JP2002329634A - 積層型電子部品およびその製法 - Google Patents
積層型電子部品およびその製法Info
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Abstract
内部電極層と誘電体層との間の接合性を改善できる積層
型電子部品およびその製法を提供する。 【解決手段】誘電体層11と内部電極層9とを交互に積
層してなる電子部品本体1の端面に、前記内部電極層9
が交互に接続される一対の外部電極3をそれぞれ形成し
てなる積層型電子部品において、前記内部電極層9が電
解メッキにより形成された平滑膜15に凸部17を形成
してなる。
Description
よびその製法に関し、特に、内部電極層を薄層化しても
内部電極層と誘電体層との界面接合を改善できる積層型
電子部品およびその製法に関する。
い、積層型電子部品、例えば、積層セラミックコンデン
サは小型高容量化が求められており、このため誘電体層
の薄層化と誘電体層の積層数の増加が図られている。
ては、内部電極層に関し、例えば、特開2000−24
3650号公報に開示されるようなものが知られてい
る。この公報に開示された積層セラミックコンデンサで
は、内部電極パターンが、平均粒径0.4μm以下の卑
金属(Ni)粉末を含む導電性ペーストを用いて、スク
リーン印刷法あるいはグラビア印刷法により形成され、
焼成後の平均厚みが0.5〜1.5μmの内部電極層、
または薄膜形成法あるいは無電解メッキ法により形成さ
れ、焼成後の厚みが0.3〜1.0μmの内部電極層
と、チタン酸バリウムを主成分とする誘電体層が交互に
所望の層数積層されてなる電子部品本体成形体を作製
し、その電子部品本体成形体を大気中200℃以下の温
度で乾燥硬化させ、その端面に外部電極ペーストを塗
布、乾燥させた後、同時焼成することにより、誘電体層
を薄層高積層化した小型高容量の積層セラミックコンデ
ンサを作製することが記載されている。
報に開示された積層セラミックコンデンサのように、導
電性ペーストを用いて薄層の内部電極層を形成した場合
には、導電性ペースト中に含まれる有機樹脂の蒸発およ
び金属粉末の焼成収縮により、内部電極層が網目状に形
成され、誘電体層上の内部電極層を形成すべき領域を完
全には被覆することが困難となり、このため内部電極層
の有効面積が低下し、所望の静電容量が得られないとい
う問題があった。
層を形成した場合には、誘電体層上の内部電極層を形成
すべき領域をほぼ完全に被覆できることから内部電極層
の有効面積を高めることができるものの、内部電極層と
して形成されている金属膜の表面が高い平滑性を有して
いるため、誘電体グリーンシートと内部電極パターンと
を交互に複数積層し、加圧加熱によって積層成形体を作
製した場合に、誘電体グリーンシートと内部電極パター
ンとの界面が剥離しやすく、焼成後に、内部電極層と誘
電体層との接合が弱くなり、デラミネーションが発生し
やすいという問題があった。
を大きくできるとともに、内部電極層と誘電体層との間
の接合性を改善できる積層型電子部品およびその製法を
提供することを目的とする。
は、誘電体層と内部電極層とを交互に積層してなる電子
部品本体の端面に、前記内部電極層が交互に接続される
一対の外部電極をそれぞれ形成してなる積層型電子部品
において、前記内部電極層が電解メッキにより形成され
た平滑膜に凸部を形成してなることを特徴とする。
層が電解メッキで形成されていることから薄層化した平
滑膜が得られ、誘電体層上をほぼ完全に被覆でき、内部
電極層の有効面積を大きくできる。また、この平滑膜の
表面に凸部が形成されていることから、この内部電極層
に対向して積層される誘電体層に対して、アンカー効果
を高めることができ、内部電極層と誘電体層との間の接
合性を向上できる。
