JP6781065B2 - コンデンサ - Google Patents

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本発明は、コンデンサに関する。
従来より、誘電体層と内部電極層とを交互に複数層積み重ねた後、一体的に焼成して作製された積層型のコンデンサが知られている(例えば、特許文献1を参照)。コンデンサは、近年の携帯電話に代表される小型の電子機器への対応から、さらなる小型化および高容量化が要求されてきている。
特開2011−129841号公報
誘電体層および内部電極層の積層数が、例えば数百層にも及ぶコンデンサにおいては、誘電体層を構成する結晶粒子が微細であることから所望の誘電特性を得るのが困難になってきている。とりわけ、コンデンサに電圧を印加したときの静電容量(以下、実効容量という。)を高くできないという問題がある。
従って、本発明は、実効容量の高いコンデンサを提供することを目的とする。
本発明のコンデンサは、誘電体層と内部電極層とが交互に複数積層されたコンデンサ本体と、該コンデンサ本体の前記内部電極層が露出した端面に設けられた外部電極とを備えているコンデンサであって、前記誘電体層は、主成分としてのチタン酸バリウムと、ジルコニウムとを含む結晶粒子により構成されており、前記ジルコニウムの濃度および前記結晶粒子の平均粒径の異なる第1領域および第2領域を有しており、前記第1領域での前記結晶粒子の平均粒径が0.11〜0.19μmであり、前記第2領域での前記結晶粒子の平均粒径が0.16〜0.24μmであり、前記第1領域及び前記第2領域を合わせた領域での前記結晶粒子の平均粒径が0.13〜0.20μmとなり、前記第2領域は前記第1領域に比べて前記ジルコニウムの濃度が2倍から20倍高く、かつ前記結晶粒子の平均粒径が0.05μm以上大きいものである。
本発明によれば、実効容量の高いコンデンサを得ることができる。
(a)は本実施形態のコンデンサを模式的に示す外観斜視図である。(b)は(a)のI−I線断面図である。(c)は、(b)におけるA部の拡大図である。
図1(a)は本実施形態のコンデンサを模式的に示す外観斜視図である。(b)は(a)のI−I線断面図である。(c)は、(b)におけるA部の拡大図である。
本実施形態のコンデンサは、図1(a)に示すように、コンデンサ本体1の対向する両端部に外部電極3を有している。コンデンサ本体1は、図1(b)に示すように、誘電体層5と内部電極層7とが交互に複数層に亘って積層された構成を成している。図1(b)に示したコンデンサ本体1は、誘電体層5および内部電極層7の積層数が数層と少ない構成として表されているが、本実施形態はこれに限らず積層数が数百層にも及ぶものまで含
まれることは言うまでもない。
コンデンサ本体1の形状は、外部電極3が設けられる2つの端面と、その端面に垂直な2つの側面と上面および下面とで構成される直方体状を成すものである。誘電体層5は平面視したときの形状が矩形状である。誘電体層5の主面内に配置された内部電極層7も誘電体層5と同様に矩形状を成している。内部電極層7は積層方向に交互に外部電極3側に延出されて外部電極3に接続されている。
本実施形態のコンデンサは、以下のような誘電体層5によって形成されている。誘電体層5はチタン酸バリウムを主成分とする結晶粒子9によって構成されている。ここで、チタン酸バリウムを主成分とするとは、誘電体層5の元素分析を行ったときに、チタンの酸化物(TiO換算)とバリウムの酸化物(BaO換算)とを合わせた合計量の割合が60質量%以上であるものを言う。また、誘電体層5はジルコニウムを含んでいる。結晶粒子9の平均粒径は0.13〜0.20μmである。この場合の結晶粒子9の平均粒径とは、後述している第1領域5aおよび第2領域5bを合わせた領域において求められる平均粒径のことである。誘電体層5はジルコニウムの濃度および結晶粒子9の平均粒径の異なる第1領域5aおよび第2領域5bを有している。第2領域5bは第1領域5aに比べてジルコニウムの濃度が高くかつ結晶粒子9の平均粒径が大きい構成となっている。この場合、第2領域5bにおけるジルコニウムの濃度は第1領域5aにおけるジルコニウムの濃度の2倍以上であるのが良い。また、第2領域5bに存在する結晶粒子9bの平均粒径は第1領域5aに存在する結晶粒子9aの平均粒径よりも0.05μm以上大きい方が良い。
