JP2017511785A - 強度および抗菌性を高めたガラス、およびそれを製造する方法 - Google Patents

強度および抗菌性を高めたガラス、およびそれを製造する方法 Download PDF

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Abstract

抗菌性ガラス物品を製造する方法は、第1の表面から物品内の拡散深さまで延在する圧縮応力層を形成するために、ガラス物品中のイオン交換可能な金属イオンの一部を強化溶液槽中のイオン交換用金属イオンの一部と交換するよう、物品を強化溶液槽に浸漬する工程と、新たな第1の表面および残りの圧縮応力層を画成するために、物品の第1の表面から物品内の拡散深さより上方の第1の深さまで、圧縮応力層の一部分を除去する工程と、物品に抗菌性を付与するために、圧縮応力層中のイオン交換可能な金属イオンおよびイオン交換用金属イオンの一部を抗菌性溶液槽中の銀金属イオンの一部と交換するよう、物品を抗菌性溶液槽に浸漬する工程とを含む。

Description

関連出願への相互参照
本願は、合衆国法典第35巻第119条に基づき、2014年2月13日に出願された米国仮特許出願第61/939,322号による優先権を主張するものであり、その内容に依拠すると共に、その全体を参照して本明細書に組み込む。
本発明は、一般的に、例えば、携帯電話、ラップトップコンピュータ、ブックリーダー、携帯ビデオゲームシステム、および現金自動預入支払機等の様々な電子デバイスのタッチスクリーンを含むがそれらに限定されない様々な用途のための、強化された抗菌性ガラス物品と、それを製造する方法とに関する。
一般的に、ガラスは本質的に強い材料であるが、ガラス材料でできている物品の実際の強度値は、物品の内部および表面における傷のサイズおよび分布によってしばしば制限される。イオン交換槽を含む様々な処理を用いて、ガラス物品を「化学的に」強化することができる。イオン交換槽での処理は、例えば、物品の表面領域内に圧縮応力層を生じることによって、ガラス物品の強度を高めるために用いられ得る。例えば、イオン交換プロセスによって、製造されたままのガラス物品の表面領域内の金属イオンを、より大きい金属イオンで置き換えることができる。これらのより大きい金属イオンは局所的な応力場を生じ、それにより、有益な圧縮応力層が生じる。
同様に、イオン交換プロセスを用いて、物品の表面に特定の金属イオン(例えばAg)を注入することにより、ガラス物品内に抗菌性を付与することができる。Agイオンはガラス物品の表面における微生物と相互作用して、微生物を殺すかまたは別様で微生物の成長を阻害する。しかし、これらのAgイオンの存在、および/またはそれらをガラス物品中で置き換えるために用いられる処理は、ガラス物品の他の特性(例えば、化学的に強化されたガラス基体における圧縮応力分布)を変える場合がある。同時に、許容可能な抗菌性能を得るには、ガラス物品の表面における比較的高レベルのAgイオンが必要である。更に、Agイオン前駆体は、取得および処理する上で比較的高価な材料である。
従って、抗菌機能を有する強化されたガラス物品を効率的に製造するための、物品の他の性能属性を大きく変えない新たな処理の必要性がある。
一実施形態によれば、抗菌性ガラス物品を製造する方法が提供される。本方法は、第1の表面と複数のイオン交換可能な金属イオンとを有するガラス物品を設ける工程と、イオン交換可能な金属イオンよりサイズが大きい複数のイオン交換用金属イオンを含む強化溶液槽を設ける工程と、複数の銀イオン、複数のイオン交換可能な金属イオン、および複数のイオン交換用イオンを含む抗菌性溶液槽であって、約5重量%〜100重量%の硝酸銀濃度を有する抗菌性溶液槽を設ける工程とを含む。本方法は、更に、第1の表面からガラス物品内の拡散深さまで延在する圧縮応力層を形成するために、ガラス物品中の複数のイオン交換可能な金属イオンの一部を強化溶液槽中の複数のイオン交換用金属イオンの一部と交換するよう、ガラス物品を強化溶液槽に浸漬する工程と、新たな第1の表面および残りの圧縮応力層を画成するために、ガラス物品の第1の表面からガラス物品内の拡散深さより上方の第1の深さまで、圧縮応力層の一部分を除去する工程と、ガラス物品に抗菌性を付与するために、圧縮応力層中のイオン交換可能な金属イオンおよびイオン交換用金属イオンの一部を抗菌性溶液槽中の複数の銀イオンの一部と交換するよう、ガラス物品を抗菌性溶液槽に浸漬する工程とを含む。
別の実施形態によれば、抗菌性ガラス物品を製造する方法が提供される。本方法は、第1の表面と複数のナトリウム金属イオンとを有するガラス物品を設ける工程と、複数のカリウム金属イオンを含む強化溶液槽を設ける工程と、複数の銀イオン、複数のナトリウム金属イオン、および複数のカリウム金属イオンを含む抗菌性溶液槽であって、約5重量%〜100重量%の硝酸銀濃度を有する抗菌性溶液槽を設ける工程とを含む。本方法は、更に、第1の表面からガラス物品内の拡散深さまで延在する圧縮応力層を形成するために、ガラス物品中の複数のナトリウム金属イオンの一部を強化溶液槽中の複数のカリウム金属イオンの一部と交換するよう、ガラス物品を強化溶液槽に浸漬する工程と、新たな第1の表面および残りの圧縮応力層を画成するために、ガラス物品の第1の表面からガラス物品内の拡散深さより上方の第1の深さまで、圧縮応力層の一部分を除去する工程と、ガラス物品に抗菌性を付与するために、圧縮応力層中のナトリウム金属イオンおよびカリウム金属イオンの一方または両方の一部を抗菌性溶液槽中の複数の銀イオンの一部と交換するよう、ガラス物品を抗菌性溶液槽に浸漬する工程と含む。
一部の実施形態では、圧縮応力層の一部分を除去する工程が、ガラス物品を抗菌性溶液槽に浸漬する工程より前に行われる。他の実施形態では、ガラス物品を抗菌性溶液槽に浸漬する工程が、圧縮応力層の一部分を除去する工程より前に行われる。更に、抗菌性溶液槽は、特定の実施形態では約150℃〜約450℃の温度に保たれ、他の実施形態では約200℃〜約375℃の温度に保たれ得る。他の実施形態は、ガラス物品を抗菌性溶液槽に浸漬する工程は、少なくとも15分且つ約10時間以下にわたって行われる必要があり、一部の実施形態では、この工程は、少なくとも約15且つ約60分以下にわたって行われる。
更なる実施形態によれば、抗菌性ガラス物品が提供される。本ガラス物品は、強度を下げる欠陥を実質的に含まない第1の表面を有するガラス物品と、ガラス物品の第1の表面からガラス物品内の第1の選択された深さまで延在する圧縮応力層と、第1の表面からガラス物品内の約3μm以下の深さまで延在する、複数の銀イオンを含む抗菌性領域とを含む。ガラス物品の第1の表面は、約5重量%〜約70重量%または約20重量%〜約40重量%の範囲の銀イオン濃度を有する。
一部の実施形態では、抗菌性ガラス物品の第1の表面は、研磨処理またはエッチング処理によって形成される。
更なる特徴および長所は、以下の詳細な説明で述べられると共に、部分的にはその説明から当業者に自明であり、または、以下の詳細な説明、特許請求の範囲、および添付の図面を含む本明細書に記載される実施形態を実施することによって認識される。
上記の概要説明および以下の詳細説明は共に単に例示的なものであり、特許請求の範囲の性質および特徴の理解のための概観または枠組みを提供することを意図したものであることを理解されたい。添付の図面は更なる理解を提供するために含まれ、本明細書に組み込まれてその一部をなすものである。図面は1以上の実施形態を示しており、明細書と共に、様々な実施形態の原理および作用を説明する役割をするものである。
一実施形態による、抗菌性ガラス物品を製造する方法の模式図 別の実施形態による、抗菌性ガラス物品を製造する方法の模式図 更なる実施形態による、抗菌性ガラス物品の模式図 一実施形態による、様々なイオン交換プロセスおよび表面処理プロセスに従って処理されたガラス物品における水素の浸透のプロット 別の実施形態による、50%のAgNOおよび50%のKNO+NaNOの溶融塩槽を用いて更に処理された、強化されたガラス物品における深さの関数としてのAgイオン濃度のプロット 更なる実施形態による、KNO+NaNOを平衡させた50%、70%、および100%のAgNO溶融塩槽をそれぞれ用いて処理されたガラス物品における深さの関数としてのAgイオン濃度のプロット 更なる実施形態による、KNO+NaNOを平衡させた50%のAgNO溶融塩槽中にそれぞれ8.5分および30分浸漬させたガラス物品における深さの関数としてのAgイオン濃度のプロット 別の実施形態による、様々なイオン交換プロセスに従って処理された、酸エッチング工程を受けたおよび受けていないガラス物品のリング・オン・リング(「ROR」)試験の結果を示す箱ひげ図 更なる実施形態による、強化イオン交換槽および抗菌性イオン交換槽を用いて処理された、タッチポリッシュ表面処理工程を受けたおよび受けていないガラス物品のROR試験の結果を示す箱ひげ図 更なる実施形態による、強化交換槽および抗菌性交換槽を用いて処理された、クエン酸/重フッ化アンモニウムエッチング液でのエッチングを受けたおよび受けていないガラス物品のROR試験の結果を示すワイブルプロット 更なる実施形態による、強化交換槽および抗菌性交換槽を用いて処理された、タッチポリッシュ表面処理工程を用いたエッチングを受けたおよび受けていないガラス物品のROR試験の結果を示すワイブルプロット 更なる実施形態による、強化交換槽および抗菌性交換槽を用いて処理された、クエン酸/重フッ化アンモニウムエッチング液でのエッチングを受けたおよび受けていないガラス物品の抗菌性試験の結果を示すプロット 更なる実施形態による、強化交換槽および抗菌性交換槽を用いて処理された、エッチングまたはタッチポリッシュ表面処理工程を受けたおよび受けていないガラス物品の抗菌性試験の結果を示すプロット
