JP2013527567A - 充電式金属空気電池のための可溶性酸素発生触媒 - Google Patents

充電式金属空気電池のための可溶性酸素発生触媒 Download PDF

Info

Publication number
JP2013527567A
JP2013527567A JP2013506357A JP2013506357A JP2013527567A JP 2013527567 A JP2013527567 A JP 2013527567A JP 2013506357 A JP2013506357 A JP 2013506357A JP 2013506357 A JP2013506357 A JP 2013506357A JP 2013527567 A JP2013527567 A JP 2013527567A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
battery
group
oxygen
battery according
groups
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013506357A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013527567A5 (ja
Inventor
グレゴリー ヴィー チェイス
ストラヒニャ ゼチェヴィッチ
ウェズリー ウォーカー
ヤシム ウディン
ケンジ エイ ササキ
ヴァンサン ジョルダーニ
ヴァチェスラフ ブリャンツェフ
マリオ ブランコ
ダン ディー アディソン
Original Assignee
リオクス パワー インコーポレイテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by リオクス パワー インコーポレイテッド filed Critical リオクス パワー インコーポレイテッド
Publication of JP2013527567A publication Critical patent/JP2013527567A/ja
Publication of JP2013527567A5 publication Critical patent/JP2013527567A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M8/00Fuel cells; Manufacture thereof
    • H01M8/02Details
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M12/00Hybrid cells; Manufacture thereof
    • H01M12/08Hybrid cells; Manufacture thereof composed of a half-cell of a fuel-cell type and a half-cell of the secondary-cell type
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M10/00Secondary cells; Manufacture thereof
    • H01M10/05Accumulators with non-aqueous electrolyte
    • H01M10/052Li-accumulators
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M12/00Hybrid cells; Manufacture thereof
    • H01M12/04Hybrid cells; Manufacture thereof composed of a half-cell of the fuel-cell type and of a half-cell of the primary-cell type
    • H01M12/06Hybrid cells; Manufacture thereof composed of a half-cell of the fuel-cell type and of a half-cell of the primary-cell type with one metallic and one gaseous electrode
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/36Selection of substances as active materials, active masses, active liquids
    • H01M4/38Selection of substances as active materials, active masses, active liquids of elements or alloys
    • H01M4/381Alkaline or alkaline earth metals elements
    • H01M4/382Lithium
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/86Inert electrodes with catalytic activity, e.g. for fuel cells
    • H01M4/8605Porous electrodes
    • H01M4/8626Porous electrodes characterised by the form
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/86Inert electrodes with catalytic activity, e.g. for fuel cells
    • H01M4/90Selection of catalytic material
    • H01M4/9008Organic or organo-metallic compounds
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/86Inert electrodes with catalytic activity, e.g. for fuel cells
    • H01M4/90Selection of catalytic material
    • H01M4/92Metals of platinum group
    • H01M4/923Compounds thereof with non-metallic elements
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M2300/00Electrolytes
    • H01M2300/0017Non-aqueous electrolytes
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Abstract

充電式金属空気電池、金属空気電池で使用するための空気電極、およびその製造方法を提供する。本電池は、活性金属イオンを取り込み、放出することが可能な負電極と、電気活性材料として酸素を使用する、多孔質正電極と、負電極と正電極との間でイオンを伝導するように構成され、かつ1つ以上の相を含む、電解質と、を備え、少なくとも1つの相は、少なくとも部分的に正電極の細孔を満たす、液体を含み、この液体は、酸素発生触媒(OEC)を備える。OECは、a)正電極孔を部分的に満たす相の液体に可溶であり、b)平衡セル電圧を超える電位で電気化学的に活性化され、c)充電式金属空気電池の放電中に生成される金属酸化物放電生成物を酸化させることによって、酸素ガスを発生させることが可能である。
【選択図】図4

Description

関連出願の相互参照
本明細書は、2010年4月23日に出願の米国特許出願第61/327,304号、および2010年10月11日に出願の米国特許出願第61/392,014号の先の出願日の利益を主張し、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本発明は、概して、充電式電池、および電極、ならびに充電式電池で使用するための材料に関する。具体的には、本発明は、充電式金属空気電池、その中で使用される空気電極のための触媒材料、および関連する物品、ならびに製造方法に関する。
電気化学セルは、化学エネルギーを電気エネルギーに、逆もまた同様に変換する。電池は、所望の出力電圧および/または電荷容量を提供するように構成される、1つ以上の電気化学セルのアセンブリを備える。本発明において、「電池」という用語は、電気化学的発電、ならびに単一のセルおよび複数のセルを備える貯蔵デバイスを説明するために使用される。
電池は、放電および充電されるので、その電圧が平衡セル電圧とは異なる。放電中のエネルギー出力および充電中のエネルギー入力は、電圧と、移動する電荷量とを乗算して積分したものに等しい。充電式電池の場合、充電中のエネルギー入力が、放電中のエネルギー出力を大幅に超えないこと、およびバッテリが、多数の充放電サイクル中に、容量および電圧プロファイル等のバッテリの主な性能性質を維持することが望ましい。
鉛酸蓄電池およびリチウムイオン電池等の、現在の市販の充電式電池は、エネルギー密度および特異的エネルギーの本質的限界に近づきつつある、成熟した技術である。所望の性能改善を達成するためには、新しい電極材料および電池システムが必要である。現在の関心の技術的目標は、価格および駆動範囲において、内燃機関自動車と競合する電気自動車の開発であり、その目標は、充電式電池の分野における顕著な改善の達成に依存する。
これまでは、活性金属イオンを放出することが可能である負電極の、電気活性材料として分子酸素を使用する正電極への電気化学的結合が、比較的に高い比エネルギーおよびエネルギー密度を伴う電池を提供することができるものと認識されていた。「空気電極」および「酸素電極」という用語は、しばしば、正電極を指すために使用される。本発明において、「空気電極」という用語が全体を通して採用されるが、これらの用語は、本明細書では、同義であるとみなされる。負電極は、電気化学的酸化(放電)に応じて活性金属イオンを放出して、電気化学的還元(充電)に応じて活性金属イオンを取り込むことが可能であり得る。特に高容量の金属空気電池化学は、非プロトン性電解質およびアルカリまたはアルカリ土類活性金属イオンを用いる、金属空気電池を含む。表1は、選択された金属空気電池化学に応じた空気電極、および比較のためのリチウムイオン電池用のLiFePO4正電極の、理論容量を列記する。
