JP6232976B2 - 多層基板の製造方法、多層基板および電磁石 - Google Patents

多層基板の製造方法、多層基板および電磁石 Download PDF

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Description

本発明は、熱可塑性樹脂からなる基材層を複数重ねてなる多層基板の製造方法、多層基板および電磁石に関する。
従来、絶縁体に導体をパターニングして、コイルを形成したものが知られている。例えば、特許文献1には、ポリイミドフィルムの両面に線状の導体を渦巻き状にパターニングして層間接続することにより、スパイラル型コイルを形成したものが記載されている。
特開平04−368105号公報
しかしながら、熱可塑性樹脂からなる基材層を複数重ねて加熱圧着を行う場合、加熱圧着時に当該熱可塑性樹脂が流動するため、線状の導体が積層方向に傾く場合がある。このように線状導体が傾くと、積層方向に近接する線状導体同士が接触して短絡してしまう可能性がある。
積層方向の線状導体の傾きを抑えるには、例えば線状導体の線幅を広くすることが考えられる。しかし、線状導体の線幅を広くするためには、平面方向に隣接する線状導体との中心間隔(ピッチ)を広くする必要があり、線幅を広くすると、配線密度が低下してしまう。
そこで、本発明の目的は、配線密度を低下させずに、加熱圧着時における線状導体の積層方向の傾きを抑え、積層方向に近接する線状導体同士の接触を防止する多層基板の製造方法、多層基板および電磁石を提供することにある。
本発明の多層基板の製造方法は、熱可塑性樹脂からなる基材層に、複数の線状導体を形成する線状導体を形成する工程と、前記基材層を複数重ねて加熱および加圧する工程と、を行う。そして、本発明の多層基板の製造方法は、前記線状導体を形成する工程において、各線状導体に相対的に線幅が広い部分と狭い部分とを形成し、平面方向に隣接する線状導体において、互いに、一方の線状導体の前記線幅が広い部分と他方の線状導体の前記線幅が狭い部分とが隣接し、前記一方の線状導体の線幅が広い部分は、前記他方の線状導体の線幅が狭い部分に対応する凹み部分に入り込んでいることを特徴とする。
このように、本発明の多層基板の製造方法は、線状導体に線幅の広い部分と狭い部分とを設け、広い部分が狭い部分に対応する凹み部分に入り込むことにより、線幅の広い部分によって線状導体の積層方向の傾きを抑えることができるとともに、広い部分が狭い部分に対応する凹み部分に入り込んでいるため平面方向に隣接する線状導体との中心間隔(ピッチ)を広くする必要がない。図9(A)に示すように、線状導体の線幅が狭い場合は、加熱圧着時における熱可塑性樹脂の流れにより線状導体の端部に発生した応力によって線状導体が積層方向に傾く場合がある。これに対し、図9(B)に示すように、線状導体の線幅が広い場合は、線状導体の周囲の熱可塑性樹脂による強い支持力が得られるため、積層方向の傾きを抑えることができる。したがって、配線密度を低下させずに加熱圧着時における線状導体の積層方向の傾きを抑え、積層方向において近接する線状導体同士の接触を防止することができる。
なお、線幅の広い部分と狭い部分とは、線状導体が延びる方向に周期的に連続して並んでいることが好ましい。周期的に連続して並べることで、各線状導体において、線幅の広い部分と狭い部分とをバランスよく配置することができるので、効果的に積層方向の傾きを抑えることができる。
また、平面方向において隣接する線状導体間のギャップは、一定であることが好ましい。一定のギャップとしながら線幅の広い部分が狭い部分に対応する凹み部分に入り込むことにより、高い配線密度を実現することができる。
また、積層方向において隣接する線状導体は、平面視して前記広い部分同士が重なっている態様とすることも可能であるし、平面視して広い部分と狭い部分とが重なっている態様とすることも可能である。広い部分同士が重なっている場合は、当該広い部分が重なっている箇所の積層方向のに傾きを特に抑えることができる。広い部分と狭い部分とが重なっている場合は、全体としてバランス良く積層方向の傾きを抑えることができる。
なお、本発明の多層基板の製造方法は、線状導体が互いに接続されることにより、コイルを形成する場合に好適である。この構成では、コイルを形成する線状導体の配線密度を低下させないようにすることができるので、コイルのインダクタンス値を低下させずに加熱圧着時における線状導体の積層方向の傾きを抑えることができる。
