JP2017088604A - 透明化粧水 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(i)透明化粧水の全量に対する含有量が2.3質量%〜3.7質量%であるグリセリン、(ii)透明化粧水の全量に対する含有量が2.3質量%〜3.7質量%であるポリエチレングリコール、(iii)アスタキサンチン、(iv)透明化粧水の全量に対する含有量が0.1質量%〜3質量%であり、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、及びそれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物、(v)フェルラ酸、及び(vi)透明化粧水の全量に対する含有量が50質量%以上である水を含む透明化粧水。
【選択図】なし
Description
例えば、特許文献1には、グリセリンを含む化粧水として、アスタキサンチン、イオン性抗酸化剤、グリセリン等を含むスキンケア用化粧水が開示されている。
また、透明化粧水において、透明度を損なわず、良好な保湿感を得るために一定量以上のグリセリンを含ませると、保湿感の向上に伴い、乾燥時のべたつき感が生じることがある。
すなわち、アスタキサンチン、イオン性抗酸化剤、及びグリセリンを含む透明化粧水では、アスタキサンチンの安定性に優れ、かつ、肌に適用した際に良好な保湿感が得られるといった効果は奏されるものの、更に、肌に適用した際に生じ得る乾燥時のべたつき感を抑制することは困難であると考えられる。
<1> (i)〜(vi)を含む透明化粧水。
(i)透明化粧水の全量に対する含有量が2.3質量%〜3.7質量%であるグリセリン
(ii)透明化粧水の全量に対する含有量が2.3質量%〜3.7質量%であるポリエチレングリコール
(iii)アスタキサンチン
(iv)透明化粧水の全量に対する含有量が0.1質量%〜3質量%であり、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、及びそれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物
(v)フェルラ酸
(vi)透明化粧水の全量に対する含有量が50質量%以上である水
<3> pHが5.4〜6.0である<1>又は<2>に記載の透明化粧水。
<4> アスタキサンチンが、オキアミ由来のアスタキサンチンである<1>〜<3>のいずれか1つに記載の透明化粧水。
<5> アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、及びそれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物が、アスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸硫酸エステルマグネシウム、アスコルビン酸硫酸エステルナトリウム、及びパルミチン酸アスコルビルリン酸ナトリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である<1>〜<4>のいずれか1つに記載の透明化粧水。
本明細書において、透明化粧水中の各成分の量は、各成分に該当する物質が透明化粧水中に複数種存在する場合には、特に断らない限り、透明化粧水中に存在する複数種の物質の合計量を意味する。
「水溶性成分」とは、25℃における水への溶解度が1質量%以上、即ち、10g/L以上である成分を意味する。
本明細書において「油性成分」とは、25℃における水への溶解度が1質量%未満であり、化粧料の分野で一般に油性成分として使用される成分を意味する。
本発明の透明化粧水は、(i)透明化粧水の全量に対する含有量が2.3質量%〜3.7質量%であるグリセリンと、(ii)透明化粧水の全量に対する含有量が2.3質量%〜3.7質量%であるポリエチレングリコールと、(iii)アスタキサンチンと、(iv)透明化粧水の全量に対する含有量が0.1質量%〜3質量%であり、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、及びそれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物(以下、適宜「アスコルビン酸化合物」と総称する。)と、(v)フェルラ酸と、(vi)透明化粧水の全量に対する含有量が50質量%以上である水と、を含む。
本発明の透明化粧水では、アスコルビン酸化合物の含有量を特定の割合に抑え、アスコルビン酸化合物とフェルラ酸とを併用することで、肌に適用した際に生じ得る乾燥時のべたつき感を抑制しつつ、アスタキサンチンを安定化することができる。
本発明の透明化粧水では、化粧水に使用される保湿剤の中でも保湿力に優れるが、べたつきが生じ易いグリセリンと、グリセリンと比べて保湿力は劣るものの、べたつきが生じ難いポリエチレングリコールと、を特定の含有量にて併用することで、肌に適用した際に生じ得る乾燥時のべたつき感を抑制しつつ、良好な保湿感を得ることができる。
本発明者らの検討によれば、グリセリンとポリエチレングリコールとを併用すると、それぞれ単独での挙動とは異なり、乾燥時のべたつき感を高めることなく、保湿感を向上させることができる、特定の含有量の組み合わせがあることが明らかとなった。このような知見は、従来得られていなかったことである。
