JP2018003009A - 多孔質ポリイミドフィルム形成用ポリイミド溶液、多孔質ポリイミドフィルムの製造方法および多孔質ポリイミドフィルム - Google Patents
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Abstract
Description
<1> PIに対する良溶媒と貧溶媒とを含有するPI溶液であって、前記PIが、主鎖中にオキシアルキレン成分、シロキサン成分、アルキレン成分から選ばれる少なくとも一つの成分を含むPIであり、かつエーテル系溶媒が貧溶媒となるポリイミドであることを特徴とする多孔質PIフィルム形成用PI溶液。
<2>前記PI溶液を、基材表面に塗布後、200℃以下の温度で乾燥することにより多孔質PI被膜を形成する工程を含む多孔質PIフィルムの製造方法。
<3> 気孔率が20体積%以上、90体積%以下、平均気孔径が10nm以上、5000nm以下の多孔質PIフィルムであって、前記PIが、主鎖中にオキシアルキレン成分、シロキサン成分、アルキレン成分から選ばれる少なくとも一つの成分を含むPIであることを特徴とする多孔質PIフィルム。
TA−1の使用量(モル%)=(TA−1のモル数/(TA−1のモル数+TAのモル数))×100
DA−1の使用量(モル%)=(DA−1のモル数/(DA−1のモル数+DAのモル数))×100
TA−2の使用量(モル%)=(TA−2のモル数/(TA−2のモル数+TAのモル数))×100
DA−2の使用量(モル%)=(DA−2のモル数/(DA−2のモル数+DAのモル数))×100
(ただし、式中nは1以上の整数を示す。また、R1およびR2は、それぞれ同一または異なった、低級アルキレン基またはフェニレン基を示し、R3、R4、R5およびR6は、それぞれ同一または異なった、低級アルキル基、フェニル基またはフェノキシ基を示す。)
TA−3の使用量(モル%)=(TA−3のモル数/(TA−3のモル数+TAのモル数))×100
DA−3の使用量(モル%)=(DA−3のモル数/(DA−3のモル数+DAのモル数))×100
貧溶媒としては、アルコール系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒等が用いられ、エーテル系溶媒が好ましく用いられる。アルコール系溶媒の具体例としては、例えば、エチレングリコール(沸点:197℃)、デカノール(沸点:233℃)等を挙げることができる。エステル系溶媒の具体例としては、こはく酸ジメチル(沸点200℃)、こはく酸ジエチル(沸点218℃)、グルタル酸ジメチル(沸点210〜215℃)、グルタル酸ジエチル(沸点237℃)、アジピン酸ジメチル(沸点215〜225℃)、アジピン酸ジエチル(沸点245℃)、エチルカルビネートアセテート(ECA:沸点218℃)、ブチルカルビネートアセテート(BCA:沸点247℃)等を挙げることができる。エーテル系溶媒の具体例としては、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル(沸点:162℃)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(沸点:216℃)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(沸点:275℃)、ジエチレングリコール(沸点:244℃)、トリエチレングリコール(沸点:287℃)、トリプロピレングリコールジメチルエーテル(沸点:215℃)、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(沸点:175℃)等の溶媒を挙げることができる。これらを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中で、トリエチレングリコールジメチルエーテル(G3)およびテトラエチレングリコールジメチルエーテル(G4)が好ましい。
気孔率(体積%)= 100−100×(W/D)/(S×T)
