JP2017004610A - リチウム空気二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来よりも優れた電流密度特性などを発揮できる新規なリチウム空気二次電池を提供すること。【解決手段】本発明のリチウム空気二次電池は、カーボンを含む空気極と、金属リチウムまたはリチウム含有物質を含む負極と、前記空気極と前記負極に接する有機電解質とを含み、前記有機電解質にCo、Cr、Fe、Ru、Mn、V、Ti、Rhから選ばれる少なくとも一種の金属を含む金属サレン錯体を含有することを特徴とする。これによって、電流密度を上昇させた際においても、放電容量の低下を抑えることができため、従来よりも優れた性能を実現できる。【選択図】図1

Description

本発明は、リチウム空気二次電池に関する。特に本発明は、鉛蓄電池やリチウムイオン電池などの従来の二次電池よりも小型、軽量でかつ遙かに大きい放電容量を実現できるリチウム空気二次電池に関する。
正極活物質として空気中の酸素を用いるリチウム空気二次電池は、電池外部から常に酸素が供給され、電池内に大量の負極活物質である金属リチウムを充填することができるため、電池の単位体積当たり非常に大きな放電容量を示すことが報告されている。
これまでに非特許文献1または非特許文献2に報告されているように、正極であるガス拡散型空気極に種々の触媒を添加することにより、放電容量やサイクル特性などの電池性能を改善する試みがなされている。
例えば、ガス拡散型空気極の電極触媒として、非特許文献1においてLi1.01CeV2.998などの遷移金属複合酸化物が、非特許文献2では主に酸化鉄(Fe23)、コバルト酸化物(Co34)などの遷移金属酸化物がそれぞれ検討されている。
しかしながら、非特許文献1に記載の二次電池は、電流密度75mA/gの条件下では262mAh/g程度と容量が小さい。
一方、非特許文献2では、9種類の触媒を検討し、空気極に含まれるカーボンの重量当たりで1000〜3000mAh/gの非常に大きな放電容量が得られている。しかしながら、電流密度が70mA/gと小さい。このため、非特許文献2のリチウム空気二次電池は電流密度特性が低い。
なお、非特許文献1及び2を含む多くの文献の報告では、リチウム空気二次電池の有機電解質として、LiClO4、LiPF6、LiTFSI(リチウムビストリフルオロメタンスルホニルイミド)などのリチウム塩を、炭酸プロピレンなどの炭酸エステル系溶媒に1.0mol/l程度の濃度で溶解した溶液が用いられている。
Z.Wu,et al,Journal of Power Sources,Vol.199,pp.300−307(2012). Aurelie Debart,et al,Journal of Power Sources,Vol.174,pp.1177(2007).
本発明は、リチウム空気二次電池を、高容量の二次電池として作動させ、高出力、大放電容量を実現することを目的とする。
本発明のリチウム空気二次電池は、
導電性材料を含む空気極と、
金属リチウムまたはリチウム含有物質を含む負極と、
前記空気極と前記負極に接する有機電解質とを含み、
前記有機電解質は、金属サレン錯体を含むことを特徴とする。
本発明では、前記金属サレン錯体の金属の少なくとも1種が、Co、Cr、Fe、Ru、Mn、V、TiまたはRhから選択されることが好ましい。
有機電解質中での金属サレン錯体濃度が高い程、優れた電池性能が得られるため、本発明では、金属サレン錯体が飽和濃度で電解質に溶解していることが好ましい。
また、導電性材料は、カーボンであることが好ましい。
本発明のリチウム空気二次電池は、金属サレン錯体、好ましくはCo、Cr、Fe、Ru、Mn、V、Ti、又はRhから選ばれる少なくとも1種の金属を含有する金属サレン錯体を、有機電解質の添加剤として含むことにより、電池性能の改善を達成することができる。
本発明のリチウム空気二次電池の構成を採用することによって、高出力、大放電容量の高エネルギー密度のリチウム空気二次電池を提供することが可能となる。
本発明によるリチウム空気二次電池の基本的な概略図である。 実施例において測定に用いたリチウム空気二次電池の構造を示すための概略断面図である。 実施例1のリチウム空気二次電池の充放電曲線を示す図である。 実施例1、実施例9、および実施例10のリチウム空気二次電池の性能を示す図である。 実施例2、実施例11、および実施例12のリチウム空気二次電池の性能を示す図である。 実施例3、実施例13、および実施例14のリチウム空気二次電池の性能を示す図である。 実施例4、実施例15、および実施例16のリチウム空気二次電池の性能を示す図である。 実施例5、実施例17、および実施例18のリチウム空気二次電池の性能を示す図である。 実施例6、実施例19、および実施例20のリチウム空気二次電池の性能を示す図である。 実施例7、実施例21、および実施例22のリチウム空気二次電池の性能を示す図である。 実施例8、実施例23、および実施例24のリチウム空気二次電池の性能を示す図である。 比較例1のリチウム空気二次電池の性能を示す図である。 実施例において用いた電解質添加剤である金属サレン錯体を示す構造式である。