本発明の透明化粧水における油性成分の含有量は、水相に分散する乳化粒子の大きさによって異なるが、上記の吸光度を満たすために、透明化粧水の全量に対して3質量%以下であることが好ましく、2質量%以下であることがより好ましい。
本発明の透明化粧水は、グリセリンを、透明化粧水の全量に対して2.3質量%〜3.7質量%の含有量で含む。
グリセリンは、透明であることに加え、保水量が多く、安全性が高く、肌への適用性にも優れることから、保湿剤として多用される。本発明の透明化粧水において、グリセリンは、肌に適用した際の保湿感の向上に寄与する。
本発明の透明化粧水は、ポリエチレングリコール(PEG)を、透明化粧水の全量に対して2.3質量%〜3.7質量%の含有量で含む。
ポリエチレングリコールは、前述したグリセリンと同様に、保湿剤としてよく用いられる。なお、透明化粧水におけるポリエチレングリコールの保湿剤としての効果は、グリセリンに比べて劣るものの、肌に適用した際に感じられる乾燥時のべたつきは、グリセリンに比べて少ない。
本発明の透明化粧料においては、肌に適用した際の保湿感を向上させるために、特定量のグリセリンを、特定量のポリエチレングリコールと組み合わせて用いることで、乾燥時のべたつき感の高まりを抑制しつつ、保湿感の向上を実現し得る。
また、ポリエチレングリコールの平均分子量は、例えば、水に対する溶解性、配合時の粘度変化等を考慮した、取り扱い性の観点から、10000以下であることが好ましく、8000以下であることがより好ましく、2000以下であることが更に好ましい。
ポリエチレングリコールの市販品の例としては、日油(株)のPEG♯1000(商品名、規格成分名:ポリエチレングリコール 1000、平均分子量:1000)、PEG♯1540(商品名、規格成分名:ポリエチレングリコール 1540、平均分子量:1540)、PEG♯2000(商品名、規格成分名:ポリエチレングリコール 2000、平均分子量:2000)、PEG♯4000(商品名、規格成分名:ポリエチレングリコール 4000、平均分子量:3100)、PEG♯6000(商品名、規格成分名:ポリエチレングリコール 6000、平均分子量:8800)等、東邦化学工業(株)のトーホーポリエチレングリコール1000(商品名、規格成分名:ポリエチレングリコール 1000、平均分子量:1000)などが挙げられる。
本発明の透明化粧水は、アスタキサンチンを含む。
アスタキサンチンは、アスタキサンチン及びアスタキサンチンのエステル等の誘導体の少なくとも一方を包含する。本発明では、特に断らない限り、アスタキサンチン及びその誘導体を総称して「アスタキサンチン」という。
アスタキサンチンは、例えば、赤色酵母ファフィア、緑藻ヘマトコッカス、海洋性細菌、オキアミ等の培養物から抽出することができる。
本発明の透明化粧水において、アスタキサンチンは、アスタキサンチンを含有する天然物又はその培養物からの分離物又は抽出物として得られるアスタキサンチン含有油として含まれていてもよい。
アスタキサンチン又はアスタキサンチン含有油としては、品質及び生産性の観点から、ヘマトコッカス藻からの抽出物(以下、「ヘマトコッカス藻抽出物」と称する。)、又はオキアミからの抽出物(以下、「オキアミ抽出物」と称する。)に由来するアスタキサンチンが好ましく、オキアミ抽出物に由来するアスタキサンチンが特に好ましい。
オキアミ抽出物に由来するアスタキサンチン(オキアミ由来のアスタキサンチン)は、化粧品に分類される化粧水だけでなく、医薬部外品に分類される化粧水にも使用することができる。
ヘマトコッカス藻抽出物の市販品の例としては、富士フイルム(株)のASTOTS(登録商標)−S、ASTOTS(登録商標)−ST、ASTOTS(登録商標)−2.5 O、ASTOTS(登録商標)−5 O、ASTOTS(登録商標)−10 O等、富士化学工業(株)のアスタリール(登録商標)オイル50F、アスタリール(登録商標)オイル5F等、東洋酵素化学(株)のBioAstin(登録商標)SCE7などが挙げられる。
オキアミ抽出物の市販品の例としては、(株)マリン大王のAstax−ST(商品名)等が挙げられる。
特に、製造容易性等の観点から、本発明の透明化粧水は、アスタキサンチンを、アスタキサンチンをはじめとする油性成分が水相に分散した乳化物(アスタキサンチン乳化物)の形態で含むことが好ましい。
以下、アスタキサンチン乳化物に含まれる成分について説明する。
−アスタキサンチン以外の油性成分−
アスタキサンチン乳化物は、アスタキサンチン以外の油性成分を含むことが好ましい。
油性成分としては、25℃で液体である油性成分であることが好ましい。ここで、「25℃で液体」とは、常圧での融点又は軟化点が25℃未満であることを意味する。
油性成分としては、油脂、炭化水素、ロウ、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル等が挙げられ、これらの中でも、25℃で液体の成分が好ましい。
アスタキサンチン乳化物は、アスタキサンチン以外の油性成分を、1種単独で、又は2種以上組み合わせて含んでもよい。
