JP2013173695A - 皮膚外用剤 - Google Patents

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文 楠田
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Abstract

【課題】経時安定性に優れた皮膚外用剤の提供。
【解決手段】下記成分I:リコピンと、下記成分II:亜硫酸、次亜硫酸、亜硫酸水素及びこれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも一種と、を含有する皮膚外用剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、皮膚外用剤に関する。
リコピンは植物中に分布する脂溶性のカロチノイド色素である。近年の研究ではリコピンには、活性酸素消去作用(非特許文献1)、発ガン抑制作用(特許文献1)などの有用な活性を示すことが報告されている。そのため、内服剤及び外用剤の両面からその活用が期待されている。
一方、カロチノイド色素は光や熱などによって容易に酸化されることが知られており、カロチノイド色素を安定化する方法が種々検討されている。例えば、カロチノイド色素の一種であるアスタキサンチンと、アスコルビン酸やトコフェロールとを併用することが知られている(例えば、特許文献2参照)。また、アスタキサンチンと、δ−トコフェロール及びジブチルヒドロキシトルエン(特許文献3)とを併用することなどが行われている。
Archives of Biochemistry and Biophysics Volume 274, Issue 2, 1 November 1989, p.532−538
特表2009−511570号公報 特開2008−179632号公報 特開2008−100991号公報
しかしながら、リコピンはアスタキサンチンに比べて不安定であり、特許文献2及び特許文献3に記載の方法では、リコピン含有製剤を十分に安定化させることが難しい場合があり、更なる改良が求められている。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、経時安定性に優れたリコピン含有皮膚外用剤を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための手段は、以下の通りである。
[1] 下記成分Iと、下記成分IIとを含有する皮膚外用剤。
成分I:リコピン
成分II:亜硫酸、次亜硫酸、亜硫酸水素及びこれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも一種
[2] 前記成分IIの総質量が、皮膚外用剤の全質量に対して、0.0001質量%〜3.0質量%である[1]に記載の皮膚外用剤。
[3] 前記成分IIが、次亜硫酸ナトリウムを含む[1]又は[2]に記載の皮膚外用剤。
[4] 前記成分IIが、亜硫酸ナトリウムを含む[1]又は[2]に記載の皮膚外用剤。
[5] 前記成分IIが、亜硫酸水素ナトリウムを含む[1]又は[2]に記載の皮膚外用剤。
本発明によれば、経時安定性に優れたリコピン含有皮膚外用剤を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
なお、本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
本発明において「水相」とは、溶媒の種類にかかわらず「油相」に対する語として使用する。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても本工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。
本発明において、組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
[皮膚外用剤]
本発明の皮膚外用剤は、成分Iと成分IIとを含有する皮膚外用剤である。本発明において、成分Iはリコピンであり、成分IIは亜硫酸、次亜硫酸、亜硫酸水素及びこれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも一種である。
本発明の皮膚外用剤は、成分Iと、成分IIとを組み合わせたことにより、皮膚外用剤に含有されるリコピンの経時安定性を向上させることができる。
本発明において「経時安定性」とは、皮膚外用剤を調製した後、経時によって組成物の安定性が損なわれずに持続することを意味する。
以下、本発明の皮膚外用剤に含有される各成分について詳細に説明する。
<成分I;リコピン>
本発明におけるリコピン(場合によって、「リコペン(lycopene)」と称される場合がある。)は、化学式C4056(分子量536.87)で表されるカロチノイドであり、カロチノイドの一種カロチン類に属し、474nm(アセトン)に吸収極大を示す赤色色素である。