以下に、図面を参照しつつ、本願に係るリチウム空気二次電池について詳細に説明する。
[リチウム空気二次電池の構成]
本発明に係るリチウム空気二次電池100は、図1に示されるように、空気極102、負極104及び有機電解質106を少なくとも含み、前記空気極102が正極として機能する。また、これらの空気極102と負極104との間に有機電解質106が配置されうる。有機電解質106は、添加剤として、金属サレン錯体を含むことを特徴とする。
前記空気極102は、触媒及び導電性材料を構成要素に含むことができる。また、空気極102には、前記材料を一体化するための結着剤を含むことが好ましい。負極104は金属リチウム又はリチウムイオンを放出及び吸収することができるリチウム含有合金などの物質を構成要素とすることができる。
以下に上記の各構成要素について説明する。
(I)電解質
本発明のリチウム空気二次電池における有機電解質106は、添加剤として金属サレン錯体を少なくとも含む。より具体的には、本発明のリチウム空気二次電池では、有機電解質106は、Li塩と有機溶媒を含み、かつ、添加剤として金属サレン錯体を含む。
本明細書では、金属サレン錯体は、下記式(I)を有する化合物である。
但し、Mは金属である。
本発明の一実施形態では、金属サレン錯体の金属(M)は、Co、Cr、Fe、Ru、Mn、V、Ti、又はRhから選ばれることが好ましい。なお、金属サレン錯体の金属(M)が、Co、Cr、Fe、Ru、Mn、V、Ti、又はRhである場合の構造を図13にも示した。
本発明では、金属サレン錯体は、1種類で用いてもよく、または2種以上混合して用いてもよい。金属サレン錯体を2種以上混合する場合の、混合割合は特に限定されず、どのような割合であってもよい。
有機電解質106中の金属サレン錯体は、有機電解質106の重量を基準に、0.1重量%以上の濃度で添加され、好ましくは飽和濃度で存在する。なお、飽和濃度については、吸光度測定により求められる。有機電解質106中での金属サレン錯体濃度が高いほど優れた電池性能が得られるため、本発明では、金属サレン錯体は添加する有機電解質106の飽和濃度で添加されていることが望ましい。
有機電解質106は、上記金属サレン錯体と共に、Li塩を含む。Li塩は、リチウムを含む金属塩から供給される。例えば、溶質の金属塩には、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、過塩素酸リチウム(LiClO4)、リチウムトリフルオロメタンスルホニルアミド(LiTFSA)[(CF3SO22NLi]などを挙げることができる。
また、有機電解質106は溶媒を含む。溶媒は、例えば、炭酸ジメチル(DMC)、炭酸メチルエチル(MEC)、炭酸メチルプロピル(MPC)、炭酸メチルイソプロピル(MIPC)、炭酸メチルブチル(MBC)、炭酸ジエチル(DEC)、炭酸エチルプロピル(EPC)、炭酸エチルイソプロピル(EIPC)、炭酸エチルブチル(EBC)、炭酸ジプロピル(DPC)、炭酸ジイソプロピル(DIPC)、炭酸ジブチル(DBC)、炭酸エチレン(EC)、炭酸プロピレン(PC)、炭酸1,2−ブチレン(1,2−BC)などの炭酸エステル系溶媒、1,2−ジメトキシエタン(DME)、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、などのエーテル系溶媒、γ−ブチロタクトン(GBL)などのラクトン系溶媒、或いはこれらの中から二種類以上を混合した溶媒を挙げることができる。本発明では、混合溶媒を用いる場合の混合割合は、特に限定されない。
本発明の電解質は、電解液または固体電解質であってもよい。本発明において、電解液とは、電解質が液体形態である場合をいう。また、固体電解質とは、電解質がゲル形態または固体形態である場合をいう。
(II)空気極(正極)
本発明では、空気極102は、導電性材料を少なくとも含み、必要に応じて触媒及び/又は結着剤等を含むことができる。
(II−1)導電性材料
本発明の空気極102に含まれる導電性材料は、カーボンであることが好ましい。特に、本発明の導電性材料としては、以下のものに限定されないが、ケッチェンブラック、アセチレンブラックなどのカーボンブラック類、活性炭類、グラファイト類、カーボンファイバー類、カーボンシート、カーボンクロス等を挙げることができる。また、これらのカーボンは、例えば市販品として、又は合成により入手することが可能である。
(II−2)触媒
本発明のリチウム空気二次電池では、空気極102の触媒は、酸化マンガン(MnO2)、ルテニウム酸化物(RuO2)等の酸素還元(放電)及び酸素発生(充電)の両反応に対して高活性な、従来から公知の酸化物触媒であれば特に限定されない。具体的には、MnO2、Mn34、MnO、FeO2、Fe34、FeO、CoO、Co34、NiO、NiO2、V25、WO3などの単独酸化物や、La0.6Sr0.4MnO3、La0.6Sr0.4FeO3、La0.6Sr0.4CoO、La0.6Sr0.4CoO3、Pr0.6Ca0.4MnO3、LaNiO3、La0.6Sr0.4Mn0.4Fe0.63などのペロブスカイト型構造を有する複合酸化物を用いることができる。これらの触媒は、固相法や液相法などの公知のプロセスを用いて合成することができる。