炭化水素としては、流動パラフィン、イソパラフィン、ワセリン、パラフィンワックス、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、スクワラン等が挙げられる。
ロウとしては、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、モンタンロウ、ミツロウ、ラノリン、鯨ロウ、ホホバ油、オレンジラフィー油、水素添加ラノリン、水素添加ホホバ油、水素添加カルナバロウ等が挙げられる。
高級脂肪酸としては、炭素数が12以上の脂肪酸であれば特に限定されず、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸、オキシステアリン酸、リノール酸、ラノリン脂肪酸、イソパルミチン酸、イソステアリン酸、イソトリデカン酸等が挙げられる。
高級脂肪酸と低級(炭素数2以上4以下)アルコールとのエステルとしては、リノール酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、ラノリン脂肪酸イソプロピル等が挙げられる。
高級脂肪酸と中級(炭素数5以上11以下)又は高級(炭素数12以上)アルコールとのエステルとしては、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、オレイン酸オクチルドデシル、パルミチン酸セチル等が挙げられる。
高級脂肪酸と多価アルコールとのエステルとしては、トリミリスチン酸グリセリル、ジオレイン酸プロピレングリコール、トリイソステアリン酸グリセリル等が挙げられる。
環状アルコール脂肪酸エステルとしては、ステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸コレステリル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル等が挙げられる。
アスタキサンチン乳化物は、レシチンを含むことが好ましい。
レシチンとしては、大豆、トウモロコシ、落花生、ナタネ、麦等の植物、卵黄、牛等の動物、大腸菌等の微生物などに由来する各種レシチンが挙げられる。
具体的には、レシチンとしては、ホスファチジン酸、ホスファチジルグリセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルメチルエタノールアミン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、ビスホスファチジン酸、ジホスファチジルグリセリン(カルジオリピン)等のグリセロレシチン、スフィンゴミエリン等のスフィンゴレシチンなどが挙げられる。
アスタキサンチン乳化物は、水溶性乳化剤を含むことが好ましい。
水溶性乳化剤は、アスタキサンチン乳化物の水相を構成する水溶性成分に含まれる。
水溶性乳化剤としては、25℃における水への溶解度が1質量%以上(10g/L以上)である乳化剤であれば、特に限定されない。例えば、水溶性乳化剤としては、ノニオン界面活性剤が好ましく、十分な乳化力を得る観点から、HLB(Hydrophile Lipophile Balance)が10以上(好ましくは12以上)のノニオン界面活性剤がより好ましい。
ここで、Mwは親水基の分子量、Moは疎水基の分子量を示す。
また、上記の式からも分かるように、HLBの加成性を利用して、任意のHLB値の乳化剤を得ることができる。
これらの中でも、ノニオン界面活性剤としては、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、及びショ糖脂肪酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、ポリグリセリン脂肪酸エステルとショ糖脂肪酸エステルとを併用することが特に好ましい。
ポリグリセリン脂肪酸エステルの好ましい例としては、ヘキサグリセリンモノオレイン酸エステル、ヘキサグリセリンモノステアリン酸エステル、ヘキサグリセリンモノパルミチン酸エステル、ヘキサグリセリンモノミリスチン酸エステル、ヘキサグリセリンモノラウリン酸エステル、デカグリセリンモノオレイン酸エステル、デカグリセリンモノステアリン酸エステル、デカグリセリンモノパルミチン酸エステル、デカグリセリンモノミリスチン酸エステル、デカグリセリンモノラウリン酸エステル等が挙げられる。
ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、市販品を使用することができる。
ショ糖脂肪酸エステルの好ましい例としては、ショ糖ジオレイン酸エステル、ショ糖ジステアリン酸エステル、ショ糖ジパルミチン酸エステル、ショ糖ジミリスチン酸エステル、ショ糖ジラウリン酸エステル、ショ糖モノオレイン酸エステル、ショ糖モノステアリン酸エステル、ショ糖モノパルミチン酸エステル、ショ糖モノミリスチン酸エステル、ショ糖モノラウリン酸エステル等が挙げられる。
ショ糖脂肪酸エステルとしては、市販品を使用することができる。
アスタキサンチン乳化物は、水を含むことが好ましい。
アスタキサンチン乳化物に用いられる水は、後述する、透明化粧水を構成する水と同様の水が用いられる。
水は水相を構成する成分の1つとなる。
アスタキサンチン乳化物は、水相を構成する水溶性成分の1つとして、多価アルコールを含むことが好ましい。