本実施形態のコンデンサは、誘電体層5中に局所的にその周囲(ここでは、第1領域5bのこと)よりも粒径の大きい結晶粒子(9b)を含む第2領域5bを有している。これにより静電容量の高いコンデンサを得ることができる。また、この誘電体層5を構成している第2領域5bは、第1領域5aよりもジルコニウムの濃度が高くなっている。第2領域5bに含まれる結晶粒子9bは第1領域5aに含まれている結晶粒子5aよりもジルコニウムを多く含んでいる分だけチタン酸バリウムの誘電性が本来の強誘電性から常誘電性に近いものになっている。これによりコンデンサに電圧(例えば、直流電圧、1〜10V)を印加した状態でも静電容量の低下を抑えることができる。つまり、このコンデンサによれば高い実効容量を得ることができる。
また、第2領域5bの割合を以下のように限定したときには、実効容量をより高くすることができる。この場合、第2領域5bの割合は、誘電体層5を断面視したときの面方向の単位長をL、第2領域5bの幅をWとしたときに、W/L=0.02〜0.16である。例えば、2012型のコンデンサの場合に、誘電体層5に印加する直流電圧を3V/μmとした状態において、コンデンサの単位体積当たりの静電容量(実効容量)を2.8μF/mm以上にできる。この場合、2012型のコンデンサのサイズは、L寸:2.0±0.10mm、W寸:1.25±0.10mm、T寸:1.25±0.10mmである。また、直流電圧が3V/μmというのは、誘電体層5の単位厚み当たりに印加する直流電圧の値を意味している。
誘電体層5中に形成されている第2領域5bの割合はW/L=0.03〜0.15の関係にあるのが良い。W/Lを0.03〜0.15としたときには、コンデンサの単位体積当たりの静電容量を3μF/mm以上にできる。
さらに、W/Lを0.03〜0.1としたときには、DCエージング特性の高いコンデンサを得ることができる。例えば、上記した2012型のコンデンサにおいて、無負荷状態での静電容量をC0、直流電圧を5V印加して100時間放置した後の静電容量をC1
としたときに、(C1−C0)/C0(%)比が−40%以内となるコンデンサを得ることができる。
またさらに、誘電体層5に含まれる結晶粒子9の平均粒径を0.13〜0.15μmに限定したときには、高温負荷寿命に優れたコンデンサを得ることができる。例えば、上記した2012型のコンデンサにおいて、印加電圧を30V、環境温度を170℃と設定した試験条件下で、高温負荷寿命が55時間以上となるコンデンサを得ることができる。
これらの場合、第2領域5bは誘電体層5内において内部電極層7の一方側に接するように配置されているのが良い。つまり、本実施形態のコンデンサにおいては、図1(c)に示しているように、第2領域5bが誘電体層5を介して当該誘電体層5の上下両側に位置する内部電極層7aおよび内部電極層7bの両方に接する状態ではなく、内部電極層7a、7bのうちの一方に接するような配置が良い。第2領域5bが内部電極層7a、7bのうちの一方に接する配置であると、粒径の大きい結晶粒子9bを含む第2領域5bと内部電極層7(図1(c)では内部電極層7a)との間が、粒径の小さい結晶粒子9aが存在するいわゆる第1領域5aになることから、誘電体層5の絶縁性の低下および高温負荷寿命での信頼性の低下の小さいコンデンサを得ることができる。この場合、第2領域5bが誘電体層5の厚み方向に占める厚みの範囲としては、図1(c)に示しているように、実効容量を高くできるという点から、誘電体層5の厚みをt、第2領域5bの厚みをtとしたときに、t/tは0.5〜0.9であるのが良い。
ここで、誘電体層5の中で第2領域5bを特定する方法としては、分析器を付設した走査電子顕微鏡を用いるのが良い。具体的には、コンデンサ本体1を研磨して誘電体層5の断面を露出させた試料に対してジルコニウムの元素分析を行う。ジルコニウムの濃度が他の部位よりも2倍以上高い領域を第2領域5bと判定する。第2領域5b以外の領域を第1領域5aと判定する。