また、空気極102に添加される触媒として、中心金属にMn、Fe、Co、Ni、V、W等の遷移金属を少なくとも一種含むポルフィリンやフタロシアニンなどの大環状金属錯体も用いることができる。これらの金属錯体は、カーボンと混合後、不活性ガス雰囲気中で熱処理を行い活性化させてもよい。
本発明の空気極102に添加される触媒としては上記の化合物系だけでなく、Pt、Au、Pdなどの貴金属、およびCo、Ni、Mnなどの遷移金属の単体金属を用いてもよい。例えば、これらの金属をカーボン上に高分散担持させることにより高い活性を発現することができる。
本発明のリチウム二次電池の空気極102では、電解質/電極触媒/ガス(酸素)の三相部分において、電極反応が進行する。即ち、空気極102中に有機電解質106が浸透し、同時に大気中の酸素ガスが供給され、電解質−電極触媒−ガス(酸素)が共存する三相部位が形成される。前記電極触媒が高活性であれば、酸素還元(放電)及び酸素発生(充電)がスムーズに進行し、電池性能は大きく向上することになる。
空気極102での放電反応は次のように表すことができる。
2Li++(1/2)O2+2e-→Li2O…(1)
2Li++O2+2e-→Li22…(2)
上式中のリチウムイオン(Li+)は、負極104から電気化学的酸化により有機電解質106中に溶解し、この有機電解質106中を空気極102表面まで移動してきたものである。また、酸素(O2)は、大気(空気)中から空気極102内部に取り込まれたものである。なお、負極104から溶解する材料(Li+)、空気極102で析出する材料(Li2O)、及び空気(O2)を図1の構成要素と共に示した。
空気極(正極)102の電極触媒として用いることができる酸化物、特に酸化マンガン(MnO2)、酸化ルテニウム(RuO2)などは、マンガン及びルテニウムが、+4、+3などの価数を有するイオンで存在しうる。また、これらの酸化物を合成する際の条件によっては、酸化マンガン、酸化ルテニウム等の酸化物内に酸素を取り込むことができる空孔(本明細書では酸素空孔とも称する)が存在し、活性サイトとして機能すると考えられる。そのため、このような酸化物触媒は、正極活物質である酸素との相互作用が強く、多くの酸素種を酸化物表面上に吸着でき、又は酸素空孔内に酸素種を吸蔵することができる。
このように、酸化物表面上に吸着された、又は酸素空孔内に吸蔵された酸素種は、上記式(1)及び式(2)の酸素源(活性な中間反応体)として酸素還元反応に使用され、上記反応が容易に進むようになる。また、式(1)及び式(2)の逆反応である充電反応に対しても、上記の酸化物は活性を有している。従って、電池の充電、つまり、空気極102上での酸素発生反応も効率よく進行する。このように、酸化マンガン、酸化ルテニウムなどの酸化物は、電極触媒として有効に機能する。
本発明のリチウム空気二次電池では、電池の効率を上げるために、電極反応を引き起こす反応部位(上記の電解質/電極触媒/空気(酸素)の三相部分)がより多く存在することが望ましい。このような観点から、本発明では、上述の三相部位が電極触媒表面に多量に存在することが重要であり、使用する触媒は比表面積が高い方が好ましい。例えば、焼成後の比表面積が10m2/g以上であることが好適である。
(II−3)結着剤(バインダー)
空気極は結着剤(バインダー)を含むことができる。この結着剤は、特に限定されないが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリブタジエンゴムなどを例として挙げることができる。これらの結着剤は、粉末として又は分散液として用いることができる。
(II−4)空気極の調製
空気極102は以下のように調製することができる。触媒である酸化物粉末、カーボン粉末及びポリフッ化ビニリデン(PVDF)のようなバインダー粉末を所定量混合し、この混合物をチタンメッシュ等の支持体上に圧着することにより、空気極102を成形することができる。また、前述の混合物を有機溶剤等の溶媒中に分散してスラリー状にし、金属メッシュ又はカーボンクロスやカーボンシート上に塗布して乾燥することによって、空気極102を形成することができる。
また、電極の強度を高め電解質の漏洩を防止するために、冷間プレスだけでなく、ホットプレスを適用することによっても、より安定性に優れた空気極102を作製することができる。
本発明のリチウム空気二次電池において、空気極102中での触媒含有量は、空気極102の重量を基準に、例えば0を越え、100重量%以下であることが望ましい。その他の成分の割合は、従来のリチウム空気二次電池と同様である。
空気極102は、これを構成する電極の片面は大気に曝され、もう一方の面は電解質106と接する。
(III)負極
本発明のリチウム空気二次電池は、負極104に負極活物質を含む。この負極活性物質は、リチウム二次電池の負極材料として用いることができる材料であれば特に制限されない。例えば、金属リチウムを挙げることができる。或いは、リチウム含有物質として、リチウムイオンを放出及び吸蔵することができる物質である、リチウムと、シリコン又はスズとの合金、或いはLi2.6Co0.4Nなどのリチウム窒化物を例として挙げることができる。