平滑膜の表面から誘電体層厚みの1/4以下であること
が望ましい。このように平滑膜に形成された凸部の高さ
を誘電体層厚みの1/4よりも小さくすることにより、
誘電体層の両面から凸部が押圧された場合においても、
これらの凸部同士が誘電体層内部で接触することがな
く、内部電極層間のショートを低減できるとともに、誘
電体層に対するアンカー効果を維持でき、内部電極層と
誘電体層との間の接合を強くできる。
さ(Ra)が80nm以下であることが望ましい。内部
電極層のベース膜となる平滑膜の平滑性を高めることに
より、内部電極層の厚みばらつきを低減できるととも
に、薄層化しても穴等の内部欠陥が低減され、内部電極
層の有効面積を大きくできる。
グリーンシートと内部電極パターンとを交互に積層して
なる積層体を作製する工程と、該積層体を切断して電子
部品本体成形体を作製する工程と、該電子部品本体成形
体を非酸化性雰囲気中で焼成して電子部品本体を作製す
る工程とを具備する積層型電子部品の製法であって、前
記内部電極パターンが、電解メッキにより形成された内
部電極膜パターンの表面に、有機樹脂と金属粉末を含有
する内部電極凸パターンを形成してなることを特徴とす
るものである。
ッキにより形成されることから、高い平滑性を有し且つ
穴等の欠陥のない金属膜を容易に形成でき内部電極層の
有効面積を向上できる。また、この平滑膜が高い平滑性
を有するのため、その表面に形成される凸部を均一に分
散できるとともに、凸部を含めた内部電極パターンの厚
みをより均一にできる。
脂を含む金属粉末による凸部を形成することにより、誘
電体グリーンシートに対する内部電極パターンの密着性
を高めることができ、焼成後には、この内部電極層の表
面に形成された凸部により、誘電体層に対するアンカー
効果が高まり、内部電極層と誘電体層との接合性を高く
できる。
である積層セラミックコンデンサについて、図1の概略
断面図をもとに詳細に説明する。
子部品本体1の両端部に外部電極3を形成して構成され
ている。
もしくはCuとNiの合金ペーストを焼き付けて形成さ
れ、この例では、Cuが使用されている。また、その表
面には、図示しないが、例えば、順にNiメッキ層、S
nメッキ層もしくはSn−Pb合金メッキ層が形成され
ている。これらは外部電極3のはんだ食われ防止やはん
だ濡れ性を補うものである。
層11を交互に積層し、さらに、誘電体層11と同一材
料からなる絶縁層13を積層して構成されている。
体層11のほぼ全面に形成された平滑膜15と、この平
滑膜15の両表面に形成された凸部17により構成さ
れ、平滑膜15と凸部とは焼結して接合されている。例
えば、平滑膜15と凸部17の金属が同じ成分であれ
ば、ほぼ一体化して形成される。
厚みは0.8μm以下が望ましく、特に、穴等の内部欠
陥を低減するとともに、有効面積を大きくできるという
理由から0.3〜0.5μmが望ましい。
は、0.1μm以下が望ましく、さらに、例えば、積層
セラミックコンデンサの寸法および静電容量を安定化さ
せるという理由から0.05μm以下が望ましい。
の形状は、概ね半球状であり、平滑膜の表面から半球状
の頂点までの高さhは、誘電体層11厚みの1/4以下
であることが望ましい。特に、内部電極層同士の接触を
無くし、ショートを防止するとともに、誘電体層11中
のアンカー効果を高めるという理由から誘電体層11厚
みの1/10〜1/5であることが望ましい。
は、100個/1600μm2以上であることが望まし
く、特に、内部電極層9の平滑性とアンカー効果を両立
させるという理由から、150〜4000個/1600
μm2が望ましい。
11はシート状のセラミック焼結体からなり、例えば、
BaTiO3を主成分とする誘電体グリーンシートを焼
成して形成した誘電体磁器からなる。
内部電極層9同士の接触を防止するという理由から1.
