JP2017145063A - 包装容器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】包装容器100は、本体前面板12の表面に、ラップフィルム1を仮止めするニス塗布層5を有し、該ニス塗布層5がラップフィルム1に対して、条件1を満たすT型剥離強度を有する。
(条件1)
JIS Z−0237:2009「粘着テープ・粘着シート試験方法」に準じて測定する。幅25mmのニス塗布層サンプル片とラップフィルムとのT型剥離強度が4.0×10−2N/25mm以上3.0×10−1N/25mm以下である。
【選択図】図1
Description
(条件1)
JIS Z−0237:2009「粘着テープ・粘着シート試験方法」に準じて測定する。幅25mmのニス塗布層サンプル片と前記ラップフィルムとのT型剥離強度が4.0×10−2N/25mm以上3.0×10−1N/25mm以下である。
JIS Z−0237:2009「粘着テープ・粘着シート試験方法」に準じて測定を行う。
(ニス塗布部のサンプル片の作製)
SPニス(ストッパーニス、東洋インキ社製FDPCA KP−WRAP ワニス)と希釈溶剤(東洋インキ社製KPワニス用溶剤C)を10:3の容積割合で混合したものを塗布液とし、図4に示す印刷パターンにて塗布した。高圧水銀ランプを照射し、塗布膜を硬化させた。ライン速度あるいはUVランプ照射力、灯数を調整してUV積算照射量を24mj/cm2〜207mj/cm2と変化させることで、ずり強度及びT型剥離強度の異なる包装容器のサンプルA、B、C、Dを作製した。図4に示すように、フラップ12bのうち、領域S2を切り出し、ニス塗布部のサンプル片A、B、C、Dを得た。領域S2の幅は25mmとし、左高さは15mm、右高さは19mmとした。領域S2は、全体がラップフィルムと密着するが、ニス塗布部5bとニス非塗布部5dとからなる。領域S2における塗布パターンは、上端辺1mm下から5mm下まではベタ塗り(ニス塗布部5bである)とし、上端辺の5mm下から14mm下までは、ニス非塗布部5dとしたパターンである。
領域S2の幅25mmの選定は、切り取ったときにニス塗布層が存在する領域から選ぶことが可能である。例えば、ニス塗布層5bが測定全幅に渡って連続して存在する領域から選ぶことが好ましい。あるいは、ニス塗布層5bに代えてニス塗布層5cが測定全幅に渡って連続して存在する領域から選んでもよい。図5(a)又は図5(b)のように、ニス塗布部とニス非塗布部とが交互に存在するような、測定全幅に渡って連続してニス塗布層が存在する領域がない場合においては、複数のニス塗布部が形成するニス塗布パターン全体の輪郭を想定し、その輪郭線が取り囲む部分をニス塗布部とみなす。図5(a)及び図5(b)に、輪郭線6を点線で示した。なお、図5(c)のように、ニス非塗布部がニス塗布部に囲まれている場合は、ニス塗布部が取り囲む部分をニス塗布部とみなす。なお、測定領域の幅25mmが得られない場合には、測定値について25mm換算を行う。最後に、サンプル片の裏面(SPニスを塗布した面の裏面)に両面テープを貼り付ける。1個の包装容器から幅25mmのサンプル片がW−W’方向に沿って複数個得られる場合には、使い易さとしてより重要な領域であるカートンの中央部(カートン全長の1/2の箇所を含む範囲)で少なくとも一つのサンプル片についてずり強度及びT型剥離強度が所定範囲に入るか否かの評価を行なうのが好ましい。また、それら全てのサンプル片についてずり強度及びT型剥離強度が所定範囲に入るか否かの評価を行なっても良い。それら全てのサンプル片についてずり強度及びT型剥離強度が所定範囲に入る場合は、より使いやすい包装容器となる。
ラップフィルム(クレハ社製、商品名NEWクレラップ)を幅25mm、長さ100mmの大きさに切り出した。このとき、長さ方向をフィルム引き出し方向に一致させた。長さ方向の一端側につかみ代として紙テープ(幅25mm、長さ15mm)を貼り付けた。このとき、紙テープの幅方向とラップフィルム片の幅方向を一致させて貼り付けた。なお、室内環境は、23±5℃、40±20%RHの条件とした。
