JP6711700B2 - リチウム空気二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、正極活性物質として酸素を用いるリチウム空気二次電池に関する。
正極活物質として空気中の酸素を用いるリチウム空気二次電池は、電池外部から常に酸素が供給され、電池内に大量の負極活物質である金属リチウムを充填することができるため、電池の単位体積当たり非常に大きな放電容量を示すことが報告されている。
これまでに、非特許文献1または非特許文献2に報告されているように、正極であるガス拡散型空気極に種々の触媒を添加することや、空気極にガス拡散層を積層させることにより、放電容量やサイクル特性、電流密度特性などの電池性能を改善する試みがなされている。
例えば、ガス拡散型空気極の電極触媒として、非特許文献1においてPt3Coなどの遷移金属合金が、非特許文献2ではPTFEを含んだエマルジョンを塗布したガス拡散層などが、各々検討されている。なお、非特許文献1および非特許文献2を含む多くの文献の報告では、リチウム空気二次電池の有機電解質として、LiClO4、LiPF6、LiTFSI(リチウムビストリフルオロメタンスルホニルイミド)などのリチウム塩を、炭酸プロピレンなどの炭酸エステル系溶媒に1.0mol/L程度の濃度で溶解した溶液が用いられている。
しかしながら、非特許文献1の二次電池は、電流密度200mA/g(0.2C)の条件下では、放電容量1000mAh/g程度で70サイクルと報告されている。また、非特許文献2の二次電池では、カーボンの重量当たりで電流密度500mA/g(約0.53C)から3000mA/g(約1.89C)に大きくした場合、放電容量の維持率は約53%と報告されている。
ここで、実用化されているリチウムイオン二次電池の場合、2000サイクルを優に超えるサイクル特性を有しており、かつ、非特許文献2と同様に約0.5Cから2.0Cまで電流密度を大きくしても放電容量の維持率は約95%以上である。リチウム空気二次電池においても、実用化においては、リチウムイオンに次電池と同程度の性能が要求されることになるが、現状では、充放電サイクル特性および電流密度特性などが要求特性を満たしていない。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、リチウム空気二次電池において高電流密度の作動で大きな放電容量が得られ、また、充放電サイクル回数がより増加できるようにすることを目的とする。
本発明に係るリチウム空気二次電池は、1,3,5−ベンゼントリカルボキシラートを配位子としてCeと配位結合した金属錯体を含んで構成された空気極と、リチウムを含んで構成された負極と、空気極と負極とに挾まれて配置された電解質とを備える。
上記リチウム空気二次電池において、金属錯体は、配位結合している金属以外に、Cr、Cu、Fe、In、およびZnのいずれかを、さらに含んで構成されていてもよい。
以上説明したように、本発明によれば、1,3,5−ベンゼントリカルボキシラートを配位子とした金属錯体から空気極を構成したので、リチウム空気二次電池において高電流密度の作動で大きな放電容量が得られ、また、充放電サイクル回数がより増加できるという優れた効果が得られる。
図1は、本発明の実施の形態におけるリチウム空気二次電池の構成を示す構成図である。 図2は、リチウム空気二次電池のより詳細な構成例を示す断面図である。 図3は、実施例1における初回の放電および充電の状態を示す特性図である。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態におけるリチウム空気二次電池の構成を示す構成図である。このリチウム空気二次電池は、一般的なよく知られたリチウム空気二次電池と同様に、正極でありガス拡散型の空気極101と、リチウムを含んで構成された負極102と、空気極101と負極102とに挾まれて配置された電解質103とを備える。空気極101の一方の面は大気に曝され、他方の面は電解質103と接する。また、負極102の電解質103の側の面は、電解質103と接する。