リコピンには、分子中央の共役二重結合のcis−、trans−の異性体も存在し、例えば、全trans−、9−cis体と13−cis体などが挙げられるが、本発明においては、これらのいずれであってもよい。
リコピンはそれを含有する天然物から分離・抽出されたリコピン含有オイルやリコピン含有ペーストとして、本発明の皮膚外用剤に含まれていてもよい。
リコピンは、天然においてはトマト、柿、スイカ、ピンクグレープフルーツに含まれており、上記のリコピン含有オイルはこれらの天然物から分離・抽出されたものであってもよい。製品での形態は、オイルタイプ、乳化液タイプ、ペーストタイプ、粉末タイプの4種類が知られている。
また、本発明で用いられるリコピンは、前記抽出物、また、更にこの抽出物を必要に応じて適宜精製したものでもよく、また、合成品であってもよい。
本発明におけるリコピンの特に好ましい形態の一つとしては、トマトパルプから抽出された脂溶性抽出物が挙げられる。該トマトパルプから抽出された脂溶性抽出物は、当該脂溶性抽出物を含む組成物中における安定性、品質、生産性の点から特に好ましい。
ここで、トマトパルプから抽出された脂溶性抽出物とは、トマトを粉砕して得られた粉砕物を遠心分離して得られたパルプ状の固形物から、油性溶剤を用いて抽出された抽出物を意味する。
脂溶性抽出物であるリコピンとしては、リコピン含有オイル又はペーストとして広く市販されているトマト抽出物を用いることができ、例えば、サンブライト(株)より販売されているLyc−O−Mato 15%、Lyc−O−Mato 6%、協和発酵工業(株)より販売されているリコピン18等が挙げられる。
本発明の皮膚外用剤におけるリコピンの含有量は、剤型によって異なるが、皮膚外用剤の全質量に対して、0.00001質量%〜5質量%であることが好ましく、0.00001質量%〜0.5質量%であることがより好ましく、0.00001質量%〜0.05質量%であることが更に好ましい。
<成分II;亜硫酸、次亜硫酸、亜硫酸水素及びこれらの塩>
本発明の皮膚外用剤は、成分IIとして、亜硫酸、次亜硫酸、亜硫酸水素及びこれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも一種を含有する。これにより、本発明の皮膚外用剤は、経時安定性に優れる。
本発明における亜硫酸の塩としては、亜硫酸イオンを含んでいれば有機塩又は無機塩のいずれであってもよく、例えば亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸アンモニウム、亜硫酸カルシウム等の無機塩が挙げられる。
中でも、溶解性及び皮膚外用剤における使用実績の観点より、本発明における亜硫酸の塩としては、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム又は亜硫酸アンモニウムが好ましく、亜硫酸ナトリウムがより好ましい。
本発明における皮膚外用剤における、亜硫酸又は亜硫酸の塩の含有量としては、皮膚外用剤の全質量に対して、0.00002質量%〜0.6質量%であることが好ましく、0.0002質量%〜0.4質量%であることがより好ましく、0.002質量%〜0.2質量%であることがさらに好ましい。
本発明における次亜硫酸の塩としては、次亜硫酸イオンを含んでいれば有機塩又は無機塩のいずれであってもよく、例えば次亜硫酸ナトリウム、次亜硫酸カルシウム、次亜硫酸亜鉛、次亜硫酸アンモニウム、次亜硫酸マグネシウム、次亜硫酸カリウム等の無機塩が挙げられる。中でも、溶解性及び皮膚外用剤における使用実績の観点より、本発明における次亜硫酸の塩としては、次亜硫酸ナトリウム、次亜硫酸カリウムが好ましく、次亜硫酸ナトリウムがより好ましい。
本発明における皮膚外用剤における、次亜硫酸又は次亜硫酸の塩の含有量としては、皮膚外用剤の全質量に対して、0.0001質量%〜3.0質量%であることが好ましく、0.001質量%〜2.0質量%であることがより好ましく、0.01質量%〜1.0質量%であることがさらに好ましい。
本発明における亜硫酸水素の塩としては、亜硫酸水素イオンを含んでいれば有機塩又は無機塩のいずれであってもよく、例えば亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、亜硫酸水素アンモニウム等の無機塩が挙げられる。中でも、溶解性及び皮膚外用剤における使用実績の観点より、本発明における亜硫酸水素の塩としては、亜硫酸水素ナトリウム又は亜硫酸水素アンモニウムが好ましく、亜硫酸水素ナトリウムがより好ましい。
本発明における皮膚外用剤における、亜硫酸水素又は亜硫酸水素の塩の含有量としては、皮膚外用剤の全質量に対して、0.0001質量%〜3.0質量%であることが好ましく、0.0002質量%〜0.4質量%であることがより好ましく、0.01質量%〜1.0質量%であることがさらに好ましい。
