JP2017071631A - 弱酸性〜中性のpHにおける、ヒスチジンを有する水性製剤を介した免疫グロブリンの安定化 - Google Patents

弱酸性〜中性のpHにおける、ヒスチジンを有する水性製剤を介した免疫グロブリンの安定化 Download PDF

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Abstract

【課題】弱酸性〜中性のpHにおいて貯蔵安定性のある、免疫グロブリン水性製剤の提供。【解決手段】免疫グロブリンと、グリシン、好ましくは250mMのグリシンと50〜150mM好ましくは100〜150mM、より好ましくは150mMの塩化ナトリウムを含み、5.5〜7.0好ましくは6.0〜6.5、より好ましくは6.5のpHとした貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物。更に好ましくは0〜10mM、より好ましくは0〜1mMのアルカリ金属カチオンを含む、組成物。亦、糖又は界面活性剤を含まず、抗酸化剤を更に含み、不活性ガス下で貯蔵される組成物。【選択図】なし

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2010年9月17日に出願された米国仮出願第61/384,209号の利益を主張するものであり、この内容は、全ての目的のために、参照によりその全体が本明細書に明示的に組み込まれる。
発明の背景
生物製剤は、天然の供給源(例えば、ヒト血漿)から単離された調製物および組換えDNA技術を含む生物学的プロセスによって作製された医薬品である。ヘルスケアおよび医薬品業界内では、生物製剤は、患者の治療および全体的な収益成長のためにますます重要になっている(Goodman M.Nat Rev Drug Discov.(2009)Nov;8(11):837(非特許文献1))。生物学的薬物の1つの重要なクラスは、天然源から単離され、組換えにより産生された治療用タンパク質である。例えば、血漿タンパク質はプールしたヒト血漿から単離することにより、治療的投与のために製造される(例えば、GAMMAGARD LIQUID(登録商標)(IVIG、免疫グロブリン静脈用(ヒト)10%);Baxter International社、米国イリノイ州ディアフィールド)および組換え手段(例えば、ADVATE(登録商標)(抗血友病因子(組換え)、血漿/アルブミンを含まない方法);Baxter International社、米国イリノイ州ディアフィールド)。
治療用タンパク質および治療される病状に応じて、他の投与経路を使用してもよいが、治療用タンパク質の投与は、主に、静脈内投与(IV)、皮下投与(SQ)、および筋肉内投与によって行われる。原発性免疫不全(PID)、免疫性(特発性)血小板減少性紫斑病(ITP)および川崎症候群などの様々な疾患の効果的な治療に必要な生理的レベルのIgGを提供するために、静脈内経路によって、より多くの量を急速に送達することができるので、免疫グロブリンのほとんどは静脈内投与される。IV投与の性質により、この経路を介した治療は、患者のコンプライアンスの問題につながる、ゆっくりした、適時のプロセスである。
治療用タンパク質の皮下(SQ)投与は、静脈内投与に代わるものである。IV注射と比べて、SQ投与にはいくつかの利点がある。例えば、SQ投与は、全身反応の発生率を減らすことができ、時には困難なIVアクセスを必要とせず、患者により多くの独立を与える。
患者のコンプライアンスを向上させるためには、すぐに使用できる液体製剤にタンパク質を供給することが都合がよい。しかし、中性pH付近で製剤化した場合、多くのヒトのまたはヒト化させた治療用タンパク質は不安定である。特に、液体製剤中のタンパク質にとって、化学的不安定性および物理的不安定性の両方が関わる様々な分解経路が存在する。化学的不安定性には、脱アミノ化、凝集、ペプチド骨格のクリッピング、およびメチオニン残基の酸化が含まれる。物理的不安定性には、例えば、凝集を含む多くの現象が包含される。タンパク質の不安定性では、弱酸性〜中性のpHで不安定である変化しやすいタンパク質が特に問題となる。これらの問題に対処するために、静脈内投与が可能な免疫グロブリンを酸性pHで製剤化すると、製剤中のそれらの安定性が効果的に増す(酸性pHで製剤化された製品は、例えば、ガムネックス(Gamunex)(Talecris社)およびGammagard Liquid(Baxter)またはPrivigen(CSL社)である)。
これらの問題に対処するために、治療用タンパク質組成物はしばしば酸性pHで製剤化され、製剤中のそれらの安定性が効果的に増す。残念なことに、例えば、酸性の水性調製物の筋肉内投与は疼痛を生じさせる可能性があり、潜在的に組織損傷をもたらす可能性があることを科学出版物が報告している(Steen et al.,2001;Sluka et al.,2000(非特許文献2)、その開示は、全ての目的のために、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。他の場合では、水性製剤が、治療用タンパク質を適切に安定化させないことが判明しており、投与前に再構成しなければならない凍結乾燥製剤が用いられる。両方の場合において、これらの要因は、患者にとって満足度の低い薬物投与経験および/または不自由さをもたらし、患者のコンプライアンスを低下させる可能性がある。
米国特許第6,267,958号(特許文献1)は、pH6.0またはpH7.0の、低濃度(すなわち、5〜10mM)のヒスチジン緩衝液、およびモノクローナル抗体のモル濃度よりも100〜1500倍高いモル濃度の二糖類(すなわち、ショ糖またはトレハロース)を有する、凍結乾燥したモノクローナル抗体製剤について記載している。しかし、ヒスチジンのみを用いて製剤化した場合、再構成時に高レベルの凝集体が形成されることによって証明されているように、このモノクローナル抗体製剤は、二糖類が存在しないと不安定である。
米国特許出願公開第2010/0015157(特許文献2)は、非イオン性界面活性剤および/または二糖類(すなわち、ショ糖またはトレハロース)を有し、pH5.5〜6.5で低濃度(すなわち、10〜20mM)の酢酸ヒスチジン緩衝液を用いたモノクローナル抗体製剤について記載している。しかし、ヒスチジンのみを用いて製剤化した組成物において高濁度で高レベルの抗体凝集体が見られることにより証明されているように、このモノクローナル抗体製剤は、非イオン性界面活性剤および/または二糖類が存在しないと不安定である。
このように、当技術分野において、これらの変化しやすい治療用タンパク質を、弱酸性〜中性のpHにおいて、水性組成物中で安定化させる製剤および製剤化の方法に対するニーズがある。本発明は、数ある態様の中でもとりわけ、変化しやすい治療用タンパク質を安定化させる、弱酸性〜中性のpHにおいてヒスチジンを用いて製剤化した免疫グロブリン組成物を提供することによって、これらおよび他のニーズを満たす。
米国特許第6,267,958号 米国特許出願公開第2010/0015157
Goodman M.Nat Rev Drug Discov.(2009)Nov;8(11):837 Steen et al.,2001;Sluka et al.,2000
本発明は、一つには、弱酸性〜中性のpHで製剤化した免疫グロブリン組成物中にヒスチジンを含めると、この製剤が著しく安定化されるという驚くべき発見に基づく。
有利なことに、本明細書において提供する、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物は、非イオン性界面活性剤および糖類などの追加の賦形剤を含めることなく、複数の温度において長期間(例えば、1年以上)安定したままである。
低濃度(すなわち、5mM〜20mM)のヒスチジンを用いて弱酸性〜中性のpHにおいて製剤化した、前述のモノクローナル抗体組成物とは対照的に、中程度の濃度〜高濃度(すなわち、50mM〜500mM)のヒスチジンを用いて製剤化した、本明細書において提供する免疫グロブリン水性組成物は、界面活性剤(例えば、ポリソルベート80などの非イオン性界面活性剤)および糖類(例えば、ショ糖およびトレハロースなどの二糖類)の非存在下で、弱酸性〜中性のpHで安定である。急性腎不全または機能不全が、ショ糖、マルトース、およびグルコースを用いて製剤化したIVIGの使用と関連付けられているので、免疫グロブリンの製剤化のためにより少ない成分を使用することは、有益であるかもしれない(MMWR Morb Mortal Wkly Rep.1999 Jun 25;48(24):518−21;Kwan et al.Hong Kong Med J.2005 Feb;11(1):45−9)。同様に、ポリソルベート80を用いて製剤化したIVIGを投与した患者において、重篤な過敏性反応が生じる場合がある。実際、Hizentra(登録商標)(免疫グロブリン皮下用(ヒト)、20%の液体;CSL Behring AG社、スイス、ベルン)は、ヒト免疫グロブリンの投与に対して、またはポリソルベート80などのHizentraの成分に対してアナフィラキシー反応もしくは重篤な全身反応がある患者には禁忌である(Hizentra処方情報)。さらに、弱酸性〜中性のpHにおいて免疫グロブリンを安定的に製剤化する能力は、酸性pHで製剤化した組成物の皮下(SQ)投与および筋肉内(IM)投与と関連する疼痛および組織損傷の可能性を伴うことなくSQ投与またはIM投与してもよい医薬組成物の製造を可能にする。
一態様において、本発明は、(a)免疫グロブリンと、(b)50mM〜500mMのヒスチジンと、(c)0mM〜10mMのアルカリ金属カチオンと、(d)pH5.5〜7.0と、を備える、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。
上記に提供する貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物の具体的な実施形態において、この組成物は150mM〜350mMのヒスチジンを含む。
上記に提供する貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物の具体的な実施形態において、この組成物は225mM〜275mMのヒスチジンを含む。
上記に提供する貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物の具体的な実施形態において、この組成物は0mM〜1mMのアルカリ金属カチオンを含む。
上記に提供する貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物の具体的な実施形態において、この組成物は10mM〜400mMの塩化物イオンを含む。
上記に提供する貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物の具体的な実施形態において、この組成物は100mM〜200mMの塩化物イオンを含む。
上記に提供する貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物の具体的な実施形態において、この組成物のpHは、5.5〜6.5である。
上記に提供する貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物の具体的な実施形態において、この組成物のpHは、6.1±0.2である。
上記に提供する貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物の具体的な実施形態において、この組成物は、抗酸化剤をさらに含む。
上記に提供する貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物の具体的な実施形態において、この組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
上記に提供する貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物の具体的な実施形態において、この組成物は、不活性ガス下で貯蔵される。
上記に提供する貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物の具体的な実施形態において、この組成物は、窒素、アルゴン、二酸化炭素、ヘリウム、クリプトン、およびキセノンからなる群より選択される不活性ガス下で貯蔵される。
上記に提供する貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物の具体的な実施形態において、この組成物は、窒素下で貯蔵される。
上記に提供する貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物の具体的な実施形態において、この組成物は、アルゴン下で貯蔵される。
上記に提供する貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物の具体的な実施形態において、この免疫グロブリンは、ポリクローナル免疫グロブリンである。
上記に提供する貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物の具体的な実施形態において、この免疫グロブリンは、モノクローナル免疫グロブリンである。
上記に提供する貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物の具体的な実施形態において、この免疫グロブリンは、IgG免疫グロブリンである。
上記に提供する貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物の具体的な実施形態において、この免疫グロブリンは、プールしたヒト血漿から濃縮される。
上記に提供する貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物の具体的な実施形態において、この免疫グロブリンは、組換え免疫グロブリンである。
上記に提供する貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物の具体的な実施形態において、この免疫グロブリンの濃度は、50±5g/Lである。
上記に提供する貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物の具体的な実施形態において、この免疫グロブリンの濃度は、50g/L未満である。
上記に提供する貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物の具体的な実施形態において、この免疫グロブリンの濃度は、少なくとも50g/Lである。
上記に提供する貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物の具体的な実施形態において、この免疫グロブリンの濃度は、50g/L〜150g/Lである。
上記に提供する貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物の具体的な実施形態において、この免疫グロブリンの濃度は、100±10g/Lである。
上記に提供する貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物の具体的な実施形態において、この免疫グロブリンの濃度は、少なくとも100g/Lである。
上記に提供する貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物の具体的な実施形態において、この免疫グロブリンの濃度は、150±15g/Lである。
上記に提供する貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物の具体的な実施形態において、この免疫グロブリンの濃度は、150g/L〜250g/Lである。
上記に提供する貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物の具体的な実施形態において、この免疫グロブリンの濃度は、200±20g/Lである。
上記に提供する貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物の具体的な実施形態において、この免疫グロブリンの濃度は、少なくとも200g/Lである。
上記に提供する貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物の具体的な実施形態において、この組成物は、38℃〜42℃で貯蔵された場合に、少なくとも1ヶ月間安定である。
上記に提供する貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物の具体的な実施形態において、この組成物は、38℃〜42℃で貯蔵された場合に、少なくとも3ヶ月間安定である。
上記に提供する貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物の具体的な実施形態において、この組成物は、38℃〜42℃で貯蔵された場合に、少なくとも6ヶ月間安定である。
上記に提供する貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物の具体的な実施形態において、この組成物は、28℃〜32℃で貯蔵された場合に、少なくとも6ヶ月間安定である。
上記に提供する貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物の具体的な実施形態において、この組成物は、28℃〜32℃で貯蔵された場合に、少なくとも1年間安定である。
上記に提供する貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物の具体的な実施形態において、この組成物は、28℃〜32℃で貯蔵された場合に、少なくとも2年間安定である。
上記に提供する貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物の具体的な実施形態において、凝集状態の免疫グロブリンの割合が2%未満のままである限り、この組成物は安定であると見なされる。
上記に提供する貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物の具体的な実施形態において、凝集状態の免疫グロブリンの割合が0%〜2%でありかつ単量体状態の免疫グロブリンの割合が85%〜100%である限り、この組成物は安定であると見なされる。
上記に提供する貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物の具体的な実施形態において、同じ成分を有するがpH4.8で製剤化された組成物は、38℃〜42℃で貯蔵された場合に、1ヶ月未満安定である。
上記に提供する貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物の具体的な実施形態において、同じ成分を有するがpH4.8で製剤化された組成物は、28℃〜32℃で貯蔵された場合に、6ヶ月未満安定である。
一態様において、本発明は、免疫グロブリン組成物を安定化させる方法であって、5.5と7.0との間のpHでこの組成物を製剤化する工程を含む方法を提供し、この製剤化された組成物は、(a)免疫グロブリンと、(b)50mM〜500mMのヒスチジンと、(c)0mM〜10mMのアルカリ金属カチオンと、を含む。
上記に提供する方法の具体的な実施形態において、この製剤化された組成物は150mM〜350mMのヒスチジンを含む。
上記に提供する方法の具体的な実施形態において、この製剤化された組成物は225mM〜275mMのヒスチジンを含む。
上記に提供する方法の具体的な実施形態において、この製剤化された組成物は0mM〜1mMのアルカリ金属カチオンを含む。
上記に提供する方法の具体的な実施形態において、この製剤化された組成物は10mM〜400mMの塩化物イオンを含む。
上記に提供する方法の具体的な実施形態において、この製剤化された組成物は100mM〜200mMの塩化物イオンを含む。
上記に提供する方法の具体的な実施形態において、この製剤化された組成物のpHは、5.5〜6.5である。
上記に提供する方法の具体的な実施形態において、この製剤化された組成物のpHは、6.1±0.2である。
上記に提供する方法の具体的な実施形態において、この製剤化された組成物は、さらに抗酸化剤を含む。
上記に提供する方法の具体的な実施形態において、この製剤化された組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
上記に提供する方法の具体的な実施形態において、この製剤化された組成物は、不活性ガス下で貯蔵される。
上記に提供する方法の具体的な実施形態において、この製剤化された組成物は、窒素、アルゴン、二酸化炭素、ヘリウム、クリプトン、およびキセノンからなる群より選択される不活性ガス下で貯蔵される。
上記に提供する方法の具体的な実施形態において、この製剤化された組成物は、窒素下で貯蔵される。
上記に提供する方法の具体的な実施形態において、この製剤化された組成物は、アルゴン下で貯蔵される。
上記に提供する方法の具体的な実施形態において、この免疫グロブリンは、ポリクローナル免疫グロブリンである。
上記に提供する方法の具体的な実施形態において、この免疫グロブリンは、モノクローナル免疫グロブリンである。
上記に提供する方法の具体的な実施形態において、この免疫グロブリンは、IgG免疫グロブリンである。
上記に提供する方法の具体的な実施形態において、この免疫グロブリンは、プールしたヒト血漿から濃縮される。
上記に提供する方法の具体的な実施形態において、この免疫グロブリンは、組換え免疫グロブリンである。
上記に提供する方法の具体的な実施形態において、この製剤化された組成物中の免疫グロブリンの濃度は、50±5g/Lである。
上記に提供する方法の具体的な実施形態において、この製剤化された組成物中の免疫グロブリンの濃度は、50g/L未満である。
上記に提供する方法の具体的な実施形態において、この製剤化された組成物中の免疫グロブリンの濃度は、少なくとも50g/Lである。
上記に提供する方法の具体的な実施形態において、この製剤化された組成物中の免疫グロブリンの濃度は、50g/L〜150g/Lである。
上記に提供する方法の具体的な実施形態において、この製剤化された組成物中の免疫グロブリンの濃度は、100±10g/Lである。
上記に提供する方法の具体的な実施形態において、この製剤化された組成物中の免疫グロブリンの濃度は、少なくとも100g/Lである。
上記に提供する方法の具体的な実施形態において、この製剤化された組成物中の免疫グロブリンの濃度は、150±15g/Lである。
上記に提供する方法の具体的な実施形態において、この製剤化された組成物中の免疫グロブリンの濃度は、150g/L〜250g/Lである。
上記に提供する方法の具体的な実施形態において、この製剤化された組成物中の免疫グロブリンの濃度は、200±20g/Lである。
上記に提供する方法の具体的な実施形態において、この製剤化された組成物中の免疫グロブリンの濃度は、少なくとも200g/Lである。
上記に提供する方法の具体的な実施形態において、この製剤化された組成物は、38℃〜42℃で貯蔵された場合に、少なくとも1ヶ月間安定である。
上記に提供する方法の具体的な実施形態において、この製剤化された組成物は、38℃〜42℃で貯蔵された場合に、少なくとも3ヶ月間安定である。
上記に提供する方法の具体的な実施形態において、この製剤化された組成物は、38℃〜42℃で貯蔵された場合に、少なくとも6ヶ月間安定である。
上記に提供する方法の具体的な実施形態において、この製剤化された組成物は、28℃〜32℃で貯蔵された場合に、少なくとも6ヶ月間安定である。
上記に提供する方法の具体的な実施形態において、この製剤化された組成物は、28℃〜32℃で貯蔵された場合に、少なくとも1年間安定である。
上記に提供する方法の具体的な実施形態において、この製剤化された組成物は、28℃〜32℃で貯蔵された場合に、少なくとも2年間安定である。
上記に提供する方法の具体的な実施形態において、凝集状態の免疫グロブリンの割合が2%未満のままである限り、この製剤化された組成物は安定であると見なされる。
上記に提供する方法の具体的な実施形態において、凝集状態の免疫グロブリンの割合が0%〜2%でありかつ単量体状態の免疫グロブリンの割合が85%〜100%である限り、この製剤化された組成物は安定であると見なされる。
上記に提供する方法の具体的な実施形態において、この製剤化された組成物と同じ成分を有するがpH4.8で製剤化された免疫グロブリン組成物は、38℃〜42℃で貯蔵された場合に、1ヶ月未満安定である。
上記に提供する方法の具体的な実施形態において、この製剤化された組成物と同じ成分を有するがpH4.8で製剤化された免疫グロブリン組成物は、28℃〜32℃で貯蔵された場合に、6ヶ月未満安定である。
[本発明1001]
(a)免疫グロブリンと、
(b)50mM〜500mMのヒスチジンと、
(c)0mM〜10mMのアルカリ金属カチオンと、
(d)5.5〜7.0のpHと
を備える、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物。
[本発明1002]
150mM〜350mMのヒスチジンを含む、本発明1001の組成物。
[本発明1003]
225mM〜275mMのヒスチジンを含む、本発明1002の組成物。
[本発明1004]
0mM〜1mMのアルカリ金属カチオンを含む、本発明1001〜1003のいずれかの組成物。
[本発明1005]
10mM〜400mMの塩化物イオンを含む、本発明1001〜1004のいずれかの組成物。
[本発明1006]
100mM〜200mMの塩化物イオンを含む、本発明1005の組成物。
[本発明1007]
pHが5.5〜6.5である、本発明1001〜1006のいずれかの組成物。
[本発明1008]
pHが6.1±0.2である、本発明1007の組成物。
[本発明1009]
抗酸化剤をさらに含む、本発明1001〜1008のいずれかの組成物。
[本発明1010]
界面活性剤または糖を含まない、本発明1001〜1009のいずれかの組成物。
[本発明1011]
不活性ガス下で貯蔵される、本発明1001〜1010のいずれかの組成物。
[本発明1012]
前記不活性ガスが、窒素、アルゴン、二酸化炭素、ヘリウム、クリプトン、およびキセノンからなる群より選択される、本発明1011の組成物。
[本発明1013]
前記不活性ガスが窒素である、本発明1011の組成物。
[本発明1014]
前記不活性ガスがアルゴンである、本発明1011の組成物。
[本発明1015]
前記免疫グロブリンがポリクローナル免疫グロブリンである、本発明1001〜1014のいずれかの組成物。
[本発明1016]
前記免疫グロブリンがモノクローナル免疫グロブリンである、本発明1001〜1014のいずれかの組成物。
[本発明1017]
前記免疫グロブリンがIgG免疫グロブリンである、本発明1001〜1016のいずれかの組成物。
[本発明1018]
前記免疫グロブリンがプールされたヒト血漿から濃縮される、本発明1001〜1017のいずれかの組成物。
[本発明1019]
前記免疫グロブリンが組換え免疫グロブリンである、本発明1001〜1017のいずれかの組成物。
[本発明1020]
前記免疫グロブリンの濃度が50±5g/Lである、本発明1001〜1019のいずれかの組成物。
[本発明1021]
前記免疫グロブリンの濃度が50g/L未満である、本発明1001〜1019のいずれかの組成物。
[本発明1022]
前記免疫グロブリンの濃度が少なくとも50g/Lである、本発明1001〜1019のいずれかの組成物。
[本発明1023]
前記免疫グロブリンの濃度が50g/L〜150g/Lである、本発明1022の組成物。
[本発明1024]
前記免疫グロブリンの濃度が100±10g/Lである、本発明1023の組成物。
[本発明1025]
前記免疫グロブリンの濃度が少なくとも100g/Lである、本発明1022の組成物。
[本発明1026]
前記免疫グロブリンの濃度が150±15g/Lである、本発明1025の組成物。
[本発明1027]
前記免疫グロブリンの濃度が150g/L〜250g/Lである、本発明1025の組成物。
[本発明1028]
前記免疫グロブリンの濃度が200±20g/Lである、本発明1027の組成物。
[本発明1029]
前記免疫グロブリンの濃度が少なくとも200g/Lである、本発明1022の組成物。
[本発明1030]
38℃〜42℃で貯蔵される場合に、少なくとも1ヶ月間安定である、本発明1001〜1029のいずれかの組成物。
[本発明1031]
38℃〜42℃で貯蔵される場合に、少なくとも3ヶ月間安定である、本発明1030の組成物。
[本発明1032]
38℃〜42℃で貯蔵される場合に、少なくとも6ヶ月間安定である、本発明1031の組成物。
[本発明1033]
28℃〜32℃で貯蔵される場合に、少なくとも6ヶ月間安定である、本発明1001〜1032のいずれかの組成物。
[本発明1034]
28℃〜32℃で貯蔵される場合に、少なくとも1年間安定である、本発明1033の組成物。
[本発明1035]
28℃〜32℃で貯蔵される場合に、少なくとも2年間安定である、本発明1034の組成物。
[本発明1036]
前記凝集状態の免疫グロブリンの割合が2%未満のままである限り、前記組成物が安定であると見なされる、本発明1001〜1035のいずれかの組成物。
[本発明1037]
前記凝集状態の免疫グロブリンの割合が0%〜2%でありかつ単量体状態の免疫グロブリンの割合が85%〜100%である限り、前記組成物が安定であると見なされる、本発明1001〜1035のいずれかの組成物。
[本発明1038]
同じ成分を有するがpH4.8で製剤化された組成物が、38℃〜42℃で貯蔵される場合に、1ヶ月未満安定である、本発明1001〜1037のいずれかの組成物。
[本発明1039]
同じ成分を有するがpH4.8で製剤化された組成物が、28℃〜32℃で貯蔵される場合に、6ヶ月未満安定である、本発明1001〜1038のいずれかの組成物。
[本発明1040]
免疫グロブリン組成物を安定化させる方法であって、5.5と7.0の間のpHで該組成物を製剤化する段階を含み、該製剤化された組成物が、
(a)免疫グロブリンと、
(b)50mM〜500mMのヒスチジンと、
(c)0mM〜10mMのアルカリ金属カチオンと
を備える、方法。
[本発明1041]
前記製剤化された組成物が、150mM〜350mMのヒスチジンを含む、本発明1040の方法。
[本発明1042]
前記製剤化された組成物が、225mM〜275mMのヒスチジンを含む、本発明1041の方法。
[本発明1043]
前記製剤化された組成物が、0mM〜1mMのアルカリ金属カチオンを含む、本発明1040〜1042のいずれかの方法。
[本発明1044]
前記製剤化された組成物が、10mM〜400mMの塩化物イオンを含む、本発明1040〜1043のいずれかの方法。
[本発明1045]
前記製剤化された組成物が、100mM〜200mMの塩化物イオンを含む、本発明1044の方法。
[本発明1046]
前記製剤化された組成物のpHが5.5〜6.5である、本発明1040〜1045のいずれかの方法。
[本発明1047]
前記製剤化された組成物のpHが6.1±0.2である、本発明1046の方法。
[本発明1048]
前記製剤化された組成物が、抗酸化剤をさらに含む、本発明1040〜1047のいずれかの方法。
[本発明1049]
前記製剤化された組成物が、界面活性剤または糖を含まない、本発明1040〜1048のいずれかの方法。
[本発明1050]
前記製剤化された組成物が、不活性ガス下で貯蔵される、本発明1040〜1049のいずれかの方法。
[本発明1051]
前記不活性ガスが、窒素、アルゴン、二酸化炭素、ヘリウム、クリプトン、およびキセノンからなる群より選択される、本発明1050の方法。
[本発明1052]
前記不活性ガスが窒素である、本発明1050の方法。
[本発明1053]
前記不活性ガスがアルゴンである、本発明1050の方法。
[本発明1054]
前記免疫グロブリンがポリクローナル免疫グロブリンである、本発明1040〜1053のいずれかの方法。
[本発明1055]
前記免疫グロブリンがモノクローナル免疫グロブリンである、本発明1040〜1053のいずれかの方法。
[本発明1056]
前記免疫グロブリンがIgG免疫グロブリンである、本発明1040〜1055のいずれかの方法。
[本発明1057]
前記免疫グロブリンがプールされたヒト血漿から濃縮される、本発明1040〜1056のいずれかの方法。
[本発明1058]
前記免疫グロブリンが組換え免疫グロブリンである、本発明1040〜1056のいずれかの方法。
[本発明1059]
前記製剤化された組成物中の前記免疫グロブリンの濃度が50±5g/Lである、本発明1040〜1058のいずれかの方法。
[本発明1060]
前記製剤化された組成物中の前記免疫グロブリンの濃度が50g/L未満である、本発明1040〜1058のいずれかの方法。
[本発明1061]
前記製剤化された組成物中の前記免疫グロブリンの濃度が少なくとも50g/Lである、本発明1040〜1058のいずれかの方法。
[本発明1062]
前記製剤化された組成物中の前記免疫グロブリンの濃度が50g/L〜150g/Lである、本発明1061の方法。
[本発明1063]
前記製剤化された組成物中の前記免疫グロブリンの濃度が100±10g/Lである、本発明1062の方法。
[本発明1064]
前記製剤化された組成物中の前記免疫グロブリンの濃度が少なくとも100g/Lである、本発明1061の方法。
[本発明1065]
前記製剤化された組成物中の前記免疫グロブリンの濃度が150±15g/Lである、本発明1064の方法。
[本発明1066]
前記製剤化された組成物中の前記免疫グロブリンの濃度が150g/L〜250g/Lである、本発明1064の方法。
[本発明1067]
前記製剤化された組成物中の前記免疫グロブリンの濃度が200±20g/Lである、本発明1064の方法。
[本発明1068]
前記製剤化された組成物中の前記免疫グロブリンの濃度が少なくとも200g/Lである、本発明1064の方法。
[本発明1069]
前記製剤化された組成物が、38℃〜42℃で貯蔵される場合に、少なくとも1ヶ月間安定である、本発明1040〜1068のいずれかの方法。
[本発明1070]
前記製剤化された組成物が、38℃〜42℃で貯蔵される場合に、少なくとも3ヶ月間安定である、本発明1069の方法。
[本発明1071]
前記製剤化された組成物が、38℃〜42℃で貯蔵される場合に、少なくとも6ヶ月間安定である、本発明1069の方法。
[本発明1072]
前記製剤化された組成物が、28℃〜32℃で貯蔵される場合に、少なくとも6ヶ月間安定である、本発明1040〜1071のいずれかの方法。
[本発明1073]
前記製剤化された組成物が、28℃〜32℃で貯蔵される場合に、少なくとも1年間安定である、本発明1072の方法。
[本発明1074]
前記製剤化された組成物が、28℃〜32℃で貯蔵される場合に、少なくとも2年間安定である、本発明1072の方法。
[本発明1075]
前記凝集状態の免疫グロブリンの割合が2%未満のままである限り、前記製剤化された組成物が安定であると見なされる、本発明1040〜1074のいずれかの方法。
[本発明1076]
前記凝集状態の免疫グロブリンの割合が0%〜2%でありかつ単量体状態の免疫グロブリンの割合が85%〜100%である限り、前記製剤化された組成物が安定であると見なされる、本発明1040〜1074のいずれかの方法。
[本発明1077]
前記製剤化された組成物と同じ成分を有するがpH4.8で製剤化された免疫グロブリン組成物が、38℃〜42℃で貯蔵される場合に1ヶ月未満安定である、本発明1040〜1076のいずれかの方法。
[本発明1078]
前記製剤化された組成物と同じ成分を有するがpH4.8で製剤化された免疫グロブリン組成物が、28℃〜32℃で貯蔵される場合に6ヶ月未満安定である、本発明1040〜1077のいずれかの方法。
