理(硫酸100g/L、室温、30分間)を行い、上記の各種無電解めっき液でめっき処理を行った。Ni−P−Sn又はNi−P合金めっき膜厚は約10μmとした。作成したサンプルを30%硝酸に浸漬し(浸漬面積:25mm×35mm)、浸漬後10、50、60及び80分後にめっき皮膜の表面状態を目視で観察した。
その結果、比較例3の無電解めっき液により得られためっき皮膜は、10分経過後に変色が見られた。しかし、実施例1及び4の無電解めっき液により得られためっき皮膜は、いずれも50分経過後でも光沢があり、実施例1の無電解めっき液により得られためっき皮膜は80分経過後においても光沢があった。これより、実施例1及び4の無電解めっき液により得られためっき皮膜は、耐食性の高いNi−P−Sn合金皮膜であることがわかる。

Claims (3)

  1. 水溶性ニッケル塩、次亜リン酸又はその塩、酒石酸又はその塩、及び水溶性スズ化合物を含有する水溶液であって、前記水溶性スズ化合物の濃度が0.005〜0.15mol/Lである無電解Ni−P−Snめっき液。
  2. 前記水溶液のpHが3.5〜6.5である、請求項1に記載の無電解Ni−P−Snめっき液。
  3. 請求項1又は2に記載の無電解Ni−P−Snめっき液に被めっき物を接触させることを特徴とする無電解Ni−P−Snめっき方法。
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