以下、本発明の好ましい実施形態を詳細に参照し、それらの例が、添付の図面に示されている。可能な場合には常に、複数の図面を通して、同一または類似の部分を参照するために同一参照番号が用いられる。
本明細書では、強化された抗菌性ガラス物品を製造するための新たな方法を述べる。この方法は、一般的に、二重イオン交換プロセス(「DIOX」)を用いることを含む。一方のイオン交換工程は、ガラス物品を第1の溶融塩槽に晒すことによって、ガラス物品を強化するよう構成される。他方の工程は、ガラス物品を第2の溶融塩槽に晒すことによって、ガラス物品内に抗菌性を付与するよう構成される。
イオン交換プロセスによって強度が増強され抗菌性が付与されたガラス物品の全体的な強度に、個々におよび/または相互作用して影響を与える少なくとも3つのメカニズムがあると考えられる。第1に、製造されたままのガラス物品に存在する、およびイオン交換プロセス中に生じた、表面の傷および体積内の傷が、強度に影響し得る。第2に、イオン交換プロセスに伴うガラス物品の表面内への水素の拡散が、全体的な強度レベルに影響し得る。第3に、イオン交換プロセスによって生じる圧縮応力層も、全体的な強度レベルに影響し得る。更に、抗菌性ガラス物品内の深さの関数としての応力レベルを測定する技術の概要が、米国仮特許出願第61/835823号明細書および第61/860560号明細書に述べられており、それらを参照して本明細書に組み込む。
上記のメカニズムを考慮して、抗菌性を有し強度が高められたガラス物品を製造する方法を開発した。一部の実施形態では、抗菌性を大きく損なうことなく、プロセスにおいて用いられるAgイオン前駆体の量を最小限にすることを目的とする、上記のようなガラス物品を製造する方法が提供される。他の実施形態では、Agイオン前駆体を含有する溶液槽の寿命を増加させる、抗菌性を有し強度が高められたガラス物品を製造する方法が提供される。
図1Aを参照すると、抗菌性ガラス物品を製造する方法100が提供される。方法100では、第1の表面12および複数のイオン交換可能な金属イオンを有するガラス物品10が用いられる。図1Aに示されるように、ガラス物品10は、第1の表面12に加えて、他の外面も有する。例示的な実施形態では、ガラス物品10は、イオン交換可能な金属イオンを有するシリケート組成を有し得る。金属イオンが交換可能とは、ガラス物品10および第1の表面12を、他の金属イオンを含有する溶液槽に晒すと、ガラス物品10中の金属イオンの一部を溶液槽からの金属イオンと交換できるという意味である。1以上の実施形態では、ガラス物品10の或る領域が複数の第2の金属イオンを含むように、ガラス物品10中(特に第1の表面12)の複数の第1の金属イオンが(複数の第1の金属イオンより大きいイオン半径を有する)複数の第2の金属イオンと交換される、このイオン交換プロセスによって、圧縮応力が生じる。この領域内におけるより大きい第2の金属イオンの存在が、この領域内に圧縮応力を生じる。第1の金属イオンは、リチウム、ナトリウム、カリウム、およびルビジウム等のアルカリ金属イオンであり得る。第2の金属イオンは、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、およびセシウム等のアルカリ金属イオンであり得るが、但し、第2のアルカリ金属イオンは、第1のアルカリ金属イオンのイオン半径より大きいイオン半径を有する。
ガラス物品10は様々なガラス組成を有し得る。様々なガラス組成を用いて、強度の増強と共に抗菌性が得られるので、ガラス物品10に用いられるガラスの選択肢は特定の組成に限定されない。例えば、選択される組成は、広範囲のシリケート、ボロシリケート、アルミノシリケート、またはボロアルミノシリケートガラス組成のうちの任意のものであってよく、必要に応じて、1以上のアルカリおよび/またはアルカリ土類改質剤を含んでもよい。
説明の目的で、ガラス物品10に用いられ得る組成の1つのファミリーは、酸化アルミニウムまたは酸化ホウ素のうち少なくとも一方と、アルカリ金属酸化物またはアルカリ土類金属酸化物のうち少なくとも一方とを有し、−15モル%≦(RO+R’O−Al−ZrO)−B≦4モル%であり、RはLi、Na、K、Rb、および/またはCsであり得、R’はMg、Ca、Sr、および/またはBaであり得るものを含む。このファミリーの組成の1つのサブセットは、約62モル%〜約70モル%のSiO、0モル%〜約18モル%のAl、0モル%〜約10モル%のB、0モル%〜約15モル%のLiO、0モル%〜約20モル%のNaO、0モル%〜約18モル%のKO、0モル%〜約17モル%のMgO、0モル%〜約18モル%のCaO、および0モル%〜約5モル%のZrOを含む。このようなガラスは、米国特許出願第12/277,573号明細書により完全に記載されており、その全体を参照して、以下においてその全体が述べられているかのように本明細書に組み込む。
ガラス物品10に用いられ得る別の例示的な組成のファミリーは、少なくとも50モル%のSiOと、アルカリ金属酸化物およびアルカリ土類金属酸化物からなる群から選択された少なくとも1つの改質剤とを有し、[(Al(モル%)+B(モル%))/(Σアルカリ金属改質剤(モル%))]>1であるものを含む。このファミリーの1つのサブセットは、50モル%〜約72モル%のSiO、約9モル%〜約17モル%のAl、約2モル%〜約12モル%のB、約8モル%〜約16モル%のNaO、および0モル%〜約4モル%のKOを含む。このようなガラスは、米国特許出願第12/858,490号明細書により完全に記載されており、その全体を参照して、以下においてその全体が述べられているかのように本明細書に組み込む。
ガラス物品10に用いられ得る更に別の例示的な組成のファミリーは、SiO、Al、P、および少なくとも1つのアルカリ金属酸化物(RO)を有し、0.75≦[(P(モル%)+RO(モル%))/M(モル%)]≦1.2であり、M=Al+Bであるものを含む。このファミリーの組成の1つのサブセットは、約40モル%〜約70モル%のSiO、0モル%〜約28モル%のB、0モル%〜約28モル%のAl、約1モル%〜約14モル%のP、および約12モル%〜約16モル%のROを含む。このファミリーの組成の別のサブセットは、約40〜約64モル%のSiO、0モル%〜約8モル%のB、約16モル%〜約28モル%のAl、約2モル%〜約12モル%のP、および約12モル%〜約16モル%のROを含む。このようなガラスは、米国特許出願第13/305,271号明細書により完全に記載されており、その全体を参照して、以下においてその全体が述べられているかのように本明細書に組み込む。
ガラス物品10に用いられ得る更に別の例示的な組成のファミリーは、少なくとも約4モル%のPを有し、(M(モル%)/RO(モル%))<1であり、M=Al+Bであり、ROはガラス中に存在する一価および二価の陽イオン酸化物の合計であるものを含む。一価および二価の陽イオン酸化物は、LiO、NaO、KO、RbO、CsO、MgO、CaO、SrO、BaO、およびZnOからなる群から選択され得る。このファミリーの組成の1つのサブセットは、0モル%のBを有するガラスを含む。このようなガラスは、米国仮特許出願第61/560,434号明細書により完全に記載されており、その内容の全体を参照して、以下においてその全体が述べられているかのように本明細書に組み込む。
ガラス物品10に用いられ得る更に別の例示的な組成のファミリーは、Al、B、アルカリ金属酸化物を有し、三配位のホウ素陽イオンを含むものを含む。これらのガラスがイオン交換された際には、少なくとも約30キログラム重(kgf)のビッカースクラック開始閾値を有し得る。このファミリーの組成の1つのサブセットは、少なくとも約50モル%のSiOと、ROがNaOを含む少なくとも約10モル%ROと、−0.5モル%≦Al(モル%)−RO(モル%)≦2モル%であるAlと、B(モル%)−(RO(モル%)−Al(モル%))≧4.5モル%であるBとを含む。このファミリーの組成の別のサブセットは、少なくとも約50モル%のSiO、約9モル%〜約22モル%のAl、約4.5モル%〜約10モル%のB、約10モル%〜約20モル%のNaO、0モル%〜約5モル%のKO、0≦MgO+ZnO≦6モル%である少なくとも約0.1モル%のMgOおよび/またはZnO、並びに、必要に応じて、0モル%≦CaO+SrO+BaO≦2モル%であるCaO、BaO、およびSrOのうち少なくとも1つを含む。このようなガラスは、米国仮特許出願第61/653,485号明細書により完全に記載されており、その内容の全体を参照して、以下においてその全体が述べられているかのように本明細書に組み込む。
ガラス物品10は、ガラス基体を含む様々な物理的形態を取り得る。即ち、断面を見ると、ガラス物品10は、基体として構成された場合には、平坦または平面状であってもよく、または、湾曲および/もしくは鋭く屈曲していてもよい。同様に、ガラス物品10は、単一の一体の物体、多層構造、または積層体であってもよい。
また、ガラス物品10は、その表面に配設された機能層等の層と組み合わされてもよい。例えば、層は、反射防止コーティング、防眩コーティング、指紋防止コーティング、汚れ防止コーティング、呈色組成物、環境的バリアコーティング、または導電性コーティングを含み得る。
再び図1Aを参照すると、抗菌性ガラス物品を製造する方法100は、容器14内に収容された強化溶液槽20を用いる。強化溶液槽20は複数のイオン交換用金属イオンを含有する。例えば、一部の実施形態では、溶液槽20は、ガラス物品10中に含まれるナトリウム等のイオン交換可能なイオンよりサイズが大きい複数のカリウムイオンを含有し得る。溶液槽20に含有されるこれらのイオン交換用イオンは、物品10が溶液槽20に浸漬された際に、ガラス物品10中のイオン交換可能なイオンと優先的に交換される。他の実施形態では、強化溶液槽20は、ガラス物品10の処理中にKNOが溶解した状態に保たれることを確実にする温度まで十分に加熱された、当業者には理解される添加剤を含んだ100%に近い濃度の、または100%の濃度の溶解したKNO溶液槽を含む。強化溶液槽は、KNOとNaNOおよびLiNOの一方または両方との組合せも含み得る。
