JP2023163383A - 巻回体収容箱 - Google Patents

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麻希子 大森
Makiko Omori
孝幸 関
Takayuki Seki
敏正 長谷川
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Abstract

【課題】ラップフィルムの裂けを抑制する巻回体収容箱を提供する。【解決手段】仮留め部が、下記条件1、条件2、条件3、条件4を満たす。(条件1)仮留め部は、カットライン上またはカットラインよりも開口側に位置する。(条件2)仮留め部は、摘まみ領域を挟む長手方向の両側に位置する。(条件3)仮留め部の高さ方向における下端とカットラインとの間の高さ方向における距離は、0mm以上10mm以下である。(条件4)摘まみ領域の右側に位置する仮留め部の高さ方向における下端と、摘まみ領域の左側に位置する仮留め部の高さ方向における下端との間の長手方向における距離は、30mm以上120mm以下である。【選択図】図3

Description

本発明は、巻回体を収容するための巻回体収容箱に関する。
芯体に巻回されたラップフィルムは、紙製の巻回体収容箱に収容される。巻回体収容箱から引き出されたラップフィルムは、切断刃によって切断される。巻回体収容箱は、ラップフィルムを引き出す際にラップフィルムをつまみやすいように、前板に切り線で形成されたフラップを備える。さらに、巻回体収容箱は、フラップ上にラップフィルムを仮留めするためのニス塗布層を備える。ニス塗布層には、(a)ラップフィルムの切断容易性、(b)ラップフィルムの摘まみやすさの経時安定性、(c)ラップフィルムの裂け抑制などを目的として、各種の構成が提案されている。
例えば、(a)切断容易性を目的として、ニス塗布層に対するラップフィルムのずり強度とT型剥離強度とを所定の範囲とすることが提案されている(例えば、特許文献1、2を参照)。(b)ラップフィルムの摘まみやすさの経時安定性を目的として、T型剥離強度の増加率を所定の範囲とすることが提案されている(例えば、特許文献3を参照)。(c)ラップフィルムの裂け抑制を目的として、中央領域よりも脇板側の主要領域を長手方向に三等分すると共に、最も中央領域に近い1つの領域におけるニス塗布層の面積を、他の2つの領域よりも大きくすることが提案されている。また、巻回体収容箱の長手方向における中央領域よりも脇板側に、所定の大きさのニス塗布層を備えることが提案されている(例えば、特許文献4、5を参照)。
特開2014-5079号公報 特開2017-145063号公報 国際公開第2018/163592号 特開2013-224180号公報 特開2015-151176号公報
一方、切断されたラップフィルムの先端であるフィルム先端は、山形状と谷形状とを交互に繰り返すような、切断刃の刃痕を備える。上述した巻回体収容箱であっても、フィルム先端を指で摘まみながら、フィルム先端をニス塗布層からはがして巻回体収容箱からラップフィルムを引き出すとき、依然として、刃痕における切り裂きが起点となって、フィルムが縦に裂けたり斜めに裂けたりする。
上記課題を解決するための巻回体収容箱は、ラップフィルムが巻かれた巻回体を収容する本体部であって、前板、後板、底板および左右で一対の脇板を備え、上面が開口した前記本体部と、前記後板に連接され前記開口を開閉する蓋板と、前記蓋板が前記開口を閉じた閉蓋状態で前記前板の前面に重なるように前記蓋板に連接された掩蓋片と、を備える蓋部と、前記掩蓋片に設けられ、前記ラップフィルムを切断する切断刃と、を備え、前記前板が、切り込み線で区切られたフラップと、前記フラップの前面に形成された前記ラップフィルムを仮留めする仮留め部と、を備える、巻回体収容箱である。前記底板から前記開口に向かう方向が高さ方向であり、一方の前記脇板から他方の前記脇板へ向かう方向が長手方向であり、前記前板の前面のなかで前記閉蓋状態の前記切断刃の刃先と対向する位置を繋いだ仮想線がカットラインであり、前記前板の前面のなかで前記フラップに挟まれる領域であって、前記カットラインから前記高さ方向に延びる領域が摘まみ領域である。前記仮留め部が、下記条件1から条件4を満たす。
(条件1)前記仮留め部は、前記カットライン上または前記カットラインよりも開口側に位置する。
(条件2)前記仮留め部は、前記摘まみ領域を挟む前記長手方向の両側に位置する。
(条件3)前記仮留め部の前記高さ方向における下端と前記カットラインとの間の前記高さ方向における距離は、0mm以上10mm以下である。
(条件4)前記摘まみ領域の右側に位置する前記仮留め部の前記高さ方向における下端と、前記摘まみ領域の左側に位置する前記仮留め部の前記高さ方向における下端との間の前記長手方向における距離は、30mm以上120mm以下である。
上記課題を解決するための巻回体収容箱は、ラップフィルムが巻かれた巻回体を収容する本体部であって、前板、後板、底板および左右で一対の脇板を備え、上面が開口した前記本体部と、前記後板に連接され前記開口を開閉する蓋板と、前記蓋板が前記開口を閉じた閉蓋状態で前記前板の前面に重なるように前記蓋板に連接された掩蓋片と、を備える蓋部と、前記掩蓋片に設けられ、前記ラップフィルムを切断する切断刃と、を備え、前記前板が、切り込み線で区切られたフラップと、前記フラップの前面に形成された前記ラップフィルムを仮留めする仮留め部と、を備える、巻回体収容箱である。前記底板から前記開口に向かう方向が高さ方向であり、一方の前記脇板から他方の前記脇板へ向かう方向が長手方向であり、前記前板の前面のなかで前記閉蓋状態の前記切断刃の刃先と対向する位置を繋いだ仮想線がカットラインであり、前記前板の前面のなかで前記フラップに挟まれる領域であって、前記カットラインから前記高さ方向に延びる領域が摘まみ領域である。前記仮留め部が、下記条件1、条件2、条件5、および条件6を満たす。
(条件1)前記仮留め部は、前記カットライン上または前記カットラインよりも開口側に位置する。
(条件2)前記仮留め部は、前記摘まみ領域を挟む前記長手方向の両側に位置する。
(条件5)前記仮留め部の前記高さ方向における下端と前記カットラインとの間の前記高さ方向における距離は、0mm以上13mm以下である。
(条件6)前記摘まみ領域の右側に位置する前記仮留め部の前記高さ方向における下端と、前記摘まみ領域の左側に位置する前記仮留め部の前記高さ方向における下端との間の前記長手方向における距離は、30mm以上70mm以下である。
上記各構成によれば、ラップフィルムの切断端がカットラインに沿って位置し、ラップフィルムは、右側の仮留め部と、左側の仮留め部とに仮留めされる。左右の仮留め部に仮留めされたラップフィルムは、フラップと共に前板の前側に浮く。このとき、摘まみ領域に位置するラップフィルムの切断端を含む部分は、左右方向に張力を加えられた状態となる。この状態から、ラップフィルムの切断端を含む部分と摘まみ領域との間に指が差し込まれ、その後、ラップフィルムの切断端を含む部分が指によってフラップから浮き上がるように摘ままれると、ラップフィルムの切断端を含む部分は、前側、あるいは後側に折り返され、これによってタブが形成される。タブはラップフィルムの折返しによって形成されるため、ラップフィルムの切断端に形成された切断刃の刃痕は、ラップフィルムの他の部位に折り重ねられる。これにより、ラップフィルムの切断端は、切断刃の刃痕により形成される切り欠きが生じないため、ラップフィルムを摘まんだ際に刃痕から切断端が裂けることを抑制できる。そのため、ラップフィルムの引き出しに際して、ラップフィルムの縦裂けや斜め切れの発生を抑制できる。
上記巻回体収容箱において、前記仮留め部はニス塗布層でもよい。また、上記巻回体収容箱において、前記仮留め部は摘まみ領域に隣接してもよい。これらの構成によれば、上述した効果の実効性を高めることが可能となる。
上記巻回体収容箱において、前記巻回体をさらに備え、前記ニス塗布層と前記ラップフィルムとのずり強度が、下記条件を満たしてもよい。
(条件)JIS Z-0237:2009「粘着テープ:粘着シート試験方法」に準じ、かつ引きはがし角度を0°に変更して測定する前記ずり強度であって、前記ラップフィルムの幅が25mm、前記ニス塗布層と、前記ラップフィルムを固定する上部チャックとの間の距離が100±20mmであるときの前記ニス塗布層と前記ラップフィルムとの0°における前記ずり強度が、5.0N/25mm以上である。
上記巻回体収容箱において、前記巻回体をさらに備え、前記ニス塗布層と前記ラップフィルムとのT型剥離強度が、下記条件を満たしてもよい。
(条件)JIS Z-0237:2009「粘着テープ・粘着シート試験方法」に準じて測定する前記T型剥離強度であって、前記ラップフィルムの幅が25mm、前記ニス塗布層と、前記ラップフィルムを固定する上部チャックとの間の距離が100±20mmであるときの前記ニス塗布層と前記ラップフィルムとの90°における前記T型剥離強度が、0.3N/25mm以下である。
上記各構成によれば、左右のニス塗布層に仮留めされたラップフィルムにより、摘まみ領域に位置するラップフィルムの切断端を含む部分において、タブを形成することに好適な張力が加わる。結果として、タブの形成による裂けの抑制について有効性が高まる。
上記巻回体収容箱において、前記前板は、2つの前記フラップを備え、右側の前記フラップと、左側の前記フラップとの間に、前記摘まみ領域が位置してもよい。この構成によれば、前板のなかに摘まみ領域を区画することが容易ともなる。
