JP2017168472A - 多層基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数のコイルを備えた多層基板において、各コイルにおける電気的な特性の劣化を防止する。
【解決手段】多層基板において、コイル2A,2Bがそれぞれ、複数の絶縁基材の少なくとも1層にパターン形成されており、絶縁基材の積層方向D1と向きが略一致したコイル軸20A,20Bを有する。そして、第1層間接続導体5A,5Bが、コイル2A,2Bの一端21A,21Bをそれぞれ、これらのコイルに対応して積層体1の第1主面11に形成されている第1外部電極3A,3Bに接続する。又、第2層間接続導体6が、積層体の第1側面13aに形成されており、コイル2A,2Bの他端22A,22Bを纏めて、積層体1の第1主面11に形成されている第2外部電極4に接続する。
【選択図】図1

Description

本発明は、絶縁基材が積層された多層基板に関し、特にコイルが絶縁基材にパターン形成されている多層基板に関する。
コイルを備えた多層基板の一例として、コイルが複数の絶縁基材に亘ってパターン形成されたものが存在する(例えば、特許文献1)。この様な多層基板において、コイルの両端は、多層基板内に形成された層間接続導体により、実装面となる主面に引き出される。具体的には、主面に2つの外部電極が形成され、これらの外部電極にコイルの両端がそれぞれ層間接続導体を介して接続される。
特開2007−317838号公報
しかしながら、多層基板に複数のコイルが緻密に形成された場合、多層基板内に形成される複数の層間接続導体は互いに近づくことになる。このため、層間接続導体間に生じる磁気結合が強まり、それが原因となって各コイルの電気的な特性が劣化する虞があった。
そこで本発明の目的は、複数のコイルを備えた多層基板において、各コイルにおける電気的な特性の劣化を防止することである。
本発明に係る多層基板は、積層体と、複数のコイルと、複数の第1外部電極と、複数の第1層間接続導体と、第2外部電極と、第2層間接続導体とを備える。積層体は、複数の絶縁基材が積層されたものであり、互いに反対側に位置する第1主面及び第2主面と、これらの主面を繋ぐ側面の1つである第1側面と、を有する。複数のコイルはそれぞれ、複数の絶縁基材の少なくとも1層にパターン形成されており、絶縁基材の積層方向と向きが略一致したコイル軸を有する。複数の第1外部電極は、複数のコイルにそれぞれ対応して積層体の第1主面に形成されている。複数の第1層間接続導体は、複数のコイルの一端をそれぞれ、これらのコイルに対応する複数の第1外部電極に接続する。第2外部電極は、第1主面に形成されている。第2層間接続導体は、第1側面に形成されており、複数のコイルの他端を纏めて第2外部電極に接続する。
上記多層基板によれば、複数のコイルの他端から第2外部電極への接続経路が、第2外部電極に達する前に第2層間接続導体により1つに纏められる。よって、接続経路が纏められることなく分離したまま第2外部電極に達する構成において懸念される接続経路間の磁気結合が、上記多層基板では生じ難い。
又、第2層間接続導体が第1側面に形成されることにより、積層体内に形成される層間接続導体の数が減少する。具体的には、第1層間接続導体のそれぞれから第2層間接続導体までの距離が大きくなる。よって、上記多層基板では、第1層間接続導体のそれぞれと第2層間接続導体との間においても、磁気結合が生じ難くなる。
本発明に係る多層基板では、第2層間接続導体は、第1側面に沿って第2主面の縁から第1主面の縁まで拡がる一方で、その縁(第1主面又は第2主面の縁)に沿う方向において分断された部分を含まないことが好ましい。そして、第2層間接続導体は、第2主面の縁にて複数のコイルの全ての他端に接続され、且つ、第1主面の縁にて第2外部電極に接続されていることが好ましい。
この構成によれば、複数のコイルの他端から第2外部電極への接続経路が、第1主面よりも第2主面に近い位置で第2層間接続導体により1つに纏められる。よって、接続経路が纏められることなく分離したまま第2外部電極に達する構成において懸念される接続経路間の磁気結合が、上記構成では更に生じ難い。
本発明に係る多層基板では、第1主面又は第2主面の縁に沿う方向において、第2層間接続導体の幅が、第1層間接続導体の各々の幅より大きいことが好ましい。
この構成によれば、第1層間接続導体と第2層間接続導体との間において、磁気結合が効率良く弱められる。又、第2層間接続導体の横幅を拡げることにより、第2層間接続導体の電気抵抗を低減させることができる。
本発明に係る多層基板では、積層体は、第1側面とは反対側に位置する第2側面と、これらの側面を両側で繋ぐ第3側面及び第4側面と、を更に有し、複数の第1層間接続導体の少なくとも1つは、第2側面、第3側面、及び第4側面の少なくとも1つの面に引き出された引出し部を有していることが好ましい。
この構成によれば、第1層間接続導体(主に引出し部)を第2層間接続導体から遠ざけることができる。よって、第1層間接続導体と第2層間接続導体との間において、磁気結合が更に弱められる。
本発明に係る多層基板では、複数の第1層間接続導体の少なくとも2つが引出し部をそれぞれ有し、これらの引出し部が、第2側面、第3側面、及び第4側面のうちの互いに異なる面に引き出されていることが好ましい。
この構成によれば、第1層間接続導体(主に引出し部)どうしを遠ざけることができる。よって、第1層間接続導体どうしの間においても、磁気結合が生じ難くなる。
