JP2762427B2 - 積層型セラミックチップコンデンサ - Google Patents
積層型セラミックチップコンデンサInfo
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- H01G4/06—Solid dielectrics
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- H01G4/12—Ceramic dielectrics
- H01G4/1209—Ceramic dielectrics characterised by the ceramic dielectric material
- H01G4/1218—Ceramic dielectrics characterised by the ceramic dielectric material based on titanium oxides or titanates
Description
プコンデンサに関する。
小型、大容量、高信頼性の電子部品として広く利用され
ており、1台の電子機器の中で使用される個数も多数に
のぼる。近年、機器の小型・高性能化にともない、積層
型セラミックチップコンデンサに対する更なる小型、大
容量、低価格、高信頼性化への要求はますます厳しくな
っている。
常、内部電極層用のペーストと誘電体層用のペーストと
をシート法や印刷法等により積層し、一体同時焼成して
製造される。
d合金が用いられているが、Pdは高価であるため、比
較的安価なNiやNi合金等の卑金属が使用されつつあ
る。内部電極層の導電材として卑金属を用いる場合、大
気中で焼成を行なうと内部電極層が酸化してしまうた
め、誘電体層と内部電極層との同時焼成を、還元性雰囲
気中で行なう必要がある。しかし、還元性雰囲気中で焼
成すると、誘電体層が還元され、比抵抗が低くなってし
まうため、非還元性の誘電体材料が提案されている。
層型セラミックチップコンデンサは、絶縁抵抗IRの寿
命が短くなり、信頼性が低いという問題がある。
電率εs が経時的に低下するという問題が生じる。チッ
プコンデンサを小型、大容量化するために誘電体層の厚
みを薄くすると、直流電圧を印加したときの誘電体層に
かかる電界が強くなるため、比誘電率εs の経時変化、
すなわち容量の経時変化が著しく大きくなってしまう。
特性と呼ばれる規格では、容量の変化率が、−55℃か
ら125℃の間で±15%以内(基準温度25℃)と定
められている。
は、例えば特開昭61−36170号公報に示されるB
aTiO3 +SrTiO3 +MnO系の組成が知られて
いる。しかし、このものは、直流電界下における容量の
経時変化が大きく、例えば40℃で50V の直流電界を
1000時間印加すると、容量の変化率が−10〜−3
0%程度となってしまい、X7R特性を満足することが
できなくなる。
物としては、特開昭57−71866号公報に開示され
ているBaTiO3 +MnO+MgO、特開昭61−2
50905号公報に開示されている(Ba1-x Srx
O)a Ti1-y Zry O2 +α((1−z)MnO+z
CoO)+β((1−t)A2 O5 +tL2 O3 )+w
SiO2 (ただし、A=Nb,Ta,V、L=Yまたは
希土類元素)、特開平2−83256号公報に開示され
ているチタン酸バリウムにガラス状態のBaαCa1-α
SiO3 を添加したものなどが挙げられる。しかし、こ
れらのいずれの誘電体磁器組成物も、容量の温度特性が
良好で、直流電界下での容量の経時変化が少なく、絶縁
抵抗の加速寿命が長いという特性の全てを満足すること
はできなかった。例えば、特開昭61−250905号
公報および特開平2−83256号公報にそれぞれ開示
されているものでは、絶縁抵抗の加速寿命が短い。
情からなされたものであり、容量の温度特性であるX7
R特性(EIA規格)およびB特性(EIAJ規格)を
いずれも満足することができ、かつ、直流電界下での容
量の経時変化が小さく、また、絶縁抵抗IRの加速寿命
が長い積層型セラミックチップコンデンサを提供するこ
とを目的とする。
(1)〜(7)の本発明により達成される。 (1)誘電体層と内部電極層とが交互に積層された構成