多価アルコールとしては、グリセリンの他、後述する、炭素数6以下の2価のアルコールが挙げられる。
これらの中でも、グリセリンは、アスタキサンチンを含む乳化粒子の平均粒子径を小さくし、かつ、粒子径を小さいまま長期に亘り安定に保持し易くなることから、好ましく用いられる。
本発明の透明化粧水は、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、及びそれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を、透明化粧水の全量に対して0.1質量%〜3質量%の含有量で含む。
本発明の透明化粧水において、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、及びそれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物は、後述するフェルラ酸とともに、アスコルビン酸自体の抗酸化能、又は、透明化粧水中で経時に生成されるアスコルビン酸の抗酸化能によって、アスタキサンチンを安定化させ得る。
アスコルビン酸誘導体及びその塩としては、アスコルビン酸リン酸エステル及びその塩(アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム(APM)、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム等)、アスコルビン酸硫酸エステル及びその塩(アスコルビン酸硫酸エステルマグネシウム、アスコルビン酸硫酸エステルナトリウム等)、パルミチン酸アスコルビルリン酸エステル及びその塩(パルミチン酸アスコルビルリン酸ナトリウム等)などが挙げられる。
更に、経時安定性(例えば、経時での着色の抑制)及びカラメル様臭の発生抑制の観点から、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、及びそれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物としては、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、及びパルミチン酸アスコルビルリン酸ナトリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であることが好ましい。
アスコルビン酸リン酸エステルナトリウムの、化粧品成分表示名称は、「リン酸アスコルビルNa」であり、医薬部外品成分表示名称は、「リン酸L−アスコルビルナトリウム」である。
パルミチン酸アスコルビルリン酸ナトリウムの化粧品成分表示名称は、「パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na」である。
本発明の透明化粧水は、フェルラ酸を含む。
フェルラ酸は、植物の細胞壁等に存在する有機化合物であり、抗酸化能を有する。
本発明の透明化粧水において、フェルラ酸は、上述のアスコルビン酸化合物とともに、アスタキサンチンの安定性に寄与する。
アスタキサンチンの安定性には、上述のアスコルビン酸化合物も寄与するが、アスタキサンチンを含む化粧水において、例えば、アスコルビン酸リン酸エステルの塩等のイオン性抗酸化剤を多く用いると、肌に適用した際にべたつきが感じられるようになる。
本発明の透明化粧水では、フェルラ酸と、特定量のアスコルビン酸化合物とを併用することで、肌に適用した際の、乾燥時のべたつき感を抑制しつつ、アスタキサンチンの安定性を確保し得る。
オキアミ由来のアスタキサンチンは、原料であるオキアミ中に含まれる脂肪酸に由来する臭いを有している。この臭いは、経時による脂肪酸の酸化によって悪化する。したがって、オキアミ由来のアスタキサンチンは、化粧水に配合するアスタキサンチンとしては、使用しづらいことがある。
フェルラ酸を含む本発明の透明化粧水では、フェルラ酸が脂肪酸の酸化を抑制するため、オキアミ由来のアスタキサンチンでも問題なく使用することができる。
細胞膜を構成するリン脂質に含まれる脂肪酸は、紫外線等により発生した活性酸素等の影響を受けて酸化し、過酸化脂質を生成すること、さらに、生成した過酸化脂質を介して、アクロレイン、4−ヒドロキシノネナール等の代謝物が生成すること、が知られている。これらの代謝物は、アルデヒド基を有するため、皮膚中のコラーゲン、エラスチン等の構成タンパク質に結合し、タンパク質を変性させる。このようなタンパク質の変性が皮膚において発生した場合、皮膚には、シワ、たるみ、さらには肌色の変化等が引き起こされる。
フェルラ酸は、両親媒性を示す化合物であり、脂肪酸との親和性も良好である。したがって、フェルラ酸を含む本発明の透明化粧水を肌に適用することにより、上述したような脂肪酸の酸化の抑制効果、特に、真皮における上記代謝物の発生によって生じる肌色の変化(所謂、真皮の黄ぐすみ)の低減効果が期待できる。
また、フェルラ酸の含有量は、例えば、着色の観点から、透明化粧水の全量に対して、1質量%以下であることが好ましい。
本発明の透明化粧水は、水を含む。
水としては、特に制限はなく、天然水、精製水、蒸留水、イオン交換水、純水、超純水(Milli−Q水等)などを使用することができる。なお、Milli−Q水とは、メルク(株)メルクミリポアのMilli−Q水製造装置により得られる超純水である。
