JP3248279B2 - 抗菌性ガラス用組成物 - Google Patents

抗菌性ガラス用組成物

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JP3248279B2
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敏和 近藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は抗菌性ガラス用組成物、
特に塊状、粉末状、または繊維状でそのまま水処理剤な
どとして、あるいは粉末または繊維状のものを樹脂など
と混合使用するに適した抗菌、抗カビ性に優れたガラス
用組成物およびガラス繊維用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】一価の銀イオン(Ag+)および銅イオ
ン(Cu+)が微生物などの下等生物に対して毒性を示
すことは良く知られている。本明細書で微生物とは、狭
義の微生物である細菌、菌類、ウイルスおよび、広義の
微生物である原生動物、藻類などを含めて定義する。ま
た前記の微生物などに対して毒性作用(抗菌作用を含
む。)を示すことを、単に抗菌性があるということにす
る。
【0003】Ag+イオンを溶解性ガラスに含有させて
抗菌性を付与する方法が数多く提案されている。このよ
うな溶解性ガラスとしては、SiO2とB2O3を主成分
とするほう珪酸塩系ガラス、およびP2O5を主成分とす
るりん酸塩系ガラスが知られている。例えばほう珪酸塩
系の溶解性ガラスにAg+イオンを含有させた抗菌性の
ある水処理剤(特公平4−50878)、Ag+イオン
を溶出しうる化合物を配合した溶解性ガラスの粒子を分
散した層を有するフィルム(特開平2−25825
6)、Ag+イオンを溶出させる溶解性ガラスを粉末、
ビーズ、あるいは繊維状にして石膏や珪酸カルシウムの
中に混合すること(特開平2ー302354、特開平2
−302355)が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のAg+イオン含
有ほう珪酸塩系ガラスにおいては、コロイド状Agや金
属Agの析出が認められる。すなわち特公平4ー508
78ではB2O3を20〜70モル%含有するほう珪酸塩
系の溶解性ガラスが開示され、特開平2ー302355
では、実施例で20モル%のB2O3、50モル%のSi
O2、30モル%のNa2Oをあげているが、これらの組
成物はいずれも金属Agが析出しやすく、以下に述べる
欠点を有する。
【0005】抗菌作用があるのはガラス中のAg+イオ
ンで、ガラス中にコロイド状や金属状態で存在するAg
は抗菌作用はあまり期待できない。そのため銀の大部分
をAg+イオンの状態にすれば少量の銀で抗菌作用を発
揮することになり、高価な銀の使用料を少なくすること
ができる。更にコロイド状のAgは黄色い着色となり、
金属Agもガラスが繊維状になったり、粉砕されると褐
色に着色しやすくなる。黄色や褐色に変色したガラス粉
末やガラス繊維はその商品価値を減ずることになる。ガ
ラス中にAg+イオンを安定に含有させる方法として、
酸化性雰囲気での溶融(特開平1−317133)が提
案されている。しかしながら、この方法ではコロイド状
あるいは金属Agの析出抑制が十分ではなく、また溶解
に掛かる費用が増加して経済的ではない。
【0006】また、特開平2ー302355では同じく
繊維状の溶解性ガラスを提案し、実施例で22.3重量
%のB2O3、48.0重量%のSiO2、29.7重量
%のNa2Oをあげている。この場合も、粘性が低すぎ
て効率よく繊維を製造するには不適であり、また金属A
gの析出を完全には防止できず、以下に述べる欠点を有
する。
【0007】ガラス繊維の製造工程では白金類が繊維化
装置の壁、電気加熱体などの設備に多用されている。銀
がAg+イオンとして存在すればよいがコロイド状や金
属Agになると白金類と低融点の合金を作って、白金設
備のトラブルに成り易い。ガラス原料からガラス繊維ま
で連続生産せず、一度ガラスとした後、再溶融してガラ
ス繊維を生産する場合には、上記連続生産に比べて更に
コロイド状あるいは金属Agが析出し易い。ガラスを塊
や粉末で使用する場合はコロイド状あるいは金属Agに
ついてそれほど考慮する必要はないが、繊維化について
はコロイド状または金属状Agの析出の防止に細心の注
