JP6752313B2 - 透明化粧料 - Google Patents
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Description
しかしながら、アスタキサンチンは自身の安定性向上が望まれており、化粧料にアスタキサンチンを配合する際には、抗酸化剤と併用されることが多い。使用される抗酸化剤としては、アスコルビン酸リン酸塩等のイオン性抗酸化剤が用いられる。
化粧料に粘度を付与する方法としては、静電反発力による増粘機構を有する高分子(カルボマー等)を用いる方法、増粘多糖類を用いる方法、更には、αゲルなどの液晶構造により粘度を上昇させる方法、ナノエマルジョンによる粒子反発力の増大により粘度を上昇させる方法などが知られている。
グリセリンを含む化粧料としては、具体的には、アスタキサンチン、イオン性抗酸化剤、増粘多糖類、及びグリセリンを含むスキンケア用化粧料が知られている(例えば、特許文献1参照)。
一方で、増粘多糖類を含む透明化粧料において、透明度を損なわず、良好な保湿感を得るために一定量以上のグリセリンを含ませると(例えば、増粘多糖類に対し、10質量倍以上のグリセリンを用いると)、この透明化粧料を肌に適用した際に、乾燥時のべたつき感が生じることがある。
以上のことから、特許文献1に記載の、アスタキサンチン、イオン性抗酸化剤、増粘多糖類、及びグリセリンを含むスキンケア用化粧料では、アスタキサンチンの分散安定性に優れるといった効果は奏されるものの、肌に適用した際の乾燥時のべたつき感を抑制することについては改良の余地があった。
<1> アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を透明化粧料全量に対して0.3質量%〜6質量%と、
アスタキサンチンと、
増粘多糖類を透明化粧料全量に対して0.01質量%〜1質量%と、
グリセリンを透明化粧料全量に対して1質量%〜10質量%と、
下記一般式(1)で表される化合物(1)及び下記一般式(2)で表される化合物(2)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物と、を含む透明化粧料。
一般式(2)中、RBは−CH2CH2−を表し、RCは−CH2CH2CH2−を表す。(ORB)の平均付加モル数を表すm及び(ORC)の平均付加モル数を表すnは、各々独立に、0〜200であり、m+nが3〜200である。
なお、上記の透明度(吸光度)を満たすためには、本発明の透明化粧料においては、アスタキサンチンをはじめとする油性成分を水相に分散する乳化粒子として含むことが好ましい。本発明の透明化粧料における油性成分の含有量は、水相に分散する乳化粒子の大きさによって異なるが、上記の吸光度を満たすためには、透明化粧料全量に対して2質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましい。
ここで、本発明における「油性成分」とは、25℃における水への溶解度が0.1質量%以下であり、化粧料の分野で一般に油性成分として使用される成分を意味する。
以上のことから、本発明の透明化粧料は、水を多く(例えば、透明化粧料全量に対して60質量%以上、好ましくは70質量%以上)含む化粧料であることが好ましい。
上記(A)〜(E)の5つの成分を含み、かつ(B)、(C)及び(D)の各成分については特定の含有量で含むことで、本発明の透明化粧料は、アスタキサンチンの安定性に優れ、肌へ適用した際に、肌なじみのよさ及び保湿感を保ったまま、更に、乾燥時のべたつき感を抑制することが可能となる。
上記(E)の成分は、化合物(1)と化合物(2)とに共通するように、分子内に「ポリエチレンオキシド鎖(PEO鎖ともいう)及び/又はポリプロピレンオキシド鎖(PPO鎖ともいう)」を含み、分子末端基として複数の「OH」を含む化合物である。このような構造を有することで、(E)の成分は、透明化粧料中で水を抱え込み易いと考えられる。
増粘多糖類を含む透明化粧料では、増粘多糖類は分子が絡み合った状態で存在することにより増粘する。その増粘多糖類に、水酸基を分子内に多く含むグリセリンがさらに作用することで、乾燥時(水分が減ったとき)のべたつきが強く生じていると推測される。本発明では、PEO鎖を分子内に含む(E)の成分が、この増粘多糖類とグリセリンとの作用を、抑制していると考えられる。本明細書において、「乾燥時のべたつき」あるいは「乾燥時のべたつき感」は、透明化粧料中の水分量が減少した際の、肌で生じるべたつき、あるいは、肌がべたつくと使用者が感じることをいう。
特に、(E)の成分の代わりに、(E)の成分と構造が類似する、多価アルコール(例えば、1,3−ブチレングリコール)、又は、分子内に「ポリエチレンオキシド鎖及び/又はポリプロピレンオキシド鎖」を含むものの分子末端基がアルキル基である化合物(例えば、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル)を用いた場合には、化粧料を肌へ適用した際の乾燥時のべたつき感を抑制し難いことが、本発明者らの検討により判明している。
そのため、(E)の成分は、透明化粧料中での水の抱え込み方、及び、乾燥時(水分が減ったとき)の水の抱え込み方の挙動が、上記の多価アルコールやポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルと異なり、この挙動の差が、肌へ適用した際の乾燥時のべたつき感を効果的に抑制しているものと推測される。
