JP2002037905A - プリプレグ用多孔質フィルム及び配線基板プリプレグ - Google Patents

プリプレグ用多孔質フィルム及び配線基板プリプレグ

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JP2002037905A
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porous film
resin
film
porous
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Shinji Tawara
伸治 田原
Haruo Tabata
晴夫 田畑
Kimimitsu Sasaki
公光 佐々木
Kenichi Ikeda
健一 池田
Takuji Shintani
卓司 新谷
Toshiyuki Kawashima
敏行 川島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ファインピッチのレーザービア加工が良好に
行え、耐熱性に優れると共に、熱硬化性樹脂の含浸が好
適に行えるプリプレグ用多孔質フィルム、及びそれを用
いた配線基板プリプレグを提供する。 【解決手段】 ポリイミド系樹脂の連続気泡多孔質膜よ
りなり、裏表面が何れも平均孔径0.05μm以上であ
り、空孔率が30〜98%であるプリプレグ用多孔質フ
ィルム、並びに、その孔内に含浸された熱硬化性樹脂の
半硬化物とを含む配線基板プリプレグ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリイミド系樹脂
の連続気泡多孔質膜よりなるプリプレグ用多孔質フィル
ム及びそれに用いた配線基板プリプレグに関し、プリン
ト配線基板の基材層や絶縁層等の形成工程に有用であ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、電子機器などに使用されるプ
リント配線基板の基材層や絶縁層等の形成工程には、熱
硬化性樹脂をガラス繊維織物や高分子不織布などに含浸
させて半硬化させたプリプレグ等が使用されてきた。通
常、プリプレグは銅箔に積層した積層体として使用さ
れ、例えば、その積層体を加熱加圧することによって、
下層の配線層等に積層・硬化させる工程を含むことによ
り、配線層と絶縁層が順次積層された多層構造が形成さ
れる。
【0003】最近の配線基板は、配線の高集積化のため
に、より微細な配線パターンを描くことや、ビアホール
で層間接続した多層構造化が要求されている。しかしな
がら、ガラス繊維織物にエポキシ樹脂を含浸したプリプ
レグを使用した配線基板では、ドリルで穴をあけた場合
にビアホール内に切断された繊維が飛び出すことやレー
ザーを使用して微細加工をする際に、ガラス繊維部分の
穴あけ加工が困難であることなどの問題があった。
【0004】また、高分子不織布を使用したプリプレグ
も知られているが、使用されている繊維が太いなどのた
めに、レーザービア加工はできるものの、繊維の重なっ
たところの加工性が悪いためにむらができるなどの問題
があった。また、絶縁層等を薄くしてレーザービア加工
の加工性を高めることも考えられるが、織布や不織布で
は薄くて均一な物を作ることが困難であった。
【0005】一方、特開平11−147960号公報に
は、ポリスルホン系樹脂からなる補強相と、熱硬化性樹
脂マトリックス相とからなる有機複合材料の例として、
多孔質ポリスルホン系樹脂シートを補強材として使用し
たものが開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報は多孔質シートによる効果を、織布や不織布の場合と
同等に記載しており、レーザービア加工する際の多孔質
シートの優位性を示唆するものではなかった。また、ポ
リスルホンは耐熱性が十分でなく、これをプリプレグに
用いて形成した絶縁層等では、配線基板に要求される特
性を満足できないという問題もある。その他、湿式凝固
法により製膜した多孔質膜を上記プリプレグに使用する
技術は、これまで知られていなかった。
【0007】なお、ポリイミドの多孔質膜に樹脂を含浸
させずに、そのまま基板の絶縁層として使用する技術も
存在するが、例えば特開昭62−279936号公報に
記載の多孔質膜のように、膜表面に緻密層(スキン層)
を有するものなど、含浸性の点でプリプレグに使用する
には不適当であった。
【0008】そこで、本発明の目的は、ファインピッチ
のレーザービア加工が良好に行え、耐熱性に優れると共
に、熱硬化性樹脂の含浸が好適に行えるプリプレグ用多
孔質フィルム、及びそれを用いた配線基板プリプレグを