意が必要である。また上述のように銀の大部分をAg+
イオンの状態にすることにより、高価な銀の使用料を少
なくすることができる。更に金属Agは、ガラス短繊維
製造においてはショットと呼ばれる非繊維状の大きな異
物を繊維の製品中に混入させる原因になり、ガラス長繊
維製造にあっては繊維切断の原因になっていずれも生産
性および品質低下を引き起こす。
【0008】本発明は上記の問題点を解決するためにコ
ロイド状あるいは金属Agの析出が少なくて、原料とし
て用いた銀の大部分を抗菌作用の強いAg+イオンとし
て含むガラス組成物を提供するものである。さらに本発
明は、繊維化に適し、白金設備に悪影響を与えることな
くガラスの溶出を適度に制御した抗菌性を示すAg+
オンを含む繊維用のガラス組成を提供するものである。
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、重
量%で表示して、 SiO2 25〜60 B2O3 18〜60 Al2O3 0〜20 R2O 8〜30 (R=Li、Na、K) R’O 0〜20 (R'=Ca、Mg、Zn、Ba) Ag2O 0.05〜2.0 SO3 0.01〜0.1 鉄酸化物(Fe2O3に換算) 0〜0.1 を含有することを特徴とする抗菌性ガラス用組成物であ
る。
【0009】また本発明は、重量%で表示して、 SiO2 35〜60 Al2O3 0〜20 ただしSiO2+Al2O3 40〜65 B2O3 18〜50 R2O 8〜25 (R=Li、Na、K) R’O 0〜20 (R'=Ca、Mg、Zn、Ba) ただしR2O+R'O 8〜35 SO3 0.01〜0.1 鉄酸化物(Fe2O3に換算) 0〜0.05 Ag2O 0.05〜1.5 を含有することを特徴とする抗菌性ガラス繊維用組成物
である。
【0010】本発明において、SiO2成分はガラスの
骨格をなすものであって、その含有量は25〜60重量
%、好ましくは30〜55重量%である。25重量%未
満ではAgイオンおよびガラス成分の溶出量が多すぎて
抗菌性ガラス用組成物としての寿命(または耐久性)が
極度に短かくなる。逆に60重量%を越えると粘性が増
大してガラスの溶融が困難になるとともに、Agイオン
の溶出量が少なすぎて抗菌性が十分でない。繊維化用に
おいてはSiO2成分の含有量は35〜60重量%、好
ましくは40〜58重量%である。35重量%未満では
繊維化が困難となり、60重量%を越えると上記のよう
に抗菌性が弱くなりガラスの溶融が困難になるるととも
に、ガラス繊維化が困難になる。
【0011】B2O3はガラスの溶出を促進し、Ag+
オン安定化に寄与するもので、18〜60重量%、好ま
しくは20〜55重量%である。18重量%未満ではA
+イオンの溶出量が少なすぎて、抗菌性が弱く、か
つ、金属Agが析出しやすい。60重量%を越えるとガ
ラスの溶出量が多すぎて寿命が極度に短かくなるととも
に、これ以上含有させてもAg+イオン安定化にはあま
り効果がない。繊維化用のガラスではB2O3量は18〜
50重量%、好ましくは20〜40重量%である。B2
O3の含有量が50重量%を越えると粘性が低下し、繊
維化が困難になる。
【0012】Al2O3は必須成分ではないがガラスの溶
出を抑制し、Ag+イオン安定化に寄与するもので、0
〜20重量%、好ましくは1〜10重量%である。20
重量%を越えるとガラスの溶出量が少なくて抗菌性が弱
くなり、粘性が増大してガラスも溶融しにくい。繊維化
用ガラスでは、Al2O3は0〜20重量%、好ましくは
2〜15重量%である。20重量%を越えると上記の抗
菌性弱化およびガラスの溶融の困難に加えて繊維化も困
難になる。繊維化用ガラスでは、SiO2とAl2O3の
合計量は40〜65重量%、好ましくは42〜63重量
%である。この合計量が40重量%未満では耐水性が悪
くなるとともに、粘性が低下して繊維化が困難になり、
65重量%を越えると抗菌性が弱くなるとともにガラス
の溶融および繊維化が困難になる。
【0013】R2O(ここでRはLi、Na、K)はガ
ラスの溶融と溶出を促進するもので、Li2O、Na2
O、およびK2Oの合計の含有量は8〜30重量%、好
ましくは10〜20重量%である。8重量%未満では溶
融促進の効果が少なく、またAg+イオンの溶出も抑制
されて抗菌性が少なく、30重量%以上ではガラスの溶
出量が多すぎて、耐久性に乏しい。繊維化用ガラスでは