誘電体層を断面視したときの面方向の単位長をL、第2領域の幅をWとしたときのW/L比についても撮影した写真から第2領域5bが10箇所ほど含まれる範囲を選定して図1(c)に示す方法によって求める。この場合、撮影した写真に写った第2領域5bが10箇所より少ない場合には、第2領域5bが10箇所以上となるように複数の写真を用いても良い。
第1領域5aに含まれる結晶粒子9aおよび第2領域5bに含まれる結晶粒子9bのそれぞれの平均粒径は、第1領域5aおよび第2領域5bを定めたそれぞれの範囲において求める。具体的には、まず、誘電体層5の断面を撮影した写真上で第2領域5bを形成している結晶粒子9bについて、その輪郭を画像処理し、各粒子の面積を求め、同じ面積を持つ円に置き換えたときの直径を算出し、その平均値より求める。第1領域5aを形成している結晶粒子9aについては、撮影した写真上で結晶粒子が30個ほど入る円を描き、円内および円周にかかった結晶粒子9aを選択し、以下、第2領域5bの結晶粒子9bの場合と同じ方法によって求める。この場合、第1領域5aに含まれる結晶粒子9aおよび第2領域5bに含まれる結晶粒子9bのそれぞれの平均粒径は、第1領域5aおよび第2領域5bのそれぞれについて少なくとも3箇所を測定した値の平均値を当てる。誘電体層5中の結晶粒子9の平均粒径は撮影した写真に第2領域5bが5箇所以上入る写真を選びインターセプト法を用いて求める。
本実施形態は、誘電体層5および内部電極層7の平均厚みがそれぞれ0.3〜4.0μm、積層数が200層以上となる薄層、高積層型のコンデンサに好適なものとなる。
コンデンサを構成する内部電極層7を形成するための金属粉末としては、ニッケル(1
2.8×10−6/℃)、銅(16.8×10−6/℃)、パラジウム(11.8×10−6/℃)および銀(18.9×10−6/℃)から選ばれる1種もしくはこれらの合金を適用するのが良い。外部電極3も同様の金属を適用するのが良い。
次に、本実施形態のコンデンサを製造する方法については、以下に示す誘電体粉末を除いて定法に従って作製する。この場合、誘電体粉末を調製するための原料粉末としては、チタン酸バリウム粉末(BT粉末)とジルコニウムの成分を被覆したチタン酸バリウム粉末(BZT粉末)を用いる。また、誘電特性を制御し、焼結助剤となる助剤粉末として、MgO粉末、希土類元素の酸化物粉末、MnCO粉末およびV粉末を用いる。これらを所定の割合で配合させた誘電体粉末からセラミックグリーンシートを作製し、次いで、セラミックグリーンシートに内部電極パターンを形成してパターンシートを作製する。次に、作製したパターンシートを必要な枚数積層し、所定のサイズに切断して、焼成後にコンデンサ本体1となる積層体を作製する。作製した積層体を設定した条件にて焼成を行ってコンデンサ本体1を作製する。
次に、コンデンサ本体1の端部に外部電極3を形成し、必要に応じてめっき膜を形成する。こうして得られたコンデンサは、誘電体粉末の主成分となる原料粉末にBT粉末とBZT粉末とを用い、高速度の焼成を行うことにより、BZT粉末に由来する第2領域5bを誘電体層5内に形成することができる。
以下、具体的に積層型のコンデンサを作製して本発明の効果を確認した。まず、誘電体層用の材料として以下の誘電体粉末を調製した。誘電体粉末の原料粉末として、チタン酸バリウム粉末(BT粉末)、ジルコニウムの成分を被覆したチタン酸バリウム粉末(BZT粉末:ジルコニウム10モル%)を準備した。また、助剤粉末として、MgO粉末、Dy粉末、MnCO粉末およびV粉末を準備した。原料粉末および助剤粉末には平均粒径が0.15μmであるものを用いた。誘電体層中における第1領域および第2領域の割合はBT粉末およびBZT粉末の配合量によって調整した。その配合組成を表1に示した。また、助剤粉末を以下の割合となるように配合して誘電体粉末を調製した。原料粉末量を100モルとしたときに、MgO粉末を1モル、Dy粉末を1モル、MnCO粉末を0.2モル、V粉末を0.08モルとした。また、原料粉末100質量部に対して、ガラス粉末(SiO=55,BaO=20,CaO=15,LiO=10(モル%))を1質量部添加した。次いで、この誘電体粉末を直径5mmのジルコニアボールを用いて、溶媒としてトルエンとアルコールとからなる混合溶媒を添加し湿式混合した。