上記巻回体収容箱において、前記巻回体をさらに備え、前記ラップフィルムは、前記前板と前記掩蓋片との間に前記ラップフィルムを挟む前記閉蓋状態において、前記切断刃によって前記ラップフィルムが切断されたときの前記ラップフィルムの切断端を含む部分が後側に向けてカールするように構成されてもよい。
上記巻回体収容箱において、前記巻回体をさらに備え、前記ラップフィルムは、前記前板と前記掩蓋片との間に前記ラップフィルムを挟む前記閉蓋状態において、前記切断刃によって前記ラップフィルムが切断されたときの前記ラップフィルムの切断端を含む部分が前側に向けてカールするように構成されてもよい。
上記各構成によれば、ラップフィルムの切断端を含む部分が前側または後側にカールするため、ラップフィルムの切断端を含む部分において折返しであるタブが形成されることの確度が高まる。
上記巻回体収容箱において、前記切断刃は、前記長手方向における中央部と、前記長手方向において前記中央部を挟む両端部と、から構成され、前記中央部は、前記閉蓋状態において前記底板に向けて突き出るV字状または円弧状を有してもよい。
上記構成によれば、ラップフィルムの切断端が長手方向の中央部分において底板に向けて突き出る。そのため、当該突き出る部分からラップフィルムを折り返すこと、すなわち、タブを形成することが容易ともなる。
図1は、開封前の巻回体収容箱を正面右上から見た斜視図である。 図2は、開封後の巻回体収容箱を正面右上から見た斜視図である。 図3は、ニス塗布層の位置を示す正面図である。 図4(a)は、ラップフィルムを摘まみはじめるときのラップフィルム状態を示す斜視図であり、図4(b)は、ラップフィルムが摘ままれた状態を示す斜視図であり、図4(c)は、ラップフィルムの切断端が折り返されてタブが形成された状態を示す斜視図である。 図5は、巻回体収容箱を製造するための中間体を示す平面図である。 図6は、ラップフィルムを摘まみはじめるときのラップフィルムの状態を示す側面図である。 図7は、試験例におけるニス塗布層の位置を示す正面図である。 図8は、試験例の評価結果を示す図である。
図1から図7を参照して、巻回体収容箱の一実施形態を説明する。図1と図2とを参照して巻回体収容箱の全体に関わる構成を説明する。図3~図6を参照して巻回体収容箱の仮留め部を説明する。図7と図8とを参照して巻回体収容箱の仮留め部に関わる試験例を説明する。
[巻回体50R]
図1が示すように、巻回体入り収容箱は、巻回体収容箱10と、ラップフィルム巻回体(以下、単に巻回体50Rともいう)とを備える。巻回体収容箱10は、1つの方向に延びる直方体状を有する。巻回体収容箱10は、例えばコートボール紙などの1枚の厚紙からなる中間体(図5を参照)を罫線L、および罫線LTで折り曲げて接着することによって製造される。
巻回体50Rは、芯材となる紙製の筒体50Cと、ラップフィルム50とを備える。ラップフィルム50は、筒体50Cに巻き付けられている。筒体50Cの軸方向Aの長さは、ラップフィルム50の長手方向における長さよりも長い。筒体50Cの軸方向Aの両端は、巻回されたラップフィルム50のフィルム端から突出している。
ラップフィルム50は、例えば、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリメチルペンテンからなる群から選択されるいずれか1種類を原材料とするフィルム、もしくは、これらを組み合わせた多層フィルムであるが、これに限定されるものではない。ラップフィルム50の縦裂けや斜め切れの発生を抑えられる点から、ラップフィルム50は、塩化ビニリデン系樹脂を主成分とすることが好ましい。塩化ビニリデン系樹脂は、塩化ビニリデン単位を含むものであればよい。ラップフィルム50の厚さは、例えば、5μm以上15μm以下である。
ラップフィルム50の張りは、ラップフィルム50の裂けやすさに影響を与える一つの要素である。ラップフィルム50の張りは、ラップフィルム50の破断強度、およびラップフィルム50のヤング率によって評価できる。ラップフィルム50の伸びは、ラップフィルム50のカットしやすさに影響を与える1つの要素である。ラップフィルム50の伸びは、ラップフィルム50の破断伸度によって評価できる。
ラップフィルム50の破断強度は、幅10mm、標線間距離50mmの短冊状のラップフィルム50を試験片として得られる。ラップフィルム50の破断強度は、JIS K7127:1999(ISO 527-3:1995)の「プラスチック-引張特性の試験方法-第3部:フィルム及びシートの試験条件」、および、JIS K7161-1:2014(ISO 527-1:2012)の「プラスチック-引張特性の求め方-第1部:通則」に準拠する方法を用い、試験速度500mm/min、測定環境23℃湿度50%での破断時の引張破壊応力として測定する。
ラップフィルム50のヤング率は、幅20mm、標線間距離100mmの短冊状のラップフィルム50を試験片として得られる。ラップフィルム50のヤング率は、JIS K7127:1999(ISO 527-3:1995)の「プラスチック-引張特性の試験方法-第3部:フィルム及びシートの試験条件」、およびJIS K7161-1:2014(ISO 527-1:2012)の「プラスチック-引張特性の求め方-第1部通則」に準拠する方法を用い、試験速度10mm/min、測定環境23℃湿度50%での2.5%引張応力として測定する。
ラップフィルム50の破断伸度は、幅10mm、標線間距離50mmの短冊状のラップフィルム50を試験片として得られる。ラップフィルム50の破断伸度は、JIS K7127:1999(ISO 527-3:1995)の「プラスチック-引張特性の試験方法-第3部:フィルム及びシートの試験条件」、および、JIS K7161-1:2014(ISO 527-1:2012)の「プラスチック-引張特性の求め方-第1部:通則」に準拠する方法を用い、試験速度500mm/min、測定環境23℃湿度50%での引張破壊伸びとして測定する。
ラップフィルム50の原材料がポリ塩化ビニリデンである場合、ラップフィルム50の長手方向における破断強度は、例えば140MPaであり、ラップフィルム50の軸方向Aにおける破断強度は、例えば157MPaである。ラップフィルム50の原材料がポリ塩化ビニルである場合、ラップフィルム50の長手方向における破断強度は、例えば63MPaであり、ラップフィルム50の軸方向Aにおける破断強度は、例えば53MPaである。ラップフィルム50の原材料がポリエチレンである場合、ラップフィルム50の長手方向における破断強度は、例えば22MPaであり、ラップフィルム50の軸方向Aにおける破断強度は、例えば14MPaである。ラップフィルム50の原材料がポリメチルペンテンとポリエチレンとの多層フィルムである場合、ラップフィルム50の長手方向における破断強度は、例えば41MPaであり、ラップフィルム50の軸方向Aにおける破断強度は、例えば23MPaである。
ラップフィルム50の原材料がポリ塩化ビニリデンである場合、ラップフィルム50の長手方向におけるヤング率は、例えば430MPaであり、ラップフィルム50の軸方向Aにおけるヤング率は、例えば371MPaである。ラップフィルム50の原材料がポリ塩化ビニルである場合、ラップフィルム50の長手方向におけるヤング率は、例えば340MPaであり、ラップフィルム50の軸方向Aにおけるヤング率は、例えば327MPaである。ラップフィルム50の原材料がポリエチレンである場合、ラップフィルム50の長手方向におけるヤング率は、例えば216MPaであり、ラップフィルム50の軸方向Aにおけるヤング率は、例えば214MPaである。ラップフィルム50の原材料がポリメチルペンテンとポリエチレンとの多層フィルムである場合、ラップフィルム50の長手方向におけるヤング率は、例えば192MPaであり、ラップフィルム50の軸方向Aにおけるヤング率は、例えば193MPaである。
ラップフィルム50の原材料がポリ塩化ビニリデンである場合、ラップフィルム50の長手方向における破断伸度は、例えば89%であり、ラップフィルム50の軸方向Aにおける破断伸度は、例えば78%である。ラップフィルム50の原材料がポリ塩化ビニルである場合、ラップフィルム50の長手方向における破断伸度は、例えば216%であり、ラップフィルム50の軸方向Aにおける破断伸度は、例えば276%である。ラップフィルム50の原材料がポリエチレンである場合、ラップフィルム50の長手方向における破断伸度は、例えば289%であり、ラップフィルム50の軸方向Aにおける破断伸度は、例えば493%である。ラップフィルム50の原材料がポリメチルペンテンとポリエチレンとの多層フィルムである場合、ラップフィルム50の長手方向における破断伸度は、例えば150%であり、ラップフィルム50の軸方向Aにおける破断伸度は、例えば683%である。
ラップフィルム50は、巻回体50Rの径方向の内側に向く内面と、巻回体50Rの径方向の外側に向く外面とを備える。ラップフィルム50は、内面の内部応力と、外面の内部応力との差に基づいて、ラップフィルム50の切断端50T(図4(a)を参照)を含む部分が、巻回体50Rの径方向の内側に向けてカールするように、内部応力を備えてもよい。あるいは、ラップフィルム50は、内面の内部応力と、外面の内部応力との差に基づいて、ラップフィルム50の切断端50Tを含む部分が、巻回体50Rの径方向の外側に向けてカールするように、内部応力を備えてもよい。
[巻回体収容箱10]
巻回体収容箱10は、本体部20と蓋部30とを備える。本体部20は、上面が開口した直方体状を有する。本体部20は、前板21、後板22、右脇板23、左脇板24、および、底板25を備える。右脇板23と、左脇板24とは、左右で一対の脇板を構成する。前板21、後板22、右脇板23、および、左脇板24は、底板25から立設し、1つの周壁を構成する。