R2Oの合計は8〜25重量%、好ましくは10〜20
重量%である。25重量%を越えると、粘性が低くなっ
て繊維化が困難になる。
【0014】R'O(ここでR'=Ca、Mg、Zn、B
a)は必須成分ではないがR2Oと同じく、ガラスの溶
融と溶出を促進するものであり、CaO、MgO、Zn
O、およびBaOの合計量は0〜20重量%、好ましく
は0〜10重量%である。20重量%を越えると、R2
Oとの併用でガラスの溶出量が多くなりすぎて耐久性に
乏しくなり、また繊維化用としては失透しやすくなり繊
維化が困難になる。更に繊維化用としては、R2O成分
合計とR'O成分合計との和(R2O+R'O)は8〜3
5重量%、好ましくは10〜30重量%である。8重量
%未満では溶融促進の効果が少なく、耐水性が良くなり
過ぎて抗菌性が弱くなる。35重量%を越えると、粘性
が低下して繊維化が困難になり、耐水性も低下する。
【0015】Ag2Oはガラス中でAg+イオンとなる抗
菌性に必須の成分で、0.05〜2.0重量%、好まし
くは0.1〜1.0重量%である。0.05重量%未満
ではAg+イオンの溶出が抑制されて抗菌性に乏しく、
2.0重量%を越えて含有させると抗菌性の少ない金属
Agの析出がかなり多くなり、銀は高価でもあるため
2.0重量%を上限とする。繊維化用としてはAg2O
は0.05〜1.5重量%、好ましくは0.1〜1.0
重量%である。1.5重量%を越えて含有させると前述
のコロイド状あるいは金属Ag析出による白金設備への
悪影響を無視できなくなる。
【0016】Fe2O3は0〜0.1重量、好ましくは
0.05重量%以下である。Fe2O3 は原料中の不純
物としてガラス中に含有されるが、多すぎるとコロイド
状あるいは金属Agが析出しやすくなる。金属Agの析
出許容限度から鉄分含有量は0.1重量%を上限とす
る。繊維化用としてはFe2O3は0.05重量%以下、
好ましくは0.01重量%以下である。0.05重量%
を越えて含有させると前述のコロイド状Agまたは金属
Agの析出による白金設備への悪影響を無視できなくな
る。
【0017】SO3は0.01〜0.1重量%、好まし
くは0.01〜0.03重量%である。SO3は溶融時
または再溶融時の昇温で高温になるまでのガラスを酸化
状態に保持してコロイド状あるいは金属Agの析出を防
止する効果がある。特にガラスを再溶融して繊維化する
場合には効果が著しい。本組成範囲においてはガラス原
料中に一定量の硫酸塩を添加してもガラス中に残留する
SO3は極く一部にすぎず、その大部分は上記のように
ガラスを高温まで酸化状態に保持しつつ、溶融雰囲気中
に硫黄酸化物として離脱していく。0.01重量%未満
になるような硫酸塩添加量ではその効果が期待できず、
また残留SO3を0.1重量%を越えて含有させても効
果は横ばいであり、SO3を多量、含有させることは、
作業環境や大気汚染対策上の問題があり、0.1重量%
を上限とする。
【0018】本発明の抗菌性ガラス繊維用組成物は容易
に繊維化できる粘性範囲にあることが必要である。ロー
タリー法、火炎吹き飛ばし法、ロータリーガスジェット
法などの各種短繊維繊維製造法および長繊維製造法に対
応する粘性として103ポイズになる粘性がある温度範
囲にあることが好ましい。すなわち、本発明の抗菌性ガ
ラス繊維用組成物は、粘性が103ポイズになる温度が
800℃〜1250℃の範囲内にある特性温度を有する
ことが好ましい。より好ましくは800〜1150℃で
ある。800℃未満では粘性が低すぎて繊維化困難であ
ると同時に繊維化したときに欠点が発生しやすく、12
50℃を越えると紡糸温度が高くなりすぎて、生産性が
悪くなるため1250℃を上限とする。
【0019】更に本発明による抗菌性ガラス繊維用組成
物において抗菌性を発揮させるにはAg+イオンの溶出
が必要である。ただし水溶性が限度以上になって、耐久
性に乏しいのは避けるべきである。ガラスの水溶性測定
法として日本光学硝子工業会規格(JOGIS)の『光
学ガラスの化学的耐久性の測定方法(粉末法)06ー1
975』がある。この方法で測定したガラスの減量率が
80.0重量%以下であることが好ましい。80.0重
量%を越えると抗菌性は十分あるがガラスの溶出速度が
速くて耐久性に劣るため、80.0重量%を上限とす
る。また本発明による抗菌性ガラス繊維用組成物により
製造される抗菌性ガラス繊維の好ましい繊維直径は0.