上述した基本構成に加え、実施の形態におけるリチウム空気二次電池は、空気極101が、1,3,5−ベンゼントリカルボキシラート(1,3,5−benzenetricarboxylate;BTC)を配位子としてCr、Ce、Cu、Fe、In、およびZnのいずれかと配位結合した金属錯体を含んで構成されているところに大きな特徴がある。金属錯体は、以下の化学式で示される。金属錯体は、例えば、Cr3(BTC)2である。また、金属錯体に、Cr、Ce、Cu、Fe、In、およびZnのいずれかの金属が、配位結合している金属以外に結合していてもよい。
Figure 0006711700
以下、各構成についてより詳細に説明する。はじめに、電解質103について説明する。電解質103は、Li塩を供給するためのリチウム化合物(金属塩など)と有機溶媒から構成されている。金属塩は、例えば、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、過塩素酸リチウム(LiClO4)、リチウムビストリフルオロメタンスルホニルアミド(LiTFSA)[(CF3SO22NLi]などを挙げることができる。
有機溶媒は、例えば、炭酸ジメチル(DMC)、炭酸メチルエチル(MEC)、炭酸メチルプロピル(MPC)、炭酸メチルイソプロピル(MIPC)、炭酸メチルブチル(MBC)、炭酸ジエチル(DEC)、炭酸エチルプロピル(EPC)、炭酸エチルイソプロピル(EIPC)、炭酸エチルブチル(EBC)、炭酸ジプロピル(DPC)、炭酸ジイソプロピル(DIPC)、炭酸ジブチル(DBC)、炭酸エチレン(EC)、炭酸プロピレン(PC)、炭酸1,2−ブチレン(1,2−BC)などの炭酸エステル系溶媒、1,2−ジメトキシエタン(DME)、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、などのエーテル系溶媒、γ−ブチロタクトン(GBL)などのラクトン系溶媒、あるいはこれらの中から二種類以上を混合した溶媒を挙げることができる。実施の形態において、混合溶媒を用いる場合の混合割合は、特に限定されない。
なお、電解質103は、電解液または固体電解質のいずれであってもよい。電解液とは、電解質が液体形態である場合をいう。また、固体電解質とは、電解質がゲル形態または固体形態である場合をいう。
次に、正極である空気極101について説明する。空気極101は、よく知られているように、導電性材料から構成され、また、必要に応じて触媒,結着剤などを添加して用いる。空気極101の導電性材料が上述した金属錯体である。
また、金属錯体の他に、さらにカーボン材料を添加しても良い。例えば、ケッチェンブラック、アセチレンブラックなどのカーボンブラック類、活性炭類、グラファイト類、カーボンファイバー類、カーボンシート、カーボンクロスなどを金属錯体に加えて添加して空気極101としてもよい。これらのカーボン材料は、例えば市販品として入手可能であり、また合成することが可能である。
次に、触媒について説明する。空気極101に添加する触媒は、酸化マンガン(MnO2)、ルテニウム酸化物(RuO2)などの酸素還元(放電)および酸素発生(充電)の両反応に対して高活性な、公知の酸化物触媒であれば特に限定されない。例えば、MnO2、Mn34、MnO、FeO2、Fe34、FeO、CoO、Co34、NiO、NiO2、V25、WO3などの単独酸化物、La0.6Sr0.4MnO3、La0.6Sr0.4FeO3、La0.6Sr0.4CoO、La0.6Sr0.4CoO3、Pr0.6Ca0.4MnO3、LaNiO3、La0.6Sr0.4Mn0.4Fe0.63などのペロブスカイト型構造を有する複合酸化物を用いることができる。これらの触媒は、固相法や液相法などの公知のプロセスを用いて合成することができる。
また、空気極101に添加される触媒として、中心金属にMn、Fe、Co、Ni、V、W等の遷移金属を少なくとも一種含むポルフィリンやフタロシアニンなどの大環状金属錯体も用いることができる。これらの金属錯体は、カーボンと混合後、不活性ガス雰囲気中で熱処理を行い活性化させてもよい。
空気極101に添加される触媒としては、上記の化合物系に限らず、Pt、Au、Pdなどの貴金属、およびCo、Ni、Mnなどの遷移金属の単体金属を用いてもよい。例えば、これらの金属をカーボン上に高分散担持させることにより高い活性を発現することができる。