本体部20と蓋部30とを構成する材料は、特に限定されず、例えば、プラスチック、金属、ダンボール、または複数の厚紙が積層された積層板でもよいし、1枚の厚紙でもよい。巻回体収容箱10の製造における取り扱いが容易である点から、本体部20と蓋部30とを構成する材料は、コートボール紙などの板紙であることが好ましい。
図2が示すように、本体部20の開口20Tは、周壁の上辺によって区画される。巻回体50Rは、開口20Tを通じて出し入れされる。巻回体50Rの軸方向Aは、巻回体収容箱10が延在する方向とほぼ平行である。
以下、底板25に対する開口20Tの側を上側、開口20Tに対する底板25の側を下側として説明する。また、前板21に対する後板22の側を後側、後板22に対する前板21の側を前側として説明する。また、右脇板23に対する左脇板24の側を左側、および、左脇板24に対する右脇板23の側を右側として説明する。前板21から後板22に向かう方向は、幅方向DWである。底板25から開口20Tに向かう方向は、高さ方向DHである。右脇板23から左脇板24に向かう方向、および左脇板24から右脇板23に向かう方向は、長手方向DLである。
前板21、後板22、および底板25は、それぞれ長手方向DLに延びる矩形板状を有する。前板21と後板22とは、幅方向DWに向かい合う。底板25の前辺は、前板21の下辺であり、底板25の後辺は、後板22の下辺である。右脇板23、および左脇板24は、矩形板状を有し、長手方向DLに向かい合う。右脇板23の下辺は、前板21の下辺、後板22の下辺、および、底板25の右辺に繋がる。左脇板24の下辺もまた、前板21の下辺、後板22の下辺、および、底板25の左辺に繋がる。
前板21は、主前板21Bと副前板21A(図5を参照)とを備える。主前板21Bは、前板21の前面であり、前板21の外表面である。副前板21Aは、本体部20の内表面を構成する。副前板21Aは、主前板21Bの上辺である前板端辺21Tで主前板21Bに連接する。副前板21Aは、主前板21Bに対して前板端辺21Tで本体部20の内側に折り曲げられている。これにより、主前板21Bと副前板21Aとは、幅方向DWに重なる。
前板21の前面には、ラップフィルム50を仮留めするための中央仮留め部21Sが形成されている。前板21の前面は、左右で一対のフラップ21Fを備える。フラップ21Fは、主前板21Bのなかの高さ方向DHの中央よりも前板端辺21T寄りで、中央仮留め部21Sを長手方向DLで挟むように位置する。フラップ21Fは、フラップ21Fの前面を備える。フラップ21Fの前面は、フラップ21Fの外表面である。フラップ21Fの前面には、ラップフィルム50を仮留めするための仮留め部が形成されている。仮留め部は、フラップ21Fの前面にUVニスを塗布して形成したニス塗布層28(図3を参照)である。仮留め部は、UVニスで形成されたニス塗布層であることが好ましいが、ラップフィルム50を仮留めできるものであれば、これに限定されない。ニス塗布層28は、本体部20の開口20Tから引き出されて主前板21Bの前板端辺21Tから垂れ下がるラップフィルム50をフラップ21Fの前面に仮留めする。
フラップ21Fは、主前板21Bにおける前板端辺21Tの一部分と、当該一部分に両端を有した曲線状の切り込み線21FCによって形成される。切り込み線21FCは、主前板21Bの前板端辺21Tの一端から他端に向けて底板25側に凸となる曲線状を有する。なお、フラップ21Fを形成する切り込み線21FCは、端部が前板端辺21Tに到達していなくてもよい。フラップ21Fにおける長手方向DLの長さの一例は、主前板21Bにおける長手方向DLの長さの1/3以上1/2以下である。また、フラップ21Fは、主前板21Bの長手方向DLにおける中心を挟んで左右に形成されている。
フラップ21Fは、主前板21Bから切り込み線21FCによって区切られている。主前板21Bは、副前板21Aに対し前板端辺21Tで折り曲げられることによって、前板21のなかの前板端辺21T付近に、フラップ21Fの折り曲げを戻すように、板紙の復元力を作用させる。蓋部30を開けて開口20Tが開くとき、フラップ21Fは、本体部20の前側に回動して主前板21Bから浮き上がる。主前板21Bから浮き上がったフラップ21Fは、開口20Tから引き出されて切断されたラップフィルム50の切断端50T(図4(a)を参照)を含む部分を主前板21Bから浮き上がらせる。
フラップ21Fは、摘まみ領域29を挟み、左右のフラップ21Fが相対した状態になるが、摘まみ領域29に接した部分のうちフラップ21Fの下端21FB近くが摘まみ領域29側にせり出した形状となるのが好ましい。このように構成すると、フラップ21Fの下端21FB近くが摘まみ領域29側にせり出した形状であるため、後述する条件3または条件5を満たす構成にしやすい。また、フラップ21Fの下端21FB近くがより摘まみ領域29側に近づくため、後述する条件4または条件6を満たす構成にしやすい。そのため、左右のフラップ21Fに形成されたニス塗布層28により、ラップフィルム50の切断端50Tを含む部分に適度な張力が加わる。これにより、ラップフィルム50の切断端50Tを含む部分において、タブ50L(図4を参照)を形成することが容易になる。
中央仮留め部21Sは、長手方向DLに並ぶ複数の略四角形状を有した仮留め要素を備える。中央仮留め部21Sの位置は、主前板21Bの前面のなかで高さ方向DHの中央よりも前板端辺21T寄りであり、かつ、長手方向DLの中央を含む。中央仮留め部21Sは、UVニスで形成されることが好ましいが、ラップフィルム50を仮留めできるものであれば、これに限定されない。中央仮留め部21Sは、本体部20の開口20Tから引き出されて主前板21Bの前板端辺21Tから垂れ下がるラップフィルム50を主前板21Bの前面に仮留めする。
図3は、前板21の前面を本体部20の外側から見た正面図である。
ニス塗布層28は、フラップ21Fの前面の少なくとも一部に形成される。ニス塗布層28は、フラップ21Fの前面全体に形成されてもよいし、フラップ21Fの前面のうち、切り込み線21FCに沿ってフラップ21Fの一部を露出させるように形成されてもよい。なお、図3に示す例では、ニス塗布層28は、フラップ21Fの前面のうち、切り込み線21FCに沿ってフラップ21Fの一部が露出されるように形成されており、ニス塗布層28の下端辺がフラップ21Fの下端辺よりも高さ方向DHに位置する。
ニス塗布層28の下端辺は、フラップ21Fの下端辺に沿った形状を有してもよいし、フラップ21Fの下端辺とは異なる形状を有してもよい。ニス塗布層28の下端辺は、ニス塗布層28のなかで下側に面する辺である。ニス塗布層28の下端辺は、ニス塗布層28の下端28Bを含む辺である。ニス塗布層28の下端28Bは、摘まみ領域29を挟む部分を含むフラップ21Fのそれぞれにおいて、高さ方向DHにおいて最も底板25に近いニス塗布層28の部位をいう。摘まみ領域29は、前板21の前面において、2つのフラップ21Fに挟まれる領域である。フラップ21Fの下端21FBは、摘まみ領域29を挟む部分を含むフラップ21Fのそれぞれにおいて、長手方向DL全幅における最も底板25に近い部位をいう。
なお、図3には、フラップ21Fの下端辺が波形状で、それに沿うようにニス塗布層28の下端辺が波形状を有する例を示す。ニス塗布層28は、1つのフラップ21Fに1つずつ形成されてもよいし、1つのフラップ21Fに2つ以上ずつ形成されてもよい。1つのフラップ21Fに2つ以上のニス塗布層28が形成される場合、2つ以上のニス塗布層28は、長手方向DLに並んでもよいし、高さ方向DHに並んでもよい。また、ニス塗布層28は、フラップ21Fの長手方向DL全幅にわたり、ニス塗布部とニス非塗布部とが交互に存在するように形成されてもよい。
図2に戻り、副前板21Aの上部は、幅方向DWに延びる規制片3R,4Rを備える。規制片3R,4Rは、副前板21Aの上辺でもある前板端辺21Tの左右両端部に位置する。規制片3R,4Rは、副前板21Aに対して罫線LR(図5を参照)で折り曲げられ、前板端辺21Tから後板22に向けて突き出ている。規制片3R,4Rは、ラップフィルム50を本体部20から引き出すときに、巻回体50Rの筒体50Cに前方上側から当たる。これによって、規制片3R,4Rは、巻回体50Rが本体部20から飛び出すことを抑える。
右脇板23は、第1右脇板13F、第2右脇板23F、および第3右脇板53F(図5を参照)を備える。左脇板24は、第1左脇板14F、第2左脇板24F、および第3左脇板54F(図5を参照)を備える。
右脇板23は、幅方向DWに延びる蓋係止片3Tを備える。蓋係止片3Tは、右脇板23の上辺3Eに接続される。蓋係止片3Tは、右脇板23の上辺3E(罫線LT2:図5を参照)で本体部20の外側(右側)に折り曲げられて、本体部20の右側に突き出ている。
左脇板24は、幅方向DWに延びる蓋係止片4Tを備える。蓋係止片4Tは、左脇板24の上辺4Eに接続される。蓋係止片4Tは、左脇板24の上辺4E(罫線LT2:図5を参照)で本体部20の外側(左側)に折り曲げられて、本体部20の左側に突き出ている。
[蓋部30]
図1に戻り、蓋部30は、蓋板31、掩蓋板32、蓋部右脇板33、および蓋部左脇板34を備える。蓋板31は、後板22の上辺22T(図2を参照)に回転可能に連接する。蓋板31は、後板22の上辺22Tを軸として、本体部20に対して回転し、本体部20の開口20Tを開閉する。
掩蓋板32と前板21とは、相互にほぼ同形の矩形板状を有する。掩蓋板32の上辺は、蓋板31の前辺である。掩蓋板32は、蓋部30が開口20Tを塞いだ閉蓋状態で、前板21の前面全体を覆う。掩蓋板32は、高さ方向DHの中間よりも下側に、半円状を有した複数の切り込み部32Cを備える。切り込み部32Cの内側面は、前板21の前面と接着される。