のコンデンサチップ体を有する積層型セラミックチップ
コンデンサであって、前記誘電体層が、主成分としてチ
タン酸バリウムを、副成分として酸化マグネシウムと、
酸化マンガンと、酸化バリウムおよび酸化カルシウムか
ら選択される少なくとも1種と、酸化ケイ素とを含有
し、チタン酸バリウムをBaTiO3 に、酸化マグネシ
ウムをMgOに、酸化マンガンをMnOに、酸化バリウ
ムをBaOに、酸化カルシウムをCaOに、酸化ケイ素
をSiO2 にそれぞれ換算したとき、BaTiO3 10
0モルに対する比率がMgO:0.1〜3モル、Mn
O:0.05〜1.0モル、BaO+CaO:2〜12
モル、SiO2 :2〜12モルであることを特徴とする
積層型セラミックチップコンデンサ。 (2)前記BaTiO3 、MgOおよびMnOの合計に
対し、BaO、CaOおよびSiO2 が(Bax Ca
1-x O)y ・SiO2 (ただし、0.3≦x≦0.7、
0.95≦y≦1.05である。)として1〜10重量
%含有される上記(1)の積層型セラミックチップコン
デンサ。 (3)誘電体層と内部電極層とが交互に積層された構成
のコンデンサチップ体を有する積層型セラミックチップ
コンデンサであって、前記誘電体層が、主成分としてチ
タン酸バリウムを、副成分として酸化マグネシウムと、
酸化マンガンと、酸化イットリウムと、酸化バリウムお
よび酸化カルシウムから選択される少なくとも1種と、
酸化ケイ素とを含有し、チタン酸バリウムをBaTiO
3 に、酸化マグネシウムをMgOに、酸化マンガンをM
nOに、酸化イットリウムをY2 O3 に、酸化バリウム
をBaOに、酸化カルシウムをCaOに、酸化ケイ素を
SiO2 にそれぞれ換算したとき、BaTiO3 100
モルに対する比率がMgO:0.1〜3モル、MnO:
0.05〜1.0モル、Y2 O3 :1モル以下、BaO
+CaO:2〜12モル、SiO2 :2〜12モルであ
ることを特徴とする積層型セラミックチップコンデン
サ。 (4)BaTiO3 、MgO、MnOおよびY2 O3 の
合計に対し、BaO、CaOおよびSiO2 が(Bax
Ca1-x O)y ・SiO2 (ただし、0.3≦x≦0.
7、0.95≦y≦1.05である。)として1〜10
重量%含有される上記(3)の積層型セラミックチップ
コンデンサ。 (5)前記内部電極層に含まれる導電材が、Niまたは
Ni合金である上記(1)ないし(4)のいずれかの積
層型セラミックチップコンデンサ。 (6)酸素分圧が10-8〜10-12 気圧である雰囲気中
で、1200〜1400℃の温度範囲内にて焼成された
上記(5)の積層型セラミックチップコンデンサ。 (7)焼成後に、酸素分圧が10-6気圧以上の雰囲気中
で1100℃以下の温度範囲内にてアニールされた上記
(5)または(6)の積層型セラミックチップコンデン
サ。
に説明する。
発明の積層型セラミックチップコンデンサの構成例の断
面図を、図1に示す。
ラミックチップコンデンサ1は、誘電体層2と内部電極
層3とが交互に積層された構成のコンデンサチップ体1
0を有し、このコンデンサチップ体10表面に、内部電
極層3と導通する外部電極4を有する。コンデンサチッ
プ体10の形状に特に制限はないが、通常、直方体状と
される。また、その寸法にも特に制限はなく、用途に応
じて適当な寸法とすればよいが、通常、(1.0〜5.
6mm)×(0.5〜5.0mm)×(0.5〜1.9mm)
程度である。内部電極層3は、その端面がコンデンサチ
ップ体10の対向する2表面に交互に露出するように積
層され、外部電極4は、コンデンサチップ体10の前記
対向する2表面に形成され、所定のコンデンサ回路を構
成する。
てチタン酸バリウム、副成分として酸化マグネシウム
と、酸化マンガンと、酸化バリウムおよび酸化カルシウ
ムから選択される少なくとも1種と、酸化ケイ素とを含
有する。チタン酸バリウムをBaTiO3 に、酸化マグ
ネシウムをMgOに、酸化マンガンをMnOに、酸化バ
リウムをBaOに、酸化カルシウムをCaOに、酸化ケ
イ素をSiO2 にそれぞれ換算したとき、誘電体層中に
おける各化合物の比率は、BaTiO3 100モルに対
しMgO:0.1〜3モル、好ましくは0.5〜1.5
モル、MnO:0.05〜1.0モル、好ましくは0.