Figure 2013527567
表1から、金属空気電池は、現在のリチウムイオン電池よりも大幅に高い理論容量によって特徴付けられることが分かる。したがって、この潜在的性能を実現する充電式金属空気電池を開発することが非常に望ましい。しかしながら、商業的応用のための十分なサイクル性能を伴う充電式金属空気電池を設計することは、非常に困難であることが証明されている。充電式金属空気電池に関するいくつかの問題は、負電極に関連している。例えば、純金属から成る負電極は、電気めっき中、およびバッテリがサイクルする時に起こるリッピング中の樹枝状結晶の形成等の、形態学的変化を受ける傾向があり、いくつかの場合では、不可逆的容量損失および/または電気的短絡を引き起こす。他の主な問題は、空気電極の動作に関連する。具体的には、従来の不均質電解触媒を用いた空気電極では、電池の放電中に空気電極の中で生成される金属酸化物の酸化は、エネルギー的および電量的に非効率的である。市販のエネルギー貯蔵応用のために充電式金属空気電池を開発するための必要条件は、空気電極のサイクル性質を改善するために、新しい触媒材料を設計することである。
従来の不均質電解触媒の代替物を用いた充電式金属空気電池および空気電極を、関連物品および製造方法とともに説明する。そのような電池は、従来の金属空気電池と比較して、低い充電電圧、高い充電速度、および/または改善されたサイクル寿命といった、改善された性能特性を呈し得る。
1つの態様では、充電式金属空気電池が提供される。本電池は、活性金属イオンを取り込み、放出することが可能な負電極と、電気活性材料として酸素を使用する、多孔質正電極と、負電極と正電極との間でイオンを伝導するように構成され、かつ1つ以上の相を含む、電解質と、を備え、少なくとも1つの相は、少なくとも部分的に正電極の孔を満たす、液体を含み、この液体は、酸素発生触媒(OEC)を備える。OECは、a)正電極孔を部分的に満たす相の液体に可溶であり、b)平衡セル電圧を超える電位で電気化学的に活性化され、c)充電式金属空気電池の放電中に生成される金属酸化物放電生成物を酸化させることによって、酸素ガスを発生させることが可能である。
特定の実施形態では、OECは、無機アニオンを含む。いくつかの実施形態では、OECは、ハロゲン化物を含む。いくつかの実施形態では、ハロゲン化物は、I-である。他の実施形態では、OECは、擬ハロゲン化物である。いくつかの実施形態では、OECは、ポリオキソメタレートを含む。
特定の実施形態では、OECは、共役化合物を含む。いくつかの実施形態では、OECは、芳香族化合物を含む。いくつかの実施形態では、OECは、窒素含有芳香族化合物を含む。いくつかの実施形態では、OECは、硫黄、セレニウム、およびテルリウムのうちの1つ以上を含有する芳香族化合物を含む。いくつかの実施形態では、OECは、酸素含有芳香族化合物含有を含む。いくつかの実施形態では、OECは、リン含有芳香族化合物を含む。いくつかの実施形態では、OECは、多環芳香族化合物を含む。
特定の実施形態では、OECは、正電極の孔を満たす電解質相内に含有されるポリマー構造に付加的に取り付けられる。いくつかの実施形態では、ポリマー構造は、正電極の孔を部分的に満たすゲルの電解質相の材料成分である。いくつかの実施形態では、ポリマー構造の一方の端部は、正電極の表面に化学的にグラフトされる。
特定の実施形態では、OECは、平衡セル電圧より1.5V未満高い平衡電位を有する。いくつかの実施形態では、OECは、平衡セル電圧より1V未満高い平衡電位を有する。いくつかの実施形態では、OECは、平衡セル電圧より0.5V未満高い平衡電位を有する。いくつかの実施形態では、OECは、平衡セル電圧より0.4V未満高い平衡電位を有する。いくつかの実施形態では、OECは、平衡セル電圧より0.3V未満高い平衡電位を有する。いくつかの実施形態では、OECは、平衡セル電圧より0.2V未満高い平衡電位を有する。いくつかの実施形態では、OECは、平衡セル電圧より0.1V未満高い平衡電位を有する。
特定の実施形態では、OECは、100以上のターンオーバー数を有する。いくつかの実施形態では、OECは、500以上のターンオーバー数を有する。いくつかの実施形態では、OECは、1000以上のターンオーバー数を有する。いくつかの実施形態では、OECは、5000以上のターンオーバー数を有する。いくつかの実施形態において、OECは、10,000以上のターンオーバー数を有する。
特定の実施形態では、OECは、0.05M以上である正電極を部分的に満たす電解質相の液体への溶解性を有する。特定の実施形態では、OECは、0.1M以上である正電極を部分的に満たす電解質相の液体への溶解性を有する。特定の実施形態では、OECは、0.5M以上である正電極を部分的に満たす電解質相の液体への溶解性を有する。特定の実施形態では、OECは、1.0M以上である正電極を部分的に満たす電解質相の液体への溶解性を有する。特定の実施形態では、OECは、2.0M以上である正電極を部分的に満たす電解質相の液体への溶解性を有する。
特定の実施形態では、正電極の孔を部分的に満たす電解質相の液体は、極性非プロトン溶媒である。いくつかの実施形態では、極性非プロトン溶媒は、エーテル、グリム、炭酸塩、ニトリル、アミド、アミン、有機硫黄溶媒、有機リン溶媒、有機ケイ素溶媒、フッ素化溶媒、およびイオン液体から成る群から選択される、1つ以上の溶媒を含む。
特定の実施形態では、電解質は、正電極と負電極との間に間置される第2の相を含み、酸素発生触媒に対して半透過性および実質的に不透過性である。いくつかの実施形態では、第2の電解質相は、ポリマーを含む。いくつかの実施形態では、第2の電解質相は、ガラスセラミックを含む。いくつかの実施形態では、第2の電解質相は、固体電解質中間相(SEI)を備える。
特定の実施形態では、電解質は、アニオン受容体、カチオン受容体、およびSEI形成剤から成る群から選択される、1つ以上の添加剤を含有する。
特定の実施形態において、負電極は、Liイオンを取り込み、放出することが可能である。いくつかの実施形態では、正電極は、Li22またはLi2Oをさらに含む。他の実施形態では、負電極は、Naイオンを取り込み、放出することが可能である。いくつかの実施形態では、正電極は、Na22またはNa2Oをさらに含む。他の実施形態では、負電極は、Mgイオンを取り込み、放出することが可能である。いくつかの実施形態では、正電極は、MgOまたはMgO2をさらに含む。他の実施形態では、負電極は、Caイオンを取り込み、放出することが可能である。いくつかの実施形態、正電極は、CaOまたはCaO2をさらに含む。
特定の実施形態では、負電極は、Si、Ge、Sn、Sb、Al、Mg、およびBiから成る群から選択される、1つ以上の合金材料をさらに含む。他の実施形態では、負電極は、遷移金属水素化物、遷移金属窒化物、遷移金属酸化物、遷移金属フッ化物、遷移金属硫化物、遷移金属アンチモン化物、および遷移金属リン化物から成る群から選択される、1つ以上の転換反応材料をさらに含む。
別の態様では、充電式金属空気電池を製造する方法が提供される。該方法は、a)OECを備える、第1の構成要素を提供することと、b)金属酸化物放電生成物を含む、第2の構成要素を提供することと、c)第1の構成要素および第2の構成要素を備える、空気電極を形成することと、d)活性金属イオンを取り込み、放出することが可能な負電極を提供することと、e)電解質を使用して負電極と空気電極の間の接続を形成することと、を含む。
別の態様では、金属空気電池で使用するための空気電極が提供される。空気電極は、a)電子伝導性成分と、b)金属酸化物放出生成物と、c)OECと、を含む。いくつかの実施形態では、金属酸化物放電生成物は、20質量%以上の量で空気電極中に含まれる。いくつかの実施形態では、金属酸化物放電生成物は、40質量%以上の量で空気電極中に含まれる。いくつかの実施形態では、金属酸化物放電生成物は、60質量%以上の量で空気電極中に含まれる。いくつかの実施形態では、金属酸化物放電生成物は、80質量%以上の量で空気電極中に含まれる。いくつかの実施形態では、金属酸化物放電生成物は、Na22またはNa2Oである。他の実施形態では、金属酸化物放電生成物は、MgOまたはMgO2である。他の実施形態では、金属酸化物放電生成物は、CaOまたはCaO2である。他の実施形態では、金属酸化物放電生成物は、Li22またはLi2Oである。いくつかの実施形態では、空気電極は、金属酸化物が90%を超えて酸化されるように、0.2mA/cm2を超える電流密度で、平衡セル電圧より1V以下高い電圧まで金属空気電池に充電することが可能である。
別の態様では、充電式金属空気電池で使用するための触媒材料が提供され、該触媒材料は、a)電池に用いられる液体に可溶であり、b)平衡セル電圧を超える電位で電気化学的に活性化され、c)金属酸化物放電生成物を酸化させることによって、酸素ガスを発生させることが可能である。
限定的でない実施形態を、添付図面を参照して説明する。概略図および他の表現は、説明される実施形態の態様を明確にすること、および例証することを意図しており、一定の縮尺で描画することを意図していない。図面中、同一またはほぼ同一の各構成要素は、単一の数字によって表される。明確にする目的で、当業者が本発明を理解できるようにするための図示が不要である場合、全ての図面内の全ての構成要素に参照符号が付されるわけではなく、また、示される各実施形態の全ての構成要素が示されるわけではない。