前記成分IIの中でも、溶解性及び皮膚外用剤における使用実績の観点より、次亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸カリウム、及び/又は次亜硫酸カリウムが好ましく、次亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、及び/又は亜硫酸水素ナトリウムがより好ましい。また、前記成分IIとして、実質的に、次亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、及び亜硫酸水素ナトリウムの群から選ばれる一つからなることが好ましい。
前記成分IIの総質量は、製剤とした場合のリコピンの経時安定性向上の観点より、皮膚外用剤の全質量に対して、0.0001質量%〜3.0質量%とすることが好ましい。
前記成分IIの総質量が3.0質量%より多いと乳化破壊を引き起こす傾向があり、0.0001質量%未満とすることにより十分な効果が得られない傾向がある。
また、0.001質量%〜2質量%であることがより好ましく、0.005質量%〜1質量%であることがさらに好ましい。
<他の成分>
本発明の皮膚外用剤には、その形態、目的などに応じて、前記リコピン及び前記特定還元剤以外の他の成分を適宜選択して含有することができる。他の成分の好適な例としては、例えば、機能性油性成分、界面活性剤、リン脂質、その他の添加成分などが挙げられる。
(機能性油性成分)
機能性油性成分としては、水性媒体に溶解せず、油性媒体に溶解する油溶性成分であれば、特に限定はなく、目的に応じた物性や機能性を有するものを適宜選択して使用することができる。該他の油性成分としては、通常、紫外線吸収剤、抗炎症剤、保湿剤、毛髪保護剤、美白剤、抗シミ剤、細胞賦活剤、エモリエント剤、角質溶解剤、帯電防止剤、脂溶性ビタミン類、メタボリックシンドローム改善剤、降圧剤、鎮静剤などとして使用されているものが挙げられる。
ここで、機能性油性成分とは、生物体内に存在した場合に生体において所望の生理学的作用の発揮が期待され得る油性成分を意味する。
機能性油性成分の例としては、天然型セラミド類、スフィンゴ糖脂質などの糖修飾セラミドなどセラミド及びセラミド類縁体を含むセラミド類、オリーブ油、ツバキ油、マカデミアナッツ油、ヒマシ油、ココナッツ油などの油脂類;流動パラフィン、パラフィン、ワセリン、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、スクワランなどの炭化水素;カルナウバロウ、キャンデリラロウ、ホホバ油、ミツロウ、ラノリンなどのロウ類;ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸2−オクチルドデシル、2−エチルヘキサン酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリルなどのエステル類;パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸などの脂肪酸類;セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノールなどの高級アルコール類;メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンなどのシリコーン油;グリセリンの脂肪酸エステル類;ビタミンE(トコフェロール)類、ビタミンA類、ビタミンD類等の脂溶性ビタミン;その他、高分子類、リコピン以外の他のカロチノイド類(アスタキサンチン等)などの油溶性色素類、油溶性蛋白質などを挙げることができる。また、それらの混合物である各種の植物由来油、動物由来油も含まれる。
(界面活性剤)
本発明の皮膚外用剤は、界面活性剤を1種又は2種以上含有してもよい。該界面活性剤は、本発明の皮膚外用剤を乳化組成物として構成する場合などにおいて、乳化剤として機能しうる成分である。
本発明に適用しうる界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤(以下、「ノニオン性界面活性剤」ともいう)のいずれであってもよい。
また、本発明における界面活性剤としては、乳化力の観点から、HLBが10以上であることが好ましく、12以上が更に好ましい。HLBが低すぎると、乳化力が不十分となることがある。なお、抑泡効果の観点からHLB=5以上10未満の界面活性剤を併用してもよい。
ここで、HLBは、通常界面活性剤の分野で使用される親水性−疎水性のバランスで、通常用いる計算式、例えば川上式等が使用できる。川上式を次に示す。
HLB=7+11.7log(M/M
ここで、Mは親水基の分子量、Mは疎水基の分子量である。
また、カタログ等に記載されているHLBの数値を使用してもよい。
また、上記の式からも分かるように、HLBの加成性を利用して、任意のHLB値の乳化剤を得ることができる。