2〜0.4モル、BaO+CaO:2〜12モル、Si
O2 :2〜12モルである。
されないが、通常、0.9〜1.1とすることが好まし
い。BaO、CaOおよびSiO2 は、(Bax Ca
1-x O)y ・SiO2 として含まれていてもよい。この
場合、緻密な焼結体を得るためには0.3≦x≦0.
7、0.95≦y≦1.05とすることが好ましい。
(Bax Ca1-x O)y ・SiO2 の含有量は、BaT
iO3 、MgOおよびMnOの合計に対し、好ましくは
1〜10重量%、より好ましくは4〜6重量%である。
なお、各酸化物の酸化状態は特に限定されず、各酸化物
を構成する金属元素の含有量が上記範囲であればよい。
チタン酸バリウム100モルに対し、Y2 O3 に換算し
て1モル以下の酸化イットリウムが副成分として含まれ
ることが好ましい。Y2 O3 含有量の下限は特にない
が、十分な効果を実現するためには0.1モル以上含ま
れることが好ましい。酸化イットリウムを含む場合、
(Bax Ca1-x O)y ・SiO2 の含有量は、BaT
iO3 、MgO、MnOおよびY2 O3 の合計に対し好
ましくは1〜10重量%、より好ましくは4〜6重量%
である。
ていてもよいが、酸化コバルトは容量変化率を増大させ
るので実質的に含まれないことが好ましい。
とおりである。
であると、容量の温度特性を所望の範囲とすることがで
きない。酸化マグネシウムの含有量が前記範囲を超える
と、焼結性が急激に悪化し、緻密化が不十分となってI
R加速寿命が低下し、また、高い比誘電率が得られな
い。
ると、良好な耐還元性が得られずIR加速寿命が不十分
となり、また、損失 tanδを低くすることが困難とな
る。酸化マンガンの含有量が前記範囲を超えている場
合、直流電界印加時の容量の経時変化を小さくすること
が困難となる。
a1-x O)y ・SiO2 の含有量が少なすぎると直流電
界印加時の容量の経時変化が大きくなり、また、IR加
速寿命が不十分となる。含有量が多すぎると比誘電率の
急激な低下が起こる。
せる効果を有する。酸化イットリウムの含有量が前記範
囲を超えると、静電容量が減少し、また、焼結性が低下
して緻密化が不十分となることがある。
されていてもよい。酸化アルミニウムは比較的低温での
焼結を可能にする作用をもつ。Al2O3に換算したと
きの酸化アルミニウムの含有量は、誘電体材料全体の1
重量%以下とすることが好ましい。酸化アルミニウムの
含有量が多すぎると比誘電率が著しく低下してしまい、
同時にIR加速寿命も短くなってしまう。
ーシェル構造となっている。すなわち、ペロブスカイト
構造を有する高誘電率相の結晶粒(コア)の周囲を低誘
電率相の結晶粒界(シェル)が取り囲む構造となってい
る。コアには、通常、BaO、TiO2、MnO、Ca
Oなどが含まれ、シエルには、通常、CaO、Ti
O2、BaO、SiO2、MnO、MgO、Y2O3な
どが含まれる。
いが、上記組成とすることにより微細な結晶粒が得ら
れ、通常、平均結晶粒径は0.2〜0.7μm 程度とな
る。また、シェルの平均幅は、0.02〜0.2μm 程
度である。
格に応じて組成を選択することにより適宜設定すること
ができるが、一般に85℃以上、通常、120〜135
℃程度とする。
以下、好ましくは20μm程度以下とする。厚さの下限
は0.5μm程度、好ましくは2μm程度である。本発
明は、このような薄層化した誘電体層を有する積層型セ
ラミックチップコンデンサの容量の経時変化防止に有効
