JP2016110699A - リチウム空気二次電池 - Google Patents

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周平 阪本
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Abstract

【課題】従来よりも優れたサイクル特性やエネルギー効率などを発揮できる新規なリチウム空気二次電池を提供すること。【解決手段】本発明のリチウム空気二次電池は、カーボン、触媒及び結着剤を含む空気極と、金属リチウム又はリチウム含有物質を含む負極と、前記空気極と前記負極に接する有機電解質とを含み、前記有機電解質にMn、Cr、Fe、Ru、Co、V、Ti、Rhから選ばれる少なくとも一種の金属を含む金属(BisPP)錯体を含有することを特徴とする。これによって、充放電の電圧差が小さく、かつ充放電サイクルを繰り返しても放電容量の低下を抑えることができ、従来よりも優れたサイクル特性やエネルギー効率などを発揮できる。【選択図】図1

Description

本発明は、リチウム空気二次電池に関する。特に本発明は、鉛蓄電池やリチウムイオン電池などの従来の二次電池よりも小型、軽量でかつ遙かに大きい放電容量を実現できるリチウム空気二次電池に関する。
正極活物質として空気中の酸素を用いるリチウム空気二次電池は、電池外部から常に酸素が供給され、また、電池内に大量の負極活物質である金属リチウムを充填することができる。このため、電池の単位体積当たり非常に大きな放電容量を示すことが報告されている。
これまでに非特許文献1または非又は特許文献2に報告されているように、正極であるガス拡散型空気極に種々の触媒を添加することにより、放電容量やサイクル特性になどの電池性能を改善する試みがなされている。
ガス拡散型空気極の電極触媒として遷移金属酸化物が検討されている。例えば、上記文献では、非特許文献1においてλ−MnOなどの遷移金属酸化物が、非特許文献2では主に酸化鉄(Fe)、コバルト酸化物(Co)などの遷移金属酸化物が検討されている。これらの文献には、以下のようなリチウム空気二次電池の電池特性の試験の結果が示されている。
非特許文献1に開示されている二次電池では、充電電圧が、約4.0Vであり、平均放電電圧の2.7Vと比較して非常に大きく、エネルギー効率が低いという課題がある。また、この二次電池は、電流密度1.0mA/cmの条件下では200mAh/g程度の容量しか有しておらず、容量が小さい。
一方、非特許文献2では、9種類の触媒を検討し、空気極に含まれるカーボンの重量当たりで1000〜3000mAh/gの非常に大きな放電容量が得られている。しかしながら、ほとんどの場合で平均放電電圧は2.5V程度である。一方、充電電圧は4.0〜4.5Vを示し、最も低いものでも3.9V程度である。このため、非特許文献2のリチウム空気二次電池は充放電のエネルギー効率は低い。
また、非特許文献1及び2を含む多くの文献の報告では、リチウム空気二次電池の有機電解液として、LiClO、LiPF、LiTFSI(リチウムビストリフルオロメタンスルホニルイミド)などのリチウム塩を、炭酸プロピレンなどの炭酸エステル系溶媒に1.0mol/l程度の濃度で溶解した溶液が用いられている。
J.Read,Journal of The Electrochemical Society,Vol.149,pp.A1190−A1195(2002). Aurelie Debart,et al,Journal of Power Sources,Vol.174,pp.1177(2007).
本発明は、リチウム空気二次電池を、高容量の二次電池として作動させること、並びに、低充電電圧でありかつ充放電の電圧差が小さく、高出力のリチウム空気二次電池を提供することを目的とする。
本発明のリチウム空気二次電池は、
カーボン、触媒及び結着剤を含む空気極と、
金属リチウム又はリチウム含有物質を含む負極と、
前記空気極と前記負極に接する有機電解質とを含み、
前記有機電解質は、金属2,6−ビス(2−ピリジル)−4(1H)−ピリドン錯体を含むことを特徴とする。
本発明では、前記金属2,6−ビス(2−ピリジル)−4(1H)−ピリドン錯体の金属が、Mn、Cr、Fe、Ru、Co、V、Ti又はRhから選択されることが好ましい。
本発明では、前記金属2,6−ビス(2−ピリジル)−4(1H)−ピリドン錯体が、有機電解質の全重量を基準として、0.1〜10重量%で、前記有機電解質に含まれることを特徴とする。
本発明のリチウム空気二次電池は、電解質の添加剤として、Mn、Cr、Fe、Ru、Co、V、Ti、又はRhから選ばれる金属を含有する、金属2,6−ビス(2−ピリジル)−4(1H)−ピリドン錯体を含むことにより、電池性能の改善を達成することができる。
本発明のリチウム空気二次電池の構成を採用することによって、低充電電圧かつ充放電の電圧差が小さく、高エネルギー密度のリチウム空気二次電池を提供することが可能となる。
