JP2017176145A - 移植機 - Google Patents

Abstract

【課題】苗トレイからセル成形苗を取出す動作を安定させることができる移植機を提供することを課題とする。
【解決手段】苗トレイ７０の縦送り動作または横送り動作をしながら苗トレイ７０からセル成形苗を取出して畝上に移植する移植機１０であって、苗トレイ７０の縦送り動作は、駆動軸３４が回転駆動することによって行なわれるものであり、駆動軸３４の近傍において苗トレイ７０が略円弧状になるように搬送されているときに、苗トレイ７０の底面を駆動軸３４側から支える支え部材４３を備えるものである。
【選択図】図２

Description

本発明は、移植機の技術に関する。

従来、苗トレイの縦送り動作または横送り動作をしながら苗トレイからセル成形苗を取出して畝上に移植する移植機に関する技術は公知となっている。
前記移植機は、苗供給部と移植部とを備え、苗供給部が、苗トレイに収容されるセル成形苗を移植部に供給し、移植部が、苗供給部から供給されるセル成形苗を畝（圃場）に移植する（特許文献１参照）。
苗トレイは、複数個のセル成形苗を収容する凹状の鉢部が縦方向及び横方向に形成して構成される。

前記移植機の苗供給部は、苗トレイを縦送りする縦搬送装置を備える。
縦搬送装置は、苗トレイを間欠的に横送りしながら横１列のセル成形苗の取出し動作が終了すると、次の縦列のセル成形苗の取出し動作を行うために、苗トレイを一段縦送りする。縦搬送装置は、駆動軸と、従動軸と、駆動スプロケットと、チェーンガイドと、無端チェーンと、係止部材と、を備える。駆動軸の両側には、駆動スプロケットが固設され、従動軸の両側には円板状のチェーンガイド（従動輪）が固設される。駆動スプロケットとチェーンガイドには無端チェーンがそれぞれ巻回される。無端チェーンの内側には、複数個の係止部材が固定される。係止部材は、金属製の棒状の部材であり、苗トレイの鉢部（前後の鉢部間）に引掛けられる。縦搬送装置は、苗トレイの鉢部に係止部材が引掛けられた状態で駆動軸が回転駆動して、無端チェーンが回動（係止部材が移動）することによって、苗トレイを縦送りする。

特開２０１６−２８５６３号公報

しかしながら、前記移植機では、苗供給部における縦搬送装置の駆動軸の近傍（移植部によるセル成形苗の取出し位置）では、係止部材によって引張られるようにして係止部材間の苗トレイが略直線状になり、苗トレイが略多角形状になる場合がある。
そして、苗供給部における縦搬送装置の駆動軸の近傍において苗トレイが多角形状になっている状態では、移植部によって苗トレイの鉢部からセル成形苗を取出される位置（トレイの鉢部の位置）が定まらないこととなる。
このように移植機では、トレイの鉢部の位置が定まらないことから、移植部による苗トレイからセル成形苗を取出す動作が安定しない場合がある。

本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、苗トレイからセル成形苗を取出す動作を安定させることができる移植機を提供することを課題とする。

本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。

即ち、請求項１においては、苗トレイの縦送り動作または横送り動作をしながら前記苗トレイからセル成形苗を取出して畝上に移植する移植機であって、前記苗トレイの縦送り動作は、駆動軸が回転駆動することによって行なわれるものであり、前記駆動軸の近傍において前記苗トレイが略円弧状になるように搬送されているときに、前記苗トレイの底面を前記駆動軸側から支える支え部材を備えるものである。

請求項２においては、前記支え部材は、前記駆動軸に固定されるものである。

請求項３においては、前記支え部材は、円筒状の部材で構成されるものである。

請求項４においては、前記駆動軸の両側に固設される駆動スプロケットを備え、前記支え部材は、前記支え部材の軸心方向の両端部が前記両側の駆動スプロケットの近傍にそれぞれ至るように構成されるものである。