界面活性剤の中でも、低刺激性であること、環境への影響が少ないこと等から、非イオン性界面活性剤が好ましい。非イオン性界面活性剤の例としては、単糖又は多糖の脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどが挙げられる。これらの中でも、単糖又は多糖の脂肪酸エステル、及びポリグリセリン脂肪酸エステルから選択された少なくとも1種を好適に用いることができる。
前記単糖又は多糖の脂肪酸エステルを構成する単糖又は多糖としては、グルコース、ショ糖などが挙げられる。
前記単糖又は多糖の脂肪酸エステルとしては、単糖又は多糖と炭素数6〜22の直鎖又は分岐を有する脂肪酸とのエステル体がより好ましい。安定性の高い皮膚外用剤作製の観点から、ショ糖ミリスチン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖オレイン酸エステルがさらに好ましく、ショ糖ステアリン酸エステルが最も好ましい。
前記ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、重合度が2以上のポリグリセリンと炭素数6〜22の直鎖又は分岐を有する脂肪酸とのエステル体がより好ましい。
前記ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、安定性の高い皮膚外用剤作製の観点から、ラウリン酸ポリグリセリル−6、ミリスチン酸ポリグリセリル−6、ステアリン酸ポリグリセリル−6、オレイン酸ポリグリセリル−6、ラウリン酸ポリグリセリル−10、ミリスチン酸ポリグリセリル−10、ステアリン酸ポリグリセリル−10、モノオレイン酸デカグリセリル、オレイン酸ポリグリセリル−10がさらに好ましい。また、モノオレイン酸デカグリセリル、オレイン酸デカグリセリル-10が最も好ましい。
(リン脂質)
更に、本発明の皮膚外用剤は、レシチンなどのリン脂質を含有してもよい。該リン脂質は、本発明の皮膚外用剤を乳化組成物として構成する場合などにおいて、乳化剤として機能しうる成分である。
本発明に用いうるリン脂質は、グリセリン骨格と脂肪酸残基及びリン酸残基を含み、これに、塩基や多価アルコール等が結合したもので、レシチンとも称されるものである。リン脂質は、分子内に親水基と疎水基を有しているため、従来から、食品、医薬品、化粧品分野で、広く乳化剤として使用されている。
産業的にはレシチン純度60%以上のものがレシチンとして利用されており、本発明でも利用できるが、微細な油滴粒径の形成及び機能性油性成分の安定性の観点から、好ましくは一般に高純度レシチンと称されるものであり、これはレシチン純度が80%以上、より好ましくは90%以上のものである。
リン脂質としては、植物、動物及び微生物の生体から抽出分離された従来公知の各種のものを挙げることができる。
このようなリン脂質の具体例としては、例えば、大豆、トウモロコシ、落花生、ナタネ、麦等の植物や、卵黄、牛等の動物及び大腸菌等の微生物等から由来する各種レシチンを挙げることができ、中でも卵黄由来のレシチン又は大豆由来のレシチンが好ましく、大豆由来のレシチンがより好ましい。
このようなレシチンを化合物名で例示すると、ホスファチジン酸、ホスファチジルグリセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルメチルエタノールアミン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、ビスホスアチジン酸、ジホスファチジルグリセリン(カルジオリピン)、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、リゾホスファチジルコリン等のグリセロレシチン;スフィンゴミエリン等のスフィンゴレシチン等を挙げることができる。
また、本発明においては、上記の高純度レシチン以外にも、水素添加レシチン、酵素分解レシチン、酵素分解水素添加レシチン、ヒドロキシレシチン等を使用することができる。本発明で用いることができるこれらのレシチンは、単独又は複数種の混合物の形態で用いることができる。
(その他の添加成分)
上記成分の他、食品、化粧品等の分野において通常用いられる添加成分を、本発明の皮膚外用剤に、その形態に応じて適宜含有させてもよい。
他の添加成分は、その特性によって、油溶性又は水溶性の添加成分として、本発明の皮膚外用剤に含有させることができる。