本発明に係る多層基板では、第1主面への複数のコイルの投影像においてコイルの開口部に対応する領域とは重なることがない第1主面内の領域に、第1外部電極が形成されていることが好ましい。この構成によれば、コイルに磁束を生じさせた際、第1外部電極による磁束の妨げが起き難くなる。
本発明に係る多層基板では、第1主面への複数のコイルの投影像においてコイルの開口部に対応する領域とは重なることがない第1主面内の領域に、第2外部電極が形成されていることが好ましい。この構成によれば、コイルに磁束を生じさせた際、第2外部電極による磁束の妨げが起き難くなる。
本発明に係る多層基板では、複数のコイルの少なくとも1つは、複数の絶縁基材の少なくとも2層に亘ってパターン形成されており、絶縁基材のそれぞれに形成されたパターンどうしを接続する第3層間接続導体を含んでいてもよい。この多層基板においては、絶縁基材の積層数が増えることにより積層方向における層間接続導体の長さが大きくなる。そして、この様な多層基板には、上述した磁気結合を弱めることのできる構成が特に適している。
本発明に係る多層基板では、第3層間接続導体は、積層体の第2側面、第3側面、及び第4側面の少なくとも1つの面に引き出された引出し部を有していることが好ましい。
この構成によれば、第3層間接続導体(主に引出し部)を第2層間接続導体から遠ざけることができる。よって、第3層間接続導体と第2層間接続導体との間においても、磁気結合が生じ難くなる。
本発明に係る多層基板によれば、各コイルにおける電気的な特性の劣化を防止することができる。
第1実施形態に係る多層基板を概念的に示した(a)斜視図及び(b)分解斜視図である。 第1実施形態に係る多層基板を第1主面側から見て示した平面図である。 第1実施形態に係る多層基板に構築されている回路を示した図である。 第1変形例に係る多層基板の一例を概念的に示した分解斜視図である。 第1変形例に係る多層基板の他の例を概念的に示した分解斜視図である。 第2変形例に係る多層基板の一例を、(a)第1側面側及び(b)第2側面側のそれぞれから見て示した分解斜視図である。 第2変形例に係る多層基板を第1主面側から見て示した平面図である。 第2変形例に係る多層基板の他の例を概念的に示した分解斜視図である。 第2実施形態に係る多層基板を概念的に示した分解斜視図である。 第3変形例に係る多層基板を概念的に示した分解斜視図である。 第3変形例に係る多層基板を第2側面側から見て示した斜視図である。 第4変形例に係る多層基板を概念的に示した分解斜視図である。 第4変形例に係る多層基板に構築されている回路を示した図である。
以下、本発明の実施形態について、図面に沿って説明する。
[1]第1実施形態
[1−1]多層基板の構成
図1(a)及び(b)はそれぞれ、第1実施形態に係る多層基板を概念的に示した斜視図及び分解斜視図である。図1(a)及び(b)に示される様に、多層基板は、積層体1と、2つのコイル2A,2Bと、2つの第1外部電極3A,3Bと、第2外部電極4と、2つの第1層間接続導体5A,5Bと、第2層間接続導体6とを備える。
図1(b)に示される様に、積層体1は、矩形状を呈し且つ略同一のサイズである2枚の絶縁基材10A,10Bが積層されたものである。絶縁基材10A,10Bには、液晶ポリマや熱可塑性ポリイミド等の熱可塑性樹脂シート、又はセラミックシートなどを用いることができる。そして、積層体1は、絶縁基材10A,10Bの積層方向D1において互いに反対側に位置する第1主面11及び第2主面12を有している。
更に、積層体1は、第1主面11と第2主面12とを繋ぐ4つの側面13a〜13dを有している。ここで、第1側面13a及び第2側面13bはそれぞれ、絶縁基材10A(又は10B)の2つの長辺に沿って拡がった面であり、互いに反対側に位置する。第3側面13c及び第4側面13dはそれぞれ、絶縁基材10A(又は10B)の2つの短辺に沿って拡がった面であり、第1側面13aと第2側面13bとを両側で繋いでいる。
尚、絶縁基材10A,10Bは、矩形状に限らず、正方形等、種々の形状を呈していてもよい。そして、積層体1における主面及び側面の位置や形状等は、絶縁基材の形状や積層数等に応じて適宜変更される。
コイル2A,2Bはそれぞれ、最上層に位置する絶縁基材10Bにパターン形成されており、積層方向D1と向きが略一致したコイル軸20A,20Bを有する。具体的には、コイル2A,2Bはそれぞれ、第2主面12となる絶縁基材10Bの面にパターン形成されている。
本実施形態において、コイル2A,2Bは何れも、これらの形状が四角形を基調とした渦状となる様に複数の直線パターンを組み合わせて構成されている。そして、コイル2A,2Bはそれぞれ、コイル軸20A,20Bの周りを、内側に位置する一端21A,21Bから外側に位置する他端22A,22Bまで、同じ向きに延びている。具体的には、積層体1を第2主面12側から見たとき、コイル2A,2Bは何れも、内側から外側へ左回り(反時計回り)に延びている。又、他端22A,22Bは、第1側面13aと接する位置に配されている。
尚、コイル2A,2Bは、曲線パターンから構成されたものであってもよいし、直線パターンと曲線パターンとを組み合わせて構成されたものであってもよい。又、コイル2A,2Bは、内側から外側へ右回り(時計回り)に延びたものであってもよい。更に、後述する第1変形例の様に、コイル2A,2Bは、互いに逆回りに延びたものであってもよい(図4及び図5参照)。
