JP2017228731A - 積層型電子部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】 静電容量が高く、かつデラミネーションの発生し難い積層型電子部品を提供する。【解決手段】 内部電極層7と、該内部電極層7を両面から挟むように配置されたセラミック層5とを有する電子部品本体1を備えており、内部電極層7は、膜状部7Aと膜状部7Aの表面7sに突出した凸部7Bとを有しており、凸部7Bは、山形状凸部7aとともにネック部7bbを介して結合したネック結合凸部7bを有し、セラミック層5中に埋入した状態にある。【選択図】図1

Description

本発明は、積層型電子部品に関する。
近年、積層セラミックコンデンサおよび積層型の圧電アクチュエータに代表される積層型電子部品は、電子機器の小型化および高性能化への対応のために、セラミック層および内部電極層の薄層化および多層化への要求がますます高まっている。
このような積層型電子部品では、セラミック層および内部電極層を薄層化するほどに、表面の凹凸が小さくなることから、アンカー効果の低下により層間での剥離現象(以下、デラミネーションという。)が発生しやすいものとなる。
このような課題に対して、以前より、内部電極層を形成するための導電性ペースト中にセラミック粉末を加え、焼成後の内部電極層中に、厚み方向に貫通する柱部材を形成することが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2003−77761号公報
ところが、柱部材は、上述のように、内部電極層を厚み方向に貫通するものであることから、柱部材が占める領域は内部電極層の無い、いわゆる無電極部となる。このため、内部電極層中に柱部材を増やすほど、層間の剥離は抑えられるものの、内部電極層の面積の減少によって、静電容量の低下が大きくなってしまう。
従って、本発明は、静電容量が高く、かつデラミネーションの発生し難い積層型電子部品を提供することを目的とする。
本発明の積層型電子部品は、内部電極層と、該内部電極層を両面から挟むように配置されたセラミック層とを有する電子部品本体を備えている積層型電子部品において、前記内部電極層は、膜状部と該膜状部の表面に突出した凸部とを有しており、該凸部は、山形状凸部とともにネック結合凸部を有し、前記凸部は前記セラミック層中に埋入されている。
本発明によれば、静電容量が高く、かつデラミネーションの発生し難い積層型電子部品を得ることができる。
(a)は、本実施形態の積層型電子部品の一例を示す斜視図、(b)は、(a)におけるA−A線断面図、(c)は、(b)におけるA部を拡大した断面図、(d)は、(c)におけるB部を拡大した断面図である。
図1(a)は、本実施形態の積層型電子部品の一例を示す斜視図、(b)は、(a)に
おけるA−A線断面図、(c)は、(b)におけるA部を拡大した断面図、(d)は、(c)におけるB部を拡大した断面図である。
本実施形態の積層型電子部品は、電子部品本体1の両端部に外部電極3を有している。電子部品本体1は、セラミック層5と内部電極層7とが交互に複数積層されて構成されている。言い換えると、この電子部品本体1は、内部電極層7と、該内部電極層7を両面から挟むように配置されたセラミック層5とを有する構成となっている。図1(b)ではセラミック層5と内部電極層7との積層状態を単純化して示しているが、この実施形態の積層型電子部品は、セラミック層5と内部電極層7とが数百層にも及ぶ積層体にも適用されるものである。セラミック層5は結晶粒子と粒界とから構成されている。
ここで、本実施形態の積層型電子部品を構成する内部電極層7は、膜状部7A(図1(c)に示した点線で囲った領域)と、その膜状部7Aの表面7sからセラミック層5側へ突出した凸部7Bとを有する構成となっている。また、この内部電極層7を構成している凸部7Bは、山形状凸部7aとともにネック結合凸部7bを有している。なお、ネック結合凸部7bは、膜状部7Aに結合したネック部7bbと、このネック部7baの先端側に設けられた凸部本体7baを有している。