38℃〜42℃で6ヶ月間貯蔵した後の、20%IgG製剤の凝集を示すグラフである。 プロリン、ヒスチジン(pH6.1)、またはグリシンを用いて製剤化し、通常の雰囲気下で、最長12ヶ月間、28℃〜32℃で貯蔵した、試験IGSC73の免疫グロブリン組成物の変色を示すグラフである。 プロリン、ヒスチジン(pH6.1)、またはグリシンを用いて製剤化し、窒素下で、最長12ヶ月間、28℃〜32℃で貯蔵した、試験IGSC73の免疫グロブリン組成物の変色を示すグラフである。 プロリン、ヒスチジン(pH6.1)、またはグリシンを用いて製剤化し、アルゴン下で、最長12ヶ月間、28℃〜32℃で貯蔵した、試験IGSC73の免疫グロブリン組成物の変色を示すグラフである。 プロリン、ヒスチジン(pH4.8)、またはグリシンを用いて製剤化し、通常の雰囲気下で、最長12ヶ月間、28℃〜32℃で貯蔵した、試験IGSC74の免疫グロブリン組成物の変色を示すグラフである。 プロリン、ヒスチジン(pH4.8)、またはグリシンを用いて製剤化し、窒素下で、最長12ヶ月間、28℃〜32℃で貯蔵した、試験IGSC74の免疫グロブリン組成物の変色を示すグラフである。 プロリン、ヒスチジン(pH4.8)、またはグリシンを用いて製剤化し、アルゴン下で、最長12ヶ月間、28℃〜32℃で貯蔵した、試験IGSC74の免疫グロブリン組成物の変色を示すグラフである。
I.序論
治療用免疫グロブリン調製物は、中性pH、または中性pH付近における水溶液中でのそれらの変化しやすさにより、しばしば酸性pHで、または凍結乾燥組成物として製剤化される。上述したとおり、これらの製剤はあまり便利ではなく、投与の際に疼痛および/または組織損傷を引き起こす場合があり、患者のコンプライアンスを低下させる可能性がある。有利なことに、本発明は、中性、または中性付近のpHにおいて水溶液で免疫グロブリンを安定的に製剤化するための手段を提供する。一態様において、本発明は、弱酸性〜中性のpH(例えば、5.5〜7.0)の製剤に、中程度の量のヒスチジン(例えば、50mM〜500mMのヒスチジン、好ましくは、150mM〜350mMのヒスチジン)を添加することによって安定化させた免疫グロブリン組成物を提供する。
本発明は、一つには、免疫グロブリン組成物を、アルカリ金属カチオン(例えば、NaまたはK)の非存在下で、弱酸性〜中性のpHの製剤に、中程度のレベルのヒスチジンを添加することによって安定化させることができるという発見に基づいている。特に、本明細書において提供する、弱酸性〜中性のpHのヒスチジン製剤は、酸性pHで製剤化した類似の組成物、および酸性pHでプロリンまたはグリシンを用いて製剤化した免疫グロブリン組成物よりも非常に安定している。有利なことに、弱酸性〜中性のpHにおいて免疫グロブリンを安定的に製剤化する能力は、投与の際に痛みがなく、組織損傷の同じリスクを持っていない製剤を提供する。
本明細書において提供する出願人らの新しい試験は、0.25Mのグリシンを用いて製剤化した、血漿由来の精製免疫グロブリン調製物を、塩化ナトリウムの添加によってpH依存的に安定化させることができることを示す。実施例1および実施例2は、約90g/Lと約220g/Lとの間の最終濃度を有するこれらの免疫グロブリン調製物が、28℃〜32℃の温度で貯蔵された場合に、少なくとも24ヶ月間安定化されており、38℃〜42℃の温度で貯蔵された場合に、少なくとも6ヶ月間安定化されていたことを示す。150mMの塩化ナトリウムの添加により、最大の安定性が観察された。
5.5と7.0との間のpHで製剤化した試料と比較して、これらの条件下で、7.0以上のpH値で塩化ナトリウムを製剤に加えると、免疫グロブリンの非常により高い凝集率および断片率がもたらされた(表3)。同様に、塩化ナトリウムは、酸性pH値(5.5未満)の免疫グロブリン製剤を著しく不安定にさせることが以前に観察された。
有利なことに、ヒスチジンの使用が、塩化ナトリウムの非存在下で、弱酸性〜中性のpHにおいて免疫グロブリン製剤を安定化させることを本明細書(例えば、実施例3〜17)に示す。これらの製剤は、ヒスチジン緩衝液および最終製剤自体のpH調整に用いられる塩酸から提供される塩化物イオンを含んでもよいことに留意すべきである。
II.定義
本明細書で使用する場合、「貯蔵安定性のある」水性組成物とは、溶液中のタンパク質の安定性を、例えば、所与の貯蔵時間を少なくとも20%超えて増強するために、ヒスチジンを用いて製剤化したタンパク質溶液(例えば、免疫グロブリン溶液)を表す。本発明の文脈において、弱酸性〜中性のpHで製剤化した変化しやすいタンパク質溶液(例えば、免疫グロブリン溶液)を、安定化剤としてヒスチジンを添加することにより、「貯蔵安定性のある」溶液にすることができる。免疫グロブリン製剤の安定性は、例えば、ある期間にわたって、凝集体形成、大部分の酵素活性の喪失、抗原力価の喪失または分解産物の形成を監視することによって測定することができる。
本明細書で使用する場合、「安定期間」という用語は、組成物が安定であると見なされる期間の長さを表す。例えば、組成物の安定期間は、その組成物中のタンパク質凝集および/またはタンパク質分解のレベルが、特定の閾値(例えば、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%など)より低いままである期間の長さ、組成物が特定の閾値(例えば、貯蔵期間の最初に組成物中に存在している活性量の100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%など)より高い酵素活性を維持する期間の長さ、または組成物が抗原力価(例えば、貯蔵期間の最初に組成物中に存在している抗原力価の100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%など)を維持する期間の長さを表す場合がある。
本発明の文脈において、ヒスチジンを用いて弱酸性〜中性のpHにおいて製剤化した、治療用タンパク質(例えば、免疫グロブリン組成物)の、貯蔵安定性のある水性組成物は、ヒスチジンを用いて酸性pHで製剤化した同じ治療用タンパク質の組成物、またはヒスチジンを用いないで弱酸性〜中性のpHで製剤化した同じ治療用タンパク質の組成物よりも長い安定期間を有する。本明細書において提供する、治療用タンパク質の貯蔵安定性のある水性組成物(例えば、免疫グロブリン組成物)は、例えば、ヒスチジンの非存在下で製剤化した同じ組成物、ヒスチジンを用いて酸性pHで製剤化した同じ組成物、またはグリシンもしくはプロリンを用いて酸性pHで製剤化した同じ組成物の安定期間を少なくとも20%上回る安定期間を有するか、あるいはヒスチジンの非存在下で製剤化した同じ組成物、ヒスチジンを用いて酸性pHで製剤化した同じ組成物、またはグリシンもしくはプロリンを用いて酸性pHで製剤化した同じ組成物についての安定期間を、少なくとも25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、100%、110%、120%、130%、140%、150%、160%、170%、180%、190%上回る安定期間を有するか、または少なくとも2倍、少なくとも2.5倍、少なくとも3.0倍、少なくとも3.5倍、少なくとも4.0倍、少なくとも4.5倍、少なくとも5.0倍、少なくとも5.5倍、少なくとも6.0倍、少なくとも6.5倍、少なくとも7.0倍、少なくとも7.5倍、少なくとも8.0倍、少なくとも8.5倍、少なくとも9.0倍、少なくとも9.5倍、または少なくとも10倍以上上回る安定期間を有する。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物は、本明細書において提供する、ヒスチジンを用いて弱酸性〜中性のpHにおいて製剤化した場合に、ヒスチジンの非存在下で製剤化した同じ免疫グロブリン、ヒスチジンを用いて酸性pHで製剤化した同じ免疫グロブリン、またはグリシンもしくはプロリンを用いて酸性pHで製剤化した同じ免疫グロブリンの安定性と比較して、貯蔵条件下で、25%〜1000%より長い期間、安定である場合がある。他の実施形態において、この組成物は、本発明に従って製剤化した場合に、50%〜1000%、100%〜1000%、200%〜1000%、300%〜1000%、400%〜1000%、500%〜1000%、600%〜1000%、または700%〜1000%の期間、安定である場合がある。
本明細書で使用する場合、「安定」という用語は、医薬投与に適したタンパク質組成物(例えば、免疫グロブリン溶液)の状態を表す。本発明の文脈において、免疫グロブリン溶液は、全般的に、この組成物中の免疫グロブリンの凝集および/もしくは分解のレベルが、特定の閾値より低い(例えば、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%などより低い)ままである場合に、または抗原力価が特定の閾値より高い(例えば、貯蔵期間の最初に組成物中に存在している抗原力価の100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%などより高い)ままである場合に、安定であると見なされる。
正常ヒト免疫グロブリンの欧州薬局方(Ph.Eur.)規格では、この組成物は、(i)標準的なクロマトグラムの総面積の85%以上に単量体および二量体の含有量を有し、かつ(ii)クロマトグラムの総面積の10%以下にポリマーおよび凝集体の合計含有量を有する。IGIVでは、単量体および二量体のピーク面積の合計は、95%以上を示し、ポリマーおよび凝集体の最大量は2%以下である。したがって、一実施形態において、免疫グロブリン含有量の少なくとも85%は単量体であり、免疫グロブリン含有量の2%以下が凝集している場合に、本明細書において提供する組成物は、安定であると見なされる。
本明細書で使用する場合、「貯蔵」とは、製剤が、調製した時点ですぐには対象に投与されないが、使用前に、特定の条件下(例えば、特定の温度、特定の雰囲気下、光から保護される条件など)で一定期間保持されることを意味する。例えば、液体製剤は、対象に投与する前に、冷蔵保存(0℃〜10℃)または室温(例えば、20℃と25℃との間の温度)などの様々な温度下で、数日間、数週間、数ヶ月間または数年間保存することができる。
本発明の目的では、組成物の個々の成分の濃度を表す場合に「X以下」および「0〜X」という語句は、0とXとの間、ならびに0およびXを含む、任意の濃度と同義であり、その濃度を表す。例えば、「2%以下の濃度」および「0%〜2%の濃度」という語句は同義であり、0%、1%および2%を含む。
本発明の目的では、組成物の個々の成分の濃度を表す場合に「X以上」という語句は、Xおよびそれより高い任意の濃度を表す。例えば、「98%以上の濃度」という語句は、98%、99%、および100%を含む。
本発明の目的では、組成物の個々の成分の濃度を表す場合に「XとYとの間」および「X〜Y」という語句は、X、Yを含むこれらの間の任意の濃度と同義であり、その濃度を表す。例えば、「49%と51%との間の濃度」および「49%〜51%の濃度」という語句は同義であり、49%、50%および51%を含む。
本明細書で使用する場合、「塩化アルカリ金属塩」とは、アルカリ金属と塩素との無機塩を表す。本発明の目的では、塩化アルカリ金属塩は、薬学的に許容される塩、最も一般的には、塩化ナトリウムまたは塩化カリウムである。好ましい実施形態において、この塩は塩化ナトリウムである。
同様に、「アルカリ金属カチオン」は、最も一般的には、ナトリウムカチオン(Na)またはカリウムカチオン(K)を表し、塩化アルカリ金属塩または他の供給源によって与えることができる。本発明の文脈において、水素イオンは、アルカリ金属カチオンとは見なされず、したがって、塩酸の包含は、製剤のアルカリ金属カチオン含有量に寄与しない。
本明細書で使用する場合、「抗体」は、検体(抗原)に特異的に結合し、認識する1つもしくは複数の免疫グロブリン遺伝子、またはその断片により実質的にコード化されるポリペプチドを表す。認識される免疫グロブリン遺伝子は、κ、λ、α、γ、δ、εおよびμの定常領域遺伝子、ならびに無数の免疫グロブリン可変領域遺伝子を含む。軽鎖は、κまたはλのいずれかに分類される。重鎖は、γ、μ、α、δ、またはεとして分類され、次いで、免疫グロブリンクラスのIgG、IgM、IgA、IgDおよびIgEをそれぞれ規定する。
例示的な免疫グロブリン(抗体)構造単位は、2ペアのポリペプチド鎖で構成され、それぞれのペアは、1つの「軽」鎖(約25kD)および1つの「重」鎖(約50〜70kD)を有する。それぞれの鎖のN末端は、主に抗原認識に関与する約100〜110個以上のアミノ酸の可変領域を規定する。可変軽鎖(VL)および可変重鎖(VH)という用語は、これらの軽鎖および重鎖をそれぞれ表す。特定の例示的な実施形態において、この免疫グロブリンは、IgG免疫グロブリンを含む、プールされた血漿(好ましくは、ヒト血漿)から単離された免疫グロブリン調製物からなる。
本明細書で使用する場合、「約」という用語は、おおよそ、特定された値から±10%の範囲を指す。例えば、「約20%」という言葉は、18〜22%の範囲を包含する。本明細書で使用する場合、約は、厳密な量も含む。したがって、「約20%」とは、「約20%」および「20%」も意味する。
「治療有効量もしくは治療有効用量」または「十分な/効果的な量もしくは用量」とは、投与された対象に対して効果を生み出す用量を意味する。正確な用量は、治療の目的によって決まり、公知の技術を用いて当業者によって確かめられる(例えば、Lieberman,Pharmaceutical Dosage Forms(vols.1−3,1992);Lloyd,The Art,Science and Technology of Pharmaceutical Compounding(1999);Pickar,Dosage Calculations(1999);およびRemington:The Science and Practice of Pharmacy,20th Edition,2003,Gennaro,Ed.,Lippincott,Williams&Wilkins参照)。
本明細書で使用する場合、「安定化剤」は、弱酸性〜中性のpH下で、水性製剤中に治療剤の安定化を助ける塩化アルカリ金属塩以外の化学物質を表す。本明細書において提供する製剤および方法に適する安定化剤の例として、緩衝剤(例えば、TRIS、HEPES、リン酸カリウムまたはリン酸ナトリウム、アミノ酸など)、浸透圧調節物質(例えば、糖類、糖アルコール類など)、増量剤(例えば、アミノ酸など)、二価塩、および界面活性剤などが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用する場合、「アミノ酸」は、任意の、天然のもしくは非天然の薬学的に許容されるアミノ酸を表す。アミノ酸の非限定的な例として、イソロイシン、アラニン、ロイシン、アスパラギン、リジン、アスパラギン酸、メチオニン、システイン、フェニルアラニン、グルタミン酸、スレオニン、グルタミン、トリプトファン、グリシン、バリン、プロリン、セレノシステイン、セリン、チロシン、アルギニン、ヒスチジン、オルニチン、およびタウリンなどが挙げられる。
例えば、果糖、グルコース、マンノース、ソルボース、キシロース、マルトース、乳糖、ショ糖、デキストラン、トレハロース、プルラン、デキストリン、シクロデキストリン、可溶性デンプン、ヒドロキシエチルデンプン、およびカルボキシメチルセルロースを含む単糖類、二糖類、もしくは多糖類、または水溶性グルカンなどの任意の糖が用いられてもよい。
本明細書で使用する場合、「糖アルコール」は、約4個と約8個との間の炭素原子、および少なくとも1つの水酸基を有する炭化水素を表す。本明細書において提供する製剤に用いられてもよい糖アルコール類の非限定的な例として、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、ガラクチトール、ズルシトール、キシリトール、およびアラビトールが挙げられる。
本明細書で使用する場合、「活性」という用語は、全長(完全)タンパク質と関連するポリペプチドもしくはその部分の、1つまたは複数の機能活性を表す。機能活性には、生物活性、触媒活性もしくは酵素活性、抗原性(すなわち、抗ポリペプチド抗体に結合するために、ポリペプチドに結合するか、または競合する能力)、免疫原性、多量体を形成する能力、およびポリペプチドの受容体もしくはリガンドに特異的に結合する能力が含まれるが、これらに限定されない。
III.製剤
数ある態様の中でもとりわけ、本発明は、治療的投与のために安定化させた免疫グロブリン製剤を提供する。以下の実施形態は、弱酸性〜中性のpHにおいてヒスチジンを用いて免疫グロブリンを製剤化すると免疫グロブリンが安定化され、そうでなければ、免疫グロブリンは、これらのpH値において変化しやすく、かつ/または酸性pHにおいてヒスチジンを用いて製剤化すると変化しやすく、かつ/またはアルカリ金属カチオンの存在下で製剤化すると変化しやすいという予想外の発見に一部基づいている。
当業者によって認識されるように、特定のpHで製剤化した免疫グロブリン組成物は、1つまたは複数のpH調整剤から与えられる残留対イオンを含んでもよい。例えば、本明細書において提供する貯蔵安定性のある組成物は、塩酸から与えられる塩化物アニオン、氷酢酸から与えられる酢酸アニオン、および水酸化ナトリウムから提供されるナトリウムカチオンなどを含んでもよい。本発明の文脈において、免疫グロブリンおよびヒスチジンからなる、または免疫グロブリンおよびヒスチジンから本質的になる、貯蔵安定性のある免疫グロブリン組成物は、特定のpHで、製剤化プロセスに必要とされる1つまたは複数の対イオンをさらに含んでもよい。
任意の免疫グロブリンは、本明細書において提供する製剤によって安定化される場合がある。安定化される場合がある免疫グロブリン調製物の非限定的な例として、血漿由来の免疫グロブリン調製物、組換えポリクローナル調製物もしくは組換えモノクローナル調製物、ミニボディ、ダイアボディ、トリアボディ、Fv、FabおよびF(ab)2などの抗体フラグメント、または一価もしくは多価の単鎖Fv(scFv、sc(Fv)2、scFv二量体などのミニボディ、ダイアボディ、およびトリアボディ)などの断片抗体が挙げられ、その中の抗体の可変領域が、ペプチドリンカーなどのリンカーを介して互いに結合している。組換え抗体には、マウス抗体、げっ歯類抗体、ヒト抗体、キメラヒト抗体(例えば、ヒト/マウスキメラ)、およびヒト化抗体(例えば、ヒト化マウス抗体)などが含まれる。好ましい実施形態において、組換え抗体は、ヒトへの投与に適するヒト抗体、キメラヒト抗体またはヒト化抗体である。好ましい実施形態において、この免疫グロブリンは、全長の免疫グロブリンまたは全長に近い免疫グロブリンであり、一般的に、それらの組換え断片よりも変化しやすい。
一般に、本明細書において提供する貯蔵安定性のある免疫グロブリン製剤は、長期間、室温(すなわち、20℃と25℃との間)で安定化される。例えば、一実施形態において、少なくとも約2ヶ月間、室温で貯蔵された場合に、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物は安定である。別の実施形態において、この組成物は、少なくとも約3ヶ月間安定である。さらに他の実施形態において、この組成物は、少なくとも約1ヶ月間、または少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48ヶ月間以上安定である。好ましい実施形態において、この組成物は、少なくとも約6ヶ月間安定である。より好ましい実施形態において、この組成物は、少なくとも約1年間安定である。より好ましい実施形態において、この組成物は、少なくとも約2年間安定である。
一実施形態において、この貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物は、約28℃と約32℃との間の温度で少なくとも6ヶ月間安定である。具体的な実施形態において、この貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物は、約28℃と約32℃との間の温度で少なくとも1年間安定である。より具体的な実施形態において、この貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物は、約28℃と約32℃との間の温度で少なくとも2年間安定である。別の実施形態において、この貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物は、約38℃と約42℃との間の温度で少なくとも約1ヶ月間安定である。具体的な実施形態において、この貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物は、約38℃と約42℃との間の温度で少なくとも約3ヶ月間安定である。より具体的な実施形態において、この貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物は、約38℃と約42℃との間の温度で少なくとも約1年間安定である。
一実施形態において、この組成物は、凝集状態の免疫グロブリンの割合が10%以下である限り、安定であると見なされる。好ましい実施形態において、この組成物は、凝集状態の免疫グロブリンの割合が9%以下である限り、安定であると見なされる。より好ましい実施形態において、この組成物は、凝集状態の免疫グロブリンの割合が8%以下である限り、安定であると見なされる。より好ましい実施形態において、この組成物は、凝集状態の免疫グロブリンの割合が7%以下である限り、安定であると見なされる。より好ましい実施形態において、この組成物は、凝集状態の免疫グロブリンの割合が6%以下である限り、安定であると見なされる。より好ましい実施形態において、この組成物は、凝集状態の免疫グロブリンの割合が5%以下である限り、安定であると見なされる。より好ましい実施形態において、この組成物は、凝集状態の免疫グロブリンの割合が4%以下である限り、安定であると見なされる。より好ましい実施形態において、この組成物は、凝集状態の免疫グロブリンの割合が3%以下である限り、安定であると見なされる。最も好ましい実施形態において、この組成物は、凝集状態の免疫グロブリンの割合が2%以下である限り、安定であると見なされる。
一実施形態において、この組成物は、凝集状態の免疫グロブリンの割合が10%以下でありかつ単量体状態の免疫グロブリンの割合が85%以上である限り、安定であると見なされる。好ましい実施形態において、この組成物は、凝集状態の免疫グロブリンの割合が9%以下でありかつ単量体状態の免疫グロブリンの割合が85%以上である限り、安定であると見なされる。好ましい実施形態において、この組成物は、凝集状態の免疫グロブリンの割合が8%以下でありかつ単量体状態の免疫グロブリンの割合が85%以上である限り、安定であると見なされる。好ましい実施形態において、この組成物は、凝集状態の免疫グロブリンの割合が7%以下でありかつ単量体状態の免疫グロブリンの割合が85%以上である限り、安定であると見なされる。好ましい実施形態において、この組成物は、凝集状態の免疫グロブリンの割合が6%以下でありかつ単量体状態の免疫グロブリンの割合が85%以上である限り、安定であると見なされる。好ましい実施形態において、この組成物は、凝集状態の免疫グロブリンの割合が5%以下でありかつ単量体状態の免疫グロブリンの割合が85%以上である限り、安定であると見なされる。好ましい実施形態において、この組成物は、凝集状態の免疫グロブリンの割合が4%以下でありかつ単量体状態の免疫グロブリンの割合が85%以上である限り、安定であると見なされる。好ましい実施形態において、この組成物は、凝集状態の免疫グロブリンの割合が3%以下でありかつ単量体状態の免疫グロブリンの割合が85%以上である限り、安定であると見なされる。最も好ましい実施形態において、この組成物は、凝集状態の免疫グロブリンの割合が2%以下でありかつ単量体状態の免疫グロブリンの割合が85%以上である限り、安定であると見なされる。
製剤化した後、本明細書において提供する貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物は、一般的に、無菌濾過され、例えば、ゴム栓を用いて、気密に密封された無菌の封じ込め容器に分注される。気密容器内の免疫グロブリン組成物は、好ましくは、暗い場所で、薄い色の付いた容器材料(一般的に、ガラスもしくはプラスチック)を用いて、かつ/または不透明な物質で容器の表面を覆って貯蔵することにより、周囲の光から保護される。
特定の実施形態において、封じ込め容器内のヘッドスペースの空気を不活性ガスで置換する。この不活性ガスは、液体組成物の上に不活性雰囲気を維持するのに役立つ。一実施形態において、液体を不活性ガスで覆う。別の実施形態において、この液体は、不活性ガスで覆われる前に脱気され、大気中の残留酸素が異なってもよいことを意味する。本発明の文脈において、免疫グロブリン組成物が、ヘッドスペースの空気が不活性ガスで置換され、この組成物が不活性ガスで覆われた容器で貯蔵されるか、またはこの組成物が不活性ガスで覆われる前に、脱気される場合に、この組成物は、「不活性ガス下で貯蔵される」と言われる。本発明と併せて使用されてもよい不活性ガスの非限定的な例として、窒素、アルゴン、二酸化炭素、ヘリウム、クリプトン、およびキセノンが挙げられる。特定の一実施形態において、この不活性ガスは窒素である。別の特定の実施形態において、この不活性ガスはアルゴンである。
A.一般的な免疫グロブリン製剤
一実施形態において、本発明は、免疫グロブリンと、50mMと500mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、5.5と7.0との間のpHと、を備える、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
特定の実施形態において、この貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物は、免疫グロブリンと、50mMと500mMとの間のヒスチジンと、1mM以下のアルカリ金属カチオンと、5.5と7.0との間のpHを備える。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
有利なことに、中程度の濃度のヒスチジン(例えば、50mM〜500mM)を用いた免疫グロブリンの製剤化が、弱酸性〜中性のpHにおいて、界面活性剤類(例えば、非イオン性界面活性剤類)、糖類、および糖アルコール類などの従来の安定化剤および増量剤の非存在下で、免疫グロブリン組成物を安定化させることが見出されている。
したがって、具体的な実施形態において、本発明は、免疫グロブリンと、50mMと500mMとの間のヒスチジンと、1mM以下のアルカリ金属カチオンと、0.01%以下の界面活性剤と、1mM以下の糖と、1mM以下の糖アルコールと、5.5と7.0との間のpHと、を備える、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
別の具体的な実施形態において、本発明は、免疫グロブリンと、50mMと500mMとの間のヒスチジンと、5.5と7.0との間のpHと、から本質的になる、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。特定の実施形態において、この組成物は、10mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の特定の実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
より具体的な実施形態において、本発明は、免疫グロブリンと、50mMと500mMとの間のヒスチジンと、1mM以下のアルカリ金属カチオンと、0.01%以下の界面活性剤と、1mM以下の糖と、1mM以下の糖アルコールと、5.5と7.0との間のpHと、からなる、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
本発明が提供するヒスチジン製剤を用いて、プールされた血漿(例えば、ヒトのプールされた血漿)から単離された免疫グロブリン組成物と、乳腺分泌物から単離された免疫グロブリン組成物と、鳥供給源から単離された免疫グロブリン組成物(例えば、ニワトリの卵の卵黄から単離されたIgY含有組成物)と、組換え免疫グロブリン(例えば、モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体)を含むが、これらに限定されない任意の免疫グロブリン組成物を安定化させてもよい。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
好ましい実施形態において、本発明は、プールされた血漿(例えば、ヒトのプールされた血漿)から単離された、貯蔵安定性のある免疫グロブリン組成物を提供する。特定の実施形態において、プールされた血漿から単離された免疫グロブリン組成物は、少なくとも90%のIgG免疫グロブリンを含む。具体的な実施形態において、プールされた血漿から単離された免疫グロブリン組成物は、少なくとも95%のIgG免疫グロブリンを含む。より具体的な実施形態において、プールされた血漿から単離された免疫グロブリン組成物は、少なくとも98%のIgG免疫グロブリンを含む。特定の実施形態において、プールされた血漿から単離された免疫グロブリン組成物は、IgAおよび/またはIgMの免疫グロブリンを含む。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
1.ヒスチジン
一実施形態において、本明細書において提供する、貯蔵安定性のある免疫グロブリン組成物中のヒスチジンの濃度は、50mMと500mMとの間である。別の実施形態において、この製剤中のヒスチジンの濃度は、100mMと400mMとの間である。別の実施形態において、この製剤中のヒスチジンの濃度は、200mMと300mMとの間である。別の実施形態において、この製剤中のヒスチジンの濃度は、225mMと275mMとの間である。別の実施形態において、この製剤中のヒスチジンの濃度は、240mMと260mMとの間である。特定の実施形態において、ヒスチジンの濃度は、250mMである。特定の他の実施形態において、この製剤中のヒスチジンの濃度は、5±0.5mM、10±1mM、15±1.5mM、20±2mM、25±2.5mM、50±5mM、75±7.5mM、100±10mM、125±12.5mM、150±15mM、175±17.5mM、200±20mM、225±22.5mM、250±25mM、275±27.5mM、300±30mM、325±32.5mM、350±35mM、375±37.5mM、400±40mM、425±42.5mM、450±45mM、475±47.5mM、500±50mMであるかまたはそれより高い。さらに他の実施形態において、この製剤中のヒスチジンの濃度は、5mM、10mM、15mM、20mM、25mM、50mM、75mM、100mM、125mM、150mM、175mM、200mM、225mM、250mM、275mM、300mM、325mM、350mM、375mM、400mM、425mM、450mM、475mM、500mMであるかまたはそれより高い。
したがって、一実施形態において、本発明は、免疫グロブリンと、100mMと400mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、5.5と7.0との間のpHと、を備える、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
具体的な実施形態において、本発明は、免疫グロブリンと、100mMと400mMとの間のヒスチジンと、5.5と7.0との間のpHと、から本質的になる貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。特定の実施形態において、この組成物は、10mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の特定の実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
より具体的な実施形態において、本発明は、免疫グロブリンと、100mMと400mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、5.5と7.0との間のpHと、からなる、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
一実施形態において、本発明は、免疫グロブリンと、200mMと300mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、5.5と7.0との間のpHと、を備える、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
具体的な実施形態において、本発明は、免疫グロブリンと、200mMと300mMとの間のヒスチジンと、5.5と7.0との間のpHと、から本質的になる、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。特定の実施形態において、この組成物は、10mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の特定の実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
より具体的な実施形態において、本発明は、免疫グロブリンと、200mMと300mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、5.5と7.0との間のpHと、からなる、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
一実施形態において、本発明は、免疫グロブリンと、225mMと275mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、5.5と7.0との間のpHと、を備える、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
具体的な実施形態において、本発明は、免疫グロブリンと、225mMと275mMとの間のヒスチジンと、5.5と7.0との間のpHと、から本質的になる、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。特定の実施形態において、この組成物は、10mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の特定の実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
より具体的な実施形態において、本発明は、免疫グロブリンと、225mMと275mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、5.5と7.0との間のpHと、からなる、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
一実施形態において、本発明は、免疫グロブリンと、240mMと260mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、5.5と7.0との間のpHと、を備える、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
具体的な実施形態において、本発明は、免疫グロブリンと、240mMと260mMとの間のヒスチジンと、5.5と7.0との間のpHと、から本質的になる貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。特定の実施形態において、この組成物は、10mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の特定の実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
より具体的な実施形態において、本発明は、免疫グロブリンと、240mMと260mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、5.5と7.0との間のpHと、からなる、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
一実施形態において、本発明は、免疫グロブリンと、250mMのヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、5.5と7.0との間のpHと、を備える、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