引き続き図1Aを参照すると、図1Aに示されている抗菌性ガラス物品を製造する方法100は、ガラス物品10を強化溶液槽20に浸漬する工程120を含む。溶液槽20に浸漬されると、ガラス物品10中の複数のイオン交換可能なイオン(例えば、Naイオン)の一部が、強化溶液槽20に含有される複数のイオン交換用イオン(例えば、Kイオン)の一部と交換される。一部の実施形態によれば、浸漬工程120は、溶液槽20の組成、溶液槽20の温度、ガラス物品10の組成、および/またはガラス物品10中の所望のイオン交換用イオン濃度に基づく所定の時間にわたって行われる。
浸漬工程120の完了後、第1の表面12を含むガラス物品10の表面に残っている溶液槽20からの材料を除去するために、洗浄工程130が行われる。洗浄工程130では、ガラス物品10の表面にある溶液槽20からの材料を除去するために、例えば、脱イオン水が用いられ得る。ガラス物品10の表面を洗浄するために、他の溶剤が用いられてもよいが、但し、溶剤は、溶液槽20からの材料および/またはガラス物品10のガラス組成とのいかなる反応も回避するよう選択される。
溶液槽20からのイオン交換用イオンが、元々ガラス物品10中にあったイオン交換可能なイオンと引き換えにガラス物品10中に分布すると、ガラス物品10内に圧縮応力層24が生じる。圧縮応力層24は、第1の表面12からガラス物品10内の拡散深さ22まで延在する。浸漬工程120後およびクリーニング工程130後、強化溶液槽20からのイオン交換用イオン(例えば、Kイオン)の感知できる濃度は、圧縮応力層24中に存在するのが一般的である。これらのイオン交換用イオンは、イオン交換可能なイオン(例えば、Naイオン)より大きいのが一般的であり、それによって、ガラス物品10内の層24内の圧縮応力レベルを高める。更に、圧縮応力層24および拡散深さ22と関連づけられた圧縮応力(CS)の量は、ガラス物品10の意図される用途に基づいて(例えば浸漬工程120の条件によって)それぞれ変化させることができる。一部の実施形態では、圧縮応力層24内のCSレベルおよび拡散深さ22は、圧縮応力層24によってガラス物品10内に生じる引張応力が、ガラス物品10を壊れやすくするほど過剰にならないよう制御される。一部の実施形態では、層24内のCSレベルは約200MPa以上であり得る。例えば、層24内のCSレベルは高々約700MPa、約800MPa、約900MPa、または約1000MPaであり得る。イオン交換用イオンの拡散深さ、およびそれに従って層24は、しばしば層の深さ(DOL)と称され、約15μm以上であり得る。一部の例では、DOLは、約15μm〜約50μm、約20μm〜約45μm、または約30μm〜約40μmの範囲内であり得る。
再び図1Aを参照すると、抗菌性ガラス物品を製造する方法100は、新たな第1の表面12aを画成するために、ガラス物品10の第1の表面12から拡散深さ22より上方の第1の深さ32まで、圧縮応力層24の一部分24aを除去する工程140を更に含む。即ち、除去工程140は、ガラス物品10に新たな表面12aが形成されるよう、第1の深さ32まで、圧縮応力層24から材料を除去する。更に、圧縮応力層24から一部分24aを除去する除去工程140は、ガラス物品10内に、新たな表面12aおよび拡散深さ22によって画成される残りの圧縮応力層24bを実際上生じる。
方法100の一部の実施形態では、除去工程140は、第1の表面12から約0.5μm〜約2μmの第1の深さ32まで、ガラス物品10から材料が除去されるよう制御される。方法100の他の実施形態では、除去工程140は、第1の表面12から約0.1μm〜約2μmの第1の深さ32まで、ガラス物品10から材料が除去されるよう制御される。除去工程140は、約0.2μm、0.3μm、0.4μm、0.5μm、0.6μm、0.7μm、0.8μm、0.9μm、1μm、1.1μm、1.2μm、1.3μm、1.4μm、1.5μm、1.6μm、1.7μm、1.8μm、1.9μm、または2μmの第1の深さ32まで、ガラス物品10から材料が除去されるよう制御されてもよい。
除去工程140においては、タッチポリッシュ、酸エッチング、および他のタイプの材料除去処理を含むがそれらに限定されない様々な処理を用いることができる。当業者には理解されるように、光学的透明度を損なわずにガラスの表面の傷および体積内の傷を除去するよう構成された、他の材料除去処理が用いられてもよい。
一部の実施形態では、除去工程140は、ガラス物品10の製造によって圧縮応力層24内に以前から存在する表面の傷および体積内の傷、並びに/または、浸漬工程120中にガラス物品10に生じた表面の傷および体積内の傷を除去する。他の実施形態では、除去工程140は、浸漬工程120中に圧縮応力層24内に拡散した水素を除去および/または軽減できる。従って、除去工程140は、浸漬工程120によって得られる強度の増強よりも更に、ガラス物品10の全体的な強度を高める役割をする。
再び図1Aを参照すると、抗菌性ガラス物品を製造する方法100は、更に、容器34に収容された、抗菌効果を与えることができる複数の金属イオンを有する抗菌性溶液槽40を用いる。一部の実施形態では、抗菌性溶液槽40は、それぞれが抗菌効果を与えることができる複数の銀イオンと、製造されたままのガラス物品10中に存在するものと一致する複数のイオン交換可能な金属イオンと、強化溶液槽20中に存在するものと一致する複数のイオン交換用イオンとを含む。例示的な実施形態によれば、溶液槽40は、約5重量%〜100重量%の溶液槽濃度を有する溶解したAgNOに由来する複数の銀イオンを有し得る。別の例示的な実施形態によれば、溶液槽40は、約5重量%〜約50重量%の溶液槽濃度の溶解したAgNOに由来する複数の銀イオンを有する。更なる実施形態では、抗菌性溶液槽40は、溶解したKNOおよびNaNOを平衡させた約5重量%〜約50重量%の溶解したAgNOを含む。更なる実施形態では、溶液槽40は、溶解したKNOおよびNaNOを平衡させた約5重量%〜100重量%までの溶解したAgNOを有する。抗菌性溶液槽40は、50重量%のAgNOおよび50重量%のKNO+NaNOの溶解した混合物を含んでもよい。
一部の実施形態によれば、抗菌性溶液槽40は、約150℃〜約450℃の範囲の温度に設定され得る。抗菌性溶液槽40が約5重量%〜約50重量%の溶液槽濃度の溶解したAgNOを含む場合には、溶液槽40は、約200℃〜約375℃の範囲の温度に設定されるのが好ましい。抗菌性ガラス物品を製造する方法100の一部の実施形態では、抗菌性溶液槽40は、約150℃〜約275℃の範囲の温度に設定され、(等しい濃度であり得る)溶解したKNOおよびNaNOを平衡させた5重量%〜100重量%までの溶解したAgNOを含む。方法100の他の実施形態では、抗菌性溶液槽40は、約300℃〜約375℃の範囲の温度に設定され、(等しい濃度であり得る)溶解したKNOおよびNaNOを平衡させた5〜約50重量%の溶解したAgNOを含む。
更に図1Aを参照すると、抗菌性ガラス物品を製造する方法100は、ガラス物品10内に抗菌性を付与するために、残りの圧縮応力層24b中のイオン交換可能なイオン(例えば、Naイオン)およびイオン交換用金属イオン(例えば、Kイオン)の一部を、抗菌性溶液槽40中の複数の銀金属イオンの一部と交換するよう、ガラス物品10を抗菌性溶液槽40に浸漬する工程160を更に含む。溶液槽40中のKNOおよび/またはNaNO要素の存在は、浸漬工程160中に、ガラス物品10内の残りの圧縮応力層24bから、強度を高めるKイオンのかなりの量が除去されるのを防止するのを補助する。
方法100の一部の実施形態では、ガラス物品10を抗菌性溶液槽40に浸漬する工程160は、所望の抗菌性を得るために、抗菌性を付与するイオン(例えば、Agイオン)をガラス物品10に付与するのに十分な、少なくとも約15分の持続時間になるよう制御される。一部の実施形態によれば、工程160において、ガラス物品10の新たな第1の表面12a内に、Agイオンが約5重量%〜約70重量%(AgOの重量%)の濃度で付与され、他の実施形態では約5重量%〜約40重量%の濃度で付与される。更なる実施形態では、ガラス物品10の新たな第1の表面12a内に、Agイオンが約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、または40%の濃度で付与される。工程160の持続時間は、溶液槽40の組成および温度、ガラス物品10の組成、並びに残りの圧縮層24bと関連づけられた所望の抗菌性に基づいて制御される。一部の実施形態では、工程160の持続時間は、約15分(例えば、約20分以上、約25分以上、約30分以上、または約35分以上)〜約10時間の範囲で制御される。他の実施形態では、工程160の持続時間は約15分〜約60分である。方法100の幾つかの更なる実施形態では、工程160は、約25分〜約35分の持続時間になるよう制御される。
浸漬工程160の完了後、第1の表面12を含むガラス物品10の表面に残っている溶液槽40からの材料を除去するために、洗浄工程170が行われる。洗浄工程170においては、ガラス物品10の表面にある溶液槽40からの材料を除去するために、例えば脱イオン水が用いられ得る。ガラス物品10の表面を洗浄するために、他の溶剤が用いられてもよいが、但し、溶剤は、溶液槽40からの材料および/またはガラス物品10のガラス組成とのいかなる反応も回避するよう選択される。