第1外部電極3A,3Bはそれぞれ、コイル2A,2Bに対応して積層体1の第1主面11に形成されている。具体的には、第1外部電極3A,3Bはそれぞれ、第1主面11となる絶縁基材10Aの面にパターン形成されている。
本実施形態において、第1外部電極3A,3Bはそれぞれ、コイル2A,2Bの一端21A,21Bと対向する位置に形成されている。これにより、後述する第1層間接続導体5A,5Bをそれぞれ、一端21A,21Bから第1外部電極3A,3Bまで直線的に形成することが可能となっている。
尚、後述する第2変形例の様に、第1外部電極3A,3Bは、コイル2A,2Bの一端21A,21Bと対向する位置とは異なる位置に形成されていてもよい(図6(a)及び図8参照)。又、第1外部電極3A,3Bの形状やサイズは、実装時に第1外部電極3A,3Bに接続される対象電極の形状やサイズ等に応じて適宜変更することができる。
第2外部電極4は、積層体1の第1主面11に形成されている。具体的には、第2外部電極4は、第1主面11となる絶縁基材10Aの面にパターン形成されている。
本実施形態において、第2外部電極4は、次の様な1つの領域に形成されている。即ち、この領域は、コイル2A,2Bの他端22A,22Bと対向する位置を両方含み、且つ、第1側面13aに接する領域である。
本実施形態では更に、第2外部電極4が形成される上記領域は、図2に示される様に、第1主面11へのコイル2A,2Bの投影像においてコイル2A,2Bの開口部23A,23Bに対応する領域とは重なることがない第1主面11内の領域となっている。よって、コイル2A,2Bに磁束を生じさせた際、第2外部電極4による磁束の妨げが起き難い。
尚、第2外部電極4の形状やサイズは、実装時に第2外部電極4に接続される対象電極の形状やサイズ等に応じて適宜変更することができる。
第1層間接続導体5A,5Bは、図1(b)にて一点鎖線で示されており、コイル2A,2Bの一端21A,21Bをそれぞれ、対応する第1外部電極3A,3Bに接続している。本実施形態において、第1層間接続導体5Aは、絶縁基材10A,10Bにそれぞれ形成された2つの導電ビアが、絶縁基材10A,10Bの積層により連結されたものである。第1層間接続導体5Bも同様、2つの導電ビアが連結されたものである。一例として、これらの導電ビアは、導電性ペーストが金属化(固化)したものである。そして、第1層間接続導体5A,5Bはそれぞれ、コイル2A,2Bの一端21A,21Bから第1外部電極3A,3Bまで直線的に延びると共に、これらの間を接続している。
尚、後述する第2変形例の様に、第1層間接続導体5A,5Bは、2つの導電ビアが連結されたものに限らず、種々の変形が可能である(図6(a)及び図8参照)。
第2層間接続導体6は、第1側面13aに形成された導電層であり、第1側面13aに沿って第2主面12の縁から第1主面11の縁まで拡がる一方で、その縁(第1主面11又は第2主面12の縁)に沿う横方向D2において分断された部分を含まない。そして、第2層間接続導体6は、第2主面12の縁にてコイル2A,2Bの全ての他端22A,22Bに接続され、且つ、第1主面11の縁にて第2外部電極4に接続されている。この様に、第2層間接続導体6は、コイル2A,2Bの他端22A,22Bを纏めて第2外部電極4に接続している。
一例として、第2層間接続導体6は、絶縁基材10A,10Bの積層後、第1側面13aにメッキ処理を施すことにより形成される。尚、第2層間接続導体6の形成方法には、メッキ処理に限らず、導電箔や導電板の貼付、LDS(Laser Direct Structuring)プロセスによるパターン形成等、種々の方法を採用することができる。
本実施形態では、横方向D2において、第2層間接続導体6は、コイル2Aの他端22Aとの接続位置からコイル2Bの他端22Bとの接続位置まで拡がっている。又、第2層間接続導体6は、矩形状を呈し、第1主面11の縁の位置での幅と第2主面12の縁の位置で幅とが略一致している。一方、第1層間接続導体5A,5Bの幅(導電ビアの径)はそれぞれ、コイル2A,2Bを構成しているパターンの線幅と同程度である。よって、横方向D2において、第2層間接続導体6の幅は、第1層間接続導体5A,5Bの各々の幅より大きくなっている。
尚、第2層間接続導体6は、コイル2Aの他端22Aとの接続位置からコイル2Bの他端22Bとの接続位置までの領域を含む、より広い領域に形成されていてもよい。又、第2層間接続導体6は、矩形状に限定されない種々の形状に変形されてもよい。例えば、第2層間接続導体6は、部分的に括れた形状を呈していてもよいし、第1主面11の縁へ向けて幅が拡がる形状や狭まる形状等を呈していてもよい。
第1実施形態に係る多層基板においては、図3に示される様に、2つのコイル2A,2Bから形成された回路が構築される。この回路において、コイル2A,2Bは、高周波用コイルとして用いられてもよいし、低周波用コイルとして用いられてもよい。そして、図1(a)に示される様に、コイル2A,2Bの他端22A,22Bが、第2層間接続導体6を介して第2外部電極4に接続されている。即ち、他端22A,22Bから第2外部電極4への接続経路が、第1主面11よりも第2主面12に近い位置で1つに纏められ、そのまま分岐することなく第2外部電極4に達している(図1(a)参照)。
ここで、比較例として、他端22A,22Bがそれぞれ2つの層間接続導体を介して第2外部電極4に接続された構成を考える。即ち、この構成では、他端22A,22Bから第2外部電極4への接続経路が、纏められることなく分離したまま第2外部電極4に達する。この様な構成によれば、2つの接続経路間に強い磁気結合が生じ易い。又、これらの接続経路と、第1層間接続導体5A,5Bとの間にも、強い磁気結合が生じ易い。