3〜5μm、更に好ましくは0.5〜2.0μmであ
る。これらのガラス繊維は綿状、織布状、不織布状等の
形態で使用される。
【0020】
【作用】前述の通り、本発明の抗菌性ガラス用組成物は
ガラスを構成する各種酸化物の組成を適切な範囲に調整
することにより、コロイドAgによる着色や金属Agの
析出を抑制しつつ、Ag+イオンによる抗菌作用のある
ガラスを、コスト上、品質上、有利に製造可能としたも
のである。また、本発明の抗菌性ガラス繊維用組成物は
ガラスを構成する各種酸化物の組成、粘性、水溶性を適
切な範囲に調整することにより、Ag+イオンによる抗
菌作用のあるガラス繊維を、設備に使用されている白金
類を損傷することなく、水溶性を調節しつつ、コストの
安いガラス繊維を容易に製造可能としたものである。
【0021】
【実施例】
実施例1〜10、比較例1〜6 表1および表2に示す目標組成になるように調合したけ
い砂、ほう酸、ほう砂、酸化アルミ、炭酸リチウム、炭
酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、塩基性
炭酸マグネシウム、亜鉛華、炭酸バリウム、硝酸銀から
なるバッチを調整した。SO3成分として、上記原料中
に含まれる分で不足する場合には、硫酸ナトリウムを添
加使用した。通常原料中のFe2O3は約50ppmであ
り、Fe2O3を多く含ませるガラスの原料には酸化鉄を
添加した。このバッチを、金属Agの析出が多いと予測
される場合はアルミナ坩堝に入れ、それ以外の場合は白
金坩堝に入れて、電気炉の中で1300〜1500℃、
2時間加熱して溶融した。溶融したガラスをステンレス
板の上に流し出し、板状に成形後、徐冷した。
【0022】この試料について、金属Agの析出、ガラ
スの着色状態、抗菌性および水溶性を次に示す方法によ
り測定した。
【0023】金属Agの析出状況;上述のようにして溶
融、流し出した板状のガラスにハロゲンランプを照射し
て、長径が10μm以上の金属Agを40倍の倍率のル
ーペを用いてカウントし、ガラス100g当たりの個数
で表わし、全く検出されない場合(個数ゼロ)に◎、1
00個以下の場合に○、100個を越える場合において
はΧで示した。金属Agの大きさ(長径)は大部分が5
0μm以下のため、100個以下の場合には着色は全く
認められず品質に与える影響は小さくて、製品の品種に
よっては無視できる程度である。
【0024】着色;上のサンプルで褐色や黄色いコロイ
ド着色がない場合を○とし、上記着色がある場合をXと
した。
【0025】抗菌性;まず105〜250μmの粒度に
粉砕したガラス試料10gを100ccのビーカーに入
れ、この中に市販のプロセスチーズの塊(約2cmx2
cmx1cm)を1個を置いた後、蒸留水60ccを入
れる。これを約20℃の室内に放置して、水やチーズの
腐敗とカビの発生状況を肉眼で観察した。30日間放置
でもチーズの腐敗がなく、カビの発生がない場合につい
て抗菌性強いとし○で示し、カビの発生が認められる場
合を抗菌性弱いとしXで示した。
【0026】水溶性;日本光学硝子工業会規格(JOG
IS)の『光学ガラスの化学的耐久性の測定方法(粉末
法)06ー1975』により減量率を測定して、これが
80.0重量%以下であれば○とし、80重量%を越え
る場合は耐久性に乏しいとしてΧとした。
【0027】溶融性;上記板状ガラス試料を再び溶融し
てその粘性が10の2乗ポイズになる温度を白金球引き
上げ法により測定し、この温度が1500℃以下の場合
に溶融性が良好であるとして○で示し、1500℃を越
える場合においては溶融困難としてXで示した。
【0028】表1に、実施例のガラス組成、溶融性、金
属Agの析出、ガラスの着色状態、抗菌性および水溶性
を示した。表2に、比較例のガラス組成、溶融性、金属
Agの析出、抗菌性および水溶性を示した。
【表1】 表1 ================================= 実施例 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− No 1 2 3 4 5 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 組成 wt% SiO2 27.8 33.2 33.4 36.5 34.5 Al2O3 16.9 1.5 1.2 2.1 3.3 B2O3 44.7 37.6 54.1 41.2 34.3 Li2O 0 0 0 0.4 0 Na2O 10.5 10.2 10.8 10.2 24.2 K2O 0 0 0 1.8 3.5 CaO 0 13.2 0 4.1 0 MgO 0 4.1 0 1.5 0 ZnO 0 0 0 0.8 0 Ba0 0 0 0 0.6 0 Fe2O3 0.03 0.06 0.10 0.005 0.01 SO3 0.02 0.05 0.02 0.03 0.02 Ag2O 0.1 0.05 0.4 0.8 0.2 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 金属Agの析出 ◎ ○ ○ ◎ ◎ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ガラスの着色 ○ ○ ○ ○ ○ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 抗菌性 ○ ○ ○ ○ ○ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 水溶性 ○ ○ ○ ○ ○ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 溶融性 ○ ○ ○ ○ ○ =================================