本発明のリチウム空気二次電池の負極104は、公知の方法で形成することができる。例えば、リチウム金属を負極104とする場合には、複数枚の金属リチウム箔を重ねて所定の形状に成形することで、負極104を作製すればよい。
なお、上記のシリコン又はスズの合金を負極104として用いる場合、負極104を合成する時にリチウムを含まないシリコン又はスズなどを用いることもできる。しかし、この場合には、空気電池の作製に先立って、化学的手法又は電気化学的手法(例えば、電気化学セルを組んで、リチウムとシリコン又はスズとの合金化を行う方法)によって、シリコン又はスズが、リチウムを含む状態にあるように処理しておく必要がある。具体的には、作用極にシリコン又はスズを含み、対極にリチウムを用い、有機電解質中で還元電流を流すことによって合金化を行う等の処理をしておくことが好ましい。
ここで、放電時の負極(金属リチウム)104の反応は以下のように表すことができる。
(放電反応)
Li→Li++e- (3)
なお、充電時の負極104においては、式(3)の逆反応であるリチウムの析出反応が起こる。
(IV)他の要素
本発明のリチウム空気二次電池は、上記構成要素に加え、セパレータ、電池ケース、金属メッシュ(例えばチタンメッシュ)などの構造部材、その他のリチウム空気二次電池に要求される要素を含むことができる。これらは、従来公知のものを使用することができる。
(V)リチウム空気二次電池の調製
本発明のリチウム空気二次電池は、上述した通り、少なくとも空気極(正極)102、負極104及び有機電解質106を含み、例えば図1に示されるように、空気極102と負極104の間に上述した金属サレン錯体を含有する有機電解質106を狭持するように構成される。このような構成のリチウム空気二次電池は、従来型の二次電池と同様に調製することができる。
一実施形態では、例えば図2のような円柱形のリチウム空気二次電池を調製することができる。具体的には、まず、空気極1を、絶縁被覆された空気極支持体2に配置して固定する。負極8は、負極支持体11に固定する。空気二次電池の内部(空気極1と負極8の間となる部分)に、上述したような金属サレン錯体を含有した有機電解質10を充填し、負極8が空気極の大気と接する面と逆の面に配置されるように負極支持体11を被せて空気二次電池全体を固定する。
上記構成要素に加え、空気極1と負極8の間となる部分にはセパレータ5等の部材を配置することができ、その他絶縁部材、Oリング9、固定具12などを適宜配置することができる。
本発明のリチウム空気二次電池は、電気自動車やスマートフォン等のモバイル機器の駆動を大幅に長時間化することが期待できる。
以下に添付図面を参照して、本発明に係るリチウム空気二次電池についての実施例を詳細に説明する。なお、本発明は下記の実施例に示したものに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
(実施例1)
[Coサレン錯体を含む電解質の調製]
市販のCoサレン錯体(Aldrich社製)を有機電解質に混合した。混合する際、超音波洗浄機を用いて最大出力で約2時間の分散を行った。また、有機電解質はLiTFSAを有機溶媒テトラエチレングリコールジメチルエーテル(TEGDME)に1mol/Lの濃度で溶解したものを用いた。前記有機電解質に、添加剤としてCoサレン錯体を1.96重量%の重量を混合した。
空気極用の触媒として公知であるルテニウム酸化物(RuO2)を用いて、リチウム空気二次電池セルを以下の手順で作製した。ルテニウム酸化物(RuO2)は市販試薬(Aldrich社製)を用いた。
ルテニウム酸化物(RuO2)粉末、ケッチェンブラック粉末及びポリフッ化ビニリデン(PVDF)粉末を10:72:18の重量比で、ミキサーを用いてN‐メチル‐2‐ピロリドン(NMP)に十分混合し、スラリーを作製した。このスラリーを直径17mmのカーボンシートに塗布し、90℃の真空乾燥機に入れ、一晩乾燥させ、ガス拡散型の空気極を得た。
ついで、図2に示す断面構造を有する円柱形のリチウム空気二次電池セルを作製した。図2は、リチウム空気二次電池セルの断面図である。リチウム空気電池セルは、露点が−60℃以下の乾燥空気中で、以下の手順で作製した。
上記の方法で調製した空気極(正極)1を、PTFEで被覆された空気極支持体2の凹部に配置し、空気極固定用のPTFEリング3で固定した。なお、空気極1と空気極支持体2が接触する部分は、電気的接触をとるためにPTFEによる被覆を施さないものとした。
次に、空気極1と大気が接触する面とは逆の面に、リチウム二次電池用のセパレータ5を凹部の底面に配置した。続いて、図2に示すような負極固定用座金7に負極8である厚さ150μmの4枚の金属リチウム箔を同心円上に重ねて圧着した。続いて、負極固定用のPTFEリング6を、空気極1を設置する凹部と対向する逆の凹部に配置し、中央部に金属リチウムが圧着された負極固定用座金7を更に配置した。続いて、Oリング9を、図2に示すように空気極支持体2の底部に配置した。