具体的な実施形態において、本発明は、免疫グロブリンと、250mMのヒスチジンと、および5.5と7.0との間のpHと、から本質的になる、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。特定の実施形態において、この組成物は、10mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の特定の実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
より具体的な実施形態において、本発明は、免疫グロブリンと、250mMのヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、5.5と7.0との間のpHと、からなる、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
2.pH
本発明が提供する、貯蔵安定性のある免疫グロブリン組成物は、弱酸性〜中性のpHで製剤化される。一般的に、これには、5.5と7.0との間のpH値が含まれる。好ましい実施形態において、このpH値は、5.5と6.5との間である。しかし、任意の個々の免疫グロブリン組成物が、製剤中にヒスチジンを含めることによって安定化されるpH値の範囲は、特定の免疫グロブリンの性質によって異なる場合がある。
例えば、一実施形態において、貯蔵安定性のある製剤は、5.5と7.0との間のpHを有する。別の実施形態において、貯蔵安定性のある製剤は、5.5と6.5との間のpHを有する。他の実施形態において、この安定化製剤のpHは、6.0と7.0との間である。別の実施形態において、この安定化製剤のpHは、5.5と6.0との間である。一実施形態において、この安定化製剤のpHは、6.0と6.5との間である。別の実施形態において、この安定化製剤のpHは、6.5と7.0との間である。別の実施形態において、この安定化製剤は、6.0±0.4のpHを有する。別の実施形態において、この安定化製剤は、6.0±0.3のpHを有する。別の実施形態において、この安定化製剤は、6.0±0.2のpHを有する。別の実施形態において、この安定化製剤は、6.0±0.1のpHを有する。別の実施形態において、この安定化製剤は、6.1±0.5のpHを有する。別の実施形態において、この安定化製剤は、6.1±0.4のpHを有する。別の実施形態において、この安定化製剤は、6.1±0.3のpHを有する。別の実施形態において、この安定化製剤は、6.1±0.2のpHを有する。別の実施形態において、この安定化製剤は、6.1±0.1のpHを有する。他の実施形態において、この安定化製剤のpHは、5.5±0.2、5.6±0.2、5.7±0.2、5.8±0.2、5.9±0.2、6.0±0.2、6.1±0.2、6.2±0.2、6.3±0.2、6.4±0.2、6.5±0.2、6.6±0.2、6.7±0.2、6.8±0.2、6.9±0.2,または7.0±0.2であってもよい。他の実施形態において、この安定化製剤のpHは、5.5±0.1、5.6±0.1、5.7±0.1、5.8±0.1、5.9±0.1、6.0±0.1、6.1±0.1、6.2±0.1、6.3±0.1、6.4±0.1、6.5±0.1、6.6±0.1、6.7±0.1、6.8±0.1、6.9±0.1、または7.0±0.1であってもよい。さらに他の実施形態において、この安定化製剤のpHは、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、または7.0であってもよい。
したがって、一実施形態において、本発明は、免疫グロブリンと、50mMと500mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、5.5と6.5との間のpHと、を備える、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
具体的な実施形態において、本発明は、免疫グロブリンと、50mMと500mMとの間のヒスチジンと、5.5と6.5との間のpHと、から本質的になる貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。特定の実施形態において、この組成物は、10mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の特定の実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
より具体的な実施形態において、本発明は、免疫グロブリンと、50mMと500mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、5.5と6.5との間のpHと、からなる、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
一実施形態において、本発明は、免疫グロブリンと、200mMと300mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、5.5と6.5との間のpHと、を備える、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
具体的な実施形態において、本発明は、免疫グロブリンと、200mMと300mMとの間のヒスチジンと、5.5と6.5との間のpHと、から本質的になる貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。特定の実施形態において、この組成物は、10mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の特定の実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
より具体的な実施形態において、本発明は、免疫グロブリンと、200mMと300mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、5.5と6.5との間のpHと、からなる、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
一実施形態において、本発明は、免疫グロブリンと、200mMと300mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、6.1±0.4のpHと、を備える、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
具体的な実施形態において、本発明は、免疫グロブリンと、200mMと300mMとの間のヒスチジンと、6.1±0.4のpHと、から本質的になる貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。特定の実施形態において、この組成物は、10mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の特定の実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
より具体的な実施形態において、本発明は、免疫グロブリンと、200mMと300mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、6.1±0.4のpHと、からなる、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
一実施形態において、本発明は、免疫グロブリンと、200mMと300mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、6.1±0.3のpHと、を備える、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
具体的な実施形態において、本発明は、免疫グロブリンと、200mMと300mMとの間のヒスチジンと、6.1±0.3のpHと、から本質的になる貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。特定の実施形態において、この組成物は、10mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の特定の実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
より具体的な実施形態において、本発明は、免疫グロブリンと、200mMと300mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、6.1±0.3のpHと、からなる、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
一実施形態において、本発明は、免疫グロブリンと、200mMと300mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、6.1±0.2のpHと、を備える、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
具体的な実施形態において、本発明は、免疫グロブリンと、200mMと300mMとの間のヒスチジンと、6.1±0.2のpHと、から本質的になる貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。特定の実施形態において、この組成物は、10mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の特定の実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
より具体的な実施形態において、本発明は、免疫グロブリンと、200mMと300mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、6.1±0.2のpHと、からなる、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
一実施形態において、本発明は、免疫グロブリンと、200mMと300mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、6.1±0.1のpHと、を備える、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
具体的な実施形態において、本発明は、免疫グロブリンと、200mMと300mMとの間のヒスチジンと、6.1±0.1のpHと、から本質的になる貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。特定の実施形態において、この組成物は、10mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の特定の実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
より具体的な実施形態において、本発明は、免疫グロブリンと、200mMと300mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、6.1±0.1のpHと、からなる、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
一実施形態において、本発明は、免疫グロブリンと、200mMと300mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、6.1のpHと、を備える、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
具体的な実施形態において、本発明は、免疫グロブリンと、200mMと300mMとの間のヒスチジンと、6.1のpHと、から本質的になる貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。特定の実施形態において、この組成物は、10mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の特定の実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
より具体的な実施形態において、本発明は、免疫グロブリンと、200mMと300mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、6.1のpHと、からなる、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
特定の実施形態において、この製剤のヒスチジン濃度およびpHの組み合わせは、表1および表2に示すとおりの、1〜952のバリエーション(Var.)のうちの任意の1つから選択されるであろう。
したがって、一実施形態において、本発明は、免疫グロブリンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、表1および表2に示すとおりの、バリエーション1〜952からなる群より選択されるヒスチジン/pHの組み合わせと、を備える、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
具体的な実施形態において、本発明は、免疫グロブリンと、表1および表2に示すとおりの、バリエーション1〜952からなる群より選択されるヒスチジン/pHの組み合わせと、から本質的になる、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。特定の実施形態において、この組成物は、10mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の特定の実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
より具体的な実施形態において、本発明は、免疫グロブリンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、表1および表2に示すとおりの、バリエーション1〜952からなる群より選択されるヒスチジン/pHの組み合わせと、からなる、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。特定の実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
(表1)免疫グロブリンの製剤化に有用なヒスチジン濃度およびpHの特定の組み合わせ
Figure 2017071631
(表2)免疫グロブリンの製剤化に有用なヒスチジン濃度およびpHの特定の組み合わせ
Figure 2017071631
Figure 2017071631
Figure 2017071631
3.対イオン
一般に、本明細書において提供する貯蔵安定性のある免疫グロブリン組成物は、塩酸、氷酢酸、および水酸化ナトリウムなどのpH調整試薬から寄与される、アニオンおよびカチオンの両方の対イオンも含んでいる。したがって、特定の実施形態において、本明細書において提供する、貯蔵安定性のある免疫グロブリン組成物は、溶液をpH調整するために用いられる、それぞれの酸から寄与される塩化物アニオンまたは酢酸アニオンをさらに含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物は、10mMと400mMとの間の塩化物イオンを含む。
本明細書において提供する、貯蔵安定性のある免疫グロブリン組成物中に存在する対イオンの量は、所望のpHで、この免疫グロブリン組成物を製剤化するために用いられるpH調整剤(例えば、塩酸(HCl)、酢酸、水酸化ナトリウムなど)の量に依存する。この目的のために用いられるpH調整剤の量の変動に寄与するかもしれない因子には、製剤化される免疫グロブリンのアイデンティティーおよび濃度、所望のpH(すなわち、所望のpHが低いほど、より多くの酸が製剤化に必要とされる)、ならびにこの製剤中のヒスチジンの濃度が含まれる。例えば、pH6.1で、250mMのヒスチジンを用いて、以下の実施例に記載の20%IgG免疫グロブリン組成物を製剤化するのに必要なHClの量は、約155mMの塩化物イオンを含む最終免疫グロブリン組成物をもたらすことが見出された。この組成物のpHが酸で調整されている特定の場合において、このpHが所望のpHを下回った場合には、水酸化ナトリウムの使用(すなわち、水酸化ナトリウムを用いるpHの逆滴定)が必要となる場合がある。
したがって、一実施形態において、この貯蔵安定性のある免疫グロブリン組成物は、500mM以下の塩化物イオンを含む。別の実施形態において、この組成物は、400mM以下の塩化物イオンを含む。別の実施形態において、この組成物は、300mM以下の塩化物イオンを含む。別の実施形態において、この組成物は、200mM以下の塩化物イオンを含む。さらに別の実施形態において、この組成物は、100mM以下の塩化物イオンを含む。一実施形態において、本明細書において提供する、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物中の塩化物イオンの濃度は、1mMと400mMとの間である。別の実施形態において、塩化物イオンの濃度は、10mMと400mMとの間である。別の実施形態において、塩化物イオンの濃度は、10mMと300mMとの間である。別の実施形態において、塩化物イオンの濃度は、10mMと200mMとの間である。別の実施形態において、塩化物イオンの濃度は、10mMと100mMとの間である。一実施形態において、塩化物イオンの濃度は、50mMと400mMとの間である。別の実施形態において、塩化物イオンの濃度は、50mMと300mMとの間である。別の実施形態において、塩化物イオンの濃度は、50mMと200mMとの間である。一実施形態において、塩化物イオンの濃度は、100mMと400mMとの間である。別の実施形態において、塩化物イオンの濃度は、100mMと300mMとの間である。別の実施形態において、塩化物イオンの濃度は、100mMと200mMとの間である。さらに他の実施形態において、塩化物イオンの濃度は、10±1mM、20±2mM、30±3mM、40±4mM、50±5mM、60±6mM、70±7mM、80±8mM、90±9mM、100±10mM、125±12.5mM、150±15mM、175±17.5mM、200±20mM、225±22.5mM、250±25mM、300±30mM、350±35mM、400±40mM、450±45mM、または500±50mMである。
一実施形態において、本発明は、免疫グロブリンと、50mMと500mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、10mMと400mMとの間の塩化物イオンと、5.5と7.0との間のpHと、を備える、貯蔵安定性のある免疫グロブリン組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
具体的な実施形態において、本発明は、免疫グロブリンと、50mMと500mMとの間のヒスチジンと、10mMと400mMとの間の塩化物イオンと、5.5と7.0との間のpHと、から本質的になる貯蔵安定性のある免疫グロブリン組成物を提供する。特定の実施形態において、この組成物は、10mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
より具体的な実施形態において、本発明は、免疫グロブリンと、50mMと500mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、10mMと400mMとの間の塩化物イオンと、5.5と7.0との間のpHと、からなる、貯蔵安定性のある免疫グロブリン組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
一実施形態において、本発明は、免疫グロブリンと、50mMと500mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、100mMと200mMとの間の塩化物イオンと、5.5と7.0との間のpHと、を備える、貯蔵安定性のある免疫グロブリン組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
具体的な実施形態において、本発明は、免疫グロブリンと、50mMと500mMとの間のヒスチジンと、100mMと200mMとの間の塩化物イオンと、5.5と7.0との間のpHと、から本質的になる貯蔵安定性のある免疫グロブリン組成物を提供する。特定の実施形態において、この組成物は、10mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
より具体的な実施形態において、本発明は、免疫グロブリンと、50mMと500mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、100mMと200mMとの間の塩化物イオンと、5.5と7.0との間のpHと、からなる、貯蔵安定性のある免疫グロブリン組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
一実施形態において、本発明は、免疫グロブリンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、表1および表2に示すとおりの、バリエーション1〜952からなる群より選択されるヒスチジン/pH組み合わせと、10mMと400mMとの間の塩化物イオンと、を備える、貯蔵安定性のある免疫グロブリン組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
具体的な実施形態において、本発明は、免疫グロブリンと、表1および表2に示すとおりの、バリエーション1〜952からなる群より選択されるヒスチジン/pH組み合わせと、10mMと400mMとの間の塩化物イオンと、から本質的になる貯蔵安定性のある免疫グロブリン組成物を提供する。特定の実施形態において、この組成物は、10mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
より具体的な実施形態において、本発明は、免疫グロブリンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、表1および表2に示すとおりの、バリエーション1〜952からなる群より選択されるヒスチジン/pH組み合わせと、10mMと400mMとの間の塩化物イオンと、からなる、貯蔵安定性のある免疫グロブリン組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
一実施形態において、本発明は、免疫グロブリンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、表1および表2に示すとおりの、バリエーション1〜952からなる群より選択されるヒスチジン/pH組み合わせと、100mMと200mMとの間の塩化物イオンと、を備える、貯蔵安定性のある免疫グロブリン組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
具体的な実施形態において、本発明は、免疫グロブリンと、表1および表2に示すとおりの、バリエーション1〜952からなる群より選択されるヒスチジン/pH組み合わせと、100mMと200mMとの間の塩化物イオンと、から本質的になる貯蔵安定性のある免疫グロブリン組成物を提供する。特定の実施形態において、この組成物は、10mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
より具体的な実施形態において、本発明は、免疫グロブリンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、表1および表2に示すとおりの、バリエーション1〜952からなる群より選択されるヒスチジン/pH組み合わせと、100mMと200mMとの間の塩化物イオンと、からなる、貯蔵安定性のある免疫グロブリン組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
4.免疫グロブリン濃度
一般に、本明細書において提供するヒスチジン製剤は、広範囲のタンパク質濃度を有する免疫グロブリン組成物を安定化させるのに有用である。例えば、本明細書において提供するヒスチジン製剤は、モノクローナル抗体の医薬製剤に用いられる低い免疫グロブリン濃度(例えば、10〜40g/L以下)、静脈注射用の免疫グロブリンの医薬製剤に用いられる中程度の免疫グロブリン濃度(例えば、40〜150g/L)、および皮下投与または筋肉内投与される免疫グロブリンの医薬製剤に用いられる高い免疫グロブリン濃度(例えば、150〜250g/L以上)を安定化させるのに良好に適している。一般に、本明細書において提供する方法および製剤によって安定化させる場合がある免疫グロブリン濃度の上限は、製剤化される免疫グロブリンの溶解限度または用いられる特定の製造プロセスによって達成することができる最大濃度によってのみ制限される。したがって、一実施形態において、本明細書において提供する、貯蔵安定性のある水溶液の免疫グロブリン濃度は、1g/Lと250g/Lとの間である。
a.低い免疫グロブリン濃度
一実施形態において、本発明は、40g/L未満の免疫グロブリンと、50mMと500mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、5.5と7.0との間のpHと、を備え、貯蔵安定性のある、低濃度の免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の具体的な実施形態において、この組成物は、10mMと400mMとの間の塩化物イオンをさらに含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
特定の実施形態において、本発明は、40g/L未満の免疫グロブリンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、表1および表2に示すとおりの、バリエーション1〜952からなる群より選択されるヒスチジン/pH組み合わせと、を備え、貯蔵安定性のある、低濃度の免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の具体的な実施形態において、この組成物は、10mMと400mMとの間の塩化物イオンをさらに含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
具体的な実施形態において、本発明は、40g/L未満の免疫グロブリンと、表1および表2に示すとおりの、バリエーション1〜952からなる群より選択されるヒスチジン/pH組み合わせと、から本質的になり、貯蔵安定性のある、低濃度の免疫グロブリン水性組成物を提供する。一実施形態において、この組成物は、10mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の具体的な実施形態において、この組成物は、10mMと400mMとの間の塩化物イオンをさらに含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
より具体的な実施形態において、本発明は、40g/L未満の免疫グロブリンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、表1および表2に示すとおりの、バリエーション1〜952からなる群より選択されるヒスチジン/pH組み合わせと、からなり、貯蔵安定性のある、低濃度の免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の具体的な実施形態において、この組成物は、10mMと400mMとの間の塩化物イオンをさらに含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
具体的な実施形態において、貯蔵安定性のある、低濃度の免疫グロブリン水性組成物中の免疫グロブリン濃度は、10g/Lと40g/Lとの間である。別の実施形態において、この免疫グロブリン濃度は、20g/Lと30g/Lとの間である。一実施形態において、この免疫グロブリン濃度は、40g/L未満である。一実施形態において、この免疫グロブリン濃度は、40g/L以下である。別の実施形態において、この免疫グロブリン濃度は、30g/L以下である。別の実施形態において、この免疫グロブリン濃度は、20g/L以下である。別の実施形態において、この免疫グロブリン濃度は、10g/L以下である。具体的な実施形態において、この免疫グロブリン濃度は、10±1g/L、15±1.5g/L、20±2g/L、25±2.5g/L、30±3g/L、35±3.5g/L、または40±4g/Lである。さらに他の実施形態において、この免疫グロブリン濃度は、1g/L、2g/L、3g/L、4g/L、5g/L、6g/L、7g/L、8g/L、9g/L、10g/L、11g/L、12g/L、13g/L、14g/L、15g/L、16g/L、17g/L、18g/L、19g/L、20g/L、21g/L、22g/L、23g/L、24g/L、25g/L、26g/L、27g/L、28g/L、29g/L、30g/L、31g/L、32g/L、33g/L、34g/L、35g/L、36g/L、37g/L、38g/L、39g/L、または40g/Lである。
b.中程度の免疫グロブリン濃度
別の実施形態において、本発明は、40g/Lと150g/Lとの間の免疫グロブリンと、50mMと500mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、5.5と7.0との間のpHと、を備える、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の具体的な実施形態において、この組成物は、10mMと400mMとの間の塩化物イオンをさらに含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
特定の実施形態において、本発明は、40g/Lと150g/Lとの間の免疫グロブリンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、表1および表2に示すとおりの、バリエーション1〜952からなる群より選択されるヒスチジン/pH組み合わせと、を備える、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の具体的な実施形態において、この組成物は、10mMと400mMとの間の塩化物イオンをさらに含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
具体的な実施形態において、本発明は、40g/Lと150g/Lとの間の免疫グロブリンと、表1および表2に示すとおりの、バリエーション1〜952からなる群より選択されるヒスチジン/pH組み合わせと、から本質的になる貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。一実施形態において、この組成物は、10mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の具体的な実施形態において、この組成物は、10mMと400mMとの間の塩化物イオンをさらに含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
より具体的な実施形態において、本発明は、40g/Lと150g/Lとの間の免疫グロブリンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、表1および表2に示すとおりの、バリエーション1〜952からなる群より選択されるヒスチジン/pH組み合わせと、からなる、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の具体的な実施形態において、この組成物は、10mMと400mMとの間の塩化物イオンをさらに含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
具体的な実施形態において、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物中の免疫グロブリン濃度は、40g/Lと60g/Lとの間である。別の具体的な実施形態において、この免疫グロブリン濃度は、90g/Lと110g/Lとの間である。特定の実施形態において、この免疫グロブリン濃度は、45±4.5g/L、50±5g/L、55±5.5g/L、60±6g/L、65±6.5g/L、70±7g/L、75±7.5g/L、80±8g/L、85±8.5g/L、90±9g/L、95±9.5g/L、100±10g/L、110±11g/L、120±12g/L、130±13g/L、140±14g/L、または150±15g/Lである。さらに他の実施形態において、この免疫グロブリン濃度は、40g/L、45g/L、50g/L、55g/L、60g/L、65g/L、70g/L、75g/L、80g/L、85g/L、90g/L、95g/L、100g/L、105g/L、110g/L、115g/L、120g/L、125g/L、130g/L、135g/L、140g/L、145g/L、または150g/Lである。
c.高い免疫グロブリン濃度
一実施形態において、本発明は、150g/Lを超える免疫グロブリンと、50mMと500mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、5.5と7.0との間のpHと、を備え、貯蔵安定性のある、高濃度の免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の具体的な実施形態において、この組成物は、10mMと400mMとの間の塩化物イオンをさらに含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
特定の実施形態において、本発明は、150g/Lを超える免疫グロブリンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、表1および表2に示すとおりの、バリエーション1〜952からなる群より選択されるヒスチジン/pH組み合わせと、を備え、貯蔵安定性のある、高濃度の免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の具体的な実施形態において、この組成物は、10mMと400mMとの間の塩化物イオンをさらに含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
具体的な実施形態において、本発明は、150g/Lを超える免疫グロブリンと、表1および表2に示すとおりの、バリエーション1〜952からなる群より選択されるヒスチジン/pH組み合わせと、から本質的になり、貯蔵安定性のある、高濃度の免疫グロブリン水性組成物を提供する。一実施形態において、この組成物は、10mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の具体的な実施形態において、この組成物は、10mMと400mMとの間の塩化物イオンをさらに含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
より具体的な実施形態において、本発明は、150g/Lを超える免疫グロブリンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、表1および表2に示すとおりの、バリエーション1〜952からなる群より選択されるヒスチジン/pH組み合わせと、からなり、貯蔵安定性のある、高濃度の免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の具体的な実施形態において、この組成物は、10mMと400mMとの間の塩化物イオンをさらに含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