【表2】 表1(つづき) ================================= 実施例 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− No 6 7 8 9 10 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 組成 wt% SiO2 40.1 52.1 53.5 56.2 59.3 Al2O3 1.8 3.6 0 6.9 0 B2O3 44.6 26.9 30.4 18.4 26.9 Li2O 0 0 0 0 0 Na2O 11.5 12.3 8.3 10.9 13.2 K2O 0 0.8 0 2.7 0 CaO 0 2.8 5.3 3.2 0 MgO 0 1.0 2.1 1.4 0 ZnO 0 0 0 0 0 Ba0 0 0 0 0 0 Fe2O3 0.005 0.005 0.005 0.005 0.005 SO3 0.01 0.03 0.03 0.02 0.02 Ag2O 2.0 0.5 0.4 0.3 0.5 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 金属Agの析出 ○ ◎ ◎ ○ ◎ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ガラスの着色 ○ ○ ○ ○ ○ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 抗菌性 ○ ○ ○ ○ ○ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 水溶性 ○ ○ ○ ○ ○ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 溶融性 ○ ○ ○ ○ ○ =================================
【表3】 表2 ================================== 比較例 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− No 1 2 3 4 5 6 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 組成 wt% SiO2 21.1 23.7 54.2 57.1 45.9 66.3 Al2O3 0 0 0 4.5 8.0 5.1 B2O3 63.9 40.7 23.3 14.6 24.9 20.8 Li2O 0 0 0 0 0 0 Na2O 14.5 32.8 13.5 18.1 17.8 7.5 K2O 0 0 3.1 1.2 0 0 CaO 0 0 3.7 2.9 3.4 0 MgO 0 0 1.2 1.0 0 0 ZnO 0 0 0 0 0 0 Ba0 0 0 0 0 0 0 Fe2O3 0.01 0.01 0.15 0.03 0.005 0.005 SO3 0.01 0.01 0 0.01 0.02 0.02 Ag2O 0.5 2.8 0.8 0.6 0.01 0.3 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 金属Agの析出 ー Χ Χ Χ ー ー −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 抗菌性 ー ー ー ー Χ Χ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 水溶性 Χ Χ ー ー ー ー −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 溶融性 ー ー ー ー ー Χ =================================== 表1から明かなように、実施例のいずれのガラスも抗菌
作用が優れ、ガラスの着色はなく、金属Agの析出は全
くないか、無視できる程度に少ない。以上のことから表
1にあるガラス組成物から生産性、品質で優れた抗菌性
ガラスの製造が可能であることが分かる。 表2の比較
例1は耐水性に劣り、比較例2、3、4は金属Agの析
出が多く、そのうち比較例2は水溶性が限度を越えてい
る。比較例5はAg+イオンが少なくて、比較例6は溶
融性に劣るとともにガラスの溶出が少なすぎて、抗菌性
に劣るガラス組成物である。
【0029】実施例11〜25、比較例7〜15 上記実施例1〜10と同様に、表3の実施例および表4
の比較例に示す目標組成になるように、調合、溶融、成
形、徐冷をおこなった板状ガラス試料を、高温粘性およ
びガラスの減量率の各測定用と金属Agの析出検査用サ
ンプルした。抗菌性簡易検査用には上記ガラス試料を再
溶融してガラス短繊維製造法の一つであるいわゆるロー
タリーガスジェット法(例えば特公昭58−57374
参照)により約1μm直径で長さが0.5mm〜2mm
のガラス繊維の綿状としたものを使用した。
【0030】上記板状ガラス試料およびガラス繊維試料
について、溶融性、繊維化の良否、金属Agの析出、ガ
ラスの着色状態、抗菌性および耐水性を次に示す方法に
より測定した。なお溶融性は上記と同じ方法である。
【0031】繊維化の良否;上記板状ガラス試料を再び
溶融してその粘性が103ポイズになる温度を白金球引
き上げ法により測定し、この温度が800℃〜1150
℃以下の場合に繊維化に非常に好適であるので◎で示
し、1150℃を越えて1250℃以下の場合には比較
的良好に繊維化できるので○で示し、800℃未満ある
いは1250℃を越える場合においては、繊維化困難で
ありまた欠点が発生しやすいのでΧで示した。
【0032】金属Agの析出状況;上述板状のガラスに
ハロゲンランプを照射して、長径が10μm以上の金属
Agを40倍の倍率のルーペを用いてカウントし、ガラ
ス100g当たりの個数で表わし、全く検出されない場
合(個数ゼロ)に◎、10個以下の場合に○、10個を
