JP2017193731A - 電磁鋼板、及びその製造方法 - Google Patents
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Description
高周波領域で使用されるモータや発電機は高速で回転するために、電磁鋼板には優れた磁気特性だけでなく、高速回転に耐えうるだけの強度も必要になる。例えば特許文献4にはSi:2.0〜3.5%を含有する鋼に、MnやNiで固溶強化を図る方法が記載されている。しかしながら高周波領域で使用するには固溶強化だけでは十分ではなかった。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、その要旨とするところは以下の通りである。
α−γ変態系であり、少なくとも、Si:2.0質量%以上4.0質量%以下、又はAl:0.6質量%以上3.0質量%以下を含有し、Feを主成分とするインゴットを熱延板とする熱間圧延工程と、
前記熱延板を冷延鋼板とする冷間圧延工程と、
前記冷延鋼板を仕上焼鈍する工程を有し、
前記熱間圧延工程と、前記冷間圧延工程との間に焼鈍工程を有しないことを特徴とする。
前記熱間圧延工程における仕上圧延において、仕上げ温度が、熱延板のT2超であり、
前記冷却工程が、T2超の前記熱延板を、3sec以内に200℃/sec以上の冷却速度で250℃以下まで冷却することが、高い磁束密度かつ高周波領域で低鉄損であり、さらに高強度となる電磁鋼板が得られる点から好ましい。
なお、本発明において、元素含有量の「%」は、「質量%」を表すものとする。また、本発明において「主成分」は、元素含有率が50質量%以上であることを示す。
また、本発明において、結晶方位および結晶面は一般的に鋼板内の結晶の方位や測定される結晶面および集合組織を表現する際に用いられる、鋼板表面に対するもので記述する。すなわち、結晶方位は鋼板表面に垂直な方位であり、結晶面は鋼板表面に平行な面である。また、Feのα相である体心立方の結晶構造に起因した、結晶面についてのX線測定における消滅則を適用した表現している。例えば、結晶方位については、{100}、{111}を用い、結晶面や集合組織については、{200}や{222}を用いているが、これらは同じ結晶粒に関する情報を表すものである。
また、本発明においてX線ランダム強度比とは、結晶方位の集積状況がランダムである試料のX線積分強度に対する比を意味する。
本発明に係る電磁鋼板は、α−γ変態系であり、少なくとも、Si:2.0質量%以上4.0質量%以下、又はAl:0.6質量%以上3.0質量%以下を含有し、Feを主成分とする鋼板であって、前記鋼板板面における{100}<011>のX線ランダム強度比が30以上400以下であることを特徴とする。
本発明の電磁鋼板は、α−γ変態系であり、少なくとも、Si:2.0質量%以上4.0質量%以下、又はAl:0.6質量%以上3.0質量%以下を含有し、Feを主成分とする鋼板を用いる。当該電磁鋼板は、熱間圧延工程の冷却において、加工オーステナイトからフェライト相へと変態させることで、ひずみが解放されることなく蓄積される。その結果、冷間圧延工程前の熱延板は、高ひずみ状態を維持しているものと推測される。また、本発明の製造方法においては、熱間圧延工程と、冷間圧延工程との間に焼鈍工程を有しないことにより、熱間圧延工程で生じた熱延板内のひずみが解放されることなく、冷間圧延工程を行うため、冷延集合組織であるα繊維状組織が強く発達し、特に{100}<011>成分が増加する。その後、冷延板を焼鈍した場合においても、{100}<011>のX線ランダム強度比が30以上と強く集積する。その結果、高い磁束密度かつ高周波領域で低鉄損であり、さらに高強度となる電磁鋼板が得られると推定される。更に、仕上げ焼鈍を二相域で行う場合には、フェライト組織の粒界に微細な高オーステナイト元素領域が析出し、析出強化が起こり、より高強度な電磁鋼板が得られる。