また、コイルの基材層の主面に沿って延びる直線部分は、非直線部分(例えば角部分)に比べると特に積層方向に傾きやすい箇所となるため、当該コイルの比較的長い直線部分に広い部分と狭い部分とを形成することが好ましい。
また、本発明の多層基板は、熱可塑性樹脂からなる基材層に複数の線状導体が形成され、前記基材層を複数重ねてなる多層基板であって、前記線状導体は、相対的に線幅が広い部分と狭い部分とを有し、平面方向に隣接する線状導体において、互いに、一方の線状導体の前記線幅が広い部分と他方の線状導体の前記線幅が狭い部分とが隣接し、前記一方の線状導体の線幅が広い部分は、前記他方の線状導体の線幅が狭い部分に対応する凹み部分に入り込んでいることを特徴とする。
上述したように、線状導体に線幅の広い部分と狭い部分とが存在し、広い部分が狭い部分に対応する凹み部分に入り込む構造であることにより、広い部分によって線状導体の積層方向の傾きを抑えることができるとともに、広い部分が狭い部分に対応する凹み部分に入り込んでいるため配線密度が低下することがない。したがって、配線密度を低下させずに加熱圧着時における線状導体の積層方向の傾きを抑え、積層方向において近接する線状導体同士の接触を防止することができる。
また、多層基板は、複数の線状導体が互いに接続されることによりコイルを形成することが好ましい。また、当該コイルに電流を流す給電部をさらに備えた電磁石として用いることも可能である。
この発明によれば、配線密度を低下させずに、加熱圧着時における線状導体の積層方向の傾きを抑え、積層方向に近接する線状導体同士の接触を防止することができる。
多層基板の各基材層の分解平面図である。 多層基板の断面図である。 多層基板の製造方法を示す図である。 多層基板の一部拡大平面図である。 本実施形態の多層基板と従来の多層基板とを比較する図である。 平面視して広幅部と狭幅部とが重なっている態様を示す図である。 線状導体のパターニングの変形例を示す図である。 線状導体のパターニングの他の変形例を示す図である。 線状導体の傾きを抑える作用を説明するための図である。
以下、本発明の実施形態に係る多層基板について説明する。図1は、多層基板101の各基材層の分解平面図であり、図2は、図1中において一点鎖線で示す位置での多層基板101の断面図である。
多層基板101は、上面側から順に、基材層10、基材層11、基材層12、基材層13および基材層14が積層されてなる。基材層10、基材層11、基材層12、基材層13および基材層14は、同種の熱可塑性樹脂からなる。熱可塑性樹脂は、例えば液晶ポリマ樹脂である。なお、液晶ポリマ樹脂以外の熱可塑性樹脂の種類としては、例えばPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、PEI(ポリエーテルイミド)、PPS(ポニフェニレンスルファイド)、PI(ポリイミド)等があり、液晶ポリマ樹脂に代えてこれらを用いてもよい。
基材層11、基材層12、基材層13および基材層14の上面には、それぞれコイル導体21、コイル導体22、コイル導体23およびコイル導体24が形成されている。コイル導体21、コイル導体22、コイル導体23およびコイル導体24は、それぞれ平面視して渦巻き状にパターニングされ、それぞれ複数の線状導体(例えば後述の線状導体215、線状導体216および線状導体217)を含んでいる。
基材層11の内部のうち、コイル導体21の一方の端部(中心側の端部)21Aが形成されている箇所には、ビア導体61が形成されている。ビア導体61は、当該コイル導体21の一方の端部21Aと、コイル導体22の一方の端部(中心側の端部)22Aとを層間接続する。基材層12の内部のうち、コイル導体22の他方の端部(外側の端部)22Bが形成されている箇所には、ビア導体62が形成されている。
ビア導体62は、コイル導体22の他方の端部22Bとコイル導体23の他方の端部(外側の端部)23Bとを層間接続する。基材層13の内部のうち、コイル導体23の一方の端部23Aが形成されている箇所には、ビア導体63が形成されている。ビア導体63は、コイル導体23の一方の端部23Aとコイル導体24の一方の端部(中心側の端部)24Aとを層間接続する。
最上面の基材層10は、第1端子電極30Aおよび第2端子電極30Bが形成されている。基材層10の内部のうち、第2端子電極30Bが形成されている箇所には、ビア導体40Bが形成されている。ビア導体40Bは、当該第2端子電極30Bと、コイル導体21の他方の端部(外側の端部)21Bとを層間接続する。