更に、本明細書において透明化粧料中の各成分の量は、透明化粧料中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、透明化粧料中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
本発明において、乳化物を得る際に使用する「水相」とは、溶媒の種類にかかわらず「油相」に対する語として使用する。水相は、水及び水溶性成分から構成される。
ここで、「水溶性成分」とは、25℃における水への溶解度が1質量%以上、つまり、10g/L以上である成分を意味する。
本発明の透明化粧料は、アスタキサンチンを含有する。
アスタキサンチンは、アスタキサンチン及びアスタキサンチンのエステル等の誘導体の少なくとも一方を包含する。本発明では特に断らない限り、これらを総称して「アスタキサンチン」とする。
天然物であるアスタキサンチンとしては、例えば、赤色酵母ファフィア、ヘマトコッカス藻、海洋性細菌(パラコッカス)、オキアミ、アドニス(福寿草)等が挙げられる。また、その培養物からの抽出物を挙げることができる。
アスタキサンチンは、アスタキサンチンを含有する天然物から分離又は抽出物として得られるアスタキサンチン含有油として、本発明の透明化粧料に含まれていてもよい。
アスタキサンチンは、更に、この天然物からの分離又は抽出したものを必要に応じて適宜精製したものでもよく、又は、合成品であってもよい。
アスタキサンチン又はアスタキサンチン含有油としては、ヘマトコッカス藻から抽出されるもの(ヘマトコッカス藻抽出物ともいう。)、及び、オキアミ由来の色素(オキアミ抽出物ともいう。)が、品質又は生産性の点から特に好ましい。
ヘマトコッカス藻抽出物の市販品としては、例えば、富士フイルム(株)のASTOTS(登録商標)−S、ASTOTS(登録商標)−ST、ASTOTS(登録商標)−2.5 O、ASTOTS(登録商標)−5 O、ASTOTS(登録商標)−10 O等(以上、商品名)、富士化学工業(株)のアスタリール(登録商標)オイル50F、アスタリール(登録商標)オイル5F等、東洋酵素化学(株)のBioAstin(登録商標)SCE7等が入手できる。
オキアミ抽出物の市販品としては、(株)マリン大王のアスタックスST(商品名)等が入手できる。
本発明の透明化粧料は、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を、透明化粧料全量に対して0.3質量%〜6質量%の割合で含む。
アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種の化合物は、アスコルビン酸自体の抗酸化能、又は、透明化粧料中で生成するアスコルビン酸の抗酸化能にて、アスタキサンチンを安定化させうる。
ここで、アスコルビン酸誘導体とは、pH、熱、光、酸化、酵素等に起因する分解によってアスコルビン酸が生成する化合物を指す。なお、アスコルビン酸誘導体としては、水溶性であることが好ましい。
また、アスコルビン酸誘導体及びその塩としては、アスコルビン酸リン酸エステル及びその塩、アスコルビン酸硫酸エステル及びその塩、パルミチン酸アスコルビルリン酸エステル及びその塩等が挙げられる。
更に、アスタキサンチンの安定性の向上、増粘多糖類による増粘効果の発現性、経時安定性(経時での着色の抑制)、及び、異臭(カラメル様臭)の発生の抑制の点からは、アスコルビン酸リン酸ナトリウム、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、及びパルミチン酸アスコルビルリン酸ナトリウムからなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、及びそれらの塩からなる群の化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の透明化粧料は、増粘多糖類を透明化粧料全量に対して0.01質量%〜1質量%の範囲で含む。
本発明の透明化粧料において、塩耐性のある増粘多糖類を用いることで、目的とする増粘効果が得られると共に、透明化粧料の透明度も得られる。
ここで、増粘多糖類としては、多糖類及びその誘導体を含む。
本発明で用いられる増粘多糖類は、天然物由来の多糖類及びその誘導体であってもよいし、化学合成により得られた多糖類及びその誘導体であってもよい。天然物由来の多糖類及びその誘導体は、動物系、植物系、及び微生物系に由来する多糖類及びその誘導体に大別され、本発明の透明化粧料には、いずれの多糖類及びその誘導体を用いてもよい。
中でも、化粧品における汎用性の点から、キサンタンガム、アルカリゲネス産生多糖体(アルカシーラン)、ヒドロキシエチルセルロース、グアーガム、及びローカストビーンガムからなる群より選択される1種の多糖類が好ましく、透明化粧料の透明度をより高める(625nmにおける吸光度をより低める)点から、キサンタンガム、アルカリゲネス産生多糖体(アルカシーラン)、及びヒドロキシエチルセルロースからなる群より選択される1種の多糖類がより好ましい。
増粘多糖類は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の透明化粧料は、グリセリンを透明化粧料全量に対して1質量%〜10質量%の範囲で含む。
グリセリンは、自身が透明であることに加え、保水量が多く、肌への適用性にも優れることから、透明化粧料において保湿剤として多用される。
そのため、本発明においては、増粘多糖類に対するグリセリンの含有量は10質量倍以上含まれていてもよく、20質量倍以上含まれていてもよい。なお、べたつき感の抑制の点から、増粘多糖類に対するグリセリンの含有量は、200質量倍以下が好ましい。