特定の実施形態による充電式金属空気電池の中の可溶性酸素発生触媒の作用原理を例証する図である。 Li−空気電池の放電を概略的に例証する図である。 従来の不均質電解触媒を含有するLi−空気電池の充電を概略的に例証する図である。 特定の実施形態による、酸素発生触媒を含有する本発明のLi−空気電池の充電を概略的に例証する図である。 特定の実施形態による、本発明の酸素発生触媒を含有するLi−空気電池の充電、ならびに正電極と負電極との間に間置される半透過性電解質相を概略的に例証する図である。 特定の実施形態による、どちらも自由に拡散してポリマー構造に取り付けられる酸素発生触媒を通して、金属酸化物放電生成物と電極表面との間の電荷伝搬を例証する図である。 特定の実施形態による、ペンダントとしてポリマー鎖に結合されたトリアリールアミン酸素発生触媒を表す図である。 特定の実施形態による、比較実施例および実施例2のLi−空気電池の充電曲線を示す図である。 特定の実施形態による、10−メチルフェノチアジン(MPT)の化学構造を示す図である。 特定の実施形態による、MPTのサイクリックボルタモグラムである。 特定の実施形態による、MPTのバルク酸化の前後に取った線形掃引ボルタモグラムを示す。 特定の実施形態による、Li22の電解質溶液への付加の前後のバルク酸化に従って定期的に測定した、MPTの酸化およびMPT+の還元の限界拡散電流のプロットである。 特定の実施形態による、10−(4−メトキシフェニル)−10H−フェノチアジン(MOPP)の化学構造を示す図である。 特定の実施形態による、MOPPのサイクリックボルタモグラムである。 特定の実施形態による、Li22の電解質溶液への付加の前後のバルク酸化に従って定期的に測定した、MOPPの酸化およびMOPP+の還元の限界拡散電流のプロットである。 特定の実施形態による、1,4−ジエチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノキサリン(DEQ)の化学構造を示す図である。 特定の実施形態による、DEQのサイクリックボルタモグラムである。 特定の実施形態による、Li22の電解質溶液への付加の前後のバルク酸化に従って定期的に測定した、DEQの酸化およびDEQ+の還元の限界拡散電流のプロットである。 特定の実施形態による、オクタメチルアミノベンゼン(OMAB)の化学構造を示す図である。 特定の実施形態による、OMABのサイクリックボルタモグラムである。 特定の実施形態による、Li22の電解質溶液への付加の前後のバルク酸化に従って定期的に測定した、OMABの酸化およびOMAB2+の還元の限界拡散電流のプロットである。 特定の実施形態による、1,2−ビス(3−アルキル−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イリデン)ヒドラジン(ABT−DE)の化学構造を示す図である。 特定の実施形態による、ABT−DEのサイクリックボルタモグラムである。 特定の実施形態による、Li22の電解質溶液への付加の前後のバルク酸化に従って定期的に測定した、ABT−DEの酸化およびABT−DE+の還元の限界拡散電流のプロットである。 特定の実施形態による、I2のサイクリックボルタモグラムである。 特定の実施形態による、Li22の付加の前後のバルク酸化に従って定期的に測定した、I3 -の酸化およびI2の還元の限界拡散電流のプロットである。
充電式金属空気電池の動作原理を他の電気化学的デバイスと比較する、いくつかの概論が提供される。市販のLiイオン電池は、最先端の充電式電池技術である。Liイオン電池は、Liイオンを、放電中に挿入し、充電中に脱離させることができる母体結晶構造から成る、正電極酸化剤を用いている。一般に、Liイオンは、別様には空である母体結晶格子の中の特異的格子間位置に動く。この種の挿入反応は、トポタクティックである。「トポタクティック」という用語は、反応全体を通して3次元構造性質を維持する結晶構造を伴う反応を指す。トポタクティック反応は非常に可逆的であり、電池が効率的にサイクルすることを可能にするが、母体結晶構造は、容量を制限する。
対照的に、金属空気電池の空気電極で起こる反応は、非トポタクティックである。正電極酸化剤は、分子酸素であり、これは、電極内に貯蔵されないが、代わりに、典型的に周囲空気である外部貯留部との間で交換される。ポリマー電解質膜燃料電池(PEMFC)のように、放電中に、酸素は、空気電極で還元される。しかしながら、放電中に生成されるH2Oを環境中に排出することができるPEMFCの空気電極とは異なり、金属空気電池の空気電極は、固体金属酸化物沈殿剤を蓄積する。
金属空気電池に充電するために、空気電極に沈殿する金属酸化物が酸化される。この過程は、H2O電解槽の中で起こる、酸素発生反応に類似している。水から酸素ガスを電気化学的に生成する効率を改善するために、不均質電解触媒の使用に相当な労力が費やされた。不均質電解触媒はまた、金属空気電池にも用いられており、触媒される酸素発生反応は、固体金属酸化物の電気化学的酸化である。以下で詳述する理由のため、従来の不均質触媒は、後の使用において、金属酸化物放電生成物の性質に関連する重大な制限を有する。本明細書で使用される場合、「金属酸化物放電生成物」とは、金属空気電池の放電中に形成される化学化合物を指し、少なくとも1つの酸素原子と、活性金属イオンの少なくとも1つの原子とを含有する。例示的な金属酸化物放電生成物には、Li22、Li2O、Na22、Na2O、MgO、MgO2、CaO、またはCaO2が挙げられる。例示的な活性金属イオンには、Liイオン、Naイオン、Mgイオン、およびCaイオンが挙げられる。
本明細書は、金属酸化物放電生成物の間接的な酸化によって酸素ガスの効率的な生成を促進する、新しい分類の触媒材料を提供することによる、充電式金属空気電池の性能の大幅な改善に関する。本出願で提供される、説明される分類の触媒材料は、種々の金属空気電池システム、特に非プロトン性電解質を用いたものにおける、より効率的な充電およびサイクルを可能にし得る。性能の改善には、従来の不均質触媒を含有する金属空気電池と比較して、より大きい容量、より高い充電速度、より低い充電電圧、および/またはより多くのサイクルにわたる改善された容量保持が挙げられ得る。
本明細書で使用される場合、「充電式金属空気電池」とは、a)活性金属イオンを取り込み、放出することが可能である、負電極と、b)電気活性材料として分子酸素を使用する、正電極(空気電極)と、c)負電極と正電極との間でイオンを伝導するように構成される、電解質とを備える、あらゆる電池を指す。活性材料(例えば、活性金属イオン、分子酸素、および電子)のための輸送経路を提供するために、空気電極は、典型的に、多孔質であり、孔は、電解質で少なくとも部分的に満たされる。本明細書では、「多孔質」という用語は、概して、空洞空間を含有する、あらゆる材料構造を指す。電解質は、1つ以上の相から成り得、本明細書では、「相」という用語は、物理的に独特の形態の物質であるが、単一の状態の物質が複数の相の中に存在することができるので、必ずしも異なる状態ではない物質(例えば、固体、液体、気体)を指す。例えば、ゲル電解質は、液体相(溶媒)と、ポリマー相とを含むと言える。特定の実施形態では、部分的に空気電極の孔を満たす電解質相は、液体と、新しい分類の触媒材料とを含み、本明細書では、「酸素発生触媒」(OEC)と称する。
本発明において、OECとは、a)空気電極を部分的に満たす電解質相の液体に可溶であり、b)平衡セル電圧を超える電位で電気化学的に活性化され、c)金属酸化物放電生成物を酸化させることによって、酸素ガスを発生させることが可能である、触媒を指す。
そのようなOECの性質は、種々の原位置外の実験的方法によって判定されてもよい。空気電極に用いられる溶媒におけるOECの溶解性は、OECの濃度を判定するためのLevichおよびCottrellの式の基づく分析と組み合わせた電気分析方法によって、実験的に確認することができる。電池に用いられる溶媒におけるOECの平衡電位は、本明細書では、溶媒とOECとを含む溶液中に浸漬されたガラス状炭素の円盤で得られるサイクリックボルタモグラムにおける酸化波と還元波との間の中間となるように、実験的に画定される。金属酸化物放電生成物とOECとの間の反応を通した酸素ガスの発生は、密閉反応容器の中の電池に用いられるOEC、金属酸化物、および溶媒を混合することによって、ならびに発生したガスの組成を、同じ金属酸化物および溶媒を含有するが候補材料は含有しない、対照容器の組成と比較して、酸素発生反応が起こったか同かを判定することによって、実験的に確認することができる。OECの性質を判定するための原位置外実験のより詳細な説明は、下記の実施例の節で見出すことができる。
酸素発生触媒
図1は、特定の実施形態によるOECの作用原理の一般的な例証を提供する。電池充電中に、セルは、概して、平衡セル電圧よりも高い電圧で動作する。本明細書で使用される場合、「平衡セル電圧」という用語は、セル反応全体と関連付けられる熱力学的参照値から計算することができる量を指す(表2を参照されたい)。この電位範囲内で、OECは、電気化学的に酸化された時に活性化した状態になる。酸化型(OEC+)は、溶液中に拡散し、金属酸化物放電生成物を酸化させて、分子酸素および金属イオンを放出する。金属酸化物の酸化に従って、還元したOECが溶液中に拡散し、再度、電気化学的に酸化させるために利用可能である。理論に拘束されることを望むものではないが、OECは、空気電極表面上で電気化学的に酸化および再酸化されてもよい。結果的に、OECの電気化学的酸化は、OEC+を発生または再生し、金属酸化物放電生成物から空気電極まで電子を移動させる役目をすることができる。図1で例証されるように、主な利益は、金属酸化物の間接的な酸化およびOECの電気化学的再生といった過程に関連し得る。特定の実施形態では、間接的な酸化の機構は、空気電極に直接接触していない、または不十分な電子伝導性を有する金属酸化物放電生成物の効率的な充電を可能にすることができる。対照的に、従来の不均質触媒(図3の303dを参照されたい。以下で詳細に説明する)は、電極表面上の固定場所での電荷移動だけにしか影響を与え得ず、これは、充電過程中に酸素発生反応の効率を改善する触媒の能力を制限する。
Figure 2013527567
本明細書で使用される場合、「ターンオーバー」という用語は、図1で表される1つの触媒サイクルを指し、「ターンオーバー数」という用語は、1モルのOECが触媒的に不活性になる前に酸化させることができる、金属酸化物放電生成物のモル数を指す。図1では、酸化還元対(OEC/OEC+)は、単に相対的酸化状態を表しているだけであり、OECの実際の酸化状態を反映していない。加えて、OECは、セルの動作電圧範囲内で、複数の酸化還元変換を受け得る。
図1で表される反応を進めるための実用的な熱力学的考察は、OECの平衡電位が、平衡セル電圧よりも大きいことである。この電位差は、反応のための熱力学的駆動力を提供する。しかしながら、OECが、平衡セル電圧に可能な限り近い電位で電気化学的に活性化されることが必要になり得る。結果的に、特定の実施形態では、平衡セル電圧より1.5V未満高い、平衡セル電圧より1V未満高い、平衡セル電圧より0.5V未満高い、平衡セル電圧より0.4V未満高い、平衡セル電圧より0.3V未満高い、平衡セル電圧より0.2V未満高い、および平衡セル電圧より0.1V未満高い、を含む、平衡セル電圧から一定の範囲内の平衡電位を有するOECが提供される。選択された金属空気電池の平衡セル電圧については、表2を参照されたい。