越える場合においてはΧで示した。金属Agの大きさ
(長径)は大部分が50μm以下のため、10個以下の
場合には白金類や品質に与える影響は小さくて、製品の
品種によっては無視できる程度である。
【0033】着色;上のサンプルで褐色や黄色いコロイ
ド着色がない場合を○とし、上記着色がある場合をXと
した。
【0034】抗菌性;まずガラス繊維試料約5gをほぐ
して300ccのビーカーに入れ、この中に市販のプロ
セスチーズの塊(約2cmx2cmx1cm)を1個置
いた後、蒸留水150ccを入れる。これを約20℃の
室内に放置して、水やチーズの腐敗とカビの発生状況を
肉眼で観察した。30日間放置でもチーズの腐敗がな
く、カビの発生がない場合について抗菌性強いとし○で
示し、カビの発生が認められる場合を抗菌性弱いとしX
で示した。
【0035】表3の実施例にはガラス組成の他にガラス
の溶融性、繊維化の良否、沸騰水中での溶解によるガラ
スの減量率、金属Agの析出状況、抗菌性を示した。表
4の比較例にはガラス組成と必要な項目の結果のみ示し
た。
【表4】 表3 ================================= 実施例 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− No 11 12 13 14 15 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 組成 wt% SiO2 35.8 40.3 40.1 38.6 39.1 Al2O3 5.5 4.2 14.0 2.3 2.7 B2O3 38.6 39.1 25.3 48.6 49.4 Li2O 0 0 0 0 0 Na2O 10.5 11.3 17.2 10.2 8.2 K2O 0 0 0 0 0 CaO 7.4 3.1 2.2 0 0 MgO 2.1 1.9 0.9 0 0 ZnO 0 0 0 0 0 Ba0 0 0 0 0 0 Fe2O3 0.005 0.005 0.005 0.05 0.03 SO3 0.02 0.02 0.03 0.02 0.01 Ag2O 0.05 0.1 0.3 0.3 0.6 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 繊維化の良否 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 水溶性 ○ ○ ○ ○ ○ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 金属Agの析出 ◎ ◎ ◎ ○ ◎ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ガラスの着色 ○ ○ ○ ○ ○ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 抗菌性 ○ ○ ○ ○ ○ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 溶融性 ○ ○ ○ ○ ○ =================================
【表5】 表3(つづき) ================================= 実施例 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− No 16 17 18 19 20 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 組成 wt% SiO2 40.3 42.1 45.5 47.0 51.3 Al2O3 2.1 2.5 4.1 19.6 3.4 B2O3 46.9 23.6 20.8 22.5 26.0 Li2O 0 0 1.2 0 0 Na2O 9.2 10.1 13.7 10.5 19.2 K2O 0 2.1 4.8 0 0 CaO 0 9.8 7.1 0 0 MgO 0 4.5 2.7 0 0 ZnO 0 2.7 0 0 0 Ba0 0 2.5 0 0 0 Fe2O3 0.005 0.005 0.005 0.005 0.005 SO3 0.01 0.02 0.05 0.02 0.03 Ag2O 1.5 0.1 0.06 0.4 0.08 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 繊維化の良否 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 水溶性 ○ ○ ○ ○ ○ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 金属Agの析出 ○ ○ ○ ◎ ◎ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ガラスの着色 ○ ○ ○ ○ ○ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 抗菌性 ○ ○ ○ ○ ○ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 溶融性 ○ ○ ○ ○ ○ =================================