である。なお、誘電体層は、通常、2〜300層程度、
好ましくは2〜200層程度積層する。
る導電材は特に限定されないが、誘電体層2構成材料が
耐還元性を有するため、卑金属を用いることができる。
導電材として用いる卑金属としては、NiまたはNi合
金が好ましい。Ni合金としては、Mn、Cr、Coお
よびAlから選択される1種以上の元素とNiとの合金
が好ましく、合金中のNi含有量は95重量%以上であ
ることが好ましい。
各種微量成分が0.1重量%程度以下含まれていてもよ
い。
定すればよいが、厚さの上限は通常5μm、好ましくは
2.5μm、厚さの下限は通常0.5μm、好ましくは
1μmである。
電材は特に限定されないが、本発明では安価なNi、C
uや、これらの合金を用いることができる。
されればよいが、通常、10〜50μm 程度であること
が好ましい。
造方法]本発明の積層型セラミックチップコンデンサ
は、ペーストを用いた通常の印刷法やシート法によりグ
リーンチップを作製し、これを焼成した後、外部電極を
印刷ないし転写して焼成することにより製造される。
トは、誘電体原料と有機ビヒクルとを混練して製造され
る。
化物の混合物を用いることができるが、その他、焼成に
より上記した複合酸化物や酸化物となる各種化合物、例
えば、炭酸塩、シュウ酸塩、硝酸塩、水酸化物、有機金
属化合物等から適宜選択し、混合して用いることができ
る。誘電体原料中の各化合物の含有量は、焼成後に上記
した誘電体層の組成となるように決定すればよい。
3μm程度、特に0.1〜1μm程度の粉末として用い
られる。
に溶解したものである。有機ビヒクルに用いるバインダ
は特に限定されず、エチルセルロース等の通常の各種バ
インダから適宜選択すればよい。また、用いる有機溶剤
も特に限定されず、印刷法やシート法など、利用する方
法に応じて、テルピネオール、ブチルカルビトール、ア
セトン、トルエン等の各種有機溶剤から適宜選択すれば
よい。
ーストは、上記した各種導電性金属や合金からなる導電
材、あるいは焼成後に上記した導電材となる各種酸化
物、有機金属化合物、レジネート等と、上記した有機ビ
ヒクルとを混練して調製する。
トは、上記した内部電極層用ペーストと同様にして調製
すればよい。
ト中の有機ビヒクルの含有量に特に制限はなく、通常の
含有量、例えば、バインダは1〜5重量%程度、溶剤は
10〜50重量%程度とすればよい。また、各ペースト
中には、必要に応じて各種分散剤、可塑剤、誘電体、絶
縁体等から選択される添加物が含有されていてもよい。
これらの総含有量は、10重量%以下とすることが好ま
しい。
合、誘電体層用ペーストおよび内部電極層用ペースト
を、PET等の基板上に積層印刷し、所定形状に切断し
た後、基板から剥離してグリーンチップとする。
ペーストを用いてグリーンシートを形成し、この上に内
部電極層用ペーストを印刷した後、これらを積層してグ
リーンチップとする。
バインダ処理は、通常の条件で行えばよいが、内部電極
層の導電材にNiやNi合金等の卑金属を用いる場合、
特に下記の条件で行うことが好ましい。 昇温速度:5〜300℃/時間、特に10〜100℃/
時間 保持温度:200〜400℃、特に250〜300℃ 温度保持時間:0.5〜24時間、特に5〜20時間 雰囲気:空気中
は、内部電極層用ペースト中の導電材の種類に応じて適
宜決定されればよいが、導電材としてNiやNi合金等
の卑金属を用いる場合、焼成雰囲気中の酸素分圧は、1
0-8〜10-12 気圧とすることが好ましい。酸素分圧が