特定の実施形態では、OECは、多数のサイクルにわたって電池充電過程に関与することが可能である。図1で例証される機構を介して金属空気電池の中を移動させることができる総電荷量は、空気電極中の液体成分の量、液体成分中のOECの濃度、およびOECのターンオーバー数に関連し得る。結果的に、いくつかの実施形態では、100以上、500以上、1000以上、5000以上、および10,000以上のターンオーバー数を含む、高ターンオーバー数を伴うOECが提供される。OECのターンオーバー数にはいかなる上限もないが、10,000,000を超えるターンオーバー数は、概して、1,000サイクルのサイクル寿命に到達することを必要としない。
同様に、いくつかの実施形態では、本発明は、0.1M以上、0.5M以上、1.0M以上、および2.0M以上の溶解性を含む、電解質の液体成分への高い溶解性を伴うOECを提供する。特定の実施形態では、液体相OECはまた、共溶媒または唯一の電解質溶媒としての役割を果たすこともできる。したがって、OECの溶解性にはいかなる上限もないが、概して、10Mの溶解性を超えない。
数多くの望ましい性質を具現化する化学的分類およびOECの構造を、本明細書で説明する。主な分類は、1)無機アニオンと、3)芳香族化合物と、3)キノンおよびキノイドと、4)遷移金属錯体とを含む。
種々の種類の無機アニオンは、OECを誘引性にする、化学的および電気化学的性質を有する。具体的には、特定のハロゲン化物、擬ハロゲン化物、およびポリオキソメタレートは、金属空気電池充電に関連する電位範囲内でそれらの酸化還元状態の大部分の高い安定性のため、OECとして使用するのに好適である。例示的な無機アニオンには、以下が挙げられるが、それらに限定されない。
1)Cl-、Br-、I-、を含むハロゲン化物。
2)シアン化物、シアネート、イソシアネート、ロダン化物(すなわち、チオシアネートおよびイソチオシアネート)、セレノロダン化物(selenorhodanide)、テルロロダン化物(tellurorhodanide)、およびアジド等の、対応する疑ハロゲン基のアニオン(または官能基)を含む擬ハロゲン化物。
3)Keggin型アニオンと、Dawson型アニオンとを含むポリオキソメタレート。
芳香族化合物は、それらのOECとしての使用を動機付ける、種々の性質を有する。芳香族化合物は、4n+2電子則(ヒュッケル則)に一致する、頑健な循環構造である。それらは、酸化および還元に応じて幾何学的歪を受ける必要がないという事実のため、概して、迅速な電子移動を可能にする、平坦な構造を有する。芳香族分子の安定性は、電気化学的可逆性と非常に相関する。OECとして使用するための芳香族化合物には、N、O、P、S、Se、Te、またはそれらの任意の組み合わせを含有する芳香族ヘテロ環が挙げられる。例示的な芳香族化合物には、以下が挙げられるが、それらに限定されない。
1)置換されたトリアリールアミン:
Figure 2013527567
式中、R1〜R5は独立して、置換された又は非置換の、C1−C10アルキル基、アリール基、C4−C8炭素環式基、C4−C8複素環式基の任意の組み合わせから選択され、ヘテロ原子は、N、O、S、Se、Te、任意のハロゲン(例えば、F、Cl、Br、I、At)、または任意の短分子(例えば、CR2、CR、CR3、OR、Ph、O−Ph、CHO、CN、COR、CO2R、COSH、CS2H、SR、CSSH、NR、NR2、NO2、OH、OPO32、OSO3H、PO32、SO2、SO3H、式中、Rは、R1〜R5について定義されたものである)のうちの1つ以上である。
2)置換されたフェニレンジアミン:
Figure 2013527567
式中、R1〜R12は独立して、置換された又は非置換の、C1−C10アルキル基、アリール基、C4−C8炭素環式基、C4−C8複素環式基の任意の組み合わせから選択され、ヘテロ原子は、N、O、S、Se、Te、任意のハロゲン(例えば、F、Cl、Br、I、At)、または任意の短分子(例えば、CR2、CR、CR3、OR、Ph、O−Ph、CHO、CN、COR、CO2R、COSH、CS2H、SR、CSSH、NR、NR2、NO2、OH、OPO32、OSO3H、PO32、SO2、SO3H、式中、Rは、R1〜R12について定義されたものである)のうちの1つ以上である。
3)置換された芳香族ポリアリールアミン:
Figure 2013527567
式中、R1〜R12は独立して、置換された又は非置換の、C1−C10アルキル基、アリール基、C4−C8炭素環式基、C4−C8複素環式基の任意の組み合わせから選択され、ヘテロ原子は、N、O、S、Se、Te、任意のハロゲン(例えば、F、Cl、Br、I、At)、または任意の短分子(例えば、CR2、CR、CR3、OR、Ph、O−Ph、CHO、CN、COR、CO2R、COSH、CS2H、SR、CSSH、NR、NR2、NO2、OH、OPO32、OSO3H、PO32、SO2、SO3H、式中、Rは、R1〜R12について定義されたものである)のうちの1つ以上である。
4)置換されたフェノチアジン:
Figure 2013527567
式中、R1〜R9は独立して、置換された又は非置換の、C1−C10アルキル基、アリール基、C4−C8炭素環式基、C4−C8複素環式基の任意の組み合わせから選択され、ヘテロ原子は、N、O、S、Se、Te、任意のハロゲン(例えば、F、Cl、Br、I、At)、または任意の短分子(例えば、CR2、CR、CR3、OR、Ph、O−Ph、CHO、CN、COR、CO2R、COSH、CS2H、SR、CSSH、NR、NR2、NO2、OH、OPO32、OSO3H、PO32、SO2、SO3H、式中、Rは、R1〜R9について定義されたものである)のうちの1つ以上である。
5)置換された1,2−ビス(3−アルキル−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イリデン)ヒドラジン:
Figure 2013527567
式中、X1およびX2は、SおよびOの任意の組み合わせである。
式中、R1〜R10は独立して、置換された又は非置換の、C1−C10アルキル基、アリール基、C4−C8炭素環式基、C4−C8複素環式基の任意の組み合わせから選択され、ヘテロ原子は、N、O、S、Se、Te、任意のハロゲン(例えば、F、Cl、Br、I、At)、または任意の短分子(例えば、CR2、CR、CR3、OR、Ph、O−Ph、CHO、CN、COR、CO2R、COSH、CS2H、SR、CSSH、NR、NR2、NO2、OH、OPO32、OSO3H、PO32、SO2、SO3H、式中、Rは、R1〜R10について定義されたものである)のうちの1つ以上である。
6)置換されたカルバゾール:
Figure 2013527567
式中、Xは、NR、CR2、C=CR2、C=O、S、Se、Te、またはOである。
式中、R1〜R8は独立して、置換された又は非置換の、C1−C10アルキル基、アリール基、C4−C8炭素環式基、C4−C8複素環式基の任意の組み合わせから選択され、ヘテロ原子は、N、O、S、Se、Te、任意のハロゲン(例えば、F、Cl、Br、I、At)、または任意の短分子(例えば、CR2、CR、CR3、OR、Ph、O−Ph、CHO、CN、COR、CO2R、COSH、CS2H、SR、CSSH、NR、NR2、NO2、OH、OPO32、OSO3H、PO32、SO2、SO3H、式中、Rは、R1〜R8について定義されたものである)のうちの1つ以上である。
7)置換されたテトラチアフルバレン:
Figure 2013527567
式中、X1〜X4は、S、Se、O、およびTeの任意の組み合わせである。
式中、R1〜R8は独立して、置換された又は非置換の、C1−C10アルキル基、アリール基、C4−C8炭素環式基、C4−C8複素環式基の任意の組み合わせから選択され、ヘテロ原子は、N、O、S、Se、Te、任意のハロゲン(例えば、F、Cl、Br、I、At)、または任意の短分子(例えば、CR2、CR、CR3、OR、Ph、O−Ph、CHO、CN、COR、CO2R、COSH、CS2H、SR、CSSH、NR、NR2、NO2、OH、OPO32、OSO3H、PO32、SO2、SO3H、式中、Rは、R1〜R8について定義されたものである)のうちの1つ以上である。
8)置換されたチオフェン:
Figure 2013527567
式中、X1〜X3は、S、Se、O、C=CR2、C=O、およびTeの任意の組み合わせである。
式中、R1〜R8は独立して、置換された又は非置換の、C1−C10アルキル基、アリール基、C4−C8炭素環式基、C4−C8複素環式基の任意の組み合わせから選択され、ヘテロ原子は、N、O、S、Se、Te、任意のハロゲン(例えば、F、Cl、Br、I、At)、または任意の短分子(例えば、CR2、CR、CR3、OR、Ph、O−Ph、CHO、CN、COR、CO2R、COSH、CS2H、SR、CSSH、NR、NR2、NO2、OH、OPO32、OSO3H、PO32、SO2、SO3H、式中、Rは、R1〜R8について定義されたものである)のうちの1つ以上である。nは、0〜5の範囲であってもよい。
9)置換されたチアントレンおよびフェノキサチイン:
Figure 2013527567
式中、X1およびX2は、S、Se、O、C=CR2、C=O、およびTeの任意の組み合わせである。
式中、R1〜R8は独立して、置換された又は非置換の、C1−C10アルキル基、アリール基、C4−C8炭素環式基、C4−C8複素環式基の任意の組み合わせから選択され、ヘテロ原子は、N、O、S、Se、Te、任意のハロゲン(例えば、F、Cl、Br、I、At)、または任意の短分子(例えば、CR2、CR、CR3、OR、Ph、O−Ph、CHO、CN、COR、CO2R、COSH、CS2H、SR、CSSH、NR、NR2、NO2、OH、OPO32、OSO3H、PO32、SO2、SO3H、式中、Rは、R1〜R8について定義されたものである)のうちの1つ以上である。
10)置換されたジおよびポリアルコキシベンゼン:
Figure 2013527567
式中、R1〜R6は独立して、置換された又は非置換の、C1−C10アルキル基、アリール基、C4−C8炭素環式基、C4−C8複素環式基の任意の組み合わせから選択され、ヘテロ原子は、N、O、S、Se、Te、任意のハロゲン(例えば、F、Cl、Br、I、At)、または任意の短分子(例えば、CR2、CR、CR3、OR、Ph、O−Ph、CHO、CN、COR、CO2R、COSH、CS2H、SR、CSSH、NR、NR2、NO2、OH、OPO32、OSO3H、PO32、SO2、SO3H、式中、Rは、R1〜R6について定義されたものである)のうちの1つ以上である。