空気極101では、電解質/電極触媒/ガス(酸素)の三相部分(三相界面)において電極反応が進行する。空気極101中に電解質103が浸透し、ここに大気中の酸素ガスが供給されることで、電解質−電極触媒−ガス(酸素)が共存する三相部位が形成される。電極触媒が高活性であれば、酸素還元(放電)および酸素発生(充電)が円滑に進行し、電池性能が大きく向上することになる。
空気極101での放電反応は次のように表すことができる。
2Li++(1/2)O2+2e-→Li2O・・・(1)
2Li++O2+2e-→Li22・・・(2)
上式中のリチウムイオン(Li+)は、負極102から電気化学的酸化により、電解質103中に溶解し、電解質103中を空気極101の表面まで移動してきたものである。また、酸素(O2)は、大気(空気)中から空気極101の内部に取り込まれたものである。なお、図1において、負極102から溶解する材料(Li+)、空気極101で析出する材料(Li22)、および空気(O2)を構成要素と共に示している。
空気極101の電極触媒として用いることができる酸化物、特に酸化マンガン(MnO2)、酸化ルテニウム(RuO2)などは、マンガンおよびルテニウムが、+4、+3などの価数を有するイオンで存在しうる。また、これらの酸化物を合成する際の条件によっては、酸化マンガン、酸化ルテニウム等の酸化物内に酸素を取り込むことができる空孔(本明細書では酸素空孔とも称する)が存在し、活性サイトとして機能すると考えられる。このため、このような酸化物触媒は、正極活物質である酸素との相互作用が強く、多くの酸素種を酸化物表面上に吸着でき、または酸素空孔内に酸素種を吸蔵することができる。
このように、酸化物表面上に吸着された、または酸素空孔内に吸蔵された酸素種は、上記式(1)および式(2)の酸素源(活性な中間反応体)として酸素還元反応に使用され、上記反応が容易に進むようになる。また、式(1)および式(2)の逆反応である充電反応に対しても、上記の酸化物は活性を有している。従って、電池の充電に対応する空気極101上での酸素発生反応も効率よく進行する。このように、酸化マンガン、酸化ルテニウムなどの酸化物は、電極触媒として有効に機能する。
リチウム空気二次電池では、電池の効率を上げるために、電極反応を引き起こす反応部位[電解質/電極触媒/空気(酸素)の三相部分]がより多く存在することが望ましい。このような観点から、上述の三相部位が電極触媒表面に多量に存在することが重要であり、使用する触媒は比表面積が高い方が好ましい。例えば、焼成後の空気極101における比表面積は、10m2/g以上であることが好適である。
空気極101中での触媒含有量は、空気極101の重量を基準に、例えば0を越え、100重量%以下であることが望ましい。空気極101における他の成分の割合は、従来のリチウム空気二次電池と同様である。
次に、空気極101に添加可能な結着剤(バインダー)について説明する。結着剤は、特に限定されないが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリブタジエンゴムなどを例として挙げることができる。これらの結着剤は、粉末としてまたは分散液として用いることができる。
ここで、空気極101の作製について、簡単に説明する。まず、触媒である酸化物粉末、BTCを配位子とした金属錯体MnBCT(Mn=Cr、Ce、Cu、Fe、In、Zn)の粉末、およびポリフッ化ビニリデン(PVDF)のようなバインダー粉末を所定量混合し、この混合物をチタンメッシュなどの支持体上に圧着することにより、空気極101を成形することができる。
また、前述の混合物を有機溶剤等の溶媒中に分散してスラリー状にし、金属メッシュまたはカーボンクロスやカーボンシート上に塗布して乾燥することによって、空気極101を形成することができる。また、電極の強度を高め電解質の漏洩を防止するために、冷間プレスだけでなく、ホットプレスを適用することによっても、より安定性に優れた空気極101を作製することができる。
