JP6209123B2 - リチウム空気二次電池 - Google Patents
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Description
前記空気極は、導電性材料及び触媒を含み、
前記空気極の触媒は、Fe、Ni、Cr、Mn、Co、Cu、Zn、Ti又はVから選ばれる金属のリン化物からなることを特徴とする。
本発明に係るリチウム空気二次電池100は、図1に示されるように、空気極102、負極104及び電解質(例えば有機電解質)106を少なくとも含み、前記空気極102が正極として機能する。また、これらの空気極と負極との間に電解質が配置されうる。
本発明では、空気極は、触媒及び導電性材料を少なくとも含み、必要に応じて結着剤等の添加剤を含むことができる。
本発明のリチウム空気二次電池では、空気極の触媒としてリン(P)化物を含む。特に、前記空気極は、酸素還元(放電)及び酸素発生(充電)の両反応に対して高活性な、Fe、Ni、Cr、Mn、Co、Cu、Zn、Ti又はVから選ばれる金属を含むリン(P)化物を電極触媒として含むことが好ましい。これらのリン(P)化物を含むことで、本発明のリチウム空気二次電池は、二次電池としての性能を高めることができる。本発明では、前記リン化物は、リン化二鉄(Fe2P)、リン化二ニッケル(Ni2P)、リン化二クロム(Cr2P)、リン化二マンガン(Mn2P)、リン化二コバルト(Co2P)、リン化三銅(Cu3P)、ニリン化亜鉛(ZnP2)、リン化チタン(TiP)、又はリン化三バナジウム(V3P)から選択されることが特に好ましい。
2Li++(1/2)O2+2e− → Li2O (1)
2Li++O2+2e− → Li2O2 (2)
本発明では、空気極に導電性材料を含むことができる。導電性材料には、例えばカーボンを例示することができる。具体的には、ケッチェンブラック、アセチレンブラックなどのカーボンブラック類、活性炭類、グラファイト類、カーボン繊維類などを挙げることができる。空気極中で反応部位を十分に確保するために、カーボンは比表面積が大きなものが適している。具体的には、BET比表面積で300m2/g以上の値を有しているものが望ましい。これらのカーボンは、例えば市販品として、又は公知の合成により入手することが可能である。
空気極は結着剤(バインダー)を含むことができる。この結着剤は、特に限定されないが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンブタジエンゴムなどを例として挙げることができる。これらの結着剤は、粉末として又は分散液として用いることができる。
空気極は以下のように調製することができる。触媒であるリン(P)化物粉末、カーボン粉末、及び必要に応じてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のようなバインダー粉末を混合し、この混合物をチタンメッシュ等の支持体上に圧着することにより、空気極を成形することができる。また、前述の混合物を有機溶剤等の溶媒中に分散してスラリー状にして、金属メッシュ又はカーボンクロスやカーボンシート上に塗布し乾燥することによって、空気極を形成することができる。
本発明のリチウム空気二次電池は、負極に負極活物質を含む。この負極活性物質は、リチウム二次電池の負極材料として用いることができる材料であれば特に制限されない。例えば、金属リチウムを挙げることができる。或いは、リチウム含有物質として、リチウムイオンを放出及び吸蔵することができる物質である、リチウムと、シリコン又はスズとの合金、或いはLi2.6Co0.4Nなどのリチウム窒化物を例として挙げることができる。
Li→Li++e− (3)
本発明のリチウム空気二次電池は電解質を含む。この電解質は、空気極(正極)及び負極間でリチウムイオンの移動が可能なものであればよい。本発明では、リチウムイオンを含む金属塩を適切な溶媒に溶解した有機電解液(非水溶液)を使用することができる。具体的には、溶質の金属塩には、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、過塩素酸リチウム(LiClO4)、リチウムビストリフルオロメタンスルホニルイミド(LiTFSI)[(CF3SO2)2NLi]などを挙げることができる。また、溶媒は、例えば、炭酸ジメチル(DMC)、炭酸メチルエチル(MEC)、炭酸メチルプロピル(MPC)、炭酸メチルイソプロピル(MIPC)、炭酸メチルブチル(MBC)、炭酸ジエチル(DEC)、炭酸エチルプロピル(EPC)、炭酸エチルイソプロピル(EIPC)、炭酸エチルブチル(EBC)、炭酸ジプロピル(DPC)、炭酸ジイソプロピル(DIPC)、炭酸ジブチル(DBC)、炭酸エチレン(EC)、炭酸プロピレン(PC)、炭酸1,2−ブチレン(1,2−BC)などの炭酸エステル系溶媒、1,2−ジメトキシエタン(DME)などのエーテル系溶媒、γ−ブチロタクトン(GBL)などのラクトン系溶媒、或いはこれらの中から二種類以上を混合した溶媒を挙げることができる。本発明では、混合溶媒を用いる場合の混合割合は、特に限定されない。