本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
即ち、本発明によれば、苗トレイからセル成形苗を取出す動作を安定させることができる。

本発明の実施形態に係る移植機の側面図。 同じく移植機の苗供給部の斜視図。 同じく移植機の苗供給部の駆動軸と従動軸と駆動スプロケットとチェーンガイドと無端チェーンと取付プレートと係止部材との斜視図。 同じく移植機の苗トレイを搬送する状態を示す側面図。 同じく移植機の苗トレイを搬送する状態を示す側面図。 同じく移植機の苗供給部の部分拡大図。 同じく移植機の苗供給部の駆動軸と駆動スプロケットと係止部材との正面図。 同じく移植機の苗供給部の駆動軸と駆動スプロケットと係止部材との側面。 同じく移植機の苗供給部の駆動軸と駆動スプロケットと係止部材との正面図。 同じく移植機の苗供給部の駆動軸と駆動スプロケットと係止部材との側面。

次に、図１から図１０に記載の移植機１０について説明する。なお以下において、Ｆ方向を前方として、前後方向を規定して説明する。

移植機１０は、苗トレイ７０の縦送り動作または苗トレイ７０の横送り動作をしながら苗トレイ７０からセル成形苗を取出して畝上に移植する。図１に示すように、移植機１０は、走行部１と、苗供給部２と、移植部３と、操縦部４と、を備え、歩行型の移植機を構成している。走行部１は、機体フレーム５の前部上にエンジン６を載置し、機体フレーム５の後部にミッションケース７を支持し、その後部に移植部３を支持している。

機体フレーム５の前部両側から前下方に前輪支持フレーム８・８を突出し、該前輪支持フレーム８・８先端に前輪９・９を回転自在に支持している。機体フレーム５の後部両側から後輪駆動ケース１１・１１を後下方に突出し、該後輪駆動ケース１１・１１の後下部に後輪１２・１２を軸支している。前記エンジン６からの動力はミッションケース７を介して変速され、後輪駆動ケース１１・１１を介して変速後の動力が後輪１２・１２に伝達される。前記前輪支持フレーム８と後輪駆動ケース１１はリンクを介して昇降機構と連結され、昇降機構により畝上面に追随して昇降させ、移植部３によるセル成形苗の植付深さを一定に保持し、または、作業の開始・終了時に昇降できるようにしている。

機体フレーム５の後端部には、左右一対のハンドル支持フレームを介して平面視でＵ字状に形成したハンドル１６を取り付けている。ハンドル１６には操縦部４を形成している。ハンドル１６には、株間調節レバーや主変速レバーや植付クラッチレバーや昇降レバー等の操作具１７を取り付けている。

図１乃至図５に示すように、苗供給部２は、苗トレイ７０に収容されるセル成形苗を移植部に供給する。苗トレイ７０は、可撓性を有する合成樹脂製で、複数個のセル成形苗を収容する凹状の鉢部７０ａ・７０ａ・・・を縦方向及び横方向に形成して構成される。

苗供給部２は、平面視略Ｕ字状のパイプを折り曲げて形成して搬送枠２０に、トレイ載台２１と空トレイ収納台２２と縦搬送装置３０を取り付けて構成される。搬送枠２０はハンドル支持フレームに取り付けられる。
トレイ載台２１は、苗トレイ７０を載置するものであり、側面視で前低後高に配設される。空トレイ収納台２２は、移植後の空の苗トレイ７０をトレイ載台２１の下方で載置するものであり、棒状体を折曲げて形成して、縦搬送装置３０の前下部から上後方に延設している。縦搬送装置３０は、図示しない植付ミッションケースからの動力により左右往復移動されるとともに、植付ミッションケースからの動力を駆動軸３４に伝えて、苗トレイ７０を縦送りする。