山形状凸部7aおよびネック結合凸部7bを含む凸部7Bは、セラミック層5中に埋入されている。つまり、凸部7Bは、セラミック層5に突き刺さり、そのまま埋め込まれた状態となっている。
ここで、ネック部7bbとは、膜状部7Aと凸部本体7baとをつなぐ部位である。この場合、ネック部7bbの幅Wbbは、凸部本体7baの幅Wbと同等かそれ以下である。また、山形状凸部7aとは、凸部7Bとしての断面の形状が、図1(c)に示すような山形状を基本的な形状とするが、これに限定されるものではなく、膜状部7Aの表面付近の幅(ネック結合凸部7bのネック部7bbに対応する位置)が先端側よりも大きい形状であれば不定形であっても良い。
山形状凸部7aおよびネック結合凸部7bは、膜状部7Aの表面7sにそれぞれ複数個形成されている。また、内部電極層7を構成している膜状部7Aと凸部7Bとは同じ材質である。ここで、同じ材質とは、主成分の金属が同じであるという意味である。
本実施形態の積層型電子部品によれば、内部電極層7の表面7sに設けられている凸部7Bがセラミック層5中に入り込んだときに、内部電極層7が先細り状の山形状凸部7aに加えて、ネック結合凸部7bを備えていることから、内部電極層7の凸部7Bが山形状凸部7aだけの場合に比較してセラミック層5との接合強度を高めることができる。これにより電子部品本体1にデラミネーションが発生するのをより抑えることができる。これはネック結合凸部7bが膜状部7A側にくびれた部分かもしくは同じ幅の部分(ネック部7bb)を有することから、ネック結合凸部7bの先端側の凸部本体7baがセラミック層5中に埋め込まれ、セラミック層5内に固定されることによる。
なお、内部電極層7の凸部7Bがセラミック層5へ埋入している状態をセラミック層5側から見ると、凸部7Bに対応した部分が凹部5Bとなっており、さらに、この凹部5Bに隣接するかたちでセラミック層5側に凸部5Aが形成されている。この場合、内部電極層7とセラミック層5との界面には空間が存在しないほど密着した状態にある。また、セラミック層5において凸部5Aとなっている部分は、内部電極層7の凸部7Bを膜状部7A側以外の3方向から取り囲むように形成されている。これにより凸部7Bのセラミック層5内への固着力が増し、内部電極層7とセラミック層5との間の接合強度を高めることができる。その結果、積層型電子部品のデラミネーションの抑制とともに耐電圧を高める
ことができる。
また、この積層型電子部品では、内部電極層7の本体である膜状部7Aの表面に突出した凸部7Bにより内部電極層7とセラミック層5との間の表面積(断面では周縁部の長さ)が増加した分だけ、内部電極層7が凸部7Bを有しない場合に比較して表面積が大きくなる。これにより積層型電子部品の静電容量を高めることができる。
ここで、山形状凸部7aおよびネック結合凸部7bは、膜状部7Aの表面7sからの高さhが膜状部7Aの平均厚みtの1/5以上を有している。この場合、山形状凸部7aおよびネック結合凸部7bの膜状部7Aの表面7sからの高さhとしては、膜状部7Aの平均厚みtの1/4以上であるのが良い。
山形状凸部7aおよびネック結合凸部7bの膜状部7Aの表面7sからの高さhが高いほど、山形状凸部7aおよびネック結合凸部7bのセラミック層5中への埋め込まれる割合が大きくなるため、セラミック層5と内部電極層7との間の接合強度を高めることができる。また、耐電圧を高めることができる。さらには、山形状凸部7aおよびネック結合凸部7bの膜状部7Aの表面7sからの高さhが高いと、内部電極層7の表面積も増えることになるため静電容量も高めることができる。
なお、内部電極層7を構成する膜状部7Aの表面7sに凸部7Bを有する場合、凸部7Bを含む内部電極層7の平均の表面粗さRmaxは、内部電極層7の表面7sの中で、凸部7Bを除いた領域(符号7C)の平均の表面粗さRmaxよりも大きいものとなっている。この場合、凸部7Bを含む内部電極層7の平均の表面粗さRmaxは、凸部7Bを除いた領域(7C)の平均の表面粗さRmaxの2倍以上であるのが良い。
内部電極層7の表面7sにおける凸部7Bの割合は、電子部品本体1を縦断面視したときの内部電極層7の長さLに対する凸部7Bの幅WBの総和WBtの割合として0.5L以上であるのが良い。