例えば、その他の添加成分としては、グリセリン、1,3−ブチレングリコール等の多価アルコール;カッパーカラギーナン、ローカストビーンガム、グアーガム、ヒドロキシプロピルグアガム、キサンタンガム、カラヤガム、タマリンド種子多糖、アラビアガム、トラガカントガム、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、デキストリン等の単糖類又は多糖類;ソルビトール、マンニトール、マルチトール、ラクトース、マルトトリイトール、キシリトールなどの糖アルコール;塩化ナトリウム、硫酸ナトリウムなどの無機塩;カゼイン、アルブミン、メチル化コラーゲン、加水分解コラーゲン、水溶性コラーゲン、ゼラチン等の分子量5000超のタンパク質;グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、スレオニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、シスチン、メチオニン、リジン、ヒドロキシリジン、アルギニン、ヒスチジン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、プロリン、ヒドロキシプロリン、アセチルヒドロキシプロリン等のアミノ酸及びそれらの誘導体;カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、酸化エチレン・酸化プロピレンブロック共重合体等の合成高分子;ヒドロキシエチルセルロース・メチルセルロース等の水溶性セルロース誘導体;フラボノイド類(カテキン、アントシアニン、フラボン、イソフラボン、フラバン、フラバノン、ルチン)、アスコルビン酸又はその誘導体(アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カリウム、アスコルビン酸カルシウム、L−アスコルビン酸リン酸エステル、リン酸アスコルビルマグネシウム、リン酸アスコルビルナトリウム、硫酸アスコルビル、硫酸アスコルビル2ナトリウム塩、及びアスコルビル−2−グルコシド等)、トコトリエノール及びその誘導体、フェノール酸類(クロロゲン酸、エラグ酸、没食子酸、没食子酸プロピル)、リグナン類、クルクミン類、クマリン類、プテロスチルベン等を含むヒドロキシスチルベン、などを挙げることができ、その機能に基づいて、例えば機能性成分、賦形剤、粘度調整剤、ラジカル捕捉剤などとして含んでもよい。
その他、本発明においては、例えば、種々の薬効成分、pH調整剤、pH緩衝剤、紫外線吸収剤、防腐剤、香料、着色剤など、通常、その用途で使用される他の添加物を併用することができる。
本発明の皮膚外用剤の形態には特に制限はなく、有効成分の他、医薬として許容可能な担体、必要に応じた他の任意成分とを含む組成物の形態としてもよい。前記組成物の形態としては、オイル組成物、乳化組成物などが挙げられる。乳化組成物としてはリコピンを油相成分の一つとして含む水中油型乳化組成物であることが好ましい。
<用途>
本発明の皮膚外用剤は、化粧料用途、経皮医薬品用途などの用途に適用することができる。
本発明の皮膚外用剤が適用される化粧料としては、スキン化粧料(化粧水、美容液、乳液、クリームなど)、口紅、日焼け止め化粧料、メークアップ化粧料などを挙げることができるが、これらに制限されるものではない。
本発明の皮膚外用剤を、特に化粧水、美容液、乳液、クリームパック・マスク、パック、洗髪用化粧品、フレグランス化粧品、液体ボディ洗浄料、UVケア化粧品、防臭化粧品、オーラルケア化粧品等(化粧品の場合)などの水性製品に使用した場合には、透明感のある製品が得られ、且つ、長期保存又は滅菌処理などの苛酷条件下での不溶物の析出、沈殿又はネックリングなどの不都合な現象の発生を抑制することができる。
化粧水、美容液については、一般的に透明性を有することが求められ、その経時後も透明であることが要求される。ここでいう「透明性」とは、700nmにおける吸光度が0.02以下であること指し、製剤の安定性の観点から、必要となる性能である。
本発明において「透明性」の指標となる吸光度は、UV−VIBLEスペクトルフォトメーターUV−2550((株)島津製作所製)を用いて、23℃にて測定する。
[皮膚外用剤の製造方法]
本発明の皮膚外用剤の製造方法は、特に限定されず、公知の方法に従い製造することができる。例えば、乳化組成物の場合は、a)水性媒体(水等)に、ノニオン性界面活性剤を溶解させて、水相を得て、また、b)リコピンを含む油性成分を混合・溶解して、油相組成物を得て、c)攪拌下でこの水相組成物と油相組成物とを混合して、乳化分散を行い、皮膚外用剤を得る、といったステップからなる製造方法が好ましい。
上記製造方法により皮膚外用剤を製造する場合における油相組成物及び水相組成物に含有される成分は、特に限定されないが、安定性の高い皮膚外用剤作製の観点から、前記界面活性剤等の成分を含むことが好ましく、i)前記単糖又は多糖の脂肪酸エステル、ii)前記ポリグリセリン脂肪酸エステル、iii)前記リン脂質のうちいずれか又は複数を含むことが好ましい。
上記の乳化分散における油相と水相との比率(質量)は、特に限定されるものではないが、油相/水相比率(質量%)として0.1/99.9〜50/50が好ましく、0.5/99.5〜30/70がより好ましく、1/99〜20/80が更に好ましい。