基材層10の内部のうち、第1端子電極30Aが形成されている箇所には、ビア導体40Aが形成されている。ビア導体40Aは、当該第1端子電極30Aと、基材層11の上面に設けられた電極51とを層間接続する。基材層11の内部のうち、電極51が設けられた箇所には、ビア導体41が形成されている。ビア導体41は、電極51と、基材層12の上面に設けられた電極52とを層間接続する。基材層12の内部のうち、電極52が設けられた箇所には、ビア導体42が形成されている。ビア導体42は、電極52と、基材層13の上面に設けられた電極53とを層間接続する。基材層13の内部のうち、電極53が設けられた箇所には、ビア導体43が形成されている。ビア導体43は、電極53と、コイル導体24の他方の端部(外側の端部)24Bとを層間接続する。
多層基板101は、このようにして各ビア導体により各基材層のコイル導体が接続されることにより、コイルを形成する。最上面の基材層10に設けられた第1端子電極30Aおよび第2端子電極30Bには、給電部(不図示)が接続され、当該給電部がコイルに電流を流すことで、多層基板101を電磁石として機能させることができる。
このような多層基板101は、まず各基材層に電極およびコイル導体を形成し、基材層を複数重ねて加熱および加圧することにより製造する。
図3は、多層基板の製造方法を示す図である。多層基板の製造方法は、まず図3(A)に示すように、基材層を用意する工程からなる。基材層は、片面全体に予め金属(例えば銅箔)が貼り付けられた状態の樹脂シートから、必要とする面積を切り出すことで用意される。図3(A)では、片面全体に銅箔21Nが貼り付けられた基材層11を用意する例を示す。他の基材層についても同様である。
次に、図3(B)に示すように、銅箔21Nをパターニングすることで、コイル導体21を形成する(本発明の線状導体を形成する工程の一例である)。パターニングの手法は、例えばフォトリソグラフィやスクリーン印刷を用いる。線状導体を形成する工程は、他の基材層についても同様に行われる。なお、図示はしていないが、線状導体を形成する工程では、各電極も形成される。また、図示はしていないが、線状導体を形成する工程において(または他の工程において)、基材層にはビアホールが開けられ、当該ビアホールに導電性ペーストが埋められることにより各ビア導体も形成される。
次に、図3(C)に示すように、各基材層(基材層10、基材層11、基材層12、基材層13および基材層14)を積層する。最後に、図3(D)に示すように、加熱プレス機により加熱および加圧する(本発明の加熱および加圧する工程の一例である)。この際、熱可塑性樹脂が流動して基材層間の隙間(銅箔の厚みに起因する隙間)が熱可塑性樹脂により埋められるとともに各基材層が互いに溶着される。
このようにして製造された多層基板101は、各基材層が熱プレスにより強固に接合され、かつ上述のビアホールに埋められた導電性ペーストが金属化するため、コイル導体およびビア導体は、界面が強固に接合される。また、電極およびビア導体も、界面が強固に接合される。
次に、図4は、図1中に点線で示した領域100を拡大した図である。上記線状導体を形成する工程では、各コイル導体のうち各基材層の主面に沿って延びる直線部分に、相対的に線幅が広い部分と狭い部分とを形成する。これにより、多層基板101は、各コイル導体の直線部分において相対的に線幅が広い部分と狭い部分とを有することになる。例えば、図4の拡大図に示すように、コイル導体21のうち、コイルの最も外側の直線部分(線状導体215と称する。)においては、図中の上側から順に、相対的に線幅が広い部分である広幅部210A、相対的に線幅が狭い部分である狭幅部211A、広幅部210B、狭幅部211Bおよび広幅部210Cが形成されている。その内側の直線部分(線状導体216と称する。)においては、図中の上側から順に、広幅部210D、狭幅部211Cおよび広幅部210Eが形成されている。また、さらにその内側の直線部分(線状導体217と称する。)においては、広幅部210Fが形成されている。