また、内部電極層7の表面7sにおける山形状凸部7aの割合は、電子部品本体1を縦断面視したときの内部電極層7の長さLに対する山形状凸部7aの幅Waの総和Watの割合として0.4L以上であるのが良い。
さらに、内部電極層7の表面7sにおけるネック結合凸部7bの割合は、電子部品本体1を縦断面視したときの内部電極層7の長さLに対するネック結合凸部7bの幅Wbの総和Wbtの割合として0.05L以上であるのが良い。
またさらに、内部電極層7内に柱部材11を有していても良い。ここで、柱状部材11とは、内部電極層7を厚み方向に貫通し、内部電極層7を両面から挟んでいるセラミック層5を連結しているセラミック粒子または複数のセラミック粒子が粒界を介して結合した焼結体のことである。この場合、柱部材11の割合としては、電子部品本体1を縦断面視したときに、内部電極層7の長さLに対して、柱部材11の幅Whの総和Whtの割合が0.05L以上0.1L以下であるのが良い。
内部電極層7に存在する凸部7Bの割合は、電子部品本体1を所定の範囲で縦断面視したときに、単位面積内に見られる内部電極層7の両面に存在する凸部7Bの幅WBの総和WBtをその内部電極層7の長さLで除して求める。ここで、凸部7Bの幅WBの総和WBtは、山形状凸部7aの幅Waの総和Watとネック結合凸部7bの幅Wbの総和Wbtとを合わせたものである。
内部電極層7に存在する山形状凸部7aの割合は、電子部品本体1を所定の範囲で縦断面視したときに、単位面積内に見られる内部電極層7の両面に存在する山形状凸部7aの幅Waの総和Watをその内部電極層7の長さLで除して求める。ここで、山形状凸部7aの幅Waは、山形状凸部7aの膜状部7A側の根元部分の幅とする。
内部電極層7に存在するネック結合凸部7bの割合は、電子部品本体1を所定の範囲で縦断面視したときに、単位面積内に見られる内部電極層7の両面に存在するネック結合凸部7bの幅Wbの総和Wbtをその内部電極層7の長さLで除して求める。なお、ネック結合凸部7bの幅Wbは凸部本体7baの最大幅とする。
ここで、電子部品本体1を縦断面視したときの内部電極層7の長さLとは、例えば、電子顕微鏡観察して得られた写真に映し出された領域を単位面積としたときに、セラミック層5との積層面に平行な方向の長さのことを言う。この場合、内部電極層7の長さLを図る位置としては、内部電極層7の厚み方向の中央部とする。なお、凸部7B(山形状凸部7aおよびネック結合凸部7b)は、通常、内部電極層7の両面に存在するため、内部電極層7の長さLは、セラミック層5との積層面に平行な方向の長さの2倍とする。さらには、評価する内部電極層7が複数ある場合には、その層数を掛けた長さとなる。
内部電極層7を構成する膜状部7aの平均厚みtも内部電極層7の長さLを求めるために撮影した写真から求められる。この場合、撮影した写真に見られる内部電極層7の上面側および下面側のそれぞれにおいて、凸部7Bの根元部分となる位置を概略結ぶ直線を引き、上面側および下面側にそれぞれ引いた直線間の幅を平均厚みtとする。この場合、測定する箇所は内部電極層7の長さ方向に等間隔に3〜5箇所とし、平均厚みtは、各々測定した値の平均値から求める。
ここで、積層型電子部品内に形成された凸部7Bおよび柱部材11の有無およびその割合は、例えば、以下のような方法を用いて作製された試料から求める。
まず、積層型電子部品を研磨して、図1(b)に示すような断面を露出させる。次いで、その試料を塩化第2銅水溶液に浸漬することにより内部電極層7を溶解させて、内部電極層7の部分を除いて空洞化させる。こうして、図1(c)に示すような、セラミック層5の断面が露出した試料を得ることができる。
次に、得られた試料を走査型電子顕微鏡を用いて観察し、写真を撮影する。観察する際の倍率としては、セラミック層5および内部電極層7の厚みにも因るが、例えば、3000〜7000倍で撮影した写真(面積:約25μm×約25μm)を用いる。この場合には、撮影した写真内には内部電極層7が2〜4層存在するが、この範囲において、まず、セラミック層5との界面に平行な方向の長さを内部電極層7の長さLとして測定する。この場合、測定する場所は、内部電極層7が存在していた領域の厚み方向の中央部とする。