前記範囲未満であると、内部電極層の導電材が異常焼結
を起こし、途切れてしまうことがある。また、酸素分圧
が前記範囲を超えると、内部電極層が酸化する傾向にあ
る。
100〜1400℃、より好ましくは1200〜140
0℃、さらに好ましくは1200〜1300℃とする。
保持温度が前記範囲未満であると緻密化が不十分であ
り、前記範囲を超えると直流電界印加時の容量の経時変
化が大きくなる。
することが好ましい。 昇温速度:50〜500℃/時間、特に200〜300
℃/時間 温度保持時間:0.5〜8時間、特に1〜3時間 冷却速度:50〜500℃/時間、特に200〜300
℃/時間 焼成雰囲気は還元性雰囲気とすることが好ましく、雰囲
気ガスとしては、例えば、N2 とH2 との混合ガスを加
湿して用いることが好ましい。
合、コンデンサチップ体にはアニールが施されることが
好ましい。アニールは、誘電体層を再酸化するための処
理であり、これによりIR加速寿命を著しく長くするこ
とができる。
圧以上、特に10-5〜10-4気圧とすることが好まし
い。酸素分圧が前記範囲未満であると誘電体層の再酸化
が困難であり、前記範囲を超えると内部電極層が酸化す
る傾向にある。
下、特に500〜1000℃とすることが好ましい。保
持温度が前記範囲未満であると誘電体層の酸化が不十分
となって寿命が短くなる傾向にあり、前記範囲を超える
と内部電極層が酸化し、容量が低下するだけでなく、誘
電体素地と反応してしまい、寿命も短くなる傾向にあ
る。なお、アニールは昇温および降温だけから構成して
もよい。この場合、温度保持時間は零であり、保持温度
は最高温度と同義である。
ることが好ましい。 温度保持時間:0〜20時間、特に6〜10時間 冷却速度:50〜500℃/時間、特に100〜300
℃/時間 雰囲気用ガスには、加湿したN2 ガス等を用いることが
好ましい。
びアニールにおいて、N2 ガスや混合ガス等を加湿する
には、例えばウェッター等を使用すればよい。この場
合、水温は5〜75℃程度が好ましい。
連続して行なっても、独立に行なってもよい。
処理後、冷却せずに雰囲気を変更し、続いて焼成の際の
保持温度まで昇温して焼成を行ない、次いで冷却し、ア
ニールの保持温度に達したときに雰囲気を変更してアニ
ールを行なうことが好ましい。
に際しては、脱バインダ処理時の保持温度までN2 ガス
あるいは加湿したN2 ガス雰囲気下で昇温した後、雰囲
気を変更してさらに昇温を続けることが好ましく、アニ
ール時の保持温度まで冷却した後は、再びN2 ガスある
いは加湿したN2 ガス雰囲気に変更して冷却を続けるこ
とが好ましい。また、アニールに際しては、N2 ガス雰
囲気下で保持温度まで昇温した後、雰囲気を変更しても
よく、アニールの全工程を加湿したN2 ガス雰囲気とし
てもよい。
ばバレル研磨やサンドプラストなどにより端面研磨を施
し、外部電極用ペーストを印刷ないし転写して焼成し、
外部電極4を形成する。外部電極用ペーストの焼成条件
は、例えば、加湿したN2とH2との混合ガス中で60
0〜800℃にて10分間〜1時間程度とすることが好
ましい。
めっき等により被覆層を形成する。
セラミックチップコンデンサは、ハンダ付等によりプリ
ント基板上などに実装され、各種電子機器等に使用され
る。
コンデンサの誘電体層には、使用時に、0.02V/μm
以上、 特に0.2V/μm 以上、さらには0.5V/μm 以
上、一般に5V/μm 程度以下の直流電界と、通常、これ