図1Aに示されている抗菌性ガラス物品を製造する方法100は、後続の工程におけるAgイオンが導入される前に材料除去工程(例えば、除去工程140)が用いられるという意味で有利であり得る。従って、浸漬工程160においてガラス物品10に組み込まれるAgイオンは、除去工程140の影響を受けないので、物品に組み込まれたAg材料が保存される。方法100の一部の実施形態では、浸漬工程160は、Agイオンが、第1の表面12aにおいて高濃度のAgイオン(例えば、AgOの重量%で20〜40%)を示す濃度プロファイルで、ガラス物品10に1μm(または一部のケースでは2μm)の深さまで付与されることを確実にするよう構成される。
図1Bを参照すると、抗菌性ガラス物品を製造する別の方法200が提供される。方法200は多くの点で上述の方法100と類似しており、一部のケースでは、同一番号の要素が用いられている。以下、特に明記しない限り、図1Bおよび以下の議論における類似の番号の要素は、図1Aに示されている方法100に関して先に述べたものと同じ構造および/または機能を有する。方法200では、第1の表面12と複数のイオン交換可能な金属イオンとを有するガラス物品10が設けられる。図1Bに示されるように、ガラス物品10は、第1の表面12に加えて、他の外面も有する。
引き続き図1Bを参照すると、方法200は、ガラス物品10を強化溶液槽20に浸漬する工程220を含む。溶液槽20に浸漬されると、ガラス物品10中の複数のイオン交換可能なイオン(例えば、Naイオン)の一部が、強化溶液槽20に含有される複数のイオン交換用イオン(例えば、Kイオン)の一部と交換される。方法200において、ガラス物品10を浸漬する工程220は、方法100において用いられる工程120と略同じである。
浸漬工程220の完了後、第1の表面12を含むガラス物品10の表面に残っている溶液槽20からの材料を除去するために、洗浄工程230が行われる。方法200において、ガラス物品10を洗浄する工程230は、方法100において用いられる工程130と略同じである。
再び図1Bを参照すると、抗菌性ガラス物品を製造する方法200は、ガラス物品10に抗菌性を付与するために、圧縮応力層24中のイオン交換可能なイオン(例えば、Naイオン)およびイオン交換用金属イオン(例えば、Kイオン)の一部を抗菌性溶液槽40中の複数の銀金属イオンの一部と交換するよう、ガラス物品10を抗菌性溶液槽40に浸漬する工程240を更に含む。溶液槽40中のKNOおよびNaNO要素の存在は、浸漬工程240中に、ガラス物品10内の残りの圧縮応力層24bから、強度を高めるKイオンのかなりの量が除去されるのを防止するのを補助する。
方法200の一部の実施形態では、ガラス物品10を抗菌性溶液槽40に浸漬する工程240は、所望の抗菌性を得るために、抗菌性を付与するイオン(例えば、Agイオン)をガラス物品10に付与するのに十分な、少なくとも約15分の持続時間になるよう制御される。工程240の持続時間は、溶液槽40の組成および温度、ガラス物品10の組成、並びに(工程260bで生成される)残りの圧縮層24bと関連づけられた所望の抗菌性に基づいて制御される。
方法100とは対照的に、図1Bに示されている方法200は、浸漬工程220と浸漬工程240との間にある材料除去工程には典型的には依存しない。方法200においては、工程240の前および最中には材料除去処理が行われないので、ガラス物品10に抗菌性を付与する金属イオン(例えば、Ag)の十分な拡散深さを確実にするために、工程240の持続時間を(方法100の工程160で用いられる持続時間と比較して)より長い持続時間になるよう調節することができる。後続の材料除去処理(例えば、除去工程260b)中にこれらの金属イオンの一部が除去され得ることを考えると、より長い持続時間が必要となり得る。一部の実施形態では、ガラス物品10中で交換される溶液槽40中の金属イオンの拡散深さが、物品に抗菌性を付与する目的のために十分になったことを確実にするために、工程240において、抗菌性溶液槽40は、(方法100の浸漬工程160で用いられる溶液槽40と比較して)より高い温度(例えば、200℃〜400℃)に設定される。具体的には、これらの拡散深さは、浸漬工程220および240の後に行われる後続の材料除去処理(例えば、材料を除去する工程260b)に対応するために、十分に深くなければならない。従って、幾つかの他の実施形態では、工程240において、抗菌性溶液槽40は、300℃〜400℃の温度に設定される。更に、工程240の持続時間は、約15分(例えば、約20分以上、約25分以上、約30分以上、または約35分以上)〜約10時間の範囲で制御され得る。他の実施形態では、工程240の持続時間は約15分〜約90分である。方法200の幾つかの更なる実施形態では、工程240は、約15分〜約25分の持続時間になるよう制御される。
一部の実施形態によれば、工程240において、ガラス物品10の第1の表面12内に、Agイオンが約5重量%〜約70重量%(AgOの重量%)の濃度で付与され、他の実施形態では約5重量%〜約40重量%の濃度で付与される。更なる実施形態では、ガラス物品10の第1の表面12内に、Agイオンが約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、または40%の濃度で付与される。後続の材料除去処理(以下の260bの記載を参照)を考えると、(ガラス物品1の第1の表面12から測定された)3μmに到達し得る(一部のケースでは3μmを超え得る)深さにおいて、比較的高いAg濃度が有利であり得、第1の表面12におけるAgイオンの濃度はAgOの重量で約20重量%〜約40重量%の範囲である。方法200の上記の実施形態で用いられるAgイオンの量は、方法100の一部の実施形態での量と比較すると、より高くなり得る(従って、製造コストがより高くなり得る)が、より大きな深さにおいてAgイオンを用いることの1つの長所は、得られるガラス物品が下流の基体処理工程(例えば、熱処理、機能層の配設等)の影響を受けにくくできることである。例えば、ガラス物品10のより大きな深さにおいてAgイオンを有することにより、周囲温度を超える温度(例えば、180℃以上)での物品10の後続の下流の処理によって生じ得るAgイオンの拡散の影響を小さくすることができる。
方法200(図1Bを参照)における浸漬工程240の完了後、第1の表面12を含むガラス物品10の表面に残っている溶液槽40からの材料を除去するために、洗浄工程260aが行われる。洗浄工程260aにおいては、ガラス物品10の表面にある溶液槽40からの材料を除去するために、例えば脱イオン水が用いられ得る。ガラス物品10の表面を洗浄するために、他の溶剤が用いられてもよいが、但し、溶剤は、溶液槽40からの材料および/またはガラス物品10のガラス組成とのいかなる反応も回避するよう選択される。
再び図1Bを参照すると、抗菌性ガラス物品を製造する方法200は、圧縮応力層24の一部分24aを除去する除去工程260bを更に含む。即ち、工程260bにおいて、ガラス物品10の第1の表面12から拡散深さ22より上方の第1の深さ32まで材料が除去され、これにより、新たな第1の表面12aが画成される。従って、除去工程260b(図1Aに関して説明した方法100の除去工程140に相当)は、ガラス物品10に新たな表面12aが形成されるように、圧縮応力層24から第1の深さ32まで材料を除去する。更に、圧縮応力層24から一部分24aを除去する除去工程260bは、ガラス物品10内に、新たな表面12aおよび拡散深さ22によって画成される残りの圧縮応力層24bを実際上生じる。
方法200の一部の実施形態では、除去工程260bは、第1の表面12から約0.5μm〜約2μmの第1の深さ32まで、ガラス物品10から材料が除去されるよう制御される。方法200の他の実施形態では、除去工程260bは、第1の表面12から約0.1μm〜約2μmの第1の深さ32までガラス物品10から材料が除去されるよう制御される。除去工程260bは、約0.2μm、0.3μm、0.4μm、0.5μm、0.6μm、0.7μm、0.8μm、0.9μm、1μm、1.1μm、1.2μm、1.3μm、1.4μm、1.5μm、1.6μm、1.7μm、1.8μm、1.9μm、または2μmの第1の深さ32まで、ガラス物品10から材料が除去されるよう制御されてもよい。
除去工程260においては、タッチポリッシュ、酸エッチング、および他のタイプの材料除去処理を含むがそれらに限定されない様々な処理を用いることができる。当業者には理解されるように、光学的透明度を損なわずにガラスの表面の傷および体積内の傷を除去するよう構成された、他の材料除去処理が用いられてもよい。
一部の実施形態では、除去工程260bは、ガラス物品10の製造によって圧縮応力層24に以前から存在する表面の傷および体積内の傷、並びに/または、浸漬工程240中にガラス物品10に生じた表面の傷および体積内の傷を除去する。他の実施形態では、除去工程260bは、浸漬工程240中に圧縮応力層24内に拡散した水素を除去および/または軽減できる。一般的に、除去工程260bは、ガラス物品10の強度を高めるために、圧縮応力層24内の傷および拡散された水素を除去するのに十分な第1の深さ32になるよう制御される。同時に、除去工程260bは、抗菌性を生じさせるために浸漬工程240において付与された、交換されたイオン(例えば、Agイオン)の除去を最小限にするよう行われる。従って、浸漬工程240において、後で除去工程260bにおいて除去される深さより下方の拡散深さまで、抗菌性を得るのに十分なレベルの交換されたイオンがガラス物品10に付与されることを確実にすることが重要である。このように、除去工程260bは、浸漬工程220によって得られる強度の増強よりも更に、ガラス物品10の全体的な強度を高める役割をする。
方法200の一部の実施形態では、浸漬工程240の前に除去工程260bの一部を行い、浸漬工程240の完了後に除去工程260bの残りの部分を終えることも可能である。従って、この場合、方法200は、浸漬工程240の前および後に行われる除去工程260bの一部を含む。除去工程260bを二段階に分けることの1つの長所は、最終的な抗菌性ガラス物品における抗菌性の有効性および機械的特性の両方を最大限にするために、特に下流の処理条件を考慮して、処理の更なる柔軟性を可能にすることである。例えば、材料除去工程260bの一部が浸漬工程240より前に行われる場合には、浸漬工程240において付与される抗菌剤の拡散深さがより深いことが必要であり得る。