油相/水相比率を0.1/99.9以上とすることにより、有効成分が低くならないため皮膚外用剤の実用上の問題が生じない傾向となり好ましい。また、油相/水相比率を50/50以下とすることにより、界面活性剤濃度が薄くなることがなく、皮膚外用剤の乳化安定性が悪化しない傾向となり好ましい。
乳化分散は、1ステップの乳化操作を行うことでもよいが、2ステップ以上の乳化操作を行うことが均一で微細な粒子を得る点から好ましい。
具体的には、剪断作用を利用する通常の乳化装置(例えば、スターラーやインペラー攪拌、ホモミキサー、連続流通式剪断装置等)を用いて乳化するという1ステップの乳化操作に加えて、高圧ホモジナイザー、超音波分散機等を通して乳化する等の方法で2種以上の乳化装置を併用するのが特に好ましい。高圧ホモジナイザーを使用することで、乳化物を更に均一な微粒子の液滴に揃えることができる。また、更に均一な粒子径の液滴とする目的で複数回行ってもよい。
乳化物を微細化するための有用な方法として、PIT乳化法、ゲル乳化法等の界面化学的乳化法が知られている。この方法は消費するエネルギーが小さいという利点があり、熱で劣化しやすい素材を微細に乳化する場合に適している。
また、汎用的に用いられる乳化法として、機械力を用いた方法、すなわち外部から強い剪断力を与えることで油滴を分裂させる方法が適用されている。機械力として最も一般的なものは、高速、高剪断攪拌機である。このような攪拌機としては、ホモミキサー、ディスパーミキサーおよびウルトラミキサーと呼ばれるものが市販されている。
また、微細化に有用な別な機械的な乳化装置として高圧ホモジナイザーがあり、種々の装置が市販されている。高圧ホモジナイザーは、攪拌方式と比べて大きな剪断力を与えることが出来るために、乳化剤の量を比較的少なくても微細化が可能である。
高圧ホモジナイザーには大きく分けて、固定した絞り部を有するチャンバー型高圧ホモジナイザーと、絞りの開度を制御するタイプの均質バルブ型高圧ホモジナイザーがある。
チャンバー型高圧ホモジナイザーの例としては、マイクロフルイダイザー(マイクロフルイディクス社製)、ナノマイザー(吉田機械興業(株)製)、アルティマイザー((株)スギノマシン製)等が挙げられる。
均質バルブ型高圧ホモジナイザーとしては、ゴーリンタイプホモジナイザー(APV社製)、ラニエタイプホモジナイザー(ラニエ社製)、高圧ホモジナイザー(ニロ・ソアビ社製)、ホモゲナイザー(三和機械(株)製)、高圧ホモゲナイザー(イズミフードマシナリ(株)製)、超高圧ホモジナイザー(イカ社製)等が挙げられる。
比較的エネルギー効率の良い分散装置で、簡単な構造を有する乳化装置として超音波ホモジナイザーがある。製造も可能な高出力超音波ホモジナイザーの例としては、超音波ホモジナイザーUS−600、同US−1200T,同RUS−1200T、同MUS−1200T(以上、(株)日本精機製作所製)、超音波プロセッサーUIP2000,同UIP−4000、同UIP−8000,同UIP−16000(以上、ヒールッシャー社製)等が挙げられる。これらの高出力超音波照射装置は25kHz以下、好ましくは15〜20kHzの周波数で使用される。
また、他の公知の乳化手段として、外部からの攪拌部を持たず、低エネルギーしか必要としない、スタチックミキサー、マイクロチャネル、マイクロミキサー、膜乳化装置等を使う方法も有用な方法である。
本発明における乳化分散する際の温度条件は、特に限定されるものでないが、機能性油性成分の安定性の観点から10℃〜100℃であることが好ましく、取り扱う機能性油性成分の融点などにより、適宜好ましい範囲を選択することができる。
また、本発明において高圧ホモジナイザーを用いる場合には、その圧力は、好ましくは50MPa以上、より好ましくは50MPa〜280MPa、更に好ましくは100MPa〜280MPaで処理することが好ましい。
また、乳化分散された組成物である乳化液はチャンバー通過直後30秒以内、好ましくは3秒以内に何らかの冷却器を通して冷却することが、分散粒子の粒子径保持の観点から好ましい。
以下、本発明を実施例にて詳細に説明するが、本発明はそれらに何ら限定されるものではない。
[実施例1〜9、比較例1〜4]
<アスタキサンチン分散物、リコピン分散物の調製>
実施例及び比較例の各皮膚外用剤に用いたアスタキサンチン分散物、リコピン分散物を、以下の通り調製した。
≪アスタキサンチン分散物の調製≫
下記の成分を、70℃で加熱しながら1時間溶解して、水相組成物Aを得た。
・ショ糖ステアリン酸エステル(HLB=16) 33.0g
・モノオレイン酸デカグリセリル(HLB=12) 67.0g
・グリセリン 450.0g
・純水 300.0g
下記成分を、70℃で加熱しながら1時間溶解して、油相組成物Aを得た。
・ヘマトコッカス藻抽出物 15.0g
(アスタキサンチン類含有率20質量%、製品名アスタッツS、武田紙器(株))