さらに、多層基板101は、平面方向(基材層の主面に沿った方向)に隣接する線状導体において、互いに、一方の線状導体の線幅が広い部分と他方の線状導体の狭い部分とが隣接し、広い部分が隣接する線状導体の狭い部分に対応する凹み部分に入り込んでいる。例えば、図4の拡大図に示すように、線状導体215の狭幅部211Aと線状導体216の広幅部210Dとは、互いに隣接し、広幅部210Dが狭幅部211Aに対応する凹み部分250に入り込んでいる。また、線状導体215の広幅部210Bと線状導体216の狭幅部211Cとは、互いに隣接し、広幅部210Bが狭幅部211Cに対応する凹み部分251に入り込んでいる。線状導体215の狭幅部211Bと線状導体216の広幅部210Eとは、互いに隣接し、広幅部210Eが狭幅部211Bに対応する凹み部分252に入り込んでいる。同様に、線状導体216の狭幅部211Cと線状導体217の広幅部210Fとは、互いに隣接し、広幅部210Fが狭幅部211Cに対応する凹み部分253に入り込んでいる。
このように、多層基板101は、各線状導体に広幅部と狭幅部とが設けられ、広幅部が平面方向に隣接する線状導体の狭幅部に対応する凹み部分に入り込むことにより、広幅部によって線状導体の積層方向の傾きを抑えることができるとともに、広幅部分が狭幅部に対応する凹み部分に入り込んでいるため平面方向に隣接する線状導体との中心間隔(ピッチ)を広くする必要がない。図9(A)に示すように、線状導体の線幅が狭い場合は、加熱圧着時における熱可塑性樹脂の流れにより線状導体の端部に発生した応力によって線状導体が積層方向に傾く場合がある。これに対し、図9(B)に示すように、線状導体の線幅が広い場合は、線状導体の周囲の熱可塑性樹脂による強い支持力が得られるため、積層方向の傾きを抑えることができる。したがって、配線密度を低下させずに加熱圧着時における線状導体の積層方向の傾きを抑え、近接する線状導体同士の接触を防止することができる。
図5は、本実施形態の多層基板101と従来の多層基板901とを比較する図である。図5(A)は、本実施形態に係る多層基板101の一部の基材層を示した部分平面図であり、図5(B)は、比較対象として従来の多層基板901の一部の基材層を示した部分平面図である。図5(C)は、本実施形態に係る多層基板101の積層前の各基材層を示した部分断面図(図5(A)中の1点鎖線に示す位置での断面図)であり、図5(D)は、比較対象として従来の多層基板901の積層前の各基材層を示した部分断面図(図5(B)中の1点鎖線に示す位置での断面図)である。図5(E)は、本実施形態に係る多層基板101の熱プレス後の部分断面図(図5(A)中の1点鎖線に示す位置での断面図)であり、図5(F)は、比較対象として従来の多層基板901の熱プレス後の部分断面図(図5(B)中の1点鎖線に示す位置での断面図)である。
図5(B)、図5(D)および図5(F)に示すように、従来の多層基板901の構造では、線状導体の線幅W0=100μm、積層後の層間距離H1=20μm、および線状導体の厚みH2=20μmであった場合に、各基材層を積層して熱プレスを行うと、熱可塑性樹脂の流動によって、線状導体が積層方向に傾き、近接する線状導体同士が接触して短絡してしまう場合があった。
これに対し、本実施形態の多層基板101は、図5(A)、図5(C)および図5(E)に示すように、従来と同じ層間距離H1=20μm、線状導体の厚みH2=20μmとしながら、広幅部の線幅はW1=150μmとし、狭幅部の線幅はW2=50μmとしている。この場合、図5(E)に示すように、各基材層を積層して熱プレスを行ったとしても、線状導体が積層方向に大きく傾くことがなく、近接する線状導体同士が接触することがない。
また、このように広幅部を設けた場合であっても、狭幅部が存在して広幅部が当該狭幅部に対応する凹み部分に入り込むことで、図5(A)および図5(B)に示すように、平面方向に隣接する線状導体間のギャップD1および線状導体を形成するピッチ(平面方向に隣接する線状導体の中心距離)P1は変わっていない。したがって、本実施形態の多層基板101は、従来の多層基板901に対して、配線密度を低下させずに加熱圧着時における線状導体の積層方向の傾きを抑え、近接する線状導体同士の接触を防止することができる。
なお、上述の例では、層間距離H1=20μm、および線状導体の厚みH2=20μmの場合を示したが、本発明者は、他にも、層間距離H1=18μmに対して線状導体の厚みH2=12μmの場合、層間距離H1=18μmに対して線状導体の厚みH2=18μmの場合、層間距離H1=25μmに対して線状導体の厚みH2=18μmの場合、層間距離H1=13μmに対して線状導体の厚みH2=18μmの場合についても、加熱圧着時における線状導体の積層方向の傾きを抑え、近接する線状導体同士の接触を防止することができる効果を確認している。