掩蓋板32における高さ方向DHのほぼ中央は、長手方向DLの全幅にわたるミシン目線32Mを備える。ミシン目線32Mは、下側に向けて突き出るV形状を有する。なお、ミシン目線32Mは、下側に向けて突き出る円弧状を有してもよい。ミシン目線32Mの右端は、ミシン目線32Mに沿って掩蓋板32を上下に分割するための開封端32Nである。
開封端32Nが前側に引っ張られるとき、掩蓋板32はミシン目線32Mで切断される。また、前板21と掩蓋板32との接着は、切り込み部32Cで引きはがされる。これにより、掩蓋板32は、掩蓋板32の長手方向DLの全幅が、ミシン目線32Mを境にして、下側と上側とに分割される。掩蓋板32のなかでミシン目線32Mに区画された上側は、掩蓋片32Pである。掩蓋板32のなかでミシン目線32Mに区画された下側は、切り取り片32Kである。
図2に戻り、切り取り片32Kは、ラップフィルム50の使用の開始に際して、本体部20から切り離される。切り取り片32Kが蓋部30から切り離されると、掩蓋片32Pの下端辺から、切断刃35の刃先全体が露出する。そして、蓋部30が後板22の上辺22Tで回転することによって、本体部20の開口20Tが開く。
蓋部右脇板33は、蓋右脇板33Fと接合片323とを備える。蓋部左脇板34は、蓋左脇板34F,接合片324を備える。蓋右脇板33Fは、蓋板31と蓋右脇板33Fとの交線である短辺で蓋板31に連接する。蓋左脇板34Fは、蓋板31と蓋左脇板34Fとの交線である短辺で蓋板31に連接する。
蓋部右脇板33と蓋部左脇板34とにおいて、各蓋脇板33F,34Fは、蓋部30の外表面を構成する。各接合片323,324は、蓋部30の内表面を構成する。蓋部右脇板33と蓋部左脇板34とは、蓋部30が開口20Tを塞いだ閉蓋状態で、右脇板23の外表面上部を覆い、また、左脇板24の外表面上部を覆う。
接合片323は、蓋板31と蓋右脇板33Fとの交線である短辺の間に隙間を空けて位置する。接合片324もまた、蓋板31と蓋左脇板34Fとの交線である短辺の間に隙間を空けて位置する。これにより、接合片323,324は、蓋板31との間に隙間を空けて位置し、蓋部右脇板33、蓋部左脇板34の内表面に、段部33S,34Sを形成する。上述した各蓋係止片3T,4Tは、蓋部30が開口20Tを塞ぐとき、段部33S,34Sに嵌まり込み、クリック音を発生させて、段部33S,34Sと係合する。各蓋係止片3T,4Tは、段部33S,34Sとの係合を通じ、閉塞状態で蓋板31が浮き上がることを抑える。
掩蓋片32Pは、蓋部30が開口20Tを塞いだ閉蓋状態で、蓋板31の前辺から下側に向けて延びる板状を有し、前板21の前面上部に重なる。掩蓋片32Pの高さ方向DHでの幅は、長手方向DLの両端部を除き、長手方向DLの中央部で最も大きく、長手方向DLの中央部からそれぞれの端部に移動するにつれて、高さ方向DHの幅が短くなる。掩蓋片32Pの内表面には、切断刃35が接合される。
切断刃35は、長手方向DLに並ぶ刃先を有した鋸刃状を有する。切断刃35は、蓋部30が開口20Tを塞いだ閉蓋状態で、複数の刃先が掩蓋片32Pから下側に突出するように、掩蓋片32Pに接合される。掩蓋片32Pに切断刃35を接合する方法は、例えば、掩蓋片32Pと切断刃35との間にシーラント層や接着層を介在させて、超音波接着によって行われる。また、掩蓋片32Pに切断刃35を接合する方法は、切断刃35を構成する刃材樹脂層にシーラント層をラミネートした構成とすることもできる。
切断刃35を構成する材料は、特に限定されず、例えば、樹脂、あるいは、金属である。切断刃35は、例えば、樹脂と添加剤とを含み、添加剤の種類や、その添加量によって、切断刃35の剛性や、掩蓋片32Pに対する切断刃35の接着性を調整することができる。
切断刃35を構成する樹脂は、例えば、ポリ乳酸、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アセタール樹脂、ポリフェニレンサルファイド、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)樹脂、PES(ポリエーテルサルフォン)樹脂である。切断刃35を構成する添加剤は、例えば、オレフィン系樹脂などの樹脂や、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、シリカ、タルクなどの無機材料である。シーラント層を構成する樹脂は、例えば、官能基をポリオレフィンに導入して接着性を付与した変性ポリオレフィンなどが使用される。
切断刃35の刃先は、蓋部30が開口20Tを塞いだ閉蓋状態で、下側に向けて突き出るV形状を有する。すなわち、切断刃35の刃先は、長手方向DLにおける中央部と、長手方向DLにおいて中央部を挟む両端部と、から構成されると共に、中央部が閉蓋状態において両端部よりも底板25に向けて突き出るV字状を有する。切断刃35の中央部における長手方向DLの長さは、例えば、切断刃35全体における長手方向DLの長さの1/3である。なお、切断刃35は、中央部が閉蓋状態において両端部よりも下側に向けて突き出る円弧状を有してもよい。
上述したミシン目線32Mは、切断刃35の刃先に沿った形状を有する。切断刃35の刃先は、長手方向DLに並ぶ複数の歯先から構成される。切断刃35の各歯先を繋ぐ仮想線は、刃先ラインである。相互に隣り合う2つの歯先を直線によって結ぶ線分は、刃先ラインを構成する線分である。刃先ラインは、相互に隣り合う2つの歯先によって定められる線分の集合である。複数の歯先が1つの直線上に位置する場合、複数の歯先によって定められる刃先ラインは直線である。複数の歯先が1つの曲線上に並ぶ場合、複数の歯先によって定められる刃先ラインは、恰も曲線のように描かれる折れ線であり、複数の線分の集合である。刃先ラインの位置は、蓋部30が開口20Tを塞いだ閉蓋状態で、長手方向DLの両端部を除き、長手方向DLの中央部で最も低く、長手方向DLの中央部からそれぞれの端部に移動するにつれて高くなる。
図3に戻り、前板21(主前板21B)の前面において、カットライン35Lは、蓋部30が開口20Tを閉じた閉蓋状態で、切断刃35の刃先と対向する位置である。カットライン35Lは、刃先ラインと対向するラインである。カットライン35Lは、切断刃35の刃先に沿った形状であり、下側に向けて突き出るV形状を有する。カットライン35Lのなかで下側に向けて突き出る先端は、2つのフラップ21Fの間に位置する。
なお、カットライン35Lは、切断刃35の刃先に沿うように、下側に向けて突き出る円弧状を有してもよいし、V形状における長手方向DLの両端部で下側に向けて突き出る、M形状を有してもよい。また、カットライン35Lのなかで下側に向けて突き出る先端は、2つのフラップ21Fの間に限らず、フラップ21Fの下側に形成されてもよい。
前板21の前面において、2つのフラップ21Fは、摘まみ領域29を区画する。摘まみ領域29は、前板21の前面のなかで、2つのフラップ21Fに挟まれた領域であって、カットライン35Lから高さ方向DHに延びる領域である。また、摘まみ領域29は、前板21の前面のなかで、2つの切り込み線21FCに挟まれた領域でもある。前板21の前面に摘まみ領域29を有すると、ラップフィルム50の切断時にラップフィルム50を摘まむ際、摘まみ領域29とラップフィルム50との間に指を差し入れることができるため、ラップフィルム50が摘まみやすい。また、摘まみ領域29を有することで、長手方向DLにおける摘まみ領域29の両側に位置するニス塗布層28がラップフィルム50を仮留めし、摘まみ領域29の位置にあるラップフィルム50に適度な張力を発生させることができる。このため、切断端50Tを含むラップフィルム50を摘まんだときに、適度な張力によりラップフィルム50にタブ50L(図4を参照)が形成されやすくなる。摘まみ領域29は、長手方向DLにおけるカットライン35Lの中央部から、高さ方向DHに向けて先細る形状を有する。摘まみ領域29の形状は、高さ方向DHに向けて先太る形状でもよいし、長手方向DLの幅が高さ方向DHに一定である形状でもよいし、高さ方向DHの途中で膨大する形状でもよいし、高さ方向DHの途中で括れた形状でもよい。摘まみ領域29の形状は、摘まみ領域29を挟む2つのフラップ21Fの形状によって定められる。
摘まみ領域29は、長手方向DLにおいて各ニス塗布層28に隣接する。摘まみ領域29は、長手方向DLにおいて各切り込み線21FCに隣接する。また、ニス塗布層28は、摘まみ領域29と隣接するフラップ21Fの縁から長手方向DLに離れて位置してもよい。フラップ21Fの前面の所定の位置にニス塗布層28が位置すれば、摘まみ領域29に位置するラップフィルム50の切断端50Tに張力が加わるため、ラップフィルム50にタブ50L(図4を参照)を形成することができる。
2つのフラップ21Fは、蓋部30が開口20Tを開けた開蓋状態で、摘まみ領域29からラップフィルム50を浮き上がらせる。摘まみ領域29は、ニス塗布層28からラップフィルム50をはがすとき、摘まみ領域29とラップフィルム50との間に指を差し込むことに利用される。中央仮留め部21Sは、摘まみ領域29のなかに位置する。中央仮留め部21Sは、蓋部30が開口20Tを閉じた閉蓋状態で、ラップフィルム50を仮留めする。
2つのフラップ21Fに形成されるニス塗布層28は、下記条件1から条件4を満たす。あるいは、2つのフラップ21Fに形成されるニス塗布層28は、下記条件1、条件2、条件5、および条件6を満たす。
(条件1)ニス塗布層28は、カットライン35L上、またはカットライン35Lよりも開口20T側に位置する。
(条件2)ニス塗布層28は、摘まみ領域29を挟む長手方向DLの両側に位置する。