方法100、200によれば、工程160、240によってガラス物品10内に得られる抗菌性の活性および有効性をかなり高くすることができる。抗菌性の活性および有効性は、「抗菌加工製品−抗菌性試験方法・抗菌効果」という名称の日本工業規格JIS Z2801(2000)に従って測定でき、その内容の全体を参照して、以下においてその全体が述べられているかのように本明細書に組み込む。この試験の「湿った」条件下(即ち、約37℃で、90%を超える湿度で、約24時間)では、本明細書に記載される方法で製造された抗菌性ガラス物品は、少なくとも黄色ブドウ球菌、エンテロバクター・アエロゲネス、および緑膿菌の濃度の少なくとも10−5の低減(即ち、対数低減値>約5)(即ち、99.999%の殺菌率)を示すことができると考えられる。他の実施形態によれば、本明細書に記載される方法100、200に従って製造されたガラス物品10は、米国仮特許出願第61/908,401号明細書(その全体を参照して、以下においてその全体が述べられているかのように本明細書に組み込む)に記載されている手順に従って試験した場合、少なくとも黄色ブドウ球菌、エンテロバクター・アエロゲネス、および緑膿菌の濃度の少なくとも10−2の低減(即ち、対数低減値>約2)(即ち、99%の殺菌率)を示すことができる。
JIS Z2801の試験条件が、本明細書に記載される抗菌性ガラス物品10の実際の使用条件を反映しない状況では(例えば、ガラス物品が電子デバイス等において用いられる場合には)、抗菌性の活性および有効性は、「より乾いた」条件を用いて測定できる。例えば、ガラス物品は、約23〜約37℃で、約38〜42%の湿度で、約24時間にわたって試験され得る。具体的には、各試料に特定の体積の特定の接種組成物が接種され、接種された試料に、既知の表面積における均一な広がりを確実にするために無菌のカバースリップが施された、5個の対照試料および5個の試験試料が用いられ得る。カバーされた試料は上述の条件下でインキュベートされ、約6〜約24時間にわたって乾燥され、緩衝液ですすがれ、寒天平板上での培養によって数を数えられ得る(最後の2つの工程はJIS Z2801試験で用いられる手順と同様である)。この試験を用いた場合、本明細書に記載される方法100、200に従って製造された抗菌性ガラス物品10は、少なくとも黄色ブドウ球菌の濃度の少なくとも10−1の低減(即ち、対数低減値>約1)(即ち、90%の殺菌率)、並びに、少なくともエンテロバクター・アエロゲネスおよび緑膿菌の濃度の少なくとも10−2の低減(即ち、対数低減値>約2)(即ち、99.99の殺菌率)を示すことができると考えられる。他の実装例では、本明細書に記載される抗菌性ガラス物品10は、上記の試験条件下に晒された任意の細菌の濃度の少なくとも10−3の低減(即ち、対数低減値>約3)を示すことができると考えられる。
より一般的には、本明細書に記載される方法100、200に従って製造されたガラス物品10は、コーニング社の「Gorilla」(登録商標)ガラスが示す強度と一致する、またはより高い増強された強度レベルと共に、非常に優れた抗菌性を有する。また、これらのガラス物品10は、抗菌性溶液槽40の比較的低い温度を所与として工程160、240において物品10に付与されるAgイオンの浅いレベルに起因して、方法100、200に従って比較的低コストで製造される。特に、Ag前駆体として、溶解したAgNO塩が用いられる場合、溶液槽40の比較的低い温度のもう一つの利点は、AgNOの分解の程度が低減されることによって、溶液槽40の寿命の増加が期待されることである。方法100、200に従って製造されるガラス物品10の更なる長所は、物品の表面に含まれるAgイオンの量が低いため、従来の抗菌性ガラスと比較して光学特性が改善されることである。
図2に示されるように、更なる実施形態による抗菌性ガラス物品310が提供される。ガラス物品310は、強度を下げる欠陥を実質的に含まない第1の表面312を有する。一部の実施形態では、第1の表面312は、二次イオン質量分析法(SIMS)によって測定された際、水素を実質的に含まない。他の実施形態では、ガラス物品310の第1の表面312と約0.5μmの深さとの間の表面領域は、水素の浸透を実質的に含まない。本明細書で用いる「水素の浸透を実質的に含まない」という表現は、SIMS技術によって測定された際の約1000カウント/秒以下の水素の浸透を含む。より具体的な実施形態では、第1の表面312から約0.1μm〜約0.5μmの深さの表面領域は、水素の浸透を実質的に含まない。更に、ガラス物品310は、ガラス物品310の第1の表面312から第1の選択された深さ314まで延在する圧縮応力層324を含む。
また、ガラス物品310は、第1の表面312から抗菌性深さ316まで延在する、複数の銀イオンを含む抗菌性領域334を含む。ガラス物品310の第1の表面312は、約5重量%〜約70重量%の範囲の銀イオン濃度を有する。他の実施形態では、第1の表面312は、約5重量%〜約40重量%の範囲の銀イオン濃度を有する。幾つかの例示的な実施形態では、ガラス物品310内の抗菌性深さ316は、約3μm以下、約2μm以下、または約1μm以下に設定される。更なる実施形態では、抗菌性深さ316は、約0.1μm〜約3μmに設定される。なお、一部の実施形態では、ガラス物品310中に、1以上のAgイオンが、抗菌性深さ316より下方の深さ(抗菌性領域334の外側)まで、容易に測定できない抗菌性レベルで、および/または物品310の抗菌性の有効性に対して実質的に寄与するものとして存在し得ることを理解されたい。一部の実施形態では、ガラス物品310内において抗菌性深さ316より深い深さまで存在し、残りの抗菌性深さまで延在するそのような任意のAgイオンは、物品310の抗菌性の有効性に寄与し得る残りの抗菌性領域を画成する。残りの抗菌性深さは、物品310の厚さ全体にわたって延在する場合もあり得る。
抗菌性ガラス物品310は、上記で概要を述べた方法100、200に従って製造され得る。また、抗菌性ガラス物品310は、上記で概要を述べた方法100、200に沿った、部分的に変更された手順に従って製造されてもよい。抗菌性ガラス物品310の一部の実施形態では、第1の表面312は、例えば、タッチポリッシュまたは酸エッチング処理等の材料除去処理によって形成される。別の実施形態では、第1の表面312は、タッチポリッシュまたは酸エッチング表面処理プロセスによる約0.1μm〜約2μmの除去と一致する表面形態によって特徴づけられる。別の実施形態によれば、圧縮層324は、より小さいイオン交換可能なイオン(例えば、Naイオン)を含有するガラス物品310内において交換および/または付与された複数の金属イオン(例えば、Kイオン)を含有する。更に、抗菌性ガラス物品310を、第1の表面312が約20重量%〜約40重量%の範囲の濃度のAgイオンを含有するように構成することも可能である。第1の表面312は、約30重量%〜約40重量%の範囲の濃度のAgイオンを含有するのが好ましい。
図3を参照すると、本開示の一実施形態による、様々なイオン交換プロセスおよび表面処理プロセスに従って処理されたガラス物品における水素の浸透が示されている。図3に示されている結果を生じるために用いられたガラス物品は、コーニング・インコーポレイテッド社によって供給されたものであり、約0.7mmの厚さを有した。これらのガラス物品は、7モル%〜26モル%のAl、0モル%〜9モル%のB、11モル%〜25モル%のNaO、0モル%〜2.5モル%のKO、0モル%〜8.5モル%のMgO、および0モル%〜1.5モル%のCaOを含むアルミノシリケートガラス組成を有した。SIMSによって、深さ(単位はμm)に対するカウント/秒として得られた水素の浸透のデータが、図3にプロットされている。データセット「A」は、KNOを有する強化溶液槽のみに浸漬された(例えば、図1Aに示されている工程120)ガラス物品に対応する。データセット「B」は、「A」セットに相当する方法で処理された後、工程140(図1A参照)に相当する材料除去工程を受けたガラス物品に対応する。データセット「C」は、「B」セットに従って処理され、更に、工程160(図1A参照)に相当する抗菌性溶液槽に浸漬されたガラス物品に対応する。最後に、データセット「D」は、強化溶液槽に浸漬された後、抗菌性溶液槽に浸漬され、材料除去工程は受けていないガラス物品に対応する。
図3に示されているように、水素の浸透および拡散レベルは、約7μmの深さまでは、「A」および「D」のセットにおいて最も高く、強化溶液槽および抗菌性溶液槽での浸漬工程120および160において導入された水素に関連付けられると推定される。一方、「B」および「C」の試料の処理においては、強化溶液槽での浸漬後、および抗菌性溶液槽での浸漬後に、材料除去工程が実行された。具体的には、「B」および「C」のセットのガラス物品では、表面における水素拡散レベルは低減された。事実上、材料除去工程140は、比較的高い濃度レベルの水素を含有する基体の表面(例えば、表面から数マイクロメートル)を除去する際に、「A」および「D」のセットと関連づけられた曲線の一部を「切り取る」ことができる。