以上のことから、層間距離H1が、線状導体の厚みH2の約0.5倍〜約1.5倍程度の場合において、相対的に線幅が広い部分と狭い部分とを形成し、広い部分と狭い部分とが互いに平面方向に隣接し、広い部分が狭い部分に対応する凹み部分に入り込んでいる場合に、加熱圧着時における線状導体の積層方向の傾きを抑え、近接する線状導体同士の接触を防止することができると考えられる。
また、従来の多層基板901が線幅W0=100μmに対して線状導体の厚みH2=20μmであった場合に線状導体の積層方向の傾きが大きくなっていたのに対して、本実施形態の多層基板101は、線幅が100μmより広い箇所を設けたことにより加熱圧着時における線状導体の積層方向の傾きを抑え、近接する導体同士の接触を防止することができたため、線状導体の線幅が線状導体の厚みの5倍より大きい場合に、積層方向の傾きを抑える効果が大きいと言える。したがって、線状導体の厚みH2=12μmの場合において、広幅部の線幅W1は60μmより大きい(W1>5・H2)場合に、積層方向の傾きを抑える効果が大きくなる。なお、狭幅部の線幅は、断線を防止するために最低でも10〜30μm程度とすることが好ましい。
なお、図1および図2においては、積層方向において隣接する線状導体(例えばコイル導体21の直線部分およびコイル導体22の直線部分)は、平面視して広幅部が重なっている態様を示したが、平面視して広幅部と狭幅部とが重なっている態様とすることも可能である。例えば、図6(A)に示すように、基材層11(および基材層13)におけるコイル導体21の直線部分(およびコイル導体23の直線部分)の広幅部210Nに対して、図6(B)に示すように、基材層12(および基材層14)におけるコイル導体22の直線部分(およびコイル導体24の直線部分)の狭幅部221Nが平面視して重なるようにする。この場合、図6(C)に示すように、広幅部と狭幅部とが交互に重なるようになる。
図1および図2に示したような平面視して広幅部同士が重なっている態様の場合は、当該広幅部が重なっている箇所の積層方向の傾きを特に抑えることができ、図6に示したような平面視して広幅部と狭幅部とが重なっている態様の場合は、全体としてバランス良く積層方向の傾きを抑えることができる。
次に、図7は、線状導体のパターニングの変形例を示す図である。上述においては、広幅部と狭幅部との間において線幅が連続的に変化する態様を示したが、例えば図7(A)に示すように、広幅部と狭幅部との間において線幅が急激に変化する態様としてもよい。
また、上述においては、広幅部と狭幅部とが周期的に連続して並んでいる態様を示したが、例えば図7(B)に示すように、線状導体の一部において広幅部が長い箇所または狭幅部が長い箇所を設けた態様であってもよい。また、図7(C)に示すようなランダムに線幅が変化する態様としてもよい。いずれにしても、相対的に線幅が広い部分と狭い部分とが存在し、広い部分と狭い部分とが互いに平面方向に隣接して、広い部分が狭い部分に対応する凹み部分に入り込んでいる態様であれば、本発明の技術的範囲に属する。ただし、周期的に連続して並べることで、各線状導体の面積を均一にすることができる。
また、平面方向に隣接する線状導体間のギャップまたは線状導体を形成するピッチも一定に限るものではない。ただし、一定のギャップとしながら広い部分が狭い部分に対応する凹み部分に入り込むことにより、高い配線密度を実現することができる。
また、図8の変形例に示すように、線状導体(図8の例ではコイル導体21の直線部分)のうち、コイルの最も外側においては、線幅を変化させる必要は無く、直線状のパターンとしてもよい。
なお、本実施形態に係る多層基板に設けられるようなコイルは、各基材層の線状導体を渦巻き状に密接して配置するため、配線密度を低下させずに加熱圧着時における線状導体の積層方向の傾きを抑えることが重要になる。特に、本実施形態に係る多層基板は、線状導体の線幅が頻繁に変動するため、当該多層基板を高周波回路以外(周波数が100MHz以下)の電子部品として用いる場合に好適であり、たとえば、多層基板におけるコイルに電流を流す給電部をさらに備えた電磁石として用いる場合に好適である。このような電磁石は、ボイスコイルモータに適用可能である。
また、コイルの直線部分は、非直線部分(例えば角部分)に比べて特に積層方向に傾きやすい箇所となるため、当該コイルの直線部分に広い部分と狭い部分とを形成することが好ましい。
101…多層基板
10,11,12,13,14…基材層