11)置換されたホスフィンイミド:
Figure 2013527567
式中、R1〜R14は独立して、置換された又は非置換の、C1−C10アルキル基、アリール基、C4−C8炭素環式基、C4−C8複素環式基の任意の組み合わせから選択され、ヘテロ原子は、N、O、S、Se、Te、任意のハロゲン(例えば、F、Cl、Br、I、At)、または任意の短分子(例えば、CR2、CR、CR3、OR、Ph、O−Ph、CHO、CN、COR、CO2R、COSH、CS2H、SR、CSSH、NR、NR2、NO2、OH、OPO32、OSO3H、PO32、SO2、SO3H、式中、Rは、R1〜R14について定義されたものである)のうちの1つ以上である。nは、1〜10の範囲であってもよい。
12)置換された多環芳香族化合物:
Figure 2013527567
式中、X1〜X3は、S、Se、O、C=CR2、C=O、NR、およびTeの任意の組み合わせである。
式中、R1〜R10は独立して、置換された又は非置換の、C1−C10アルキル基、アリール基、C4−C8炭素環式基、C4−C8複素環式基の任意の組み合わせから選択され、ヘテロ原子は、N、O、S、Se、Te、任意のハロゲン(例えば、F、Cl、Br、I、At)、または任意の短分子(例えば、CR2、CR、CR3、OR、Ph、O−Ph、CHO、CN、COR、CO2R、COSH、CS2H、SR、CSSH、NR、NR2、NO2、OH、OPO32、OSO3H、PO32、SO2、SO3H、式中、Rは、R1〜R10について定義されたものである)のうちの1つ以上である。nは、1〜10の範囲であってもよい。
13)置換されたジアジン:
Figure 2013527567
式中、R1〜R4は独立して、置換された又は非置換の、C1−C10アルキル基、アリール基、C4−C8炭素環式基、C4−C8複素環式基の任意の組み合わせから選択され、ヘテロ原子は、N、O、S、Se、Te、任意のハロゲン(例えば、F、Cl、Br、I、At)、または任意の短分子(例えば、CR2、CR、CR3、OR、Ph、O−Ph、CHO、CN、COR、CO2R、COSH、CS2H、SR、CSSH、NR、NR2、NO2、OH、OPO32、OSO3H、PO32、SO2、SO3H、式中、Rは、R1〜R4について定義されたものである)のうちの1つ以上である。
キノンおよびキノイドは、OECの関心の電位範囲で調整可能な酸化還元電位および安定した酸化還元状態を有する、有機化合物である。例示的なキノンおよびキノイドには、以下が挙げられるが、それらに限定されない。
Figure 2013527567
式中、R1〜R4は独立して、置換された又は非置換の、C1−C10アルキル基、アリール基、C4−C8炭素環式基、C4−C8複素環式基の任意の組み合わせから選択され、ヘテロ原子は、N、O、S、Se、Te、任意のハロゲン(例えば、F、Cl、Br、I、At)、または任意の短分子(例えば、CR2、CR、CR3、OR、Ph、O−Ph、CHO、CN、COR、CO2R、COSH、CS2H、SR、CSSH、NR、NR2、NO2、OH、OPO32、OSO3H、PO32、SO2、SO3H、式中、Rは、R1〜R4について定義されたものである)のうちの1つ以上である。
遷移金属錯体は、有機リガンドに配位した1つ以上の遷移金属中心から成る。遷移金属錯体は、遷移金属中心との高速な外圏電子移動、および有機リガンドによって与えられる可溶化または安定化性質のため、OECとして使用するのに好適である。例示的な遷移金属錯体には、以下が挙げられるが、それらに限定されない。
Figure 2013527567
式中、Mは、Li、Na、Al、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Nb、Mo、Ru、Pd、Ag、W、Os、Ir、Pt、またはAuである。
式中、R1〜R16は独立して、置換された又は非置換の、C1−C10アルキル基、アリール基、C4−C8炭素環式基、C4−C8複素環式基の任意の組み合わせから選択され、ヘテロ原子は、N、O、S、Se、Te、任意のハロゲン(例えば、F、Cl、Br、I、At)、または任意の短分子(例えば、CR2、CR、CR3、OR、Ph、O−Ph、CHO、CN、COR、CO2R、COSH、CS2H、SR、CSSH、NR、NR2、NO2、OH、OPO32、OSO3H、PO32、SO2、SO3H、式中、Rは、R1〜R16について定義されたものである)のうちの1つ以上である。
特定の実施形態では、上記に列記したもの等の有機化合物は、OECとして使用するのに好適である。いくつかの実施形態では、それらの物理的および電気化学的性質は、合成を通して「調整可能」である。例えば、種々の機能の置換を通して、分子のHOMOおよびLUMOレベルを操作することが可能であり得、それによって酸化および還元される電位に影響を及ぼす。酸化電位を低くするための一般的な戦略は、電子供与性のR基(すなわち、NMe2、SMe、Me等)の使用を含むことができる一方で、還元電位は、概して、電子吸引性のR基(すなわち、CN、NO2等)を導入することによって高くすることができる。加えて、長い炭化水素および分鎖した炭化水素鎖の置換は、ある程度の分子の溶解性の制御を可能にすることができ、広範囲の溶媒と互換性があり得る。さらに、所与のOEC(例えば、芳香族コアを有するOEC)上の種々の地点でのR基置換によって、しばしば、OECの電気化学的および化学的安定性に影響を及ぼすことがあり得る。これらの望ましい性質を伴ういくつかの例示的なR基を、下記の表3に列記する。1つ以上のR基は、組み合わせて任意の基から選択することができる。ハロゲン(X)は、F、Cl、またはBrおよびそれらの組み合わせを含んでもよい。
Figure 2013527567
1つ以上の実施形態では、充電式金属空気電池は、自由拡散するOECと、主鎖の一部として、またはペンダント基として、ポリマー構造の中に組み込まれるOECとの組み合わせを含むことができる。「ポリマー構造」という用語は、本明細書で使用される場合、ポリマー鎖、さらにはオリゴマーまたはデンドリマーを指す。図6および図7は、OECがポリマー構造に結合した酸化還元中心(黒丸で示される)である、実施形態を例証する。ポリマー構造は、電極表面に結合し得るか、電解質を伴う溶液中に自由に混合することができるか、または両方である。理論に拘束されることを望むものではないが、図6に示されるように、放電生成物(601)、OEC(602)、および空気電極(604)の間の電荷伝搬は、OECの拡散、電子ホッピング、およびOEC酸化還元中心(603)の中での自己交換の組み合わせを通して起こり得ることを強調しておく。OECを組み込んだポリマー構造の包含は、空気電極の中のOEC酸化還元中心の密度を増加させることができ、空気電極と放電生成物との間の電荷伝搬の速度を向上させ得る。図7は、特定の実施例について、ペンダントトリアリールアミンを伴う分子(例えば、ポリマー鎖)を例証する。
充電式Li−空気電池
充電式金属空気電池は、種々の負電極材料によって調製することができる。Liは、比較的に高い電気陽性および低い分子量を有するので、Li−空気電池は、高容量を必要とする応用のための有望な技術である。非プロトン電解質を含有するLi−空気電池は、とりわけ高い理論セル電圧および容量を有する。以下のセルの反応によれば、この種類のLi−空気電池は、3,459Wh/kgの理論的比エネルギー、および7,955Wh/Lのエネルギー密度を有する。
Figure 2013527567
簡潔にするため、本明細書は、Li−空気電池に関して説明する。これらの説明は、例証の目的で提供されるものであり、本発明をLi−空気電池に限定するものとして解釈するべきでない。
図2を参照すると、例示的なLi−空気電池は、Li負電極(201)と、空気正電極(203)と、負および性電極間でイオンを伝導するように構成される非プロトン電解質(202)と、を備える。Li電極は、Liイオンを放出して、取り込むことが可能である材料を含む。空気電極は、部分的に電解質(202)で満たされ、外部貯留部から酸素にアクセスすることが可能である、多孔質材料(203a)を含む。電池が接続された時に、外部負荷、Liイオン、および電子は、Li電極(201)から空気電極(203)に流れる。空気電極(203)に進入する酸素ガス(O2)は、最初に、電解質(202)の中に溶解し、次いで、空気電極(203)の表面に拡散して、そこで電気化学的に還元される。Liイオンと還元された酸素との間の反応は、金属酸化物放電生成物(203b)を空気電極の孔の中に堆積させる。概して、放電生成物は、他の生成物も形成し得るが、Li22およびLi2Oを含むと考えられる。
比較のため、図3は、従来の不均質触媒(303d)を含有するLi−空気電池の充電過程を表す。充電電流をセルに印加することによって、空気電極(303)の中の放電生成物(303b)が酸化され、酸素ガス、Liイオン、および電子を放出し、これらは、それぞれ、外部貯留部に放出され、電解質を通過し、また、外部回路を通過する。放電生成物(303b)の酸化は、空気電極表面上の不均質反応で起こる。空気電極表面上の不均質触媒(303d)は、空気電極表面に直接面している放電生成物(303b)の部分だけに接触する。不均質触媒(303d)は、界面領域の外側にある生成物の酸化には関与しないことが分かる。同様に、電極表面との電子接触を失った放電生成物(303c)の部分は、全く酸化されず、電池サイクル中の不可逆的容量損失を助長する。
ここで、図4を参照すると、OEC(403d)が電解質(402)の液体相に溶解して、空気電極(403)の孔の中に含有された、Li−空気電池が示される。電解質溶液中のOECの濃度は、限定されないが、一般的に、0.01mM〜2.0Mの範囲である。可溶OECs(403d)は、放電生成物(403b)との改善された接触を有し、空気電極表面(403a)から電子的に遮断された放電生成物を酸化させることが可能であり、それによって、不可逆的容量損失を低減する。
特定の動作理論に拘束されることを望むものではないが、Li−空気電池システムの中の金属酸化物放電生成物(403bおよび403c)の性質について、いくつか概論することができる。まず、概して、これらの金属酸化物放電生成物(403bおよび403c)は、大部分の極性非プロトン溶媒に非常に不溶性であり、結果として、空気電極孔(403)の中に固体として蓄積することが観察される。さらに、概して、これらの金属酸化物放電生成物(403bおよび403c)は、電子的に絶縁しているか、または非常に抵抗性がある。最後に、空気電極(403)の中の固体材料(403bおよび403c)の形成は、容量変化、電解質(402)の排除、電子的接続性の低下を含む空気電極(403)の電子微細組織に対する変化を引き起こす。これらの性質は、従来のLi−空気電池の性能限界の一部に関連し得る。対照的に、自由に拡散するOEC(403d)は、空気電極(403)と、絶縁および/または電子的に遮断された放電生成物(403c)との間の電荷伝搬のための経路を提供する。