一実施形態において、貯蔵安定性のある、高濃度の免疫グロブリン水性組成物中の免疫グロブリン濃度は、少なくとも150g/Lである。具体的な実施形態において、この免疫グロブリン濃度は、少なくとも175g/Lである。別の具体的な実施形態において、この免疫グロブリン濃度は、少なくとも200g/Lである。別の具体的な実施形態において、この免疫グロブリン濃度は、少なくとも225g/Lである。一実施形態において、この免疫グロブリン濃度は、150g/Lと250g/Lとの間である。別の実施形態において、この免疫グロブリン濃度は、175g/Lと225g/Lとの間である。特定の実施形態において、この免疫グロブリン濃度は、150±15g/L、160±16g/L、170±17g/L、180±18g/L、190±19g/L、200±20g/L、210±21g/L、220±22g/L、230±23g/L、240±24g/L、または250±25g/Lである。さらに他の実施形態において、この免疫グロブリン濃度は、150g/L、160g/L、170g/L、180g/L、190g/L、200g/L、210g/L、220g/L、230g/L、240g/L、または250g/L以上である。
5.投与
特定の実施形態において、本明細書において提供する、貯蔵安定性のある組成物を、皮内投与、皮下投与、経皮移植、空洞内投与、硝子体内投与、経強膜投与、大脳内投与、髄腔内投与、硬膜外投与、静脈内投与、心臓内投与、筋肉内投与、骨内投与、腹腔内投与、およびナノセル注射投与を含むが、これらに限定されない非経口投与のために製剤化する。好ましい一実施形態において、本明細書において提供する組成物は、静脈内投与のために製剤化される。別の好ましい実施形態において、本明細書において提供する組成物は、皮下投与のために製剤化される。さらに別の好ましい実施形態において、本明細書において提供する組成物は、筋肉内投与のために製剤化される。さらに別の実施形態において、この製剤は、静脈内投与、ならびに皮下投与および筋肉内投与のいずれか、またはその両方に適する。
6.賦形剤
特定の実施形態において、本明細書において提供する、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物は、1つ以上の賦形剤をさらに含む。本明細書において提供する製剤中に含めることができる賦形剤の非限定的な例として、非イオン性界面活性剤、増量剤(例えば、糖類および糖アルコール類)、抗酸化剤、多糖類、および薬学的に許容される水溶性ポリマー類(例えば、ポリ(アクリル酸)、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(ビニルピロリドン)、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、およびデンプン)が挙げられる。
一実施形態において、賦形剤は、組成物のモル浸透圧濃度を調節するための薬剤である。モル浸透圧濃度調節剤(osmolarity agent)の非限定的な例として、マンニトール、ソルビトール、グリセロール、ショ糖、グルコース、デキストロース、レブロース、果糖、乳糖、ポリエチレングリコール、リン酸塩、塩化カルシウム、グルコノグルコヘプトン酸カルシウム(calcium gluconoglucoheptonate)、およびジメチルスルホンなどが挙げられる。
一実施形態において、本発明は、免疫グロブリンと、50mMと500mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、抗酸化剤と、5.5と7.0との間のpHと、を備える、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の具体的な実施形態において、この組成物は、10mMと400mMとの間の塩化物イオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
特定の実施形態において、免疫グロブリンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、抗酸化剤と、表1および表2に示すとおりの、バリエーション1〜952からなる群より選択されるヒスチジン/pH組み合わせと、を備える、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の具体的な実施形態において、この組成物は、10mMと400mMとの間の塩化物イオンをさらに含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
具体的な実施形態において、本発明は、免疫グロブリンと、抗酸化剤と、表1および表2に示すとおりの、バリエーション1〜952からなる群より選択されるヒスチジン/pH組み合わせと、から本質的になり、貯蔵安定性のある、低濃度の免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、10mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の具体的な実施形態において、この組成物は、10mMと400mMとの間の塩化物イオンをさらに含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
より具体的な実施形態において、本発明は、免疫グロブリンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、抗酸化剤と、表1および表2に示すとおりの、バリエーション1〜952からなる群より選択されるヒスチジン/pH組み合わせと、からなる、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の具体的な実施形態において、この組成物は、10mMと400mMとの間の塩化物イオンをさらに含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
一実施形態において、本発明は、免疫グロブリンと、50mMと500mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、糖および/または糖アルコールと、5.5と7.0との間のpHと、を備える、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の具体的な実施形態において、この組成物は、10mMと400mMとの間の塩化物イオンをさらに含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。
特定の実施形態において、本発明は、免疫グロブリンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、糖および/または糖アルコールと、表1および表2に示すとおりの、バリエーション1〜952からなる群より選択されるヒスチジン/pH組み合わせと、を備える、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の具体的な実施形態において、この組成物は、10mMと400mMとの間の塩化物イオンをさらに含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。
具体的な実施形態において、本発明は、免疫グロブリンと、糖および/または糖アルコールと、表1および表2に示すとおりの、バリエーション1〜952からなる群より選択されるヒスチジン/pH組み合わせと、から本質的になり、貯蔵安定性のある、低濃度の免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、10mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の具体的な実施形態において、この組成物は、10mMと400mMとの間の塩化物イオンをさらに含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。
より具体的な実施形態において、本発明は、免疫グロブリンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、糖および/または糖アルコールと、表1および表2に示すとおりの、バリエーション1〜952からなる群より選択されるヒスチジン/pH組み合わせと、からなる、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の具体的な実施形態において、この組成物は、10mMと400mMとの間の塩化物イオンをさらに含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。
B.血漿由来の免疫グロブリン
プールしたヒト血漿から単離された濃縮免疫グロブリン(特に、IgG)の調製物は、免疫不全症候群、炎症性疾患および自己免疫疾患、ならびに急性感染を含む様々な病状を治療するために用いられる。1つのIgG産物である静注用免疫グロブリン、すなわちIVIGは、例えば、10%IgGの濃度、または約10%IgGの濃度で静脈内投与のために製剤化される。濃縮免疫グロブリンは、例えば、20%IgGの濃度、または約20%IgGの濃度で、皮下投与もしくは筋肉内投与のためにも製剤化されてもよい。
一般に、本発明にしたがって製剤化された、血漿由来の免疫グロブリン調製物は、任意の適切な出発物質、例えば、回収された血漿または供給源の血漿から調製することができる。代表的な例において、血液または血漿は、健全なドナーから回収される。免疫グロブリンを、例えば、沈殿(アルコール分画またはポリエチレングリコール分画)、クロマトグラフィー法(イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、免疫アフィニティークロマトグラフィーなど)、超遠心分離法、および電気泳動調製などの適切な手順によって、血液または血漿から単離する(例えば、Cohn et al.,J.Am.Chem.Soc.68:459−75(1946);Oncley et al.,J.Am.Chem.Soc.71:541−50(1949);Barandun et al.,Vox Sang.7:157−74(1962);Koblet et al.,Vox Sang.13:93−102(1967);米国特許第5,122,373号、および同第5,177,194号;PCT/US10/36470;ならびにWO2010/138736を参照、これらの開示は、全ての目的のために、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。
多くの場合、免疫グロブリンは、当業者に周知のアルコール分画法ならびに/またはイオン交換クロマトグラフィー法およびアフィニティークロマトグラフィー法によって生成されるγグロブリン含有組成物から調製される。例えば、精製されたコーン画分II(Cohn Fraction II)が、一般に、免疫グロブリンのさらなる精製のための出発点として用いられる。出発コーン画分IIペーストは、一般的に、約95%IgGであり、4種類のIgGサブタイプで構成される。異なるサブタイプは、それらが得られるプールされたヒト血漿に見られるのと、ほぼ同じ割合で分画IIに存在する。この分画IIは、投与可能な生成物に製剤化される前に、さらに精製される。例えば、この分画IIペーストを、冷たい精製水性アルコール溶液中に溶解し、不純物を、沈殿および濾過により除去することができる。最終濾過の後に、免疫グロブリン懸濁液を、(例えば、公称100,000ダルトン以下の分子量限界を有する限外濾過膜を用いて)透析または透析濾過し、アルコールを除去することができる。この溶液を濃縮または希釈し、所望のタンパク質濃度を得ることができ、当業者に周知の技術によりさらに精製することができる。
さらに、追加の調製工程を用いて、免疫グロブリンの特定のアイソタイプまたはサブタイプを濃縮することができる。例えば、プロテインA、プロテインGまたはプロテインHのセファロースクロマトグラフィーを用いて、IgGサブタイプ、または特定のIgGサブタイプの免疫グロブリン混合物を濃縮することができる。一般に、Harlow and Lane,Using Antibodies,Cold Spring Harbor Laboratory Press(1999);Harlow and Lane,Antibodies,A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press(1988)、および米国特許第5,180,810号を参照されたく、これらの開示は、全ての目的のために、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
当業者が認識するとおり、プールされた血漿から単離された免疫グロブリン組成物は、出発血漿から持ち越される不純物を含む。一般的に、薬学的に許容される血漿由来の免疫グロブリン組成物は、総タンパク質含有量の関数として表して、少なくとも90%の免疫グロブリン、好ましくは、少なくとも95%の免疫グロブリン、より好ましくは、少なくとも98%の免疫グロブリン、最も好ましくは、少なくとも99%の免疫グロブリンを含む。例えば、GAMMAGARD(登録商標)LIQUID(Baxter International社、米国イリノイ州ディアフィールド)は、100g/Lのタンパク質で製剤化された血漿由来の免疫グロブリン組成物である。仕様書によると、タンパク質の少なくとも98%が免疫グロブリンであり、免疫グロブリンA(IgA)の平均濃度は37μg/mLであり、免疫グロブリンMが微量に存在する(GAMMAGARD(登録商標)LIQUID処方情報)。したがって、特に特定しない限り、「血漿由来の免疫グロブリン」を含むか、「血漿由来の免疫グロブリン」から本質的になるか、または「血漿由来の免疫グロブリン」からなる、本明細書において提供する免疫グロブリン組成物は、製造プロセス中、最後まで残る血漿タンパク質不純物を最高で10%含む場合がある。
特定の実施形態において、プールされた血漿から単離される免疫グロブリン組成物は、少なくとも90%のIgG免疫グロブリンを含む。具体的な実施形態において、プールされた血漿から単離される免疫グロブリン組成物は、少なくとも95%のIgG免疫グロブリンを含む。より具体的な実施形態において、プールされた血漿から単離される免疫グロブリン組成物は、少なくとも98%のIgG免疫グロブリンを含む。さらにより具体的な実施形態において、プールされた血漿から単離される免疫グロブリン組成物は、少なくとも99%のIgG免疫グロブリンを含む。特定の実施形態において、プールされた血漿から単離されるIgG免疫グロブリン組成物は、IgA免疫グロブリンおよび/またはIgM免疫グロブリンをさらに含む。
別の実施形態において、プールされた血漿から単離される免疫グロブリン組成物は、少なくとも10%のIgAを含む。具体的な実施形態において、プールされた血漿から単離される免疫グロブリン組成物は、少なくとも25%のIgAを含む。より具体的な実施形態において、プールされた血漿から単離される免疫グロブリン組成物は、少なくとも50%のIgAを含む。さらに他の実施形態において、プールされた血漿から単離される免疫グロブリン組成物は、少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%以上のIgAを含む。特定の実施形態において、プールされた血漿から単離されるIgA免疫グロブリン組成物は、IgG免疫グロブリンおよび/またはIgM免疫グロブリンをさらに含む。
別の実施形態において、プールされた血漿から単離される免疫グロブリン組成物は、少なくとも10%のIgMを含む。具体的な実施形態において、プールされた血漿から単離される免疫グロブリン組成物は、少なくとも25%のIgMを含む。より具体的な実施形態において、プールされた血漿から単離される免疫グロブリン組成物は、少なくとも50%のIgMを含む。さらに他の実施形態において、プールされた血漿から単離される免疫グロブリン組成物は、少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%以上のIgMを含む。特定の実施形態において、プールされた血漿から単離されるIgM免疫グロブリン組成物は、IgG免疫グロブリンおよび/またはIgA免疫グロブリンをさらに含む。
別の実施形態において、貯蔵安定性のある、血漿由来の免疫グロブリン組成物は、高度免疫の免疫グロブリン調製物である。例えば、特定の実施形態において、この高度免疫調製物(hyper−immune preparation)は、抗破傷風、抗D、抗水痘、抗狂犬病、抗CMV、抗A型肝炎、または抗B型肝炎の免疫グロブリン調製物であってもよい。
したがって、一実施形態において、本発明は、血漿由来の免疫グロブリンと、50mMと500mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、5.5と7.0との間のpHと、を備える、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。特定の実施形態において、この血漿由来の免疫グロブリンは、IgG含有免疫グロブリン組成物である。
特定の実施形態において、この貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物は、血漿由来の免疫グロブリンと、50mMと500mMとの間のヒスチジンと、1mM以下のアルカリ金属カチオンと、5.5と7.0との間のpHと、を備える。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。特定の実施形態において、この血漿由来の免疫グロブリンは、IgG含有免疫グロブリン組成物である。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
有利なことに、中程度の濃度(例えば、50mM〜500mM)のヒスチジンを用いた、血漿由来の免疫グロブリンの製剤化が、弱酸性〜中性のpHにおいて、界面活性剤類(例えば、非イオン性界面活性剤)、糖類、および糖アルコール類などの従来の安定化剤および増量剤の非存在下で、この免疫グロブリン組成物を安定化させることが見出されている。
したがって、具体的な実施形態において、本発明は、血漿由来の免疫グロブリンと、50mMと500mMとの間のヒスチジンと、1mM以下のアルカリ金属カチオンと、0.01%以下の界面活性剤と、1mM以下の糖と、1mM以下の糖アルコールと、5.5と7.0との間のpHを含む、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。特定の実施形態において、この血漿由来の免疫グロブリンは、IgG含有免疫グロブリン組成物である。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
別の具体的な実施形態において、本発明は、血漿由来の免疫グロブリンと、50mMと500mMとの間のヒスチジンと、5.5と7.0との間のpHから本質的になる、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。特定の実施形態において、この組成物は、10mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の特定の実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。特定の実施形態において、この血漿由来の免疫グロブリンは、IgG含有免疫グロブリン組成物である。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
本明細書において提供する、貯蔵安定性のある、血漿由来のIgG水性組成物は、室温(すなわち、20℃〜25℃)で、長期間安定である。例えば、一実施形態において、この貯蔵安定性のあるIgG水性組成物は、少なくとも約2ヶ月間安定である。別の実施形態において、この組成物は、少なくとも約3ヶ月間安定である。さらに他の実施形態において、この組成物は、少なくとも約1ヶ月間、または少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、または48ヶ月間以上安定である。好ましい実施形態において、この組成物は、少なくとも約6ヶ月間安定である。より好ましい実施形態において、この組成物は、少なくとも約1年間安定である。より好ましい実施形態において、この組成物は、少なくとも約2年間安定である。
1.ヒスチジン
一実施形態において、本明細書において提供する、貯蔵安定性のある、血漿由来の免疫グロブリン組成物中のヒスチジン濃度は、50mMと500mMとの間である。別の実施形態において、この製剤中のヒスチジン濃度は、100mMと400mMとの間である。別の実施形態において、この製剤中のヒスチジン濃度は、200mMと300mMとの間である。別の実施形態において、この製剤中のヒスチジン濃度は、225mMと275mMとの間である。別の実施形態において、この製剤中のヒスチジン濃度は、240mMと260mMとの間である。特定の実施形態において、このヒスチジン濃度は、250mMである。特定の他の実施形態において、この製剤中のヒスチジン濃度は、50±5mM、75±7.5mM、100±10mM、125±12.5mM、150±15mM、175±17.5mM、200±20mM、225±22.5mM、250±25mM、275±27.5mM、300±30mM、325±32.5mM、350±35mM、375±37.5mM、400±40mM、425±42.5mM、450±45mM、475±47.5mM、または500±50mM以上である。さらに他の実施形態において、この製剤中のヒスチジン濃度は、50mM、75mM、100mM、125mM、150mM、175mM、200mM、225mM、250mM、275mM、300mM、325mM、350mM、375mM、400mM、425mM、450mM、475mM、または500mM以上である。
したがって、一実施形態において、本発明は、血漿由来の免疫グロブリンと、100mMと400mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、5.5と7.0との間のpHと、を備える、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。特定の実施形態において、この血漿由来の免疫グロブリンは、IgG含有免疫グロブリン組成物である。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
具体的な実施形態において、本発明は、血漿由来の免疫グロブリンと、100mMと400mMとの間のヒスチジンと、5.5と7.0との間のpHと、から本質的になる貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。特定の実施形態において、この組成物は、10mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の特定の実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。特定の実施形態において、この血漿由来の免疫グロブリンは、IgG含有免疫グロブリン組成物である。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
より具体的な実施形態において、本発明は、血漿由来の免疫グロブリンと、100mMと400mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、5.5と7.0との間のpHと、からなる、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。特定の実施形態において、この血漿由来の免疫グロブリンは、IgG含有免疫グロブリン組成物である。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
一実施形態において、本発明は、血漿由来の免疫グロブリンと、200mMと300mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、5.5と7.0との間のpHと、を備える、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。特定の実施形態において、この血漿由来の免疫グロブリンは、IgG含有免疫グロブリン組成物である。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
具体的な実施形態において、本発明は、血漿由来の免疫グロブリンと、200mMと300mMとの間のヒスチジンと、5.5と7.0との間のpHと、から本質的になる貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。特定の実施形態において、この組成物は、10mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の特定の実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。特定の実施形態において、この血漿由来の免疫グロブリンは、IgG含有免疫グロブリン組成物である。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
より具体的な実施形態において、本発明は、血漿由来の免疫グロブリンと、200mMと300mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、5.5と7.0との間のpHと、からなる、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。特定の実施形態において、この血漿由来の免疫グロブリンは、IgG含有免疫グロブリン組成物である。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
一実施形態において、本発明は、血漿由来の免疫グロブリンと、225mMと275mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、5.5と7.0との間のpHと、を備える、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。特定の実施形態において、この血漿由来の免疫グロブリンは、IgG含有免疫グロブリン組成物である。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
具体的な実施形態において、本発明は、血漿由来の免疫グロブリンと、225mMと275mMとの間のヒスチジンと、5.5と7.0との間のpHと、から本質的になる貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。特定の実施形態において、この組成物は、10mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の特定の実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。特定の実施形態において、この血漿由来の免疫グロブリンは、IgG含有免疫グロブリン組成物である。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
より具体的な実施形態において、本発明は、血漿由来の免疫グロブリンと、225mMと275mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、5.5と7.0との間のpHと、からなる、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。特定の実施形態において、この血漿由来の免疫グロブリンは、IgG含有免疫グロブリン組成物である。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
一実施形態において、本発明は、血漿由来の免疫グロブリンと、240mMと260mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、5.5と7.0との間のpHと、を備える、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。特定の実施形態において、この血漿由来の免疫グロブリンは、IgG含有免疫グロブリン組成物である。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
具体的な実施形態において、本発明は、血漿由来の免疫グロブリンと、240mMと260mMとの間のヒスチジンと、5.5と7.0との間のpHと、から本質的になる貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。特定の実施形態において、この組成物は、10mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の特定の実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。特定の実施形態において、この血漿由来の免疫グロブリンは、IgG含有免疫グロブリン組成物である。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
より具体的な実施形態において、本発明は、血漿由来の免疫グロブリンと、240mMと260mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、5.5と7.0との間のpHと、からなる、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。特定の実施形態において、この血漿由来の免疫グロブリンは、IgG含有免疫グロブリン組成物である。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
一実施形態において、本発明は、血漿由来の免疫グロブリンと、250mMのヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、5.5と7.0との間のpHを含む、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。特定の実施形態において、この血漿由来の免疫グロブリンは、IgG含有免疫グロブリン組成物である。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
具体的な実施形態において、本発明は、血漿由来の免疫グロブリンと、250mMのヒスチジンと、5.5と7.0との間のpHと、から本質的になる貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。特定の実施形態において、この組成物は、10mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の特定の実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。特定の実施形態において、この血漿由来の免疫グロブリンは、IgG含有免疫グロブリン組成物である。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
より具体的な実施形態において、本発明は、血漿由来の免疫グロブリンと、250mMのヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、5.5と7.0との間のpHと、からなる、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。特定の実施形態において、この血漿由来の免疫グロブリンは、IgG含有免疫グロブリン組成物である。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
2.pH
一実施形態において、本発明は、血漿由来の免疫グロブリンと、50mMと500mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、5.5と6.5との間のpHと、を備える、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。特定の実施形態において、この血漿由来の免疫グロブリンは、IgG含有免疫グロブリン組成物である。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
具体的な実施形態において、本発明は、血漿由来の免疫グロブリンと、50mMと500mMとの間のヒスチジンと、5.5と6.5との間のpHから本質的になる、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。特定の実施形態において、この組成物は、10mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の特定の実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。特定の実施形態において、この血漿由来の免疫グロブリンは、IgG含有免疫グロブリン組成物である。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
より具体的な実施形態において、本発明は、血漿由来の免疫グロブリンと、50mMと500mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、5.5と6.5との間のpHからなる、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。特定の実施形態において、この血漿由来の免疫グロブリンは、IgG含有免疫グロブリン組成物である。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
一実施形態において、本発明は、血漿由来の免疫グロブリンと、200mMと300mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、5.5と6.5との間のpHと、を備える、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。特定の実施形態において、この血漿由来の免疫グロブリンは、IgG含有免疫グロブリン組成物である。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
具体的な実施形態において、本発明は、血漿由来の免疫グロブリンと、200mMと300mMとの間のヒスチジンと、5.5〜6.5との間のpHと、から本質的になる貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。特定の実施形態において、この組成物は、10mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の特定の実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。特定の実施形態において、この血漿由来の免疫グロブリンは、IgG含有免疫グロブリン組成物である。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
より具体的な実施形態において、本発明は、血漿由来の免疫グロブリンと、200mMと300mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、5.5と6.5との間のpHと、からなる、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。特定の実施形態において、この血漿由来の免疫グロブリンは、IgG含有免疫グロブリン組成物である。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
一実施形態において、本発明は、血漿由来の免疫グロブリンと、200mMと300mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、6.1±0.4のpHと、を備える、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。特定の実施形態において、この血漿由来の免疫グロブリンは、IgG含有免疫グロブリン組成物である。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