式中のSは多孔質PIフィルムの面積、Tはその厚み、Wはその質量、Dは対応する非多孔質PIフィルムの密度を示す。気孔率をこのような範囲とすることにより、PIフィルム固有の優れた力学的特性と耐熱性とを確保することができる。
ガラス製反応容器に、窒素雰囲気下、BAPP(DA):0.90モル、PPGME(DA−1):0.10モル (分子量2000:ハンツマン社製ジェファーミンD2000)、NMPを投入して攪拌し、ジアミンをNMPに溶解した。この溶液をジャケットで30℃以下に冷却しながら、BPDA(TA):1.0モルを徐々に加えた後、40℃で5時間重合反応させ、オキシプロピレン成分を導入した共重合PAA溶液を得た。この溶液にキシレンを加え、140℃に加熱して、PAAのイミド化による発生する水を共沸により反応系外に除去しつつ反応を進め、固形分濃度が25質量%のPI溶液を得た。このPIは実質的にイミド化が完了していることを赤外吸収スペクトルの測定により確認した。 この溶液に、PIの貧溶媒であるG4を加え、溶媒組成をNMP/G4=50/50(質量比)とした固形分濃度が14質量%のPI溶液を得た。このPI液を、アルミニウム箔(厚み:150μm)上に、ドクターブレードを用いて塗布し、130℃で20分乾燥し、アルミ箔上に積層された厚み約50μmの多孔質PIフィルム(P−1)を得た。P−1の気孔率、平均気孔径は、それぞれ、54%、1200nmであった。
また、得られた積層体を200℃で1時間熱処理し、多孔質PIフィルム(P−1)表面の電気抵抗値を測定したところ、電気抵抗値は、処理前と殆ど変化しておらず、良好な耐熱性が確認された。
ジアミンとして、「BAPP(DA):0.90モル、DASM(DA−2):0.10モル (数平均分子量860:信越化学社製 KF−8010)を用いたこと以外は、実施例1と同様に行い、アルミ箔上に積層された厚み約70μmの多孔質PIフィルム(P−2)を得た。P−2の気孔率、平均気孔径は、それぞれ、58%、1500nmであった。
ジアミンとして、「BAPP(DA):0.90モル、DASM(DA−2):0.10モル (数平均分子量860:信越化学社製 KF−8010)を用い、溶媒組成をNMP/G4=45/55(質量比)としたこと以外は、実施例1と同様に行い、アルミ箔上に積層された厚み約80μmの多孔質PIフィルム(P−3)を得た。P−3の気孔率、平均気孔径は、それぞれ、65%、1200nmであった。
ジアミンとして、「BAPP(DA):0.80モル、DDA(DA−3):0.20モル (クローダ社製 プリアミン1075」を用い、溶媒組成をNMP/G4=40/60(質量比)としたこと以外は、実施例1と同様に行い、アルミ箔上に積層された厚み約50μmの多孔質PIフィルム(P−4)を得た。P−4の気孔率、平均気孔径は、それぞれ、59%、1700nmであった。
重合溶媒をDMAcとしたこと以外は、実施例1と同様に行い、アルミ箔上に積層された厚み約50μmの多孔質PIフィルム(P−5)を得た。P−5の気孔率、平均気孔径は、それぞれ、57%、2100nmであった。
テトラカルボン酸二無水物として、「BPDA(TA):0.40モル、ODPA(TA):0.40モル、TMEG(TA−1):0.2モル」を用い、ジアミンとしてBAPP(DA):1.0モルを用い、溶媒組成をNMP/G4=45/55(質量比)としたこと以外は、実施例1と同様に行い、アルミ箔上に積層された厚み約50μmの多孔質PIフィルム(P−6)を得た。P−6の気孔率、平均気孔径は、それぞれ、59%、1500nmであった。
テトラカルボン酸二無水物として、「BPDA(TA):0.80モル、両末端に酸無水物基を有するシロキサンオリゴマ(TA−2):0.20モル (数平均分子量1,000:信越化学社製X22−168AS)」を用い、ジアミンとしてBAPP(DA):1.0モルを用い、溶媒組成をNMP/G4=40/60(質量比)としたこと以外は、実施例1と同様に行い、アルミ箔上に積層された厚み約50μmの多孔質PIフィルム(P−7)を得た。P−7の気孔率、平均気孔径は、それぞれ、52%、2500nmであった。