特定の実施形態では、OECは、負電極(401)に対して不安定であり得る。そのような事例では、図5に示されるように、OEC輸送に対して不透過性である第2の電解質相(502a)が利用されてもよい。半透過性電解質相(502a)は、Li+に対して透過性であってもよく、OECに対して実質的にまたは完全に不透過性であってもよく、また、他の種に対しては透過性または不透過性であってもよい。いくつかの実施形態では、この第2の電解質相(502a)は、電解質溶媒または電解質添加剤とともに形成された、固体電解質中間相(SEI)とすることができる。SEIは、電極と電解質との間の反応に起因して負電極の表面上に形成する、相である。他の実施形態では、第2の電解質相は、ガラスセラミックまたはポリマーを含む。半透過性電解質相(502a)は、OECが負電極に接触することを防止し、それによって、電池内のOECの動作寿命を延ばす。
特定の実施形態では、非プロトン性電解質は、Liイオンが負電極と空気電極との間を動くための連続する経路を提供する。これらの要件の他に、1つ以上の相を含有する電解質の数多くの構成および組成物が用いられてもよい。特定の実施形態では、電解質は、極性非プロトン溶媒と、Li塩とを含む。Li−空気電池のための例示的な極性非プロトン溶媒は、エーテル、グリム、炭酸塩、ニトリル、アミド、アミン、有機硫黄溶媒、有機リン溶媒、有機ケイ素溶媒、イオン液体、フッ素化溶媒、およびこれらの組み合わせを含むことができる。Li塩は、典型的に、0.1M〜2Mの範囲の濃度で溶媒中に存在することができる。例示的なリチウム塩には、LiClO4、LiPF6、LiBf6、LiBOB、LiTFS、およびLiTFSIが挙げられる。
Li−空気電池のための溶媒の選択を判定する1つの重要な因子は、Li22、Li2O、および空気電極の中に形成されるLiO2等の中間体に対する溶媒の安定性である。Liイオン電池で一般的に用いられる数多くの極性非プロトン溶媒は、これらの材料に対して不安定である。空気電極の動作中の溶媒の分解は、電池のサイクル寿命および容量を大幅に制限する可能性がある。Li−空気電池溶媒のための特に安定した化学的機能は、N−アルキルで置換されたアミド、ラクタム、およびエーテルを含む。
OECと組み合わせて相乗的性能改善を可能にし得る種々の添加剤を、電解質に組み込んでもよい。いくつかの例示的な添加剤には、アニオン受容体、カチオン受容体、およびSEI形成剤が挙げられる。アニオン受容体およびカチオン受容体は、それぞれ、アニオンおよびカチオンを選択的に配位する能力を有する化合物であり、電解質中のそれらの包含は、金属酸化物放電生成物の溶解性を強化し得る。この強化された溶解性は、OECとの反応速度を改善し得る。SEI形成剤は、SEIの性質および化学的組成物を調整するために電解質に加えられる材料である。特定のSEI形成剤は、結果として生じるSEIが負電極とOECとの間の有害な反応を阻害するので、OECと組み合わせて選択してもよい。
概して、高Li容量を伴う負電極材料は、高容量空気電極と連結することが好ましくなり得る。例示的な金属電極材料には、Li金属(例えば、Li箔および基板上に堆積させたLi)、Li合金(例えば、LiおよびSi、LiおよびSn、LiおよびSb、LiおよびAl、LiおよびMg、LiおよびBi、またはそれらの任意の組み合わせを含む合金)、Li挿入材料(例えば、グラファイト)、ならびにLi転換反応材料(例えば、金属酸化物、金属水素化物、金属窒化物、金属フッ化物、金属硫化物、金属アンチモン化物、および金属リン化物)が挙げられる。「転換反応材料」という用語は、以下のように法則化される、リチウムと遷移金属との間の電気化学的反応に関連する反応性の概念を指す。
Figure 2013527567
式中、Mは、遷移金属であり、Xは、アニオンであり、nは、Xのホルマール酸化状態である。特定の実施形態では、Li金属と比較して、材料の高い容量および電池サイクル中に樹枝状結晶を形成する傾向が低減されるため、合金材料または転換反応材料を含有するLi−空気電池のための負電極が利用される。
空気電極は、Liイオンおよび酸素のための輸送経路を維持すること可能である他に、放電生成物が堆積することができる容積を与えることができるが、それ以外は、構造および材料組成物に関して制限しない、電子伝導性材料とすることができる。例示的な空気電極材料には、PTFEまたはPVDF等の好適な結合剤と組み合わせられる多孔質炭素が挙げられる。他の金属空気電池システムと同様に、空気電極のための酸素は、周囲環境から得ることができるが、貯蔵タンクまたは任意の他の供給源から酸素が供給されてもよい。
空気電極の製造
リチオ化された負電極材料は、酸素および/または水と反応し、したがって、費用のかかる、または煩雑な取り扱い方法が必要になる可能性があるので、特定の種類の負不電極材料を脱リチオ化された状態で電池の中に組み立てることができる。例えば、これは、Liイオン電池に一般的に用いられるグラファイト陽極の場合であり得るが、Li合金、Li転換反応電極、およびリチウム金属自体等の数多くの高容量材料にも当てはまる。
空気電極をこれらの負電極材料と連結するためには、高質量比の金属酸化物放電生成物を含有する、放電済みの状態で製造される空気電極を完全に充電することが望ましくなり得る。これまで、例えば20重量%を超えるLi22といった、実用目的で十分に高い金属酸化物放電生成物負荷を伴って製造された空気電極を充電することは困難であることが示されてきた。所望される数のサイクルにわたって予想される不可逆的容量損失を補うために、負電極の容量に対して、過剰な金属酸化物放電生成物が所望され得る。従来のLi−空気電池では、高い生成物負荷時に金属酸化物放電生成物と空気電極との間に不十分な電子的接触があり得、これは、早期に電池を陽極の電圧限界に到達させ得る。対照的に、OECの提供は、空気電極との直接的な電子的接触を維持する必要がないので、より大量の金属酸化物放電生成物を効率的に充電することを可能にすることができる。したがって、OECを含有する空気電極は、より高い生成物負荷を有して製造してもよく、その結果、空気電極の、脱リチオ化された状態で製造される負電極材料との実用的な連結を促進する。
以下の実施例は、特定の態様および実施形態を例証することを意図したものであり、本発明を任意の特定の方法に限定するものとして解釈するべきではない。
比較実施例
比較の目的で、この実施例は、Li22および適切な電解質を含有する、事前に製造した「放電済みの」空気電極とともに組み立てた、Li−空気電池の充電を例証する。この比較実施例のLi−空気電池は、OECを含有しない。60重量%の乳濁液を、200mLのイソプロパノール/H2O(1:2、v/v)中に懸濁したSuper Pカーボンブラックと機械式回転装置で5分間混合することによって、Super P/PTFE粉末を調製した。溶媒は、最初にロータリ蒸発器によって、次に2日間80℃で真空乾燥することによって、2ステップで除去した。乾燥ペーストは、90重量%のSuper Pおよび10重量%のPTFEから成る微粉末を形成するために、混合機で粉末化した。
放電済みの空気電極は、以下のように製造した。10mgのSuper P/PTFE粉末、および10mgのLi22粉末を含有する混合物を調製し、2トンで10分間、直径7/16インチ(約11.1mm)のAlメッシュ(200メッシュ)上に乾燥プレスした。過剰な電極材料は、縁部からピンセットで除去した。完成した空気電極およびAlメッシュのアセンブリを計量し、Li22の質量に基づいてLi22の電気化学当量(Qtheo)を計算した。テトラエチレングリコールジメチルエーテル(テトラグリム)および0.5Mのリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSI)から成る電解質を、O2が1ppm未満でH2Oが1ppm未満のArを満たしたグローブボックスの中で調製した。
Swagelok試験セルは、以下のように、Arを満たしたグローブボックスの中で組み立てた。Li金属電極(厚さ200μm、および直径7/16インチ(約11.1mm))を、Swagelok治具の内部チャンバの基部でも機能するステンレス鋼電流コレクタの最上部に固定した。2つのWhatman GF/Dガラス遷移フィルタ(厚さ2mm以下、および直径1/2インチ(12.7mm))を、Li金属電極上に配置し、ピペットで300μLの電解質をその中に加えた。空気電極およびAlメッシュのアセンブリ、ならびに粗い(50メッシュ)のAlグリッド(厚さ1mm、および直径7/16インチ(約11.1mm))を、Whatmanフィルタ上に配置し、Swagelok治具を締めることによって、Swagelok治具に固定したステンレス鋼管をセルアセンブリ上に押圧した。
セルは、Arを満たしたグローブボックスの中でガラス治具の中に密閉して、Bio−logic VMP3ポテンショスタットに接続した。開回路電圧(OCV)で1時間静置した後、セルを、30℃に維持した恒温器の内部で、0.2mA/cm2の電流密度で電圧カットオフの4.2V vs.Li+/Liまで充電した。図8は、結果として生じた充電曲線(801)を示す。充電電圧は、4.14Vであり、Li22の質量の電気化学当量(Qtheo)の割合として、通過した電荷(Qexp)は、41%であった。この、および類似した実施例の結果を表4に要約する。
空気電極の製造、電解質の配合、およびセルの組み立て、ならびにセルの充電は、50mMの濃度で、OECとして、MPTを電解質に加えたことを除いて、比較実施例のように行った。MPTは、硫黄および窒素含有芳香族化合物である。充電電圧は、3.97Vであり、Li22の質量の電気化学当量(Qtheo)の割合として、通過した電荷(Qexp)は、67%であった。この、および類似した実施例の結果を表4に要約する。
空気電極の製造、電解質の配合、およびセルの組み立て、ならびにセルの充電は、50mMの濃度で、OECとして、LiIを電解質に加えたことを除いて、比較実施例のように行った。図8は、結果として生じる充電曲線(802)を示す。充電電圧は、3.69Vであり、Li22の質量の電気化学当量(Qtheo)の割合として、通過した電荷(Qexp)は、97%であった。この、および類似した実施例の結果を表4に要約する。