次に、湿式混合した粉末を、ポリビニルブチラール樹脂を溶解させたトルエンおよびアルコールの混合溶媒中に投入し、直径5mmのジルコニアボールを用いて湿式混合してセラミックスラリを調製し、ドクターブレード法により成形用フィルム上に厚みが約2.7μmのセラミックグリーンシートを作製した。
次に、成形用フィルムの上面に形成されたセラミックグリーンシートの表面に内部電極パターンを形成してパターンシートを作製した。内部電極パターンは電極用ペーストを印刷用のスクリーンを用いて印刷する方法によって形成した。電極用ペーストとしては、Ni粉末45質量%に対して、共材として、平均粒径が0.05μmのチタン酸バリウム粉末を20質量%添加し、これにエチルセルロース5質量%およびオクチルアルコール95質量%からなる有機ビヒクル30質量%を加え、3本ロールで混練して調製したものを用いた。
次に、作製したパターンシートを成形用フィルムから剥離し、複数層重ねて仮積層体を
作製し、次いで、この仮積層体の上下面にそれぞれ内部電極パターンを形成していないセラミックグリーンシートを重ね、加圧加熱処理を行ってコンデンサ本体となる積層体を複数個有する母体積層体を形成した。この後、この母体積層体を所定の寸法に切断して積層体を形成した。積層体における内部電極層の積層数は440層とした。
次に、作製した積層体を大気中にて脱脂した後、水素−窒素の混合ガス雰囲気にて酸素分圧10−8Pa、昇温速度を900〜1500℃/hの条件にて焼成し、コンデンサ本体を作製した。最高温度は1180℃とした。また、最高温度での保持時間を0.5時間とした。
次に、作製したコンデンサ本体に窒素雰囲気中(酸素分圧:10−6Pa)、900〜1000℃で8時間の熱処理を行った。作製したコンデンサ本体のサイズは2012型に相当するものであり、そのサイズは、おおよそ2.0mm×1.25mm×1.25mmであった。また、誘電体層の平均厚みは2μm、内部電極層の1層の平均厚みは0.6μmであった。
なお、作製したコンデンサ本体から得られる静電容量の設計値(誘電体層を挟んで内部電極層が上下で重なっている有効面積の領域に空隙が無い状態で発現する静電容量)は10μFと見積もった。
次に、作製したコンデンサ本体にバレル研磨処理を行い、コンデンサ本体の端面に内部電極層を十分に露出させた。
次に、バレル研磨したコンデンサ本体の端部に銅ペーストを塗布し、約800℃、酸素分圧を1Pa、最高温度の保持時間を0.2時間とする条件で加熱して外部電極を形成した。
次に、この外部電極の表面に、順に、電解めっき法によりNiメッキ膜およびSnメッキ膜を形成して積層型のコンデンサを作製した。
次に、作製した積層型のコンデンサについて以下の評価を行った。
ここで、誘電体層の中で第2領域を特定する方法としては、まず、コンデンサ本体を研磨して誘電体層の断面を露出させた試料を作製し、分析器を付設した走査電子顕微鏡を用いてジルコニウムの元素分析を行った。ジルコニウムの濃度が他の部位よりも2倍以上高い領域を第2領域と判定するようにした。第2領域以外の領域を第1領域と判定するようにした。
誘電体層中に形成された第2領域の割合は、ジルコニウムの濃度が他の部位よりも2倍以上高い領域を第2領域と判定した試料について、誘電体層を断面視したときの面方向の単位長をL、第2領域の幅をWとし、W/L比から求めた。この場合、撮影した写真から第2領域が10箇所ほど含まれる範囲を選定して図1(c)に示す方法によって求めた。
表1に示した試料No.1〜14の誘電体層に形成された第2領域は、いずれも誘電体層の厚み方向の一方側に偏った状態で形成されていた。これらの試料は、誘電体層の厚み方向への範囲(t/t)が0.5〜0.9の範囲に入るものであった。
第1領域に含まれる結晶粒子および第2領域に含まれる結晶粒子のそれぞれの平均粒径は、第1領域および第2領域を定めたそれぞれの範囲において求めた。まず、誘電体層の断面を撮影した写真上で第2領域を形成している結晶粒子について、その輪郭を画像処理