次に、負極102について説明する。負極102は、負極活物質を含んで構成されている。負極活物質は、リチウム二次電池の負極材料として用いることができる材料であれば特に制限されない。例えば負極活物質は、金属リチウムである。また、負極活物質は、リチウム含有物質として、リチウムイオンを放出および吸蔵することができる物質であるリチウムと、シリコンまたはスズとの合金、あるいは、Li2.6Co0.4Nなどのリチウム窒化物であってもよい。
負極102は、公知の方法で作製することができる。例えば、リチウム金属を負極とする場合には、複数枚の金属リチウム箔を重ねて所定の形状に成形することで、負極を作製すればよい。
なお、上記のシリコンまたはスズの合金を負極102として用いる場合、負極102を作成する時にリチウムを含まないシリコンまたはスズなどを用いることもできる。しかし、この場合には、空気電池の作製に先立って、化学的手法または電気化学的手法(例えば、電気化学セルを組んで、リチウムとシリコンまたはスズとの合金化を行う方法)によって、シリコンまたはスズが、リチウムを含む状態にあるように処理しておく必要がある。
具体的には、作用極にシリコンまたはスズを含み、対極にリチウムを用い、電解質中で還元電流を流すことによって合金化を行うなどの電気化学的な処理をしておくことが好ましい。
金属リチウムから構成した負極102における放電時の反応は、以下のように表すことができる。
(放電反応)
Li→Li++e-・・・(3)
なお、充電時の負極102においては、式(3)の逆反応であるリチウムの析出反応が起こる。
なお、リチウム空気二次電池は、上記構成に加え、セパレータ、電池ケース、金属メッシュ(例えばチタンメッシュ)などの構造部材、また、リチウム空気二次電池に要求される要素を含むことができる。これらは、従来公知のものを使用することができる。
例えば、リチウム空気二次電池は、図2に示すように構成することができる。このリチウム空気二次電池は、空気極201,負極202,電解質203,セパレータ204,空気極支持体205、空気極固定用リング206,負極固定用リング207,負極固定用座金208,負極支持体209,固定ねじ210,Oリング211,空気極端子221,負極端子222を備える。
空気極201,負極202,電解質203,セパレータ204は、円筒形状の空気極支持体205に収容されている。空気極支持体205は、円筒内中央部に仕切り251があり、仕切り251により空気極201が配置される第1領域205aと、負極202およびセパレータ204が配置される第2領域205bとに区画されている。また、仕切り251は中央部が開口しており、開口部により第1領域205aと第2領域205bが連通している。
液状の電解質203は、仕切り251の開口に配置され、空気極201および塩橋となるセパレータ204に挟まれている。セパレータ204には電解質203が含浸している。なお、セパレータ204の周囲にも電解質203は配置されている。電解質203は、1mol/Lのリチウムビストリフルオロメタンスルホニルアミド/炭酸プロピレン[(CF3SO22NLi/PC]溶液である。
また、空気極201は、ポリテトラフルオロエチレン (PTFE)より構成された空気極固定用リング206と仕切り251とに挟まれて、空気極支持体205の円筒内の第1領域205aに固定されている。空気極固定用リング206の開口内において、空気極01と空気との接触する電極の有効面積は、2cm2とされている。一方、セパレータ204は、PTFEより構成された負極固定用リング207と仕切り251とに挟まれて、空気極支持体205の円筒内の第2領域205bに固定されている。このようにして、液状の電解質203が、仕切り251の開口において空気極201とセパレータ204との間に封入されている。
また、負極202は、負極固定用リング207の内部で、負極固定用座金208が積層され、この上に金属から構成された負極支持体209が被せられている。負極202は、厚さ150μmの4枚の金属リチウム箔が同心円上に重ねられて構成され、負極固定用座金208に圧着されている。負極202は、有効面積が2cm2とされている。負極支持体209は、固定ねじ210により空気極支持体205に固定されている。また、空気極支持体205と負極支持体209との間には、Oリング211が配置されている。