以下、本発明に係る電磁鋼板の各構成についてより詳細に説明する。
本発明の電磁鋼板は、α−γ変態系のインゴットであって、更に、Si(ケイ素)又は、Al(アルミニウム)のうち少なくとも1種を含有し、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の元素を含有してもよい、Fe(鉄)を主成分とする化学組成を有する。このような化学組成により、高い磁束密度かつ高周波領域で低鉄損であり、さらに高強度な電磁鋼板が得られる。
α−γ変態系のインゴットとしては、例えば、純鉄の他、Mn(マンガン)、Ni(ニッケル)、Co(コバルト)、Cu(銅)及びC(炭素)よりなる群から選択される1種以上の元素を含有するものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
上記の元素を含有するα−γ変態系のインゴットを用いることにより、粒界の移動速度が著しく遅くなるため、熱間圧延工程得られた熱延板は、冷却時に加工オーステナイトが維持されながら、ひずみが解放されることなくフェライト相へと変態し、その後、冷延板を焼鈍した場合においても、上記の元素によりにより加工組織中の転位の移動が阻害されるため、得られた電磁鋼板は、{100}<011>成分が強く集積するためである。
Coを含有する場合、Coの含有割合は、1質量%以上20質量%以下とすることが好ましい。Coを1質量%以上含有することにより、オーステナイトが安定化する一方、Coの含有割合が20質量%を超えると、鋼板がもろくなる場合があるからである。
Cuを含有する場合、Cuの含有割合は、0.5質量%以上4質量%以下とすることが好ましい。Cuを0.5質量%以上含有することにより、オーステナイトが安定化する一方、Cuの含有割合が4質量%を超えると、鋼板がもろくなる場合があるからである。
Cを含有する場合、Cの含有割合は、0.005質量%以上0.6質量%以下とすることが好ましい。Cを0.005質量%以上含有することにより、オーステナイトが安定化する一方、Cの含有割合が0.6質量%を超えると、A3点が高くなる場合があるからである。
また、Mn、又は、Niを含有する場合、オーステナイトが安定化する点から、Mn及びNiより選択される元素のうち1種以上を、合計で2.5質量%以上含有することが好ましく、3.0質量%以上含有することがより好ましい。また、飽和磁束密度の低減を抑制することができる点からは、Mn及びNiより選択される元素のうち1種以上の含有割合は、合計で6.5%以下であることが好ましく、6.0質量%以下であることがより好ましい。
本発明においては、これらの中でも、Mn及びNiより選択される元素のうち1種以上を、合計で2.5質量%以上6.5%以下含有するインゴットを用いることが好ましい。
本発明の無方向性電磁鋼板は、本発明の効果を損なわない範囲で、不可避的に混入する各種元素(不可避不純物)を含むものであってもよい。このような元素としては、N、P、S等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の電磁鋼板は、板面における{100}<011>のX線ランダム強度比を30以上200以下とすることで、圧延方向に対して45°方向に高い磁束密度を得ることができる。X線ランダム強度比が30以上であることにより、圧延方向に対して45°方向に十分に高い磁束密度を得ることができ、中でも50以上であることが好ましい。また、X線ランダム強度比が200超としても、磁束密度を高める効果は飽和するため、X線ランダム強度は200以下で十分である。
{100}<011>のα−Fe相のX線ランダム強度比はX線回折によって測定されるα−Fe相の{200}、{110}、{310}、{211}の極点図を基に級数展開法で計算した、3次元集合組織を表す結晶方位分布関数(Orientation Distribution Function;ODF)から求めることができる。