本発明によるリチウム空気二次電池の基本的な概略図である。 実施例において測定に用いたリチウム空気二次電池の構造を示すための概略断面図である。 実施例1のリチウム空気二次電池の充放電曲線を示す図である。 実施例において用いた電解液添加剤である金属2,6−ビス(2−ピリジル)−4(1H)−ピリドン錯体を示す構造式である。
以下に、図面を参照しつつ、本願に係るリチウム空気二次電池のについて詳細に説明する。
[本発明のリチウム空気二次電池の概要]
本発明によるリチウム空気二次電池は、空気極、負極、並びに、前記空気極及び前記負極に接する電解質を含み、前記電解質は、添加剤として金属2,6−ビス(2−ピリジル)−4(1H)−ピリドン錯体を含むことを特徴とする。
本明細書では、金属2,6−ビス(2−ピリジル)−4(1H)−ピリドン錯体を、金属BisPP錯体とも称する。
本発明の一実施形態では、前記金属BisPP錯体は、Mn、Cr、Fe、Ru、Co、V、Ti、又はRhから選ばれる金属を含むBisPP錯体であることを特徴とする。
[リチウム空気二次電池の構成]
本発明に係るリチウム空気二次電池100は、図1に示されるように、空気極102、負極104及び電解質(例えば有機電解質)106を少なくとも含み、前記空気極102が正極として機能する。また、これらの空気極と負極との間に電解質が配置されうる。電解質は、上記の本発明のリチウム空気二次電池の概要で説明したとおり、電解質の添加剤として、金属2,6−ビス(2−ピリジル)−4(1H)−ピリドン錯体を含むことを特徴とする。
前記空気極102は、カーボンのような導電性材料、触媒、及び前記材料を一体化するための結着剤を含む。負極104は金属リチウム又はリチウムイオンを放出及び吸収することができるリチウム含有合金などの物質を構成要素とすることができる。
以下に上記の各構成要素について説明する。なお、本明細書において、電解液とは、電解質が液体形態である場合をいう。
(I)電解質
本発明のリチウム空気二次電池における電解質は、添加剤として金属2,6−ビス(2−ピリジル)−4(1H)−ピリドン錯体を少なくとも含む。より具体的には、本発明のリチウム空気二次電池では、電解質は、Li塩と有機溶媒を含み、かつ、添加剤として金属2,6−ビス(2−ピリジル)−4(1H)−ピリドン錯体を含む。
本明細書では、金属2,6−ビス(2−ピリジル)−4(1H)−ピリドン錯体は、下記式(I)を有する化合物である。
但し、Mは金属である。
本発明の一実施形態では、金属BisPP錯体の金属(M)は、Mn、Cr、Fe、Ru、Co、V、Ti、又はRhから選ばれることが好ましい。なお、金属BisPP錯体の金属(M)が、Mn、Cr、Fe、Ru、Co、V、Ti、又はRhである場合の構造を図4にも示した。
本発明では、金属BisPP錯体は、1種類で用いてもよく、又は2種以上混合して用いてもよい。金属BisPP錯体を2種以上混合する場合の、混合割合は特に限定されず、どのような割合であってもよい。
電解質は、上記金属BisPP錯体と共に、Li塩を含む。Li塩は、リチウムを含む金属塩から供給される。金属塩の具体例は、例えば、具体的には、溶質の金属塩には、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)、過塩素酸リチウム(LiClO)、リチウムビストリフルオロメタンスルホニルイミド(LiTFSI)[(CFSONLi]などを挙げることができる。
また、電解質は溶媒を含む。溶媒は、例えば、炭酸ジメチル(DMC)、炭酸メチルエチル(MEC)、炭酸メチルプロピル(MPC)、炭酸メチルイソプロピル(MIPC)、炭酸メチルブチル(MBC)、炭酸ジエチル(DEC)、炭酸エチルプロピル(EPC)、炭酸エチルイソプロピル(EIPC)、炭酸エチルブチル(EBC)、炭酸ジプロピル(DPC)、炭酸ジイソプロピル(DIPC)、炭酸ジブチル(DBC)、炭酸エチレン(EC)、炭酸プロピレン(PC)、炭酸1,2−ブチレン(1,2−BC)などの炭酸エステル系溶媒、1,2−ジメトキシエタン(DME)、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、などのエーテル系溶媒、γ−ブチロタクトン(GBL)などのラクトン系溶媒、或いはこれらの中から二種類以上を混合した溶媒を挙げることができる。本発明では、混合溶媒を用いる場合の混合割合は、特に限定されない。
本発明のリチウム空気二次電池では、電解質中の金属Bispp錯体の含有量は、電解質の全重量を基準として、0.1重量%〜10重量%であることが好ましい。また、電解質中の上記Liを含む金属塩の含有量は、1mol/L〜10mol/Lであることが好ましい。
(II)空気極(正極)
本発明では、空気極は、導電性材料、触媒及び結着剤等を含む。
(II−1)導電性材料
本発明の空気極に含まれる導電性材料は、カーボンであることが好ましい。特に、本発明の導電性材料としては、以下のものに限定されないが、ケッチェンブラック、アセチレンブラックなどのカーボンブラック類、活性炭類、グラファイト類、カーボンファイバー類、カーボンシート、カーボンクロス等を挙げることができる。また、これらのカーボンは、例えば市販品として、又は合成により入手することが可能である。