図4を参照すると、別の実施形態による、50%のAgNOおよび50%のKNO+NaNOの溶融塩槽を用いて250℃で30分にわたって更に処理された(即ち、「A」のデータセット)、強化されたガラス物品におけるAgイオン濃度(AgOの重量%)が、深さ(単位はnm)の関数としてプロットされている。図4に示されているデータを生じるために用いられたガラス物品の組成および厚さは、図3と関連づけられた試験で用いられた物品の組成および厚さと同じである。図4に示されているAgイオン濃度レベルデータは、SIMS試験から得られたものである。図4に示されているように、比較的低い温度の抗菌性溶液槽での浸漬工程(例えば、図1Aおよび図1Bに示されている工程160および240を参照)を用いて、ガラス物品(例えば、ガラス物品10)の表面付近においては35%に近いAgイオン濃度を生じ、感知できるAgレベルを1000nmに近い(約1μm)深さまで生じることができる。
図5には、別の実験の結果が示されており、更なる実施形態による、KNO+NaNOを平衡させた50%、70%、および100%のAgNO溶融塩槽を用いて250℃の温度で30分にわたって処理された(即ち、「A」、「B」および「C」のデータセット)ガラス物品(例えば、ガラス物品10)における、深さ(単位はμm)の関数としてのAgイオン濃度を示している。図5に示されているデータを生じるために用いられたガラス物品の組成および厚さは、図4と関連づけられた試験で用いられた物品の組成および厚さと同じである。更に、図5に示されている結果は、Agイオン濃度がガラス物品の表面付近においては35%に近く、感知できるAgレベルが1000nmに近いおよび超える(約1μm)深さまで得られる限りにおいて、図4に示されている結果に相当する。このデータは、100%のAgNO溶融塩槽を用いた場合に、ガラス物品の表面において得られるAgイオンの閾値濃度は40%であることも示している。よって、抗菌性溶液槽中のAgの濃度を大幅に増加させても、ガラス物品の表面において得られるAgイオン濃度には、わずかな影響を与えるのみである。従って、ガラス物品の表面において有意なAgイオン濃度を得るために必要なのは、僅か50%以下のAgNOを含有する抗菌性溶液槽である。
更なる実施形態による、KNO+NaNOを平衡させた50%のAgNO溶融塩槽に浸漬されたガラス物品(例えば、ガラス物品10)の深さ(単位はμm)の関数としてのAgイオン濃度のプロットが、図6に示されている。この実験では、50%のAgNO溶液槽は250℃の温度に設定され、データセット「A」および「B」についてそれぞれ8.5分および30分にわたって浸漬工程が行われた。図6に示されているデータを生じるために用いられたガラス物品の組成および厚さは、図5と関連づけられた試験で用いられた物品の組成および厚さと同じである。ここで、データは、Agイオンの拡散深さは浸漬の持続時間にはかなり影響されるが、表面濃度はそれほど影響されないことを示している。具体的には、両方のデータセットについて、これらのガラス物品の表面におけるAgイオン濃度レベルは30%を超えたが、「A」および「B」のデータセットについての拡散深さはそれぞれ約0.5μmおよび1.0μmであった。
図7を参照すると、別の実施形態による、様々なイオン交換プロセスおよび表面処理プロセスに従って処理されたガラス物品のROR強度試験の結果を示す箱ひげ図が示されている。図7に示されているデータを生じるために用いられたガラス物品の組成および厚さは、図6と関連づけられた試験で用いられた物品の属性と同じである。具体的には、ガラス物品はコーニング・インコーポレイテッド社によって供給され、7モル%〜26モル%のAl、0モル%〜9モル%のB、11モル%〜25モル%のNaO、0モル%〜2.5モル%のKO、0モル%〜8.5モル%のMgO、および0モル%〜1.5モル%のCaOを含むアルミノシリケートガラス組成を有した。ROR試験は、概ねASTM C−1499−03標準の「Monotonic Equibiaxial Flexural Strength of Advanced Ceramics at Ambient Temperatures」の試験方法に従って、米国特許出願公開第2013/0045375号明細書の段落[0027](本明細書に参照して組み込む)に概要が述べられているように試験装置および試験条件を幾つか変更して、行われた。なお、図7に示されているデータを生じるために試験された試料は、ROR試験の前に研磨されなかった。
図7において、「A」のデータセットは、イオン交換強化処理(例えば、図1Aに示されている工程120に相当する)のみの後に、更なる材料除去または抗菌性溶液槽での浸漬工程を行わずに、ROR試験を受けたガラス物品に対応する。「C1」および「C2」のデータセットは、イオン交換強化溶液槽での浸漬工程およびAgイオン抗菌性溶液槽での浸漬工程(例えば、図1Aに示されている工程120および160に相当する)を受け、これらの溶液槽での浸漬工程の間に酸エッチングを用いた材料除去工程(例えば、図1Aに示されている工程140に相当する)を行った後に、ROR試験を受けたガラス物品の2つのバッチに対応する。酸エッチングは、1.45MのHF酸および0.9MのHSO酸を用いて、室温で約97秒にわたって行われ、垂直静止浸漬エッチング構成で、約1.4μmの深さの材料除去を得た。なお、図7の「C1」および「C2」のデータセットと関連づけられたガラス物品は、先に図3に示した「C」データセットを生成するために用いられたガラス物品と同様に処理した。
図7の結果が示すように、「C1」および「C2」のデータセットは、「A」のデータセット、即ち、いかなるAgイオン抗菌性溶液槽での浸漬も受けていない試料より僅かに高い平均破壊荷重値(348kgfおよび341kgf)を有する。更に、「C1」および「C2」のROR強度データと「A」の対照データセットとの間には、何らかの統計学的差異があるようには見えない。従って、図7のデータは、浸漬工程の間に酸エッチングを含む材料除去処理は、同じ組成、圧縮応力、および層の深さを有するものの抗菌性処理工程および材料除去処理工程を受けていないイオン交換で強化されたガラス物品に対してRORで測定されたのと同じまたはより改善された平均曲げ強度を示す抗菌性ガラス物品を提供できることを示している。
図8には、更なる実施形態による、強化イオン交換プロセス工程および抗菌性イオン交換プロセス工程を用いて処理された、タッチポリッシュ表面処理工程を受けたおよび受けていないガラス物品のROR強度試験の結果を示す箱ひげ図が示されている。これらのガラス物品は、コーニング・インコーポレイテッド社によって供給されたものであり、少なくとも約50モル%のSiO、約9モル%〜約22モル%のAl、約3モル%〜約10モル%のB、約9モル%〜約20モル%のNaO、0モル%〜約5モル%のKO、少なくとも約0.1モル%のMgOおよび/またはZnOの組成を有し、図7に示されているガラス物品と同じ条件に従って試験された。但し、図8のデータを生じるために用いられたガラス物品は、0.55mmの厚さを有した。従って、図8で報告されている破壊荷重値は、平均して、図7で報告されている、より厚い0.7mmの厚さを有するガラス物品と関連づけられた値よりも幾分低い。
図8において、「A」のデータセットは、イオン交換強化溶液槽での浸漬工程およびAgイオン抗菌性溶液槽での浸漬工程(例えば、図1Aに示されている工程120および160に相当する)の後に、更なる材料除去工程を行わずに、ROR試験を受けたガラス物品に対応する。「B」のデータセットは、イオン交換強化溶液槽での浸漬工程およびAgイオン抗菌性溶液槽での浸漬工程(例えば、図1Aに示されている工程120および160に相当する)を受け、これらの溶液槽での浸漬工程の間にタッチポリッシュを用いた材料除去工程(例えば、図1Aに示されている工程140に相当する)を行った後に、ROR試験を受けたガラス物品に対応する。図8の結果が示すように、タッチポリッシュを行っていない「A」のデータセットは、タッチポリッシュを行った「B」のセットの平均ROR値(169kgf)と比較して、より低い平均ROR値(124kgf)を有した。従って、図8のデータは、タッチポリッシュを含む材料除去処理が、イオン交換で強化された抗菌性ガラス物品の強度を維持および増強できることを示している。
図9Aのワイブルプロットは、更なる実施形態による、強化交換槽および抗菌性交換槽を用いて処理された、クエン酸/重フッ化アンモニウム(ABF)エッチング液を用いたエッチングを受けたおよび受けていないガラス物品のROR試験の結果を示している。図9Aに示されているデータを生じるために試験されたガラス物品は、図8で試験された試料と同じアルミノシリケートガラス組成を有し、1mmの厚さを有した。より具体的には、ガラス物品の試料は、図1Aに示されている浸漬工程120および160を有する方法100に従って処理された。工程120において、KNO塩の溶液槽中で、420℃で約2.5時間にわたって化学的強化が行われた。工程160において、20%のAgNO/80%のKNOの溶液槽を用いて、350℃で約30分にわたって抗菌性溶液槽での浸漬が行われた。これらの試料は「C1」で示されており、本開示における実施形態に従ったいかなる材料除去処理も表面処理も受けなかった。しかし、「C3」の試料は、浸漬工程120と浸漬工程160との間において除去工程140を用いて更に処理された。除去工程は、1Nのクエン酸/(ABFによる)950ppmのフッ化物イオンを含むABFエッチング液を用いて行われ、「C3」のガラス物品の表面から約2μmの材料を除去した。
図9Aが示すように、(ABFを用いてエッチングされた)「C3」群の平均(RORに基づく)曲げ強度値は、(いかなる材料除去工程も行っていない)「C1」群の平均曲げ強度値よりも、統計的有意性をもって高い。これらの結果が示すように、酸エッチング工程(例えば、除去工程140)は、方法100に従って調製された抗菌性ガラス物品の強度を効果的に高める。本明細書で用いる「平均曲げ強度」という用語は、リング・オン・リング、ボール・オン・リング、またはボール落下試験等の方法によって試験されたガラス物品の曲げ強度を指すことが意図される。平均曲げ強度または他の任意の特性に関して用いられる「平均」という用語は、少なくとも5個の試料、少なくとも10個の試料、少なくとも15個の試料、または少なくとも20個の試料のそのような特性の測定値の数学的な平均に基づくものである。平均曲げ強度は、ROR試験における破壊荷重の2母数ワイブル統計の尺度母数を参照し得る。この尺度母数は、脆性材料の破壊確率が63.2%になるワイブル特性強度とも称される。
