JP5188052B2 - ラップフィルムロール - Google Patents
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Description
(1)ラップフィルムの巻き終端縁全幅がラップフィルムロールの巻き戻り方向へ折り返された折れ線状の終端部を有し、前記終端部とその内側で巻きが完了しているラップフィルムの表面にわたって貼付帯が貼付され、前記貼付帯はラップフィルムロールに貼付されない摘み部を有し、ラップフィルムの切断手段が設けられた収納箱に収納されたラップフィルムロールにおいて、貼付帯が透明を含む2色以上の色を有し、背景は透明若しくは隠蔽度を下げた色であり、また、貼付帯の模様が流れ方向に非対称、または幅方向に非対称の模様を有し、貼付帯の任意の位置で折り返して貼り合わせた摘み部は、折り返し部の模様の透視によりロール貼り付け部と異なる模様を有することを特徴とするラップフィルムロール。
(2)前記貼付帯の摘み部は、ラップフィルムの折れ線状終端部の中央付近で、折れ線に対しその内側で巻きが完了しているラップフィルム表面側に配置され、ラップフィルムロールの表面から浮き上がっていることを特徴とする(1)記載のラップフィルムロール。
(3)前記ラップフィルムの折れ線状終端部は、中央部がフィルム幅方向に略平行の直線部を有し、両端がラップフィルムの巻き戻り方向へ向かって傾斜するように折り返されていることを特徴とする(1)または(2)記載のラップフィルムロール。
また、その貼付帯の摘み部がラップフィルムの折れ線近傍で、折れ線に対し、その内側で巻きが完了しているラップフィルム表面側に配置されることで、ラップフィルムロールの巻き終端部がフィルムロール本体から剥がされるまでの貼付帯粘着面積も少なく、最少のロール回転でラップフィルム終端部を収納箱の外に引き出し、使用を始めることができる効果も有する。
さらに、ラップフィルム終端部折れ線を中央部が直線で、両端部が巻き戻り方向へ向かって傾斜するように折り返された、異なる形状にすることで、収納箱前板とラップフィルムロールの隙間に巻き込まれずに、ラップフィルムが破れることなく、ラップフィルム終端部をスムーズに収納箱から引き出すことができる効果を有する。
図1は本発明のラップフィルムロールと収納箱を示す斜視図である。
図1(a)のラップフィルムロール1は、粘着性を有する樹脂材料で形成されたラップフィルム2が円筒の芯体3に巻かれている。ラップフィルム2は、ロール上でその内側のラップフィルムに密着しており、巻き終わりの終端縁4が全幅、ラップフィルムロール1の巻き戻り方向Aへ折り返されて形成される折れ線6をもつ巻き終端部5を有する。そのラップフィルムロール1は、図1(b)に示す前板12、底板13、後板14、脇板15の各面で形成される収納室17を有するラップフィルムロール収納箱10に収納される。ラップフィルムロール収納箱10は、後板14の上辺から延出させた天板18、掩蓋片19、脇板20からなる蓋体9を有し、掩蓋片19先端に付設されたノコ刃21を用いて、所望のフィルム量を切断し使用される。収納室は、前板12の上方辺から上方開口部11方向に延出した前板フラップ16を有してもよい。
巻き終端部5の中央部には、折れ線6とその内側で巻きが完了しているラップフィルムの表面にわたって粘着層を介し、貼付帯7が貼付されている。貼付帯7は、貼付帯の一方の先端にラップフィルムと貼付されていない摘み部8を有する。
貼付帯7の長さは、ラップフィルムロールの一周以下がよい。収納箱開封後、巻き終端部5が収納箱10の上方開口部11から見える位置に存在せず、フィルムロールを回転させて探す必要がある場合に、視覚で位置を認識し易くするためには、貼付帯の長さ方向の両端に重なりがなく、その両端のどちらかが上方開口部11から見える長さが好ましい。貼付帯7の幅は、人の指幅で摘み易く、剥がし易くするために、9〜18mmの範囲が好ましい。
約307mm(長さ)×37mm(外径)の紙製芯体に約20m(長さ)巻回された約300mm(幅)のポリ塩化ビニリデン製フィルム(厚み約10.7μm)の終端縁を図7に示した形状となるように折れ線中央部長さ30mm、折れ線両端部傾斜角10度で折り返し、その折り返し部中央に、表1の実施例1に示したように貼付帯を貼付したラップフィルムロールを作成した。これを図1(b)に示したような収納室が約310mm(長さ)×43mm(奥行き)×43mm(高さ)である収納箱に収納した。このサンプルを100箱用意し、表1に示した貼付帯基材が異なる比較例1のサンプルと共に100人のモニターに手渡し、ラップフィルムを最初に使用する時の引き出し動作を交互に行った後、以下に示す評価尺度での評価を実施した。評価結果を表2に示した。表中の貼付帯摘み部配置Bとは、図5に記載の折れ線に対し内側で巻きが完了しているラップフィルム表面側を指す。
約307mm(長さ)×37mm(外径)の紙製芯体に約20m(長さ)巻回された約300mm(幅)のポリ塩化ビニリデン製フィルム(厚み約10.7μm)の巻き終端部を表3の実施例2に示した形状、折れ線中央部長さ30mm、折れ線両端部傾斜角10度で折り返し、図1(b)に示したような収納室が約310mm(長さ)×43mm(奥行き)×43mm(高さ)である収納箱に収納した。貼付帯は、実施例1の形状で作成、配置した。このサンプルを100箱用意し、表3に示したフィルム巻き終端部を全幅直線に折り返した実施例3、フィルム終端縁の両端部のみを傾斜角10度で折り返した比較例2のサンプルと共に100人のモニターに手渡し、ラップフィルムを最初に使用する時の引き出し動作を交互に行った後、以下に示す評価尺度での評価を実施した。評価結果を表4に示した。