具体的な実施形態において、本発明は、血漿由来の免疫グロブリンと、200mMと300mMとの間のヒスチジンと、6.1±0.4のpHと、から本質的になる貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。特定の実施形態において、この組成物は、10mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の特定の実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。特定の実施形態において、この血漿由来の免疫グロブリンは、IgG含有免疫グロブリン組成物である。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
より具体的な実施形態において、本発明は、血漿由来の免疫グロブリンと、200mMと300mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、6.1±0.4のpHと、からなる、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。特定の実施形態において、この血漿由来の免疫グロブリンは、IgG含有免疫グロブリン組成物である。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
一実施形態において、本発明は、血漿由来の免疫グロブリンと、200mMと300mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、6.1±0.3のpHと、を備える、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。特定の実施形態において、この血漿由来の免疫グロブリンは、IgG含有免疫グロブリン組成物である。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
具体的な実施形態において、本発明は、血漿由来の免疫グロブリンと、200mMと300mMとの間のヒスチジンと、6.1±0.3のpHと、から本質的になる貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。特定の実施形態において、この組成物は、10mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の特定の実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。特定の実施形態において、この血漿由来の免疫グロブリンは、IgG含有免疫グロブリン組成物である。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
より具体的な実施形態において、本発明は、血漿由来の免疫グロブリンと、200mMと300mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、6.1±0.3のpHと、からなる、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。特定の実施形態において、この血漿由来の免疫グロブリンは、IgG含有免疫グロブリン組成物である。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
一実施形態において、本発明は、血漿由来の免疫グロブリンと、200mMと300mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、6.1±0.2のpHと、を備える、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。特定の実施形態において、この血漿由来の免疫グロブリンは、IgG含有免疫グロブリン組成物である。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
具体的な実施形態において、本発明は、血漿由来の免疫グロブリンと、200mMと300mMとの間のヒスチジンと、6.1±0.2のpHと、から本質的になる貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。特定の実施形態において、この組成物は、10mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の特定の実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。特定の実施形態において、この血漿由来の免疫グロブリンは、IgG含有免疫グロブリン組成物である。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
より具体的な実施形態において、本発明は、血漿由来の免疫グロブリンと、200mMと300mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、6.1±0.2のpHと、からなる、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。特定の実施形態において、この血漿由来の免疫グロブリンは、IgG含有免疫グロブリン組成物である。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
一実施形態において、本発明は、血漿由来の免疫グロブリンと、200mMと300mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、6.1±0.1のpHと、を備える、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。特定の実施形態において、この血漿由来の免疫グロブリンは、IgG含有免疫グロブリン組成物である。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
具体的な実施形態において、本発明は、血漿由来の免疫グロブリンと、200mMと300mMとの間のヒスチジンと、6.1±0.1のpHと、から本質的になる貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。特定の実施形態において、この組成物は、10mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の特定の実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。特定の実施形態において、この血漿由来の免疫グロブリンは、IgG含有免疫グロブリン組成物である。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
より具体的な実施形態において、本発明は、血漿由来の免疫グロブリンと、200mMと300mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、6.1±0.1のpHと、からなる、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。特定の実施形態において、この血漿由来の免疫グロブリンは、IgG含有免疫グロブリン組成物である。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
一実施形態において、本発明は、血漿由来の免疫グロブリンと、200mMと300mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、6.1のpHとを、備える、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。特定の実施形態において、この血漿由来の免疫グロブリンは、IgG含有免疫グロブリン組成物である。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
具体的な実施形態において、本発明は、血漿由来の免疫グロブリンと、200mMと300mMとの間のヒスチジンと、6.1のpHと、から本質的になる貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。特定の実施形態において、この組成物は、10mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の特定の実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。特定の実施形態において、この血漿由来の免疫グロブリンは、IgG含有免疫グロブリン組成物である。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
より具体的な実施形態において、本発明は、血漿由来の免疫グロブリンと、200mMと300mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、6.1のpHと、からなる、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。特定の実施形態において、この血漿由来の免疫グロブリンは、IgG含有免疫グロブリン組成物である。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
一実施形態において、本発明は、血漿由来の免疫グロブリンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、表1および表2に示すとおりの、バリエーション1〜952からなる群より選択されるヒスチジン/pH組み合わせと、を備える、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。特定の実施形態において、この血漿由来の免疫グロブリンは、IgG含有免疫グロブリン組成物である。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
具体的な実施形態において、本発明は、血漿由来の免疫グロブリンと、表1および表2に示すとおりの、バリエーション1〜952からなる群より選択されるヒスチジン/pH組み合わせと、から本質的になる貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。特定の実施形態において、この組成物は、10mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の特定の実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。特定の実施形態において、この血漿由来の免疫グロブリンは、IgG含有免疫グロブリン組成物である。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
より具体的な実施形態において、本発明は、血漿由来の免疫グロブリンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、表1および表2に示すとおりの、バリエーション1〜952からなる群より選択されるヒスチジン/pH組み合わせと、からなる、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。特定の実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。特定の実施形態において、この血漿由来の免疫グロブリンは、IgG含有免疫グロブリン組成物である。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
3.対アニオン
一実施形態において、本発明は、血漿由来の免疫グロブリンと、50mMと500mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、10mMと400mMとの間の塩化物イオンと、5.5と7.0との間のpHと、を備える、貯蔵安定性のある免疫グロブリン組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。特定の実施形態において、この血漿由来の免疫グロブリンは、IgG含有免疫グロブリン組成物である。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
具体的な実施形態において、本発明は、血漿由来の免疫グロブリンと、50mMと500mMとの間のヒスチジンと、10mMと400mMとの間の塩化物イオンと、5.5と7.0との間のpHと、から本質的になる貯蔵安定性のある免疫グロブリン組成物を提供する。特定の実施形態において、この組成物は、10mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。特定の実施形態において、この血漿由来の免疫グロブリンは、IgG含有免疫グロブリン組成物である。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
より具体的な実施形態において、本発明は、血漿由来の免疫グロブリンと、50mMと500mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、10mMと400mMとの間の塩化物イオンと、5.5と7.0との間のpHと、からなる、貯蔵安定性のある免疫グロブリン組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。特定の実施形態において、この血漿由来の免疫グロブリンは、IgG含有免疫グロブリン組成物である。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
一実施形態において、本発明は、血漿由来の免疫グロブリンと、50mMと500mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、100mMと200mMとの間の塩化物イオンと、5.5と7.0との間のpHと、を備える、貯蔵安定性のある免疫グロブリン組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。特定の実施形態において、この血漿由来の免疫グロブリンは、IgG含有免疫グロブリン組成物である。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
具体的な実施形態において、本発明は、血漿由来の免疫グロブリンと、50mMと500mMとの間のヒスチジンと、100mMと200mMとの間の塩化物イオンと、5.5と7.0との間のpHと、から本質的になる貯蔵安定性のある免疫グロブリン組成物を提供する。特定の実施形態において、この組成物は、10mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。特定の実施形態において、この血漿由来の免疫グロブリンは、IgG含有免疫グロブリン組成物である。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
より具体的な実施形態において、本発明は、血漿由来の免疫グロブリンと、50mMと500mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、100mMと200mMとの間の塩化物イオンと、5.5と7.0との間のpHと、からなる、貯蔵安定性のある免疫グロブリン組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。特定の実施形態において、この血漿由来の免疫グロブリンは、IgG含有免疫グロブリン組成物である。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
一実施形態において、本発明は、血漿由来の免疫グロブリンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、表1および表2に示すとおりの、バリエーション1〜952からなる群より選択されるヒスチジン/pH組み合わせと、10mMと400mMとの間の塩化物イオンと、を備える、貯蔵安定性のある免疫グロブリン組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。特定の実施形態において、この血漿由来の免疫グロブリンは、IgG含有免疫グロブリン組成物である。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
具体的な実施形態において、本発明は、血漿由来の免疫グロブリンと、表1および表2に示すとおりの、バリエーション1〜952からなる群より選択されるヒスチジン/pH組み合わせと、10mMと400mMとの間の塩化物イオンと、から本質的になる貯蔵安定性のある免疫グロブリン組成物を提供する。特定の実施形態において、この組成物は、10mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。特定の実施形態において、この血漿由来の免疫グロブリンは、IgG含有免疫グロブリン組成物である。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
より具体的な実施形態において、本発明は、血漿由来の免疫グロブリンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、表1および表2に示すとおりの、バリエーション1〜952からなる群より選択されるヒスチジン/pH組み合わせと、10mMと400mMとの間の塩化物イオンと、からなる、貯蔵安定性のある免疫グロブリン組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。特定の実施形態において、この血漿由来の免疫グロブリンは、IgG含有免疫グロブリン組成物である。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
一実施形態において、本発明は、血漿由来の免疫グロブリンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、表1および表2に示すとおりの、バリエーション1〜952からなる群より選択されるヒスチジン/pH組み合わせと、100mMと200mMとの間の塩化物イオンと、を備える、貯蔵安定性のある免疫グロブリン組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。特定の実施形態において、この血漿由来の免疫グロブリンは、IgG含有免疫グロブリン組成物である。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
具体的な実施形態において、本発明は、血漿由来の免疫グロブリンと、表1および表2に示すとおりの、バリエーション1〜952からなる群より選択されるヒスチジン/pH組み合わせと、100mMと200mMとの間の塩化物イオンと、から本質的になる貯蔵安定性のある免疫グロブリン組成物を提供する。特定の実施形態において、この組成物は、10mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。特定の実施形態において、この血漿由来の免疫グロブリンは、IgG含有免疫グロブリン組成物である。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
より具体的な実施形態において、本発明は、血漿由来の免疫グロブリンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、表1および表2に示すとおりの、バリエーション1〜952からなる群より選択されるヒスチジン/pH組み合わせと、100mMと200mMとの間の塩化物イオンと、からなる、貯蔵安定性のある免疫グロブリン組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。特定の実施形態において、この血漿由来の免疫グロブリンは、IgG含有免疫グロブリン組成物である。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
4.免疫グロブリン濃度
一般に、本明細書において提供するヒスチジン組成物は、広範囲のタンパク質濃度を有する、血漿由来の免疫グロブリン組成物を安定化させるのに有用である。例えば、本明細書において提供するヒスチジン製剤は、低い免疫グロブリン濃度(例えば、10〜40g/L以下)、静脈用の免疫グロブリンの医薬製剤に用いられる中程度の免疫グロブリン濃度(例えば、40〜150g/L)、および皮下投与または筋肉内投与される免疫グロブリンの医薬製剤に用いられる高い免疫グロブリン濃度(例えば、150〜250g/L以上)を安定化させるのに良好に適している。一般に、本明細書において提供する方法および製剤によって安定化させられる場合がある免疫グロブリン濃度の上限は、製剤化される免疫グロブリンの溶解限度または用いられる特定の製造プロセスによって達成することができる最大濃度によってのみ制限される。したがって、一実施形態において、本明細書において提供する、貯蔵安定性のある水溶液の免疫グロブリン濃度は、1g/Lと250g/Lとの間である。免疫グロブリン濃度は、g/Lまたは%を単位として表されてもよく、10g/Lの免疫グロブリン濃度は、1%のタンパク質濃度に相当する。
a.低い免疫グロブリン濃度
一実施形態において、本発明は、40g/L未満の血漿由来の免疫グロブリンと、50mMと500mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、5.5と7.0との間のpHと、を備え、貯蔵安定性のある、低濃度の免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の具体的な実施形態において、この組成物は、10mMと400mMとの間の塩化物イオンをさらに含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。特定の実施形態において、この血漿由来の免疫グロブリンは、IgG含有免疫グロブリン組成物である。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
特定の実施形態において、本発明は、40g/L未満の血漿由来の免疫グロブリンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、表1および表2に示すとおりの、バリエーション1〜952からなる群より選択されるヒスチジン/pH組み合わせと、を備え、貯蔵安定性のある、低濃度の免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の具体的な実施形態において、この組成物は、10mMと400mMとの間の塩化物イオンをさらに含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。特定の実施形態において、この血漿由来の免疫グロブリンは、IgG含有免疫グロブリン組成物である。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
具体的な実施形態において、本発明は、40g/L未満の血漿由来の免疫グロブリンと、表1および表2に示すとおりの、バリエーション1〜952からなる群より選択されるヒスチジン/pH組み合わせと、から本質的になり、貯蔵安定性のある、低濃度の免疫グロブリン水性組成物を提供する。一実施形態において、この組成物は、10mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の具体的な実施形態において、この組成物は、10mMと400mMとの間の塩化物イオンをさらに含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。特定の実施形態において、この血漿由来の免疫グロブリンは、IgG含有免疫グロブリン組成物である。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
より具体的な実施形態において、本発明は、40g/L未満の血漿由来の免疫グロブリンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、表1および表2に示すとおりの、バリエーション1〜952からなる群より選択されるヒスチジン/pH組み合わせと、からなり、貯蔵安定性のある、低濃度の免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の具体的な実施形態において、この組成物は、10mMと400mMとの間の塩化物イオンをさらに含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。特定の実施形態において、この血漿由来の免疫グロブリンは、IgG含有免疫グロブリン組成物である。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
b.中程度の免疫グロブリン濃度
別の実施形態において、本発明は、40g/Lと150g/Lとの間の血漿由来の免疫グロブリンと、50mMと500mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、5.5と7.0との間のpHと、を備える、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の具体的な実施形態において、この組成物は、10mMと400mMとの間の塩化物イオンをさらに含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。特定の実施形態において、この血漿由来の免疫グロブリンは、IgG含有免疫グロブリン組成物である。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
特定の実施形態において、本発明は、40g/Lと150g/Lとの間の血漿由来の免疫グロブリンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、表1および表2に示すとおりの、バリエーション1〜952からなる群より選択されるヒスチジン/pH組み合わせと、を備える、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の具体的な実施形態において、この組成物は、10mMと400mMとの間の塩化物イオンをさらに含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。特定の実施形態において、この血漿由来の免疫グロブリンは、IgG含有免疫グロブリン組成物である。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
具体的な実施形態において、本発明は、40g/Lと150g/Lとの間の血漿由来の免疫グロブリンと、表1および表2に示すとおりの、バリエーション1〜952からなる群より選択されるヒスチジン/pH組み合わせと、から本質的になる貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。一実施形態において、この組成物は、10mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の具体的な実施形態において、この組成物は、10mMと400mMとの間の塩化物イオンをさらに含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。特定の実施形態において、この血漿由来の免疫グロブリンは、IgG含有免疫グロブリン組成物である。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
より具体的な実施形態において、本発明は、40g/Lと150g/Lとの間の、血漿由来の免疫グロブリンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、表1および表2に示すとおりの、バリエーション1〜952からなる群より選択されるヒスチジン/pH組み合わせと、からなる、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の具体的な実施形態において、この組成物は、10mMと400mMとの間の塩化物イオンをさらに含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。特定の実施形態において、この血漿由来の免疫グロブリンは、IgG含有免疫グロブリン組成物である。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
c.高い免疫グロブリン濃度
一実施形態において、本発明は、150g/Lを超える血漿由来の免疫グロブリンと、50mMと500mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、5.5と7.0との間のpHと、を備え、貯蔵安定性のある、高濃度の免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の具体的な実施形態において、この組成物は、10mMと400mMとの間の塩化物イオンをさらに含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。特定の実施形態において、この血漿由来の免疫グロブリンは、IgG含有免疫グロブリン組成物である。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
特定の実施形態において、本発明は、150g/Lを超える血漿由来の免疫グロブリンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、表1および表2に示すとおりの、バリエーション1〜952からなる群より選択されるヒスチジン/pH組み合わせと、を含み、貯蔵安定性のある、高濃度の免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の具体的な実施形態において、この組成物は、10mMと400mMとの間の塩化物イオンをさらに含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。特定の実施形態において、この血漿由来の免疫グロブリンは、IgG含有免疫グロブリン組成物である。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
具体的な実施形態において、本発明は、150g/Lを超える血漿由来の免疫グロブリンと、表1および表2に示すとおりの、バリエーション1〜952からなる群より選択されるヒスチジン/pH組み合わせと、から本質的になり、貯蔵安定性のある、高濃度の免疫グロブリン水性組成物を提供する。一実施形態において、この組成物は、10mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の具体的な実施形態において、この組成物は、10mMと400mMとの間の塩化物イオンをさらに含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。特定の実施形態において、この血漿由来の免疫グロブリンは、IgG含有免疫グロブリン組成物である。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
より具体的な実施形態において、本発明は、150g/Lを超える血漿由来の免疫グロブリンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、表1および表2に示すとおりの、バリエーション1〜952からなる群より選択されるヒスチジン/pH組み合わせと、からなり、貯蔵安定性のある、高濃度の免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の具体的な実施形態において、この組成物は、10mMと400mMとの間の塩化物イオンをさらに含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。特定の実施形態において、この血漿由来の免疫グロブリンは、IgG含有免疫グロブリン組成物である。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
C.組換え免疫グロブリン
一態様において、本発明は、貯蔵安定性のある、組換え免疫グロブリン調製物を提供する。組換えヒト抗体などの組換え抗体を取得するための方法は、当技術において周知である。例えば、所望の抗原に対して結合活性を有する所望のヒト抗体は、ヒトリンパ球を、所望の抗原または所望の抗原を発現する細胞を用いてインビトロで免疫化し、この免疫化リンパ球をヒト骨髄腫細胞と融合させることによって取得することができる。所望のヒト抗体は、全てのヒト抗体遺伝子レパートリーを有するトランスジェニック動物を抗原で免疫化することによっても取得することができる(国際公開WO93/12227、WO92/03918、WO94/02602、WO94/25585、WO96/34096、WO96/33735参照)。ヒト抗体ライブラリーを用いてパニングすることによって、ヒト抗体を取得する方法も公知である。例えば、抗原へのファージ結合は、ファージディスプレイ法によって、ファージ表面上に一本鎖抗体断片(scFv)としてヒト抗体の可変領域を発現させることによって選択することができる。この抗原に結合するヒト抗体の可変領域をコード化するDNA配列は、選択されるファージの遺伝子を解析することによって決定することができる。全ヒト抗体は、抗原に結合するscFv断片の決定されたDNA配列を含む適切な発現ベクターを調製することによって取得することができる。これらの方法は、WO92/01047、WO92/20791、WO93/06213、WO93/11236、WO93/19172、WO95/01438、およびWO95/15388からすでに公知である。
組換え免疫グロブリンの発現法も、当技術において公知である。例えば、組換え抗体は、コンストラクトのために組換え遺伝子を適切な宿主に形質転換した後に、組織または細胞培養中で発現させることができる。宿主として使用するのに適切な真核細胞には、動物細胞、植物細胞および真菌細胞が含まれる。既知の動物細胞には、(1)CHO細胞、COS細胞、骨髄腫細胞、BHK(赤ちゃんハムスターの腎臓)細胞、HeLa細胞およびVero細胞などの哺乳類細胞、(2)アフリカツメガエル卵母細胞などの両生類細胞、または(3)sf9、sf21およびTn5などの昆虫細胞が含まれる。既知の植物細胞には、カルス培養として用いることができる、タバコなどのタバコ属の細胞が含まれる。既知の真菌類には、サッカロミセス種、例えば、出芽酵母などの酵母、およびアスペルギルス種、例えば、クロコウジカビなどの糸状菌が含まれる。原核細胞は、細菌細胞を用いる産生システムとして使用することができる。既知の細菌細胞には、大腸菌および枯草菌が含まれる。抗体は、これらの細胞を目的の抗体遺伝子で形質転換し、形質転換細胞をインビトロで培養することによって取得することができる。
本発明の一実施形態において、組換えタンパク質を発現させるのに用いられる培地は、動物性タンパク質を含まず、化学的に定義することができる。動物性タンパク質を含まず、化学的に定義された培地を調製する方法は、当技術において公知であり、例えば、米国特許公開第2008/0009040号、および同第2007/0212770号で公知であり、これらの両方は、全ての目的のために本明細書に組み込まれる。「タンパク質を含まない」という用語および関連する用語は、増殖中に、自然にタンパク質を脱落した、培養中の細胞にとって外来性である、すなわち培養中の細胞以外の供給源由来であるタンパク質を表す。別の実施形態において、この培地はポリペプチドを含まない。別の実施形態において、この培地は血清を含まない。別の実施形態において、この培地は動物性タンパク質を含まない。別の実施形態において、この培地は動物成分を含まない。別の実施形態において、この培地は、タンパク質、例えば、胎仔ウシ血清などの血清由来の動物性タンパク質を含む。別の実施形態において、この培地は、外から加えられた組換えタンパク質を有する。別の実施形態において、これらのタンパク質は、認定された病原を含まない動物に由来する。本明細書で使用する場合「化学的に定義された」という用語は、培地が、例えば、動物成分、臓器、腺、植物、または酵母などの抽出物などの、いかなる定義されていない栄養補助剤も含まないことを意味する。したがって、化学的に定義された培地の各成分は、正確に定義される、好ましい実施形態において、この培地は、動物成分を含まず、タンパク質を含まない。