5〜3μmであることが望ましい。
ンデンサの製法について説明する。
iO3−MnO−MgO−Y2O3等の誘電体粉末と焼結
助剤が好適に使用できる。これらの誘電体材料のうち、
主原料のBaTiO3粉は、固相法、液相法(シュウ酸
塩を経過する方法等)、水熱合成法等により合成される
が、そのうち粒度分布が狭く、結晶性が高いという理由
から水熱合成法が好適に用いられる。そして、BaTi
O3粉の比表面積は1.7〜6.6(m2/g)が好まし
い。
粉末を用いて誘電体グリーンシートを形成する方法とし
て、ドクターブレード法、引き上げ法、リバースロール
コータ法、グラビアコータ法、スクリーン印刷法が好適
に用いられる。薄層化した誘電体グリーンシートを形成
するために、特に、ドクターブレード法が用いられてい
る。
有機粘結剤および有機溶媒を含有するセラミックスラリ
をキャリアフィルム上に塗布し、高速でキャスティング
し、乾燥することによって形成される。
ンシートの厚みは12μm以下であり、特に、積層型電
子部品の小型高容量化という理由から1.5〜5μmの
範囲に形成されることが望ましい。
ーンシート21の一方主面に内部電極層9と同じパター
ンの内部電極凸パターン23を形成する。
24a、セラミック粉末24bおよび有機樹脂を含む導
電性ペーストを用いてスクリーン印刷により形成され
る。この他に、ドクターブレード法、リバースロールコ
ータ法、グラビアコータ法等も用いることができる。
ペーストの組成は、金属粉末24aが、35〜45重量
%、セラミック粉末24bが4〜7重量%の範囲であ
り、これらの金属粉末24aとセラミック粉末24bと
の固形分100重量部に対し、有機樹脂を4〜10重量
部混合することが、金属粉末24aを均一に分散し、ア
ンカー効果を高めるという理由から望ましい。
えば、積層コンデンサのデラミネーション防止や低背化
による小型化のために薄くすることが望ましく、その厚
みは0.8μm以下が望ましい。特に、内部電極凸パタ
ーン23を薄くするとともにアンカー効果によるデラミ
ネーション等を抑制するという理由から0.3〜0.5
μmの範囲が望ましい。
体ペーストに用いる金属粉末の平均粒径は、上記のよう
に薄層化した内部電極凸パターン23を形成するために
0.4μm以下が望ましく、金属粉末の凝集を抑え且つ
アンカー効果を高めるという理由から0.1〜0.2μ
mが望ましい。
属粉末の粒子径により制御できる。
は、例えば、Ni、Co、Cu等の卑金属が使用され、
電子部品本体1を構成する誘電体材料の焼成温度とのマ
ッチング、金属の導電性、および価格の面からNi金属
が用いられる。そして、内部電極凸パターン23の金属
材料は誘電体材料の焼成温度とのマッチングという理由
から平滑膜15となる金属材料と同一の材料を用いるこ
とが望ましい。
する導体ペーストに含まれる有機粘結剤は、誘電体グリ
ーンシート21に含まれる有機樹脂との溶解性が高く、
誘電体グリーンシート21や内部電極膜パターンとの密
着性が高いものが好ましい。
つ、内部電極凸パターン23の焼成収縮率を制御するた
めに、導体ペースト中には、誘電体層9と同じ組成のセ
ラミック粉末を含有することもできる。
となる内部電極膜パターン39を形成する。先ず、図4
(a)に示すように、表面粗さ(Ra)が10nm以下
に加工されたステンレス板あるいはチタン板等からなる
成膜用の基板プレート27の表面全面に感光性レジスト
樹脂を塗布し、内部電極膜パターン39を形成する部分
を感光させないようにマスクを当て、露光、現像を行
う。その後、未硬化のレジストを洗浄除去することによ
り、内部電極膜パターン39が形成される部分のレジス
トが除かれた電解メッキ用のレジストパターン37を形
成する。
ストパターン37が形成された基板プレート27をNi
メッキ液に浸漬し電解メッキを行い、その後、アルカリ
洗浄によりマスク部分のレジストパターン37を除去す
ることによって、基板プレート27上にNi金属からな
る内部電極膜パターン39が形成される。
層型電子部品の小型、高信頼性化という点から1.5μ
m以下、特には0.3〜0.8μmの範囲であることが
望ましい。
解メッキを用いて形成することにより、平滑膜15を、
例えば、1μm以下に極めて薄くしても穴などの欠陥が