・ミックストコフェロール(理研ビタミン(株)製、理研Eオイル800) 32.0g
・中鎖脂肪酸グリセライド(花王(株)製、ココナードMT) 93.0g
・レシチン(理研ビタミン(株)製、レシオンP、大豆由来) 10.0g
上記で得られた水相組成物Aを70℃に保ったままホモジナイザー(機種名:HP93、(株)エスエムテー社製)で攪拌し(10000rpm)、水相組成物Aへ油相組成物Aを添加して予備乳化物を得た。
続いて、得られた予備乳化物を約40℃まで冷却し、アルティマイザーHJP−25005((株)スギノマシン社製)を用いて、200MPaの圧力で高圧乳化を行った。その後、平均孔径1μmのミクロフィルターでろ過して、アスタキサンチン分散物(アスタキサンチン含有率:0.3質量%)を調製した。
得られたアスタキサンチン分散物をミリQ水にて1質量%に希釈し、粒径アナライザーFPAR−1000(大塚電子(株))を用いて、分散粒子の粒径を測定したところ、58nm(メジアン径(d=50))であった。
≪リコピン分散物の調製≫
〔油相組成物B〕
・トマトオレオレジン 0.67g
(サンブライト(株)製、Lyc−O−Mato 15%(リコピン15質量%含有))
・レシチン(理研ビタミン(株)製、レシオンP、大豆由来) 1.0g
・中鎖脂肪酸グリセライド(花王(株)製、ココナードMT) 10.7g
〔水相組成物B〕
・オレイン酸デカグリセリル−10 8.0g
(HLB=12.0、日光ケミカルズ(株)製、Decaglyn 1−OV)
・ショ糖ステアリン酸エステル 2.0g
(三菱化学フーズ(株)製、リョートーシュガーエステルS−1670)
・グリセリン 45.0g
・精製水 30.0g
水相組成物Bに用いる各成分を、上記の組成にしたがって容器に秤量し、70℃の恒温槽にて攪拌しながら加熱混合し、よく混合されたことを確認し、70℃で保持し、水相組成部物Bを得た。
また、油相組成物Bに用いる各成分を、上記の組成にしたがって容器に秤量し、150℃のホットプレート上にて攪拌しながら5分間加熱混合し、よく混合されたことを確認し、油相組成物Bを得た。
得られた水相組成物Bを油相組成物Bに加えて攪拌混合し、超音波ホモジナイザーを用いて、所定の時間分散させて、粗分散液を得た。
その後、得られた粗分散物を更に超高圧乳化装置(アルティマイザー、(株)スギノマシン社製)を用い、200MPaの高圧乳化を行い、リコピン分散物(リコピン含有率:0.1質量%)を調製した。
得られたリコピン分散物をミリQ水にて1質量%希釈し、粒径アナライザーFPAR−1000(大塚電子(株))を用いて、分散粒子の粒径を測定したところ、52nm(メジアン径(d=50))であった。
<皮膚外用剤の調製>
上記で得られたリコピン分散物又はアスタキサンチン分散物を用いて、下記表1又は表2に示す組成を有する皮膚外用剤(化粧水又は美容液)を、常法により調製した。
なお、実施例1〜9、比較例1〜4は、いずれも透明性を有する皮膚外用剤である。
<経時安定性の評価>
上記で得られた皮膚外用剤の、リコピン残存率又はアスタキサンチン残存率と、濁度とを測定し、経時安定性の評価を行った。
実施例1〜9及び比較例1〜4で得られた皮膚外用剤を、蓋付きガラス瓶に各1本ずつ用意した。調製直後、及び、50℃で7日間経時保管した後の吸光度を以下の条件に従い測定した。得られた測定結果を用いて、吸光度の変化率(%)を下記式により算出した。算出した結果を、リコピン残存率、アスタキサンチン残存率又は濁度として表1及び表2に示す。
変化率(%)=50℃で7日間経時させた後の吸光度/調製直後の吸光度×100
変化率(%)が小さい程、経時安定性に優れることを示す。
(吸光度の測定条件)
リコピンの吸光度は、UV−VIBLEスペクトルフォトメーターUV−2550((株)島津製作所製)を使用し、10mmセルにて450nmの吸光度として測定した。
アスタキサンチンの吸光度は、UV−VIBLEスペクトルフォトメーターUV−2550((株)島津製作所製)を使用し、10mmセルにて478nmの吸光度として測定した。
濁りは、UV−VIBLEスペクトルフォトメーターUV−2550((株)島津製作所製)を使用し、10mmセルにて700nmの吸光度として測定した。
表1又は表2に示されるように、本発明に係る皮膚外用剤は、経時保存してもリコピン残存率が高く、且つ製剤の透明性が保持されることが明らかとなった。
なお、皮膚外用剤中におけるリコピン及びアスタキサンチンの含有量が同じ場合、リコピンは、アスタキサンチンと比較して経時安定性に劣ることは、比較例3及び比較例4の結果より明らかである。
また、本発明に係る皮膚外用剤に含有される亜硫酸ナトリウム、次亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム等は、リン酸L−アスコルビンマグネシウムに比べて、低用量を用いた場合にも高い効果を奏することが比較例1及び比較例2の結果より明らかになった。また、リン酸L−アスコルビンマグネシウムの量を増量すると、製剤の透明性を維持することができないことも明らかになった(比較例2参照)。