本発明の透明化粧料は、一般式(1)で表される化合物(1)及び一般式(2)で表される化合物(2)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含む。
化合物(1)及び化合物(2)は、分子内に、「−CH2CH2−O−(PEO鎖)」及び「−CH2CH2CH2−O−(PPO鎖)」の少なくとも一方を含み、かつ、分子末端基に複数の「OH」を有する化合物である。
このような化合物を用いることで、本発明の透明化粧料は、グリセリンと増粘多糖類とを共存させた際に生じる、肌へ適用した際の乾燥時のべたつき感を抑制しうる。
化合物(1)は、下記一般式(1)で表される化合物であって、メチルグルコシドに、PEO基又はPPO基が付加した化合物である。
また、化合物(1)は市販品を用いてもよく、具体的には、日油(株)製の、マクビオブライド(登録商標)MG−10E、マクビオブライド(登録商標)MG−20E、マクビオブライド(登録商標)MG−10P、マクビオブライド(登録商標)MG−20P、日本ルーブリゾール(株)製のGlucam E−10、Glucam E−20、Glucam P−10、Glucam P−20、日光ケミカルズ(株)製の、NIKKOL(登録商標) BMG−10、NIKKOL(登録商標) BMG−20等が挙げられる。
化合物(2)は、下記一般式(2)で表される化合物である。
この化合物を用いることで、肌へのなじみ感を向上させうる。
また、化合物(2)は市販品を用いてもよく、具体的には、日油(株)製の、PEG#200、PEG#300、PEG#400、PEG#600、PEG#1000、PEG#1500、PEG#1540、PEG#2000、PEG#4000、PEG#6000、ユニオール(登録商標)D−700、ユニオール(登録商標)D−1000、ユニオール(登録商標)D−1200、ユニオール(登録商標)D−2000等が挙げられる。
一方、一般式(1)で表される化合物(1)及び一般式(2)で表される化合物(2)
からなる群より選択される少なくとも1種の化合物の含有量の上限は、肌へ適用した際の油膜感(油っぽい感触が残ってしまうこと)を抑制する観点から、6質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。
特に、乾燥時のべたつき感の抑制の点からは、一般式(1)で表される化合物(1)及び一般式(2)で表される化合物(2)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物の含有量は、透明化粧料全量に対して0.5質量%〜6質量%が好ましく、3質量%〜6質量%がより好ましい。
一般式(1)で表される化合物(1)及び一般式(2)で表される化合物(2)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
中でも、一般式(2)で表される化合物(2)を、2種以上併用することが好ましい。
本発明の透明化粧料は、本発明の効果を損なわない範囲で、上記の成分以外に、必要に応じて、その他の成分を含有していてもよい。
本発明の透明化粧料は、べたつきを抑えつつ、保湿感を向上させる点から、炭素数6以下の2価のアルコールを含むことが好ましい。
炭素数6以下の2価のアルコールとして具体的には、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ペンチレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、ジプロピレングリコール(DPG)等を挙げることができる。肌への刺激性の観点から、1,3−ブチレングリコール、及びジプロピレングリコール(DPG)が好ましい。
炭素数6以下の2価のアルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の透明化粧料は、透明度を得る点から、主成分として水を含むことが好ましい。
ここで用いられる水としては、化粧料に適用しうる水であれば特に制限はなく、精製水、蒸留水、イオン交換水、純水、ミリQ水等の超純水のいずれも使用することができる。
なお、ミリQ水とは、メルク(株)の超純水製造装置であるミリQ水製造装置による得られる超純水である。
水の含有量は、透明化粧料全量に対し、60質量%以上であることが好ましく、70質量%以上がより好ましい。また、良好な保湿感の付与の観点から、水の含有量の上限は、95質量%以下であることが好ましい。
上記の水の含有量は、透明化粧料に含有される水の総含有量を意味し、後述するアスタキサンチン乳化物の調製に用いられる水も含むものである。
本発明の透明化粧料において、前述したように、アスタキサンチンは、水相に分散する乳化粒子に含まれることが好ましい。
特に、製造容易性等の点から、本発明の透明化粧料は、水相にアスタキサンチンを含む乳化粒子(油相)が分散し、かつ、上記の(B)〜(E)の成分を含まない水中油型乳化物(以下、「アスタキサンチン乳化物」と呼ぶことがある。)を含むことが好ましい。
以下、アスタキサンチン乳化物に含まれる成分について説明する。
アスタキサンチン乳化物は、アスタキサンチン以外の油性成分を含むことが好ましい。
油性成分としては、25℃で液体である油性成分であることが好ましい。
本発明において「油性成分」とは、25℃における水への溶解度が0.1質量%未満(1g/L未満)であり、化粧料の分野で一般に油性成分として使用される成分を意味する。
また、25℃で液体とは、融点又は軟化点が25℃未満であることを意味する。
これらの油性成分は、1種のみを用いてもよく、また、2種以上を用いても構わない。