殆ど無い均一な厚みを有する内部電極膜パターン39を
形成でき、このため平滑膜15の有効面積を大きくで
き、静電容量を高く且つ安定化できる。
形成においては、基板プレート27の表面粗さを10n
m以下に形成することにより、従来の電解メッキ膜に比
較して表面粗さ80nm以下の平滑膜15を形成するこ
とが可能となる。
圧延金属膜を用いることもでき、こうして空隙の少ない
内部電極膜パターン39を直接形成することができる。
体グリーンシート21や内部電極凸パターン23との密
着性を高め、積層圧着後に誘電体グリーンシート21と
内部電極膜パターン39と一体化できるようにするため
に、基板プレート27上に形成された内部電極膜パター
ン39の表面が粗化されていることが望ましい。その表
面粗さは80nm以下であることが好ましい。
ターン39の表面に、誘電体グリーンシート21に含ま
れる有機粘結剤を溶解する溶媒や有機樹脂からなる密着
液を塗布することにより、内部電極膜パターン39と、
誘電体グリーンシート21およびこの誘電体グリーンシ
ート21の表面に形成された内部電極凸パターン23と
の密着性を高めることもできる。
パターン39が形成された基板プレート27を内部電極
凸パターン23が形成された誘電体グリーンシート21
の表面に熱圧着転写することにより、誘電体グリーンシ
ート21の主面上に内部電極凸パターン23と内部電極
膜パターン39からなる内部電極パターン41が形成さ
れる。このとき、内部電極凸パターン23を構成してい
る金属粉末の表面には有機樹脂が被覆され、また、転写
する内部電極膜パターン39の表面にも有機樹脂が塗布
されていることにより、この内部電極膜パターン39
と、内部電極凸パターン23および誘電体グリーンシー
ト21との密着性を高めることができる。
部電極膜パターン39の表面に、金属粉末を含有する導
体ペーストを塗布して内部電極凸パターン23を形成
し、このようにして形成された内部電極パターン41を
誘電体グリーンシート21の主面に熱圧着し転写して形
成することもできる。
のように、一旦基板プレート27上に形成した後に誘電
体グリーンシート21上に転写する方法の他に、誘電体
グリーンシート21上に直接形成することもできる。
ン41が形成された誘電体グリーンシート21を複数枚
積層し、この上下面に、さらに内部電極パターン41が
形成されていない複数の誘電体グリーンシート21を積
層し、加熱加圧によって積層体43を作製する。
ート21上に塗布された導体ペースト中の金属粉末24
aやセラミック粉末24bが内部電極膜パターン39を
押圧し、金属粉末24aやセラミック粉末24bが接し
ている側の内部電極膜パターン39が凹状に変形すると
ともに、その対向する面が凸状に変形することにより内
部電極膜パターン39の両面に凸部が形成される。
断して電子部品本体成形体を作製する。
0〜300℃または酸素分圧0.1〜1Paの低酸素雰
囲気中500〜800℃で脱バイした後、非酸化性雰囲
気で1250〜1350℃で2〜3時間焼成し、電子部
品本体1を作製する。
のセラミック粉末24bが誘電体層11と焼結し一体化
するとともに、金属粉末24aが内部電極膜パターン3
9と接合し、内部電極層9の表面に凸部17を形成でき
る。
素分圧が0.1〜10-4Pa程度の低酸素分圧下、90
0〜1100℃で5〜15時間熱処理を施すこともあ
る。
ストを塗布、乾燥後、700〜900℃で焼き付けを行
い外部電極3を形成する。外部電極3を構成する金属粉
末として、卑金属元素から選ばれる少なくとも1種と、
焼結助剤として外部電極ペースト中にガラス成分を10
〜20重量%含む導電性ペーストを用いることによっ
て、電子部品本体1と外部電極3との接着接合性を高め
ることができる。
スとしては、融点が800℃以上であることが望まし
く、例えば、BaO−B2O3−SiO2−ZnO−Ca
O−Al2O3系からなる耐酸性のガラスフリットであ
り、粒径は10μm以下で、融点は800℃以上とされ
ている。
ば、順にNiメッキ層、Snメッキ層もしくはSn−P
b合金メッキ層が形成される。これらのメッキ層は外部
電極3のハンダ食われ防止やハンダ濡れ性を補うもので
ある。
同一材料から構成される必要はなく、特に、内部電極層