に重畳する交流成分とが印加されるが、このような直流
電界を負荷しても、容量の経時変化は極めて少ないもの
である。
をさらに詳細に説明する。
・Mg(OH)2 ・5H2 O、MnCO3 、(Ba0.5
Ca0.5 )SiO3 、Y2 O3 から選択した材料粉末を
ボールミルにより16時間湿式混合し、次いでスプレー
ドライヤーで乾燥させて、誘電体原料とした。各粉末の
混合比率を変えて、複数の誘電体原料を作製した。
脂4.8重量部、塩化メチレン40重量部、トリクロロ
エタン20重量部、ミネラルスピリット6重量部および
アセトン4重量部とをボールミルで混合してペースト化
した。
ヒクル(エチルセルロース樹脂8重量部をブチルカルビ
トール92重量部に溶解したもの)40重量部およびブ
チルカルビトール10重量部とを3本ロールにより混練
し、ペースト化した。
ヒクル(エチルセルロース樹脂8重量部をブチルカルビ
トール92重量部に溶解したもの)35重量部およびブ
チルカルビトール7重量部とを混練し、ペースト化し
た。
電極層用ペーストを用い、図1に示される構成の積層型
セラミックコンデンサを作製した。
フィルム上にグリーンシートを作製し、この上に内部電
極層用ペーストを印刷した。次いで、PETフィルムか
らシートを剥離して積層し、加圧接着してグリーンチッ
プを得た。積層数は4層とした。
し、脱バインダ処理、焼成およびアニールを下記の条件
にて連続的に行ない、コンデンサチップ体を作製した。
ェッターを用い、水温は35℃とした。
ドブラストにて研磨した後、上記外部電極用ペーストを
前記端面に転写し、加湿したN2+H2雰囲気中で80
0℃にて10分間焼成して外部電極を形成し、積層型セ
ラミックチップコンデンササンプルを得た。
ズは、3.2mm×1.6mm×1.2mmであり、誘電体層
の厚さは15μm 、内部電極層の厚さは2.5μm であ
った。
に示す。これらの組成は、前述した基準に従って算出し
た。なお、表1中の(Ba,Ca)SiO3 とは、(B
a0. 5 Ca0.5 )SiO3 である。
た。結果を表1に示す。
ついて測定電圧1V で容量を測定し、容量変化率が±1
5%以内(基準温度25℃)を満足するかどうかを調べ
た。満足する場合を○、満足しない場合を×とした。
ンプルへの印加電圧16V )を40℃にて66時間印加
し、次いで、無負荷状態で室温にて24時間放置した
後、容量を測定し、直流電界印加前の容量C0 (初期容
量)からの変化量ΔCを求めて、変化率ΔC/C0 を算
出した。なお、容量は上記条件にて測定した。
抵抗(IR)が2×105 Ω以下になるまでの時間を寿
命時間とした。
明らかである。すなわち、誘電体層の組成が本発明の範
囲内であるサンプルでは、X7R特性を満足し、かつ、
直流電界下での容量の経時変化率が10%以下と極めて
低く、また、加速試験における絶縁抵抗IRの寿命が長
い。そして、Y2 O3 の添加により、IR加速寿命が著
しく向上することがわかる。また、表1の本発明サンプ
ルは、静電容量の温度特性がB特性[−25〜85℃で
容量変化率±10%以内(基準温度20℃)]も満足し
ていた。
ンプルNo. 16の誘電体層断面の走査型電子顕微鏡写真
を、それぞれ図2および図3に示す。これらの写真は、
断面を鏡面研磨し、フッ酸−硝酸の混合水溶液によりエ
ッチングした後に撮影した。比較例であるサンプルNo.
16(図3)では平均結晶粒径が約1μm 、結晶粒界の
平均幅が約0.2μm であるが、本発明のサンプルNo.