一方、第1実施形態に係る多層基板によれば、第2外部電極4への接続経路が、第1主面11よりも第2主面12に近い位置で第2層間接続導体6により1つに纏められる。よって、上記比較例において懸念される接続経路(層間接続導体)間の磁気結合が、第1実施形態に係る多層基板では生じ難い。
又、第2層間接続導体6が第1側面13aに形成されることにより、積層体1内に形成される層間接続導体の数が減少する。具体的には、第1層間接続導体5A及び5Bのそれぞれから第2層間接続導体6までの距離が、上記比較例における接続経路(層間接続導体)までの距離よりも大きくなる。よって、第1実施形態に係る多層基板では、第1層間接続導体5A及び5Bのそれぞれと第2層間接続導体6との間においても、磁気結合が生じ難くなる。
そして、第1実施形態に係る多層基板では、横方向D2において、第2層間接続導体6の幅が、第1層間接続導体5A,5Bの各々の幅(導電ビアの径)より大きくなっている。よって、第1層間接続導体5A及び5Bのそれぞれと第2層間接続導体6との間において、磁気結合が効率良く弱められる。又、第2層間接続導体6の横幅を拡げることにより、第2層間接続導体6の電気抵抗を低減させることができる。
この様に層間接続導体間において磁気結合が弱められることにより、コイル2A,2Bの各々における電気的な特性の劣化が防止される。
[1−2]変形例
次に、第1実施形態に係る多層基板の2つの変形例(第1及び第2変形例)について説明する。
<第1変形例>
第1変形例として、コイル2A,2Bは、コイル軸20A,20Bの周りを、内側に位置する一端21A,21Bから外側に位置する他端22A,22Bまで、互いに逆回りに延びていてもよい。図4及び図5はそれぞれ、第1変形例に係る多層基板の2つの例を概念的に示した分解斜視図である。
図4に示される多層基板では、積層体1を第2主面12側から見たとき、コイル2Aは、内側から外側へ左回り(反時計回り)に延び、コイル2Bは、内側から外側へ右回り(時計回り)に延びている。この構成では、第2層間接続導体6の横幅(横方向D2において、コイル2Aの他端22Aとの接続位置からコイル2Bの他端22Bとの接続位置までの距離)が、図1(a)に示される多層基板よりも大きくなる。
図5に示される多層基板では、積層体1を第2主面12側から見たとき、コイル2Aは、内側から外側へ右回り(時計回り)に延び、コイル2Bは、内側から外側へ左回り(反時計回り)に延びている。この構成では、第2層間接続導体6の横幅(横方向D2において、コイル2Aの他端22Aとの接続位置からコイル2Bの他端22Bとの接続位置までの距離)が、図1(a)に示される多層基板よりも小さくなる。
<第2変形例>
第2変形例として、第1層間接続導体5A,5Bの少なくとも1つが、第2側面13b、第3側面13c、及び第4側面13dの少なくとも1つの面に引き出されていてもよい。図6(a)及び(b)は、第2変形例に係る多層基板の一例を、第1側面13a側及び第2側面13b側のそれぞれから見て示した分解斜視図である。又、図8は、第2変形例に係る多層基板の他の例を概念的に示した分解斜視図である。
図6(a)及び(b)に示される多層基板では、第1層間接続導体5Aは第3側面13cに引き出され、第1層間接続導体5Bは第2側面13bに引き出されている。
具体的には、積層体1は、絶縁基材10A,10Bの間に積層された別の絶縁基材10Cを更に有する。絶縁基材10Cには、絶縁基材10A,10Bと同様、液晶ポリマや熱可塑性ポリイミド等の熱可塑性樹脂シート、又はセラミックシートなどを用いることができる。そして、絶縁基材10Cにおける第2主面12側の面に、コイル2Aの一端21Aと対向する位置から第3側面13cに露出する位置まで延びた配線パターン511Aと、コイル2Bの一端21Bと対向する位置から第2側面13bに露出する位置まで延びた配線パターン511Bとが形成されている。
又、第3側面13cには、配線パターン511Aの露出位置から第1主面11の縁まで延びた配線パターン512Aが形成され、第2側面13bには、配線パターン511Bの露出位置から第1主面11の縁まで延びた配線パターン512Bが形成されている。そして、配線パターン512A,512Bはそれぞれ、第1外部電極3A,3Bに接続されている。
一例として、配線パターン512A,512Bはそれぞれ、絶縁基材10A,10Bの積層後、第3側面13c及び第2側面13bにメッキ処理を施すことにより形成される。尚、配線パターン512A,512Bの形成方法には、メッキ処理に限らず、導電箔や導電板の貼付、LDS(Laser Direct Structuring)プロセスによるパターン形成等、種々の方法を採用することができる。
更に、絶縁基材10Bには、コイル2Aの一端21Aと配線パターン511Aとを接続する導電ビア52Aと、コイル2Bの一端21Bと配線パターン511Bとを接続する導電ビア52Bと、が形成されている。一例として、導電ビア52A,52Bは、導電性ペーストが金属化(固化)したものである。尚、図6(a)及び(b)では、導電ビア52A,52Bは一点鎖線により示されている。
この様に、第1層間接続導体5Aは、配線パターン511A,512Aから成る引出し部51Aと、コイル2Aと配線パターン511Aとを接続する導電ビア52Aとから構成されている。又、第1層間接続導体5Bは、配線パターン511B,512Bから成る引出し部51Bと、コイル2Bと配線パターン511Bとを接続する導電ビア52Bとから構成されている。