本発明の透明化粧水に含まれる水としては、不純物が少ないという観点から、精製水、蒸留水、イオン交換水、純水、又は超純水が好ましい。
また、本発明の透明化粧水における水の含有量は、良好な保湿感の付与の観点から、透明化粧水の全量に対して、85質量%以下であることが好ましい。
上記の水の含有量は、透明化粧水に含まれる水の総含有量を意味し、前述したアスタキサンチン乳化物の調製に用いられる水も含むものである。
本発明の透明化粧水は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、前述の成分以外の他の成分を含んでいてもよい。
他の成分としては、2価のアルコール、各種の添加剤等が挙げられる。
本発明の透明化粧水は、保湿感の向上及びべたつき感の抑制の観点から、炭素数6以下の2価のアルコールを含むことが好ましい。
炭素数6以下の2価のアルコールとしては、1,3−ブチレングリコール(BG)、プロピレングリコール、ペンチレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、ジプロピレングリコール(DPG)等が挙げられる。
これらの中でも、炭素数6以下の2価のアルコールとしては、肌への刺激性の観点から、1,3−ブチレングリコール(BG)及びジプロピレングリコール(DPG)から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
また、本発明の透明化粧水における水と炭素数6以下の2価のアルコールとの合計含有量は、透明化粧水の全量に対して、95質量%以下であることが好ましい。
本発明の透明化粧水は、各種の添加剤を含んでいてもよい。
添加剤としては、通常、化粧水に配合可能な各種の成分を、目的に応じて、用いることができる。
添加剤は、水溶性成分であってもよいし、油性成分であってもよい。添加剤は、水溶性成分である場合には水相に含まれる形で添加され、油性成分である場合には水相に可溶化する形で添加されるか、或いは、乳化粒子(油相)中に含まれる形で添加されることが好ましい。
本発明の透明化粧水が添加剤を含む場合、添加剤の含有量は、化粧水の透明性を維持できる量であることを要する。
本発明の透明化粧水に用いることができる美白剤としては、トラネキサム酸、トラネキサム酸の二量体、トラネキサム酸のアミド体、トラネキサム酸とハイドロキノンとのエステル、トラネキサム酸とゲンチシン酸とのエステル、アルブチン、プラセンタエキス、エラグ酸、コウジ酸、ルシノール等が挙げられる。
これらの中でも、美白剤としては、アルブチンが特に好ましい。
これらの中でも、抗炎症剤としては、グリチルリチン酸ジカリウム、サリチル酸メチル、甘草エキス、及びアロエエキスからなる群より選ばれる少なくとも1種の成分が好ましく、グリチルリチン酸ジカリウムがより好ましい。
これらの中でも、キレート剤としては、クエン酸が特に好ましい。
本発明の透明化粧水のpHは、アスタキサンチンの安定性の観点から、5.4〜6.0であることが好ましい。
本発明の透明化粧水のpHが5.4〜6.0の範囲内であると、アスタキサンチンの安定性に寄与する、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、及びそれらの塩からなる群より選ばれる化合物、並びにフェルラ酸を、透明化粧水中に安定に含むことができるため、アスタキサンチンの安定性がより向上する。
本発明の透明化粧水のpHの測定方法は、特に限定されない。本発明の透明化粧水のpHは、例えば、東亜ディーケーケー(株)のHM−30R型(商品名)を用いて測定することができ、25℃にて測定した値を採用する。
本発明の透明化粧水の用途は、特に限定されない。
本発明の透明化粧水は、化粧品又は医薬部外品として適用することができる。
本発明の透明化粧水は、スキンケア、ボディケア、頭皮ケア等に好適に用いることができる。
本発明の透明化粧水の調製方法は、特に制限されない。本発明の透明化粧水は、公知の方法に従って調製することができる。
まず、水相にアスタキサンチンを含む乳化粒子(油相)が分散した水中油型乳化物(アスタキサンチン乳化物)を調製する。
得られたアスタキサンチン乳化物と、グリセリンと、ポリエチレングリコールと、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、及びそれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物と、フェルラ酸と、水と、必要に応じて、他の成分と、を混合する。
以上の方法により、透明化粧水を調製することができる。
アスタキサンチン乳化物は、アスタキサンチンを含む油相組成物と、水相組成物と、を混合し、常法により乳化することを含む製造方法により調製することができる。
油相組成物中には、アスタキサンチンとともに、アスタキサンチン以外の油性成分及びレシチンが含まれることが好ましい。
一方、水相組成物中には、水、水溶性乳化剤、及び多価アルコールが含まれることが好ましい。
まず、水、多価アルコール、及び水溶性乳化剤を混合し溶解して、水相組成物を得る。 アスタキサンチン、アスタキサンチン以外の油性成分、及びレシチンを混合し溶解して、油相組成物を得る。