次に、セルの内部(空気極(正極)1と負極8との間)に、有機電解質10を充填し、負極支持体11を被せて、セル固定用ねじ12で、セル全体を固定した。有機電解質10は、上述のCoサレン錯体含有有機電解質(1mol/L:LiTFSA/TEGDME溶液)を用いた。
続いて、正極端子4を空気極支持体2に設置し、負極端子13を負極支持体11に設置した。
電池のサイクル試験は、充放電測定システム(Bio Logic社製)を用いて、空気極1の重量当たりの電流密度で30mA/g、100mA/g、180mA/gを通電し、開回路電圧から電池電圧が、2.0Vに低下するまで放電電圧の測定を行った。電池の充電試験は、放電時と同じ電流密度で、電池電圧が、4.4Vに達するまで行った。電池の充放電試験は、通常の生活環境下で行った。充放電容量は空気極(カーボン+酸化物+PVDF)重量当たりの値(mAh/g)で表した。
電流密度30mA/g、100mA/g、180mA/gを通電した場合の初回の放電及び充電曲線を図3に示す。図4に、本実施例の性能を示した。
図3より、Coサレン錯体含有1mol/L LiTFSA/TEGDME溶液を有機電解質に用いたときの電流密度30mA/g時の初回放電容量は3973mAh/gであることが分かる。また、100mA/g時の初回放電容量は1890mA/g、180mA/g時の初回放電容量は1478mA/gであった。30mA/gから180mA/gへ電流密度を上げても、放電容量は約37%維持された。このCoサレン錯体含有1mol/L LiTFSA/TEGDME溶液を有機電解質として使用したリチウム空気二次電池は、非特許文献1及び2で報告されたものよりも高電流密度において初回放電容量が同程度またはそれ以上、且つ、高電流密度化した際の容量維持率が高いことがわかった。電流密度毎の初回放電容量を図4に示す。
このように、Coサレン錯体含有1mol/L LiTFSA/TEGDME溶液を有機電解質として使用したリチウム空気二次電池は、電池性能を向上できることが確認された。
(実施例2)
[Crサレン錯体の作製とこれを含む電解質の調製]
市販のサレン配位子(Aldrich社製)と市販の塩化Cr(III)六水和物(CrCl3・6H2O)(Aldrich社製)をモル比1:1でスクリューキャップ付き試験管に入れた。磁気撹拌子及びエタノール5mlを加え、60℃で約20分撹拌した。この溶液を吸引濾過することにより、Crサレン錯体粉末を作製した。
このCrサレン錯体を、有機電解質の重量に対して1.96重量%の重量で有機電解質に混合した。他の条件は、すべて実施例1と同様にして、セルを作製し、電池性能の評価を行った。
本実施例の測定結果を、図5に示す。図5より、電流密度180mA/g時の初回放電容量は、676mAh/gを示し、30mA/gから180mA/gへ電流密度を上げた際の放電容量は約47%と高い維持率を示した。このように、有機電解質の添加剤としてCrサレン錯体を用いた場合においても本発明のリチウム空気二次電池の電池性能を向上できることが確認された。
(実施例3)
[Feサレン錯体の作製とこれを含む電解質の調製]
市販のサレン配位子(Aldrich社製)と市販の塩化Fe(III)六水和物(FeCl3・6H2O)(Aldrich社製)をモル比1:1でスクリューキャップ付き試験管に入れた。磁気撹拌子及びエタノール5mlを加え、60℃で約20分撹拌した。この溶液を吸引濾過することにより、Feサレン錯体粉末を作製した。
このFeサレン錯体を、有機電解質の重量に対して1.96重量%の重量で有機電解質に混合した。他の条件は、すべて実施例1と同様にして、セルを作製し、電池性能の評価を行った。
本実施例の測定結果を、図6に示す。図6より、電流密度180mA/g時の初回放電容量は、742mAh/gを示し、30mA/gから180mA/gへ電流密度を上げた際の放電容量は約43%と高い維持率を示した。このように、有機電解質の添加剤としてFeサレン錯体を用いた場合においても本発明のリチウム空気二次電池の電池性能を向上できることが確認された。
(実施例4)
[Ruサレン錯体の作成とこれを含む電解質の調製]
市販のサレン配位子(Aldrich社製)と市販の塩化Ru(III)水和物(RuCl3・xH2O)(Aldrich社製)をモル比1:1でスクリューキャップ付き試験管に入れた。磁気撹拌子及びエタノール5mlを加え、60℃で約20分撹拌した。この溶液を吸引濾過することにより、Ruサレン錯体粉末を作製した。
このRuサレン錯体を、有機電解質の重量に対して1.96重量%の重量で有機電解質に混合した。他の条件は、すべて実施例1と同様にして、セルを作製し、電池性能の評価を行った。
本実施例の測定結果を、図7に示す。図7より、電流密度180mA/g時の初回放電容量は、1186mAh/gを示し、30mA/gから180mA/gへ電流密度を上げた際の放電容量は約44%と高い維持率を示した。このように、有機電解質の添加剤としてRuサレン錯体を用いた場合においても本発明のリチウム空気二次電池の電池性能を向上できることが確認された。
(実施例5)