ニス塗布層が上に向くようにサンプル片Aを鉄板の上に置く。このとき、前記両面テープを鉄板に貼り付ける。次にフィルム片の長さ方向の端のうち、紙テープを貼り付けた端とは反対側の端部分をニス塗布層に被せる。このとき、フィルム片の幅25mmとサンプル片の幅25mmとが一致する方向で被せる。この結果、サンプル片Aの全面がフィルム片で被せられる。なお、ニス塗布層に密着するフィルム片の面は、ラップ下側(巻き芯方向を向く面)とする。JIS Z−0237:2009に記載の2kgのローラー圧着装置を用いて、ローラーをフィルム片の幅方向に転がし、フィルム片とニス塗布層とを圧着させ、測定用圧着品Aを作製する。サンプル片B、C、Dについてもそれぞれについて測定用圧着品B、C、Dを作製する。
サンプル片を貼着した面の法線が上方向を向くように、鉄板を台に固定し、測定用圧着品Aのフィルム片の紙テープ側を、鉄板よりも上方にあるテンシロン(オリエンテック社製、型番RTA−100)で挟み、300mm/分の引っ張り速度で、T型剥離試験を行う。測定値は最大値とする。測定用圧着品B、C、Dについてもそれぞれについて測定を行う。
鉄板を、サンプル片を貼着した面の法線が水平方向を向くように台にテンシロン(下方側)で挟み、測定用圧着品Aのフィルム片の紙テープ側をテンシロン(上方側)で挟み、300mm/分の引っ張り速度で、ずり強度試験を行う。測定値は最大値とする。フィルム片が極端に低い値で切れた場合は、フィルムの端面が荒れていると判断し、データから除外する。測定用圧着品B、C、Dについてもそれぞれについて測定を行う。
包装容器のサンプルA、B、C、Dのそれぞれについて、ラップフィルムの中央からカットを行い、カット後、蓋体を開いてラップフィルムの下方から息を吹きかけラップフィルムが、ニス塗布層から剥がれ、容器本体内側に巻き戻ってしまうかを確認した。n数は5とした。巻き戻りがない場合を合格、巻き戻りがある場合を不合格とした。結果を表2に示す。T型剥離強度の弱いサンプルAは、巻き戻りが簡単に起こるため、問題ありと判断し、サンプルB,C,Dは問題なしと判断した。
包装容器のサンプルA、B、C、Dのそれぞれについて、ラップフィルムの端からカットを行う。本体前面板とラップフィルムとのなす角度θを固定し、カットを各5回実施し、ラップフィルムがニス塗布層からずれて良好なカットができなかった場合を0点、ややずれたがカットは可能であった場合には1点、ずれずにカットが良好にできた場合を2点として、点数付し、平均値を求めた。角度θは、次のとおりとする。本体底面板を水平におく。このとき、本体前面板の法線は、水平方向を向いている。この本体前面板の法線の角度を0°の基準とする。ラップフィルムの引き出し方向を水平より下方に向けてカットを行うときの本体前面板の法線とラップフィルムの引き出し方向とのなす角度をθとする。θが90°の場合には、ラップフィルムが、切断手段に当たらないのでカットができないこととなる。なお、上記の説明は、θの取り方を説明するために便宜上、本体底面板を水平においたが、実際のカットの作業では、θを所定角度に固定してカットすればよく、作業性を考慮して包装容器の向きを変更してもよい。結果を表3に示す。ずり強度の弱いサンプルAは、θが15°以上において、平均値が1点を下回り、問題ありと判断し、サンプルB,C,Dはθによらず、平均値が1点以上であったため、問題なしと判断した。
包装容器のサンプルA、B、C、Dのそれぞれについて、ラップフィルムを摘まんだときの摘まみ易さについて官能評価を行った。「ラップフィルムを摘まむ、ラップフィルムを引き出す、ラップフィルムをカットする」の一連の作業を連続で行った場合を連続評価とする。前記一連の作業において、「ラップフィルムをカットする」と「ラップフィルムを摘まむ」とを24時間あけた場合を24時間後評価とする。サンプルA、B、C、Dのそれぞれについて、一連の作業を20人が1回ずつ評価を行った。ラップフィルムを摘まみ易い場合を5点、やや摘まみ易い場合を4点、普通である場合を3点、やや摘まみにくい場合を2点、摘まみにくい場合を1点、として、点数付し、平均値を求めた。結果を表4に示す。T型剥離強度の強いサンプルDは、連続評価において平均値が3点をやや下回り、24時間後評価において平均値が3点を大きく下回ったので、問題ありと判断し、サンプルA,B,Cは、連続評価、24時間後評価のいずれも平均値が3点以上であったため、問題なしと判断した。