より具体的には、高級脂肪酸と低級(炭素数2以上4以下)アルコールとのエステルとしては、リノール酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、ラノリン脂肪酸イソプロピル等を例示することができる。
高級脂肪酸と中級(炭素数5以上11以下)又は高級(炭素数12以上)アルコールとのエステルとしては、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、オレイン酸オクチルドデシル、パルミチン酸セチル等を例示することができる。
高級脂肪酸と多価アルコールとのエステルとしては、トリミリスチン酸グリセリル、ジオレイン酸プロピレングリコール、トリイソステアリン酸グリセリル等を例示することができる。
オキシ酸と高級アルコールとのエステルとしては、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、リンゴ酸ジイソステアリル等を例示することができる。
環状アルコール脂肪酸エステルとしては、ステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸コレステリル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル等を例示することができる。
アスタキサンチン乳化物は、レシチンを含むことが好ましい。
本発明におけるレシチンとは、グリセリン骨格と脂肪酸残基及びリン酸残基とを必須構成成分とし、これに、塩基や多価アルコール等が結合したものであり、リン脂質とも称されるものである。
レシチンは、分子内に親水基と疎水基を有していることから、従来より、食品、医薬品、化粧品分野で、広く、乳化剤として使用されている。
レシチン純度は、レシチンがトルエンに溶解しやすくアセトンに溶解しない性質を利用して、トルエン不溶物とアセトン可溶物の質量を差し引くことにより求められる。
このようなレシチンの具体例としては、例えば、大豆、トウモロコシ、落花生、ナタネ、麦等の植物や、卵黄、牛等の動物、大腸菌等の微生物などに由来する各種レシチンを挙げることができる。
このようなレシチンを化合物名で示すと、例えば、ホスファチジン酸、ホスファチジルグリセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルメチルエタノールアミン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、ビスホスファチジン酸、ジホスファチジルグリセリン(カルジオリピン)等のグリセロレシチン;スフィンゴミエリン等のスフィンゴレシチン等が挙げられる。
レシチンは、1種単独で用いてもよし、複数種の混合物の形態で用いてもよい。
アスタキサンチン乳化物は、水溶性乳化剤を含むことが好ましい。
ここで、水溶性乳化剤は、アスタキサンチン乳化物の水相を構成する水溶性成分に含まれる。
水溶性乳化剤としては、水への溶解度が1質量%以上(10g/L以上)である乳化剤であれば、特に限定はないが、ノニオン界面活性剤が好ましく、十分な乳化力を得るために、例えば、HLBが10以上、好ましくは12以上のノニオン界面活性剤が好ましい。
ここで、Mwは親水基の分子量、Moは疎水基の分子量である。
また、上記の式からも分かるように、HLBの加成性を利用して、任意のHLB値の乳化剤を得ることができる。
これらのノニオン界面活性剤は、蒸留などで高度に精製されたものであることは必ずしも必要ではなく、反応混合物であってもよい。
ポリグリセリン脂肪酸エステルの好ましい例としては、ヘキサグリセリンモノオレイン酸エステル、ヘキサグリセリンモノステアリン酸エステル、ヘキサグリセリンモノパルミチン酸エステル、ヘキサグリセリンモノミリスチン酸エステル、ヘキサグリセリンモノラウリン酸エステル、デカグリセリンモノオレイン酸エステル、デカグリセリンモノステアリン酸エステル、デカグリセリンモノパルミチン酸エステル、デカグリセリンモノミリスチン酸エステル、デカグリセリンモノラウリン酸エステル等が挙げられる。これらのポリグリセリン脂肪酸エステルを、単独で又は2種以上で用いることができる。
ショ糖脂肪酸エステルの好ましい例としては、ショ糖ジオレイン酸エステル、ショ糖ジステアリン酸エステル、ショ糖ジパルミチン酸エステル、ショ糖ジミリスチン酸エステル、ショ糖ジラウリン酸エステル、ショ糖モノオレイン酸エステル、ショ糖モノステアリン酸エステル、ショ糖モノパルミチン酸エステル、ショ糖モノミリスチン酸エステル、ショ糖モノラウリン酸エステル等が挙げられる。本発明においては、これらのショ糖脂肪酸エステルを、単独で又は2種以上で用いることができる。
アスタキサンチン乳化物は、アスタキサンチンの酸化安定性を向上させる観点から、抗酸化剤を含むことが好ましい。
抗酸化剤としてパルミチン酸レチノールを適用する場合であれば、アスタキサンチン乳化物におけるパルミチン酸レチノールの含有量は、アスタキサンチン乳化物の乳化安定性の観点から、アスタキサンチンの質量に対して、0.1倍量以上100倍量以下であることが好ましく、0.5倍量以上10倍量以下であることがより好ましく、1倍量以上5倍量以下であることが更に好ましい。
アスタキサンチン乳化物は、水を含むことが好ましい。
ここで用いられる水は、透明化粧料に用いてもよい水と同様のものが用いられる。
また、水は水相を構成する成分の1つとなる。
アスタキサンチン乳化物は、水相を構成する水溶性成分の1つとして、多価アルコールを含むことが好ましい。
多価アルコールとしては、グリセリンの他、前述した炭素数6以下の2価のアルコールが挙げられる。
中でも、グリセリンは、アスタキサンチンを含む乳化粒子の平均粒子径を小さくし、且つ、粒子径を小さいまま長期に亘り安定に保持し易くなることから、好ましく用いられる。