9がNi、また、外部電極3がCuからなることが望ま
しい。
子部品として、例えば、誘電体層11および内部電極層
9を薄層化して形成された積層セラミックコンデンサで
は、内部電極層9を電解メッキを用いて形成することに
より、薄層化しても穴等が無く、有効面積を高めること
ができ、さらに、この平滑膜15の表面に金属粉末によ
る凸部17を形成することにより、誘電体層11に対す
るアンカー効果が高まり、内部電極層9と誘電体層11
との接合が強くなり、デラミネーションやクラックを抑
制し、積層セラミックコンデンサの静電容量を高めるこ
とができる。
コンデンサを以下のようにして作製した。先ず、BaT
iO399.5モル%とMnO0.5モル%とからなる
組成物100モル%に対して、Y、Mgの各酸化物を所
定量配合し、ZrO2ボールを用いたボールミルにて湿
式粉砕した。次に、ポリビニルブチラール系の有機粘結
剤、フタル酸エステル系の可塑剤、分散剤、およびトル
エン溶媒を所定量混合し、振動ミルを用いて、粉砕、混
練し、スラリーを調製した後、ダイコーターにより、ポ
リエステルよりなるキャリアフィルム上に厚み2.4μ
mの誘電体グリーンシートを作製した。
調整されたステンレス製の基板プレートの表面に感光性
レジスト樹脂を塗布し、内部電極膜パターンを形成する
部分を感光させないようにマスクを当て、露光、現像を
行い、その後、未硬化のレジストを洗浄除去することに
より、内部電極層が形成される部分のレジストが除かれ
た電解メッキ用のレジストパターンを形成した。
基板プレートをNiメッキ液に浸漬した状態で電解メッ
キを行い、厚み0.3〜0.8μmのNi金属膜を形成
し、その後、アルカリ洗浄によりマスク部分の感光性樹
脂の除去を行うことによって、基板プレート上に内部電
極層となる内部電極膜パターンを形成した。
m、および0.6μmのNi粉末をそれぞれ所望の凸部
高さに応じて適用し、このNi粉末に対して、誘電体粉
末、エチルセルロース、および有機ビヒクルを加えて、
3本ロールで混練して導体ペーストを作製し、誘電体グ
リーンシートの一方主面に、スクリーン印刷装置を用い
て、上記した導体ペーストを印刷し、表1に示す最大高
さを有するような内部電極凸パターンを形成した。そし
て、内部電極層9に形成される凸部17の面密度はNi
金属粉末の混合量によって制御し、この場合、表1に示
す数密度になるように調整した。
6μmのNi粉末を用いて調製した導体ペーストの印刷
のみを用いて形成した試料と、電解メッキ膜のみで形成
した試料を作製した。
属膜からなる内部電極膜パターンを80℃、80kg/
cm2の条件で内部電極凸パターンが形成された誘電体
グリーンシート上に熱圧着転写し、誘電体グリーンシー
ト上に内部電極膜パターンを形成した。
電体グリーンシートを400枚積層し、さらにこの上下
層に内部電極パターンを形成していない誘電体グリーン
シートをそれぞれ10枚積層した後、温度100℃、圧
力200kgf/cm2の条件での積層プレスにより積
層体を作製した。
電子部品本体成形体を得た。
00℃または酸素分圧0.1〜1Paの低酸素雰囲気中
500℃で脱バイした後、酸素分圧10-7Paの非酸化
性雰囲気中1300℃で2時間焼成し、さらに、酸素分
圧が0.01Paの低酸素分圧下1000℃で10時間
の再酸化処理を施し、電子部品本体1を得た。
本体1に対し、内部電極層9が露出した各端面にガラス
粉末を含んだCuペーストを塗布した後、窒素雰囲気
中、900℃で焼き付けを行った。その後、Niメッキ
層およびSnメッキ層を形成し、内部電極層と電解的に
接続された外部電極を形成して積層セラミックコンデン
サを作製した。
ンデンサの外形寸法は、おおよそ幅1.25mm、長さ
2.0mm、厚さ1.25mmであり、内部電極層9間
に介在する誘電体層の厚みは2〜2.5μmであった。
ンデンサについて、各100個の試料について、静電容
量、ショート率、耐電圧の測定を行った。静電容量値は
1Vrms、1kHzの条件で測定した。この静電容量
を測定の際ショートした個数によりショート率を算出し
た。耐電圧はKIKUSUIDSM8103を用いて測
定した。その測定結果を表1に示す。
面研磨して電子顕微鏡(SEM)を用いて撮影した写真