この構成によれば、第1層間接続導体5A,5B(主に引出し部51A,51B)が第2層間接続導体6から遠ざけられる。よって、第1層間接続導体5A,5Bのそれぞれと第2層間接続導体6との間において、磁気結合が更に弱められる。
又、第1層間接続導体5A,5Bが互いに異なる面に引き出されることにより、第1層間接続導体5A,5Bが互いに遠ざけられる。よって、第1層間接続導体5A,5Bの間においても、磁気結合が生じ難くなる。
図6(a)及び(b)に示される多層基板では更に、第1外部電極3Aが、第1主面11において第3側面13cに接する領域に形成され、第1外部電極3Bが、第1主面11において第2側面13bに接する領域に形成されている。そして、これらの領域は何れも、図7に示される様に、第1主面11へのコイル2A,2Bの投影像においてコイル2A,2Bの開口部23A,23Bに対応する領域とは重なることがない第1主面11内の領域となっている。よって、コイル2A,2Bに磁束を生じさせた際、第1外部電極3A,3Bによる磁束の妨げが起き難い。
図8に示される多層基板は、図4に示される多層基板において第1層間接続導体5A,5Bがそれぞれ、互いに反対側に位置する第3側面13c及び第4側面13dに引き出されたものである。
この多層基板によれば、第1層間接続導体5A,5Bが互いに、より遠くへ引き離される。よって、第1層間接続導体5A,5Bの間において、磁気結合が更に弱められる。
又、引出し部51A,51Bは、絶縁基材10Cにおける第2主面12側の面へのコイル2A,2Bの投影像においてコイル2A,2Bの開口部23A,23Bに対応する領域とは重なることがない領域に形成される。よって、コイル2A,2Bに磁束を生じさせた際、引出し部51A,51Bによる磁束の妨げが起き難い。
[2]第2実施形態
[2−1]多層基板の構成
図9は、第2実施形態に係る多層基板を概念的に示した分解斜視図である。図9に示される様に、多層基板は、積層体1と、2つのコイル2C,2Dと、2つの第1外部電極3C,3Dと、第2外部電極4と、2つの第1層間接続導体5C,5Dと、第2層間接続導体6とを備える。
積層体1は、矩形状を呈し且つ略同一のサイズである4枚の絶縁基材10D〜10Gが積層されたものである。絶縁基材10D〜10Gには、液晶ポリマや熱可塑性ポリイミド等の熱可塑性樹脂シート、又はセラミックシートなどを用いることができる。そして、第1実施形態と同様、積層体1は、第1主面11及び第2主面12と、4つの側面13a〜13dとを有する。尚、絶縁基材10D〜10Gは、矩形状に限らず、正方形等、種々の形状を呈していてもよい。そして、積層体1における主面及び側面の位置や形状等は、絶縁基材の形状や積層数等に応じて適宜変更される。
コイル2C,2Dはそれぞれ、最下層に位置する絶縁基材10Dを除く3層の絶縁基材10E〜10Gに亘ってパターン形成されている。具体的には、絶縁基材10Eにおける第2主面12側の面にコイルパターン71C,71Dが形成され、絶縁基材10Fにおける第2主面12側の面にコイルパターン72C,72Dが形成され、第2主面12となる絶縁基材10Gの面にコイルパターン73C,73Dが形成されている。ここで、コイルパターン71C〜73Cはそれぞれ、第2主面12側から見たときのコイル2Cの形状を規定する四角形の何れかの3辺に沿って延びた形状となる様に、3つの直線パターンを組み合わせて構成されたものである。同様に、コイルパターン71D〜73Dはそれぞれ、第2主面12側から見たときのコイル2Dの形状を規定する四角形の何れかの3辺に沿って延びた形状となる様に、3つの直線パターンを組み合わせて構成されたものである。
そして、コイル2Cが、絶縁基材10Eにおける第2主面12側の面内に配された一端21Cから、第2主面12となる絶縁基材10Gの面内に配された他端22Cまで、コイル軸20Cの周りを左回り(反時計回り)に延びた構成となる様に、コイルパターン71C〜73Cは並べられている。より具体的には、コイルパターン71C〜73Cは、第1主面11への投影像により、上述した1つの四角形が形成される様に配されている。
又、コイル2Cが、一端21Cから他端22Cまで導通した1つのコイルとなる様に、絶縁基材10Fには、コイルパターン71Cの端71Caとコイルパターン72Cの端72Caとを接続する導電ビアが第3層間接続導体74Cとして形成され、絶縁基材10Gには、コイルパターン72Cの端72Cbとコイルパターン73Cの端73Caとを接続する導電ビアが第3層間接続導体75Cとして形成されている。一例として、これらの導電ビアは、導電性ペーストが金属化(固化)したものである。尚、第3層間接続導体74C,75Cは、図9にて一点鎖線で示されている。
同様に、コイル2Dが、絶縁基材10Eにおける第2主面12側の面内に配された一端21Dから、第2主面12となる絶縁基材10Gの面内に配された他端22Dまで、コイル軸20Dの周りを左回り(反時計回り)に延びた構成となる様に、コイルパターン71D〜73Dは並べられている。より具体的には、コイルパターン71D〜73Dは、第1主面11への投影像により、上述した1つの四角形が形成される様に配されている。