アスタキサンチン乳化物において、多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の透明化粧料は、本発明の効果を損なわない範囲で、上記の成分以外に、必要に応じて、添加剤を含有していてもよい。
添加剤としては、通常、化粧料として配合可能な各種の成分を目的に応じて使用することができる。
これらの添加剤は、水溶性成分であってもよいし、油性成分であってもよい。また、水溶性成分は水相に含まれる、油性成分は水相に可溶化する、又は、乳化粒子(油相)中に含まれる形で添加され、化粧料の透明性を維持できる量で添加することが好ましい。
添加剤として用いられる抗炎症剤、美白剤、血行促進剤などの機能性成分、キレート剤、及びpH調整剤としては、以下に示すものが具体例として挙げられる。
本発明に使用できる抗炎症剤としては、グリチルリチン酸及びその塩、グリチルレチン酸及びその塩、アミノカプロン酸、ヒドロコルチゾン、サリチル酸メチル、アラントイン、アズレン、甘草エキス、シコンエキス、アロエエキスなどを挙げることができ、中でも、グリチルリチン酸ジカリウム、サリチル酸メチル、甘草エキス、及びアロエエキスが好ましく、グリチルリチン酸ジカリウムがより好ましい。
本発明に使用できる美白剤としては、トラネキサム酸、トラネキサム酸の二量体、トラネキサム酸のアミド体、トラネキサム酸とハイドロキノンのエステル、トラネキサム酸とゲンチシン酸のエステル、アルブチン、プラセンタエキス、エラグ酸、コウジ酸、ルシノールなどを挙げることができ、トラネキサム酸、アルブチン、エラグ酸、ルシノールなどが好ましい。
本発明に使用できる血行促進剤としては、ニコチン酸アミド、塩化カルプロニウム、及びニコチン酸トコフェロールが挙げられる。
本発明に使用できるキレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エチドロン酸、ポリリン酸、フィチン酸などが挙げられ、添加量によってはpH調整剤としても作用させることができる。
本発明に使用できるpH調整剤としては、クエン酸、乳酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸、リン酸、塩酸、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、乳酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム、リンゴ酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、リン酸ナトリウムなどが挙げられる。
本発明の透明化粧料のpHは、5.0以上7.5以下が好ましく、6.5以上7.5以下であることがより好ましい。
このpH範囲とすることによって、透明化粧料の保存安定性、特に室温(25℃)での保存安定性を良好なものにすることができる。
なお、本発明におけるpHの測定方法は、特に限定されないが、例えば、堀場製作所(株)、D−51型、D−71型(商品名)などを用いて測定でき、25℃にて測定した値が採用される。
ここで、本発明における吸光度の測定方法は、特に限定されないが、測定試料を入れた1cm光路長セルを用いて、例えば、(株)日立製作所製の分光硬度計U−3310などを用いて測定した値が採用される。
ここで、本発明における粘度の測定方法は、特に限定されないが、例えば、BL型粘度計(M2ロータ)を用いて、ロータ回転数60rpmで30秒間撹拌して測定される値が採用される。BL型粘度計としては、例えば、東機産業(株)のVISCOMETER TVB−10等を好適に用いることができる。
本発明の透明化粧料は、上記の(A)〜(E)の各成分を含み、かつ(B)〜(D)の各成分については特定の含有量で含んでいれば、特にその形態が制限されないが、アスタキサンチンを系中で安定に含有させる点、及び、透明度を得る点から、アスタキサンチンを含む乳化粒子を有する形態が好ましい。
本発明における透明化粧料は、目的とする形態に応じて製造方法を選択することができる。
例えば、本発明の透明化粧料が、アスタキサンチンを含む乳化粒子を有する場合、まず、水相にアスタキサンチンを含む乳化粒子(油相)が分散し、かつ、上記の(B)〜(E)の成分を含まない水中油型乳化物(アスタキサンチン乳化物)を調製した後、調製されたアスタキサンチン乳化物と、上記の(B)〜(E)の成分を含むその他の成分と、を混合する方法を用いることが好ましい。
アスタキサンチン乳化物は、アスタキサンチンを含む油相組成物と、水相組成物と、を混合し、常法により乳化することを含む製造方法により、製造される。
本発明においては、油相組成物中に、アスタキサンチンと共に、アスタキサンチン以外の油性成分及びレシチンが含まれることが好ましい。
一方、水相組成物中には、水、水溶性乳化剤、及び多価アルコールが含まれることが好ましい。
例えば、a)水、多価アルコール、及び水溶性乳化剤を混合し溶解して、水相組成物を得る、b)アスタキサンチン、アスタキサンチン以外の油性成分、及びレシチンを混合し溶解して、油相組成物を得る、そして、c)撹拌下で水相組成物と油相組成物とを混合して、乳化分散を行う。
均質バルブ型高圧ホモジナイザーは、処理液の流路の幅を容易に調節することができるので、操作時の圧力及び流量を任意に設定することができ、その操作範囲が広いため、本発明において好ましく用いることができる。
操作の自由度は低いが、圧力を高める機構が作りやすいため、超高圧を必要とする用途にはチャンバー型高圧ホモジナイザーも好適に用いることができる。