からデラミネーション、誘電体層の厚み、内部電極層を
構成している平滑膜の厚み、凸部の最大高さ、ならびに
内部電極層1層の単位面積あたりの凸部数を評価した。
この内部電極層1層の単位面積当たりの凸部数は、予
め、断面観察により単位長さ当たりの凸部数を測定し、
この数値を自乗して求めた。また、平滑膜の表面粗さは
電解メッキ直後のメッキ膜の表面を原子間力顕微鏡を用
いて測定した。
本体の内部に形成される内部電極層として、電解メッキ
で形成した平滑膜の表面に導電性ペーストを用いて凸部
を形成した試料No.2〜12では、一部の試料に1/
100個のショート率が認められたものの、静電容量が
9μF以上、静電容量のばらつきが0.751μF以
下、破壊電圧が98V以上でデラミネーションがほとん
ど無く、積層セラミックコンデンサの特性を改善でき
た。
た試料No.6〜8では、凸部の高さの増加に伴い静電
容量のばらつきが低下した。また、凸部高さを一定と
し、凸部の数密度を増加させた試料No.7、9〜11
においては、静電容量のばらつきがさらに低下した。
No.12においても耐電圧が98Vと低いものの、例
えば、誘電体厚み2.5μmで内部電極層の構成を同じ
くした試料と同等の特性を得ることができた。
クリーン印刷により内部電極層の厚みを0.7μmに形
成した試料No.1では、内部電極パターンの焼成収縮
により内部電極層の有効面積が著しく減少し、静電容量
が得られなかった。
た平滑膜のみで形成された試料No.12では、内部電
極層と誘電体層との接合が弱く、このため積層セラミッ
クコンデンサにデラミネーションが多発し、静電容量の
ばらつきが大きかった。
電子部品本体の内部に電解メッキにより形成された平滑
膜を形成し、さらにこの表面に金属粉末による凸部を形
成して内部電極層を形成することにより、内部電極層の
有効面積を大きくできるとともに、極めて薄くした内部
電極層であっても誘電体層に対するアンカー効果が高ま
り、内部電極層と誘電体層との接合を向上でき、デラミ
ネーションやクラックを無くし、静電容量の低下とその
ばらつきを抑制することができる。
ある。
凸パターンの概略断面図である。
パターンを示す概略断面図、(b)は基板プレート上に
形成された内部電極膜パターンを示す概略断面図であ
る。
とともに転写積層された内部電極膜パターンを示す概略
断面図である。
示す概略断面図である。
Claims (4)
- 【請求項1】誘電体層と内部電極層とを交互に積層して
なる電子部品本体の端面に、前記内部電極層が交互に接
続される一対の外部電極をそれぞれ形成してなる積層型
電子部品において、前記内部電極層が電解メッキにより
形成された平滑膜に凸部を形成してなることを特徴とす
る積層型電子部品。 - 【請求項2】凸部の高さは、平滑膜の表面から誘電体層
厚みの1/4以下であることを特徴とする請求項1記載
の積層型電子部品。 - 【請求項3】平滑膜の表面粗さ(Ra)が80nm以下
であることを特徴とする請求項1または2に記載の積層
型電子部品。 - 【請求項4】誘電体グリーンシートと内部電極パターン
とを交互に積層してなる積層体を作製する工程と、該積
層体を切断して電子部品本体成形体を作製する工程と、
該電子部品本体成形体を非酸化性雰囲気中で焼成して電
子部品本体を作製する工程とを具備する積層型電子部品
の製法であって、前記内部電極パターンが、電解メッキ
により形成された内部電極膜パターンの表面に、有機樹
脂と金属粉末を含有する内部電極凸パターンを形成して
なることを特徴とする積層型電子部品の製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001129799A JP4671530B2 (ja) | 2001-04-26 | 2001-04-26 | 積層型電子部品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001129799A JP4671530B2 (ja) | 2001-04-26 | 2001-04-26 | 積層型電子部品 |
Publications (2)
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