し、各粒子の面積を求め、同じ面積を持つ円に置き換えたときの直径を算出し、その平均値より求めた。第1領域を形成している結晶粒子については、撮影した写真上で結晶粒子が30個ほど入る円を描き、円内および円周にかかった結晶粒子を選択し、以下、第2領域の結晶粒子の場合と同じ方法によって求めた。この場合、第1領域5aに含まれる結晶粒子9aおよび第2領域5bに含まれる結晶粒子9bのそれぞれの平均粒径は、第1領域5aおよび第2領域5bのそれぞれについて5箇所を測定した値の平均値を当てた。誘電体層中の結晶粒子の平均粒径は撮影した写真に第2領域が5箇所ほど入る写真を選びインターセプト法によって求めた。
実効容量は、温度25℃、周波数1.0kHz、測定電圧(直流電圧)を5Vrmsとして測定し、その平均値(x)を求めた。試料数は各30個とした。
DCエージング特性は、無負荷条件で静電容量C0を測定し、次に、測定電圧(直流電圧)を5Vrmsとして、100時間経過後の静電容量C1を測定し、(C1−C0)/C0比から求めた。試料数は各30個とした。
高温負荷寿命は、試験条件の直流電圧30V、環境温度を170℃に設定し、故障確率が50%に達したときの時間を平均故障時間として求めた。試料数は各30個とした。
Figure 0006781065
表1の結果から明らかなように、誘電体粉末としてBZT粉末を用いて作製した試料(試料No.1〜14)は、いずれも誘電体層中にジルコニウムの濃度が高い第2領域が形
成されたものであった。これらの試料の中で、結晶粒子の平均粒径が0.13〜0.20μmであった試料(試料No.1、4〜14)は、実効容量が2.8μF/mm以上であった。
第2領域の割合の指標であるW/Lを0.03〜0.15とした試料(試料No.1、5、6、9、10、13および14)は、実効容量が3μF/mm以上であった。
第2領域の割合の指標であるW/Lを0.03〜0.1とした試料の中で、平均粒径を0.13〜0.15μmとした試料(試料No.1、5および9)では、高温負荷寿命が55時間以上であった。
1・・・・・・・・・・・コンデンサ本体
3・・・・・・・・・・・外部電極
5・・・・・・・・・・・誘電体層
5a・・・・・・・・・・第1領域
5b・・・・・・・・・・第2領域
7、7a、7b・・・・・内部電極層
9、9a、9b・・・・・結晶粒子

Claims (5)

  1. 誘電体層と内部電極層とが交互に複数積層されたコンデンサ本体と、
    該コンデンサ本体の前記内部電極層が露出した端面に設けられた外部電極とを備えているコンデンサであって、
    前記誘電体層は、主成分としてのチタン酸バリウムと、ジルコニウムとを含む結晶粒子により構成されており、
    前記ジルコニウムの濃度および前記結晶粒子の平均粒径の異なる第1領域および第2領域を有しており、
    前記第1領域での前記結晶粒子の平均粒径が0.11〜0.19μmであり、
    前記第2領域での前記結晶粒子の平均粒径が0.16〜0.24μmであり、
    前記第1領域及び前記第2領域を合わせた領域での前記結晶粒子の平均粒径が0.13〜0.20μmとなり、
    前記第2領域は前記第1領域に比べて前記ジルコニウムの濃度が2倍から20倍高く、かつ前記結晶粒子の平均粒径が0.05μm以上大きい、コンデンサ。
  2. 前記第2領域の割合が、前記誘電体層を断面視したときの面方向の単位長をL、前記第2領域の幅をWとしたときに、W/L=0.03〜0.15の関係にある、請求項1に記載のコンデンサ。
  3. 前記W/L=0.02〜0.10である、請求項2に記載のコンデンサ。
  4. 前記結晶粒子の平均粒径が0.13〜0.15μmである、請求項1乃至3のうちいずれかに記載のコンデンサ。
  5. 前記第2領域は前記内部電極層の一方側に接するように配置されている、請求項1乃至4のうちいずれかに記載のコンデンサ。
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