均質バルブ型高圧ホモジナイザーとしては、ゴーリンタイプホモジナイザー(APV社製)、ラニエタイプホモジナイザー(ラニエ社製)、高圧ホモジナイザー(ニロ・ソアビ社製)、ホモゲナイザー(三和機械(株)製)、高圧ホモゲナイザー(イズミフードマシナリ(株)製)、超高圧ホモジナイザー(イカ社製)等が挙げられる。
乳化分散された乳化物は、チャンバー通過直後30秒以内、好ましくは3秒以内に何らかの冷却器を通して冷却することが、乳化粒子の粒子径保持の観点から好ましい。
下記の成分を、70℃で1時間加熱し、溶解させることにより、水相組成物A1を得た。
−水相組成物A1の組成−
・ショ糖ステアリン酸エステル(HLB=16) 33.0g
・モノオレイン酸デカグリセリル(HLB=12) 67.0g
・グリセリン 450.0g
・純水 300.0g
−油相組成物A1の組成−
・アスタキサンチン含有油 50.0g
(ヘマトコッカス藻抽出物、ASTOT(登録商標)−S、富士フイルム(株)、アスタキサンチン20質量%含有)
・ミックストコフェロール 32.0g
(理研Eオイル800、理研ビタミン(株))
・中鎖脂肪酸グリセライド 58.0g
(ココナード(登録商標)MT、花王(株))
・レシチン 10.0g
(レシオン(登録商標)P、大豆由来、理研ビタミン(株))
次いで、得られた粗乳化物を約40℃まで冷却し、超高圧乳化装置(機種名:アルティマイザーHJP−25005、(株)スギノマシン)を用いて、200MPaの圧力で高圧乳化を行った。その後、平均孔径1μmのミクロフィルターを用いてろ過を行い、アスタキサンチン乳化物A1(アスタキサンチン含有率:0.3質量%)を得た。
下記の成分を、70℃で1時間加熱し、溶解させることにより、水相組成物A2を得た。
−水相組成物A2の組成−
・ショ糖ステアリン酸エステル(HLB=16) 33.0g
・モノオレイン酸デカグリセリル(HLB=12) 67.0g
・グリセリン 450.0g
・純水 300.0g
−油相組成物A2の組成−
・アスタキサンチン含有油 37.5g
(ヘマトコッカス藻抽出物、ASTOT(登録商標)−S、富士フイルム(株)、アスタキサンチン20質量%含有)
・ミックストコフェロール 9.6g
(理研Eオイル800、理研ビタミン(株))
・中鎖脂肪酸グリセライド 56.9g
(ココナード(登録商標)MT、花王(株))
・レシチン 10.0g
(レシオン(登録商標)P、大豆由来、理研ビタミン(株))
・パルミチン酸レチノール 36.0g
(理研Aパルミテート1000(E)(「理研」は登録商標)、理研ビタミン(株))
次いで、得られた粗乳化物を約40℃まで冷却し、超高圧乳化装置(機種名:アルティマイザーHJP−25005、(株)スギノマシン)を用いて、200MPaの圧力で高圧乳化を行った。その後、平均孔径1μmのミクロフィルターを用いてろ過を行い、アスタキサンチン乳化物A2(アスタキサンチン含有率:0.3質量%)を得た。
下記の成分を、150℃のホットプレート上にて攪拌しながら5分間加熱混合して、油相組成物Bを得た。
−油相組成物Bの組成−
・トマトオレオレジン 0.21g
(商品名:Lyc−O−Mato 80%(リコピン:80質量%含有)、LYCORED)
・ミックストコフェロール 0.6g
(理研Eオイル800、理研ビタミン(株))
・ミリスチン酸オクチルドデシル 13.9g
(商品名:NIKKOL ODM−100、日光ケミカルズ)
・モノステアリン酸ポリグリセリル 0.3g
(商品名:NIKKOL DGMS、日光ケミカルズ)
−水相組成物Bの組成−
・モノミリスチン酸デカグリセリル 10.0g
(商品名:NIKKOL Decaglyn 1−M、日光ケミカルズ(株))
・グリセリン 45.0g
・純水 100gまでの残量
次いで、得られた粗乳化物を、更に超高圧乳化装置(機種名:アルティマイザーHJP−25005、(株)スギノマシン)を用いて、200MPaの圧力で高圧乳化を行い、リコピン含有乳化組成物(リコピン含有率:0.17質量%)を得た。
下記表1に記載の成分(アスタキサンチン乳化物及びリコピン乳化物を含む)を、下記表1に記載の量で用いて混合し、比較例A1、実施例A1、及び実施例A2の透明化粧料を調製した。
−アスタキサンチンの安定性−
得られた各透明化粧料を60℃で2週間暗所保管し、保管前のアスタキサンチンの量を100%としたときの、保管後のアスタキサンチンの残存量を求めた。
透明化粧料中のアスタキサンチンの量は、(株)島津製作所の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて分析し、絶対検量線法により定量した。
分析条件は以下の通りである。
カラム:カプセルパックC8(内径:4.6mm×長さ:150mm、(株)資生堂)
移動相:A液)メタノール:水=75:25、B液)メタノール=100
グラジエントサイクル:A液+B液=100%とし、B液の組成を示す。
B液=20%→100%(0分→15分)
B液=100%→100%(15分→20分)
B液=100%→20%(20分→21分)
B液=20%→20%(21分→30分)
流量:1mL/分
カラム温度:40℃
注入量:1μL
検出波長:470nm
G1:アスタキサンチンの残存量が90%以上
G2:アスタキサンチンの残存量が80%以上90%未満
G3:アスタキサンチンの残存量が80%未満
透明化粧料を肌に適用した際の、肌へのなじみ感、保湿感、及び乾燥時のべたつき感について、化粧料評価の専門家10人(以下、「評価者」ともいう。)による評価を受けた。評価は、各透明化粧料50μLを、上腕内側に適用し、下記評価指標に基づいて行った。結果を表1に示す。