摘まみ易さ評価(24時間後評価結果)において、ラップフィルムを摘んだときのラップフィルムの縦裂けの発生有無を評価した。縦裂けがない場合を合格、縦裂けがある場合を不合格とした。結果を表5に示す。T型剥離強度の強いサンプルDは、縦裂けが起こるので、問題ありと判断し、サンプルA,B,Cは問題なしと判断した。
表6に評価結果をまとめた。すべての評価で問題なしと評価されたのは、サンプルB,Cである。したがって、ずり強度及びT型剥離強度が高ければよいというのではなく、それぞれ所定範囲の値を有する包装容器とすることが必要である。
5 ニス塗布層
5a,5b,5c ニス塗布層(塗布部)
5d ニス非塗布部(非塗布部)
6 輪郭線
10 容器本体
11 本体底面板
12 本体前面板
12a 本体前面板の上端辺
12b フラップ
13 本体後面板
13a 本体後面板の上端辺
14 本体左側面板
15 本体右側面板
20 蓋体
21 蓋天面板
22 蓋前面板
22a 蓋前面板の下端辺
24 蓋左側面板
25 蓋右側面板
30 切断手段
40 フィルムロール
100 包装容器
O 長手方向の中央部
S1、S2 領域
W‐W´ 包装容器の長手方向
H‐H´ 包装容器の高さ方向
D‐D´ 包装容器の奥行き方向
Claims (5)
- 矩形の本体底面板と、該本体底面板の長辺に立設された本体前面板及び本体後面板と、前記本体底面板の短辺に立設された本体左側面板及び本体右側面板と、を有し、ラップフィルムがロール状に巻回されたフィルムロールを収容する、上面が開口した容器本体と、
前記本体後面板の上端辺に連接され、前記容器本体の上面開口部を閉鎖時に覆う蓋天面板と、該蓋天面板に連接され、前記本体前面板の外側に重ねて配置される蓋前面板と、を有する蓋体と、
前記フィルムロールから繰り出され、前記本体前面板と前記蓋前面板との間から引き出されたラップフィルムを切断する前記蓋前面板に設けられた切断手段と、を備える包装容器において、
前記本体前面板の表面に、前記ラップフィルムを仮止めするニス塗布層を有し、該ニス塗布層が前記ラップフィルムに対して、条件1を満たすT型剥離強度を有することを特徴とする包装容器。
(条件1)
JIS Z−0237:2009「粘着テープ・粘着シート試験方法」に準じて測定する。幅25mmのニス塗布層サンプル片と前記ラップフィルムとのT型剥離強度が4.0×10−2N/25mm以上3.0×10−1N/25mm以下である。 - 前記ニス塗布層が、前記本体前面板の表面のうち、前記蓋前面板と重なる領域の全部又は一部に塗布されていることを特徴とする請求項1に記載の包装容器。
- 前記本体前面板は、該本体前面板に形成された切り線を含んでなるフラップを有し、該フラップの前面に前記ニス塗布層が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の包装容器。
- 前記ニス塗布層は、塗布部と非塗布部とを交互に配置した塗布パターン、塗布部が非塗布部を取り囲んでいる塗布パターン又は塗布部を前記容器本体の長辺方向に沿って配置した塗布パターンのいずれか一つ、又は、それらの塗布パターンを組み合わせたものを有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の包装容器。
- 前記ニス塗布層はUV硬化性ニス層であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の包装容器。
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