(条件3)ニス塗布層28の高さ方向DHにおける下端28Bとカットライン35Lとの間の高さ方向DHにおける距離であるカット離間距離28Hは、0mm以上10mm以下である。
(条件4)摘まみ領域29の右側に位置するニス塗布層28の高さ方向DHにおける下端28Bと、摘まみ領域29の左側に位置するニス塗布層28の高さ方向DHにおける下端28Bとの間の長手方向DLにおける距離である仮留め間距離28Lは、30mm以上120mm以下である。
(条件5)ニス塗布層28の高さ方向DHにおける下端28Bとカットライン35Lとの間の高さ方向DHにおける距離であるカット離間距離28Hは、0mm以上13mm以下である。
(条件6)摘まみ領域29の右側に位置するニス塗布層28の高さ方向DHにおける下端28Bと、摘まみ領域29の左側に位置するニス塗布層28の高さ方向DHにおける下端28Bとの間の長手方向DLにおける距離である仮留め間距離28Lは、30mm以上70mm以下である。
蓋部30が開口20Tを塞いだ閉蓋状態でラップフィルム50を切断したとき、ラップフィルム50の切断端50T(図4(a)を参照)の位置は、カットライン35Lに重なる。ここで、ラップフィルム50の切断端50Tとは、ラップフィルム50を切断したときのラップフィルム50の末端部をいう。
また、カット離間距離28Hは、ニス塗布層28の下端28Bとカットライン35Lとの間の高さ方向DHにおける距離である。ここで、カット離間距離28Hは、ニス塗布層28の下端28Bから底板25に向けて垂直に測定したカットライン35Lまでの距離をいう。摘まみ領域29の右側に位置するニス塗布層28のカット離間距離28Hが、摘まみ領域29の左側に位置するニス塗布層28のカット離間距離28Hと異なる場合、前板21の前面におけるカット離間距離28Hは、2つのカット離間距離28Hの平均値である。
摘まみ領域29を挟んで、長手方向DLに並ぶ左右のニス塗布層28の下端28Bは、ラップフィルム50の切断端50Tを含む部分を両側から長手方向DLに引っ張る。カット離間距離28Hが小さいほど、摘まみ領域29に位置するラップフィルム50の切断端50Tを含む部分は左右の下端28Bにより長手方向DLに引っ張られやすくなり、引っ張る力がラップフィルム50の切断端50Tに作用しやすい。一方、カット離間距離28Hが一定以上大きいと、摘まみ領域29に位置するラップフィルム50の切断端50Tを含む部分を引っ張る力は、ラップフィルム50の切断端50Tに作用しにくくなる。カット離間距離28Hは、左右のニス塗布層28の下端28Bによる長手方向DLの引っ張りが、ラップフィルム50の切断端50Tに適切に作用する距離である。カット離間距離28Hは、0mm以上10mm以下が好ましく、0mm以上5mm以下がさらに好ましい。カット離間距離28Hが0mm以上10mm以下であると、左右のニス塗布層28の下端28Bにより、ラップフィルム50の切断端50Tを含む部分に適度に引っ張る力が加わる。そのため、切断端50Tにもタブ50L(図4を参照)を形成するための引っ張る力が加わりやすくなるため、タブ50L(図4を参照)が形成されやすくなる。また、0mm以上5mm以下であると、ラップフィルム50の切断端50Tを含む部分に引っ張る力がさらに加わりやすくなる。そのため、タブ50L(図4を参照)の形成がさらに容易になる。
また、仮留め間距離28Lは、摘まみ領域29を挟むニス塗布層28の下端28B同士の長手方向DLにおける距離である。右側に位置するニス塗布層28の高さ方向DHの位置と、左側に位置するニス塗布層28の高さ方向DHの位置とが相互に異なる場合、前板21の前面における仮留め間距離28Lは、2つの下端28Bを繋ぐ直線の長さではなく、右側のニス塗布層28における下端28Bと、左側のニス塗布層28における下端28Bとの間の長手方向DLにおける距離である。例えば、摘まみ領域29に対して右側に位置するニス塗布層28の下端28Bを通り、高さ方向DHに延びる1つの仮想直線を定める。摘まみ領域29に対して左側に位置するニス塗布層28の下端28Bを通り、高さ方向DHに延びる他の仮想直線を定める。仮留め間距離28Lとして、これら2つの仮想直線間の距離を測定する。また、長手方向DLにおいて複数の下端28Bを有する場合は、摘まみ領域29を挟んで右側に位置するニス塗布層28の下端28Bでは、長手方向DLにおいて最も左脇板24側に位置する部位を基準とし、摘まみ領域29を挟んで左側に位置するニス塗布層28の下端28Bでは、長手方向DLにおいて最も右脇板23側に位置する部位を基準として、その間の距離を測定する。摘まみ領域29を挟む2つの下端28Bの距離である仮留め間距離28Lは、摘まみ領域29に位置するラップフィルム50の切断端50Tを含む部分が、左右のニス塗布層28の下端28Bにより長手方向DLに引っ張られ、ラップフィルム50の切断端50Tに適切に作用する距離である。
仮留め間距離28Lが小さいほど、左右の下端28Bの間においてラップフィルム50が撓みにくく、摘まみ領域29に位置するラップフィルム50の切断端50Tを含む部分は、左右の下端28Bにより長手方向DLに引っ張られやすくなり、引っ張る力がラップフィルム50に作用しやすい。一方、仮留め間距離28Lが一定以上大きいと、左右の下端28Bの間においてラップフィルム50が撓みやすく、摘まみ領域29に位置するラップフィルム50の切断端50Tを含む部分を引っ張る力はラップフィルム50の切断端50Tに作用しにくくなる。仮留め間距離28Lは、左右のニス塗布層28の下端28Bによる長手方向DLの引っ張りが、ラップフィルム50の切断端50Tに適切に作用する距離である。なお、仮留め間距離28Lが大きいほど、左右の下端28Bの間に指を差し込むことが容易であり、ラップフィルム50の切断端50Tを指などで摘まむことが容易となる。
ニス塗布層28とラップフィルム50とのずり強度は、下記条件Aを満たしてもよい。ニス塗布層28に仮留めされたラップフィルム50を左右のニス塗布層28が長手方向DLに引っ張り合う。ニス塗布層28が下記条件Aを満たす場合、切断端50Tを含むラップフィルムにタブ50L(図4を参照)を形成するための適切な力が加わる。
(条件A)ニス塗布層28とラップフィルム50とのずり強度が、5.0N/25mm以上である。ニス塗布層28とラップフィルム50とのずり強度は、25mmの幅を有した短冊状のラップフィルム50と、ニス塗布層28を備える試験片とを用いて得られる測定値である。このとき、ニス塗布層28と、ラップフィルム50を固定する上部チャックとの間の距離を100±20mmとする。ニス塗布層28に対するラップフィルム50のずり強度は、JIS Z-0237:2009「粘着テープ:粘着シート試験方法」の「180°引きはがし粘着力の測定」に準じ、かつ引きはがし角度を0°に変更して得られる測定値である。
ずり強度とは、ニス塗布層28のサンプル片にラップフィルム50を付着させ、平行(せん断方向)にずらしたときの強度であって、0°における引きはがし粘着力である。これは、ラップフィルム50のずれにくさの指標である。ずり強度は、JIS Z-0237:2009「粘着テープ:粘着シート試験方法」の「180°引きはがし粘着力の測定」に準じ、かつ引きはがし角度を0°に変更して測定する。また、測定時のラップフィルム50は、幅25mmとし、ニス塗布層28と、ラップフィルム50を固定する上部チャックとの間の距離を100±20mmとする。
ここで、JIS Z-0237:2009「粘着テープ・粘着シート試験方法」には、引きはがし粘着力の測定として、180°引きはがし粘着力と、90°引きはがし粘着力が記載されている。180°引きはがし粘着力は、試験片(ラップフィルム50)を試験板(ニス塗布層28のサンプル片)に圧着し、測定治具の下部チャックの方に延びた試験片を、試験板に圧着していない試験片の面に重なるように180°折り返して試験片の端を上部チャックで把持し、試験板を下方に移動させることにより測定したものである。90°引きはがし粘着力は、試験片(ラップフィルム50)を圧着した試験板(ニス塗布層28のサンプル片)を、貼着した面が上を向き水平に延びるように測定治具にセットし、試験片の端を測定治具の上部チャックで固定し、試験板をセットした取り付け治具を鉛直方向に移動させて、試験片が90°の角度で引っ張られることにより測定したものである。本明細書で定義するずり強度を、JIS Z-0237:2009「粘着テープ・粘着シート試験方法」に類推してみると、0°引きはがし粘着力ということができる。
ニス塗布層28とラップフィルム50とのT型剥離強度は、下記条件Bを満たしてもよい。ニス塗布層28が下記条件Bを満たす場合、ニス塗布層28に仮留めされたラップフィルム50は、ニス塗布層28から円滑に引きはがすことができる。
(条件B)ニス塗布層28とラップフィルム50とのT型剥離強度が、0.3N/25mm以下である。ニス塗布層28とラップフィルム50とのT型剥離強度は、25mmの幅を有した短冊状のラップフィルム50と、ニス塗布層28を備える試験片とを用いて得られる測定値である。このとき、ニス塗布層28と、ラップフィルム50を固定する上部チャックとの間の距離を100±20mmとする。ニス塗布層28に対するラップフィルム50のT型剥離強度は、JIS Z-0237:2009「粘着テープ・粘着シート試験方法」の「90°引きはがし粘着力の測定」に準じ、引きはがし角度を90°に設定して得られる測定値である。