空気電極の製造、電解質の配合、およびセルの組み立て、ならびにセルの充電は、5mMの濃度で、OECとして、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノベンゾキノン(DDQ)を電解質に加えたことを除いて、比較実施例のように行った。DDQは、キノンである。充電電圧は、3.92Vであり、Li22の質量の電気化学当量(Qtheo)の割合として、通過した電荷(Qexp)は、68%であった。この、および類似した実施例の結果を表4に要約する。
空気電極の製造、電解質の配合、およびセルの組み立て、ならびにセルの充電は、空気電極を5mgのSuper P/PTFEおよび5mgのLi22で調製したこと、ならびに50mMの濃度で、OECとして、N,N,N´,N´−テトラメチルベンジジン(TMB)を電解質に加えたことを除いて、比較実施例のように行った。TMBは、窒素含有芳香族化合物である。充電電圧は、3.81Vであり、Li22の質量の電気化学当量(Qtheo)の割合として、通過した電荷(Qexp)は、62%であった。この、および類似した実施例の結果を表4に要約する。
空気電極の製造、電解質の配合、およびセルの組み立て、ならびにセルの充電は、空気電極を5mgのSuper P/PTFEおよび5mgのLi22で調製したこと、ならびに50mMの濃度で、OECとして、N4,N4,N4´,N4´−テトラメチル−p−フェニレンジアミン(TMPD)を電解質に加えたことを除いて、比較実施例のように行った。TMPDは、窒素含有芳香族化合物である。充電電圧は、3.74Vであり、Li22の質量の電気化学当量(Qtheo)の割合として、通過した電荷(Qexp)は、73%であった。この、および類似した実施例の結果を表4に要約する。
空気電極の製造、電解質の配合、およびセルの組み立て、ならびにセルの充電は、空気電極を5mgのSuper P/PTFEおよび5mgのLi22で調製したこと、ならびに50mMの濃度で、OECとして、N4,N4,N4´,N4´−テトラエチル−3,3´−ジメトキシ−[1,1´−ビフェニル]−4,4´−ジアミン、(TEDMB)を電解質に加えたことを除いて、比較実施例のように行った。TEDMBは、窒素含有芳香族化合物である。充電電圧は、3.73Vであり、Li22の質量の電気化学当量(Qtheo)の割合として、通過した電荷(Qexp)は、78%であった。この、および類似した実施例の結果を表4に要約する。
Figure 2013527567
以下の一組の実施例では、候補化合物の式量電位を特徴付けるために、およびその化合物によるLi22の間接的な陽極酸化を実証するために、電気化学実験を行った。実験は、Pine Instruments製MSR Rotatorに接続したVMP3ポテンショスタット、直径5mm(0.20cm2)のグラッシーカーボン回転円盤電極(RDE)、作用電極区画、リチウム金属の参照電極を伴う参照電極区画への塩橋、およびガラスフリットによって作用区画から分離された白金の対電極を伴う対区画にて行った。
トリエチレングリコールジメチルエーテル(トリグリム)および0.5MのLiTFSIから成る溶液を調製して、作用区画、対区画、および参照区画に加えた。5mMの濃度で、MPT(化学構造は、図9を参照されたい)を作用区画に加えた。図10に示されるように、Ar中で、50mV/s〜400mV/sの範囲の掃引速度でのCVは、MPTがE=3.81V vs.Li+/Liの式量電位を有することを実証する。
以下の原位置外実験は、MPTがLi−空気電池の中のLi22の間接的な陽極酸化を可能にするかどうかを試験するために行った。MPT+のバルク濃度は、回転下で陽極電流をRDEチップに通すことによって、作用区画の中で電気的に発生させた。バルク酸化は、全体で7.7mAhにわたって継続し、4.1mMのMPT+の作成に対応した。実験の継続期間の全体を通して、線形掃引ボルタンメトリー(LSV)を、システムについて20mV/sで周期的に行い、限界電流を記録した。図11は、バルク酸化前に取った初期のLSV曲線(1101)と、バルク酸化の完了時に取った最終的なLSV曲線(1102)とを示す。Levichの式によれば、可逆的な種のRDEでの限界拡散電流は、その濃度に比例する。結果的に、図12に示されるように、時間の乾燥としてプロットされる、MPTの酸化およびMPT+の還元の限界核酸電流は、実験全体を通じてこれらの種の濃度における傾向を明らかにする。バルク酸化の完了の4時間後に、20mgのLi22粉末を作用区画に加えた。Li22を加えた後に、MPTの酸化の限界拡散電流は増加したが、MPT+の還元の限界拡散電流は比例的に減少しており、Li22の酸化による、電気的に発生させたMPT+のMPTへのターンオーバーを示している。Li22を加えた2時間後に、最終的な還元電流から明白であるように、全てのMPT+がMPTに変換し戻された(1201)。
MOPP(化学構造は、図13を参照されたい)を、以下の手順に従って合成した。Ar中で火炎乾燥した丸底フラスコにおいて、フェノチアジン(0.50g)、4−ブロモアニソール(0.47g)、ナトリウムtert−ブトキシド(0.36g)、(2−ビフェニル)ジ−tert−ブチルホスフィン(0.06g)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.046g)、およびトルエン(20mL)を化合させて、一晩還流状態で加熱した。冷却に応じて、反応混合物を酢酸エチルで抽出し、水および塩水で洗浄し、そして、MgSO4上で乾燥した。生成物は、ジクロロメタン中でカラムクロマトグラフィを介して精製した。
MOPPの電気分析試験は、実施例7と同じ手順および測定器に従って行った。0.5MのLiTFSIおよびトリグリムを含有する溶液を調製し、作用区画、対区画、および参照区画に加え、そして、5mMの濃度で、MOPPを作用区画に加えた。図14に示されるように、Ar中で、50mV/s〜400mV/sの範囲の掃引速度でのCVは、MOPPがE=3.78V vs.Li+/Liの式量電位を有することを実証する。MOPP+のバルク濃度は、回転下で陽極電流をRDEチップに通すことによって、作用区画の中で電気的に発生させた。バルク酸化は、全体で4.0mAhにわたって継続し、2.5mMのMOPP+の作成に対応した。実施例7のように、LSVは、システムについて20mV/sで周期的に行った。図15は、時間の関数としての、MOPPの酸化およびMOPP+の還元の限界拡散電流のプロットを示す。バルク酸化の完了の4時間後に、20mgのLi22粉末をシステムに加えた。Li22を加えた後に、MOPPの酸化の限界拡散電流は増加したが、MOPP+の還元の限界拡散電流は比例的に減少しており、Li22の酸化による、電気的に発生させたMOPP+のMOPPへのターンオーバーを示している。Li22を加えた4時間後に、全てのMOPP+がMOPPに変換し戻された(1501)。
DEQ(化学構造は、図16を参照されたい)を、以下の手順に従って合成した。キノキサリン(1.95g、15mmol)および無水ベンゼン(30mL)を含有する、Ar中で火炎乾燥した丸底フラスコを0℃に冷却し、20分以上水素化ホウ素ナトリウム(6.00g、158mmol)をゆっくり加え、その後に、0℃で30分間攪拌した。次に、氷酢酸(25mL)を1時間以上滴下し、反応物を0〜10℃の間に1時間維持した。次いで、反応混合物を一晩還流状態で加熱し、過剰な水素化ホウ素ナトリウムを、100mL以下の水でクエンチし、生成物を酢酸エチルで抽出し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして、カラムクロマトグラフィを介して精製して2.54gを得た(89.2%の収率)。化合物の特徴付けは、文献で報告されている値に一致した。
DEQの電気分析試験は、実施例7と同じ手順および測定器に従って行った。0.5MのLiTFSIおよびジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグリム)を含有する溶液を調製し、作用区画、対区画、および参照区画に加え、そして、5mMの濃度で、DEQを作用区画に加えた。図17に示されるように、Ar中で、50mV/s〜400mV/sの範囲の掃引速度でのCVは、DEQがE=3.35V vs.Li+/Liの式量電位を有することを実証する。DEQ+のバルク濃度は、回転下で陽極電流をRDEチップに通すことによって、作用区画の中で電気的に発生させた。バルク酸化は、全体で9.3mAhにわたって継続し、5.8mMのDEQ+の作成に対応した。実施例7のように、LSVは、システムについて20mV/sで周期的に行った。図18は、時間の関数としての、DEQの酸化およびDEQ+の還元の限界拡散電流のプロットを示す。バルク酸化の完了の4時間後に、20mgのLi22粉末をシステムに加えた。Li22を加えた後に、DEQの酸化の限界拡散電流は増加したが、DEQ+の還元の限界拡散電流は比例的に減少しており、Li22の酸化による、電気的に発生させたDEQ+のDEQへのターンオーバーを示している。Li22を加えた4時間後に、ほぼ全てのDEQ+がDEQに変換し戻された(1801)。
OMAB(化学構造は、図19を参照されたい)を、以下の2つのステップ手順に従って合成した。

1) 1,2,4,5−テトラキス(ジメチルアミノ)−3,6−ジフルオロベンゼン。Ar中で火炎乾燥した丸底フラスコにおいて、リチウムジメチルアミド(40mLのヘキサン中5%の懸濁液、26.70mmol)、および無水THF(20mL以下、または塩を溶解するのに十分な量)を化合させて、−20℃に冷却した。次に、ヘキサフルオロベンゼン(0.62g、3.30mmol)を滴下し、1時間攪拌を継続した。次いで、反応物を、20%のKOH溶液中に注入し、酢酸エチルで抽出し、水および塩水で洗浄し、そして、硫酸ナトリウム上で乾燥した。この反応の生成物を、ごく少量のメタノールで洗浄することによって精製して、0.65gを得た。

2) Arグローブボックス中で、ジメトキシエタン(40mL)、ナトリウム(0.35g、15.28mmol)、およびビフェニル(1.62g、10.50mmol)を、丸底フラスコの中で化合させて、2時間撹拌した。次に、1,2,4,5−テトラキス(ジメチルアミノ)−3,6−ジフルオロベンゼン(0.41g、1.43mmol)を加え、一晩反応を進行させた。溶液の脱色が見られるまで希釈したHClを数滴加え、その後に、反応混合物を20mLの20%のHCl溶液中に注入し、ヘキサンでビフェニルを抽出し、アルカリ性になるまでアンモニア溶液を水層に加えた。次いで、水層を酢酸エチルで抽出し、水および塩水で洗浄し、MgSO4上で乾燥し、そして、結果として生じた白色の固形物をジクロロメタン/メタノールから再結晶させて、0.32gの生成物を得た。化合物の特徴付けは、文献で報告されている値に一致した。