21,22,23,24…コイル導体
30A…第1端子電極
30B…第2端子電極
40A,40B,41,42,43,61,62,63…ビア導体
51,52,53…電極
210A,210B,210C,210D,210E,210F…広幅部
211A,211B,211C…狭幅部
215,216,217…線状導体

Claims (10)

  1. 熱可塑性樹脂からなる基材層に、複数の線状導体を形成する工程と、
    前記基材層を複数重ねて加熱および加圧する工程と、
    を行う多層基板の製造方法であって、
    前記線状導体を形成する工程において、各線状導体に相対的に線幅が広い部分と狭い部分とを形成し、
    平面方向に隣接する線状導体において、互いに、一方の線状導体の前記線幅が広い部分と他方の線状導体の前記線幅が狭い部分とが隣接し、前記一方の線状導体の線幅が広い部分は、前記他方の線状導体の線幅が狭い部分に対応する凹み部分に入り込み、前記広い部分と前記狭い部分とが前記線状導体が延びる方向に周期的に連続して並んでいることを特徴とする多層基板の製造方法。
  2. 熱可塑性樹脂からなる基材層に、複数の線状導体を形成する工程と、
    前記基材層を複数重ねて加熱および加圧する工程と、
    を行う多層基板の製造方法であって、
    前記線状導体を形成する工程において、各線状導体に相対的に線幅が広い部分と狭い部分とを形成し、
    平面方向に隣接する線状導体において、互いに、一方の線状導体の前記線幅が広い部分と他方の線状導体の前記線幅が狭い部分とが隣接し、前記一方の線状導体の線幅が広い部分は、前記他方の線状導体の線幅が狭い部分に対応する凹み部分に入り込み、
    前記基材層の積層方向において隣接する線状導体は、平面視して前記広い部分と前記狭い部分とが重なっていることを特徴とする多層基板の製造方法。
  3. 平面方向に隣接する線状導体間のギャップが一定であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の多層基板の製造方法。
  4. 前記基材層の積層方向において隣接する線状導体は、平面視して前記広い部分同士が重なっていることを特徴とする請求項1に記載の多層基板の製造方法。
  5. 前記複数の線状導体は、互いに接続されることにより、コイルを形成していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の多層基板の製造方法。
  6. 前記コイルは、前記基材層の主面に沿って延びる直線部分と非直線部分とを有し、
    前記コイルの直線部分に、前記広い部分と前記狭い部分とが形成されていることを特徴とする請求項5に記載の多層基板の製造方法。
  7. 熱可塑性樹脂からなる基材層に複数の線状導体が形成され、前記基材層を複数重ねてなる多層基板であって、
    前記線状導体は、相対的に線幅が広い部分と狭い部分とを有し、
    平面方向に隣接する線状導体において、互いに、一方の線状導体の前記線幅が広い部分と他方の線状導体の前記線幅が狭い部分とが隣接し、前記一方の線状導体の線幅が広い部分は、前記他方の線状導体の線幅が狭い部分に対応する凹み部分に入り込み、前記広い部分と前記狭い部分とが前記線状導体が延びる方向に周期的に連続して並んでいることを特徴とする多層基板。
  8. 熱可塑性樹脂からなる基材層に複数の線状導体が形成され、前記基材層を複数重ねてなる多層基板であって、
    前記線状導体は、相対的に線幅が広い部分と狭い部分とを有し、
    平面方向に隣接する線状導体において、互いに、一方の線状導体の前記線幅が広い部分と他方の線状導体の前記線幅が狭い部分とが隣接し、前記一方の線状導体の線幅が広い部分は、前記他方の線状導体の線幅が狭い部分に対応する凹み部分に入り込み、
    前記基材層の積層方向において隣接する線状導体は、平面視して前記広い部分と前記狭い部分とが重なっていることを特徴とする多層基板。
  9. 前記複数の線状導体は、互いに接続されることによりコイルを形成していることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の多層基板。
  10. 請求項9に記載の多層基板と、
    前記多層基板のコイルに電流を流す給電部と、
    を備えたことを特徴とする電磁石。
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