(II−2)触媒
本発明のリチウム空気二次電池は、触媒を含む。空気極の触媒は、酸素還元(放電)及び酸素発生(充電)の両反応に対して高活性な、従来から公知の酸化物触媒を特に制限なく用いることができる。例えば、酸化物触媒の例として、酸化マンガン(MnO)、ルテニウム酸化物(RuO)等を挙げることができる。
本発明のリチウム二次電池の空気極では、電解液/電極触媒/ガス(酸素)の三相部分において、電極反応が進行する。即ち、空気極102中に有機電解液106が浸透し、同時に大気中の酸素ガスが供給され、電解液−電極触媒−ガス(酸素)が共存する三相部位が形成される。前記電極触媒が高活性であれば、酸素還元(放電)及び酸素発生(充電)がスムーズに進行し、電池性能は大きく向上することになる。
空気極での放電反応は次のように表すことができる。
2Li+(1/2)O+2e→LiO…(1)
2Li+O+2e→Li…(2)
上式中のリチウムイオン(Li)は、負極から電気化学的酸化により有機電解液中に溶解し、この有機電解液中を空気極表面まで移動してきたものである。また、酸素(O)は、大気(空気)中から空気極内部に取り込まれたものである。なお、負極から溶解する材料(Li)、空気極で析出する材料(LiO)、及び空気(O)を図1の構成要素と共に示した。
空気極(正極)の電極触媒として用いることができる酸化物、特に酸化マンガン(MnO)、酸化ルテニウム(RuO)などは、マンガン及びルテニウムが、+4、+3などの価数を有するイオンで存在しうる。また、これらの酸化物を合成する際の条件によっては、酸化マンガン、酸化ルテニウム等の酸化物内に酸素を取り込むことができる空孔(本明細書では酸素空孔とも称する)が存在する場合もある。
このような酸化物触媒は、正極活物質である酸素との相互作用が強いので、多くの酸素種を酸化物表面上に吸着でき、又は酸素空孔内に酸素種を吸蔵することができる。
このように、酸化物表面上に吸着された、又は酸素空孔内に吸蔵された酸素種は、上記式(1)及び式(2)の酸素源(活性な中間反応体)として酸素還元反応に使用され、上記反応が容易に進むようになる。また、式(1)及び式(2)の逆反応である充電反応に対しても、上記の酸化物は活性を有している。従って、電池の充電、つまり、空気極上での酸素発生反応も効率よく進行する。このように、酸化マンガン、酸化ルテニウムなどの酸化物は、電極触媒として有効に機能する。
本発明のリチウム空気二次電池では、電池の効率を上げるために、電極反応を引き起こす反応部位(上記の電解液/電極触媒/空気(酸素)の三相部分)がより多く存在することが望ましい。このような観点から、本発明では、上述の三相部位が電極触媒表面に多量に存在することが重要であり、使用する触媒は比表面積が高い方が好ましい。
本発明で好ましく使用される酸化物触媒は、市販品として、或いは、各種合成法により入手することができる。例えば、合成法には、固相法や液相法などの公知のプロセスを用いる、各種合成法を挙げることができる。
本発明では、比表面積の測定は、市販の装置を用いて行うことができる。例えば、比表面積は、市販の測定装置を用いて、液体窒素を冷却媒として使用するような手順で測定することができる。
(II−3)結着剤(バインダー)
空気極は結着剤(バインダー)を含む。この結着剤は、特に限定されないが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリブタジエンゴムなどを例として挙げることができる。これらの結着剤は、粉末として又は分散液として用いることができる。
本発明のリチウム空気二次電池において、空気極はカーボン(導電性材料)、触媒及び結着剤を含むが、これらの含有量は、空気極に含まれるこれらの全材料の重量を基準にして、カーボン(導電性材料)が0を越え、100重量%、触媒が0を越え50重量%以下、及び結着剤が0を越え、20重量%以下であることが好ましい。
(II−4)空気極の調製
空気極は以下のように調製することができる。触媒である酸化物粉末、カーボン粉末及びポリフッ化ビニリデン(PVDF)のようなバインダー粉末を所定量混合し、この混合物をチタンメッシュ等の支持体上に圧着することにより、空気極を成形することができる。また、前述の混合物を有機溶剤等の溶媒中に分散してスラリー状にし、金属メッシュ又はカーボンクロスやカーボンシート上に塗布して乾燥することによって、空気極を形成することができる。
また、電極の強度を高め電解液の漏洩を防止するために、冷間プレスだけでなく、ホットプレスを適用することによっても、より安定性に優れた空気極を作製することができる。
空気極は、これを構成する電極の片面は大気に曝され、もう一方の面は電解液と接する。
(III)負極