肌が化粧料をはじいてしまい肌へのなじみ感が悪いと感じた場合には「1」点と評価し、肌へのなじみがよい感じた場合には「2」点と評価し、肌へのなじみがよく、なじみが早いと感じた場合には「3」点と評価した。
各評価者の素点を平均し、得られた平均値から、下記評価指標に基づいて肌へのなじみ感を評価した。
評価指標
G1:2.2以上
G2:1.8以上2.2未満
G3:1.8未満
保湿感が足りないと感じた場合には「1」点と評価し、保湿感があると感じた場合には「2」点と評価し、保湿感が高いと感じた場合には「3」点と評価した。
各評価者の素点を平均し、得られた平均値から、下記評価指標に基づいて保湿感を評価した。
評価指標
G1:2.2以上
G2:1.8以上2.2未満
G3:1.8未満
乾燥時にべたつくと感じた場合には「1」点と評価し、乾燥時のべたつき感が少ないと感じた場合には「2」点と評価し、乾燥時にべたつかないと感じた場合には「3」点と評価した。
各評価者の素点を平均し、得られた平均値から、下記評価指標に基づいて乾燥時のべたつき感を評価した。
評価指標
G1:2.2以上
G2:1.8以上2.2未満
G3:1.5以上1.8未満
G4:1.5未満
評価者の上腕内側に各透明化粧料20μLを試験液として塗布し、塗布部のタック性について、静動摩擦測定機(トライボマスター、Type:TL−201Ts、(株)トリニティーラボ)を用いて、垂直応力を測定することで評価した。
具体的には、接触子と肌の間に試験液を20μL滴下し、静動摩擦測定機の駆動ユニットを垂直方向に摺動させ、1サイクル目を測定開始とし、接触子と塗布部との接触サイクルスピードを4sec/cycl(サイクル)にし、接触子を引き上げた際の垂直応力(タック性)を経時測定した。また、垂直応力の測定データの採取頻度は200msecとした。
ここで、測定データを平滑化するために、1サイクルにおける垂直応力の最大値を抽出し、連続7サイクル毎の平均値を経過時間順にプロットした結果を図1に示す。
比較例A1、実施例A1、及び実施例A2のいずれの透明化粧料であっても、測定開始から600秒経過後の透明化粧料は、完全に乾燥しないことを確認した。そのため、測定開始から600秒経過するまでの垂直応力を測定することで、肌の上での透明化粧料の乾燥時のべたつき(タック性)を確認することができると考えられる。
また、測定開始から400秒〜600秒経過後における垂直応力の平均値が20gf以下であると、乾燥時のベタツキ感の観点から好ましいサンプルであるため、測定開始から400秒〜600秒経過後における垂直応力の平均値が20gf以下であれば、乾燥時のべたつき感がないと判断した。
表1には、測定開始から400秒〜600秒経過後における垂直応力の平均値をタック性の評価結果として記載した。表1中、タック性の評価は、タック性(400s〜600s平均)と示す。
各透明化粧料の波長625nmにおける吸光度を、以下のようにして測定した。
透明化粧料2mLを1cm光路長セルに入れ、この1cm光路長セルを用い、(株)日立製作所製の分光光度計U−3310にて、625nmにおける吸光度を計測した。なお、計測は25℃にて行った。結果を表1に示す。
各透明化粧料の25℃における粘度を、BL型粘度計(M2ロータ)を用いて、ロータ回転数60rpmで30秒間撹拌して測定した。BL型粘度計としては、東機産業(株)のVISCOMETER TVB−10を使用した。結果を表1に示す。
また、実施例A1及び実施例A2の透明化粧料は、タック性の評価結果が20gf以下であり、この評価結果と乾燥時のべたつき感の評価結果(専門家による官能評価)とが相関していることが分かる。
下記表2〜表5に記載の成分(アスタキサンチン乳化物A1を含む)を、下記表2〜表5に記載の量で用いて混合し、実施例B1〜実施例B23及び比較例B1〜比較例B5の透明化粧料を調製した。
なお、下記表2及び表4に記載の実施例B1は、他の実施例及び比較例との比較のため記載したものであって、表2に記載の実施例B1と同じものである。
「アスタキサンチンの安定性」、「肌に適用した際の、肌へのなじみ感、保湿感、及び乾燥時のべたつき感」、「波長625nmのおける吸光度」、並びに「粘度」について、前述した方法と同じ方法で評価した。
評価結果を表2〜表5に併せて示す。
実施例B1の透明化粧料は、(A)〜(D)の成分を含んでいるものの、(E)の成分を含まない比較例B1の透明化粧料に比べて、(E)の成分の添加効果により、乾燥時のべたつき感が抑制されていることが分かる。
比較例B5の透明化粧料は、実施例B1〜B23と同様に、(A)〜(E)の成分を含んでいるものの、(D)の成分であるグリセリンが多すぎることで、(E)の成分を含んでいても、乾燥時のべたつき感を抑制することができないことが分かる。
実施例B1、実施例B9、実施例B10、及び実施例B11の透明化粧料を比較すると、アスタキサンチンの安定化には、アスコルビン酸硫酸ナトリウムよりも、アスコルビン酸リン酸ナトリウム、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、及びパルミチン酸アスコルビルリン酸ナトリウムが好ましいことが分かる。
実施例B17〜実施例B22の透明化粧料を比較すると、常温で固形のPEG−32及びPEG−75を用いることで、肌へのなじみ感に優れることが分かる。
また、実施例B23の透明化粧料は、(E)の成分であるPEG−6及びPEG−32の働きにより乾燥時のべたつき感は抑制されているものの、実施例B1〜実施例B22の透明化粧料に比べて、油っぽい感触が残ってしまい、油膜感を感じてしまうことがある。
・アスコルビン酸リン酸マグネシウム:日光ケミカルズ(株)
・アスコルビン酸リン酸ナトリウム:昭和電工(株)
・パルミチン酸アスコルビルリン酸ナトリウム:昭和電工(株)