図9Bを参照すると、ワイブルプロットは、更なる実施形態による、強化交換槽および抗菌性交換槽を用いて処理された、タッチポリッシュ表面処理工程を受けたおよび受けていないガラス物品のROR試験の結果を示している。図9Bに示されているデータを生じるために試験されたガラス物品は、図9Aに示されているデータを生じるために試験されたものと同じ組成および厚さを有する。更に、これらのガラス物品の試料は、図1Aに示されている浸漬工程120および160を有する方法100に従って処理された。工程120において、KNO塩の溶液槽中で、420℃で約2.5時間にわたって化学的強化が行われた。工程160において、20%のAgNO/80%のKNOの溶液槽を用いて、350℃で約30分にわたって抗菌性溶液槽での浸漬が行われた。これらの試料は「C2」で示されており、本開示における実施形態に従ったいかなる材料除去処理も表面処理も受けなかった。しかし、「C4」の試料は、浸漬工程120と浸漬工程160との間において除去工程140を用いて更に処理された。除去工程は、研磨ホイールを用いたタッチポリッシュ処理を用いて行われ、「C4」のガラス物品の表面から約2μmの材料を除去した。
図9Bに示されるように、(研磨ホイールを用いてタッチポリッシュされた)「C4」群の平均(RORに基づく)曲げ強度値は、いかなる材料除去工程も行っていない「C2」群について示されている平均曲げ強度値よりも統計的有意性をもって高い。これらの結果が示すように、タッチポリッシュ工程(例えば、除去工程140)は、方法100に従って調製された抗菌性ガラス物品の強度を効果的に高める。
図10を参照すると、棒グラフは、更なる実施形態による、強化交換槽および抗菌性交換槽を用いて処理された、クエン酸/重フッ化アンモニウム(ABF)エッチング液を用いたエッチングを受けたおよび受けていないガラス物品の抗菌性試験の結果を示している。図10を生成するために試験されたガラス物品は、図9Aおよび図9Bに示されているデータを生じるために用いられたものに概ね相当する。具体的には、図10に示されているデータを生じるために試験されたガラス物品は、図9Aおよび図9Bにおいて試験された試料と同じアルミノシリケートガラス組成を有する。図10に示されているデータを生じるために用いられたガラス物品は、約0.7mmの厚さを有した。更に、図10を生成するために用いられたガラス物品の試料は、図1Aに示されている浸漬工程120および160を有する方法100に従って処理された。工程120において、KNO塩の溶液槽中で、420℃で約2.5時間にわたって化学的強化が行われた。工程160において、20%のAgNO/80%のKNOの溶液槽を用いて、350℃で、「D1」群および「D2」群については約10分にわたって、「D3」群および「D4」群については30分にわたって、抗菌性溶液槽での浸漬が行われた。更に、「D1」および「D3」の試料は、本開示における実施形態に従ったいかなる材料除去処理も表面処理も受けなかった。しかし、「D2」および「D4」の試料は、浸漬工程120と浸漬工程160との間において除去工程140を用いて更に処理された。除去工程は、1Nのクエン酸/(ABFによる)950ppmのフッ化物イオンを含むABFエッチング液を用いて行われ、「D2」および「D4」のガラス物品の表面から約2μmの材料を除去した。
米国仮特許出願第61/908,401号明細書(本明細書に参照して組み込む)において概要を述べられている方法に従って、図10に示されているデータと関連づけられた抗菌性試験を行った。具体的には、リン酸緩衝生理食塩水中に分散させた細菌を用いて、約30℃の周囲温度で、約42%の相対湿度で、一次インキュベーション工程を行った。図10に示されているように、「D1」〜「D4」のデータシリーズにおいて、ガラス物品の抗菌性の有効性には実質的な変化はない。4つのデータシリーズ「D1」〜「D4」の各々について報告された平均対数殺菌率の値は全て、約1以上であった。従って、図10は、「D2」および「D4」シリーズで用いられた更なる材料除去工程が、材料除去工程を用いずに処理された対照ガラス物品と比較して、抗菌性能に悪影響を及ぼさないことを示している。
図11を参照すると、棒グラフは、強化交換槽および抗菌性交換槽を用いて処理された、材料除去工程を受けたおよび受けていないガラス物品の抗菌性試験の結果を示している。図11を生成するために試験されたガラス物品は、図10に示されているデータを生じるために試験された物品と概ね同様のアルミノシリケートガラス組成を有する。更に、図11に示されているデータを生じるために用いられたガラス物品は約1mmの厚さを有した。
処理条件に関しては、図11を生成するために用いられたガラス物品の試料は、図1Bに示されている浸漬工程220および240を有する方法200に従って調製された。工程220において、KNO塩の溶液槽中で、410℃で、全ての試料について約3時間にわたって、化学的強化が行われた。工程240において、0.5%のAgNO/99.5%のKNOの溶液槽を用いて、390℃で、「A1」、「B1」、「C1」、および「D1」群については約30分にわたって、「A2」、「B2」、「C2」、および「D2」群については60分にわたって、抗菌性溶液槽での浸漬を行った。更に、「A1」および「A2」の試料は、本開示における実施形態に従ったいかなる材料除去処理も表面処理も受けなかったという意味において、対照群として示されている。一方、「B1」および「B2」の試料、並びに「C1」〜「C4」の試料は、方法200に従って、浸漬工程220および240の完了後に行われた除去工程260を用いて更に処理された。除去工程260は、「B1」群および「B2」群についてはタッチポリッシュ手順を含み、物品の表面から約2μmの材料を除去するよう行われた。同様に、1Nのクエン酸/(ABFによる)950ppmのフッ化物イオンを含むABFエッチング液を用いて、「C1」〜「C4」の試料についての除去工程260を行った。「C1」および「C2」のガラス物品については、エッチング処理を用いて、物品の表面から約0.5μmの材料を除去した。「C3」および「C4」のガラス物品の表面からは約1.5μmの材料を除去するよう、エッチング処理をより長い持続時間にわたって行った。
米国仮特許出願第61/908,401号明細書(本明細書に参照して組み込む)において概要を述べられている方法に従って、図11に示されているデータと関連づけられた抗菌性試験を行った。具体的には、リン酸緩衝生理食塩水中に分散させた細菌を用いて、約30℃の周囲温度で、約42%の相対湿度で、一次インキュベーション工程を行った。図11で報告されている各データシリーズと関連づけられたデータを生じるために、3回の抗菌性試験を行った。図11に示されているように、「A1」および「A2」、「B1」および「B2」、並びに「C1」〜「C4」のデータシリーズのガラス物品の有効性には実質的な変化はない。各データシリーズについて報告された平均対数殺菌率の値は全て、約1以上であった。従って、図11は、「B1」、「B2」、および「C1」〜「C4」のデータシリーズで用いられた更なる材料除去工程が、材料除去工程を行わずに処理された対照ガラス物品と比較して、抗菌性能に悪影響を及ぼさないことを示している。更に、タッチポリッシュまたは酸エッチングの使用も、これらのガラス物品の抗菌性の有効性に影響していないように見える。
本明細書に開示された実施形態は説明の目的で述べられたものであるが、上記の記載は、本開示の範囲または添付の特許請求の範囲を限定するものであると見なされるべきではない。特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な修正および変更が行われ得ることが、当業者には自明であろう。
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
実施形態1
抗菌性ガラス物品を製造する方法であって、
第1の表面と複数のイオン交換可能な金属イオンとを有するガラス物品を設ける工程と、
前記イオン交換可能な金属イオンよりサイズが大きい複数のイオン交換用金属イオンを含む強化溶液槽を設ける工程と、
複数の銀イオン、複数の前記イオン交換可能な金属イオン、および複数の前記イオン交換用イオンを含む抗菌性溶液槽であって、約5重量%〜100重量%の硝酸銀濃度を有する抗菌性溶液槽を設ける工程と、
前記第1の表面から前記ガラス物品内の拡散深さまで延在する圧縮応力層を形成するために、前記ガラス物品中の前記複数のイオン交換可能な金属イオンの一部を前記強化溶液槽中の前記複数のイオン交換用金属イオンの一部と交換するよう、前記ガラス物品を前記強化溶液槽に浸漬する工程と、
新たな第1の表面および残りの圧縮応力層を画成するために、前記ガラス物品の前記第1の表面から前記ガラス物品内の拡散深さより上方の第1の深さまで、前記圧縮応力層の一部分を除去する工程と、
前記ガラス物品に抗菌性を付与するために、前記圧縮応力層中の前記イオン交換可能な金属イオンおよび前記イオン交換用金属イオンの一部を前記抗菌性溶液槽中の前記複数の銀イオンの一部と交換するよう、前記ガラス物品を前記抗菌性溶液槽に浸漬する工程と
を有してなる方法。
実施形態2
前記圧縮応力層の一部分を除去する前記工程が、前記ガラス物品を前記抗菌性溶液槽に浸漬する前記工程より前に行われる、実施形態1記載の方法。
実施形態3
前記ガラス物品を前記抗菌性溶液槽に浸漬する前記工程が、前記圧縮応力層の一部分を除去する前記工程より前に行われる、実施形態1記載の方法。
実施形態4
前記圧縮応力層の一部分を除去する前記工程が、エッチング手順または研磨手順を用いて行われる、実施形態1〜3のいずれか1つに記載の方法。