本発明のリチウム空気二次電池は、負極に負極活物質を含む。この負極活性物質は、リチウム二次電池の負極材料として用いることができる材料であれば特に制限されない。例えば、金属リチウムを挙げることができる。或いは、リチウム含有物質として、リチウムイオンを放出及び吸蔵することができる物質である、リチウムと、シリコン又はスズとの合金、或いはLi2.6Co0.4Nなどのリチウム窒化物を例として挙げることができる。
なお、上記のシリコン又はスズの合金を負極として用いる場合、負極を合成する時にリチウムを含まないシリコン又はスズなどを用いることもできる。しかし、この場合には、空気電池の作製に先立って、化学的手法又は電気化学的手法(例えば、電気化学セルを組んで、リチウムとシリコン又はスズとの合金化を行う方法)によって、シリコン又はスズが、リチウムを含む状態にあるように処理しておく必要がある。具体的には、作用極にシリコン又はスズを含み、対極にリチウムを用い、有機電解液中で還元電流を流すことによって合金化を行う等の処理をしておくことが好ましい。
本発明のリチウム空気二次電池の負極は、公知の方法で形成することができる。例えば、リチウム金属を負極とする場合には、複数枚の金属リチウム箔を重ねて所定の形状に成形することで、負極を作製すればよい。
ここで、放電時の負極(金属リチウム)の反応は以下のように表すことができる。
(放電反応)
Li→Li+e (3)
なお、充電時の負極においては、式(3)の逆反応であるリチウムの析出反応が起こる。
(IV)他の要素
本発明のリチウム空気二次電池は、上記構成要素に加え、セパレータ、電池ケース、金属メッシュ(例えばチタンメッシュ)などの構造部材、その他のリチウム空気二次電池に要求される要素を含むことができる。これらは、従来公知のものを使用することができる。
(V)リチウム空気二次電池の調製
本発明のリチウム空気二次電池は、上述した通り、少なくとも空気極(正極)、負極及び電解質を含み、例えば図1に示されるように、空気極と負極の間に上述した金属BisPP錯体を含有する電解質を狭持するように構成される。このような構成のリチウム空気二次電池は、従来型の二次電池と同様に調製することができる。
一実施形態では、例えば図2のような円柱形のリチウム空気二次電池を調製することができる。具体的には、まず、空気極を、絶縁被覆された空気極支持体に配置して固定する。負極は、負極支持体に固定する。空気二次電池の内部(空気極と負極の間となる部分)に、上述したような金属BisPP錯体を含有した電解質を充填し、負極が空気極の大気と接する面と逆の面に配置されるように負極支持体を被せて空気二次電池全体を固定する。
上記構成要素に加え、空気極と負極の間となる部分にはセパレータ等の部材を配置することができ、その他絶縁部材、Oリング、固定具などを適宜配置することができる。
本発明のリチウム空気二次電池は、電気自動車やスマートフォン等のモバイル機器の駆動を大幅に長時間化することが期待できる。
[実施例]
以下に添付図面を参照して、本発明に係るリチウム空気二次電池についての実施例を詳細に説明する。なお、本発明は下記の実施例に示したものに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
(実施例1)
[Mn(BisPP)錯体の作製とこれを含む電解液の調製]
市販のBisPP配位子(Aldrich社製)と市販の塩化Mn(II)四水和物(MnCl・4HO)(Aldrich社製)をモル比1:1でスクリューキャップ付き試験管に入れた。磁気撹拌子及びエタノール5mlを加え、撹拌した。この溶液を吸引濾過し、空気中において80℃で、60分乾燥させた。この粉末を電気炉に入れ、アルゴン雰囲気下400℃で2時間熱処理を行い、Mn(BisPP)錯体粉末を作製した。
このMn(BisPP)錯体を、有機電解液の重量に対して2.0重量%の重量で有機電解液に混合した。混合する際、ホモジナイザーを用いて最大出力で約2時間の分散を行った。また、有機電解液はLiTFSIを有機溶媒[テトラエチレングリコールジメチルエーテル(TEGDME)]に1mol/Lの濃度で溶解したものを用いた。
なお、Mn(BisPP)錯体の混合重量は、2.0重量%に限定されるものではなく、有機電解液の全重量を基準として0.1〜10重量%の範囲であればよい。
空気極用の触媒として公知であるマンガン酸化物(MnO)を用いて、リチウム空気二次電池セルを以下の手順で作製した。マンガン酸化物(MnO)は市販試薬(関東化学社製)を用いた。
マンガン酸化物(MnO)粉末、ケッチェンブラック粉末及びポリフッ化ビニリデン(PVDF)粉末を10:72:18の重量比で、ミキサーを用いてN‐メチル‐2‐ピロリドン(NMP)に十分混合し、スラリーを作製した。このスラリーを直径16mmのカーボンシートに塗布し、90℃の真空乾燥機に入れ、一晩乾燥させ、ガス拡散型の空気極を得た。
図2に示す断面構造を有する円柱形のリチウム空気二次電池セルを作製した。図2は、リチウム空気二次電池セルの断面図である。リチウム空気電池セルは、露点が−60℃以下の乾燥空気中で、以下の手順で作製した。