又、コイル2Dが、一端21Dから他端22Dまで導通した1つのコイルとなる様に、絶縁基材10Fには、コイルパターン71Dの端71Daとコイルパターン72Dの端72Daとを接続する導電ビアが第3層間接続導体74Dとして形成され、絶縁基材10Gには、コイルパターン72Dの端72Dbとコイルパターン73Dの端73Daとを接続する導電ビアが第3層間接続導体75Dとして形成されている。一例として、これらの導電ビアは、導電性ペーストが金属化(固化)したものである。尚、第3層間接続導体74D,75Dは、図9にて一点鎖線で示されている。
尚、コイル2C,2Dは、曲線パターンから構成されたものであってもよいし、直線パターンと曲線パターンとを組み合わせて構成されたものであってもよい。又、コイル2C,2Dは、上述とは逆に右回り(時計回り)に延びたものであってもよい。更に、コイル2C,2Dは、互いに逆回りに延びたものであってもよい。
第1外部電極3C,3Dはそれぞれ、コイル2C,2Dに対応して積層体1の第1主面11に形成されている。具体的には、第1外部電極3C,3Dはそれぞれ、第1主面11となる絶縁基材10Dの面にパターン形成されている。
本実施形態において、第1外部電極3C,3Dはそれぞれ、コイル2C,2Dの一端21C,21Dと対向する位置に形成されている。これにより、後述する第1層間接続導体5C,5Dをそれぞれ、一端21C,21Dから第1外部電極3C,3Dまで直線的に形成することが可能となっている。
尚、後述する第3変形例の様に、第1外部電極3C,3Dは、コイル2C,2Dの一端21C,21Dと対向する位置とは異なる位置に形成されていてもよい(図10参照)。又、第1外部電極3C,3Dの形状やサイズは、実装時に第1外部電極3C,3Dに接続される対象電極の形状やサイズ等に応じて適宜変更することができる。
第2外部電極4は、積層体1の第1主面11に形成されている。具体的には、第2外部電極4は、第1主面11となる絶縁基材10Dの面にパターン形成されている。
本実施形態において、第2外部電極4は、次の様な1つの領域に形成されている。即ち、この領域は、コイル2C,2Dの他端22C,22Dと対向する位置を両方含み、且つ、第1側面13aに接する領域である。
本実施形態では更に、第2外部電極4が形成される上記領域は、第1実施形態と同様、第1主面11へのコイル2C,2Dの投影像においてコイル2C,2Dの開口部に対応する領域とは重なることがない第1主面11内の領域となっている(図2参照)。よって、コイル2C,2Dに磁束を生じさせた際、第2外部電極4による磁束の妨げが起き難い。
尚、第2外部電極4の形状やサイズは、実装時に第2外部電極4に接続される対象電極の形状やサイズ等に応じて適宜変更することができる。
第1層間接続導体5C,5Dは、図9にて一点鎖線で示されており、コイル2C,2Dの一端21C,21Dをそれぞれ、対応する第1外部電極3C,3Dに接続している。本実施形態において、第1層間接続導体5Cは、絶縁基材10D,10Eにそれぞれ形成された2つの導電ビアが、絶縁基材10D,10Eの積層により連結されたものである。第1層間接続導体5Dも同様、2つの導電ビアが連結されたものである。一例として、これらの導電ビアは、導電性ペーストが金属化(固化)したものである。そして、第1層間接続導体5C,5Dはそれぞれ、コイル2C,2Dの一端21C,21Dから第1外部電極3C,3Dまで直線的に延びると共に、これらの間を接続している。
尚、後述する第3変形例の様に、第1層間接続導体5A,5Bは、2つの導電ビアが連結されたものに限らず、種々の変形が可能である(図10参照)。
第2層間接続導体6は、第1側面13aに形成された導電層であり、第1側面13aに沿って第2主面12の縁から第1主面11の縁まで拡がる一方で、その縁(第1主面11又は第2主面12の縁)に沿う横方向D2において分断された部分を含まない。そして、第2層間接続導体6は、第2主面12の縁にてコイル2C,2Dの全ての他端22C,22Dに接続され、且つ、第1主面11の縁にて第2外部電極4に接続されている。この様に、第2層間接続導体6は、コイル2C,2Dの他端22C,22Dを纏めて第2外部電極4に接続している。
又、本実施形態では、第1実施形態と同様、横方向D2において、第2層間接続導体6の幅が、第1層間接続導体5C,5Dの各々の幅(導電ビアの径)より大きくなっている。
尚、第2層間接続導体6は、第1実施形態と同様、メッキ処理等の方法により形成される。又、第2層間接続導体6の形状等は、第1実施形態と同様、種々の変形が可能である。
第2実施形態に係る多層基板においては、第1実施形態と同様、2つのコイル2C,2Dから形成された回路が構築される(図3参照)。そして、図9に示される様に、コイル2C,2Dの他端22C,22Dが、第2層間接続導体6を介して第2外部電極4に接続されている。即ち、他端22C,22Dから第2外部電極4への接続経路が、第1主面11よりも第2主面12に近い位置で1つに纏められ、そのまま分岐することなく第2外部電極4に達している。よって、接続経路が纏められることなく分離したまま第2外部電極4に達する構成(第1実施形態で説明した比較例)において懸念される接続経路間の磁気結合が、第2実施形態に係る多層基板では生じ難い。
又、第2層間接続導体6が第1側面13aに形成されることにより、第1実施形態と同様、第1層間接続導体5C及び5Dのそれぞれから第2層間接続導体6までの距離が大きくなる。よって、第2実施形態に係る多層基板では、第1層間接続導体5C及び5Dのそれぞれと第2層間接続導体6との間においても、磁気結合が生じ難くなる。