撹拌下で、水相組成物と油相組成物とを混合して、乳化分散を行う。
以上の方法により、アスタキサンチン乳化物を調製することができる。
均質バルブ型高圧ホモジナイザーとしては、ゴーリンタイプホモジナイザー(APV社)、ラニエタイプホモジナイザー(ラニエ社)、高圧ホモジナイザー(ニロ・ソアビ社)、ホモジナイザー(三和機械(株))、高圧ホモジナイザー(イズミフードマシナリ(株))、超高圧ホモジナイザー(イカ社)等が挙げられる。
乳化分散された乳化物は、チャンバー通過直後30秒以内、好ましくは3秒以内に何らかの冷却器を通して冷却することが、乳化粒子の粒子径保持の観点から好ましい。
下記の成分を、70℃で1時間加熱し、溶解させることにより、水相組成物Aを得た。
−水相組成物Aの組成−
・ショ糖ステアリン酸エステル(HLB=16) 33.0g
・モノオレイン酸デカグリセリル(HLB=12) 67.0g
・グリセリン 450.0g
・純水 300.0g
−油相組成物Aの組成−
・アスタキサンチン含有油 15.0g
(オキアミ抽出物、商品名:Astax−ST、(株)マリン大王、アスタキサンチン5質量%含有)
・ミックストコフェロール 32.0g
(理研Eオイル800、理研ビタミン(株))
・中鎖脂肪酸トリグリセライド 93.0g
(ココナード(登録商標)MT、トリ(カプリル酸・カプリン酸)グリセリル、花王(株))
・レシチン 10.0g
(レシオン(登録商標)P、大豆由来、理研ビタミン(株))
次いで、得られた粗乳化物を約40℃まで冷却し、超高圧乳化装置(機種名:アルティマイザーHJP−25005、(株)スギノマシン)を用いて、200MPaの圧力で高圧乳化を行った。その後、得られた高圧乳化物を、平均孔径1μmのミクロフィルターを用いてろ過し、アスタキサンチン乳化物(アスタキサンチン含有量:0.3質量%)を得た。
下記の表1〜表6に記載の成分を混合し、溶解させることにより、透明化粧水を調製した。なお、表1〜表6に記載の成分のうち、室温で固体のものについては、約60℃に加温し、溶解させた後、他の成分と混合させた。
・グリセリン(化粧品用濃グリセリン、花王(株))
・ポリエチレングリコール 1540(規格成分名、製品名:PEG♯1540、平均分子量:1540、日油(株))
・ポリエチレングリコール 1000(規格成分名、製品名:トーホーポリエチレングリコール1000、平均分子量:1000、東邦化学工業(株))
・ポリエチレングリコール 4000(規格成分名、製品名:PEG♯4000、平均分子量:3100、日油(株))
・ポリエチレングリコール 6000(規格成分名、製品名:PEG♯6000、平均分子量:8800、日油(株))
・アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム(NIKKOL(登録商標)VC−PMG、日光ケミカルズ(株))
・フェルラ酸(築野食品工業(株))
・メチルグルセス−20(マクビオブライド(登録商標)MG−20E、日油(株))
・PEG−60水添ヒマシ油(NIKKOL(登録商標)HCO−60、日光ケミカルズ(株)、HLB値:14)
・水溶性コラーゲン(コラーゲンP(PF)、新田ゼラチン(株))
表1〜表6中の組成の欄に記載の「−」は、該当成分を含まないことを意味する。
表1、表2、表3及び表6に記載の実施例1は、比較の便宜のため、重複して記載したものであり、いずれも同じものである。また、表4及び表5に記載の比較例11、並びに、表1及び表5に記載の比較例3についても同様である。
1.アスタキサンチンの安定性
上記にて得られた各透明化粧水を60℃で2週間暗所保管し、保管前のアスタキサンチンの量を100としたときの、保管後のアスタキサンチンの残存率(%)を求めた。
透明化粧水中のアスタキサンチンの量は、(株)島津製作所の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて分析し、絶対検量線法により定量した。
分析条件は以下の通りである。
カラム:カプセルパックC8(内径:4.6mm×長さ:150mm、(株)資生堂)
移動相:A液)メタノール:水=75:25、B液)メタノール=100
グラジエントサイクル:A液+B液=100%とし、B液の組成を示す。
B液=20%→100%(0分→15分)
B液=100%→100%(15分→20分)
B液=100%→20%(20分→21分)
B液=20%→20%(21分→30分)
流量:1mL/分
カラム温度:40℃
注入量:1μL
検出波長:470nm
以下の評価基準における「A」が、実用上許容されるレベルである。
A:保管後のアスタキサンチンの残存率が90%以上である。
B:保管後のアスタキサンチンの残存率が80%以上90%未満である。
C:保管後のアスタキサンチンの残存率が80%未満である。
(1)保湿感
上記にて得られた各透明化粧水50μlを、化粧品評価の専門パネラー10人に、上腕内側に塗布してもらい、塗布してから5分後に、保湿感の程度を判断してもらった。そして、パネラーには、保湿感が足りないと感じた場合には「1」と採点し、保湿感がやや足りないと感じた場合には「2」と採点し、保湿感があると感じた場合には「3」と採点し、保湿感がやや高いと感じた場合には「4」と採点し、保湿感が高いと感じた場合には「5」と採点してもらった。