T型剥離強度とは、ニス塗布層28のサンプル片にラップフィルム50を付着させ、ニス塗布層28のサンプル片に対してラップフィルム50を垂直に引っ張りあげたときの剥離強度をいう。T型剥離強度は、JIS Z-0237:2009「粘着テープ:粘着シート試験方法」における90°引きはがし粘着力である。これは、ラップフィルム50の引きはがしやすさの指標である。測定は、JIS Z-0237:2009「粘着テープ:粘着シート試験方法」の「90°引きはがし粘着力の測定」に準じ、測定時のラップフィルム50は、幅25mmとし、ニス塗布層28と、ラップフィルム50を固定する上部チャックとの間の距離を100±20mmとする。
図4(a)~図4(c)は、巻回体収容箱10からラップフィルム50を引き出す過程を示す作用図である。なお、図4(a)は、ラップフィルム50の切断端50Tを含む部分を摘まみはじめるときのラップフィルム50の状態を示す。図4(b)は、ラップフィルム50の切断端50Tを含む部分が2本の指で摘ままれているときのラップフィルム50の状態を示す。図4(c)は、2本の指で摘ままれたラップフィルム50の切断端50Tを含む部分から指を離したときのラップフィルム50の状態を示す。
図4(a)が示すように、掩蓋片32Pが回転することによって、ラップフィルム50の切断端50Tは、掩蓋片32Pから露出する。この際、カットライン35Lに沿った位置にあるラップフィルム50の切断端50Tは、切断刃35の各歯に沿った刃痕を有している。また、ラップフィルム50は、右側のフラップ21Fの前面に形成されたニス塗布層28と、左側のフラップ21Fの前面に形成されたニス塗布層28とに仮留めされている。このとき、摘まみ領域29に位置するラップフィルム50の切断端50Tを含む部分は、フラップ21Fと共に、前板21の前側に浮く。そして、摘まみ領域29に位置するラップフィルム50の切断端50Tを含む部分は、左右のフラップ21Fに形成されたニス塗布層28により、長手方向DLに引っ張られた状態になる。この状態から、ラップフィルム50の切断端50Tを含む部分と、摘まみ領域29との間に、例えば人差し指が差し込まれる。
図4(b)が示すように、切断端50Tを含む部分と摘まみ領域29との間に人差し指が差し込まれた後、ラップフィルム50の切断端50Tを含む部分は、人差し指と親指との2本の指で摘ままれる。そして、2本の指で摘ままれたラップフィルム50は、フラップ21Fから浮き上がるように摘まみ上げられながら、巻回体収容箱10から引き出される。
この間、上記条件1から条件4を満たすニス塗布層28は、切断端50Tを含む部分を長手方向DLに適度に引っ張るように、ラップフィルム50の内部に張力を生じさせている。上記条件1、条件2、条件5、および条件6を満たすニス塗布層28もまた、切断端50Tを含む部分を長手方向DLに適度に引っ張るように、ラップフィルム50の内部に張力を生じさせている。そして、ニス塗布層28の仮留めによる適度な張力は、切断端50Tを含む部分と摘まみ領域29との間に差し込まれた指と、ラップフィルム50との接触を通じ、摘まみ領域29の上側に向けて、内側(ラップフィルム50の内面側)に切断端50Tを含む部分を折り返させる。
図4(c)が示すように、2本の指で摘ままれていた切断端50Tを含む部分は、ラップフィルム50の折返しによるタブ50Lを形成する。タブ50Lは、ラップフィルム50の折返しによって形成される。そして、切断端50Tに形成されていた切断刃35の刃痕は、ラップフィルム50の他の部位に折り重ねられる。これにより、切断刃35の刃痕によって形成される切り裂きがラップフィルム50に生じないため、ラップフィルム50を摘まんだ際に、またラップフィルム50を引き出す際に、切断端50Tの刃痕から、切断端50Tが裂けることを抑制できる。
図6が示すように、ラップフィルム50の切断端50Tを含む部分が、後側(巻回体50Rの径方向の内側)に向けてカールする場合、切断端50Tを含む部分がカールする分だけ、ラップフィルム50と指との接触を通じ、上述した切断端50Tを含む部分の折返しが生じやすい。この場合、ラップフィルム50の切断端50T含む部分は、ラップフィルム50の内面側に折り返される。また、ラップフィルム50の切断端50Tを含む部分が、前側(巻回体50Rの径方向の外側)に向けてカールする場合であっても、切断端50Tを含む部分がカールする分だけ、ラップフィルム50と指との接触を通じ、上述した切断端50Tを含む部分の折返しが生じやすい。この場合、ラップフィルム50の切断端50T含む部分は、ラップフィルム50の外面側に折り返される。ラップフィルム50の切断端50Tを含む部分が後側または前側に向けてカールすることで、切断端50Tを含む部分の折返しが一層生じやすくなり、切断端50Tが裂けることをより抑制できる。よって、巻回体50Rの径方向の内側、あるいは径方向の外側に向けてカールさせるように、ラップフィルム50が内部応力を有することが好ましい。
[試験例1]
(タブ形成評価)
以下、カット離間距離28H、および仮留め間距離28Lの寸法による作用を示す試験例を説明する。試験に使用する巻回体収容箱10には、本体部20の内寸が、高さ43.5mm、幅42.5mm、長さ312mmである収容箱を用意した。また、本体部20に収容される巻回体50Rには、ポリ塩化ビニリデン製ラップフィルムを筒体50Cに巻回した巻回体(株式会社クレハ製:NEWクレラップ(登録商標)30cm×50m)を用意した。また、各試験例のニス塗布層28の形成に際し、紫外線硬化性樹脂からなるSPニス(東洋インキ社製)と希釈溶剤(東洋インキ社製)とを10:3の容積割合で混合したものを塗布液とした。SPニスは、フレキソ印刷機用紫外線硬化型グロスニスである。こうして得られた塗布液を、図7に示す印刷パターンで巻回体収容箱10のフラップ21Fの前面にべた塗りで塗布した。塗布膜を高圧水銀ランプにて照射し塗布膜を硬化させ、上記条件A、および条件Bを満たすニス塗布層28を備えた巻回体収容箱10を作製した。このとき、ニス塗布層28のずり強度は15.0N/25mm、T型剥離強度は0.02N/25mmであった。そして、各試験例のニス塗布層28が形成された巻回体収容箱10を用いて、「ラップフィルム50を摘まむ、ラップフィルム50を引き出す、ラップフィルム50を切断する」の作業を連続で10回にわたり繰り返し、タブ50Lが形成される頻度を評価した。なお、ラップフィルム50を切断するときは、収容箱10の蓋部30は閉じた状態でラップフィルム50を切断した。
図7は、試験例のニス塗布層28の一例を示す平面図である。ニス塗布層28は、上記条件1および条件2を満たす。図8は、タブ50Lが形成される頻度の測定結果を示す表である。図7には、試験例のニス塗布層28の構造を説明する便宜上、5つの試験例における別々のニス塗布層28の下端辺を1つのフラップ21Fの前面に示す。図7に示す5つのニス塗布層28の下端辺は、フラップ21Fの構造が共通する試験例のうち、カット離間距離28Hを変更した例を示す。
図8は、試験例のニス塗布層28についてタブ50Lの形成評価の結果を示す。図8には、「ラップフィルム50を摘まむ、ラップフィルム50を引き出す、ラップフィルム50を切断する」の作業を連続で10回にわたり繰り返した試験において、摘まみ作業の全てでタブ50Lの形成が認められた試験例に「○」印を付す。また、10回にわたり繰り返した試験において、1回以上9回以下にわたり、タブ50Lの形成が認められた試験例に「△」印を付す。また、10回にわたり繰り返した試験において、タブ50Lの形成が認められなかった試験例に「×」印を付す。
図7が示すように、試験例の前板21は、長手方向DLに並ぶ2つのフラップ21Fを備える。前板21の長手方向DLの中心を通り、かつ高さ方向DHに延びる中心線Cに対して、2つのフラップ21Fは、線対称の形状を有する。摘まみ領域29は、2つのフラップ21Fに挟まれる。摘まみ領域29は、カットライン35Lから高さ方向DHに向けて先細る形状を有する。
フラップ21Fの下端21FBは、フラップ21Fの長手方向DLの全体において、最も底板25に近い部位である。フラップ21Fの下端辺は、底板25に向けて突き出る2つの突部を長手方向DLに並べた波形状を有する。フラップ21Fの下端21FBは、波形状を構成する2つの突部のうち、摘まみ領域29に近い突部の先端である。
各試験例のニス塗布層28は、カットライン35Lよりも開口20Tの側に位置する。各試験例のニス塗布層28は、フラップ21Fの前面のうちフラップ21Fの一部が露出されるように、フラップ21Fの下端辺よりも高さ方向DHに位置する。各試験例のニス塗布層28の下端辺は、フラップ21Fの下端辺の波形状に沿うように波形状を有する。ニス塗布層28の下端28Bとフラップ21Fの下端21FBとは、高さ方向DHに延びる仮想的な直線の同一線上に位置する。
各試験例のカット離間距離28Hは、0mm以上20mm以下である。各試験例のカット離間距離28Hは、ニス塗布層28の下端辺をフラップ21Fの下端辺の波形状に沿うように、高さ方向DHに1mmずつ変位させることによって得た。
各試験例の仮留め間距離28Lは、15mm以上180mm以下である。各試験例の仮留め間距離28Lは、ニス塗布層28と共に2つのフラップ21Fの長手方向DLの距離を前板端辺21Tに沿って5mmずつ変位させることによって得た。なお、2つのフラップ21F間の長手方向DLにおける距離が長くなることにより、フラップ21Fの端部が収容箱10からはみ出る場合には、はみ出た部分は無視することができる。ただし、2つのフラップ21F間の長手方向DLにおける距離を180mmにした場合でも、フラップ21Fは下端21FBおよびニス塗布層28の下端28Bを有する。
図8が示すように、カット離間距離28Hが0mm以上10mm以下を満たし、かつ仮留め間距離28Lが30mm以上120mm以下を満たす全ての試験例において、タブ50Lの形成が認められた。また、カット離間距離28Hが0mm以上13mm以下を満たし、かつ仮留め間距離28Lが30mm以上70mm以下を満たす全ての試験例において、タブ50Lの形成が認められた。