そして、第2実施形態に係る多層基板でも、横方向D2において、第2層間接続導体6の幅が、第1層間接続導体5C,5Dの各々の幅(導電ビアの径)より大きくなっている。よって、第1層間接続導体5C及び5Dのそれぞれと第2層間接続導体6との間において、磁気結合が効率良く弱められる。又、第2層間接続導体6の横幅を拡げることにより、第2層間接続導体6の電気抵抗を低減させることができる。
この様に層間接続導体間において磁気結合が弱められることにより、コイル2C,2Dの各々における電気的な特性の劣化が防止される。そして、この様に磁気結合を弱めることのできる構成は、絶縁基材の積層数が増えることにより積層方向D1における層間接続導体の長さが大きくなる多層基板において、特に適している。
[2−2]変形例
次に、第2実施形態に係る多層基板の2つの変形例(第3〜第4変形例)について説明する。
<第3変形例>
第3変形例として、第1層間接続導体5C,5Dの少なくとも1つが、第2側面13b、第3側面13c、及び第4側面13dの少なくとも1つの面に引き出されていてもよい。図10は、第3変形例に係る多層基板の一例を概念的に示した分解斜視図である。又、図11は、第3変形例に係る多層基板を、第2側面13b側から見て示した斜視図である。
図10及び図11に示される多層基板では、第1層間接続導体5C,5Dは何れも第2側面13bに引き出されている。
具体的には、絶縁基材10Eにおける第2主面12側の面に、コイル2Cの一端21Cとなるコイルパターン71Cの端から第2側面13bに露出する位置まで延びた配線パターン511Cと、コイル2Dの一端21Dとなるコイルパターン71Dの端から第2側面13bに露出する位置まで延びた配線パターン511Dとが形成されている。
又、第2側面13bには、図11に示される様に、配線パターン511C,511Dのそれぞれの露出位置から第1主面11の縁まで延びた配線パターン512C,512Dが形成されている。そして、配線パターン512C,512Dはそれぞれ、第1外部電極3C,3Dに接続されている。尚、配線パターン512C,512Dはそれぞれ、第2変形例と同様、メッキ処理等の方法により形成される。
この様に、第1層間接続導体5Cは、配線パターン511C,512Cから成る引出し部51Cで構成されている。又、第1層間接続導体5Dは、配線パターン511C,512Dから成る引出し部51Dで構成されている。
この構成によれば、第1層間接続導体5C,5Dが第2層間接続導体6から遠ざけられる。よって、第1層間接続導体5C,5Dのそれぞれと第2層間接続導体6との間において、磁気結合が更に弱められる。
図10及び図11に示される多層基板では更に、第1外部電極3C,3Dがそれぞれ、第1主面11において第2側面13bに接する2つの領域に形成されている。そして、これらの領域は何れも、第2変形例と同様、第1主面11へのコイル2C,2Dの投影像においてコイル2C,2Dの開口部に対応する領域とは重なることがない第1主面11内の領域となっている(図7参照)。よって、コイル2C,2Dに磁束を生じさせた際、第1外部電極3C,3Dによる磁束の妨げが起き難い。
第3変形例として更に、第3層間接続導体74C,74D,75C,75Dの少なくとも1つが、第2側面13b、第3側面13c、及び第4側面13dの少なくとも1つの面に引き出されていてもよい。図10及び図11に示される多層基板では、第3層間接続導体74C,74Dが第2側面13bに引き出されている。
具体的には、絶縁基材10Eにおける第2主面12側の面に、コイルパターン71C,71Dのそれぞれの端71Ca,71Daから第2側面13bに露出する位置まで延びた配線パターン711C,711Dが形成されている。又、絶縁基材10Fにおける第2主面12側の面に、コイルパターン72C,72Dのそれぞれの端72Ca,72Daから第2側面13bに露出する位置まで延びた配線パターン712C,712Dが形成されている。
更に、第2側面13bには、図11に示される様に、配線パターン711Cの露出位置から配線パターン712Cの露出位置まで延びた配線パターン713Cと、配線パターン711Dの露出位置から配線パターン712Dの露出位置まで延びた配線パターン713Dとが形成されている。そして、配線パターン713Cの上下両端がそれぞれ、配線パターン712C,711Cに接続されている。又、配線パターン713Dの上下両端がそれぞれ、配線パターン712D,711Dに接続されている。尚、配線パターン713C,713Dはそれぞれ、配線パターン512C,512Dと同様、メッキ処理等の方法により形成される。
この様に、第3層間接続導体74Cは、配線パターン711C〜713Cから成る引出し部710Cで構成されている。又、第3層間接続導体74Dは、配線パターン711D〜713Dから成る引出し部710Dで構成されている。
この構成によれば、第3層間接続導体74C,74Dが第2層間接続導体6から遠ざけられる。よって、第3層間接続導体74C,74Dのそれぞれと第2層間接続導体6との間においても、磁気結合が生じ難くなる。
<第4変形例>
第4変形例として、多層基板は、コイルを3つ以上備えるものであってもよい。図12は、第4変形例に係る多層基板の一例を概念的に示した分解斜視図である。図12に示される多層基板では、積層体1に4つのコイル2C〜2Fが形成されている。具体的には、コイル2C,2Dがそれぞれ、一端21C,21Dから他端22C,22Dまで左回りに延び、コイル2E,2Fがそれぞれ、一端21E,21Fから他端22E,22Fまで右回りに延びている。そして、コイル2C〜2Fの一端21C〜21Fがそれぞれ、対応する4つの第1外部電極3C〜3Fに第1層間接続導体5C〜5Fを介して接続されている。又、コイル2C〜2Fの全ての他端22C〜22Fが、第2層間接続導体6を介して第2外部電極4に接続されている。