以下の(1)〜(4)はモニターによる判定を元にした評価尺度、(5)、(6)にはモニター評価に関連の近い項目を数値で表したものを参考値として示した。
(1)摘み部の認識し易さ
実施例1を比較例1との対比で、該当サンプルのラップフィルムの貼付帯摘み部を探してもらう時、見つけ難かったかを回答してもらった。見つけ難かったと回答した人が10人未満の場合は合格で○、10人以上の場合は不合格で×の評価をした。
(2)摘み部の摘み易さ
実施例1を比較例1との対比で、該当サンプルのラップフィルムの貼付帯摘み部を見つけて摘む時、摘み難かったかを回答してもらった。摘み難かったと回答した人が10人未満の場合は合格で○、10人以上の場合は不合格で×の評価をした。
実施例2を比較例2との対比で、該当サンプルのラップフィルムを最初に引き出した時と、その後ラップフィルムから貼付帯を剥がしてもらう時、ラップフィルム終端部から裂けが発生した人が10人未満の場合は合格で○、10人以上の場合は不合格で×の評価をした。
(4)収納箱前板との干渉
実施例2を実施例3との対比で、該当サンプルのラップフィルムを収納箱から最初に引き出す時、ラップフィルムの両端部がラップフィルムロールと収納箱前板または前板フラップとの隙間に巻き込まれた人が10人未満の場合は合格で○、10人以上の場合は不合格で×の評価をした。
実施例1、比較例1の貼付帯に対し、摘み部がラップフィルムロールから浮き上がっているかを実際に測定し、評価を行った。貼付帯の先端は、図2(a)の粘着層どうしを貼り合わせ、図4(a)に示すような折り返し形状とした。これを100箱作成し、1週間放置したサンプルに対し、収納箱中での摘み部の状態を視覚で認識できるかを確認した。その際、ラップフィルムロールからの浮き量が2mm以上あるか否かを基準とした。ここでは、摘み部を視覚で認識できる閾値を2mmと定めた。評価結果を表5に示した。
(6)引き出し抵抗
実施例2、実施例3ではラップフィルムを収納箱に入れた状態で、サンプルを(株)島津製作所製のオートグラフ(型番:AG−IS)に取り付けた。引き出されるラップフィルムと収納箱の前板がなす角度を90度になるように設定した。引き出したラップフィルムの先端部は全幅を5mm幅の両面テープを介して樹脂製のプレートに貼り付けてロードセルに取り付けた。サンプルの設置後、装置を1000mm/minの速度で、巻き終端部が全量引き出されるまで動作させ、最大抵抗値(N)を得た。各々数値を表4に示した。
表4より、実施例2で示した本発明の範囲内にあるラップフィルムロールは、実施例3で示した構成をもつラップフィルムロールと比較して、ラップフィルムの両端がラップフィルムロールと収納箱前板12、または前板フラップ16との隙間に巻き込まれずに引き出されるようになり、最初にラップフィルムを収納箱から引き出す時の引き出し易さが改善され、本発明の範囲外である比較例2で示した構成をもつラップフィルムロールと比較して、ラップフィルム巻き終端部からフィルムが裂けてしまう現象がより改善されていることが判る。
2 ラップフィルム
3 芯体
4 終端縁
5 折れ線を有する巻き終端部
6 折れ線
7 貼付帯
8 摘み部
9 蓋体
10 収納箱
11 上方開口部
12 前板
13 底板
14 後板
15 脇板(収納室)
16 前板フラップ
17 収納室
18 天板
19 掩蓋片
20 脇板(蓋体)
21 ノコ刃
A 折れ線に対し巻き戻り方向
B 折れ線に対し内側で巻きが完了しているラップフィルム表面側
P 粘着層
θ ラップフィルム幅方向からの傾斜角
L 折り返しに必要なフィルム長
Claims (3)
- ラップフィルムの巻き終端縁全幅がラップフィルムロールの巻き戻り方向へ折り返された折れ線状の終端部を有し、前記終端部とその内側で巻きが完了しているラップフィルムの表面にわたって貼付帯が貼付され、前記貼付帯はラップフィルムロールに貼付されない摘み部を有し、ラップフィルムの切断手段が設けられた収納箱に収納されたラップフィルムロールにおいて、貼付帯が透明を含む2色以上の色を有し、背景は透明若しくは隠蔽度を下げた色であり、また、貼付帯の模様が流れ方向に非対称、または幅方向に非対称の模様を有し、貼付帯の任意の位置で折り返して貼り合わせた摘み部は、折り返し部の模様の透視によりロール貼り付け部と異なる模様を有することを特徴とするラップフィルムロール。
- 前記貼付帯の摘み部は、ラップフィルムの折れ線状終端部の中央付近で、折れ線に対しその内側で巻きが完了しているラップフィルム表面側に配置され、ラップフィルムロールの表面から浮き上がっていることを特徴とする請求項1記載のラップフィルムロール。
- 前記ラップフィルムの折れ線状終端部は、中央部がフィルム幅方向に略平行の直線部を有し、両端がラップフィルムの巻き戻り方向へ向かって傾斜するように折り返されていることを特徴とする請求項1または2記載のラップフィルムロール。
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