実施形態5
前記第1の深さが、前記第1の表面から約0.1μm〜約2μmである、実施形態1〜4のいずれか1つに記載の方法。
実施形態6
前記抗菌性溶液槽が、約200℃〜約375℃の温度に保たれる、実施形態1〜5のいずれか1つに記載の方法。
実施形態7
前記ガラス物品を前記抗菌性溶液槽に浸漬する前記工程が、少なくとも15分且つ約10時間以下にわたって行われる、実施形態1〜6のいずれか1つに記載の方法。
実施形態8
前記ガラス物品を前記抗菌性溶液槽に浸漬する前記工程が、前記抗菌性溶液槽中の前記複数の銀イオンの一部が前記ガラス物品の前記新たな第1の表面において約5重量%〜約40重量%の濃度で付与されるように行われる、実施形態2記載の方法。
実施形態9
前記ガラス物品を前記抗菌性溶液槽に浸漬する前記工程が、前記抗菌性溶液槽中の前記複数の銀イオンの一部が前記ガラス物品の前記第1の表面において約5重量%〜約40重量%の濃度で付与されるように行われる、実施形態3記載の方法。
実施形態10
抗菌性ガラス物品を製造する方法であって、
第1の表面と複数のナトリウム金属イオンとを有するガラス物品を設ける工程と、
複数のカリウム金属イオンを含む強化溶液槽を設ける工程と、
複数の銀イオン、複数のナトリウム金属イオン、および複数のカリウム金属イオンを含む抗菌性溶液槽であって、約5重量%〜100重量%の硝酸銀濃度を有する抗菌性溶液槽を設ける工程と、
前記第1の表面から前記ガラス物品内の拡散深さまで延在する圧縮応力層を形成するために、前記ガラス物品中の前記複数のナトリウム金属イオンの一方または両方の一部を前記強化溶液槽中の前記複数のカリウム金属イオンの一部と交換するよう、前記ガラス物品を前記強化溶液槽に浸漬する工程と、
新たな第1の表面および残りの圧縮応力層を画成するために、前記ガラス物品の前記第1の表面から前記ガラス物品内の拡散深さより上方の第1の深さまで、前記圧縮応力層の一部分を除去する工程と、
前記ガラス物品に抗菌性を付与するために、前記圧縮応力層中の前記ナトリウム金属イオンおよび前記カリウム金属イオンの一方または両方の一部を前記抗菌性溶液槽中の前記複数の銀イオンの一部と交換するよう、前記ガラス物品を前記抗菌性溶液槽に浸漬する工程と
を有してなる方法。
実施形態11
前記強化溶液槽が硝酸カリウムを含み、前記抗菌性溶液槽が、硝酸銀、硝酸カリウム、および硝酸ナトリウムの混合液を含む、実施形態10記載の方法。
実施形態12
前記圧縮応力層の一部分を除去する前記工程が、前記ガラス物品を前記抗菌性溶液槽に浸漬する前記工程より前に行われる、実施形態10または11記載の方法。
実施形態13
前記ガラス物品を前記抗菌性溶液槽に浸漬する前記工程が、前記圧縮応力層の一部分を除去する前記工程より前に行われる、実施形態10または11記載の方法。
実施形態14
前記圧縮応力層の一部分を除去する前記工程が、エッチング手順または研磨手順を用いて行われる、実施形態10〜13のいずれか1つに記載の方法。
実施形態15
前記第1の深さが、前記第1の表面から約0.1μm〜約2μmである、実施形態10〜14のいずれか1つに記載の方法。
実施形態16
前記抗菌性溶液槽が、約200℃〜約375℃の温度に保たれる、実施形態10〜15のいずれか1つに記載の方法。
実施形態17
前記ガラス物品を前記抗菌性溶液槽に浸漬する前記工程が、少なくとも15分且つ約10時間以下にわたって行われる、実施形態10〜16のいずれか1つに記載の方法。
実施形態18
前記ガラス物品を前記抗菌性溶液槽に浸漬する前記工程が、前記抗菌性溶液槽中の前記複数の銀イオンの一部が前記ガラス物品の前記新たな第1の表面において約5重量%〜約40重量%の濃度で付与されるように行われる、実施形態12記載の方法。
実施形態19
前記ガラス物品を前記抗菌性溶液槽に浸漬する前記工程が、前記抗菌性溶液槽中の前記複数の銀イオンの一部が前記ガラス物品の前記第1の表面において約5重量%〜約40重量%の濃度で付与されるように行われる、実施形態13記載の方法。
実施形態20
強度を下げる欠陥を実質的に含まない第1の表面を有するガラス物品と、
前記ガラス物品の前記第1の表面から前記ガラス物品内の第1の選択された深さまで延在する圧縮応力層と、
前記第1の表面から前記ガラス物品内の約3μm以下の抗菌性深さまで延在する、複数の銀イオンを含む抗菌性領域と
を含む抗菌性ガラス物品であって、
前記ガラス物品の前記第1の表面が、約5重量%〜約70重量%の範囲の銀イオン濃度を有する、抗菌性ガラス物品。
実施形態21
前記第1の表面が、研磨処理またはエッチング処理によって形成される、実施形態20記載の抗菌性ガラス物品。
実施形態22
前記第1の表面が、研磨処理またはエッチング処理による約0.1μm〜2μmの材料除去と一致する形態によって特徴づけられる、実施形態20または21記載の抗菌性ガラス物品。
実施形態23
前記圧縮応力層が、複数の交換されたアルカリ金属イオンを含む、実施形態20〜22のいずれか1つに記載の抗菌性ガラス物品。
実施形態24
前記第1の表面が、約20重量%〜約40重量%の範囲の銀イオン濃度を有する、実施形態20〜23のいずれか1つに記載の抗菌性ガラス物品。
実施形態25
前記第1の表面が、約30重量%〜約40重量%の範囲の銀イオン濃度を有する、実施形態20〜24のいずれか1つに記載の抗菌性ガラス物品。
実施形態26
前記第1の表面が、二次イオン質量分析法によって測定された際、水素を実質的に含まない、実施形態20〜25のいずれか1つに記載の抗菌性ガラス物品。
実施形態27
前記ガラス物品の表面領域が、二次イオン質量分析法によって測定された際、水素の浸透を実質的に含まない、実施形態20〜26のいずれか1つに記載の抗菌性ガラス物品。
実施形態28
1以上の銀イオンを含み、前記抗菌性深さから残りの抗菌性深さまで延在する残りの抗菌性領域を更に含む、実施形態27記載の抗菌性ガラス物品。
10、310 ガラス物品
12,312 第1の表面
12a 新たな表面
20 強化溶液槽
22 拡散深さ
24圧縮応力層
24a 一部分
24b 圧縮層
32 第1の深さ
40 抗菌性溶液槽
314 第1の選択された深さ
316 抗菌性深さ
334 抗菌性領域

Claims (10)

  1. 抗菌性ガラス物品を製造する方法であって、
    第1の表面と複数のイオン交換可能な金属イオンとを有するガラス物品を設ける工程と、
    前記イオン交換可能な金属イオンよりサイズが大きい複数のイオン交換用金属イオンを含む強化溶液槽を設ける工程と、
    複数の銀イオン、複数の前記イオン交換可能な金属イオン、および複数の前記イオン交換用イオンを含む抗菌性溶液槽であって、約5重量%〜100重量%の硝酸銀濃度を有する抗菌性溶液槽を設ける工程と、
    前記第1の表面から前記ガラス物品内の拡散深さまで延在する圧縮応力層を形成するために、前記ガラス物品中の前記複数のイオン交換可能な金属イオンの一部を前記強化溶液槽中の前記複数のイオン交換用金属イオンの一部と交換するよう、前記ガラス物品を前記強化溶液槽に浸漬する工程と、
    新たな第1の表面および残りの圧縮応力層を画成するために、前記ガラス物品の前記第1の表面から前記ガラス物品内の拡散深さより上方の第1の深さまで、前記圧縮応力層の一部分を除去する工程と、
    前記ガラス物品に抗菌性を付与するために、前記圧縮応力層中の前記イオン交換可能な金属イオンおよび前記イオン交換用金属イオンの一部を前記抗菌性溶液槽中の前記複数の銀イオンの一部と交換するよう、前記ガラス物品を前記抗菌性溶液槽に浸漬する工程と
    を有してなることを特徴とする方法。
  2. 前記圧縮応力層の一部分を除去する前記工程が、前記ガラス物品を前記抗菌性溶液槽に浸漬する前記工程より前に行われる、請求項1記載の方法。
  3. 前記ガラス物品を前記抗菌性溶液槽に浸漬する前記工程が、前記圧縮応力層の一部分を除去する前記工程より前に行われる、請求項1記載の方法。
  4. 前記圧縮応力層の一部分を除去する前記工程が、エッチング手順または研磨手順を用いて行われ、前記第1の深さが、前記第1の表面から約0.1μm〜約2μmである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記強化溶液槽が硝酸カリウムを含み、前記抗菌性溶液槽が、硝酸銀、硝酸カリウム、および硝酸ナトリウムの混合液を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 強度を下げる欠陥を実質的に含まない第1の表面を有するガラス物品と、
    前記ガラス物品の前記第1の表面から前記ガラス物品内の第1の選択された深さまで延在する圧縮応力層と、
    前記第1の表面から前記ガラス物品内の約3μm以下の抗菌性深さまで延在する、複数の銀イオンを含む抗菌性領域と
    を含む抗菌性ガラス物品であって、
    前記ガラス物品の前記第1の表面が、約5重量%〜約70重量%の範囲の銀イオン濃度を有することを特徴とする抗菌性ガラス物品。
  7. 前記第1の表面が、研磨処理またはエッチング処理によって形成され、前記第1の表面が、研磨処理またはエッチング処理による約0.1μm〜2μmの材料除去と一致する形態によって特徴づけられる、請求項6記載の抗菌性ガラス物品。
  8. 前記第1の表面が、約20重量%〜約40重量%の範囲の銀イオン濃度を有する、請求項6または7記載の抗菌性ガラス物品。
  9. 前記第1の表面が、二次イオン質量分析法によって測定された際、水素を実質的に含まない、請求項6〜8のいずれか一項に記載の抗菌性ガラス物品。
  10. 1以上の銀イオンを含み、前記抗菌性深さから残りの抗菌性深さまで延在する残りの抗菌性領域を更に含む、請求項6〜8のいずれか一項に記載の抗菌性ガラス物品。
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