次に、内部電極層7の長さLに対する、凸部7Bの幅WBの総和WBtの割合WBt/L、山形状凸部7aの幅Waの総和Watの割合Wat/L、ネック結合凸部7bの幅Wbの総和Wbt/Lをそれぞれ測定し、平均値を求める。また、柱部材11の幅Whの総和Whtの割合Wht/Lも求める。
次に、本実施形態の積層型電子部品の製造方法について説明する。この積層型電子部品は、内部電極層7を形成するための導体ペーストの金属成分として、主材であるニッケル粉末に、ニッケル粉末の表面にチタン酸バリウム(BT)をコートしたBT被覆粉末を添加した混合粉末を用いる以外は、慣用的な方法を基にして製造することができる。この場合、ニッケル粉末としては、粒径の平均値を中心にして0.5桁ほどの範囲に広がった粒
度分布を有するものを用いる。BT被覆粉末は、チタン成分およびバリウム成分を溶解させた溶液中にニッケル粉末を分散させた上で、ニッケル粉末の表面にチタンおよびバリウムが化合した複合酸化物を析出させて形成する方法により得ることができる。こうして調製されたBT被覆粉末はニッケル粉末よりも焼結し難くなることから、内部電極層7の表面7sにネック結合凸部7bを含む凸部7Bを形成することができる。ネック結合凸部7bを多く形成する場合には、例えば、ニッケル粉末に対してBT被覆粉末の割合を増やすようにする。
以下、積層型電子部品の例としてコンデンサを具体的に作製し、誘電特性の評価を行った。まず、原料粉末として、純度が99.9%であり、粒度分布の範囲が0.05〜0.2μm、平均粒径(D50)が0.09μm、Ba/Tiのモル比が1.005のチタン酸バリウム粉末を準備した。これに以下の成分を添加して誘電体粉末を調製した。誘電体粉末の組成は、チタン酸バリウム粉末100モルに対して、V粉末を0.05モル、MgO粉末を0.7モル、希土類元素(Dy)の酸化物粉末を0.4モル、MnCO粉末を0.2モルとし、さらにSiOを含む焼結助剤をチタン酸バリウム粉末100質量部に対して1質量部添加したものとした。
次に、得られた誘電体粉末を、ポリビニルブチラール樹脂と、トルエンおよびアルコールの混合溶媒中に投入し、直径1mmのジルコニアボールを用いて湿式混合してセラミックスラリを調製し、ドクターブレード法により厚み5μmのセラミックグリーンシートを作製した。
次に、このセラミックグリーンシートの両方の表面に、Niを主成分とする導体ペーストを矩形状の内部電極パターンとなるように複数形成した。内部電極パターンを形成するための導体ペーストは、平均粒径が0.3μmの金属成分100質量部に対して、共材としてチタン酸バリウム粉末を10質量%加えたものを用いた。ここで、金属成分には、ニッケル粉末に上記したBT被覆粉末を混合した混合粉末を用いた。表1に示したBT被覆粉末の含有量はニッケル粉末100質量部に対する割合である。
次に、内部電極パターンを印刷したセラミックグリーンシートを260枚積層し、その上下面に内部電極パターンを印刷していないセラミックグリーンシートをそれぞれ20枚積層し、プレス機を用いて温度60℃、圧力10Pa、時間10分の条件で密着させて積層体を作製し、しかる後、この積層体を、所定の寸法に切断して電子部品本体となる生の成形体を形成した。
次に、この生の成形体を大気中で脱バインダ処理した後、水素−窒素中、昇温速度を2000℃/hとし、最高温度を1200℃に設定して焼成を行い、電子部品本体を作製した。この焼成にはローラーハースキルンを用いた。
作製した電子部品本体について、続いて、最高温度を1000℃に設定し、保持時間を5時間として、窒素雰囲気中にて再酸化処理を行った。この電子部品本体のサイズは、3.2mm×1.6mm×1.6mm、誘電体層の平均厚みは4.5μm、内部電極層の厚みは約1.2μmであった。
次に、電子部品本体をバレル研磨した後、電子部品本体の両端部にCu粉末とガラスとを含んだ外部電極ペーストを塗布し、850℃で焼き付けを行って外部電極を形成した。その後、電解バレル機を用いて、この外部電極の表面に、順にNiメッキ及びSnメッキを行い、積層型電子部品であるコンデンサを得た。
次に、作製したコンデンサについて以下の評価を行った。室温(25℃)における静電容量はLCRメータ(ヒューレットパッカード社製)を用いて、温度25℃、周波数1.0kHz、AC電圧を1.0V/μmとして測定した。試料数は20個とし、平均値を求めた。