専門パネラー10人の採点値を平均し、小数点以下2桁目を切り捨て、小数点以下1桁まで求めた値(採点値の平均値)に基づき、以下の評価基準に従って、透明化粧水の保湿感を評価した。結果を表1〜表6に示す。なお、表1〜表6では、採点値の平均値を併せて示す。
以下の評価基準における「AA」及び「A」が、実用上許容されるレベルである。
AA:採点値の平均値が4.0以上である。
A:採点値の平均値が3.0以上4.0未満である。
B:採点値の平均値が2.5以上3.0未満である。
C:採点値の平均値が2.5未満である。
上記にて得られた各透明化粧水50μlを、化粧品評価の専門パネラー10人に、上腕内側に塗布してもらい、乾燥時におけるべたつきの程度を判断してもらった。そして、パネラーには、乾燥時にべたつかないと感じた場合には「1」と採点し、乾燥時のべたつきが少ないと感じた場合には「2」と採点し、乾燥時にべたつくと感じた場合には「3」と採点し、乾燥時のべたつき感が強いと感じた場合には「4」と採点してもらった。
専門パネラー10人の採点値を平均し、小数点以下2桁目を切り捨て、小数点以下1桁まで求めた値(採点値の平均値)に基づき、以下の評価基準に従って、透明化粧水の乾燥時のべたつき感を評価した。結果を表1〜表6に示す。なお、表1〜表6では、採点値の平均値を併せて示す。
以下の評価基準における「AA」及び「A」が、実用上許容されるレベルである。
AA:採点値の平均値が2.0未満である。
A:採点値の平均値が2.0以上2.3未満である。
B:採点値の平均値が2.3以上2.6未満である。
C:採点値の平均値が2.6以上である。
透明化粧水を塗布した肌の垂直応力を測定することで、肌の上で透明化粧水が乾いた際のべたつき(タック性)を確認した。
上記にて得られた実施例1、比較例3、比較例5、及び比較例6の透明化粧水10μlを、化粧品評価の専門パネラー1人の上腕内側に塗布し、塗布部の垂直応力を、静動摩擦測定機(トライボマスター、Type:TL−201Ts、(株)トリニティーラボ)にて測定した。
静動摩擦測定機の駆動ユニットを垂直方向に摺動させ、接触子と塗布部との接触サイクルスピードを4sec/cycl(サイクル)に設定し、接触子を引き上げた際の垂直応力(タック力)を測定した。
測定開始後300秒間、垂直応力を測定し、1サイクルにおける垂直応力の最大値を抽出した。測定開始から240秒〜300秒の間の抽出した垂直応力の最大値を平均化し、得られた値をプロットしたものを図1に示す。
測定開始から240秒〜300秒における垂直応力の平均値が20gf(196.133mN、1gf=9.80665mN)以下であれば、乾燥時にべたつかないか、或いは、乾燥時のべたつき感が少ないと判断できる。
図1では、垂直応力を「gf」単位で表記する。
上記にて得られた各透明化粧水の波長625nmにおける吸光度を、以下のようにして測定した。
透明化粧料2mlを光路長5mmのセルに入れ、この光路長5mmのセルを用い、(株)日立製作所の分光光度計U−3310にて、625nmにおける吸光度を計測した。なお、計測は25℃の温度条件下にて行った。結果を表1〜表6に示す。
なお、上述の通り、本発明では、波長625nmにおける吸光度が0.3以下の化粧水を透明化粧水といい、吸光度の数値が小さいほど、透明性が高い透明化粧水であることを示す。
上記にて得られた実施例1の透明化粧水及び比較例9の透明化粧水を、40℃で1ヶ月暗所保管した。保管後の透明化粧水について、パネラー1人に生臭いにおいの有無を確認してもらった。なお、保管前の透明化粧水には、香料の効果により生臭いにおいは感じられない。
その結果、実施例1の透明化粧水には、生臭いにおいは感じられなかったが、フェルラ酸を含まない比較例9の透明化粧水には、生臭いにおいが感じられた。
以上の結果から、オキアミ由来のアスタキサンチンを含む透明化粧水では、オキアミ由来のアスタキサンチンとフェルラ酸と併用することで、経時での生臭いにおいの発生が抑制されることがわかった。
一方、表1及び表3〜表6から分かるように、比較例1〜比較例26の透明化粧水は、アスタキサンチンの安定性、保湿感、及び乾燥時のべたつき感の抑制のうち、少なくとも1つ以上の点で、実施例1〜実施例8と比較して劣っていた。
図1に示すように、実施例1の透明化粧水は、タック性の結果からも、乾燥時のべたつき感が抑制されていることが分かる。なお、図1に示す実施例1、比較例3、比較例5、及び比較例6の結果は、乾燥時のべたつき感の評価結果(専門モニターによる官能評価)と相関していることがわかる。
表4及び図2に示す比較例11〜比較例17の結果から、グリセリンを含まない透明化粧水において、グリセリンの代わりにポリエチレングリコールを使用すると、保湿感を得ることはできるが、保湿感の向上に伴い、乾燥時のべたつき感が高まることが分かる。
また、表5及び図2に示す比較例3、比較例11、及び比較例18〜比較例22の結果から、ポリエチレングリコールを含まない透明化粧水において、ポリエチレングリコールの代わりにグリセリンを使用すると、保湿感を得ることができるが、保湿感の向上に伴い、乾燥時のべたつき感が高まることが分かる。
これらの結果から、グリセリン又はポリエチレングリコールのいずれか一方のみを含む透明化粧水では、良好な保湿感を得ることと、乾燥時のべたつき感を抑制することとは両立し難いと考えられる。