【表6】 表3(つづき) ================================= 実施例 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− No 21 22 23 24 25 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 組成 wt% SiO2 52.1 53.5 55.4 58.1 59.3 Al2O3 3.1 9.1 8.8 2.2 2.1 B2O3 21.3 26.3 18.5 22.3 28.3 Li2O 0 0 0 0 1.3 Na2O 14.7 10.7 17.1 17.0 8.6 K2O 8.6 0 0 0 0 CaO 0 0 0 0 0 MgO 0 0 0 0 0 ZnO 0 0 0 0 0 Ba0 0 0 0 0 0 Fe2O3 0.005 0.005 0.005 0.005 0.005 SO3 0.03 0.01 0.02 0.02 0.02 Ag2O 0.1 0.4 0.06 0.4 0.4 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 繊維化の良否 ◎ ◎ ◎ ○ ○ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 水溶性 ○ ○ ○ ○ ○ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 金属Agの析出 ○ ◎ ○ ○ ○ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ガラスの着色 ○ ○ ○ ○ ○ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 抗菌性 ○ ○ ○ ○ ○ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 溶融性 ○ ○ ○ ○ ○ =================================
【表7】 表4 ================================== 比較例 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− No 7 8 9 10 11 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 組成 wt% SiO2 23.5 53.7 52.3 50.7 25.5 Al2O3 0 9.6 14.0 8.3 0.6 B2O3 54.7 25.0 14.6 28.2 35.3 Li2O 0 0 0 0 0 Na2O 20.9 11.2 18.6 10.6 38.2 K2O 0 0 0 0 0 CaO 0 0 0 0 0 MgO 0 0 0 0 0 ZnO 0 0 0 0 0 Ba0 0 0 0 0 0 Fe2O3 0.03 0.12 0.005 0.005 0.005 SO3 (*) 0.007以下 0.02 0.03 0.02 0.02 Ag2O 0.9 0.4 0.5 2.2 0.4 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 繊維化の良否 Χ ー ー ー Χ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 金属Agの析出 Χ Χ Χ Χ ー −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 水溶性 X ー ー ー X −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 抗菌性 ー ー ー ー ー −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 溶融性 ー ー ー ー ー =================================== (*)は検出限界以下を示す。
【0036】
【表8】 表4(つづき) ================================ 比較例 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− No 12 13 14 15 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 組成 wt% SiO2 21.1 65.3 50.3 52.3 Al2O3 2.3 5.7 21.7 8.7 B2O3 28.6 22.1 19.3 29.2 Li2O 0 0 0 0 Na2O 19.2 6.6 8.5 9.8 K2O 0 0 0 0 CaO 27.1 0 0 0 MgO 1.3 0 0 0 ZnO 0 0 0 0 Ba0 0 0 0 0 Fe2O3 0.005 0.01 0.005 0.02 SO3 0.03 0.01 0.03 0.01 Ag2O 0.4 0.3 0.2 0.02 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 繊維化の良否 Χ Χ X ー −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 金属Agの析出 ー ー ー ー −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 水溶性 X ー ー ー −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 抗菌性 ー Χ Χ Χ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 溶融性 ー Χ Χ ー ================================ 表3から明かなように、実施例のいずれのガラスも抗菌
作用が強く、金属Agの析出は全くないか、無視できる
程度に少なく、着色もなく、容易に溶融および繊維化で
きる粘性を有し、水溶性も適当で耐久性に劣ることはな
い。以上のことから実施例のガラス組成からは生産性、
品質で優れた抗菌性ガラス繊維を製造することができ
る。
【0037】表4から明かなように比較例のガラス組成
は以下に述べる欠点を持つ。まずNo.7〜10は金属
Agの析出が多く、うちNo.7は粘性が低くて繊維化
が困難でかつ水溶性も限度を越えて大きすぎる。No.