固定ねじ210により空気極支持体205の側に押しつけられている負極支持体209により、負極固定用座金208を介し、負極202がセパレータ204の方向に押圧され、セパレータ204に圧接されている。これら構成としたリチウム空気二次電池は、露点が−60℃以下の乾燥空気中で作製される。
なお、空気極支持体205は、金属から構成されているが、図示していないが、PTFEに被覆され、電解質203,セパレータ204などと絶縁分離されている。なお、空気極201と空気極支持体205が接触する部分は、電気的接触をとるためにPTFEによる被覆を施さない。また、金属から構成された固定ねじ210も、図示していないが、PTFEに被覆され、空気極支持体205と負極支持体209とが、電気的に分離された状態としている。
以下、実施例を用いて詳細に説明する。
[実施例1]
はじめに、実施例1について説明する。まず、セルの作製について説明する。空気極の導電性材料としてCr3(BTC)2を用い、リチウム空気二次電池セルを以下の手順で作製した。Cr(CO)6(アルドリッチ社製)とBTC(アルドリッチ社製)をモル比で3:2としてジメチルホルムアミド(DMF)溶媒中にて撹拌した。さらに、DMF溶媒をメタノールと置換し、160℃にて48時間真空乾燥することにより脱溶媒和することでCr3(BTC)2を得た。Cr3(BTC)2は空気極において、導電性材料になるとともに触媒の機能も有する。さらに、触媒として、公知であるルテニウム酸化物(RuO2)を加えた。ルテニウム酸化物(RuO2)は市販試薬(Aldrich社製)を用いた。
ルテニウム酸化物(RuO2)粉末、Cr3(BTC)2粉末、およびポリフッ化ビニリデン(PVDF)粉末を、10:72:18の重量比で、ミキサーを用いてN‐メチル‐2‐ピロリドン(NMP)に十分混合し、スラリーを作製した。このスラリーを直径17mmのカーボンシートに塗布し、90℃の真空乾燥機に入れ、一晩乾燥させ、ガス拡散型の空気極201を作製した。
次に、リチウム空気電池セルを、露点が−60℃以下の乾燥空気中で、以下の手順で作製した。作製した空気極201を、空気極支持体205の第1領域205aにおいて、仕切り251に接する状態に配置して空気極固定用リング206で固定した。空気極201と空気極支持体205が接触する部分は、電気的接触をとるためにPTFEによる被覆を施していない。
次に、空気極支持体205の第2領域205bにおいて、仕切り251に接する状態にセパレータ204を配置した。次に、負極固定用リング207に負極202として厚さ150μmの4枚の金属リチウム箔(有効面積:2cm2)を同心円上に重ねて圧着した。次に、負極固定用リング207を、空気極支持体205の第2領域205bに配置し、この中央部に、負極202が圧着された負極固定用リング207を勘合した。
次に、空気極201と負極202との間に電解質203を構成する有機電解液を充填し、この状態で、空気極支持体205の底面にOリング211を配置して負極支持体209を被せ、固定ねじ210で空気極支持体205に固定した。有機電解液としては、1.00mol/L:LiTFSA/TEGDME溶液を用いた。この後、空気極端子221を空気極支持体205に接続して固定し、負極端子222を負極支持体209に接続して固定した。
電流密度500mA/g、1000mA/g、3000mA/gの各条件で通電した場合の、実施例1における初回の放電および充電の状態を図3に示す。また、充放電サイクル回数と各電流密度での初回放電容量に関する測定結果を以下の表1に示す。図3および表1に示すように、Cr3(BTC)2を空気極201に用いた実施例1では、電流密度500mA/g時の充放電サイクル回数は111回を示し、初回放電容量は7158mAh/gであることが分かる。また、電流密度1000mA/g時の初回放電容量は5750mA/gであり、電流密度3000mA/g時の初回放電容量は4676mA/gであった。500mA/gから3000mA/gへ電流密度を上げても、放電容量は約65%維持された。
実施例1のCr3(BTC)2を空気極に使用したリチウム空気二次電池は、非特許文献1および非特許文献2で報告されたものよりも充放電サイクル数が多く、高電流密度において初回放電容量が同程度またはそれ以上となり、加えて、高電流密度化した際の容量維持率が高いことが分かった。このように、Cr3(BTC)2を空気極に使用したリチウム空気二次電池は、電池性能が向上できることが確認された。