フェルラ酸及びアスコルビン酸リン酸エステルマグネシウムの両方を含むものの、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウムの含有量が、透明化粧水の全量に対して3質量%を超える比較例10の透明化粧水は、実施例1の透明化粧水のように、乾燥時のべたつき感を抑制することができなかった。
以下に示す方法により、フェルラ酸による脂肪酸の酸化抑制効果を検証した。検証では、脂肪酸としてアラキドン酸を用い、アクロレイン(アラキドン酸への紫外線照射により発生した過酸化脂質に由来)の濃度を脂肪酸の酸化抑制効果の指標とした。
(1)アラキドン酸(東京化成工業(株))をエタノールに添加し、混合することにより、50mMのアラキドン酸を含むエタノール溶液を調製した。また、アラキドン酸及びフェルラ酸(築野食品工業(株))をエタノールに添加し、混合することにより、50mMのアラキドン酸及び50mMのフェルラ酸を含むエタノール溶液と、50mMのアラキドン酸及び100mMのフェルラ酸を含むエタノール溶液と、を調製した。
(2)12ウェルプレート(Costar(登録商標)cell culture plates 3513、Corning社)のウェルに、4ウェルずつ、上記にて調製した50mMのアラキドン酸を含むエタノール溶液、50mMのアラキドン酸及び50mMのフェルラ酸を含むエタノール溶液、並びに、50mMのアラキドン酸及び100mMのフェルラ酸を含むエタノール溶液を採取し、次いで、マイクロプレートシール(商品名:タイタースティックHE、カジックス(株))を用いてウェルを密閉し、検証用サンプルを作製した。なお、後述の擬似太陽光照射のため、マイクロプレートシールは、紫外線(UV)透過性を有するものを用いた。
(3)上記の(1)及び(2)の手順に沿って、合計3枚の検証用サンプルを作製した。
(4)次に、各検証用サンプルに対して、太陽光シュミレーター(商品名:Q-SUN Xe−1-BC Xenon Test Chamber、Q-LABab Corporation社)を用いて、擬似太陽光を一定時間、具体的には、照射合計時間が、それぞれ0.5hr、1hr、及び3hrとなるように照射した。そして、照射前(照射合計時間:0hr)及び照射後(照射合計時間:0.5hr、1hr、3hr)の各エタノール溶液中におけるアクロレインの濃度を、(株)島津製作所の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて分析し、絶対検量線法により定量した。結果を図3に示す。
なお、分析条件は以下の通りである。
カラム:カプセルパックC18(内径:4.6mm×長さ:250mm、(株)資生堂)
移動相:A液)0.1質量%リン酸水溶液
B液)0.1質量%リン酸を含むアセトニトリル
グラジエントサイクル:A液+B液=100%とし、B液の組成を示す。
B液=0%→20%(0分→10分)
B液=20%→80%(15分→23分)
B液=80%→100%(23分→40分)
B液=100%→0%(41分→65分)
流量:1mL/分
カラム温度:40℃
注入量:20μL
検出波長:210nm
検出器:UV−Vis(紫外可視分光)検出器
また、図3では、擬似太陽光の照射合計時間を、単に「光照射時間」と表記する。
Claims (5)
- (i)〜(vi)を含む透明化粧水。
(i)透明化粧水の全量に対する含有量が2.3質量%〜3.7質量%であるグリセリン
(ii)透明化粧水の全量に対する含有量が2.3質量%〜3.7質量%であるポリエチレングリコール
(iii)アスタキサンチン
(iv)透明化粧水の全量に対する含有量が0.1質量%〜3質量%であり、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、及びそれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物
(v)フェルラ酸
(vi)透明化粧水の全量に対する含有量が50質量%以上である水 - 透明化粧水中における、ポリエチレングリコールの含有量に対するグリセリンの含有量の比率が、質量基準で、0.6〜1.2である請求項1に記載の透明化粧水。
- pHが5.4〜6.0である請求項1又は請求項2に記載の透明化粧水。
- アスタキサンチンが、オキアミ由来のアスタキサンチンである請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の透明化粧水。
- アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、及びそれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物が、アスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸硫酸エステルマグネシウム、アスコルビン酸硫酸エステルナトリウム、及びパルミチン酸アスコルビルリン酸ナトリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の透明化粧水。
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