[Mnサレン錯体の作製とこれを含む電解質の調製]
市販のMnサレン錯体(Aldrich社製)を有機電解質に混合した。混合する際、超音波洗浄機を用いて最大出力で約2時間の分散を行った。有機電解質に、添加剤としてMnサレン錯体を1.96重量%の重量を混合した。他の条件は、すべて実施例1と同様にして、セルを作製し、電池性能の評価を行った。
本実施例の測定結果を、図8に示す。図8より、電流密度180mA/g時の初回放電容量は、739mAh/gを示し、30mA/gから180mA/gへ電流密度を上げた際の放電容量は約44%と高い維持率を示した。このように、有機電解質の添加剤としてMnサレン錯体を用いた場合においても本発明のリチウム空気二次電池の電池性能を向上できることが確認された。
(実施例6)
[Vサレン錯体の作成とこれを含む電解質の調製]
市販のサレン配位子(Aldrich社製)と市販の酸化硫酸バナジウム(IV)水和物(VOSO4・xH2O)(Aldrich社製)をモル比1:1でスクリューキャップ付き試験管に入れた。磁気撹拌子及びエタノール5mlを加え、60℃で約20分撹拌した。この溶液を吸引濾過することにより、Vサレン錯体粉末を作製した。
このVサレン錯体を、有機電解質の重量に対して1.96重量%の重量で有機電解質に混合した。他の条件は、すべて実施例1と同様にして、セルを作製し、電池性能の評価を行った。
本実施例の測定結果を、図9に示す。図9より、電流密度180mA/g時の初回放電容量は、523mAh/gを示し、30mA/gから180mA/gへ電流密度を上げた際の放電容量は約37%と高い維持率を示した。このように、有機電解質の添加剤としてVサレン錯体を用いた場合においても本発明のリチウム空気二次電池の電池性能を向上できることが確認された。
(実施例7)
[Tiサレン錯体の作成とこれを含む電解質の調製]
市販のサレン配位子(Aldrich社製)と市販の硫酸チタン(IV)水和物(Ti(SO42・xH2O)(Aldrich社製)をモル比1:1でスクリューキャップ付き試験管に入れた。磁気撹拌子及びエタノール5mlを加え、60℃で約20分撹拌した。この溶液を吸引濾過することにより、Tiサレン錯体粉末を作製した。
このTiサレン錯体を、有機電解質の重量に対して1.96重量%の重量で有機電解質に混合した。他の条件は、すべて実施例1と同様にして、セルを作製し、電池性能の評価を行った。
本実施例の測定結果を、図10に示す。図10より、電流密度180mA/g時の初回放電容量は、473mAh/gを示し、30mA/gから180mA/gへ電流密度を上げた際の放電容量は約38%と高い維持率を示した。このように、有機電解質の添加剤としてTiサレン錯体を用いた場合においても本発明のリチウム空気二次電池の電池性能を向上できることが確認された。
(実施例8)
[Rhサレン錯体の作成とこれを含む電解質の調製]
市販のサレン配位子(Aldrich社製)と市販の塩化ロジウム(III)水和物(RhCl3・xH2O)(Aldrich社製)をモル比1:1でスクリューキャップ付き試験管に入れた。磁気撹拌子及びエタノール5mlを加え、60℃で約20分撹拌した。この溶液を吸引濾過することにより、Rhサレン錯体粉末を作製した。
このRhサレン錯体を、有機電解質の重量に対して1.96重量%の重量で有機電解質に混合した。他の条件は、すべて実施例1と同様にして、セルを作製し、電池性能の評価を行った。
本実施例の測定結果を、図11に示す。図11より、電流密度180mA/g時の初回放電容量は、647mAh/gを示し、30mA/gから180mA/gへ電流密度を上げた際の放電容量は約46%と高い維持率を示した。このように、有機電解質の添加剤としてRhサレン錯体を用いた場合においても本発明のリチウム空気二次電池の電池性能を向上できることが確認された。
(実施例9、10)
本実施例では、実施例1のCoサレン錯体を用い、これを以下の混合重量で有機電解質へ混合した例である。なお、飽和濃度は溶解し切れない程のCoサレン錯体を有機電解質と混合し、上澄み液の吸光度を測定することにより導出した。
(実施例9):混合重量0.1重量%
(実施例10):混合重量9.8重量%(飽和濃度)
上記以外の他の条件は、すべて実施例1と同様にして、セルを作製し、電池性能の評価を行った。
本実施例の測定結果を図4に示す。図4より、混合重量を0.1重量%とした場合でも、30mA/gから180mA/gへ電流密度を上げた際の放電容量が約43%の高い維持率を示した。また、混合重量を9.8重量%とした場合も、放電容量は約41%の維持率を示した。また、サイクル特性の測定結果を表1に示す。表1より、混合重量を9.8重量%の飽和濃度にした際の10サイクル後の放電容量は約93%と高い維持率を示した。このように、有機電解質の添加剤としてCoサレン錯体を0.1重量%及び9.8重量%と混合重量を変えた場合においても本発明のリチウム空気二次電池の電池性能を向上できることが確認された。
(実施例11、12)
本実施例では、実施例2のCrサレン錯体を用い、これを以下の混合重量で有機電解質へ混合した例である。なお、飽和濃度は実施例10と同様に導出した。