第4変形例に係る多層基板においては、図13に示される様に、4つのコイル2C〜2Fから形成された回路が構築される。この回路において、コイル2C〜2Fは、高周波用コイルとして用いられてもよいし、低周波用コイルとして用いられてもよい。
尚、右回りのコイルと左回りのコイルの配置数や配置位置は、適宜変更することができる。又、多層基板は、1枚の絶縁基材にパターン形成されたコイルと、複数の絶縁基材に亘ってパターン形成されたコイルと、を両方備えたものであってもよい。
上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。更に、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 積層体
2A,2B,2C,2D,2E,2F コイル
3A,3B,3C,3D,3E,3F 第1外部電極
4 第2外部電極
5A,5B,5C,5D,5E,5F 第1層間接続導体
6 第2層間接続導体
10A,10B,10C,10D,10E,10F,10G 絶縁基材
11 第1主面
12 第2主面
13a 第1側面
13b 第2側面
13c 第3側面
13d 第4側面
20A,20B,20C,20D コイル軸
21A,21B,21C,21D 一端
22A,22B,22C,22D 他端
23A,23B 開口部
51A,51B,51C,51D 引出し部
52A,52B 導電ビア
71C,72C,73C コイルパターン
71D,72D,73D コイルパターン
71Ca,72Ca,72Cb,73Ca 端
71Da,72Da,72Db,73Da 端
74C,74D 第3層間接続導体
75C,75D 第3層間接続導体
511A,512A 配線パターン
511B,512B 配線パターン
511C,512C 配線パターン
511D,512D 配線パターン
710C,710D 引出し部
711C,712C,713C 配線パターン
711D,712D,713D 配線パターン
D1 積層方向
D2 横方向

Claims (9)

  1. 複数の絶縁基材が積層された積層体であって、互いに反対側に位置する第1主面及び第2主面と、これらの主面を繋ぐ側面の1つである第1側面と、を有する積層体と、
    前記複数の絶縁基材の少なくとも1層にパターン形成されており、前記絶縁基材の積層方向と向きが略一致したコイル軸をそれぞれが有する複数のコイルと、
    前記複数のコイルにそれぞれ対応して前記第1主面に形成された複数の第1外部電極と、
    前記複数のコイルの一端をそれぞれ、これらのコイルに対応する前記複数の第1外部電極に接続する複数の第1層間接続導体と、
    前記第1主面に形成された第2外部電極と、
    前記第1側面に形成されており、前記複数のコイルの他端を纏めて前記第2外部電極に接続する第2層間接続導体と、
    を備える、多層基板。
  2. 前記第2層間接続導体は、前記第1側面に沿って前記第2主面の縁から前記第1主面の縁まで拡がる一方で、前記縁に沿う方向において分断された部分を含まず、
    前記第2層間接続導体は、前記第2主面の縁にて前記複数のコイルの全ての他端に接続され、且つ、前記第1主面の縁にて前記第2外部電極に接続されている、請求項1に記載の多層基板。
  3. 前記第1主面又は前記第2主面の縁に沿う方向において、前記第2層間接続導体の幅が、前記第1層間接続導体の各々の幅より大きい、請求項1又は2に記載の多層基板。
  4. 前記積層体は、前記第1側面とは反対側に位置する第2側面と、これらの側面を両側で繋ぐ第3側面及び第4側面と、を更に有し、
    前記複数の第1層間接続導体の少なくとも1つは、前記第2側面、前記第3側面、及び前記第4側面の少なくとも1つの面に引き出された引出し部を有する、請求項1〜3の何れか1つに記載の多層基板。
  5. 前記複数の第1層間接続導体の少なくとも2つが前記引出し部をそれぞれ有し、これらの引出し部が、前記第2側面、前記第3側面、及び前記第4側面のうちの互いに異なる面に引き出されている、請求項4に記載の多層基板。
  6. 前記第1主面への前記複数のコイルの投影像においてコイルの開口部に対応する領域とは重なることがない前記第1主面内の領域に、前記第1外部電極が形成されている、請求項1〜5の何れか1つに記載の多層基板。
  7. 前記第1主面への前記複数のコイルの投影像においてコイルの開口部に対応する領域とは重なることがない前記第1主面内の領域に、前記第2外部電極が形成されている、請求項1〜6の何れか1つに記載の多層基板。
  8. 前記複数のコイルの少なくとも1つは、前記複数の絶縁基材の少なくとも2層に亘ってパターン形成されており、前記絶縁基材のそれぞれに形成されたパターンどうしを接続する第3層間接続導体を含む、請求項1〜7の何れか1つに記載の多層基板。
  9. 前記積層体は、前記第1側面とは反対側に位置する第2側面と、これらの側面を両側で繋ぐ第3側面及び第4側面と、を更に有し、
    前記第3層間接続導体は、前記第2側面、前記第3側面、及び前記第4側面の少なくとも1つの面に引き出された引出し部を有する、請求項8に記載の多層基板。
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