一般に、本明細書において提供する、製剤化された組換え抗体は、疾患または障害と関連するポリペプチドに特異的である。かかるポリペプチドの非限定的な例として、マクロファージ遊走阻止因子(MIF)、組織因子経路阻害因子(TFPI);α−1−抗トリプシン;インスリンA鎖;インスリンB鎖;プロインスリン;卵胞刺激ホルモン;カルシトニン;黄体形成ホルモン;グルカゴン;ファクターII(プロトロンビン)、ファクターIII(血小板組織因子)、ファクターV、ファクターVII、ファクターVIII、ファクターIX、ファクターX、ファクターXI、ファクターXII、ファクターXIII、およびフォン・ヴィルブランド因子などの凝固因子;抗トロンビンIII(ATIII)などの抗凝固因子、プロテインC;心房性ナトリウム利尿因子;肺表面活性剤;ウロキナーゼなどのプラスミノーゲン活性化因子またはヒトの尿もしくは組織型のプラスミノーゲン活性化因子(t−PA);ボンベシン;トロンビン;造血増殖因子;腫瘍壊死因子αおよび腫瘍壊死因子β;エンケファリナーゼ;RANTES(正常T細胞の発現および分泌の活性制御物質(regulated on activation normally T−cell expressed and secreted));ヒトマクロファージ炎症性タンパク質(MIP−1−α);ヒト血清アルブミンなどの血清アルブミン;ミュラー管制御因子;レラキシンA鎖;レラキシンB鎖;プロレラキシン;マウス性腺刺激ホルモン関連ペプチド;βラクタマーゼなどの微生物タンパク質;DNase;IgE;CTLA−4などの細胞傷害性Tリンパ球関連抗原(CTLA);インヒビン;アクチビン;血管内皮増殖因子(VEGF);ホルモンまたは増殖因子の受容体;プロテインAもしくはプロテインD;リウマチ因子;骨由来神経栄養因子(BDNF)、ニューロトロフィン−3、ニューロトロフィン−4、ニューロトロフィン−5もしくはニューロトロフィン−6(NT−3、NT−4、NT−5またはNT−6)などの神経栄養因子またはNGF−bなどの神経成長因子;血小板由来増殖因子(PDGF);aFGFおよびbFGFなどの線維芽細胞増殖因子;上皮増殖因子(EGF);TGF−α、およびTGF−b1、TGF−b2、TGF−b3、TGF−b4もしくはTGF−b5を含むTGF−βなどのトランスフォーミング増殖因子(TGF);TNFαもしくはTNFβなどの腫瘍壊死因子(TNF);インスリン様増殖因子−Iおよびインスリン様増殖因子−II(IGF−IおよびIGF−II);des(1−3)−IGF−I(脳IGF−I);インスリン様増殖因子結合タンパク質;CD3、CD4、CD8、CD19、CD20、CD22およびCD40などのCDタンパク質;エリスロポエチン;骨誘導因子;イムノトキシン;骨形成タンパク質(BMP);インターフェロン−α、インターフェロン−β、およびインターフェロン−γなどのインターフェロン;コロニー刺激因子(CSF)、例えば、M−CSF、GM−CSF、およびG−CSF;インターロイキン(IL)、例えば、IL−1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9およびIL−10;スーパーオキシドジスムターゼ;T細胞受容体;表面膜タンパク質;崩壊促進因子;ウイルス抗原、例えば、AIDSエンベロープの一部分など;輸送タンパク質;ホーミング受容体;アドレシン;調節タンパク質;CD11a、CD11b、CD11c、CD18、an ICAM、VLA−4およびVCAMなどのインテグリン;HER2受容体、HER3受容体またはHER4受容体などの腫瘍関連抗原;ならびに上記のポリペプチドのいずれかの断片が挙げられる。
一実施形態において、本発明は、組換え免疫グロブリンと、50mMと500mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、5.5と7.0との間のpHと、を備える、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。特定の実施形態において、この抗体は、組換え抗MIF抗体である。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
特定の実施形態において、この貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物は、組換え免疫グロブリンと、50mMと500mMとの間のヒスチジンと、1mM以下のアルカリ金属カチオンと、5.5と7.0との間のpHと、を備える。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。特定の実施形態において、この抗体は、組換え抗MIF抗体である。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
具体的な実施形態において、本発明は、組換え免疫グロブリンと、50mMと500mMとの間のヒスチジンと、1mM以下のアルカリ金属カチオンと、0.01%以下の界面活性剤と、1mM以下の糖と、1mM以下の糖アルコールと、5.5と7.0との間のpHと、を備える、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。特定の実施形態において、この抗体は、組換え抗MIF抗体である。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
別の具体的な実施形態において、本発明は、組換え免疫グロブリンと、50mMと500mMとの間のヒスチジンと、5.5と7.0との間のpHと、から本質的になる貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。特定の実施形態において、この組成物は、10mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の特定の実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。特定の実施形態において、この抗体は、組換え抗MIF抗体である。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
より具体的な実施形態において、本発明は、組換え免疫グロブリンと、50mMと500mMとの間のヒスチジンと、1mM以下のアルカリ金属カチオンと、0.01%以下の界面活性剤と、1mM以下の糖と、1mM以下の糖アルコールと、5.5と7.0との間のpHと、からなる、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。特定の実施形態において、この抗体は、組換え抗MIF抗体である。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
特定の実施形態において、本発明は、組換え免疫グロブリンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、表1および表2に示すとおりの、バリエーション1〜952からなる群より選択されるヒスチジン/pH組み合わせと、を備える、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の具体的な実施形態において、この組成物は、10mMと400mMとの間の塩化物イオンをさらに含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。特定の実施形態において、この抗体は、組換え抗MIF抗体である。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
具体的な実施形態において、本発明は、組換え免疫グロブリンと、表1および表2に示すとおりの、バリエーション1〜952からなる群より選択されるヒスチジン/pH組み合わせと、から本質的になる貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。一実施形態において、この組成物は、10mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の具体的な実施形態において、この組成物は、10mMと400mMとの間の塩化物イオンをさらに含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。特定の実施形態において、この抗体は、組換え抗MIF抗体である。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
より具体的な実施形態において、本発明は、組換え免疫グロブリンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、表1および表2に示すとおりの、バリエーション1〜952からなる群より選択されるヒスチジン/pH組み合わせと、からなる、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物を提供する。具体的な実施形態において、この組成物は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の具体的な実施形態において、この組成物は、10mMと400mMとの間の塩化物イオンをさらに含む。一実施形態において、この免疫グロブリン組成物を、不活性ガス下で気密封じ込め容器に入れる。具体的な実施形態において、この組成物を窒素下で貯蔵する。別の具体的な実施形態において、この組成物をアルゴン下で貯蔵する。さらに別の具体的な実施形態において、この組成物を、二酸化炭素下で貯蔵する。特定の実施形態において、この抗体は、組換え抗MIF抗体である。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
IV.免疫グロブリン組成物を安定化させるための方法
数ある対応の中でもとりわけ、本発明は、治療的投与のための免疫グロブリン組成物を安定化させるための方法を提供する。以下の実施形態は、一つには、ヒスチジンを用いた免疫グロブリンの製剤化が、弱酸性〜中性のpHにおいて、そうでなければ、これらのpH値で変化しやすい免疫グロブリン、および/または酸性pHでヒスチジンを用いて製剤化した場合に変化しやすい免疫グロブリン、および/またはアルカリ金属カチオンの存在下で製剤化した場合に変化しやすい免疫グロブリンを安定化させるという予想外の発見に基づいている。
任意の免疫グロブリンは、本明細書において提供する方法によって安定化させられる場合がある。安定化される場合がある免疫グロブリン調製物の非限定的な例として、血漿由来の免疫グロブリン調製物、組換えポリクローナル調製物もしくは組換えモノクローナル調製物、ミニボディ、ダイアボディ、トリアボディ、Fv、FabおよびF(ab)2などの抗体フラグメント、または一価もしくは多価の単鎖Fv(scFv、sc(Fv)2、scFv二量体などのミニボディ、ダイアボディ、およびトリアボディ)などの断片抗体が挙げられ、その中の抗体の可変領域が、ペプチドリンカーなどのリンカーを介して結合している。組換え抗体には、マウス抗体、げっ歯類抗体、ヒト抗体、キメラヒト抗体(例えば、ヒト/マウスキメラ)、およびヒト化抗体(例えば、ヒト化マウス抗体)などが含まれる。好ましい実施形態において、組換え抗体は、ヒトへの投与に適するヒト抗体、キメラヒト抗体またはヒト化抗体である。好ましい実施形態において、この免疫グロブリンは、全長の免疫グロブリンまたは全長に近い免疫グロブリンであり、一般的に、それらの組換え断片よりも変化しやすい。
一般に、本明細書において提供する方法は、長期間、室温(すなわち、20℃と25℃との間)で、免疫グロブリン製剤を安定化させる。例えば、一実施形態において、これらの方法は、少なくとも約2ヶ月間、室温で貯蔵される免疫グロブリン組成物を安定化させる。別の実施形態において、これらの方法は、少なくとも約3ヶ月間、室温で貯蔵される免疫グロブリン組成物を安定化させる。さらに他の実施形態において、これらの方法は、少なくとも約1ヶ月間、または少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、 41、42、43、44、45、46、47、または48ヶ月間以上、室温で貯蔵される免疫グロブリン組成物を安定化させる。好ましい実施形態において、これらの方法は、少なくとも約6ヶ月間、室温で貯蔵される免疫グロブリン組成物を安定化させる。より好ましい実施形態において、これらの方法は、少なくとも約1年間、室温で貯蔵される免疫グロブリン組成物を安定化させる。より好ましい実施形態において、これらの方法は、少なくとも約2年間、室温で貯蔵される免疫グロブリン組成物を安定化させる。
一実施形態において、これらの方法は、約28℃と約32℃との間の温度で貯蔵される場合に、少なくとも6ヶ月間、免疫グロブリン組成物を安定化させる。具体的な実施形態において、これらの方法は、約28℃と約32℃との間の温度で貯蔵される場合に、少なくとも1年間、免疫グロブリン組成物を安定化させる。より具体的な実施形態において、これらの方法は、約28℃と約32℃との間の温度で貯蔵される場合に、少なくとも2年間、免疫グロブリン組成物を安定化させる。別の実施形態において、これらの方法は、約38℃と約42℃との間の温度で貯蔵される場合に、少なくとも6ヶ月間、免疫グロブリン組成物を安定化させる。具体的な実施形態において、これらの方法は、約38℃と約42℃との間の温度で貯蔵される場合に、少なくとも1年間、免疫グロブリン組成物を安定化させる。より具体的な実施形態において、これらの方法は、約38℃と約42℃との間の温度で貯蔵される場合に、少なくとも2年間、免疫グロブリン組成物を安定化させる。
特定の実施形態において、本明細書において提供する方法は、この組成物を無菌の封じ込め容器に分注し、例えば、ゴム栓を用いて、この容器を気密に密封する工程をさらに含む。この気密容器内の免疫グロブリン組成物は、好ましくは、暗い場所で、色の付いた容器材(一般的に、ガラスもしくはプラスチック)を用いて、および/または不透明な物質で容器の表面を覆って貯蔵することにより、周囲の光から保護される。
特定の実施形態において、これらの方法は、封じ込め容器内のヘッドスペースを不活性ガスで充填する(すなわち、封じ込め容器内のヘッドスペースの空気を不活性ガスで置換する)工程をさらに含む。この不活性ガスは、液体組成物の上に不活性雰囲気を維持するのに役立つ。免疫グロブリン組成物を、ヘッドスペースの空気が不活性ガスで置換された容器で貯蔵する場合に、この組成物は、「不活性ガス下で貯蔵される」と言われる。したがって、一実施形態において、本明細書において提供する方法は、不活性ガス下で、貯蔵安定性のある免疫グロブリン組成物を貯蔵する工程を含む。本発明の方法と併せて使用することができる不活性ガスの非限定的な例として、窒素、アルゴン、および二酸化炭素が挙げられる。特定の一実施形態において、この不活性ガスは窒素である。別の特定の実施形態において、この不活性ガスはアルゴンである。さらに別の特定の実施形態において、この不活性ガスは二酸化炭素である。
A.一般的な免疫グロブリン製剤
一実施形態において、本発明は、免疫グロブリン水性組成物を安定化させる方法であって、50mMと500mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、5.5と7.0との間のpHと、をともなう免疫グロブリン組成物を製剤化する工程を含む方法を提供する。一実施形態において、方法は、不活性ガス下で、気密封じ込め容器内でこの免疫グロブリン組成物を貯蔵する工程をさらに含む。具体的な実施形態において、この不活性ガスは窒素である。別の具体的な実施形態において、この不活性ガスはアルゴンである。さらに別の具体的な実施形態において、この不活性ガスは二酸化炭素である。具体的な実施形態において、この最終製剤は、界面活性剤または糖を含まない。
特定の実施形態において、本発明は、免疫グロブリン水性組成物を安定化させる方法であって、50mMと500mMとの間のヒスチジンと、1mM以下のアルカリ金属カチオンと、5.5と7.0との間のpHとを用いて免疫グロブリン組成物を製剤化する工程を含む方法を提供する。一実施形態において、方法は、不活性ガス下で、気密封じ込め容器内でこの免疫グロブリン組成物を貯蔵する工程をさらに含む。具体的な実施形態において、この不活性ガスは窒素である。別の具体的な実施形態において、この不活性ガスはアルゴンである。さらに別の具体的な実施形態において、この不活性ガスは二酸化炭素である。具体的な実施形態において、この最終製剤は、界面活性剤または糖を含まない。
具体的な実施形態において、この最終製剤は、免疫グロブリンと、50mMと500mMとの間のヒスチジンと、1mM以下のアルカリ金属カチオンと、0.01%以下の界面活性剤と、1mM以下の糖と、1mM以下の糖アルコールと、5.5と7.0との間のpHと、を備える。具体的な実施形態において、この最終製剤は、界面活性剤または糖を含まない。
別の具体的な実施形態において、この最終製剤は、免疫グロブリンと、50mMと500mMとの間のヒスチジンと、5.5と7.0との間のpHと、から本質的になる。特定の実施形態において、この組成物は、10mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の特定の実施形態において、この製剤は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。具体的な実施形態において、この最終製剤は、界面活性剤または糖を含まない。
より具体的な実施形態において、本発明は、免疫グロブリン水性組成物を安定化させる方法であって、50mMと500mMとの間のヒスチジンと、1mM以下のアルカリ金属カチオンと、0.01%以下の界面活性剤と、1mM以下の糖と、1mM以下の糖アルコールと、5.5と7.0との間のpHと、を用いて免疫グロブリン組成物を製剤化する工程を含む方法を提供する。一実施形態において、方法は、不活性ガス下で、気密封じ込め容器内でこの免疫グロブリン組成物を貯蔵する工程をさらに含む。具体的な実施形態において、この不活性ガスは窒素である。別の具体的な実施形態において、この不活性ガスはアルゴンである。さらに別の具体的な実施形態において、この不活性ガスは二酸化炭素である。具体的な実施形態において、この最終製剤は、界面活性剤または糖を含まない。
本発明が提供する方法を用いて、プールされた血漿(例えば、ヒトのプールされた血漿)から単離された免疫グロブリン組成物、乳腺分泌物から単離された免疫グロブリン組成物、鳥供給源から単離された免疫グロブリン組成物(例えば、ニワトリの卵の卵黄から単離されたIgY含有組成物)、および組換え免疫グロブリン(例えば、モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体)を含むが、これらに限定されない任意の免疫グロブリン組成物を安定化させてもよい。
1.ヒスチジン
したがって、一実施形態において、本発明は、免疫グロブリン水性組成物を安定化させる方法であって、100mMと400mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、5.5と7.0との間のpHと、を用いて免疫グロブリン組成物を製剤化する工程を含む方法を提供する。具体的な実施形態において、この最終製剤は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、方法は、不活性ガス下で、気密封じ込め容器内でこの免疫グロブリン組成物を貯蔵する工程をさらに含む。具体的な実施形態において、この不活性ガスは窒素である。別の具体的な実施形態において、この不活性ガスはアルゴンである。さらに別の具体的な実施形態において、この不活性ガスは二酸化炭素である。具体的な実施形態において、この最終製剤は、界面活性剤または糖を含まない。
具体的な実施形態において、この最終製剤は、免疫グロブリンと、100mMと400mMとの間のヒスチジンと、5.5と7.0との間のpHと、から本質的になる。特定の実施形態において、この最終製剤は、10mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の特定の実施形態において、この最終製剤は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。具体的な実施形態において、この最終製剤は、界面活性剤または糖を含まない。
より具体的な実施形態において、この最終製剤は、免疫グロブリンと、100mMと400mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、5.5と7.0との間のpHと、からなる。具体的な実施形態において、この最終製剤は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。具体的な実施形態において、この最終製剤は、界面活性剤または糖を含まない。
一実施形態において、この最終製剤は、免疫グロブリンと、200mMと300mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、5.5と7.0との間のpHと、を備える。具体的な実施形態において、この最終製剤は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。具体的な実施形態において、この最終製剤は、界面活性剤または糖を含まない。
具体的な実施形態において、この最終製剤は、免疫グロブリンと、200mMと300mMとの間のヒスチジンと、5.5と7.0との間のpHから本質的になる。特定の実施形態において、この最終製剤は、10mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の特定の実施形態において、この最終製剤は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。具体的な実施形態において、この最終製剤は、界面活性剤または糖を含まない。
より具体的な実施形態において、この最終製剤は、免疫グロブリンと、200mMと300mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、5.5と7.0との間のpHと、からなる。具体的な実施形態において、この最終製剤は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。具体的な実施形態において、この最終製剤は、界面活性剤または糖を含まない。
一実施形態において、この最終製剤は、免疫グロブリンと、225mMと275mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、5.5と7.0との間のpHと、を備える。具体的な実施形態において、この最終製剤は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。具体的な実施形態において、この最終製剤は、界面活性剤または糖を含まない。
具体的な実施形態において、この最終製剤は、免疫グロブリンと、225mMと275mMとの間のヒスチジンと、5.5と7.0との間のpHと、から本質的になる。特定の実施形態において、この最終製剤は、10mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の特定の実施形態において、この最終製剤は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。具体的な実施形態において、この最終製剤は、界面活性剤または糖を含まない。
より具体的な実施形態において、この最終製剤は、免疫グロブリンと、225mMと275mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、5.5と7.0との間のpHと、からなる。具体的な実施形態において、この最終製剤は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。具体的な実施形態において、この最終製剤は、界面活性剤または糖を含まない。
一実施形態において、この最終製剤は、免疫グロブリンと、240mMと260mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、5.5と7.0との間のpHと、を備える。具体的な実施形態において、この最終製剤は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。
具体的な実施形態において、この最終製剤は、免疫グロブリンと、240mMと260mMとの間のヒスチジンと、5.5と7.0との間のpHと、から本質的になる。特定の実施形態において、この最終製剤は、10mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の特定の実施形態において、この最終製剤は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。具体的な実施形態において、この最終製剤は、界面活性剤または糖を含まない。
より具体的な実施形態において、この最終製剤は、免疫グロブリンと、240mMと260mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、5.5と7.0との間のpHと、からなる。具体的な実施形態において、この最終製剤は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。具体的な実施形態において、この最終製剤は、界面活性剤または糖を含まない。
一実施形態において、この最終製剤は、免疫グロブリンと、250mMのヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、5.5と7.0との間のpHと、を備える。具体的な実施形態において、この最終製剤は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。具体的な実施形態において、この最終製剤は、界面活性剤または糖を含まない。
具体的な実施形態において、この最終製剤は、免疫グロブリンと、250mMのヒスチジンと、5.5と7.0との間のpHと、から本質的になる。特定の実施形態において、この最終製剤は、10mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の特定の実施形態において、この最終製剤は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。具体的な実施形態において、この最終製剤は、界面活性剤または糖を含まない。
より具体的な実施形態において、この最終製剤は、免疫グロブリンと、250mMのヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、5.5と7.0との間のpHと、からなる。具体的な実施形態において、この最終製剤は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。具体的な実施形態において、この最終製剤は、界面活性剤または糖を含まない。
2.pH
本発明が提供する貯蔵安定性のある免疫グロブリン組成物は、弱酸性〜中性のpHで製剤化される。一般的に、これには、5.5と7.0との間のpH値が含まれる。好ましい実施形態において、このpH値は、5.5と6.5との間である。しかし、任意の個々の免疫グロブリン組成物が、製剤中にヒスチジンを含むことによって安定化されるpH値の範囲は、特定の免疫グロブリンの性質によって異る場合がある。
例えば、一実施形態において、これらの方法は、5.5と7.0との間のpHで免疫グロブリンを製剤化する工程を含む。別の実施形態において、これらの方法は、5.5と6.5との間のpHで免疫グロブリンを製剤化する工程を含む。他の実施形態において、これらの方法は、6.0と7.0との間のpHで免疫グロブリンを製剤化する工程を含む。別の実施形態において、これらの方法は、5.5と6.0との間のpHで免疫グロブリンを製剤化する工程を含む。一実施形態において、これらの方法は、6.0と6.5との間のpHで免疫グロブリンを製剤化する工程を含む。別の実施形態において、これらの方法は、6.5と7.0との間のpHで免疫グロブリンを製剤化する工程を含む。別の実施形態において、これらの方法は、6.0±4のpHで免疫グロブリンを製剤化する工程を含む。別の実施形態において、これらの方法は、6.0±3のpHで免疫グロブリンを製剤化する工程を含む。別の実施形態において、これらの方法は、6.0±2のpHで免疫グロブリンを製剤化する工程を含む。別の実施形態において、これらの方法は、6.0±1のpHで免疫グロブリンを製剤化する工程を含む。別の実施形態において、これらの方法は、6.1±5のpHで免疫グロブリンを製剤化する工程を含む。別の実施形態において、これらの方法は、6.1±4のpHで免疫グロブリンを製剤化する工程を含む。別の実施形態において、これらの方法は、6.1±3のpHで免疫グロブリンを製剤化する工程を含む。別の実施形態において、これらの方法は、6.1±2のpHで免疫グロブリンを製剤化する工程を含む。別の実施形態において、これらの方法は、6.1±1のpHで免疫グロブリンを製剤化する工程を含む。他の実施形態において、これらの方法は、5.5±0.2、5.6±0.2、5.7±0.2、5.8±0.2、5.9±0.2、6.0±0.2、6.1±0.2、6.2±0.2、6.3±0.2、6.4±0.2、6.5±0.2、6.6±0.2、6.7±0.2、6.8±0.2、6.9±0.2,または7.0±0.2のpHで免疫グロブリンを製剤化する工程を含む。他の実施形態において、これらの方法は、5.5±0.1、5.6±0.1、5.7±0.1、5.8±0.1、5.9±0.1、6.0±0.1、6.1±0.1、6.2±0.1、6.3±0.1、6.4±0.1、6.5±0.1、6.6±0.1、6.7±0.1、6.8±0.1、6.9±0.1、または7.0±0.1のpHで免疫グロブリンを製剤化する工程を含む。さらに他の実施形態において、これらの方法は、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、または7.0のpHで免疫グロブリンを製剤化する工程を含む。
したがって、一実施形態において、本発明は、免疫グロブリン水性組成物を安定化させる方法であって、50mMと500mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、5.5と6.5との間のpHと、を用いて免疫グロブリン組成物を製剤化する工程を含む方法を提供する。具体的な実施形態において、この最終製剤は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、方法は、不活性ガス下で、気密封じ込め容器内でこの免疫グロブリン組成物を貯蔵する工程をさらに含む。具体的な実施形態において、この不活性ガスは窒素である。別の具体的な実施形態において、この不活性ガスはアルゴンである。さらに別の具体的な実施形態において、この不活性ガスは二酸化炭素である。具体的な実施形態において、この最終製剤は、界面活性剤または糖を含まない。
具体的な実施形態において、この最終製剤は、免疫グロブリンと、50mMと500mMとの間のヒスチジンと、5.5と6.5との間のpHと、から本質的になる。特定の実施形態において、この最終製剤は、10mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の特定の実施形態において、この最終製剤は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。具体的な実施形態において、この最終製剤は、界面活性剤または糖を含まない。
より具体的な実施形態において、この最終製剤は、免疫グロブリンと、50mMと500mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、5.5と6.5との間のpHと、からなる。特定の実施形態において、この最終製剤は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。具体的な実施形態において、この最終製剤は、界面活性剤または糖を含まない。
一実施形態において、この最終製剤は、免疫グロブリンと、200mMと300mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、5.5と6.5との間のpHと、を備える。具体的な実施形態において、この最終製剤は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。具体的な実施形態において、この最終製剤は、界面活性剤または糖を含まない。
具体的な実施形態において、この最終製剤は、免疫グロブリンと、200mMと300mMとの間のヒスチジンと、5.5と6.5との間のpHと、から本質的になる。特定の実施形態において、この最終製剤は、10mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。具体的な実施形態において、この最終製剤は、界面活性剤または糖を含まない。
より具体的な実施形態において、この最終製剤は、免疫グロブリンと、200mMと300mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、5.5と6.5との間のpHと、からなる。特定の実施形態において、この最終製剤は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。具体的な実施形態において、この最終製剤は、界面活性剤または糖を含まない。
一実施形態において、この最終製剤は、免疫グロブリンと、200mMと300mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、6.1±0.4のpHと、を備える。具体的な実施形態において、この最終製剤は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。具体的な実施形態において、この最終製剤は、界面活性剤または糖を含まない。
具体的な実施形態において、この最終製剤は、免疫グロブリンと、200mMと300mMとの間のヒスチジンと、6.1±0.4のpHと、から本質的になる。特定の実施形態において、この最終製剤は、10mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の特定の実施形態において、この最終製剤は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。具体的な実施形態において、この最終製剤は、界面活性剤または糖を含まない。
より具体的な実施形態において、この最終製剤は、免疫グロブリンと、200mMと300mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、6.1±0.4のpHと、からなる。具体的な実施形態において、この最終製剤は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。具体的な実施形態において、この最終製剤は、界面活性剤または糖を含まない。
一実施形態において、この最終製剤は、免疫グロブリンと、200mMと300mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、6.1±0.3のpHと、を備える。具体的な実施形態において、この最終製剤は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。具体的な実施形態において、この最終製剤は、界面活性剤または糖を含まない。