上記の方法で調製した空気極(正極)1を、PTFEで被覆された空気極支持体2の凹部に配置し、空気極固定用のPTFEリング3で固定した。なお、空気極1と空気極支持体2が接触する部分は、電気的接触をとるためにPTFEによる被覆を施さないものとした。また、空気極1と空気とが接触する電極の有効面積は2cmとした。
次に、空気極1と大気が接触する面とは逆の面に、リチウム二次電池用のセパレータ5を凹部の底面に配置した。続いて、図2に示すような負極固定用座金7に負極8である厚さ150μmの4枚の金属リチウム箔(有効面積:2cm)を同心円上に重ねて圧着した。続いて、負極固定用のPTFEリング6を、空気極1を設置する凹部と対向する逆の凹部に配置し、中央部に金属リチウムが圧着された負極固定用座金7を更に配置した。続いて、Oリング9を、図2に示すように正極支持体2の底部に配置した。
次に、セルの内部(正極1と負極8との間)に、有機電解液10を充填し、負極支持体11を被せて、セル固定用ねじ12で、セル全体を固定した。有機電解液10は、上述のMn(BisPP)錯体含有有機電解液(1mol/l:LiTFSI/TEGDME溶液)を用いた。
続いて、正極端子4を正極支持体2に設置し、負極端子13を負極支持体11に設置した。
電池のサイクル試験は、充放電測定システム(Bio Logic社製)を用いて、空気極1の有効面積当たりの電流密度で0.1mA/cmを通電し、開回路電圧から電池電圧が、2.0Vに低下するまで放電電圧の測定を行った。電池の充電試験は、放電時と同じ電流密度で、電池電圧が、4.4Vに達するまで行った。電池の充放電試験は、通常の生活環境下で行った。充放電容量は空気極(カーボン+酸化物+PVDF)重量当たりの値(mAh/g)で表した。
電流密度で0.1mA/cmを通電した場合の初回の放電及び充電曲線を図3に示す。平均充放電電圧は、図中に示すように、全放電容量の中間値時の放電電圧及び充電電圧と定義する。表1に、本実施例の性能を示した。
図3より、Mn(BisPP)錯体含有1mol/LLiTFSI/TEGDME溶液を有機電解液に用いたときの平均放電電圧は2.77Vであり、初回放電容量は1,500mAh/gであることが分かる。また、平均放電電圧と平均充電電圧の差(ΔV)は、0.78Vであった。このMn(BisPP)錯体含有1mol/LLiTFSI/TEGDME溶液を有機電解液として使用したリチウム空気二次電池は、非特許文献1及び2で報告されたものよりも初回放電容量が高く、且つ、ΔVが小さい値であることがわかった。
放電容量のサイクル依存性を表1に示す。表1に示されるように、本実施例(実施例1)では充放電サイクルを100回繰り返しても、放電容量は50%維持された。
このように、Mn(BisPP)錯体含有1mol/LLiTFSI/TEGDME溶液を有機電解液として使用したリチウム空気二次電池は、電池性能を向上できることが確認された。
(実施例2)
[Cr(BisPP)錯体の作成とこれを含む電解液の調製]
市販のBisPP配位子(Aldrich社製)と市販の塩化Cr(III)六水和物(CrCl・6HO)(Aldrich社製)をモル比1:1でスクリューキャップ付き試験管に入れた。磁気撹拌子及びエタノール5mlを加え、撹拌した。この溶液を吸引濾過し、空気中において80℃で60分乾燥させた。この粉末を電気炉に入れ、アルゴン雰囲気下、400℃で2時間熱処理を行い、Cr(BisPP)錯体粉末を作製した。
このCr(BisPP)錯体を、有機電解液の重量に対して2.0重量%の重量で有機電解液に混合した。他の条件は、すべて実施例1と同様にして、セルを作製し、電池性能の評価を行った。
本実施例の測定結果を、表1に併せて示す。表1より、初回放電容量は、1320mAh/gの高い値を示した。また、充放電サイクルを100回繰り返したところ、初回放電容量の52%が維持された。このように、有機電解液の添加剤としてCr(BisPP)錯体を用いた場合においても本発明のリチウム空気二次電池の電池性能を向上できることが確認された。
(実施例3)
[Fe(BisPP)錯体の作製とこれを含む電解液の調製]
市販のBisPP配位子(Aldrich社製)と市販の塩化Fe(III)六水和物(FeCl・6HO)(Aldrich社製)をモル比1:1でスクリューキャップ付き試験管に入れた。磁気撹拌子及びエタノール5mlを加え、撹拌した。この溶液を吸引濾過し、空気中において80℃で60分乾燥させた。この粉末を電気炉に入れ、アルゴン雰囲気下、400℃で2時間熱処理を行い、Fe(BisPP)錯体粉末を作製した。
このFe(BisPP)錯体を、有機電解液の重量に対して2.0重量%の重量で有機電解液に混合した。他の条件は、すべて実施例1と同様にして、セルを作製し、電池性能の評価を行った。
本実施例の測定結果を、表1に併せて示す。表1より、初回放電容量は、1215mAh/gの高い値を示した。また、充放電サイクルを100回繰り返したところ、初回放電容量の52%が維持された。このように、有機電解液の添加剤としてFe(BisPP)錯体を用いた場合においても本発明のリチウム空気二次電池の電池性能を向上できることが確認された。