耐電圧は、10V/秒の速さで直流電圧を昇圧する方法を用いて測定した。この場合、しきい値電流は30mAとした。
デラミネーションの評価は、耐熱衝撃試験と同様の方法を用いて行った。具体的には、作製したコンデンサを、305℃(ΔT=280℃)に加温した半田浴に約1秒間浸漬させた後、その外観を実体顕微鏡を用いて観察し、デラミネーションの有無を評価した。試料数は各温度100個とした。
内部電極層の凸部および柱部材の有無およびその割合は、作製したコンデンサを研磨して、図1(b)に示すような断面を露出させた試料を作製し、走査型電子顕微鏡を用いて撮影した写真(倍率:5000倍)から求めた。この場合、まず、セラミック層に接している内部電極層の長さLを測定した。次に、内部電極層の表面に形成された凸部の長さの総和の割合WBt/L、山形状凸部の総和の割合Wat/L、ネック結合凸部の総和の割合Wbt/Lおよび柱部材の幅の総和の割合Wht/Lをそれぞれ求めた。
作製した試料の内部電極層はいずれも凸部を有するものであった。凸部の膜状部の表面からの高さは内部電極層の平均厚みの1/4以上であった。また、内部電極層の表面に形成された凸部の領域の表面粗さ(Rmax)は凸部以外の領域の表面粗さ(Rmax)よりも3倍ほど大きいものであった。また、内部電極層の表面に凸部の割合を増やした試料(試料No.2〜5)は、柱部材の幅の割合(Wh/L)が次第に低下するものとなっていた。
比較例として、BT被覆粉末を含ませなかった導体ペーストを用いたコンデンサを上記と同様の方法により作製し、評価を行った。
表1の結果から明らかなように、内部電極層の表面に、凸部として、山形状凸部とともにネック結合凸部を有する試料(試料No.2〜5)は、内部電極層の表面にネック結合凸部を有しない試料(試料No.1)に比べて、静電容量が高く、デラミネーションの発生個数が少なかった。また、耐電圧が高かった。
また、凸部の幅の総和の割合(WBt/L)が0.5L以上である試料(試料No.3〜5)の中で、ネック結合凸部の幅の総和の割合(Wb/L)が0.05L以上である試料(試料No.4、5)は、デラミネーションが100個中1個以下、静電容量が4.5
2μF以上、耐電圧が425V以上であった。
1 電子部品本体
3 外部電極
5 セラミック層
7 内部電極層
7A 膜状部
7B 凸部
7a 山形状凸部
7b ネック結合凸部
7s 内部電極層の表面
11 柱部材

Claims (6)

  1. 内部電極層と、該内部電極層を両面から挟むように配置されたセラミック層とを有する電子部品本体を備えている積層型電子部品において、前記内部電極層は、膜状部と該膜状部の表面に突出した凸部とを有しており、該凸部は、山形状凸部とともにネック結合凸部を有し、前記凸部は前記セラミック層中に埋入されていることを特徴とする積層型電子部品。
  2. 前記山形状凸部および前記ネック結合凸部の前記膜状部の表面からの高さが、前記膜状部の平均厚みの1/4以上であることを特徴とする請求項1に記載の積層型電子部品。
  3. 前記電子部品本体を縦断面視したときに、前記内部電極層の長さLに対して、前記凸部の幅の総和の割合が0.5L以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の積層型電子部品。
  4. 前記電子部品本体を縦断面視したときに、前記内部電極層の長さLに対して、前記ネック結合凸部の幅の総和の割合が0.05L以上であることを特徴とする請求項3に記載の積層型電子部品。
  5. 前記内部電極層は、さらに、柱部材を有していることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれかに記載の積層型電子部品。
  6. 前記電子部品本体を縦断面視したときに、前記内部電極層の長さLに対して、前記柱部材の幅の総和の割合が0.1L以下であることを特徴とする請求項5に記載の積層型電子部品。
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