具体的な実施形態において、この最終製剤は、免疫グロブリンと200mMと300mMとの間のヒスチジンと、6.1±0.3のpHと、から本質的になる。特定の実施形態において、この最終製剤は、10mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の特定の実施形態において、この最終製剤は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。具体的な実施形態において、この最終製剤は、界面活性剤または糖を含まない。
より具体的な実施形態において、この最終製剤は、免疫グロブリンと、200mMと300mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、6.1±0.3のpHと、からなる。具体的な実施形態において、この最終製剤は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。具体的な実施形態において、この最終製剤は、界面活性剤または糖を含まない。
一実施形態において、この最終製剤は、免疫グロブリンと、200mMと300mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、6.1±0.2のpHと、を備える。具体的な実施形態において、この最終製剤は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。具体的な実施形態において、この最終製剤は、界面活性剤または糖を含まない。
具体的な実施形態において、この最終製剤は、免疫グロブリンと、200mMと300mMとの間のヒスチジンと、6.1±0.2のpHと、から本質的になる。特定の実施形態において、この最終製剤は、10mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の特定の実施形態において、この最終製剤は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。具体的な実施形態において、この最終製剤は、界面活性剤または糖を含まない。
より具体的な実施形態において、この最終製剤は、免疫グロブリンと、200mMと300mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、6.1±0.2のpHと、からなる。具体的な実施形態において、この最終製剤は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。具体的な実施形態において、この最終製剤は、界面活性剤または糖を含まない。
一実施形態において、この最終製剤は、免疫グロブリンと、200mMと300mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、6.1±0.1のpHを備える。具体的な実施形態において、この最終製剤は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。具体的な実施形態において、この最終製剤は、界面活性剤または糖を含まない。
具体的な実施形態において、この最終製剤は、免疫グロブリンと、200mMと300mMとの間のヒスチジンと、6.1±0.1のpHと、から本質的になる。特定の実施形態において、この最終製剤は、10mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の特定の実施形態において、この最終製剤は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。具体的な実施形態において、この最終製剤は、界面活性剤または糖を含まない。
より具体的な実施形態において、この最終製剤は、免疫グロブリンと、200mMと300mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、6.1±0.1のpHからなる。具体的な実施形態において、この最終製剤は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。具体的な実施形態において、この最終製剤は、界面活性剤または糖を含まない。
一実施形態において、この最終製剤は、免疫グロブリンと、200mMと300mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、6.1のpHと、を備える。具体的な実施形態において、この最終製剤は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。具体的な実施形態において、この最終製剤は、界面活性剤または糖を含まない。
具体的な実施形態において、この最終製剤は、免疫グロブリンと、200mMと300mMとの間のヒスチジンと、6.1のpHと、から本質的になる。特定の実施形態において、この最終製剤は、10mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の特定の実施形態において、この最終製剤は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。具体的な実施形態において、この最終製剤は、界面活性剤または糖を含まない。
より具体的な実施形態において、この最終製剤は、免疫グロブリンと、200mMと300mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、6.1のpHと、からなる。具体的な実施形態において、この最終製剤は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。具体的な実施形態において、この最終製剤は、界面活性剤または糖を含まない。
特定の実施形態において、この方法は、表1および表2に示すとおりの、バリエーション(Var.)1〜952のうちの任意の1つから選択される、ヒスチジン濃度およびpHの組み合わせを用いて、免疫グロブリン組成物を製剤化する工程を含む。
したがって、一実施形態において、本発明は、免疫グロブリン水性組成物を安定化させる方法であって、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、表1および表2に示すとおりの、バリエーション1〜952からなる群より選択されるヒスチジン/pH組み合わせと、を用いて、免疫グロブリン組成物を製剤化する工程を含む方法を提供する。具体的な実施形態において、この最終製剤は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、方法は、不活性ガス下で、気密封じ込め容器内でこの免疫グロブリン組成物を貯蔵する工程をさらに含む。具体的な実施形態において、この不活性ガスは窒素である。別の具体的な実施形態において、この不活性ガスはアルゴンである。さらに別の具体的な実施形態において、この不活性ガスは二酸化炭素である。具体的な実施形態において、この最終製剤は、界面活性剤または糖を含まない。
具体的な実施形態において、この最終製剤は、免疫グロブリンと、表1および表2に示すとおりの、バリエーション1〜952からなる群より選択されるヒスチジン/pH組み合わせと、から本質的になる。特定の実施形態において、この最終製剤は、10mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の特定の実施形態において、この最終製剤は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
より具体的な実施形態において、この最終製剤は、免疫グロブリンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、表1および表2に示すとおりの、バリエーション1〜952からなる群より選択されるヒスチジン/pH組み合わせと、からなる。特定の実施形態において、この最終製剤は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
3.対アニオン
一実施形態において、本発明は、免疫グロブリン水性組成物を安定化させる方法であって、50mMと500mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、10mMと400mMとの間の塩化物イオンと、5.5と7.0との間のpHと、を用いて免疫グロブリン組成物を製剤化する工程を含む方法を提供する。具体的な実施形態において、この最終製剤は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。一実施形態において、方法は、不活性ガス下で、気密封じ込め容器内でこの免疫グロブリン組成物を貯蔵する工程をさらに含む。具体的な実施形態において、この不活性ガスは窒素である。別の具体的な実施形態において、この不活性ガスはアルゴンである。さらに別の具体的な実施形態において、この不活性ガスは二酸化炭素である。具体的な実施形態において、この最終製剤は、界面活性剤または糖を含まない。
具体的な実施形態において、この最終製剤は、免疫グロブリンと、50mMと500mMとの間のヒスチジンと、10mMと400mMとの間の塩化物イオンと、5.5と7.0との間のpHと、から本質的になる。特定の実施形態において、この最終製剤は、10mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。具体的な実施形態において、この最終製剤は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。具体的な実施形態において、この最終製剤は、界面活性剤または糖を含まない。
より具体的な実施形態において、この最終製剤は、免疫グロブリンと、50mMと500mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、10mMと400mMとの間の塩化物イオンと、5.5と7.0との間のpHと、からなる。具体的な実施形態において、この最終製剤は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。具体的な実施形態において、この最終製剤は、界面活性剤または糖を含まない。
一実施形態において、この最終製剤は、免疫グロブリンと、50mMと500mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、100mMと200mMとの間の塩化物イオンと、5.5と7.0との間のpHと、を備える。具体的な実施形態において、この最終製剤は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。具体的な実施形態において、この最終製剤は、界面活性剤または糖を含まない。
具体的な実施形態において、この最終製剤は、免疫グロブリンと、50mMと500mMとの間のヒスチジンと、100mMと200mMとの間の塩化物イオンと、5.5と7.0との間のpHと、から本質的になる。特定の実施形態において、この最終製剤は、10mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。具体的な実施形態において、この最終製剤は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。具体的な実施形態において、この最終製剤は、界面活性剤または糖を含まない。
より具体的な実施形態において、この最終製剤は、免疫グロブリンと、50mMと500mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、100mMと200mMとの間の塩化物イオンと、5.5と7.0との間のpHと、からなる。具体的な実施形態において、この最終製剤は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。具体的な実施形態において、この最終製剤は、界面活性剤または糖を含まない。
一実施形態において、この最終製剤は、免疫グロブリンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、表1および表2に示すとおりの、バリエーション1〜952からなる群より選択されるヒスチジン/pH組み合わせと、10mMと400mMとの間の塩化物イオンと、を備える。具体的な実施形態において、この最終製剤は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。具体的な実施形態において、この最終製剤は、界面活性剤または糖を含まない。
具体的な実施形態において、この最終製剤は、免疫グロブリンと、表1および表2に示すとおりの、バリエーション1〜952からなる群より選択されるヒスチジン/pH組み合わせと、10mMと400mMとの間の塩化物イオンと、から本質的になる。特定の実施形態において、この最終製剤は、10mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。具体的な実施形態において、この最終製剤は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。具体的な実施形態において、この最終製剤は、界面活性剤または糖を含まない。
より具体的な実施形態において、この最終製剤は、免疫グロブリンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、表1および表2に示すとおりの、バリエーション1〜952からなる群より選択されるヒスチジン/pH組み合わせと、10mMと400mMとの間の塩化物イオンと、からなる。具体的な実施形態において、この最終製剤は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。具体的な実施形態において、この最終製剤は、界面活性剤または糖を含まない。
一実施形態において、この最終製剤は、免疫グロブリンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、表1および表2に示すとおりの、バリエーション1〜952からなる群より選択されるヒスチジン/pH組み合わせと、100mMと200mMとの間の塩化物イオンと、を備える。具体的な実施形態において、この最終製剤は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。具体的な実施形態において、この最終製剤は、界面活性剤または糖を含まない。
具体的な実施形態において、この最終製剤は、免疫グロブリンと、表1および表2に示すとおりの、バリエーション1〜952からなる群より選択されるヒスチジン/pH組み合わせと、100mMと200mMとの間の塩化物イオンと、から本質的になる。特定の実施形態において、この最終製剤は、10mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。具体的な実施形態において、この最終製剤は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。具体的な実施形態において、この最終製剤は、界面活性剤または糖を含まない。
より具体的な実施形態において、この最終製剤は、免疫グロブリンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、表1および表2に示すとおりの、バリエーション1〜952からなる群より選択されるヒスチジン/pH組み合わせと、100mMと200mMとの間の塩化物イオンと、からなる。具体的な実施形態において、この最終製剤は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。具体的な実施形態において、この最終製剤は、界面活性剤または糖を含まない。
4.免疫グロブリン濃度
一般に、本明細書において提供する方法は、広範囲のタンパク質濃度を有する免疫グロブリン組成物を安定化させるのに有用である。例えば、本明細書において提供する方法は、モノクローナル抗体の医薬製剤に用いられる低い免疫グロブリン濃度(例えば、10〜40g/L以下)、静脈注射用の免疫グロブリンの医薬製剤に用いられる中程度の免疫グロブリン濃度(例えば、40〜150g/L)、および皮下投与または筋肉内投与される免疫グロブリンの医薬製剤に用いられる高い免疫グロブリン濃度(例えば、150〜250g/L以上)を安定化させるために良好に適している。一般に、本明細書において提供する方法および製剤によって安定化させられる場合がある免疫グロブリン濃度の上限は、製剤化される免疫グロブリンの溶解限度または用いられる特定の製造プロセスによって達成することができる最大濃度によってのみ制限される。したがって、一実施形態において、本明細書において提供する、貯蔵安定性のある水溶液の免疫グロブリン濃度は、1g/Lと250g/Lとの間である。
a.低い免疫グロブリン濃度
一実施形態において、本発明は、免疫グロブリン水性組成物を安定化させる方法であって、40g/L未満の免疫グロブリンを含む組成物を、50mMと500mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、5.5と7.0との間のpHと、を用いて製剤化する工程を含む方法を提供する。具体的な実施形態において、この最終製剤は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の具体的な実施形態において、この最終製剤は、10mMと400mMとの間の塩化物イオンをさらに含む。一実施形態において、方法は、不活性ガス下で、気密封じ込め容器内でこの免疫グロブリン組成物を貯蔵する工程をさらに含む。具体的な実施形態において、この不活性ガスは窒素である。別の具体的な実施形態において、この不活性ガスはアルゴンである。さらに別の具体的な実施形態において、この不活性ガスは二酸化炭素である。具体的な実施形態において、この最終製剤は、界面活性剤または糖を含まない。
特定の実施形態において、この最終製剤は、40g/L未満の免疫グロブリンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、表1および表2に示すとおりの、バリエーション1〜952からなる群より選択されるヒスチジン/pH組み合わせと、を備える。具体的な実施形態において、この最終製剤は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の具体的な実施形態において、この最終製剤は、10mMと400mMとの間の塩化物イオンをさらに含む。具体的な実施形態において、この最終製剤は、界面活性剤または糖を含まない。
具体的な実施形態において、この最終製剤は、40g/L未満の免疫グロブリンと、表1および表2に示すとおりの、バリエーション1〜952からなる群より選択されるヒスチジン/pH組み合わせと、から本質的になる。一実施形態において、この最終製剤は、10mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。具体的な実施形態において、この最終製剤は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の具体的な実施形態において、この最終製剤は、10mMと400mMとの間の塩化物イオンをさらに含む。
より具体的な実施形態において、この最終製剤は、40g/L未満の免疫グロブリンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、表1および表2に示すとおりの、バリエーション1〜952からなる群より選択されるヒスチジン/pH組み合わせと、からなる。具体的な実施形態において、この最終製剤は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の具体的な実施形態において、この最終製剤は、10mMと400mMとの間の塩化物イオンをさらに含む。具体的な実施形態において、この最終製剤は、界面活性剤または糖を含まない。
具体的な実施形態において、この方法は、10g/Lと40g/Lとの間の濃度でこの免疫グロブリンを製剤化する工程を含む。別の実施形態において、この免疫グロブリン濃度は、20g/Lと30g/Lとの間である。一実施形態において、この免疫グロブリン濃度は、40g/L未満である。一実施形態において、この免疫グロブリン濃度は、40g/L以下である。別の実施形態において、この免疫グロブリン濃度は、30g/L以下である。別の実施形態において、この免疫グロブリン濃度は、20g/L以下である。別の実施形態において、この免疫グロブリン濃度は、10g/L以下である。具体的な実施形態において、この免疫グロブリン濃度は、10±1g/L、15±1.5g/L、20±2g/L、25±2.5g/L、30±3g/L、35±3.5g/L、または40±4g/Lである。さらに他の実施形態において、この免疫グロブリン濃度は、1g/L、2g/L、3g/L、4g/L、5g/L、6g/L、7g/L、8g/L、9g/L、10g/L、11g/L、12g/L、13g/L、14g/L、15g/L、16g/L、17g/L、18g/L、19g/L、20g/L、21g/L、22g/L、23g/L、24g/L、25g/L、26g/L、27g/L、28g/L、29g/L、30g/L、31g/L、32g/L、33g/L、34g/L、35g/L、36g/L、37g/L、38g/L、39g/L、または40g/Lである。
b.中程度の免疫グロブリン濃度
別の実施形態において、本発明は、免疫グロブリン水性組成物を安定化させる方法であって、40g/Lと150g/Lとの間の免疫グロブリンを含む組成物を、50mMと500mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、5.5と7.0との間のpHと、を用いて製剤化する方法を提供する。具体的な実施形態において、この最終製剤は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の具体的な実施形態において、この最終製剤は、10mMと400mMとの間の塩化物イオンをさらに含む。一実施形態において、方法は、不活性ガス下で、気密封じ込め容器内でこの免疫グロブリン組成物を貯蔵する工程を含む。具体的な実施形態において、この不活性ガスは窒素である。別の具体的な実施形態において、この不活性ガスはアルゴンである。さらに別の具体的な実施形態において、この不活性ガスは二酸化炭素である。具体的な実施形態において、この最終製剤は、界面活性剤または糖を含まない。
特定の実施形態において、この最終製剤は、40g/Lと150g/Lとの間の免疫グロブリンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、表1および表2に示すとおりの、バリエーション1〜952からなる群より選択されるヒスチジン/pH組み合わせと、を含む。具体的な実施形態において、この最終製剤は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の具体的な実施形態において、この最終製剤は、10mMと400mMとの間の塩化物イオンをさらに含む。具体的な実施形態において、この最終製剤は、界面活性剤または糖を含まない。
具体的な実施形態において、この最終製剤は、40g/Lと150g/Lとの間の免疫グロブリンと、表1および表2に示すとおりの、バリエーション1〜952からなる群より選択されるヒスチジン/pH組み合わせと、から本質的になる。一実施形態において、この最終製剤は、10mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。具体的な実施形態において、この最終製剤は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の具体的な実施形態において、この最終製剤は、10mMと400mMとの間の塩化物イオンをさらに含む。具体的な実施形態において、この最終製剤は、界面活性剤または糖を含まない。
より具体的な実施形態において、この最終製剤は、40g/Lと150g/Lとの間の免疫グロブリンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、表1および表2に示すとおりの、バリエーション1〜952からなる群より選択されるヒスチジン/pH組み合わせと、からなる。具体的な実施形態において、この最終製剤は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の具体的な実施形態において、この最終製剤は、10mMと400mMとの間の塩化物イオンをさらに含む。具体的な実施形態において、この最終製剤は、界面活性剤または糖を含まない。
具体的な実施形態において、この方法は、40g/Lと60g/Lとの間の濃度で免疫グロブリンを製剤化する方法を含む。別の具体的な実施形態において、この免疫グロブリン濃度は、90g/Lと110g/Lとの間である。特定の実施形態において、この免疫グロブリン濃度は、45±4.5g/L、50±5g/L、55±5.5g/L、60±6g/L、65±6.5g/L、70±7g/L、75±7.5g/L、80±8g/L、85±8.5g/L、90±9g/L、95±9.5g/L、100±10g/L、110±11g/L、120±12g/L、130±13g/L、140±14g/L、または150±15g/Lである。さらに他の実施形態において、この免疫グロブリン濃度は、40g/L、45g/L、50g/L、55g/L、60g/L、65g/L、70g/L、75g/L、80g/L、85g/L、90g/L、95g/L、100g/L、105g/L、110g/L、115g/L、120g/L、125g/L、130g/L、135g/L、140g/L、145g/L、または150g/Lである。
c.高い免疫グロブリン濃度
一実施形態において、本発明は、免疫グロブリン水性組成物を安定化させる方法であって、150g/Lを超える免疫グロブリンを含む組成物を、50mMと500mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、5.5と7.0との間のpHを用いて製剤化する工程を含む方法を提供する。具体的な実施形態において、この最終製剤は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の具体的な実施形態において、この最終製剤は、10mMと400mMとの間の塩化物イオンをさらに含む。一実施形態において、方法は、不活性ガス下で、気密封じ込め容器内でこの免疫グロブリン組成物を貯蔵する工程を含む。具体的な実施形態において、この不活性ガスは窒素である。別の具体的な実施形態において、この不活性ガスはアルゴンである。さらに別の具体的な実施形態において、この不活性ガスは二酸化炭素である。具体的な実施形態において、この最終製剤は、界面活性剤または糖を含まない。
特定の実施形態において、この最終製剤は、150g/Lを超える免疫グロブリンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、表1および表2に示すとおりの、バリエーション1〜952からなる群より選択されるヒスチジン/pH組み合わせと、を備える。具体的な実施形態において、この最終製剤は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の具体的な実施形態において、この最終製剤は、10mMと400mMとの間の塩化物イオンをさらに含む。具体的な実施形態において、この最終組成物は、界面活性剤または糖を含まない。
具体的な実施形態において、この最終製剤は、150g/Lを超える免疫グロブリンと、表1および表2に示すとおりの、バリエーション1〜952からなる群より選択されるヒスチジン/pH組み合わせと、から本質的になる。一実施形態において、この最終製剤は、10mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。具体的な実施形態において、この最終製剤は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の具体的な実施形態において、この最終製剤は、10mMと400mMとの間の塩化物イオンをさらに含む。具体的な実施形態において、この最終製剤は、界面活性剤または糖を含まない。
より具体的な実施形態において、この最終製剤は、150g/Lを超える免疫グロブリンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、表1および表2に示すとおりの、バリエーション1〜952からなる群より選択されるヒスチジン/pH組み合わせと、からなる。具体的な実施形態において、この最終製剤は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の具体的な実施形態において、この最終製剤は、10mMと400mMとの間の塩化物イオンをさらに含む。具体的な実施形態において、この最終製剤は、界面活性剤または糖を含まない。
具体的な実施形態において、この方法は、少なくとも150g/Lの濃度で、この免疫グロブリンを製剤化する工程を含む。具体的な実施形態において、この免疫グロブリン濃度は、少なくとも175g/Lである。別の具体的な実施形態において、この免疫グロブリン濃度は、少なくとも200g/Lである。別の実施形態において、この免疫グロブリン濃度は、少なくとも225g/Lである。一実施形態において、この免疫グロブリン濃度は、150g/Lと250g/Lとの間である。別の実施形態において、この免疫グロブリン濃度は、175g/Lと225g/Lとの間である。特定の実施形態において、この免疫グロブリン濃度は、150±15g/L、160±16g/L、170±17g/L、180±18g/L、190±19g/L、200±20g/L、210±21g/L、220±22g/L、230±23g/L、240±24g/L、または250±25g/Lである。さらに他の実施形態において、この免疫グロブリン濃度は、150g/L、160g/L、170g/L、180g/L、190g/L、200g/L、210g/L、220g/L、230g/L、240g/L、または250g/L以上である。
5.投与
特定の実施形態において、本明細書において提供する、貯蔵安定性のある組成物を、皮内投与、皮下投与、経皮移植、空洞内投与、硝子体内投与、経強膜投与、大脳内投与、髄腔内投与、硬膜外投与、静脈内投与、心臓内投与、筋肉内投与、骨内投与、腹腔内投与、およびナノセル注射投与を含むが、これらに限定されない非経口投与のために製剤化する。好ましい一実施形態において、本明細書において提供する組成物は、静脈内投与のために製剤化される。別の好ましい実施形態において、本明細書において提供する組成物は、皮下投与のために製剤化される。さらに別の好ましい実施形態において、本明細書において提供する組成物は、筋肉内投与のために製剤化される。さらに別の実施形態において、この製剤は、静脈内投与、ならびに皮下投与および筋肉内投与のいずれか、またはその両方に適する。
6.賦形剤
特定の実施形態において、本明細書において提供する方法は、1つ以上の賦形剤をこの免疫グロブリン組成物に添加する製剤化工程をさらに含む。本明細書において提供する製剤中に含めることができる賦形剤の非限定的な例として、非イオン性界面活性剤、増量剤(例えば、糖類および糖アルコール類)、抗酸化剤、多糖類、および薬学的に許容される水溶性ポリマー(例えば、ポリ(アクリル酸)、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(ビニルピロリドン)、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、およびデンプン)が挙げられる。
一実施形態において、この賦形剤は、この組成物のモル浸透圧濃度を調節するための薬剤である。モル浸透圧濃度剤(osmolarity agent)の非限定的な例として、マンニトール、ソルビトール、グリセロール、ショ糖、グルコース、デキストロース、レブロース、果糖、乳糖、ポリエチレングリコール、リン酸塩、塩化カルシウム、グルコノグルコヘプトン酸カルシウム(calcium gluconoglucoheptonate)、およびジメチルスルホンなどが挙げられる。
一実施形態において、本発明は、免疫グロブリン水性組成物を安定化させる方法であって、50mMと500mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、抗酸化剤と、5.5と7.0との間のpHと、を用いて免疫グロブリン組成物を製剤化する工程を含む方法を提供する。具体的な実施形態において、この最終製剤は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の具体的な実施形態において、この最終製剤は、10mMと400mMとの間の塩化物イオンをさらに含む。一実施形態において、方法は、不活性ガス下で、気密封じ込め容器内でこの免疫グロブリン組成物を貯蔵する工程をさらに含む。具体的な実施形態において、この不活性ガスは窒素である。別の具体的な実施形態において、この不活性ガスはアルゴンである。さらに別の具体的な実施形態において、この不活性ガスは二酸化炭素である。具体的な実施形態において、この最終製剤は、界面活性剤または糖を含まない。
特定の実施形態において、この最終製剤は、免疫グロブリンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、抗酸化剤と、表1および表2に示すとおりの、バリエーション1〜952からなる群より選択されるヒスチジン/pH組み合わせと、備える。具体的な実施形態において、この最終製剤は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の具体的な実施形態において、この最終製剤は、10mMと400mMとの間の塩化物イオンをさらに含む。具体的な実施形態において、この最終製剤は、界面活性剤または糖を含まない。
具体的な実施形態において、この最終製剤は、免疫グロブリンと、抗酸化剤と、表1および表2に示すとおりの、バリエーション1〜952からなる群より選択されるヒスチジン/pH組み合わせと、から本質的になる。具体的な実施形態において、この最終製剤は、10mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。具体的な実施形態において、この最終製剤は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の実施形態において、この組成物は、10mMと400mMとの間の塩化物イオンをさらに含む。具体的な実施形態において、この最終製剤は、界面活性剤または糖を含まない。
より具体的な実施形態において、この最終製剤は、免疫グロブリンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、抗酸化剤と、表1および表2に示すとおりの、バリエーション1〜952からなる群より選択されるヒスチジン/pH組み合わせと、からなる。具体的な実施形態において、この最終製剤は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の具体的な実施形態において、この最終製剤は、10mMと400mMとの間の塩化物イオンをさらに含む。具体的な実施形態において、この最終製剤は、界面活性剤または糖を含まない。
一実施形態において、本発明は、免疫グロブリン水性組成物を安定化させる方法であって、50mMと500mMとの間のヒスチジンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、糖および/または糖アルコールと、5.5と7.0との間のpHと、を用いて、免疫グロブリン組成物を製剤化する工程を含む方法を提供する。具体的な実施形態において、この最終製剤は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の実施形態において、この最終製剤は、10mMと400mMとの間の塩化物イオンをさらに含む。一実施形態において、方法は、不活性ガス下で、気密封じ込め容器内でこの免疫グロブリン組成物を貯蔵する工程をさらに含む。具体的な実施形態において、この不活性ガスは窒素である。別の具体的な実施形態において、この不活性ガスはアルゴンである。さらに別の具体的な実施形態において、この不活性ガスは二酸化炭素である。