なお、ランダム強度比とは、特定の方位への集積を持たない標準試料と供試材のX線強度を同条件で測定し、得られた供試材のX線強度を標準試料のX線強度で除した数値である。測定は試料の最表面で行ってもよいし、任意の板厚位置で行ってもよい。その際、測定面は滑らかになるよう化学研磨等で仕上げる。
また本発明の電磁鋼板は、200℃以下でフェライト単相鋼であることが、高い磁束密度かつ高周波領域で低鉄損であり、さらに高強度となる電磁鋼板となる点から好ましい。
更に、フェライト単相鋼の断面において、粒径15μm超のフェライト粒の面積率が95%以上、粒径0.100〜5μmのフェライト粒の面積率が5%未満であることが、高い磁束密度かつ高周波領域で低鉄損であり、さらに高強度となる電磁鋼板となる点から好ましい。
また、前記フェライト単相鋼の結晶組織において、粒径0.100〜5μmのフェライト粒のうち個数基準で80%以上のフェライト粒が、粒径15μm超のフェライト粒に隣接することが、高い磁束密度かつ高周波領域で低鉄損であり、さらに高強度となる電磁鋼板となる点から好ましい。
本発明において、フェライト粒は、電磁鋼板の表層を光学顕微鏡等で観察して確認することができる。
なお、電磁鋼板の表層とは、板厚をtとしたときに金属板の最表面から1/3tの間の任意の位置とする。粒界の傾角および長さは、Fe系金属板をSEM−EBSDを用いて求めることができる。観察面積は十分な数の結晶粒が観察できるように500μm×500μm以上が好ましい。観察面積は同一試料において複数の視野を足し合わせても良い。
本発明の電磁鋼板は、電気機器に用いられるサーボモータ、ステッピングモータ、電気機器のコンプレッサー、産業用途に使用されるモータ、電気自動車、ハイブリッドカー、電車の駆動モータ、様々な用途で使用される発電機や鉄心、チョークコイル、リアクトル、電流センサー等、電磁鋼板が用いられている従来公知の用途にいずれも好適に適用でき、特に高強度が求められる用途(例えば、電気自動車のモータ等)により好適に用いることができる。
本発明に係る電磁鋼板の製造方法は、α−γ変態系であり、少なくとも、Si:2.0質量%以上4.0質量%以下、又はAl:0.6質量%以上3.0質量%以下を含有し、Feを主成分とするインゴットを熱延板とする熱間圧延工程と、
前記熱延板を冷延鋼板とする冷間圧延工程と、
前記冷延鋼板を仕上焼鈍する工程を有し、
前記熱間圧延工程と、前記冷間圧延工程との間に焼鈍工程を有しないことを特徴とする。
本発明の製造方法は、少なくとも熱間圧延工程と、冷間圧延工程と、仕上焼鈍工程とを有するものであり、本発明の効果を損なわない範囲で、更に他の工程を有していてもよいものである。
以下、このような本発明の製造方法における各工程について説明する。なお、インゴットの組成は、前記本発明の電磁鋼板の組成と同様であるため、説明は省略する。
Si:2.0質量%以上4.0質量%以下、又は、Al:0.6質量%以上3.0質量%以下を含有し、残部:Feおよび不可避不純物からなるインゴットを熱間圧延して、熱延板とする工程である。
上記熱延板は、ビッカース硬度が200HV以上であることが好ましい。ビッカース硬度が200HV未満では、ひずみが十分ではないために{100}<011>を十分に集積させられない。{100}<011>を集積させるためには冷延圧下率を97%以上とする必要があり、製造が困難になる。好ましくは230HV以上である。
熱延板表層の転位密度は2×1015/m2以上であることが好ましい。転位密度が2×1015/m2未満では、ひずみが十分ではないため、{100}<011>を十分に集積させられない。{100}<011>を集積させるためには冷延圧下率を97%以上とする必要があり、製造が困難になる。ここで熱延板表層とは最表面から20μm以上1/4t以下の任意の位置とする。転位密度の測定はエッチピット法や透過型電子顕微鏡による観察などで行うことが出来る。