(実施例4)
[Ru(BisPP)錯体の作成とこれを含む電解液の調製]
市販のBisPP配位子(Aldrich社製)と市販の塩化Ru(III)水和物(RuCl・xHO)(Aldrich社製)をモル比1:1でスクリューキャップ付き試験管に入れた。磁気撹拌子及びエタノール5mlを加え、撹拌した。この溶液を吸引濾過し、空気中において80℃で60分乾燥させた。この粉末を電気炉に入れ、アルゴン雰囲気下、400℃で2時間熱処理を行い、Ru(BisPP)錯体粉末を作製した。
このRu(BisPP)錯体を、有機電解液の重量に対して2.0重量%の重量で有機電解液に混合した。他の条件は、すべて実施例1と同様にして、セルを作製し、電池性能の評価を行った。
本実施例の測定結果を、表1に併せて示す。表1より、初回放電容量は1186mAh/gの高い値を示した。また、充放電サイクルを100回繰り返したところ、初回放電容量の61%が維持された。このように、有機電解液の添加剤としてRu(BisPP)錯体を用いた場合においても本発明のリチウム空気二次電池の電池性能を向上できることが確認された。
(実施例5)
[Co(BisPP)錯体の作製とこれを含む電解液の調製]
市販のBisPP配位子(Aldrich社製)と市販の塩化Co(II)水和物(CoCl・HO)(Aldrich社製)をモル比1:1でスクリューキャップ付き試験管に入れた。磁気撹拌子及びエタノール5mlを加え、撹拌した。この溶液を吸引濾過し、空気中において80℃で60分乾燥させた。この粉末を電気炉に入れ、アルゴン雰囲気下、400℃で2時間熱処理を行い、Co(BisPP)錯体粉末を作製した。
このCo(BisPP)錯体を、有機電解液の重量に対して2.0重量%の重量で有機電解液を混合した。他の条件は、すべて実施例1と同様にして、セルを作製し、電池性能の評価を行った。
本実施例の測定結果を、表1に併せて示す。表1より、初回放電容量は1427mAh/gの高い値を示した。また、充放電サイクルを100回繰り返したところ、初回放電容量の56%が維持された。このように、有機電解液の添加剤としてCo(BisPP)錯体を用いた場合においても本発明のリチウム空気二次電池の電池性能を向上できることが確認された。
(実施例6)
[V(BisPP)錯体の作成とこれを含む電解液の調製]
市販のBisPP配位子(Aldrich社製)と市販の酸化硫酸バナジウム(IV)n水和物(VOSO・nHO)(Aldrich社製)をモル比1:IV1でスクリューキャップ付き試験管に入れた。磁気撹拌子及びエタノール5mlを加え、撹拌した。この溶液を吸引濾過し、空気中において80℃で60分乾燥させた。この粉末を電気炉に入れ、アルゴン雰囲気下、400℃で2時間熱処理を行い、V(BisPP)錯体粉末を作製した。
このV(BisPP)錯体を、有機電解液の重量に対して2.0重量%の重量で有機電解液に混合した。他の条件は、すべて実施例1と同様にして、セルを作製し、電池性能の評価を行った。
本実施例の測定結果を、表1に併せて示す。表1より、初回放電容量は1154mAh/gの高い値を示した。また、充放電サイクルを100回繰り返したところ、初回放電容量の51%が維持された。このように、有機電解液の添加剤としてV(BisPP)錯体を用いた場合においても本発明のリチウム空気二次電池の電池性能を向上できることが確認された。
(実施例7)
[Ti(BisPP)錯体の作成とこれを含む電解液の調製]
市販のBisPP配位子(Aldrich社製)と市販の硫酸チタン(IV)n水和物(Ti(SO・nHO)(Aldrich社製)をモル比1:1でスクリューキャップ付き試験管に入れた。磁気撹拌子及びエタノール5mlを加え、撹拌した。この溶液を吸引濾過し、空気中において80℃で60分乾燥させた。この粉末を電気炉に入れ、アルゴン雰囲気下、400℃で2時間熱処理を行い、Ti(BisPP)錯体粉末を作製した。
このTi(BisPP)錯体を、有機電解液の重量に対して2.0重量%の重量で有機電解液に混合した。他の条件は、すべて実施例1と同様にして、セルを作製し、電池性能の評価を行った。
本実施例の測定結果を、表1に併せて示す。表1より、初回放電容量は1264mAh/gの高い値を示した。また、充放電サイクルを100回繰り返したところ、初回放電容量の57%が維持された。このように、有機電解液の添加剤としてTi(BisPP)錯体を用いた場合においても本発明のリチウム空気二次電池の電池性能を向上できることが確認された。
(実施例8)
[Rh(BisPP)錯体の作成とこれを含む電解液の調製]
市販のBisPP配位子(Aldrich社製)と市販の塩化ロジウム(III)n水和物(RhCl・nHO;)(Aldrich社製)をモル比1:1でスクリューキャップ付き試験管に入れた。磁気撹拌子及びエタノール5mlを加え、撹拌した。この溶液を吸引濾過し、空気中において80℃で60分乾燥させた。この粉末を電気炉に入れ、アルゴン雰囲気下、400℃で2時間熱処理を行い、Rh(BisPP)錯体粉末を作製した。