なお、仮留め間距離28Lが15mmから50mmに広がるほど、タブ50Lの形成されるカット離間距離28Hの最大値が5mmから15mmに大きくなることが認められた。また、仮留め間距離28Lが50mmから180mmに広がるほど、タブ50Lの形成されるカット離間距離28Hの最大値が15mmから3mmに小さくなることが認められた。
一方、カット離間距離28Hが19mm以上20mm以下を満たす全ての試験例において、タブ50Lの形成が認められなかった。また、仮留め間距離28Lが15mmから50mmに広がるほど、タブ50Lの形成されないカット離間距離28Hの最小値が8mmから18mmに大きくなることが認められた。また、仮留め間距離28Lが50mmから180mmに広がるほど、タブ50Lの形成されないカット離間距離28Hの最小値が18mmから10mmに小さくなることが認められた。
[試験例2]
(サンプル片)
試験例1の塗布液と同じ塗布液を用い、図3に示す印刷パターンで巻回体収容箱10のフラップ21Fにニス塗布層28を形成した。フラップ21Fのうちニス塗布層28を有する部分を切り出し、ニス塗布層28のサンプル片とした。切り出しの幅は、巻回体収容箱10の長手方向DLにおいて25mmとし、幅方向DWに垂直な方向である高さはニス塗布層28が充分に確保できる高さとし、試験例では20mmとした。切り出した部分のニス塗布層28のパターンは、ベタ塗りである。切りだし部分の幅25mmの選定は、切り取ったときにニス塗布層28が存在する領域から選択した。具体的には、ニス塗布層28が測定全幅にわたって連続して存在する領域から選択した。
ラップフィルム(株式会社クレハ製、商品名:NEWクレラップ)から、幅が25mm、長さが150mmの大きさを有するラップフィルム50のサンプル片を切り出した。このとき、長さ方向をフィルムの引き出し方向に一致させた。長さ方向の一端側につかみ代として紙テープ(幅25mm、長さ20mm)を貼り付けた。このとき、紙テープの幅方向とラップフィルム50のサンプル片の幅方向を一致させて貼り付けた。なお、ずり強度とT型剥離強度とを測定する室内環境は、23℃、50%RHの条件とした。
(サンプル片の圧着)
ニス塗布層28が上に向くようにニス塗布層28のサンプル片を鉄板の上に置き、両面テープにより鉄板に固定した。次に、ラップフィルム50のサンプル片の長さ方向の端のうち、紙テープを貼り付けた端とは反対側の端部分を、ラップフィルム50のサンプル片の幅25mmとニス塗布層28のサンプル片の幅25mmとが一致する方向で、紙テープと、ニス塗布層28との間の距離が100±20mmとなるようにニス塗布層28に被せた。そして、ニス塗布層28のサンプル片の全面がラップフィルム50のサンプル片で被せられているように、ラップフィルム50のサンプル片を配置した。なお、ニス塗布層28のサンプル片に密着するラップフィルム50のサンプル片の面は、巻回体50Rの径方向の内側に向く面とした。次いで、JIS Z-0237:2009に記載の2kgのローラー圧着装置を用いて、ローラーをラップフィルム50のサンプル片の幅方向に転がし、ラップフィルム50のサンプル片とニス塗布層28のサンプル片とを圧着させ、測定用サンプル片を作製した。
(ずり強度の測定)
株式会社エー・アンド・デイ社製テンシロン万能材料試験機(RTG-1210)に測定用サンプル片をセットした。この際、測定用サンプル片を貼着した面の法線が水平方向を向くように、鉄板をテンシロン(下方側)で挟んだ。また、測定用サンプル片におけるラップフィルム50のサンプル片の紙テープ側をテンシロン(上方側)で挟んだ。このとき、ニス塗布層28と、テンシロン(上方側)のチャックとの間の距離は100±20mmであった。そして、試験環境を23℃、50%RHとし、試験速度を300mm/minとして、ずり強度を3回測定し、ずり強度の平均値を測定値として求めた。なお、ラップフィルム50のサンプル片が極端に低い値で切れた場合は、ラップフィルム50のサンプル片の端面が荒れていると判断し、平均値を求める母集団から除外した。
(T型剥離強度の測定)
株式会社エー・アンド・デイ社製テンシロン万能材料試験機(RTG-1210)に測定用サンプル片をセットした。この際、測定用サンプル片を貼着した面の法線が上方向を向くように、鉄板を台に固定し、測定用サンプル片におけるラップフィルム50のサンプル片の紙テープ側をテンシロン(上方側)で挟んだ。このとき、ニス塗布層28と、テンシロン(上方側)のチャックとの間の距離は100±20mmであった。そして、試験環境を23℃、50%RHとし、引っ張り速度を300mm/minとしてT型剥離試験を3回行い、T型剥離強度の平均値を測定値として求めた。
(評価結果)
試験例1に用いた巻回体収容箱10を収容箱Aとし、収容箱Aと同様に収容箱B~Jを作製した。ただし、収容箱B~収容箱Jは、フラップ21Fの前面に塗布したニス塗布層28とラップフィルム50とのずり強度、およびT型剥離強度をそれぞれ下記の通りとしたものである。ずり強度、およびT型剥離強度は、ニスの塗布量およびUV照射時間によって変更した。
用意した収容箱B~収容箱Jに、収容箱Aと同様に巻回体50R(株式会社クレハ製:NEWクレラップ(登録商標)30cm×50m)を収容し、試験例2の巻回体収容箱10である収容箱B~収容箱Jを得た。このとき、ニス塗布層28の塗布形態はべた塗りであり、ニス塗布層28は条件1、2を満たす。また、収容箱A~収容箱Jのカット離間距離28H(条件3)を5mm、仮留め間距離28L(条件4)を60mmに設定した。すなわち、条件1~条件4を満たすように、収容箱A~収容箱Jを準備した。そして、試験例1と同様に切断作業を繰り返し、ラップフィルム50のずれにくさ、ラップフィルム50を摘まむときの摘まみやすさ、総合評価としてタブ50Lの形成しやすさを評価した。各々の評価において、表1では、非常に優れると判断された試験例に「◎」印を付し、優れると判断された試験例に「〇」印しを付し、やや劣ると判断された水準に「△」を付し、劣ると判断された水準に「×」印しを付す。
Figure 2023163383000002

表1が示すように、ずり強度の値が高い場合、ラップフィルム50がニス塗布層28に堅く仮留めされてずれないため、タブ50Lが形成しやすくなる。ずり強度の好ましい範囲は、7.0N/25mm以上26.0N/25mm以下である。ずり強度が26.0N/25mmを超えると、仮に、巻回体収容箱10の長手方向DLの端部にまでニス塗布層28を形成した場合、摘まみ領域29からラップフィルム50を摘まんだときに、端部のラップフィルム50がはがしにくい。そのため、ラップフィルム50が摘まみにくくなる。一方、ずり強度が好ましい範囲内であれば、摘まみ領域29に位置するラップフィルム50にタブ50Lを形成するために適度な張力が加わりやすくなり、かつラップフィルム50がニス塗布層28に堅く仮留めされてずれない。そのため、タブ50Lが形成しやすくなる。
T型剥剥離強度の値が高い場合、ラップフィルム50をニス塗布層28からはがしにくくなるため、ラップフィルム50が摘まみにくくなる。ラップフィルム50の摘まみやすさが要求される場合、T型剥離強度は、好ましくは0.3N/25mm以下であり、より好ましくは0.15N以下であり、さらに好ましくは0.05N以下である。T型剥離強度が好ましい範囲であれば、ラップフィルム50がニス塗布層28に仮留めされつつニス塗布層28と密着しすぎないため、ラップフィルム50が摘まみやすい。
このように、ずり強度とT型剥強度を適度に調整することで、タブ50Lがより形成されやすくなり、巻回体収容箱10からラップフィルム50を引き出しやすくすることができる。
上記実施形態によれば、以下に列挙する効果が得られる。
(1)ラップフィルム50の切断端50Tは、前側、あるいは後側に折り返され、これによってタブ50Lが形成される。そして、切断刃35の刃痕により形成される切り裂きが生じないため、ラップフィルム50を摘まんだ際に切断端50Tが裂けることを抑制できる。そのため、ラップフィルム50の引き出しに際して、ラップフィルム50の縦裂けや斜め切れの発生を抑制できる。
(2)ニス塗布層28とラップフィルム50とのずり強度が5.0N/25mm以上である場合、摘まみ領域29に位置する切断端50Tを含む部分において、タブ50Lを形成することに好適な張力が加わる。結果として、タブ50Lの形成による裂けの抑制について有効性が高まる。
(3)ニス塗布層28とラップフィルム50とのT型剥離強度が0.3N/25mm以下である場合、摘まみ領域29に位置する切断端50Tを含む部分において、タブ50Lを形成することに好適な張力が加わる。結果として、タブ50Lの形成による裂けの抑制について有効性が高まる。
(4)ラップフィルム50の切断端50Tを含む部分が前側、または後側にカールする場合、ラップフィルム50の切断端50Tが折返しであるタブ50Lを形成することの確度が高まる。
(5)ラップフィルム50の切断端50Tが、長手方向DLの中央部分において底板25に向けて突き出るため、切断端50Tのなかで摘まみ領域29と対向する中央部分が、底板25に向けて突き出る。そのため、切断端50Tを含む部分のなかで底板25に向けて突き出る部分からラップフィルム50を折り返すこと、すなわち、タブ50Lを形成することが容易ともなる。
上記実施形態は、以下のように変更して実施することもできる。
[切断刃35]
・切断刃35の刃先は、長手方向DLに延びる直線状を有してもよい。切断刃35の刃先は、長手方向DLにおける中央部と、長手方向DLにおいて中央部を挟む両端部と、から構成されると共に、両端部が長手方向DLに伸びる直線状を有し、中央部が両端部よりも底板25に向けて突き出るV字状を有してもよい。切断刃35の刃先は、閉蓋状態において底板25に向けて突き出るV字状を有すると共に、長手方向DLの両端部において下側に向けて突き出る、M形状を有してもよい。