テトラカルボン酸二無水物として、「BPDA(TA):0.75モル、HPMDA(TA−3):0.25モル 」を用い、ジアミンとしてBAPP(DA):1.0モルを用い、溶媒組成をNMP/G4=35/65(質量比)としたこと以外は、実施例1と同様に行い、アルミ箔上に積層された厚み約50μmの多孔質PIフィルム(P−8)を得た。P−8の気孔率、平均気孔径は、それぞれ、51%、2700nmであった。
ジアミンを「BAPP(DA):0.93モル、PPGME(DA−1):0.07モル としたこと以外は、実施例1と同様に行い、アルミ箔上に積層された厚み約50μmの多孔質PIフィルム(P−9)を得た。P−9の気孔率、平均気孔径は、それぞれ、53%、2800nmであった。
ジアミンを「BAPP(DA):0.85モル、DASM(DA−2):0.15モル」としたこと以外は、実施例1と同様に行い、アルミ箔上に積層された厚み約50μmの多孔質PIフィルム(P−10)を得た。P−10の気孔率、平均気孔径は、それぞれ、51%、2900nmであった。
ジアミンを「BAPP(DA):0.85モル、DDA(DA−3):0.15モル」としたこと以外は、実施例1と同様に行い、アルミ箔上に積層された厚み約50μmの多孔質PIフィルム(P−11)を得た。P−11の気孔率、平均気孔径は、それぞれ、51%、2200nmであった。
ジアミンを「BAPP(DA):0.40モル、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン(DA):0.40モル、PPGME(DA−1):0.20モル としたこと以外は、実施例1と同様に行い、アルミ箔上に積層された厚み約50μmの多孔質PIフィルム(P−12)を得た。P−12の気孔率、平均気孔径は、それぞれ、61%、1900nmであった。
ジアミンとして、「BAPP(DA−2):0.995モル、PPGME(DA−1):0.005モル」を用いたこと以外は、実施例1と同様にPI溶液を得ようとしたが、均一なPI溶液とすることはできなかった。
ジアミンとして、「BAPP(DA−2):0.995モル、DASM(DA−2):0.005モル」を用いたこと以外は、実施例1と同様にPI溶液を得ようとしたが、均一なPI溶液とすることはできなかった。
ジアミンとして、「BAPP(DA−2):0.995モル、DDA(DA−3):0.005モル」を用いたこと以外は、実施例1と同様にPI溶液を得ようとしたが、均一なPI溶液とすることはできなかった。
貧溶媒であるG4を加えなかったこと以外は、実施例1と同様に行い、厚み約40μmのPIフィルムを得たが、このフィルム中に気孔は形成されていなかった。
貧溶媒であるG4を加えなかったこと以外は、実施例2と同様に行い、厚み約40μmのPIフィルムを得たが、このフィルム中に気孔は形成されていなかった。
貧溶媒であるG4を加えなかったこと以外は、実施例3と同様に行い、厚み約40μmのPIフィルムを得たが、このフィルム中に気孔は形成されていなかった。
Claims (3)
- ポリイミドに対する良溶媒と貧溶媒とを含有するポリイミド溶液であって、前記ポリイミドが、主鎖中にオキシアルキレン成分、シロキサン成分、アルキレン成分から選ばれる少なくとも一つの成分を含むポリイミドであり、かつエーテル系溶媒が貧溶媒となるポリイミドであることを特徴とする多孔質ポリイミドフィルム形成用ポリイミド溶液。
- 請求項1に記載のポリイミド溶液を、基材表面に塗布後、200℃以下の温度で乾燥することにより多孔質ポリイミド被膜を形成する工程を含む多孔質ポリイミドフィルムの製造方法。
- 気孔率が20体積%以上、90体積%以下、平均気孔径が10nm以上、5000nm以下の多孔質ポリイミドフィルムであって、前記ポリイミドが、主鎖中にオキシアルキレン成分、シロキサン成分、アルキレン成分から選ばれる少なくとも一つの成分を含むポリイミドであることを特徴とする多孔質ポリイミドフィルム。
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