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意研究したところ、特定の構造を有する
ポリイミド系樹脂の多孔質膜をプリプレグの補強相に使
用することにより、上記目的が達成できることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0010】即ち、本発明のプリプレグ用多孔質フィル
ムは、ポリイミド系樹脂の連続気泡多孔質膜よりなり、
裏表面が何れも平均孔径0.05μm以上であり、空孔
率が30〜98%であることを特徴とする。ここで、多
孔質膜の平均孔径及び空孔率は、実施例における測定方
法により測定される値である。
【0011】また、本発明の配線基板プリプレグは、ポ
リイミド系樹脂の連続気泡多孔質膜よりなり、裏表面が
何れも平均孔径0.05μm以上であり、空孔率が30
〜98%である多孔質フィルムと、その孔内に含浸され
た熱硬化性樹脂の半硬化物とを含むことを特徴とする。
【0012】[作用効果]本発明のプリプレグ用多孔質
フィルムによると、連続気泡多孔質膜において、裏表面
が何れも平均孔径0.05μm以上であり、空孔率が3
0〜98%であるため、実施例の結果が示すように、熱
硬化性樹脂の含浸が好適に行える。また、膜材料がポリ
イミド系樹脂であるため、耐熱性に優れ、しかも、上記
膜構造では膜材の骨格が平面内に均一であるため、ファ
インピッチのレーザービア加工が良好に行えるようにな
る。
【0013】また、本発明の配線基板プリプレグによる
と、上記の如き作用効果を有する多孔質フィルムと、そ
の孔内に含浸された熱硬化性樹脂の半硬化物とを含むた
め、ファインピッチのレーザービア加工が良好に行え、
耐熱性に優れると共に、熱硬化性樹脂の含浸状態が好適
となる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。本発明における多孔質フイルムは、ポリイ
ミド系樹脂の連続気泡多孔質膜よりなるが、ポリイミド
系樹脂としては、酸残基とアミン残基とがイミド結合し
た繰り返し単位を主体とするするものであれば、他の共
重合成分やブレンド成分を含むものでもよい。好ましく
は、耐熱性、低線膨張係数、低吸湿率の点から、主鎖に
芳香族基を有するポリイミドであり、テトラカルボン酸
成分と芳香族ジアミン成分の重合物からなるポリイミド
を挙げることができる。特に、0.55〜3.00、好
ましくは0. 60〜1.30の極限粘度(30℃での測
定値)有している高分子であることが望ましい。上記範
囲の極限粘度を有するものは、溶剤への溶解性が良好
で、しかも空孔率の大きな多孔質膜でも自立性フィルム
となる。
【0015】連続気泡多孔質膜の製法としては、湿式凝
固法、乾式凝固法、延伸法など種々の製膜法が挙げられ
るが、前述の如き膜構造を得る上で、湿式凝固法を採用
するのが好ましい。湿式凝固法では、一般的に、溶剤に
樹脂と添加剤等を溶解した製膜原液(ドープ)を調製
し、これを基材に塗布(キャスト)したものを凝固液に
浸漬して溶剤置換させることで、樹脂を凝固(ゲル化)
させ、その後、凝固液等を乾燥除去するなどして多孔質
膜を得る。
【0016】この製膜原液には、上記重合体やその前駆
体(ポリアミド酸)を用いることができるが、非プロト
ン性極性有機溶剤に溶解する重合体を製膜原液に用いる
と、前駆体を用いる場合と比較して、イミド転化の際に
生じる多孔質体の形状変化が少ないため、本発明におけ
る多孔質膜として有利である。なお、重合体としては、
完全にイミド化しているものでもよいが、イミド化率が
70%以上のものが好ましい。
【0017】ポリアミド酸を製膜原液に使用する場合、
ポリイミドと比較して溶解性が高いために、分子構造上
の制約が少ないという利点がある。このため、ポリアミ
ド酸を構成する酸成分及びアミン成分としては、下記の
ようなものが使用できる。また、熱イミド化ではカルボ
ン酸の状態でも使用できる。
【0018】酸成分であるテトラカルボン酸二無水物の
具体例としては、ピロメリット酸二無水物、3,3’,
4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無
水物、2,3,3’,4−ビフェニルテトラカルボン酸
二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン
酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボ
ン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカル
ボン酸二無水物、2,2’−ビス(3,4−ジカルボキ
シフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカル
ボキシフェニル)スルホン二無水物、ペリレン−3,
4,9,10−テトラカルボン酸二無水物、ビス(3,
4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、エチレ
ンテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸
無水物等が挙げられる。
【0019】一方、ジアミンの例としては、4,4’−
ジアミノジフェニルエーテル(DDE)、4,4’−ジ
アミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニ
ルメタン、3,3’−ジクロロベンジジン、4,4−ジ
アミノジフェニルスルフィド−3,3’−ジアミノジフ
ェニルスルホン、1,5−ジアミノナフタレン、m−フ
ェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン(PD
A)、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニルジア
ミン、ベンジジン、3,3’−ジメチルベンジジン、
3,3’−ジメトキシベンジジン、4,4’−ジアミノ
フェニルスルホン、4,4’−ジアミノフェニルスルホ
ン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,
4’−ジアミノジフェニルプロパン、2,4−ビス(β
−アミノ−第三ブチル)トルエン、ビス(p−β−アミ
ノ−第三ブチルフェニル)エーテル、ビス(p−β−メ
チル−δ−アミノフェニル)ベンゼン、ビス−p−
(1,1−ジメチル−5−アミノ−ペンチル)ベンゼ
ン、1−イソプロピル−2,4−m−フェニレンジアミ
ン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミ
ン、ジ(p−アミノシクロヘキシル)メタン、ヘキサメ
チレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチ
レンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジ
アミン、ジアミノプロピルテトラメチレン、3−メチル
ヘプタメチレンジアミン、4,4−ジメチルヘプタメチ
レンジアミン、2,11−ジアミノドデカン、1,2−
ビス−3−アミノプロポキシエタン、2,2−ジメチル
プロピレンジアミン、3−メトキシヘキサメチレンジア
ミン、2,5−ジメチルヘキサメチレンジアミン、2,
5−ジメチルヘプタメチレンジアミン、2,5−ジメチ
ルヘプタメチレンジアミン、3−メチルヘプタメチレン
ジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、2,11
−ジアミノドデカン、2,17−ジアミノエイコサデカ
ン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,10−ジア
ミノ−1,10−ジメチルデカン、1,12−ジアミノ
オクタデカン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノ
キシ)フェニル〕プロパン、ピペラジン H2 N(CH23 O(CH22 O(CH2 )NH
2 、H2 N(CH23 S(CH23 NH2 、H2
(CH23 N(CH32 (CH23 NH2 、等が
挙げられる。
【0020】ポリイミド系樹脂を製膜原液に使用する場
合、上記のモノマー成分から、非プロトン性極性溶剤に
溶解し易いものが好適に選択される。
【0021】ポリイミド系樹脂を溶解する溶剤は、溶解
する物であれば特に限定されないが、N−メチル−2−
ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−
ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プ
ロトン性極性溶剤が溶解性の面や、凝固溶剤との溶剤置
換スピードの点で好ましく使用できる。好ましい例とし
て、N−メチル−2−ピロリドンを例示することができ
る。また、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジ
エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリ
コールジブチルエーテル、トリエチレングリコールジエ
チルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジ
エトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン等の溶剤を
混合して、溶剤置換の速度を調整してもよい。
【0022】本発明におけるドープは、好ましくは−2
0〜80℃の温度範囲で塗布される。また、凝固液とし
ては用いる樹脂を溶解せずに、上記溶剤と相溶性を有す
るものであれば、限定されないが、水やメタノール、エ
タノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類及
びこれらの混合液が用いられ、特に水が好適に用いられ
る。浸漬時の凝固液の温度は特に限定されないが、好ま
しくは0〜80℃の温度である。
【0023】製膜原液のポリマー濃度は、5重量%から
25重量%の範囲が好ましく、7重量%から20重量%
がより好ましい。濃度が高すぎると、粘度が高くなりす
ぎて取り扱いが困難になるし、濃度が低すぎると多孔質
膜が形成できないからである。
【0024】孔径形状や孔径コントロールのために硝酸
リチウムのような無機物やポリビニルピロリドンのよう
な有機物を添加することもできる。添加物の濃度は溶液
中に1重量%から10重量%まで添加するのが好まし
い。硝酸リチウムを添加すると溶剤と凝固液との置換速
度が速く、スポンジ構造の中にフィンガーボイド構造
(指状にボイドを有する構造)を形成できる。ポリビニ
ルピロリドンのような凝固スピードを遅くする添加剤を
加えると、スポンジ構造が均一に広がった多孔質フィル
ムを得ることができる。
【0025】表面や内部の細孔が小さすぎると、エポキ
シの含浸性が悪いし、大きすぎると強度的に問題があ
る。したがって、裏表面が何れも平均孔径0.05μm
以上であり、好ましくは0.1〜5μmである。また、
スポンジ構造部分(内部)の細孔のサイズは0.05μ
mから10μmであればよいが、好ましくは1μmから
7μmである。フィンガーボイド構造では、ファインピ
ッチのレーザービア加工を良好に行う上で、径0. 05
μmから10μmが好ましいが、長さは最も長い場合フ
ィルム厚み程度となる。空孔率については30%から9
8%であれば含浸性に問題ないが、好ましくは50%か
ら95%である。
【0026】ポリイミドを極性溶剤に溶解した物をガラ
ス板のような無多孔の基材上に一定の厚みに塗布し、水
中に浸積して凝固させたり、水蒸気雰囲気下に放置して
凝固した後、水中に浸積するなどして、脱溶剤された多
孔質フィルムを得る。無多孔の基材としてはガラス板や
ステンレス板などの無機物の他、ポリエステルやポリエ
チレンのシートのような高分子フィルムも使用できる。
塗布面にコロナ処理などの表面処理がしてあると作業性
の面で有利である。
【0027】多孔質フィルムの厚さは特に限定されない
が、あまりフィルム厚みが厚すぎると脱溶剤に時間がか
かることなどの問題が発生する。また、最近の多層配線
基板では薄くて軽くさらに機械強度のある物が望まれる
ため、補強相(マトリックス)を形成する多孔質フィル
ム厚さとしては150μm以下から2μmが望ましい。
好ましくは90μmから5μmである。
【0028】多孔質膜を凝固液から取り出した後、乾燥
する場合には、しわの寄らないように乾燥する必要があ
る。しわができるのは、部分的に収縮率が異なるためで
ある。しわが入るとプリプレグを作るときに平滑にでき
ずプリント配線板の作成に問題となり易い。また、収縮
が場所により異なるとマトリックスの均一性も問題とな
る。そこで、乾燥はしわがよらない方法であれば特にこ
だわらないが、フィルムの両端にテンションをかけた状
態で乾燥する方法やスペーサーの上に多孔質フィルムを
のせ、片面より真空に引きながら乾燥させる方法などが
好ましい。乾燥の温度は多孔質フィルムの細孔が閉塞し
なければ特に制限されないが、取り扱いの面から200
℃以下での乾燥が望ましい。
【0029】本発明の多孔質フイルムはプリプレグ用の
補強材として適切な強度と含浸性を示し、平面方向に均
質であるためファインピッチのレーザービア微細加工を
可能とするプリント配線基板のためのプリプレグを作成
する基材としての適正を備えている。
【0030】一方、本発明の配線基板プリプレグは、以
上のような多孔質フィルムと、その孔内に含浸された熱
硬化性樹脂の半硬化物を含むものである。熱硬化性樹脂
としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド
樹脂、ポリアミド酸等が挙げられるが、エポキシ樹脂が
価格や取扱い易さの点から好ましい。熱硬化性樹脂の半
硬化物には、触媒、硬化剤、難燃剤、充填剤、可塑剤、
促進剤等を含有してもよい。