(実施例11):混合重量0.1重量%
(実施例12):混合重量7.1重量%(飽和濃度)
上記以外の他の条件は、すべて実施例1と同様にして、セルを作製し、電池性能の評価を行った。
本実施例の測定結果を図5に示す。図5より、混合重量を0.1重量%とした場合でも、30mA/gから180mA/gへ電流密度を上げた際の放電容量が約41%の高い維持率を示した。また、混合重量を7.1重量%とした場合も、放電容量は約50%の維持率を示した。また、サイクル特性の測定結果を表1に示す。表1より、混合重量を7.1重量%の飽和濃度にした際の10サイクル後の放電容量は約92%と高い維持率を示した。このように、有機電解質の添加剤としてCrサレン錯体を0.1重量%及び7.1重量%と混合重量を変えた場合においても本発明のリチウム空気二次電池の電池性能を向上できることが確認された。
(実施例13、14)
本実施例では、実施例3のFeサレン錯体を用い、これを以下の混合重量で有機電解質へ混合した例である。なお、飽和濃度は実施例10と同様に導出した。
(実施例13):混合重量0.1重量%
(実施例14):混合重量10重量%(飽和濃度)
上記以外の他の条件は、すべて実施例1と同様にして、セルを作製し、電池性能の評価を行った。
本実施例の測定結果を図6に示す。図6より、混合重量を0.1重量%とした場合でも、30mA/gから180mA/gへ電流密度を上げた際の放電容量が約38%の高い維持率を示した。また、混合重量を10重量%とした場合も、放電容量は約46%の維持率を示した。また、サイクル特性の測定結果を表1に示す。表1より、混合重量を10重量%の飽和濃度にした際の10サイクル後の放電容量は約95%と高い維持率を示した。このように、有機電解質の添加剤としてFeサレン錯体を0.1重量%及び10重量%と混合重量を変えた場合においても本発明のリチウム空気二次電池の電池性能を向上できることが確認された。
(実施例15、16)
本実施例では、実施例4のRuサレン錯体を用い、これを以下の混合重量で有機電解質へ混合した例である。なお、飽和濃度は実施例10と同様に導出した。
(実施例15):混合重量0.1重量%
(実施例16):混合重量9.7重量%(飽和濃度)
上記以外の他の条件は、すべて実施例1と同様にして、セルを作製し、電池性能の評価を行った。
本実施例の測定結果を図7に示す。図7より、混合重量を0.1重量%とした場合でも、30mA/gから180mA/gへ電流密度を上げた際の放電容量が約34%の高い維持率を示した。また、混合重量を9.7重量%とした場合も、放電容量は約46%の維持率を示した。また、サイクル特性の測定結果を表1に示す。表1より、混合重量を9.7重量%の飽和濃度にした際の10サイクル後の放電容量は約93%と高い維持率を示した。このように、有機電解質の添加剤としてRuサレン錯体を0.1重量%及び9.7重量%と混合重量を変えた場合においても本発明のリチウム空気二次電池の電池性能を向上できることが確認された。
(実施例17、18)
本実施例では、実施例5のMnサレン錯体を用い、これを以下の混合重量で有機電解質へ混合した例である。なお、飽和濃度は実施例10と同様に導出した。
(実施例17):混合重量0.1重量%
(実施例18):混合重量8.4重量%(飽和濃度)
上記以外の他の条件は、すべて実施例1と同様にして、セルを作製し、電池性能の評価を行った。
本実施例の測定結果を図8に示す。図8より、混合重量を0.1重量%とした場合でも、30mA/gから180mA/gへ電流密度を上げた際の放電容量が約38%の高い維持率を示した。また、混合重量を8.4重量%とした場合も、放電容量は約44%の維持率を示した。また、サイクル特性の測定結果を表1に示す。表1より、混合重量を8.4重量%の飽和濃度にした際の10サイクル後の放電容量は約89%と高い維持率を示した。このように、有機電解質の添加剤としてMnサレン錯体を0.1重量%及び8.4重量%と混合重量を変えた場合においても本発明のリチウム空気二次電池の電池性能を向上できることが確認された。
(実施例19、20)
本実施例では、実施例6のVサレン錯体を用い、これを以下の混合重量で有機電解質へ混合した例である。なお、飽和濃度は実施例10と同様に導出した。
(実施例19):混合重量0.1重量%
(実施例20):混合重量4.7重量%(飽和濃度)
上記以外の他の条件は、すべて実施例1と同様にして、セルを作製し、電池性能の評価を行った。
本実施例の測定結果を図9に示す。図9より、混合重量を0.1重量%とした場合でも、30mA/gから180mA/gへ電流密度を上げた際の放電容量が約28%の高い維持率を示した。また、混合重量を4.7重量%とした場合も、放電容量は約44%の維持率を示した。また、サイクル特性の測定結果を表1に示す。表1より、混合重量を4.7重量%の飽和濃度にした際の10サイクル後の放電容量は約91%と高い維持率を示した。このように、有機電解質の添加剤としてVサレン錯体を0.1重量%及び4.7重量%と混合重量を変えた場合においても本発明のリチウム空気二次電池の電池性能を向上できることが確認された。
(実施例21、22)