[摘まみ領域29]
・前板21が備えるフラップ21Fの数量は、1つでもよい。また、前板21が備えるニス塗布層28の数量は、1つでもよい。この際、1つのフラップ21Fは、前板21の長手方向DLにおける中央を挟むように、高さ方向DHとは反対方向に突き出る左右で一対の突部を備えてもよい。摘まみ領域29は、前板21の前面のなかで、2つの突部に挟まれる領域でもよい。この場合、ニス塗布層28の下端28Bは、2つの突部のそれぞれに位置する。すなわち、ニス塗布層28の下端28Bは、ニス塗布層28の数量にかかわらず、1つの摘まみ領域29に対し、当該摘まみ領域29を区画する2つの突部にそれぞれ定められる。なお、1つのフラップ21Fが摘まみ領域29を挟む2つの下端28Bを備える場合においても、上記実施形態に記載のように、仮留め間距離28Lを測定することができ、上記条件3,4または条件5,6を満たすニス塗布層28が含まれていればよい。
・前板21が備えるフラップ21Fの数量は、前板21の長手方向DLに並ぶ3つ以上でもよい。この際、摘まみ領域29は、前板21の前面のなかで、長手方向DLにおいて相互に隣り合う1組のフラップ21Fに挟まれる1つの領域でもよいし、長手方向DLにおいて相互に隣り合う2組のフラップ21Fに挟まれる2つの領域でもよい。例えば、長手方向DLに並ぶ1つ目のフラップ21Fと、2つ目のフラップ21Fとに挟まれた領域が、1つ目の摘まみ領域29であり、2つ目のフラップ21Fと、3つ目のフラップ21Fとに挟まれた領域が、2つ目の摘まみ領域29でもよい。あるいは、長手方向DLに並ぶ1つ目のフラップ21Fと、3つ目のフラップ21Fとに挟まれた領域が、1つの摘まみ領域29であり、1つの摘まみ領域29のなかに2つ目のフラップ21Fが配置されてもよい。
[仮留め部]
・フラップ21Fに位置する仮留め部は、ニス塗布層28に限らず、粘着性接着層でもよいし、粘着性接着層とニス塗布層28との組み合わせでもよい。
・1つのフラップ21Fに位置する仮留め部の数量は、長手方向DLに並ぶ2つ以上でもよいし、高さ方向DHに並ぶ2つ以上でもよい。
・フラップ21Fに位置する仮留め部は、当該仮留め部が挟む摘まみ領域29と間隔を空けて位置してもよい。すなわち、フラップ21Fに位置する仮留め部は、摘まみ領域29に隣接するフラップ21Fの縁から離れてもよい。なお、上記実施形態に示すように、フラップ21Fに位置する仮留め部が、フラップ21Fの縁に位置する場合、仮留め部が摘まみ領域29に隣接するため、ラップフィルム50の切断端50Tにより好適な張力が作用する。そして、ラップフィルム50の切断端50Tにタブ50Lが形成されることの確度も高まる。
DH…高さ方向
DL…長手方向
10…巻回体収容箱
20…本体部
20T…開口
21…前板
21F…フラップ
21FB…下端
22…後板
25…底板
28…ニス塗布層
28B…下端
29…摘まみ領域
30…蓋部
35…切断刃
35L…カットライン
50…ラップフィルム
50R…巻回体
50T…切断端

Claims (10)

  1. ラップフィルムが巻かれた巻回体を収容する本体部であって、前板、後板、底板および左右で一対の脇板を備え、上面が開口した前記本体部と、
    前記後板に連接され前記開口を開閉する蓋板と、前記蓋板が前記開口を閉じた閉蓋状態で前記前板の前面に重なるように前記蓋板に連接された掩蓋片と、を備える蓋部と、
    前記掩蓋片に設けられ、前記ラップフィルムを切断する切断刃と、を備え、
    前記前板が、切り込み線で区切られたフラップと、前記フラップの前面に形成された前記ラップフィルムを仮留めする仮留め部と、を備える、
    巻回体収容箱であって、
    前記底板から前記開口に向かう方向が高さ方向であり、
    一方の前記脇板から他方の前記脇板へ向かう方向が長手方向であり、
    前記前板の前面のなかで前記閉蓋状態の前記切断刃の刃先と対向する位置を繋いだ仮想線がカットラインであり、
    前記前板の前面のなかで前記フラップに挟まれる領域であって、前記カットラインから前記高さ方向に延びる領域が摘まみ領域であり、
    前記仮留め部が、下記条件1から条件4を満たす、
    (条件1)前記仮留め部は、前記カットライン上または前記カットラインよりも開口側に位置する、
    (条件2)前記仮留め部は、前記摘まみ領域を挟む前記長手方向の両側に位置する、
    (条件3)前記仮留め部の前記高さ方向における下端と前記カットラインとの間の前記高さ方向における距離は、0mm以上10mm以下である、
    (条件4)前記摘まみ領域の右側に位置する前記仮留め部の前記高さ方向における下端と、前記摘まみ領域の左側に位置する前記仮留め部の前記高さ方向における下端との間の前記長手方向における距離は、30mm以上120mm以下である
    巻回体収容箱。
  2. ラップフィルムが巻かれた巻回体を収容する本体部であって、前板、後板、底板および左右で一対の脇板を備え、上面が開口した前記本体部と、
    前記後板に連接され前記開口を開閉する蓋板と、前記蓋板が前記開口を閉じた閉蓋状態で前記前板の前面に重なるように前記蓋板に連接された掩蓋片と、を備える蓋部と、
    前記掩蓋片に設けられ、前記ラップフィルムを切断する切断刃と、を備え、
    前記前板が、切り込み線で区切られたフラップと、前記フラップの前面に形成された前記ラップフィルムを仮留めする仮留め部と、を備える、
    巻回体収容箱であって、
    前記底板から前記開口に向かう方向が高さ方向であり、
    一方の前記脇板から他方の前記脇板へ向かう方向が長手方向であり、
    前記前板の前面のなかで前記閉蓋状態の前記切断刃の刃先と対向する位置を繋いだ仮想線がカットラインであり、
    前記前板の前面のなかで前記フラップに挟まれる領域であって、前記カットラインから前記高さ方向に延びる領域が摘まみ領域であり、
    前記仮留め部が、下記条件1、条件2、条件5、条件6を満たす、
    (条件1)前記仮留め部は、前記カットライン上または前記カットラインよりも開口側に位置する、
    (条件2)前記仮留め部は、前記摘まみ領域を挟む前記長手方向の両側に位置する、
    (条件5)前記仮留め部の前記高さ方向における下端と前記カットラインとの間の前記高さ方向における距離は、0mm以上13mm以下である、
    (条件6)前記摘まみ領域の右側に位置する前記仮留め部の前記高さ方向における下端と、前記摘まみ領域の左側に位置する前記仮留め部の前記高さ方向における下端との間の前記長手方向における距離は、30mm以上70mm以下である
    巻回体収容箱。
  3. 前記仮留め部が、ニス塗布層である
    請求項1または2に記載の巻回体収容箱。
  4. 前記仮留め部は、前記摘まみ領域に隣接する
    請求項1または2に記載の巻回体収容箱。
  5. 前記巻回体をさらに備え、
    前記ニス塗布層と前記ラップフィルムとのずり強度が、下記条件を満たす、
    (条件)JIS Z-0237:2009「粘着テープ:粘着シート試験方法」に準じ、かつ引きはがし角度を0°に変更して測定する前記ずり強度であって、前記ラップフィルムの幅が25mm、前記ニス塗布層と、前記ラップフィルムを固定する上部チャックとの間の距離が100±20mmであるときの前記ニス塗布層と前記ラップフィルムとの0°における前記ずり強度が、5.0N/25mm以上である
    請求項3に記載の巻回体収容箱。
  6. 前記巻回体をさらに備え、
    前記ニス塗布層と前記ラップフィルムとのT型剥離強度が、下記条件を満たす、
    (条件)JIS Z-0237:2009「粘着テープ・粘着シート試験方法」に準じて測定する前記T型剥離強度であって、前記ラップフィルムの幅が25mm、前記ニス塗布層と、前記ラップフィルムを固定する上部チャックとの間の距離が100±20mmであるときの前記ニス塗布層と前記ラップフィルムとの90°における前記T型剥離強度が、0.3N/25mm以下である
    請求項3に記載の巻回体収容箱。
  7. 前記前板は、2つの前記フラップを備え、
    右側の前記フラップと、左側の前記フラップとの間に、前記摘まみ領域が位置する、
    請求項1または2に記載の巻回体収容箱。
  8. 前記巻回体をさらに備え、
    前記ラップフィルムは、
    前記前板と前記掩蓋片との間に前記ラップフィルムを挟む前記閉蓋状態において、前記切断刃によって前記ラップフィルムが切断されたときの前記ラップフィルムの切断端を含む部分が後側に向けてカールするように構成されている、
    請求項1または2に記載の巻回体収容箱。
  9. 前記巻回体をさらに備え、
    前記ラップフィルムは、
    前記前板と前記掩蓋片との間に前記ラップフィルムを挟む前記閉蓋状態において、前記切断刃によって前記ラップフィルムが切断されたときの前記ラップフィルムの切断端を含む部分が前側に向けてカールするように構成されている、
    請求項1または2に記載の巻回体収容箱。
  10. 前記切断刃は、
    前記長手方向における中央部と、
    前記長手方向において前記中央部を挟む両端部と、から構成され、
    前記中央部は、
    前記閉蓋状態において前記底板に向けて突き出るV字状または円弧状を有する、
    請求項1または2に記載の巻回体収容箱。
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