本発明のリチウム空気二次電池は、上記構成要素に加え、セパレータ、電池ケース、金属メッシュ(例えばチタンメッシュ)などの構造部材、その他のリチウム空気二次電池に要求される要素を含むことができる。これらは、従来公知のものを使用することができる。
本発明のリチウム空気二次電池は、上述した通り、少なくとも空気極(正極)、負極及び電解質を含み、例えば図1に示されるように、空気極と負極の間に電解質を狭持するように構成される。このような構成のリチウム空気二次電池は、従来型の二次電池と同様に調製することができる。
[リン化二鉄(Fe2P)の調製]
前述した空気極1の電極触媒として用いるFeを含むリン化物の一つであるリン化二鉄(Fe2P)粉末を以下の手順で合成した。
次に、このようなリン化二鉄(Fe2P)粉末を用いて空気極1及びこの空気極1を用いたリチウム空気二次電池セルを以下のようにして作製した。
図2に示す断面構造を有する円柱形のリチウム空気二次電池セルを作製した。図2は、リチウム空気二次電池セルの断面図である。リチウム空気二次電池セルは、露点が−60℃以下の乾燥空気中で、以下の手順で作製した。
以上の手順で調製したリチウム空気二次電池セルの電池性能を測定した。なお、図2に示す正極端子4及び負極端子13を、電池性能の測定試験に用いた。
Niを含むリン化物の一つであるリン化二ニッケル(Ni2P)粉末を実施例1と同様に以下の手順で合成した。
本実施例のリン化二ニッケル(Ni2P)を空気極1の電極触媒として用いたリチウム空気二次電池の放電容量及び充放電電圧のサイクル依存性を図4及び表1に示す。
Crを含むリン化物の一つであるリン化二クロム(Cr2P)粉末を以下の手順で合成した。
本実施例のリン化二クロム(Cr2P)を空気極1の電極触媒として用いたリチウム空気二次電池の放電容量及び充放電電圧のサイクル依存性を図4及び表1に示す。
Mnを含むリン化物の一つであるリン化二マンガン(Mn2P)粉末を以下の手順で合成した。
本実施例のリン化二マンガン(Mn2P)を空気極1の電極触媒として用いたリチウム空気二次電池の放電容量及び充放電電圧のサイクル依存性を図4及び表1に示す。
Coを含むリン化物の一つであるリン化二コバルト(Co2P)粉末を以下の手順で合成した。
本実施例のリン化二コバルト(Co2P)を空気極1の電極触媒として用いたリチウム空気二次電池の放電容量及び充放電電圧のサイクル依存性を図4及び表1に示す。
Cuを含むリン化物の一つであるリン化三銅(Cu3P)粉末を以下の手順で合成した。
本実施例のリン化三銅(Cu3P)を空気極1の電極触媒として用いたリチウム空気二次電池の放電容量及び充放電電圧のサイクル依存性を図4及び表1に示す。
Znを含むリン化物の一つであるニリン化亜鉛(ZnP2)粉末を以下の手順で合成した。
本実施例のニリン化亜鉛(ZnP2)を空気極1の電極触媒として用いたリチウム空気二次電池の放電容量及び充放電電圧のサイクル依存性を図4及び表1に示す。
Tiを含むリン化物の一つであるリン化チタン(TiP)粉末を以下の手順で合成した。
本実施例のリン化チタン(TiP)を空気極1の電極触媒として用いたリチウム空気二次電池の放電容量及び充放電電圧のサイクル依存性を図4及び表1に示す。
Vを含むリン化物の一つであるリン化三バナジウム(V3P)粉末を以下の手順で合成した。
本実施例このリン化三バナジウム(V3P)を空気極1の電極触媒として用いたリチウム空気二次電池の放電容量及び充放電電圧のサイクル依存性を図4及び表1に示す。
空気極1用の電極触媒として公知であるコバルト酸化物(Co3O4)を用いて、リチウム空気二次電池セルを実施例1と同様にして作製した。また、コバルト酸化物(Co3O4)は市販試薬(和光純薬工業社製)を用いた。電池のサイクル試験の条件は、実施例1と同様である。
2 正極支持体(PTFE被覆)
3 正極固定用リング(PTFEリング)
4 空気極端子
5 セパレータ
6 負極固定用リング(PTFEリング)
7 負極固定用座金
8 負極
9 Oリング
10 有機電解液
11 負極支持体
12 セル固定ねじ(PTFE被覆)
13 負極端子
100 リチウム空気二次電池
102 空気極
104 負極
106 有機電解質
Claims (2)
- 空気極、負極、並びに、前記空気極及び前記負極に接する電解質を含み、
前記空気極は、導電性材料及び触媒を含み、
前記空気極の触媒は、Fe、Ni、Cr、Mn、Co、Cu、Zn、Ti又はVから選ばれる金属のリン化物からなることを特徴とするリチウム空気二次電池。 - 前記リン化物は、リン化二鉄(Fe2P)、リン化二ニッケル(Ni2P)、リン化二クロム(Cr2P)、リン化二マンガン(Mn2P)、リン化二コバルト(Co2P)、リン化三銅(Cu3P)、ニリン化亜鉛(ZnP2)、リン化チタン(TiP)、又はリン化三バナジウム(V3P)から選択されることを特徴とする請求項1に記載のリチウム空気二次電池。
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