移植部３は、苗供給部２から供給されるセル成形苗を畝（圃場）に移植する。移植部３は、縦搬送装置３０の前方に配置される。
移植部３は、苗取出装置５０を備え、苗取出装置５０が苗供給部２のトレイ載台２１上に載置された苗トレイ７０の鉢部７０ａからセル成形苗（図示せず）を苗取出爪によって取出して移植爪６２に放出し、移植爪６２内のセル成形苗を畝上面に搬送して移植爪６２を開いて畝に移植する。前記セル成形苗の移植後には、後輪１２・１２の前方に配置される鎮圧輪１８・１８により両側から根本の土が押えられる。

苗供給部２の縦搬送装置３０は、苗トレイ７０を間欠的に横送りしながら横１列のセル成形苗の取出し動作が終了すると、次の縦列のセル成形苗の取出し動作を行うために、苗トレイ７０を一段縦送りする。縦搬送装置３０における苗トレイ７０の縦送り動作は、駆動軸３４が回転駆動することによって行なわれる。

苗供給部２の縦搬送装置３０は、上トレイ押え３１と、下トレイガイド３２と、案内板３３と、駆動軸３４と、従動軸３５と、駆動スプロケット３６と、チェーンガイド３７と、無端チェーン３８と、取付プレート４１と、係止部材４２と、を備える。縦搬送装置３０は、搬送枠２０に、上トレイ押え３１と下トレイガイド３２と案内板３３と駆動軸３４と従動軸３５が支持されて構成される。案内板３３は、側面視で前低後高に配設され、トレイ載台２１の延長上の前下方に配置される。下トレイガイド３２は、その前端部が前下方に突出するように案内板３３の上面に配置される。駆動軸３４は、下トレイガイド３２の下方または案内板３３の下端（前端）の下方に配置される。従動軸３５は、トレイ載台２１の下方または駆動軸３４の後上方に配置される。
駆動軸３４の両側には、駆動スプロケット３６・３６が固設され、従動軸３５の両側には円板状のチェーンガイド（従動輪）３５・３５が固設される。駆動スプロケット３６・３６とチェーンガイド３７・３７には無端チェーン３８・３８がそれぞれ巻回される。
上トレイ押え３１は、左右の無端チェーン３８・３８の間で、左右方向に適宜間隔をあけて配置され、駆動スプロケット３６の前方から後方（後上方）のトレイ載台２１下部上方へ延設している。空トレイ収納台２２は、駆動スプロケット３６の前下部から外周に沿って下方へ伸び、駆動スプロケット３６の下部から斜め後上方へ延設している。

苗供給部２の縦搬送装置３０の左右の無端チェーン４０・４０の内側には、取付プレート４１・４１が所定間隔毎にそれぞれ設けられ、左右の取付プレート４１・４１同士を連結するように複数個（６個）の係止部材４２が固定される。係止部材４２は、金属製の棒状の部材であり、苗トレイ７０の鉢部７０ａ（前後の鉢部７０ａ・７０ａ間）に引掛けられる。係止部材４２の軸径は、苗トレイ７０の縦方向に配列される鉢部７０ａと鉢部７０ａの間の凹溝の最奥部の間隔より若干大きく構成している。

苗供給部２の縦搬送装置３０は、苗トレイ７０の鉢部７０ａに係止部材４２が引掛けられた状態で駆動軸３４が回転駆動して、無端チェーン４０が回動（係止部材４２が移動）することによって、苗トレイ７０を縦送りする。移植部３によるセル成形苗の取出し位置（回動軸３４近傍）に搬送された苗トレイ７０は、駆動軸３４の半径方向外側（駆動スプロケット３６の内側）において駆動軸３４の回転方向に沿って略円弧状になるようにして搬送される。移植部３によってセル成形苗が取出された苗トレイ７０は、駆動軸３４よりも下流側において略直線状になるように空トレイ収納台２２に搬送される。