熱延板表層の平均結晶粒径は30μm以下であることが好ましい。平均結晶粒径が30μm超では熱延後の再結晶が過剰に起こっており、ひずみがが解放されてしまっているため{100}<011>を十分に集積させられない。{100}<011>を集積させるためには冷延圧下率を97%以上とする必要があり、製造が困難になる。好ましくは25μm以下、より好ましくは加工組織である。ここで熱延板表層とは最表面から20μm以上1/4t以下の任意の位置とする。平均結晶粒径は線分法によって求めることができる。なお、本発明において加工組織とは、結晶粒ではなく繊維状の組織を形成していることを示す。
また、本発明においては、熱延板が完全に再結晶していないこと、即ち、下記式(1)で示される、熱延板の再結晶率は90%以下であることが好ましい。熱延板が完全に再結晶してしまうと、ひずみが解放されてしまっているため、冷延および焼鈍後に{100}<011>を十分に集積させられない。本発明においては、{100}<011>を十分に集積する点から、熱延板の再結晶率が、90%以下であることが好ましく、80%以下であることがより好ましく、50%以下であることが更に好ましく、20%以下であることが更により好ましい。また、熱延板の再結晶率が0(ゼロ)%の完全未再結晶組織(完全加工組織)であってもよい。
ここで再結晶率は熱延板の圧延面に垂直な任意の断面から求める。観察視野は少なくとも板厚全体×長さ5mmの領域とする。合計が板厚全体×長さ5mm以上となるように複数の観察視野を用いてもよい。
再結晶率(%)=(再結晶粒の面積の合計)÷(観察視野全体の面積)×100
・・・(式1)
再結晶率が80%超100%以下の場合には、再結晶粒の粒径は15μm以下が好ましい。
再結晶率が50%超80%以下の場合には、再結晶粒の粒径は20μm以下が好ましい。
再結晶率が20%超50%以下の場合には、再結晶粒の粒径は25μm以下が好ましい。
再結晶率が20%以下の場合には、再結晶粒の粒径は40μm以下が好ましく、30μm以下がより好ましい。
具体的には、例えば、上記の組成を有する溶鋼を鋳造で厚さ50mm以上の鋼片に凝固させ、その後、熱延工程において粗圧延および仕上圧延を行う。熱間圧延工程においてビッカース硬度を200HV以上にするために、例えば圧延中に再結晶が生じにくいフェライト域圧延などがある。また相変態を生じるような温度域で仕上圧延を行った場合には、圧延直後から3sec以内に冷却速度200℃/sec以上で急冷することにより、熱間圧延後のオーステナイト相の再結晶を抑制して、加工オーステナイトからフェライトへ変態させてひずみを蓄積してもよい。
冷間圧延工程は、特に限定されず、従来公知の電磁鋼板の製造方法における冷間圧延工程を適宜採用することができる。例えば、リバース圧延方式、タンデム圧延方式等、いずれの圧延方式を用いてもよい。本発明においては、冷間圧下率を88%以上とすることが、得られる電磁鋼板の{100}<011>成分が増加し、高い磁束密度かつ高周波領域で低鉄損であり、さらに高強度となる電磁鋼板が得られる点から好ましく、延圧下率を90%以上であることがより好ましい。
冷間圧延工程に行われる仕上焼鈍工程は、特に限定されないが、鋼板内の{100}<011>成分を維持しながら、高強度を得るために、α相とγ相の二相領域で行うことが好ましい。仕上焼鈍をα相とγ相の二相領域で行うためには、仕上焼鈍の保持温度Tが、T1<T<T2を満たすように設定すればよい。
また、特に{100}<011>成分を維持する点からは、仕上焼鈍の保持温度をT(℃)としたときに、T≦(T1+T2)/2を満たすことが好ましい。
また、仕上焼鈍工程における温度保持時間は、10秒以上240時間以下が好ましい。240時間を超えて長時間保持しても磁気特性は飽和するからである。微細組織が粗大化してしまう。