【0031】孔内に樹脂を含浸してプリプレグを得る方
法としては、溶剤で希釈した樹脂溶液を多孔質フィルム
に含浸させた後、乾燥工程(例えば120〜170℃)
で溶剤を除去しながら、樹脂をある程度反応させる方法
が挙げられる。このようにして得られたプリプレグは、
樹脂が半硬化したベタツキの少ないシートになり、これ
を熱プレスすることで、絶縁層の積層が可能となる。ま
た、プリプレグは銅箔などの導電体との積層物としても
使用され、絶縁層の表面に配線層を形成することが可能
になる。
【0032】
【実施例】以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実
施例等について説明する。なお、多孔質膜の平均孔径及
び空孔率は、次のようにして測定した。
【0033】(1)多孔質膜の平均孔径 多孔質膜の表面と裏面とについて、走査型電子顕微鏡
(SEM)を用いて、写真撮影を行い、その写真のコン
ピュータによる画像解析から平均孔径を求めた。
【0034】(2)多孔質膜の空孔率 多孔質膜の容積と重量を測定し、多孔質膜素材の密度を
用いて下式: 空孔率(%)=(多孔質膜の重量÷素材密度)/容積×
100 により、空孔率を求めた。
【0035】〔実施例1〕テトラカルボン酸成分(ブタ
ンテトラカルボン酸)と芳香族ジアミン成分(4,4’
−ジアミノジフェニルエーテル)を、N−メチル−2−
ピロリドン(NMP)中にほぼ等モル溶解して、約20
0℃以下の温度で25時間重合してポリイミド系重合体
(30℃での極限粘度0.86)の溶液を得た。この重
合体溶液に更に他の成分を添加混合し、ポリイミド系重
合体:16重量%、NMP:71重量%、ポリビニルピ
ロリドン:7重量%、水:6重量%からなる製膜原液を
得た。これを厚み30μmの厚さでガラス板の上に塗布
し、40℃の水槽に浸漬して多孔質フィルムを形成し
た。その後、1昼夜水中保存して脱溶剤を行った。
【0036】得られた多孔体は、厚み30μm、表層に
緻密層が無く、厚み方向に連続孔が形成されたスポンジ
構造となっていた。表面の平均孔径は4μm、裏面の平
均孔径は2μm、空孔率は70%であった。この多孔質
フィルムに対し、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹
脂(21wt%)、ノボラック型フェノール樹脂(9w
t%)、カルボニールジイミダゾール(0.005wt
%)、酢酸エチル(69.95wt%)よりなる熱硬化
性樹脂組成物をディッピングして含浸させたところ、良
好な含浸性が得られた。
【0037】〔比較例1〕実施例1において、樹脂濃度
と添加剤(硝酸リチウム)を変えることにより、表層に
緻密層(平均孔径0.01μm以下、空孔率は85%)
を有する多孔質フィルムを形成した。この多孔質フィル
ムに実施例1と同様の含浸処理を行ったが、緻密層から
の含浸が不十分となり、均一な含浸が行えなかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 公光 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 池田 健一 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 新谷 卓司 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 川島 敏行 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 Fターム(参考) 4F072 AA01 AA07 AB07 AB34 AD13 AD23 AD45 AG03 AG20 AJ22 AK05 AL12 AL13 4F074 AA74 CB43 CB45 CC10X CC29Y CE04 CE57 CE58 CE65 DA02 DA03 DA23 DA47 DA54

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリイミド系樹脂の連続気泡多孔質膜よ
    りなり、裏表面が何れも平均孔径0.05μm以上であ
    り、空孔率が30〜98%であるプリプレグ用多孔質フ
    ィルム。
  2. 【請求項2】 ポリイミド系樹脂の連続気泡多孔質膜よ
    りなり、裏表面が何れも平均孔径0.05μm以上であ
    り、空孔率が30〜98%である多孔質フィルムと、そ
    の孔内に含浸された熱硬化性樹脂の半硬化物とを含む配
    線基板プリプレグ。
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