このRh(BisPP)錯体を、有機電解液の重量に対して2.0重量%の重量で有機電解液に混合した。他の条件は、すべて実施例1と同様にして、セルを作製し、電池性能の評価を行った。
本実施例の測定結果を、表1に併せて示す。表1より、初回放電容量は1319mAh/gの高い値を示した。また、充放電サイクルを100回繰り返したところ、初回放電容量の54%が維持された。このように、有機電解液の添加剤としてCr(BisPP)錯体を用いた場合においても本発明のリチウム空気二次電池の電池性能を向上できることが確認された。
(実施例9、10)
本実施例では、実施例1のMn(BisPP)錯体を用い、これを以下の混合重量で有機電解液へ混合した例である。
(実施例9):混合重量0.1重量%
(実施例10):混合重量10重量%
上記以外の他の条件は、すべて実施例1と同様にして、セルを作製し、電池性能の評価を行った。
本実施例の測定結果を表1に併せて示す。表1より、混合重量を10重量%とした場合でも、初回放電容量1470mAh/gの高い容量を示した。また、充放電サイクルを100回繰り返したところ、初回放電容量の51%が維持された。混合重量を0.1重量%とした場合も、同様の結果を示した。このように、有機電解液の添加剤としてMn(BisPP)錯体を0.1重量%及び10重量%と混合重量を変えた場合においても本発明のリチウム空気二次電池の電池性能を向上できることが確認された。
(実施例11、12)
本実施例では、実施例2のCr(BisPP)錯体を用い、これを以下の混合重量で有機電解液へ混合した例である。
(実施例11):混合重量0.1重量%
(実施例12):混合重量10重量%
上記以外の他の条件は、すべて実施例1と同様にして、セルを作製し、電池性能の評価を行った。
本実施例の測定結果を表1に併せて示す。表1より、混合重量を10重量%とした場合でも、初回放電容量1289mAh/gの高い容量を示した。また、充放電サイクルを100回繰り返したところ、初回放電容量の50%が維持された。混合重量を0.1重量%とした場合も、同様の結果を示した。このように、有機電解液の添加剤としてCr(BisPP)錯体を0.1重量%及び10重量%と混合重量を変えた場合においても本発明のリチウム空気二次電池の電池性能を向上できることが確認された。
(実施例13、14)
本実施例では、実施例3のFe(BisPP)錯体を用い、これを以下の混合重量で有機電解液へ混合した例である。
(実施例13):混合重量0.1重量%
(実施例14):混合重量10重量%
上記以外の他の条件は、すべて実施例1と同様にして、セルを作製し、電池性能の評価を行った。
本実施例の測定結果を表1に併せて示す。表1より、混合重量を10重量%とした場合でも、初回放電容量1196mAh/gの高い容量を示した。また、充放電サイクルを100回繰り返したところ、初回放電容量の52%が維持された。混合重量を0.1重量%とした場合も、同様の結果を示した。このように、有機電解液の添加剤としてFe(BisPP)錯体を0.1重量%及び10重量%と混合重量を変えた場合においても本発明のリチウム空気二次電池の電池性能を向上できることが確認された。
(実施例15、16)
本実施例では、実施例4のRu(BisPP)錯体を用い、これを以下の混合重量で有機電解液へ混合した例である。
(実施例13):混合重量0.1重量%
(実施例14):混合重量10重量%
上記以外の他の条件は、すべて実施例1と同様にして、セルを作製し、電池性能の評価を行った。
本実施例の測定結果を表1に併せて示す。表1より、混合重量を10重量%とした場合でも、初回放電容量1157mAh/gの高い容量を示した。また、充放電サイクルを100回繰り返したところ、初回放電容量の60%が維持された。混合重量を0.1重量%とした場合も、同様の結果を示した。このように、有機電解液の添加剤としてRu(BisPP)錯体を0.1重量%及び10重量%と混合重量を変えた場合においても本発明のリチウム空気二次電池の電池性能を向上できることが確認された。
(実施例17、18)
本実施例では、実施例5のCo(BisPP)錯体を用い、これを以下の混合重量で有機電解液へ混合した例である。
(実施例17):混合重量0.1重量%
(実施例18):混合重量10重量%
上記以外の他の条件は、すべて実施例1と同様にして、セルを作製し、電池性能の評価を行った。
本実施例の測定結果を表1に併せて示す。表1より、混合重量を10重量%とした場合でも、初回放電容量1379mAh/gの高い容量を示した。また、充放電サイクルを100回繰り返し、初回放電容量の56%が維持された。混合重量を0.1重量%とした場合も、同様の結果を示した。このように、有機電解液の添加剤としてCo(BisPP)錯体を0.1重量%及び10重量%と混合重量を変えた場合においても本発明のリチウム空気二次電池の電池性能を向上できることが確認された。
(実施例19、20)
本実施例では、実施例6のV(BisPP)錯体を用い、これを以下の混合重量で有機電解液へ混合した例である。