11、12は水溶性が限度以上で、かつ粘性が低すぎて
繊維化しにくい。またNo.13、14は溶融困難で繊
維化もしにくく、抗菌性が弱い。最後にNo.15はA
g2Oの含有量が少なくて、抗菌性が弱い。
【0038】
【発明の効果】以上のように本発明の抗菌性ガラス組成
物は、SiO2、B2O3、Al2O3、R2O(R=Li、
Na、K)、R'O(R=Ca、Mg、Zn、Ba)、
Ag2 O、SO3、Fe2O3の割合を適切に調節するこ
とによって、コスト的に有利で品質に優れた抗菌性のあ
るガラスの製造を可能にするものである。また本発明の
抗菌性ガラス繊維用組成物は各成分を適切に調節するこ
とによって白金類からなるガラス繊維製造装置を損傷さ
せることなく、また生産性と品質に優れた抗菌作用のあ
るガラス繊維の製造を可能にするものである。
【0039】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−245237(JP,A) 特開 平1−317133(JP,A) 特開 平4−134008(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C03C 1/00 - 14/00 JICSTファイル(JOIS)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で表示して、 SiO2 25〜60 B2O3 18〜60 Al2O3 0〜20 R2O 8〜30 (R=Li、Na、K) R'O 0〜20 (R'=Ca、Mg、Zn、Ba) Ag2O 0.05〜2.0 SO3 0.01〜0.1 鉄酸化物(Fe2O3に換算) 0〜0.1 を含有することを特徴とする抗菌性ガラス用組成物。
  2. 【請求項2】 重量%で表示して、 SiO2 30〜55 B2O3 20〜55 Al2O3 1〜10 R2O 10〜20 (R=Li、Na、K) R'O 0〜10 (R'=Ca、Mg、Zn、Ba) Ag2O 0.1〜1.0 SO3 0.01〜0.03 鉄酸化物(Fe2O3に換算) 0〜0.05 を含有する請求項1記載の抗菌性ガラス用組成物。
  3. 【請求項3】 重量%で表示して、 SiO2 35〜60 Al2O3 0〜20 ただしSiO2+Al2O3 40〜65 B2O3 18〜50 R2O 8〜25 (R=Li、Na、K) R'O 0〜20 (R'=Ca、Mg、Zn、Ba) ただしR2O+R'O 8〜35 SO3 0.01〜0.1 鉄酸化物(Fe2O3に換算) 0〜0.05 Ag2O 0.05〜1.5 を含有することを特徴とする抗菌性ガラス繊維用組成
    物。
  4. 【請求項4】 重量%で表示して、 SiO2 40〜58 Al2O3 2〜15 ただしSiO2+Al2O3 42〜63 B2O3 20〜40 R2O 10〜20 (R=Li、Na、K) R'O 0〜10 (R'=Ca、Mg、Zn、Ba) ただしR2O+R'O 10〜30 SO3 0.01〜0.03 鉄酸化物(Fe2O3に換算) 0〜0.01 Ag2O 0.1〜1.0 を含有する請求項3記載の抗菌性ガラス繊維用組成物。
  5. 【請求項5】前記抗菌性ガラス繊維用組成物が、粘性が
    103ポイズになる温度が800〜1250℃である特
    性温度を有する請求項3記載の抗菌性ガラス繊維用組成
    物。
  6. 【請求項6】前記抗菌性ガラス繊維用組成物が、日本光
    学硝子工業会規格(JOGIS)の『光学ガラスの化学
    的耐久性の測定方法(粉末法)06ー1975』で測定
    したとき、その減量率が80.0重量%以下にある請求
    項3記載の抗菌性ガラス繊維用組成物。
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