本実施例では、実施例7のTiサレン錯体を用い、これを以下の混合重量で有機電解質へ混合した例である。なお、飽和濃度は実施例10と同様に導出した。
(実施例21):混合重量0.1重量%
(実施例22):混合重量6.8重量%(飽和濃度)
上記以外の他の条件は、すべて実施例1と同様にして、セルを作製し、電池性能の評価を行った。
本実施例の測定結果を図10に示す。図10より、混合重量を0.1重量%とした場合でも、30mA/gから180mA/gへ電流密度を上げた際の放電容量が約22%の高い維持率を示した。また、混合重量を6.8重量%とした場合も、放電容量は約43%の維持率を示した。また、サイクル特性の測定結果を表1に示す。表1より、混合重量を6.8重量%の飽和濃度にした際の10サイクル後の放電容量は約94%と高い維持率を示した。このように、有機電解質の添加剤としてTiサレン錯体を0.1重量%及び6.8重量%と混合重量を変えた場合においても本発明のリチウム空気二次電池の電池性能を向上できることが確認された。
(実施例23、24)
本実施例では、実施例8のRhサレン錯体を用い、これを以下の混合重量で有機電解質へ混合した例である。なお、飽和濃度は実施例10と同様に導出した。
(実施例23):混合重量0.1重量%
(実施例24):混合重量8.1重量%(飽和濃度)
上記以外の他の条件は、すべて実施例1と同様にして、セルを作製し、電池性能の評価を行った。
本実施例の測定結果を図11に示す。図11より、混合重量を0.1重量%とした場合でも、30mA/gから180mA/gへ電流密度を上げた際の放電容量は約36%の高い維持率を示した。また、混合重量を8.1重量%とした場合も、放電容量が約44%の維持率を示した。また、サイクル特性の測定結果を表1に示す。表1より、混合重量を8.1重量%の飽和濃度にした際の10サイクル後の放電容量は約96%と高い維持率を示した。このように、有機電解質の添加剤としてRhサレン錯体を0.1重量%及び8.1重量%と混合重量を変えた場合においても本発明のリチウム空気二次電池の電池性能を向上できることが確認された。
(比較例1)
有機電解質として1mol/lのLiTFSA/TEGDME溶液を用いて、リチウム空気二次電池セルを実施例1と同様にして作製した。有機電解質以外のリチウム空気二次電池の作製条件及びサイクル試験の条件は、実施例1と同様である。
本比較例の測定結果を、図12に示す。図12より、電流密度180mA/g時の初回放電容量は、197mAh/gを示し、30mA/gから180mA/gへ電流密度を上げた際の放電容量は約14%と低い維持率を示した。また、サイクル特性の測定結果を表1に示す。表1より、10サイクル後の放電容量は約76%と低い維持率を示した。
以上の結果より、本発明のように金属サレン錯体を添加した有機電解質を使用したリチウム空気二次電池は、公知の材料よりも、電流密度特性に優れており、リチウム空気二次電池用電解質添加剤として有効であることが確認された。
有機電解質の添加剤として金属サレン錯体を用いることにより、高出力なリチウム空気二次電池を作製することができ、様々な電子機器や自動車等の駆動源として有効利用することができる。
1 空気極(正極)
2 正極支持体(PTFE被覆)
3 正極固定用リング(PTFEリング)
4 空気極端子
5 セパレータ
6 負極固定用リング(PTFEリング)
7 負極固定用座金
8 負極
9 Oリング
10 有機電解質
11 負極支持体
12 セル固定ねじ(PTFE被覆)
13 負極端子
100 リチウム空気二次電池
102 空気極
104 負極
106 有機電解質
200 リチウム空気二次電池セル

Claims (6)

  1. 導電性材料を含む空気極と、
    金属リチウムまたはリチウム含有物質を含む負極と、
    前記空気極と前記負極に接する有機電解質とを含み、
    前記有機電解質は、金属サレン錯体を含むことを特徴とするリチウム空気二次電池。
  2. 前記金属サレン錯体の金属が、Co、Cr、Fe、Ru、Mn、V、TiまたはRhから選択される少なくとも1種の金属を含有することを特徴とする請求項1記載のリチウム空気二次電池。
  3. 前記金属サレン錯体の金属が、Co、Cr、Fe、Ru、Mn、V、TiまたはRhから選択される一または複数の金属であることを特徴とする請求項2記載のリチウム空気二次電池。
  4. 前記金属サレン錯体が、前記有機電解質の重量を基準に0.1重量%以上の濃度で前記有機電解質に含まれることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のリチウム空気二次電池。
  5. 前記金属サレン錯体が、飽和濃度で前記有機電解質に含まれることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のリチウム空気二次電池。
  6. 前記導電性材料がカーボンであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のリチウム空気二次電池。
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