真空溶解炉で表1の鋼種A〜Pに示す成分組成に調整したインゴットをそれぞれ鋳造する。得られるインゴットを用い、表2に従って、電磁鋼板を製造する。具体的には、インゴットを表2に記載の仕上げ圧延温度まで加熱して熱間圧延し、熱間圧延の最終パスを出てから冷却開始までの時間を特定時間設けた後、表2の冷却速度で250℃以下まで冷却して、表2に示されるように、それぞれ厚さ2.5〜3.0mmの熱延板を得る。このようにして得られる熱延板に熱延板焼鈍をせずに、冷間圧延を行い、表2に記載の厚さを有する冷延板とする。次いで窒素雰囲気で表2に示される温度条件で再結晶焼鈍(仕上焼鈍)を施す。
得られる焼鈍板の集合組織はX線回折法で評価する。磁気特性はSST(Single Sheet Tester)を用いて、5000A/mの磁化力に対する磁束密度B50を求める。この時、測定周波数は50Hzとする。SST用の試験片は圧延方向に対して45°方向に採取する。ビッカース硬度は熱延板の圧延面から25μmの位置を鏡面研磨し、マイクロビッカース硬さ試験機によって、荷重98mN、保持時間10secとし、10点測定してその平均値をその試験片のビッカース硬度とする。また、熱延板の再結晶率は、光学顕微鏡写真から、再結晶粒の面積の合計を求め、前記式1から算出する。
製品板(電磁鋼板)の表層における粒界の種類および長さはSEM−EBSDによって求める。製品板の板面を研磨し、さらに電解研磨し、EBSD−OIM法を用いて、倍率500倍、200μm×500μmエリア、測定ステップ0.5μmの測定条件で3視野ずつ測定する。
また熱延板と、得られた電磁鋼板をX線回折により測定し、結晶方位分布関数から、X線ランダム強度比を求める。
更に得られた電磁鋼板の磁束密度及び引張強度を測定する。
本発明において磁束密度は、JIS C 2556に記載の電磁鋼板単板磁気特性試験方法に準拠して測定することができ、本発明においては、5000A/mの磁場における磁束密度を測定する。
また、引張強度については圧延方向にJIS Z2201に記載の5号引張試験片を採取し、JIS Z2241に記載の試験方法にしたがって、引張試験を行い、引張強度を評価する。結果を表3に示す。
なお、表2中の熱延板粒径の欄に記載の加工組織とは、図1の例に示されるように、結晶粒ではなく繊維状の組織を形成していることを示す。
表2〜3に示される通り、α−γ変態系であり、少なくとも、Si:2.0質量%以上4.0質量%以下、又はAl:0.6質量%以上3.0質量%以下を含有し、Feを主成分とする鋼板であって、前記鋼板板面における{100}<011>のX線ランダム強度比が30以上400以下である、実施例1〜21の電磁鋼板は、いずれも磁束密度B50が1.7を超えており、比較例1〜20と比較して、磁気特性に優れていると共に、いずれの実施例も引張強度に優れていることが明らかとなった。
Claims (23)
- α−γ変態系であり、少なくとも、Si:2.0質量%以上4.0質量%以下、又はAl:0.6質量%以上3.0質量%以下を含有し、Feを主成分とする鋼板であって、前記鋼板板面における{100}<011>のX線ランダム強度比が30以上400以下であることを特徴とする、電磁鋼板。
- 室温から昇温した際にα相からγ相が現れ始める温度をT1(℃)、γ相単相になる温度をT2(℃)としたときに、T2−T1≧10℃となる化学組成を有する、請求項1に記載の電磁鋼板。
- 前記T1が200℃超である、請求項2に記載の電磁鋼板。
- {111}<112>のX線ランダム強度比が2以下である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電磁鋼板。
- 200℃以下でフェライト単相鋼である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電磁鋼板。
- 前記フェライト単相鋼の断面において、粒径15μm超のフェライト粒の面積率が95%以上、粒径0.100〜5μmのフェライト粒の面積率が5%未満である、請求項5に記載の電磁鋼板。