苗供給部２における縦搬送装置３０の支え部材４３は、駆動軸３４の近傍において（駆動軸３４の上方から下方にかけて）苗トレイ７０が略円弧状になるように搬送されているときに、駆動軸３４の近傍において苗トレイ７０の底面（苗トレイ７０の鉢部７０ａの底面）を駆動軸３４側から支える。支え部材４３は、係止部材４２・４２間の苗トレイ７０が駆動軸３４側に変形しないように苗トレイ７０を支える。支え部材４３は、係止部材４２・４２間の苗トレイ７０が直線状にならないように（駆動スプロケット３６の回転軌跡に沿うような形状になるように）、苗トレイ７０を支える。
支え部材４３は、係止部材４２の内側（駆動軸３４の半径方向内側）に配置される。支え部材４３は、駆動軸３４の外側（駆動軸３４の半径方向外側）に配置される。支え部材４３は、駆動軸３４に固定される。支え部材４３は、駆動スプロケット３６・３６間に配置される。
支え部材４３は、駆動軸３４の近傍において苗トレイ７０が略円弧状になるように搬送されているときに、当該苗トレイ７０の底面に当接するように構成される。支え部材４３の外面（苗トレイ７０の底面に当接する面）は、側面視で円形状に構成される。支え部材４３の外面は、側面視で、係止部材４２の回転軌跡よりも小さい円形状に構成される。支え部材４３は、例えば一枚の金属製の薄板状の部材を加工して形成されるものであり、一個の円筒状の部材で構成される。
支え部材４３は、軸心方向の長さが苗トレイ７０（苗トレイ７０の底面）の左右の長さよりも長く構成される。支え部材４３は、軸心方向の長さが苗トレイ７０の左端から右端を亘るように構成される。支え部材４３は、駆動スプロケット３６・３６間をつなぐように構成される。支え部材４３は、左右両端部（支え部材４３の軸心方向の両端部）が左右の駆動スプロケット３６・３６の近傍にそれぞれ至るように構成される。支え部材４３は、左方の駆動スプロケット３６の内側の面の近傍に支え部材４３の左端部が位置し、右方の駆動スプロケット３６の内側の面の近傍に支え部材４３の右端部が位置するように構成される。

以上のように、苗供給部２における縦搬送装置３０の支え部材４３が、駆動軸３４の近傍において苗トレイ７０が略円弧状になるように搬送されているときに、駆動軸３４の近傍において苗トレイ７０の底面を駆動軸３４側から支える、移植機１０では、駆動軸３４の近傍において苗トレイ７０の底面を駆動軸３４側から支え部材４３が支えることによって苗トレイ７０の搬送状態が安定し、係止部材４２によって引張られるようにして係止部材４２・４２間の苗トレイ７０が略直線状になって苗トレイ７０が略多角形状になること、を防止することができる。
このため、移植機１０では、苗供給部２における縦搬送装置１０の駆動軸３４の近傍において苗トレイ７０が多角形状にならず、移植部３によって苗トレイ７０の鉢部７０ａからセル成形苗を取出される位置（トレイ７０の鉢部７０ａの位置）を安定させることができる。
したがって、移植機１０によれば、苗トレイ７０からセル成形苗を取出す動作を安定させることができる。
また、駆動軸３４の近傍において苗トレイ７０の底面を駆動軸３４側から支え部材４３が支えることによって苗トレイ７０の搬送状態が安定することから、上トレイ押え３１と下トレイガイド３２との間隔を狭くしても、比較的スムーズに苗トレイ７０を搬送することができる。

以上のように、苗供給部２における縦搬送装置３０の支え部材４３が、駆動軸３４に固定される、移植機１０では、縦搬送装置３０の縦送り動作を行うときに駆動軸３４とともに支え部材４３が回転する。
このため、移植機１０では、苗トレイ７０の底面が支え部材４３によって支えられた状態で苗トレイ７０が搬送されても、支え部材４３に引掛かることなく苗トレイ７０を搬送することができる。
したがって、移植機１０によれば、苗トレイ７０からセル成形苗を取出す動作を安定させることができる。