[実施例10〜14、比較例5〜7]
下記組成を有する皮膚外用剤(クリーム)を調製した(全量100質量%)。
(成分) (質量%)
成分A
(1)イソステアリン酸ポリグリセリル−10 2.00
(2)ステアリン酸グリセリル(SE) 1.00
(3)ステアリン酸 0.80
(4)ベヘニルアルコール 0.50
(5)スクワラン 3.50
(6)トリエチルヘキサノイン 1.00
(7)ジメチコン(10mPa・s) 0.20
(8)ジメチコン(300mPa・s) 0.10
(9)カルバミン酸ヨウ化プロピニル 0.006
(10)水添レシチン 1.00
(11)トマトオレオレジン 0.0007
(サンブライト製、Lyc−O−Mato 15%(リコピン15質量%含有))
成分B
(12)1,3−ブチレングリコール 5.00
(13)グリセリン 3.00
(14)フェノキシエタノール 0.05
(15)次亜硫酸ナトリウム、硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム(表3記載の量)
0.01〜0.5
(16)水 全量100に
成分C
(17)カルボマー 0.20
(18)キサンタンガム 0.05
(19)水 10.00
成分D
(20)アルギニン 0.30
(21)水 5.00
成分E
(22)リン酸L−アスコルビルマグネシウム 0〜3.00
(23)水 9.50
成分Aのうち、上記(1)〜(9)を一度加温して溶解後、室温に戻し、これに上記(10)及び上記(11)を分散させ、成分Aを調製する。
その後、上記成分A及び成分Bを共に80℃に加温する。
成分C〜成分Eは、それぞれ室温で均一溶解または分散する。
80℃を保って、成分Aと成分Bとの混合物をホモミキサー(商品名TKロボミックス(Fmodel)、プライミクス(株))を用いて2000rpmで攪拌しながら、成分Cを加え乳化して、乳化物を得る。
ついで、パドル攪拌しながら上記乳化物を冷却し、50℃で成分D及び成分Eを該乳化物に順次加え、約35℃で攪拌を止め、皮膚外用剤(クリーム)の調製を終了する。
<経時安定性の評価>
上記で得られた皮膚外用剤(クリーム)の、リコピン残存率を、吸光度を用いて測定し、リコピンの経時安定性の評価を行った。
実施例10〜14及び比較例5〜7で得られた皮膚外用剤を、蓋付きガラス瓶に各1本ずつ用意した。調製直後、及び、50℃で7日間経時保管した後の吸光度を以下の条件に従い測定した。得られた測定結果を用いて、吸光度の変化率(%)を下記式により算出した。結果を表3に示す。
変化率(%)=50℃で7日間経時させた後の吸光度/調製直後の吸光度×100
変化率(%)が小さい程、経時安定性に優れることを示す。
(吸光度の測定条件)
リコピンの吸光度は、UV−VIBLEスペクトルフォトメーターUV−2550((株)島津製作所製)を使用し、10mmセルにて450nmの吸光度として測定した。
<離液の確認>
実施例10〜14及び比較例5〜7で得られた皮膚外用剤を50℃で7日間経時保管した後の経時品を、遠心チューブに各1本ずつ用意した。テーブルトップ冷却遠心機 5500(久保田商事(株)製)を使用し、10,000rpm、40℃、10分間遠心し、上記皮膚外用剤の離液の有無を確認した。結果を表3に示す。
表3の結果からも明らかな通り、リコピンと、亜硫酸、次亜硫酸、亜硫酸水素及びこれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも一種と、を含有する本発明に係る皮膚外用剤は、経時保存してもリコピン残存率が高く製剤の安定性が維持されることが明らかとなった。
また、次亜硫酸ナトリウム等の代わりに、リン酸L−アスコルビンマグネシウムを添加した比較例6及び比較例7を参照すると、比較例6では経時保存により離液が生じ、比較例7ではそもそも製剤自体を乳化することができないことが明らかとなった。

Claims (5)

  1. 下記成分Iと、下記成分IIとを含有する皮膚外用剤。
    成分I:リコピン
    成分II:亜硫酸、次亜硫酸、亜硫酸水素及びこれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも一種
  2. 前記成分IIの総質量が、皮膚外用剤の全質量に対して、0.0001質量%〜3.0質量%である請求項1に記載の皮膚外用剤。
  3. 前記成分IIが、次亜硫酸ナトリウムを含む請求項1又は請求項2に記載の皮膚外用剤。
  4. 前記成分IIが、亜硫酸ナトリウムを含む請求項1又は請求項2に記載の皮膚外用剤。
  5. 前記成分IIが、亜硫酸水素ナトリウムを含む請求項1又は請求項2に記載の皮膚外用剤。
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