特定の実施形態において、この最終製剤は、免疫グロブリンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、糖および/または糖アルコールと、表1および表2に示すとおりの、バリエーション1〜952からなる群より選択されるヒスチジン/pH組み合わせと、を備える。具体的な実施形態において、この最終製剤は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の具体的な実施形態において、この組成物は、10mMと400mMとの間の塩化物イオンをさらに含む。
具体的な実施形態において、この最終製剤は、免疫グロブリンと、糖および/または糖アルコールと、表1および表2に示すとおりの、バリエーション1〜952からなる群より選択されるヒスチジン/pH組み合わせと、から本質的になる。具体的な実施形態において、この最終製剤は、10mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。具体的な実施形態において、この最終製剤は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の具体的な実施形態において、この最終製剤は、10mMと400mMとの間の塩化物イオンをさらに含む。
より具体的な実施形態において、この最終製剤は、免疫グロブリンと、10mM以下のアルカリ金属カチオンと、糖および/または糖アルコールと、表1および表2に示すとおりの、バリエーション1〜952からなる群より選択されるヒスチジン/pH組み合わせと、からなる。具体的な実施形態において、この最終製剤は、1mM以下のアルカリ金属カチオンを含む。別の具体的な実施形態において、この最終製剤は、10mMと400mMとの間の塩化物イオンをさらに含む。
V.実施例
実施例1
血漿由来の20%IgG組成物においてpHおよび塩濃度が有する役割を決定するために、2年間の安定性試験を行った。この試験は、塩化ナトリウムを含めること、および/または中性〜弱酸性のpHで製剤化することが、20%IgG組成物に対して安定化効果を与えることを明らかにした。
簡単に説明すると、Teschnerら(Vox Sang.2007 Jan;92(1):42−55)で概要が述べられているGammagard Liquidプロセスにしたがって、プールされた血漿から調製した2つのIgG組成物を、最終タンパク質濃度が20%になるまで濃縮した。次いで、これらの調製物をいくつかの試料に分け、約50mMの塩化ナトリウムを含む場合と含まない場合で、6.5、7.0、または7.5のpHで別個に製剤化した。次いで、これらの水性製剤を、28℃と32℃との間で24ヶ月間貯蔵した。2年のインキュベート期間後、様々な製剤中のIgGの分子サイズ分布を、高性能サイズ排除クロマトグラフィー(HP−SEC)によって調べた。これらの結果を表3に示す。
(表3)28℃〜32℃での2年間の貯蔵後の、20% IgG(IGSC61およびIGSC63)製剤の分子サイズ分布
Figure 2017071631
表3に示す結果は、pH6.5の製剤と比較して、pH7.0およびpH7.5の製剤中のIgGポリマーの割合が増加することによって示されるとおり、6.5〜7.5のpH範囲内でpHが上昇すると、IgG調製物の凝集の増加がもたらされることを示す。各製剤中に50mMの塩化ナトリウムを含めると、より低分子量のIgG種が安定化され、これらの試料中のIgGポリマーのレベルが14%近く減少する。これは、塩化ナトリウムの添加によって不安定化される、低いpH(4.4〜4.9)で製剤化されたIgG組成物とは対照的である。
実施例2
弱酸性〜中性のpHで製剤化されたIgG組成物に対して、塩化ナトリウムが与える安定化効果をさらに特徴づけるために、加速安定性試験を行った。この加速試験では、高い温度(38℃〜42℃)を用いて、室温(20℃〜25℃)でのより長い期間を模擬実験した。簡単に説明すると、実施例1で調製した20%IgG組成物を、弱酸性〜中性のpH(pH5.5、6.0、6.5、7.0、および7.5)で、塩濃度を増加させて(0mM、50mM、100mM、および150mM)製剤化した試料に分けた。次いで、これらの水性製剤を、38℃と42℃との間で、6ヶ月間貯蔵した。この6ヶ月のインキュベーション期間後、様々な製剤中のIgGの分子サイズ分布を、高性能分子サイズ排除クロマトグラフィー(HP−SEC)によって調べた。様々な製剤中に存在するIgG凝集体の割合を図1に示す。
図1に見られるとおり、免疫グロブリン調製物の安定性は、この製剤のpHおよび塩濃度の両方に依存する。実施例1の50mM塩化ナトリウムについて見られる保護効果と比較して、6.0と7.5との間のpHで、100mMまたは150mMの塩化ナトリウムをこの製剤に加えると、さらなる安定性がもたらされた。重要なことに、IgG組成物に150mMの塩化ナトリウムを含めて、6.0と7.5との間のpHで製剤化すると、IgG凝集体が平均50%を超えて減少した。pH6.5で、150mMの塩化ナトリウムを含む製剤において最適な安定化が見られ、その中で、凝集体形成は、50mMの塩化ナトリウムを含む製剤と比較すると50%を超えて減少し、塩化ナトリウムを含まない製剤と比較すると約60%減少した。以前の観察と一致して、より低いpH(5.5)では、IgG製剤中に塩化ナトリウムを添加すると、不安定化効果がもたらされる。
実施例3−試験IGSC73の試料の調製
Hizentra(登録商標)(20%免疫グロブリン皮下用(ヒト);CSL Behring社)は、皮下投与のための20%免疫グロブリン製剤である。この製品は、安定化剤としてプロリンを用いて、低いpH(pH4.8)で製剤化されている。免疫グロブリン溶液の安定化剤としてのプロリンの使用は、グリシンまたはヒスチジンの使用よりも優れていることをいくつかのレポートが示している(Maeder et al.,Biologicals.2011 Jan;39(1):43−9;Bolli et al.,Biologicals.2010 Jan;38(1):150−7)。
この試験の目的は、0.25Mグリシン、0.25Mプロリン、または0.25Mヒスチジンを用いて、20%免疫グロブリン製剤の安定化を比較することである。これらの液体製剤を、空気雰囲気下、窒素雰囲気下、またはアルゴン雰囲気下で、最大1年間、28℃〜32℃および38℃〜42℃でインキュベートした。
第一の実験(IGSC73)において、ロット番号がP00809NG、P00909NG、およびP01009NGである(Teschnerら(Vox Sang.2007 Jan;92(1):42−55)で概説されているGammagard Liquidプロセスに従って、プールした血漿から調製した)、3つのGammagard Liquidの最終容器をプールし、そのpHを4.5〜4.8に調整した。出発物質のロットの組成を表4に示す。ロットP00409NGのパラメータもこの表に示し、このロットを、以下に記載の他の実験で使用した。
(表4)出発IgG免疫グロブリンロットの組成
Figure 2017071631
次いで、このプールを、それぞれ500mLの3つの部分に分け、グリシン、ヒスチジン、またはプロリン中にて、20%タンパク質の調製物を製剤化した。グリシンを含む製剤では、この免疫グロブリンプールを、0.2mのポリエーテルスルホン膜を備える限外濾過/ダイアフィルトレーション装置(Pellicon Mini 30K B−30V)を用いて、ちょうど20%まで濃縮した。プロリン製剤およびヒスチジン製剤を調製するために、このプールアリコートを、0.25Mのプロリン(pH4.8)または0.25Mのヒスチジン(pH6.0)のいずれかに対して、タンパク質濃度が5%で10回ダイアフィルトレーションし、その後、これらの試料を、0.2mのポリエーテルスルホン膜を備える限外濾過/ダイアフィルトレーション装置(Pellicon Mini 30K B−30V)を用いて、20%タンパク質まで濃縮した。限外濾過/ダイアフィルトレーション後の20%製剤の分子サイズ分布(MSD)を表5に示す。このデータは、限外濾過/ダイアフィルトレーション工程が、これらの免疫グロブリン調製物の分子サイズ分布を大幅には変えないことを示す。安定化剤としてのプロリンの使用は、凝集増強効果を有するように思われる。次いで、これらの製剤の全てをMillipak 20(Millipore社)を用いて滅菌濾過し、空気雰囲気下でバイアルに等分し、凍結乾燥に適する栓を用いて閉じた。全部で18個のバイアルを、表6および表7に記載のとおりに調製した。
(表5)緩衝液交換および20%までの濃縮後の3つのアミノ酸製剤(IGSC73)の分子サイズ分布
Figure 2017071631
(表6)各製剤中のアミノ酸およびpHのバリエーション
Figure 2017071631
(表7)貯蔵に用いられる雰囲気のバリエーション
Figure 2017071631
10F〜18Fの識別番号を有する試料は、製剤1F〜9Fに相当するが、38℃〜42℃で、光に曝されながら貯蔵される。
実施例4−試験IGSC73−通常の雰囲気;28℃〜32℃
各アミノ酸製剤の安定化効果を調べるために、ポリソルベート80を含めないで製剤化し、空気下で貯蔵した試料1F、2F、および3Fを、最長で1年間、光から保護して28℃と32℃との間で貯蔵した。これらの試料の分子サイズ分布を、1、3、6、および12ヶ月後に調べた。表8に見られるとおり、pH6.1のヒスチジンを用いて製剤化した試料中の免疫グロブリン凝集体のレベルは、プロリン製剤およびグリシン製剤と比較して、著しく抑制された。他の2つの試料と比較して、わずかにより低いレベルの免疫グロブリン断片が、ヒスチジン製剤において観察された。
(表8)28℃〜32℃で、通常の雰囲気下で貯蔵した製剤(IGSC73)の質量サイズ分布
Figure 2017071631
実施例5−試験IGSC73−窒素雰囲気;28℃〜32℃
各アミノ酸製剤の安定化効果を調べるために、ポリソルベート80を含めないで製剤化し、窒素下で貯蔵した試料4F、5F、および6Fを、最長で1年間、光から保護して28℃と32℃との間で貯蔵した。これらの試料の分子サイズ分布を、1、3、6、および12ヶ月後に調べた。表9に見られるとおり、窒素下での試料の貯蔵は、通常の雰囲気下で12ヶ月間貯蔵した試料1Fおよび3Fと比較して、プロリンおよびグリシンを用いて製剤化した試料中の免疫グロブリン凝集体のレベルを、それぞれ14%および28%減少させた。特に、窒素下でのヒスチジン製剤の貯蔵は、通常の雰囲気下で12ヶ月間貯蔵した試料2Fと比較して、免疫グロブリン凝集体のレベルを50%近く減少させた。重要なことに、ヒスチジンを用いて製剤化し、窒素下で貯蔵した試料(5F)中の免疫グロブリン凝集体のレベルは、同様に貯蔵したプロリン製剤およびグリシン製剤(それぞれ、4Fおよび6F)の凝集体レベルの半分未満であった。さらに興味深いことに、窒素下で貯蔵したヒスチジン製剤中の免疫グロブリン断片のレベルは、ヒスチジンを用いて製剤化し、空気下で貯蔵した試料と比較して、低下した。プロリン製剤およびグリシン製剤の断片のレベルは、窒素下での貯蔵によって影響されなかった。
(表9)28℃〜32℃で、窒素下で貯蔵した製剤(IGSC73)の質量サイズ分布
Figure 2017071631
実施例6−試験IGSC73−アルゴン雰囲気;28℃〜32℃
各アミノ酸製剤の安定化効果を調べるために、ポリソルベート80を含めないで製剤化し、アルゴン下で貯蔵した試料7F、8F、および9Fを、最長で1年間、光から保護して28℃と32℃との間で貯蔵した。これらの試料の分子サイズ分布を、1、3、6、および12ヶ月後に調べた。窒素下で貯蔵した製剤について見られるとおり、通常の雰囲気下で12ヶ月間貯蔵した試料1Fおよび3F(表10)と比較して、アルゴン下でのプロリン製剤およびグリシン製剤の貯蔵は、免疫グロブリン凝集体のレベルを、30%未満減少させた。同様に、アルゴン下でのヒスチジン製剤の貯蔵は、通常の雰囲気下で12ヶ月間貯蔵した試料2Fと比較して、免疫グロブリン凝集体のレベルを50%減少させた。ここでも、ヒスチジンを用いて製剤化し、アルゴン下で貯蔵した試料(8F)中の免疫グロブリン凝集体のレベルは、同様に貯蔵したプロリン製剤およびグリシン製剤(それぞれ、7Fおよび9F)の凝集体のレベルの半分未満であった。同様に、アルゴン下で貯蔵したヒスチジン製剤中の免疫グロブリン断片のレベルは、ヒスチジンを用いて製剤化し、空気下で貯蔵した試料と比較して、ここでも低下した。プロリン製剤およびグリシン製剤の断片のレベルは、ここでもアルゴン下での貯蔵によって影響されなかった。
(表10)28℃〜32℃で、アルゴン下で貯蔵した製剤(IGSC73)の質量サイズ分布
Figure 2017071631
実施例7−試験IGSC73−通常の雰囲気;38℃〜42℃
よりストレス性の高い条件下での各アミノ酸製剤の安定化効果を調べるために、ポリソルベート80を含めないで製剤化し、空気下で貯蔵した試料10F、11F、および12Fを、最長で5週間、光から保護して38℃と42℃との間で貯蔵した。これらの試料の分子サイズ分布を、1、2、および5週間後に調べた。表11に見られるとおり、pH6.1でヒスチジンを用いて製剤化した試料中の免疫グロブリン凝集体のレベルは、プロリン製剤およびグリシン製剤と比較して、著しく抑制された。他の2つの試料と比較して、わずかにより低いレベルの免疫グロブリン断片が、ヒスチジン製剤において観察された。
(表11)38℃〜42℃で、通常の雰囲気下で貯蔵した製剤(IGSC73)の質量サイズ分布
これらの試料について、インキュベーション5週間後に、MSDを測定した。
Figure 2017071631
実施例8−試験IGSC73−窒素雰囲気;38℃〜42℃
よりストレス性の高い条件下での各アミノ酸製剤の安定化効果を調べるために、ポリソルベート80を含めないで製剤化し、窒素下で貯蔵した試料13F、14F、および15Fを、最長で4週間、光から保護して38℃と42℃との間で貯蔵した。これらの試料の分子サイズ分布を、1、2、および4週間後に調べた。表12に見られるとおり、窒素下での試料の貯蔵は、通常の雰囲気下で貯蔵した試料と比較(表11および表12の2週間の時点を比較)して、プロリンおよびヒスチジンを用いて製剤化した試料中の免疫グロブリン凝集体のレベルを減少させたが、グリシンを用いて製剤化した試料中の免疫グロブリン凝集体のレベルは減少させなかった。重要なことに、ヒスチジンを用いて製剤化し、窒素下で貯蔵した試料(14F)中の免疫グロブリン凝集体のレベルは、同様に貯蔵したプロリン製剤およびグリシン製剤(それぞれ、13Fおよび15F)の凝集体レベルの1/3未満であった。プロリン製剤およびヒスチジン製剤の断片レベルは、窒素下での貯蔵によって影響されなかったが、グリシン製剤において、免疫グロブリン断片の量のわずかな増加が観察された。
(表12)38℃〜42℃で、窒素下で貯蔵した製剤(IGSC73)の質量サイズ分布
Figure 2017071631
実施例9−試験IGSC73−アルゴン雰囲気;38℃〜42℃
よりストレス性の高い条件下での各アミノ酸製剤の安定化効果を調べるために、ポリソルベート80を含めないで製剤化し、アルゴン下で貯蔵した試料16F、17F、および18Fを、最長で4週間、光から保護して38℃と42℃との間で貯蔵した。これらの試料の分子サイズ分布を、1、2、および4週間後に調べた。表13に見られるとおり、12ヶ月間、通常の雰囲気下で貯蔵した試料と比較して、アルゴン下での全3つの製剤の貯蔵は、免疫グロブリン凝集体のレベルを、わずかに減少させた。窒素下で貯蔵した試料についてみられるとおり、ヒスチジンを用いて製剤化し、アルゴン下で貯蔵した試料(17F)中の免疫グロブリン凝集体のレベルは、同様に貯蔵したプロリン製剤およびグリシン製剤(それぞれ、16Fおよび18F)の凝集体のレベルの1/3未満であった。アルゴン下で貯蔵したヒスチジン製剤中の免疫グロブリン断片のレベルは、ヒスチジンを用いて製剤化し、空気下で貯蔵した試料と比較して、ここでも低下した。プロリン製剤およびグリシン製剤の断片のレベルは、通常の雰囲気下で貯蔵した製剤と比較して、わずかに増加した。
(表13)38℃〜42℃で、アルゴン下で貯蔵した製剤(IGSC73)の質量サイズ分布
Figure 2017071631
実施例10−試験IGSC73−光学密度;38℃〜42℃
この免疫グロブリン組成物の変色に対する各アミノ酸製剤の効果を調べるために、各試料の光学密度(OD)を、最長で12ヶ月間、通常の雰囲気下、窒素下、およびアルゴン下で、28℃〜32℃で貯蔵した試料について、350nmで監視した。文献に開示されるとおり、0の時点で取得した値を除いて、全ての読み取りに対するOD値を、高濃縮の溶液に閉じ込められた空気について説明するために、500nmのODで補正した。
図2A、図2B、および図2Cで証明されるとおり、pH6.1のヒスチジン製剤(■)は、通常の雰囲気下で3ヶ月後に、強力な変色を起こし始める。しかし、不活性ガスの使用は、この変色からヒスチジン製剤を著しく保護する。
実施例11−試験IGSC74の試料の調製
試験IGSC74の試料製剤を、以下の変更を除いて、実施例3に記載の試験IGSC73の場合のとおりに行った。すなわち、i)ロット番号がP00409NG、P00809NG、P00909NG、およびP01009NGであり、(Teschnerら(Vox Sang.2007 Jan;92(1):42−55)で概説されているGammagard Liquidプロセスに従って、プールした血漿から調製した)4つのGammagard Liquid最終容器をプールし、pHを4.5〜4.8に調整した、およびii)ヒスチジンを用いて安定化させた試料を、pH6.1よりむしろpH4.8で製剤化した。試料を、実施例3の試験IGSC73のとおりに番号付けした(1F〜18F)。
限外濾過/ダイアフィルトレーション後の20%製剤の分子サイズ分布(MSD)を表14に示す。このデータは、ここでも、限外濾過/ダイアフィルトレーション工程が、この免疫グロブリン調製物の分子サイズ分布を大幅に変えなかったことを示す。同様に、安定化剤としてのプロリンの使用は、ここでも凝集増強効果を有するように思われた。
(表14)緩衝液交換および20%までの濃縮後の3つのアミノ酸製剤(IGSC74)の分子サイズ分布
Figure 2017071631
実施例12−試験IGSC74−通常の雰囲気;28℃〜32℃
各アミノ酸製剤の安定化効果を調べるために、ポリソルベート80を含めないで製剤化し、空気下で貯蔵した試料1F、2F、および3Fを、最長で1年間、光から保護して28℃と32℃との間で貯蔵した。これらの試料の分子サイズ分布を、1、3、6、および12ヶ月後に調べた。表15に見られるとおり、pH4.8のヒスチジン製剤は、プロリン製剤およびグリシン製剤と比較して、12ヶ月間の貯蔵後に、著しくより高いレベルの免疫グロブリン凝集体および断片を有していた。これは、プロリン製剤およびグリシン製剤と比較して時間とともに安定性の増加を示した、pH6.1でヒスチジンを用いて製剤化した免疫グロブリン組成物とは、全く対照的である。特に、プロリン製剤およびグリシン製剤の免疫グロブリンの凝集体および断片のレベルは、試験IGSC73と試験IGSC74とでほとんど同じであった。
(表15)28℃〜32℃で、通常の雰囲気下で貯蔵した製剤(IGSC74)の質量サイズ分布
Figure 2017071631
実施例13−試験IGSC74−窒素雰囲気;28℃〜32℃
各アミノ酸製剤の安定化効果を調べるために、ポリソルベート80を含めないで製剤化し、窒素下で貯蔵した試料4F、5F、および6Fを、最長で1年間、光から保護して28℃と32℃との間で貯蔵した。これらの試料の分子サイズ分布を、1、3、6および12ヶ月後に調べた。通常の雰囲気下で貯蔵した試料と同様に、pH4.8のヒスチジン製剤は、プロリン製剤およびグリシン製剤と比較して、12ヶ月間の貯蔵後に、著しくより高いレベルの免疫グロブリンの凝集体および断片を有していた(表16)。窒素下で貯蔵したプロリン製剤およびグリシン製剤の免疫グロブリンの凝集体および断片のレベルは、試験IGSC73と試験IGSC74とで非常に類似していた。
(表16)28℃〜32℃で、窒素下で貯蔵した製剤(IGSC74)の質量サイズ分布
Figure 2017071631
実施例14−試験IGSC74−アルゴン雰囲気;28℃〜32℃
各アミノ酸製剤の安定化効果を調べるために、ポリソルベート80を含めないで製剤化し、アルゴン下で貯蔵した試料7F、8F、および9Fを、最長で1年間、光から保護して28℃と32℃との間で貯蔵した。これらの試料の分子サイズ分布を、1、3、6、および12ヶ月後に調べた。通常雰囲気および窒素下で貯蔵した製剤と同様に、pH4.8のヒスチジン製剤は、プロリン製剤およびグリシン製剤と比較して、12ヶ月間の貯蔵後に、著しくより高いレベルの免疫グロブリンの凝集体および断片を有していた(表17)。アルゴン下で貯蔵したプロリン製剤およびグリシン製剤の免疫グロブリンの凝集体および断片のレベルは、試験IGSC73と試験IGSC74とで類似していた。
(表17)28℃〜32℃で、アルゴン下で貯蔵した製剤(IGSC74)の質量サイズ分布
Figure 2017071631
実施例15−試験IGSC74−通常の雰囲気;38℃〜42℃
よりストレス性の高い条件下での各アミノ酸製剤の安定化効果を調べるために、ポリソルベート80を含めないで製剤化し、空気下で貯蔵した試料10F、11F、および12Fを、最長で4週間、光から保護して38℃と42℃との間で貯蔵した。これらの試料の分子サイズ分布を、1、2、および4週間後に調べた。表18に見られるとおり、pH4.8のヒスチジン製剤は全く安定ではなく、この分析を2週間後に中断した。試験IGSC73と比較して、グリシンおよびプロリンを用いて安定化させた調製物は、より少ない凝集を示した。特に、プロリンを用いた製剤は、この試験の終わりにわずか3.8%凝集体を有しているが、一方でIGSC73においては、凝集体含有量は4.8%まで上昇した。それにもかかわらず、このプロリン安定化免疫グロブリンは、グリシン安定化IgGよりも多くの凝集体を有する傾向にある。オリゴマー/二量体含有量は、プロリン製剤においてわずかにより低い。
(表18)38℃〜42℃で、通常の雰囲気下で貯蔵した製剤(IGSC73)の質量サイズ分布
Figure 2017071631
実施例16−試験IGSC74−窒素雰囲気;38℃〜42℃
よりストレス性の高い条件下での各アミノ酸製剤の安定化効果を調べるために、ポリソルベート80を含めないで製剤化し、窒素下で貯蔵した試料13F、14F、および15Fを、最長で4週間、光から保護して38℃と42℃との間で貯蔵した。これらの試料の分子サイズ分布を、1、2、および4週間後に調べた。表19に見られるとおり、ヒスチジン製剤は、不活性ガス下でさえ、pH4.8で不安定性を示す。窒素を不活性ガスとして使用する場合に、ここでもグリシンを用いて製剤化したIgGが最も安定である。プロリンを用いて安定化させたIgGと比較して、グリシンを用いて製剤化したIgGは、凝集が少ない。オリゴマー含有量/二量体含有量は、ほとんど同じレベルである。
(表19)38℃〜42℃で、窒素下で貯蔵した製剤(IGSC74)の質量サイズ分布
Figure 2017071631
実施例17−試験IGSC74−アルゴン雰囲気;38℃〜42℃
よりストレス性の高い条件下での各アミノ酸製剤の安定化効果を調べるために、ポリソルベート80を含めないで製剤化し、アルゴン下で貯蔵した試料16F、17F、および18Fを、最長で4週間、光から保護して38℃と42℃との間で貯蔵した。これらの試料の分子サイズ分布を、1、2、および4週間後に調べた。表20に見られるとおり、このヒスチジン製剤は、不活性ガス下でさえpH4.8で不安定性を示す。アルゴンのオーバーレイにより、グリシンまたはプロリンを用いた製剤は、通常の雰囲気下と同じ分子サイズ分布の結果をもたらす。
(表20)38℃〜42℃で、アルゴン下で貯蔵した製剤(IGSC74)の質量サイズ分布
Figure 2017071631
実施例18−試験IGSC73−光学密度;38℃〜42℃
この免疫グロブリン組成物の変色に対する各アミノ酸製剤の効果を調べるために、各試料の光学密度(OD)を、最長で12ヶ月間、通常の雰囲気下、窒素下、およびアルゴン下で、28℃〜32℃で貯蔵した試料について、350nmで監視した。文献に開示されるとおり、0の時点で取得した値を除いて、全ての読み取りに対するOD値を、高濃縮の溶液に閉じ込められた空気について説明するために、500nmのODで補正した。
図3A、3B、および3Cで証明されるとおり、pH4.8のヒスチジン製剤(■)は、通常の雰囲気下で3ヶ月後に、さらにより強力な変色を起こし始めるが、不活性ガス下では、この色は半分だけの濃さである。pH6.1のヒスチジン製剤と比較して、この変色は、通常の雰囲気下ではそれほど著しくはなく、不活性ガス下では、ほぼ同じである。これは、この変色が凝集レベルと相関しないという観察結果を裏付ける。この試験のプロリンおよびグリシンで製剤化した溶液について、不活性ガス下、特に、窒素下での変色も、通常の雰囲気下での同じ製剤と比較してそれほど著しくない。
本明細書に記載の実施例および実施形態は、例示的な目的のみのためのものであり、それに照らして様々な変更または変化が当業者に示唆されであろうこと、および本出願の精神および範囲内、ならびに添付の特許請求の範囲内に含まれるべきであることが理解される。本明細書で引用する全ての公表文献、特許、および特許出願は、全ての目的のために、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。

Claims (78)

  1. (a)免疫グロブリンと、
    (b)50mM〜500mMのヒスチジンと、
    (c)0mM〜10mMのアルカリ金属カチオンと、
    (d)5.5〜7.0のpHと
    を備える、貯蔵安定性のある免疫グロブリン水性組成物。
  2. 150mM〜350mMのヒスチジンを含む、請求項1に記載の組成物。
  3. 225mM〜275mMのヒスチジンを含む、請求項2に記載の組成物。
  4. 0mM〜1mMのアルカリ金属カチオンを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. 10mM〜400mMの塩化物イオンを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 100mM〜200mMの塩化物イオンを含む、請求項5に記載の組成物。
  7. pHが5.5〜6.5である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
  8. pHが6.1±0.2である、請求項7に記載の組成物。
  9. 抗酸化剤をさらに含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物。
  10. 界面活性剤または糖を含まない、請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物。
  11. 不活性ガス下で貯蔵される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物。
  12. 前記不活性ガスが、窒素、アルゴン、二酸化炭素、ヘリウム、クリプトン、およびキセノンからなる群より選択される、請求項11に記載の組成物。
  13. 前記不活性ガスが窒素である、請求項11に記載の組成物。
  14. 前記不活性ガスがアルゴンである、請求項11に記載の組成物。
  15. 前記免疫グロブリンがポリクローナル免疫グロブリンである、請求項1〜14のいずれか一項に記載の組成物。
  16. 前記免疫グロブリンがモノクローナル免疫グロブリンである、請求項1〜14のいずれか一項に記載の組成物。
  17. 前記免疫グロブリンがIgG免疫グロブリンである、請求項1〜16のいずれか一項に記載の組成物。
  18. 前記免疫グロブリンがプールされたヒト血漿から濃縮される、請求項1〜17のいずれか一項に記載の組成物。
  19. 前記免疫グロブリンが組換え免疫グロブリンである、請求項1〜17のいずれか一項に記載の組成物。
  20. 前記免疫グロブリンの濃度が50±5g/Lである、請求項1〜19のいずれか一項に記載の組成物。
  21. 前記免疫グロブリンの濃度が50g/L未満である、請求項1〜19のいずれか一項に記載の組成物。
  22. 前記免疫グロブリンの濃度が少なくとも50g/Lである、請求項1〜19のいずれか一項に記載の組成物。
  23. 前記免疫グロブリンの濃度が50g/L〜150g/Lである、請求項22に記載の組成物。
  24. 前記免疫グロブリンの濃度が100±10g/Lである、請求項23に記載の組成物。
  25. 前記免疫グロブリンの濃度が少なくとも100g/Lである、請求項22に記載の組成物。
  26. 前記免疫グロブリンの濃度が150±15g/Lである、請求項25に記載の組成物。
  27. 前記免疫グロブリンの濃度が150g/L〜250g/Lである、請求項25に記載の組成物。
  28. 前記免疫グロブリンの濃度が200±20g/Lである、請求項27に記載の組成物。
  29. 前記免疫グロブリンの濃度が少なくとも200g/Lである、請求項22に記載の組成物。
  30. 38℃〜42℃で貯蔵される場合に、少なくとも1ヶ月間安定である、請求項1〜29のいずれか一項に記載の組成物。
  31. 38℃〜42℃で貯蔵される場合に、少なくとも3ヶ月間安定である、請求項30に記載の組成物。
  32. 38℃〜42℃で貯蔵される場合に、少なくとも6ヶ月間安定である、請求項31に記載の組成物。
  33. 28℃〜32℃で貯蔵される場合に、少なくとも6ヶ月間安定である、請求項1〜32のいずれか一項に記載の組成物。
  34. 28℃〜32℃で貯蔵される場合に、少なくとも1年間安定である、請求項33に記載の組成物。
  35. 28℃〜32℃で貯蔵される場合に、少なくとも2年間安定である、請求項34に記載の組成物。
  36. 前記凝集状態の免疫グロブリンの割合が2%未満のままである限り、前記組成物が安定であると見なされる、請求項1〜35のいずれか一項に記載の組成物。
  37. 前記凝集状態の免疫グロブリンの割合が0%〜2%でありかつ単量体状態の免疫グロブリンの割合が85%〜100%である限り、前記組成物が安定であると見なされる、請求項1〜35のいずれか一項に記載の組成物。
  38. 同じ成分を有するがpH4.8で製剤化された組成物が、38℃〜42℃で貯蔵される場合に、1ヶ月未満安定である、請求項1〜37のいずれか一項に記載の組成物。
  39. 同じ成分を有するがpH4.8で製剤化された組成物が、28℃〜32℃で貯蔵される場合に、6ヶ月未満安定である、請求項1〜38のいずれか一項に記載の組成物。
  40. 免疫グロブリン組成物を安定化させる方法であって、5.5と7.0の間のpHで該組成物を製剤化する段階を含み、該製剤化された組成物が、
    (a)免疫グロブリンと、
    (b)50mM〜500mMのヒスチジンと、
    (c)0mM〜10mMのアルカリ金属カチオンと
    を備える、方法。
  41. 前記製剤化された組成物が、150mM〜350mMのヒスチジンを含む、請求項40に記載の方法。
  42. 前記製剤化された組成物が、225mM〜275mMのヒスチジンを含む、請求項41に記載の方法。
  43. 前記製剤化された組成物が、0mM〜1mMのアルカリ金属カチオンを含む、請求項40〜42のいずれか一項に記載の方法。
  44. 前記製剤化された組成物が、10mM〜400mMの塩化物イオンを含む、請求項40〜43のいずれか一項に記載の方法。
  45. 前記製剤化された組成物が、100mM〜200mMの塩化物イオンを含む、請求項44に記載の方法。
  46. 前記製剤化された組成物のpHが5.5〜6.5である、請求項40〜45のいずれか一項に記載の方法。
  47. 前記製剤化された組成物のpHが6.1±0.2である、請求項46に記載の方法。
  48. 前記製剤化された組成物が、抗酸化剤をさらに含む、請求項40〜47のいずれか一項に記載の方法。
  49. 前記製剤化された組成物が、界面活性剤または糖を含まない、請求項40〜48のいずれか一項に記載の方法。
  50. 前記製剤化された組成物が、不活性ガス下で貯蔵される、請求項40〜49のいずれか一項に記載の方法。
  51. 前記不活性ガスが、窒素、アルゴン、二酸化炭素、ヘリウム、クリプトン、およびキセノンからなる群より選択される、請求項50に記載の方法。
  52. 前記不活性ガスが窒素である、請求項50に記載の方法。
  53. 前記不活性ガスがアルゴンである、請求項50に記載の方法。
  54. 前記免疫グロブリンがポリクローナル免疫グロブリンである、請求項40〜53のいずれか一項に記載の方法。
  55. 前記免疫グロブリンがモノクローナル免疫グロブリンである、請求項40〜53のいずれか一項に記載の方法。
  56. 前記免疫グロブリンがIgG免疫グロブリンである、請求項40〜55のいずれか一項に記載の方法。
  57. 前記免疫グロブリンがプールされたヒト血漿から濃縮される、請求項40〜56のいずれか一項に記載の方法。
  58. 前記免疫グロブリンが組換え免疫グロブリンである、請求項40〜56のいずれか一項に記載の方法。
  59. 前記製剤化された組成物中の前記免疫グロブリンの濃度が50±5g/Lである、請求項40〜58のいずれか一項に記載の方法。
  60. 前記製剤化された組成物中の前記免疫グロブリンの濃度が50g/L未満である、請求項40〜58のいずれか一項に記載の方法。
  61. 前記製剤化された組成物中の前記免疫グロブリンの濃度が少なくとも50g/Lである、請求項40〜58のいずれか一項に記載の方法。
  62. 前記製剤化された組成物中の前記免疫グロブリンの濃度が50g/L〜150g/Lである、請求項61に記載の方法。
  63. 前記製剤化された組成物中の前記免疫グロブリンの濃度が100±10g/Lである、請求項62に記載の方法。
  64. 前記製剤化された組成物中の前記免疫グロブリンの濃度が少なくとも100g/Lである、請求項61に記載の方法。
  65. 前記製剤化された組成物中の前記免疫グロブリンの濃度が150±15g/Lである、請求項64に記載の方法。
  66. 前記製剤化された組成物中の前記免疫グロブリンの濃度が150g/L〜250g/Lである、請求項64に記載の方法。
  67. 前記製剤化された組成物中の前記免疫グロブリンの濃度が200±20g/Lである、請求項64に記載の方法。
  68. 前記製剤化された組成物中の前記免疫グロブリンの濃度が少なくとも200g/Lである、請求項64に記載の方法。
  69. 前記製剤化された組成物が、38℃〜42℃で貯蔵される場合に、少なくとも1ヶ月間安定である、請求項40〜68のいずれか一項に記載の方法。
  70. 前記製剤化された組成物が、38℃〜42℃で貯蔵される場合に、少なくとも3ヶ月間安定である、請求項69に記載の方法。
  71. 前記製剤化された組成物が、38℃〜42℃で貯蔵される場合に、少なくとも6ヶ月間安定である、請求項69に記載の方法。
  72. 前記製剤化された組成物が、28℃〜32℃で貯蔵される場合に、少なくとも6ヶ月間安定である、請求項40〜71のいずれか一項に記載の方法。
  73. 前記製剤化された組成物が、28℃〜32℃で貯蔵される場合に、少なくとも1年間安定である、請求項72に記載の方法。
  74. 前記製剤化された組成物が、28℃〜32℃で貯蔵される場合に、少なくとも2年間安定である、請求項72に記載の方法。
  75. 前記凝集状態の免疫グロブリンの割合が2%未満のままである限り、前記製剤化された組成物が安定であると見なされる、請求項40〜74のいずれか一項に記載の方法。
  76. 前記凝集状態の免疫グロブリンの割合が0%〜2%でありかつ単量体状態の免疫グロブリンの割合が85%〜100%である限り、前記製剤化された組成物が安定であると見なされる、請求項40〜74のいずれか一項に記載の方法。
  77. 前記製剤化された組成物と同じ成分を有するがpH4.8で製剤化された免疫グロブリン組成物が、38℃〜42℃で貯蔵される場合に1ヶ月未満安定である、請求項40〜76のいずれか一項に記載の方法。
  78. 前記製剤化された組成物と同じ成分を有するがpH4.8で製剤化された免疫グロブリン組成物が、28℃〜32℃で貯蔵される場合に6ヶ月未満安定である、請求項40〜77のいずれか一項に記載の方法。
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