以上のように、苗供給部２における縦搬送装置３０の支え部材４３が、円筒状の部材で構成される、移植機１０では、支え部材４３が円筒状の簡易な構成であることから、支え部材４３を例えば一枚の金属製の薄板状の部材を加工して形成することができる。
したがって、移植機１０によれば、支え部材４３を安価に構成することができ、また、支え部材４３を容易に製造することができる。また、移植機１０によれば、支え部材４３の取付け作業を容易に行うことができる。

以上のように、苗供給部２における縦搬送装置３０の支え部材４３が、支え部材３６の軸心方向の両端部が両側の駆動スプロケット３６・３６の近傍にそれぞれ至るように構成される、移植機１０では、苗トレイ７０の底面の左端から右端を亘って支え部材３６が当接可能となり、移植部３によって苗トレイ７０の鉢部７０ａからセル成形苗を取出される位置を安定させることができる。

図６に示すように、苗供給部２における縦搬送装置３０の案内板３３は、その前端部（下端部）が支え部材４３の近傍に位置するように構成される。案内板３３は、案内板３３の前下方への延長上に支え部材４３の外面が位置するように構成される。
このように、苗供給部２における縦搬送装置３０の案内板３３は、その前端部が支え部材４３の近傍に位置し、案内板３３の前下方への延長上に支え部材４３の外面が位置するように構成される、移植機１０では、例えば、苗トレイ７０を搬送方向と逆方向に移動させて苗供給部２から取出すとき等において、苗トレイ７０が案内板３３の前端部に引掛かることを防止することができる。

図７または図８に示すように、苗供給部２における縦搬送装置３０の支え部材４３は、複数個（本実施形態では八個）の円筒状の部材で構成することもできる。支え部材４３の外面は、側面視で円形状に構成される。支え部材４３は、駆動スプロケット３６・３６間において等間隔毎に配置される。支え部材４３は、駆動軸３４の近傍において苗トレイ７０が略円弧状になるように搬送されているときに、当該苗トレイ７０の鉢部７０ａの底面毎に当接するように構成される。

また図９または図１０に示すように、苗供給部２における縦搬送装置３０の支え部材４３は、複数個（本実施形態では十八個）の板状の部材で構成することもできる。支え部材４３は、支え部材４３は、駆動軸３４から駆動軸３４の半径方向に突出するように配置される。支え部材４３は、駆動軸３４の軸心を中心に放射状に配置される。支え部材４３は、駆動軸３４の近傍において苗トレイ７０が略円弧状になるように搬送されているときに、当該苗トレイ７０の横一列の鉢部７０ａの底面に当接するように構成される。

１ 走行部
２ 苗供給部
３ 移植部
１０ 移植機
３０ 縦搬送装置
３３ 案内板
３４ 駆動軸
３５ 従動軸
３６ 駆動スプロケット
３８ 無端チェーン
４２ 係止部材
４３ 支え部材
７０ 苗トレイ

Claims (4)

1. 苗トレイの縦送り動作または横送り動作をしながら前記苗トレイからセル成形苗を取出して畝上に移植する移植機であって、
   前記苗トレイの縦送り動作は、駆動軸が回転駆動することによって行なわれるものであり、
   前記駆動軸の近傍において前記苗トレイが略円弧状になるように搬送されているときに、前記苗トレイの底面を前記駆動軸側から支える支え部材を備える、
   移植機。
2. 前記支え部材は、前記駆動軸に固定される、
   請求項１に記載の移植機。
3. 前記支え部材は、円筒状の部材で構成される、
   請求項１または請求項２に記載の移植機。
4. 前記駆動軸の両側に固設される駆動スプロケットを備え、
   前記支え部材は、前記支え部材の軸心方向の両端部が前記両側の駆動スプロケットの近傍にそれぞれ至るように構成される、
   請求項１から請求項３のいずれか一項に記載の移植機。