[実施例2]
次に、実施例2について説明する。実施例2では、空気極の導電性材料としてCeBTCを用いた。CeBTCは、次に示すことにより作製した。硝酸セリウム(III)6水和物(アルドリッチ社製)とBTC(アルドリッチ社製)をモル比5:3でDMF溶媒中にて撹拌した。混合物を130℃・24時間オートクレーブにかけ、室温まで冷やした後に、DMFで洗浄した。さらに、得られた混合物を50℃にて真空乾燥させることによりCeBTCを得た。
他の条件は、前述した実施例1と同様にしてセルを作製し、電池特性の評価を行った。
実施例2の充放電サイクル回数と各電流密度での初回放電容量に関する測定結果を以下の表1に示す。表1に示すように、電流密度500mA/g時に充放電サイクル回数は106回を示し、500mA/gから3000mA/gへ電流密度を上げた際の放電容量維持率が、約57%となり、良い充放電サイクル特性および高電流密度特性が得られた。このように、空気極にCeBTCを使用することにより、本発明のリチウム空気二次電池の電池性能を向上できることが確認された。
[実施例3]
次に、実施例3について説明する。実施例3では、空気極の導電性材料としてCuBTCを用いた。CuBTCは、アルドリッチ社製を用いた。他の条件は、前述した実施例1と同様にしてセルを作製し、電池特性の評価を行った。
実施例3の充放電サイクル回数と各電流密度での初回放電容量に関する測定結果を以下の表1に示す。表1に示すように、電流密度500mA/g時に充放電サイクル回数は103回を示し、500mA/gから3000mA/gへ電流密度を上げた際の放電容量維持率が、約67%となり、良い充放電サイクル特性および高電流密度特性が得られた。このように、空気極にCuBTCを使用することにより、本発明のリチウム空気二次電池の電池性能を向上できることが確認された。
[実施例4]
次に、実施例4について説明する。実施例4では、空気極の導電性材料としてFeBTCを用いた。FeBTCは、アルドリッチ社製を用いた。他の条件は、前述した実施例1と同様にしてセルを作製し、電池特性の評価を行った。
実施例4の充放電サイクル回数と各電流密度での初回放電容量に関する測定結果を表1に示す。表1に示すように、電流密度500mA/g時に充放電サイクル回数は125回を示し、500mA/gから3000mA/gへ電流密度を上げた際の放電容量維持率が、約70%となり、良い充放電サイクル特性および高電流密度特性が得られた。このように、空気極にFeBTCを使用することによって、本発明のリチウム空気二次電池の電池性能を向上できることが確認された。
[実施例5]
次に、実施例5について説明する。実施例5では、空気極の導電性材料としてInBTCを用いた。InBTCは、次に示すことにより作製した。塩化インジウム(III)四水和物(アルドリッチ社製)とBTC(アルドリッチ社製)をモル比1:1にてピリジン1mlと水5mlの混合溶媒中にて撹拌し、165℃で85時間加熱した。得られた混合物を室温まで冷まし、DMF溶媒および水で洗浄後、50℃にて真空乾燥することによりInBTCを得た。他の条件は、すべて実施例1と同様にして、セルを作製し、電池特性の評価を行った。
実施例5の充放電サイクル回数と各電流密度での初回放電容量に関する測定結果を表1に示す。表1に示すように、電流密度500mA/g時に充放電サイクル回数は106回を示し、500mA/gから3000mA/gへ電流密度を上げた際の放電容量維持率が、約54%となり、良い充放電サイクル特性および高電流密度特性が得られた。このように、空気極にInBTCを使用することにより、本発明のリチウム空気二次電池の電池性能を向上できることが確認された。
[実施例6]
次に、実施例6について説明する。実施例6では、空気極の導電性材料としてZn2(BTC)を用いた。Zn2(BTC)は、次に示すことにより作製した。硝酸亜鉛六水和物(アルドリッチ社製)とBTC(アルドリッチ社製)をモル比2:1にてトリエチルアミン溶媒中にて撹拌し、室温で6日間静置した。得られた混合物を室温まで冷まし、DMF溶媒および水で洗浄後、50℃にて真空乾燥することによりZn2(BTC)を得た。他の条件は、すべて実施例1と同様にして、セルを作製し、電池特性の評価を行った。