1(図2)では平均結晶粒径が約0.5μm 、結晶粒界
の平均幅が約0.2μm と細かい。なお、表1に示され
る他の比較サンプルおよび本発明サンプルについても、
同様な関係がみられた。
層の透過型電子顕微鏡写真を、上記直流電界印加前およ
び印加後に撮影した。印加前の写真を図4に、印加後の
写真を図5にそれぞれ示す。図4および図5から、直流
電界の印加によりドメインが減少していることがわか
る。
ることにより、容量の温度特性に関するX7R特性およ
びB特性を満足することができ、かつ、直流電界下での
容量の経時変化が小さく、また、絶縁抵抗IRの加速寿
命が長い積層型セラミックチップコンデンサを実現する
ことができる。
構成例を示す断面図である。
の積層型セラミックチップコンデンサの誘電体層断面の
走査型電子顕微鏡写真である。
積層型セラミックチップコンデンサの誘電体層断面の走
査型電子顕微鏡写真である。
セラミックチップコンデンサの誘電体層の透過型電子顕
微鏡写真である。
界印加後の積層型セラミックチップコンデンサの誘電体
層の透過型電子顕微鏡写真である。
Claims (7)
- 【請求項1】 誘電体層と内部電極層とが交互に積層さ
れた構成のコンデンサチップ体を有する積層型セラミッ
クチップコンデンサであって、 前記誘電体層が、主成分としてチタン酸バリウムを、副
成分として酸化マグネシウムと、酸化マンガンと、酸化
バリウムおよび酸化カルシウムから選択される少なくと
も1種と、酸化ケイ素とを含有し、チタン酸バリウムを
BaTiO3 に、酸化マグネシウムをMgOに、酸化マ
ンガンをMnOに、酸化バリウムをBaOに、酸化カル
シウムをCaOに、酸化ケイ素をSiO2 にそれぞれ換
算したとき、BaTiO3 100モルに対する比率が MgO:0.1〜3モル、 MnO:0.05〜1.0モル、 BaO+CaO:2〜12モル、 SiO2 :2〜12モル であることを特徴とする積層型セラミックチップコンデ
ンサ。 - 【請求項2】 前記BaTiO3 、MgOおよびMnO
の合計に対し、BaO、CaOおよびSiO2 が(Ba
x Ca1-x O)y ・SiO2 (ただし、0.3≦x≦
0.7、0.95≦y≦1.05である。)として1〜
10重量%含有される請求項1の積層型セラミックチッ
プコンデンサ。 - 【請求項3】 誘電体層と内部電極層とが交互に積層さ
れた構成のコンデンサチップ体を有する積層型セラミッ
クチップコンデンサであって、 前記誘電体層が、主成分としてチタン酸バリウムを、副
成分として酸化マグネシウムと、酸化マンガンと、酸化
イットリウムと、酸化バリウムおよび酸化カルシウムか
ら選択される少なくとも1種と、酸化ケイ素とを含有
し、チタン酸バリウムをBaTiO3 に、酸化マグネシ
ウムをMgOに、酸化マンガンをMnOに、酸化イット
リウムをY2 O3 に、酸化バリウムをBaOに、酸化カ
ルシウムをCaOに、酸化ケイ素をSiO2 にそれぞれ
換算したとき、BaTiO3 100モルに対する比率が MgO:0.1〜3モル、 MnO:0.05〜1.0モル、 Y2 O3 :1モル以下、 BaO+CaO:2〜12モル、 SiO2 :2〜12モル であることを特徴とする積層型セラミックチップコンデ
ンサ。 - 【請求項4】 BaTiO3 、MgO、MnOおよびY
2 O3 の合計に対し、BaO、CaOおよびSiO2 が
(Bax Ca1-x O)y ・SiO2 (ただし、0.3≦
x≦0.7、0.95≦y≦1.05である。)として
1〜10重量%含有される請求項3の積層型セラミック
チップコンデンサ。 - 【請求項5】 前記内部電極層に含まれる導電材が、N
iまたはNi合金である請求項1ないし4のいずれかの
積層型セラミックチップコンデンサ。 - 【請求項6】 酸素分圧が10-8〜10-12 気圧である
雰囲気中で、1200〜1400℃の温度範囲内にて焼
成された請求項5の積層型セラミックチップコンデン
サ。 - 【請求項7】 焼成後に、酸素分圧が10-6気圧以上の
雰囲気中で1100℃以下の温度範囲内にてアニールさ
れた請求項5または6の積層型セラミックチップコンデ
ンサ。
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- 1993-03-19 JP JP5085705A patent/JP2762427B2/ja not_active Expired - Lifetime
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