(実施例19):混合重量0.1重量%
(実施例20):混合重量10重量%
上記以外の他の条件は、すべて実施例1と同様にして、セルを作製し、電池性能の評価を行った。
本実施例の測定結果を表1に併せて示す。表1より、混合重量を10重量%とした場合でも、初回放電容量1077mAh/gの高い容量を示した。また、充放電サイクルを100回繰り返し、初回放電容量の53%が維持された。混合重量を0.1重量%とした場合も、同様の結果を示した。このように、有機電解液の添加剤としてV(BisPP)錯体を0.1重量%及び10重量%と混合重量を変えた場合においても本発明のリチウム空気二次電池の電池性能を向上できることが確認された。
(実施例21、22)
本実施例では、実施例7のTi(BisPP)錯体を用い、これを以下の混合重量で有機電解液へ混合した例である。
(実施例21):混合重量0.1重量%
(実施例22):混合重量10重量%
上記以外の他の条件は、すべて実施例1と同様にして、セルを作製し、電池性能の評価を行った。
本実施例の測定結果を表1に併せて示す。表1より、混合重量0.1重量%とした場合でも、初回放電容量1224mAh/gの高い容量を示した。また、充放電サイクルを100回繰り返したところ、初回放電容量の57%が維持された。混合重量を10重量%とした場合も、同様の結果を示した。このように、有機電解液の添加剤としてTi(BisPP)錯体を0.1重量%及び10重量%と混合重量を変えた場合においても本発明のリチウム空気二次電池の電池性能を向上できることが確認された。
(実施例23、24)
本実施例では、実施例8のRh(BisPP)錯体を用い、これを以下の混合重量で有機電解液へ混合した例である。
(実施例21):混合重量0.1重量%
(実施例22):混合重量10重量%
上記以外の他の条件は、すべて実施例1と同様にして、セルを作製し、電池性能の評価を行った。
本実施例の測定結果を表1に併せて示す。表1より、混合重量を10重量%とした場合でも、初回放電容量1299mAh/gの高い容量を示した。また、充放電サイクルを100回繰り返したところ、初回放電容量の57%が維持された。混合重量を0.1重量%とした場合も、同様の結果を示した。このように、有機電解液の添加剤としてRh(BisPP)錯体を0.1重量%及び10重量%と混合重量を変えた場合においても本発明のリチウム空気二次電池の電池性能を向上できることが確認された。
(比較例1)
有機電解液として1mol/lのLiTFSI/TEGDME溶液を用いて、リチウム空気二次電池セルを実施例1と同様にして作製した。有機電解液以外のリチウム空気二次電池の作製条件及びサイクル試験の条件は、実施例1と同様である。
本実施例の測定結果を、表1に併せて示す。表1より、初期容量は887mAh/gと小さく、且つ、サイクルを繰り返すと、放電容量は著しく減少し、100サイクル後には容量維持率が37%と小さな値しか得られなかった。
以上の結果より、本発明のように金属(BisPP)錯体を添加した有機電解液を使用したリチウム空気二次電池は、公知の材料よりも、放電容量及び電圧に関してサイクル特性に優れており、リチウム空気二次電池用空気極触媒として有効であることが確認された。
有機電解液の添加剤として金属(BisPP)錯体を用いることにより、充放電サイクル性能に優れたリチウム空気二次電池を作製することができ、様々な電子機器の駆動源として有効利用することができる。
1 空気極(正極)
2 正極支持体(PTFE被覆)
3 正極固定用リング(PTFEリング)
4 空気極端子
5 セパレータ
6 負極固定用リング(PTFEリング)
7 負極固定用座金
8 負極
9 Oリング
10 有機電解液
11 負極支持体
12 セル固定ねじ(PTFE被覆)
13 負極端子
100 リチウム空気二次電池
102 空気極
104 負極
106 有機電解液
200 リチウム空気二次電池セル。

Claims (3)

  1. カーボン、触媒及び結着剤を含む空気極と、
    金属リチウム又はリチウム含有物質を含む負極と、
    前記空気極と前記負極に接する有機電解質とを含み、
    前記有機電解質は、金属2,6−ビス(2−ピリジル)−4(1H)−ピリドン錯体を含むことを特徴とするリチウム空気二次電池。
  2. 前記金属2,6−ビス(2−ピリジル)−4(1H)−ピリドン錯体の金属が、Mn、Cr、Fe、Ru、Co、V、Ti又はRhから選択されることを特徴とする請求項1記載のリチウム空気二次電池。
  3. 前記金属2,6−ビス(2−ピリジル)−4(1H)−ピリドン錯体が、有機電解質の全重量を基準として、0.1〜10重量%で、前記有機電解質に含まれることを特徴とする請求項1又は2に記載のリチウム空気二次電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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