実施例6の充放電サイクル回数と各電流密度での初回放電容量に関する測定結果を表1に示す。表1に示すように、電流密度500mA/g時に充放電サイクル回数は101回を示し、500mA/gから3000mA/gへ電流密度を上げた際の放電容量維持率が、約58%となり、良い充放電サイクル特性および高電流密度特性が得られた。このように、空気極にZn2(BTC)を使用することにより、本発明のリチウム空気二次電池の電池性能を向上できることが確認された。
[実施例7]
次に、実施例7について説明する。実施例7では、空気極の導電性材料としてMo3(BTC)2を用いた。Mo3(BTC)2は、次に示すことにより作製した。モリブデンヘキサカルボニル(アルドリッチ社製)とBTC(アルドリッチ社製)をモル比で3:2としてDMF溶媒中にて撹拌した。さらに、DMF溶媒をメタノールと置換し、160℃にて48時間真空乾燥することにより脱溶媒和することでMo3(BTC)2を得た。他の条件は、すべて実施例1と同様にして、セルを作製し、電池特性の評価を行った。
実施例7の充放電サイクル回数と各電流密度での初回放電容量に関する測定結果を表1に示す。表1に示すように、電流密度500mA/g時に充放電サイクル回数は102回を示し、500mA/gから3000mA/gへ電流密度を上げた際の放電容量維持率が、約56%となり、良い充放電サイクル特性および高電流密度特性が得られた。このように、空気極にMo3(BTC)2を使用することにより、本発明のリチウム空気二次電池の電池性能を向上できることが確認された。
[比較例1]
次に、比較例1について説明する。比較例1では、従来用いられているケッチェンブラック粉末を用いて空気極を作製した。より詳細には、ルテニウム酸化物(RuO2)粉末、ケッチェンブラック粉末、およびポリフッ化ビニリデン(PVDF)粉末を、10:72:18の重量比で混合して用いた。他の条件は、すべて同様にして、セルを作製し、比較例1の電池特性の評価を行った。
比較例1の充放電サイクル回数と各電流密度での初回放電容量に関する測定結果を表1に示す。表1に示すように、電流密度500mA/g時に充放電サイクル回数は3回を示し、500mA/gから3000mA/gへ電流密度を上げた際の放電容量維持率が、約11%となり、充放電サイクル特性および高電流密度特性ともに低い特性が示された。
Figure 0006711700
以上に説明したように、本発明によれば、1,3,5−ベンゼントリカルボキシラート(1,3,5−benzenetricarboxylate;BTC)を配位子としてCr、Ce、Cu、Fe、In、およびZnのいずれかと配位結合した金属錯体から空気極を構成するようにしたので、公知の材料を用いた場合よりも、充放電サイクル特性および電流密度特性に優れており、リチウム空気二次電池用担体および触媒材料として有効であることが確認された。このように、本発明によれば、リチウム空気二次電池において高電流密度の作動で大きな放電容量が得られ、また、充放電サイクル回数がより増加できるようになる。
なお、本発明は以上に説明した実施の形態および実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形および組み合わせが実施可能であることは明白である。
101…空気極、102…負極、103…電解質。

Claims (2)

  1. 1,3,5−ベンゼントリカルボキシラートを配位子としてCeと配位結合した金属錯体を含んで構成された空気極と、
    リチウムを含んで構成された負極と、
    前記空気極と前記負極とに挾まれて配置された電解質と
    を備えることを特徴とするリチウム空気二次電池。
  2. 請求項1記載のリチウム空気二次電池において、
    前記金属錯体は、Cr、Cu、Fe、In、およびZnのいずれかを、さらに含んで構成されていることを特徴とするリチウム空気二次電池。
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