・アスコルビン酸硫酸ナトリウム:和光純薬工業(株)
・メチルグルセス−10:マクビオブライド(登録商標)MG−10E、日油(株)
・メチルグルセス−20:マクビオブライド(登録商標)MG−20E、日油(株)
・PEG−6:PEG#300、日油(株)
・PEG−8:PEG#400、日油(株)
・PEG−32:PEG#1540、日油(株)
・PEG−75:PEG#4000、日油(株)
下記組成を有する化粧水を、常法により調製した(全量は100質量%である)。
〔組成〕 〔含有量(質量%)〕
・キサンタンガム 0.05
・PEG−6 1.0
・PEG−32 3.0
・ポリオキシエチレンメチルグルコシド 1.0
・アスタキサンチン乳化物A2 0.03
[既述の方法で調製したアスタキサンチン乳化物A2]
・リン酸−L−アスコルビルマグネシウム 1.0
・グリチルリチン酸ジカリウム 1.0
・ジプロピレングリコール 6.0
・1,3−ブチレングリコール 4.0
・ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60E.O.) 0.2
・フェノキシエタノール 0.3
・ペンチレングリコール 2.0
・N−アセチル−L−ヒドロキシプロリン 1.0
・水溶性コラーゲン 1.0
・加水分解コラーゲン 1.0
・リコピン乳化物[既述の方法で調製したリコピン乳化物] 0.1
・ヒアルロン酸ナトリウム 0.2
・グルコシルルチン 0.05
・クエン酸 1.0
・クエン酸ナトリウム 適量
・水 残量
下記組成を有する美容液を、常法により調製した(全量は100質量%である)。
〔組成〕 〔含有量(質量%)〕
・メチルグルセス−10 1.0
・PEG−6 1.0
・PEG−75 1.5
・アルカリネゲス レータスB−16ポリマー(アルカシーラン) 0.05
・キサンタンガム 0.08
・リン酸−L−アスコルビルマグネシウム 0.06
・パルミチン酸アスコルビルリン酸ナトリウム 0.04
・アスタキサンチン乳化物A2 0.2
[既述の方法で調製したアスタキサンチン乳化物A2]
・グリチルリチン酸ジカリウム 1.0
・ジプロピレングリコール 4.0
・グリセリン 5.0
・ジグリセリン 2.0
・1,2−ペンタンジオール 2.0
・フェノキシエタノール 0.5
・パラオキシ安息香酸メチル 0.1
・ポリオキシエチレンフィトステロール
(NIKKOL BPS−20:日光ケミカルズ社製) 0.03
・ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60E.O.) 0.2
・クエン酸 1.0
・クエン酸ナトリウム 適量
・N−アセチル−L−ヒドロキシプロリン 1.0
・水溶性コラーゲン 1.0
・加水分解コラーゲン 1.0
・リコピン乳化物[既述の方法で調製したリコピン乳化物] 0.2
・水 残量
Claims (8)
- アスタキサンチンと、
アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を透明化粧料全量に対して0.3質量%〜6質量%と、
増粘多糖類を透明化粧料全量に対して0.03質量%〜0.5質量%と、
グリセリンを透明化粧料全量に対して1質量%〜6質量%と、
下記一般式(2)で表される化合物(2)を透明化粧料全量に対して3.0質量%〜10質量%と、を含み、
増粘多糖類は、キサンタンガム、アルカシーラン、及びヒドロキシエチルセルロースからなる群より選択される少なくとも1種の多糖類である、
透明化粧料。
一般式(2)中、RBは−CH2CH2−を表し、RCは−CH2CH2CH2−を表す。(ORB)の平均付加モル数を表すm及び(ORC)の平均付加モル数を表すnは、各々独立に、0〜100であり、m+nが3〜100である。 - 一般式(2)で表される化合物(2)を透明化粧料全量に対して3.0質量%〜6質量%含む請求項1に記載の透明化粧料。
- 化合物(2)が、一般式(2)におけるm+nが6〜75である化合物である請求項1又は請求項2に記載の透明化粧料。
- 化合物(2)を2種類以上含む、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の透明化粧料。
- 化合物(2)が、一般式(2)において、nが0であり、かつ、mが6〜75である化合物を含む、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の透明化粧料。
- 化合物(2)が、一般式(2)において、nが0であり、かつ、mが32〜75である化合物を含む、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の透明化粧料。
- アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種の化合物が、アスコルビン酸リン酸ナトリウム、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、及びパルミチン酸アスコルビルリン酸ナトリウムからなる群より選択される少なくとも1種の化合物である請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の透明化粧料。
- さらに、炭素数が6以下の2価のアルコールを透明化粧料全量に対して3質量%〜20質量%含む請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の透明化粧料。
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