- 前記フェライト単相鋼の結晶組織において、粒径0.100〜5μmのフェライト粒のうち個数基準で80%以上のフェライト粒が、粒径15μm超のフェライト粒に隣接する、請求項5又は6に記載の電磁鋼板。
- Mn及びNiより選択される元素のうち1種以上を、合計で2.5質量%以上、6.5%以下含有する、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の電磁鋼板。
- 請求項1乃至10のいずれか一項に記載の電磁鋼板の製造方法であって、
α−γ変態系であり、少なくとも、Si:2.0質量%以上4.0質量%以下、又はAl:0.6質量%以上3.0質量%以下を含有し、Feを主成分とするインゴットを熱延板とする熱間圧延工程と、
前記熱延板を冷延鋼板とする冷間圧延工程と、
前記冷延鋼板を仕上焼鈍する工程を有し、
前記熱間圧延工程と、前記冷間圧延工程との間に焼鈍工程を有しないことを特徴とする、電磁鋼板の製造方法。 - 前記仕上焼鈍をα相とγ相の二相領域で行う、請求項9に記載の電磁鋼板の製造方法。
- 前記仕上焼鈍の保持温度をT(℃)としたときに、T≦(T1+T2)/2を満たす、請求項9に記載の電磁鋼板の製造方法。
- 前記仕上焼鈍の保持時間が、10秒以上240時間以下である、請求項9乃至11のいずれか一項に記載の電磁鋼板の製造方法。
- 前記仕上焼鈍後において、保持温度TからT1までの冷却速度が、3℃/s以上600℃/s以下である、請求項9乃至12のいずれか一項に記載の電磁鋼板の製造方法。
- T1が400℃超であって、前記仕上焼鈍後において、保持温度TからT1までの冷却速度をV1、T1から400℃以下までの冷却速度をV2とすると、V1>V2である、請求項9乃至13のいずれか一項に記載の電磁鋼板の製造方法。
- 前記冷却速度V2が5℃/s以上である、請求項14に記載の電磁鋼板の製造方法。
- 前記熱間圧延工程と、前記冷間圧延工程との間に、熱延板の冷却工程を有し、
前記熱間圧延工程における仕上圧延において、仕上げ温度が、熱延板のT2超であり、
前記冷却工程が、T2超の前記熱延板を、3sec以内に200℃/sec以上の冷却速度で250℃以下まで冷却する、請求項9乃至15のいずれか一項に記載の電磁鋼板の製造方法。 - 前記熱間圧延工程における仕上圧延において、仕上げ温度が、T1+5℃以上T2以下であり、前記冷却工程がT1+5℃以上T2以下の前記熱延板を15sec以内に200℃/sec以上の冷却速度で250℃以下まで冷却する、請求項9乃至16のいずれか一項に記載の電磁鋼板の製造方法。
- 前記冷間圧延工程において、冷間圧下率を88%以上とする、請求項9乃至17のいずれか一項に記載の電磁鋼板の製造方法。
- 前記熱延板のビッカース硬度200HV以上である、請求項9乃至18のいずれか一項に記載の電磁鋼板の製造方法。
- 前記熱延板の転位密度が2×1015/m2以上である、請求項9乃至19のいずれか一項に記載の電磁鋼板の製造方法。
- 前記熱延板の平均結晶粒径が30μm以下である、請求項9乃至20のいずれか一項に記載の電磁鋼板の製造方法。
- 前記熱延板の再結晶率が90%以下である、請求項9乃至21のいずれか一項に記載の電磁鋼板の製造方法。
- 前記仕上圧延後の熱延板の鋼板表層における{110}<223>のX線ランダム強度比が3以上であり、{332}<243>が0.5以下であり、{112}<111>が2以上であり{223}<122>が1以下であり、仕上圧延後の熱延板の1/2t位置における{100}<011>のX線ランダム強度比が{311}<011>のX線ランダム強度比より小さいことを特徴とする、請求項9乃至22のいずれか一項に記載の電磁鋼板の製造方法。
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