OMABの電気分析試験は、実施例7と同じ手順および測定器に従って行った。0.5MのLiTFSIおよびN−メチルピロリドン(NMP)を含有する溶液を調製し、作用区画、対区画、および参照区画に加え、そして、5mMの濃度で、OMABを作用区画に加えた。図20に示されるように、Ar中で、50mV/s〜400mV/sの範囲の掃引速度でのCVは、OMABがE=3.16V vs.Li+/Liの式量電位を有することを実証する。OMAB2+のバルク濃度は、回転下で陽極電流をRDEチップに通すことによって、作用区画の中で電気的に発生させた。バルク酸化は、全体で7.8mAhにわたって継続し、2.43mMのOMAB2+の作成に対応した。実施例7のように、LSVは、システムについて20mV/sで周期的に行った。図21は、時間の関数としての、OMABの酸化およびOMAB2+の還元の限界拡散電流のプロットを示す。バルク酸化の完了の4時間後に、20mgのLi22粉末をシステムに加えた。Li22を加えた後に、OMABの酸化の限界拡散電流は増加したが、OMAB2+の還元の限界拡散電流は比例的に減少しており、Li22の酸化による、電気的に発生させたOMAB2+のOMABへのターンオーバーを示している。Li22を加えた20時間後に、大部分のOMAB2+がOMABに変換し戻された(2101)。
ABT−DE(化学構造は、図22を参照された)を、以下の5つのステップ手順に従って合成した。

1) 3−エチル−ベンゾチアゾール−2−one。室温で、11.6g(208.31mmol)のNaOHペレットを、250mLの丸底フラスコの中のDMF(30mL)中7.0g(46.29mmol)のベンゾチアゾロンの溶液に加えた。混合物を、油浴中で5分間60℃に加熱し、4.15mL(55.56mmol)の臭化エチルを混合物に滴下した。茶色のppt.が直ちに形成された。反応混合物を、60℃で1時間加熱し、次いで、加熱を止めて、室温に達するまでしばらくの間そのままにした。50mLのEtOAcを反応混合物に加え、次いで、蒸留したH2Oを加えた。次いで、生成物をEtOAcで抽出し、1MのHClで洗浄した。EtOAc抽出物を塩水で洗浄し、MgSO4上で乾燥した。化合した抽出物をロータリ蒸発器を使用して真空下で濃縮し、次いで、溶出液としてEtOAc−ヘキサンを使用して、シリカゲル上でカラムクロマトグラフィによって精製した。無色油としての生成物が、99%の収率で得られた。合成した化合物は、1H−NMR(400MHz)、13C−NMR(100MHz)、DEPT−135(100MHz)、CoSy、およびGC−MSスペクトルデータ分析によって特徴付けた。

2) 2−エチル−ベンジルアミノ−ジスルフィド。2.6g(14.5mmol)の3−エチル−ベンゾチアゾール−2−oneを、還流凝縮器をその上に伴う250mLの丸底フラスコに加えた。200mLのMeOH:H2O(1:1)をこのフラスコに加えて、混合物を15分間撹拌した。次いで、反応混合物を、大気に開口して13時間加熱還流し、次いで、6時間室温で放置して、生成物がジスルフィドに完全に酸化することを確実にした。生成物を、EtOAcで抽出し、1MのHClおよび塩水で洗浄し、次いで、MgSO4上で乾燥した。粗生成物を、溶出液として3%のEtOAc−ヘキサンを使用して、シリカゲル上でカラムクロマトグラフィによって精製した。2−エチル−ベンジルアミノ−ジスルフィドの黄色油が、74%の収率(2つのステップ全体)で得られ、次いでこれを、1H−NMR(400MHz)、13C−NMR(400MHz)、DEPT−135およびGCM分析によって完全に特徴付けた。

3) 3−エチル−ベンゾチアゾール−2−チオン。室温で、H2O中10MのNaOHを、1.8g(5.91mmol)の2−エチル−ベンジルアミノ−ジスルフィドの溶液に加えた。混合物を、5分間撹拌し、次いで、3.6mL(59.10mmol)の二硫化炭素を加えた。反応混合物を、Ar中で還流した。室温まで冷却した後に、混合物を次いでさらに2時間撹拌した。粗生成物を、EtOAcで抽出し、1MのHClで洗浄し、塩水で洗浄し、MgSO4上で乾燥した。化合した抽出物を、ロータリ蒸発器を使用して真空下で濃縮し、次いで、溶出液として12%のEtOAc−ヘキサンを使用して、シリカゲル上でカラムクロマトグラフィによって精製した。淡黄色の結晶性生成物が、96%の収率で得られた。3−エチル−ベンゾチアゾール−2−チオンの構造は、1H−NMR(400MHz)、13C−NMR(100MHz)、DEPT−135、およびGCM分析によって確認した。

4) 2−メチルスルファニル−3−エチル−ベンゾチアゾール。1.7mL(17.66mmol)のジメチル硫酸を、250mL丸底フラスコの中のアセトニトリル(60mL)中2.3g(11.77mmol)の3−エチル−ベンゾチアゾール−2−チオンに加えた。反応混合物を、4時間Ar中で還流した。反応物を、室温まで冷却し、次いで、ロータリ蒸発器を使用して濃縮した。室温で、200mLのEt2Oを、濃縮したアセトニトリル溶液に加えた。オフホワイトのppt.が形成され、次いでそれを濾過し、Et2Oで洗浄した。塩を、一晩高真空中で乾燥した。白色粉体が、100%の収率で得られた。2−メチルサルファニル−3−エチル−ベンゾチアゾールの構造は、1H−NMR(400MHz)、13C−NMR(100MHz)、DEPT−135分析によって確認した。

5) ABT−DE。Ar雰囲気中で、Et3N(3.12mL、22.4mmol)およびピリジン(0.05mL、0.56mmol)を、無水EtOH(10mL)中2−メチルサルファニル−3−エチル−ベンゾチアゾール(3.6g、11.20mmol)の溶液に加えた。混合物を、室温で15分間撹拌した。EtOH中に希釈した無水ヒドラジン(0.16mL、5.0mmol)を、反応混合物に滴下した。反応混合物を、室温で20時間撹拌した。20時間後、ABT−DEの白色ppt.が反応フラスコの中に観察された。生成物の完全な沈殿のために、ヘキサン(30mL)を、反応混合物に加えた。白色の沈殿物を、ブフナー漏斗を使用して濾過し、ヘキサンで洗浄した(100mL×2)。最後に、生成物を、溶媒系としてヘキサン−ジクロロメタン−酢酸エチルを使用して、シリカゲル上でカラムクロマトグラフィによって精製した。ABT−DEの白色の結晶性生成物が、90%の収率で得られた。生成物の構造は、1H−NMR(400MHz)、13C−NMR(100MHz)、DEPT−135、CoSy、およびGC−MSスペクトル分析によって完全に特徴付けた。
ABT−DEの電気分析試験は、実施例7と同じ手順および測定器に従って行った。0.5MのLiTFSIおよびジメチルアセトアミド(DMA)を含有する溶液を調製し、作用区画、対区画、および参照区画に加え、そして、5mMの濃度で、ABT−DEを作用区画に加えた。図23に示されるように、Ar中で、100mV/s〜800mV/sの範囲の掃引速度でのCVは、ABT−DEが、E1 =3.87VおよびE2 =4.28V vs.Li+/Liの式量電位による実験の電位窓内で、2つの可逆的な酸化還元過程を有することを実証する。ABT−DE+のバルク濃度は、回転下で陽極電流をRDEチップに通すことによって、作用区画の中で電気的に発生させた。バルク酸化は、全体で7.8mAhにわたって継続し、4.1mMのABT−DE+の作成に対応した。実施例7のように、LSVは、システムについて20mV/sで周期的に行った。図24は、時間の関数としての、ABT−DEの酸化およびABT−DE+の還元の限界拡散電流のプロットを示す。バルク酸化の完了の6時間後に、20mgのLi22粉末をシステムに加えた。Li22を加えた後に、ABT−DEの酸化の限界拡散電流は増加したが、ABT−DE+の還元の限界拡散電流は比例的に減少しており、Li22の酸化による、電気的に発生させたABT−DE+のABT−DEへのターンオーバーを示している。Li22を加えた2時間後に、最終的な還元電流から明白であるように、全てのABT−DE+がABT−DEに変換し戻された(2401)。
2の電気分析試験は、実施例7と類似した手順および測定器に従って行った。0.5MのLiTFSIおよびテトラグリムを含有する溶液を調製し、作用区画、対区画、および参照区画に加え、そして、I2を5mMの濃度でOECとして作用区画に加えた。図25に示されるように、Ar中で、100mV/s〜800mV/sの範囲の掃引速度でのCVは、I2が、CVの電位窓内で起こる複数の酸化還元過程を伴う錯体酸化還元性質を有することを実証する。I2の還元型は、I-およびI3 -を含む。実施例7とは対照的に、酸化型の化合物(I2)を溶液に直接加えたので、酸化種のバルクの電気的発生は不要であった。LSVは、システムについて20mV/sで周期的に行った。図26は、時間の関数としての、I2システムにおける酸化および還元の限界拡散電流のプロットを示す。限界拡散電流を観察した約1.5時間後に、20mgのLi22粉末をシステムに加えた。Li22を加えた後に、酸化の限界拡散電流は増加したが、還元の限界拡散電流は比例的に減少しており、Li22の酸化による、ヨウ素種のターンオーバーを示している。Li22を加えた約1.5時間に、I2の大部分が、還元されたヨウ素種に変換された(2601)。
以下の一組の実施例では、金属空気電池の中の酸素発生触媒(OEC)として使用するために、原位置外実験によって候補化合物をスクリーニングした。この実験では、候補OEC(TMB(ClO42)の存在下での、Li−空気電池放電生成物からの酸素発生を実証する。Arを満たしたグローブボックス内で、2mmolのLi22、1mmolのTMB(ClO42、および3mLのアセトニトリル(MeCN)を含有する混合物を、セプタムキャップによって気密反応容器の中に密閉し、この容器を、2時間超音波振動処理した。酸素発生の試験測定値は、Pfeiffer製Vacuum Omnistar四重極質量分析計を容器に接続し、注射器先端状の毛細管をセプタムを通して反応容器の中に挿入することによって得た。挿入の前に、毛細管を、Arでパージした。一価にイオン化された酸素ガス(z/e=32)と関連付けられるイオン電流を、反応容器内のガス状酸素発生を測る基準として用いた。対照測定値は、Li22を伴わずに調製した容器で同じ手順を行うことによって得た。この実験方法で試験されるこの化合物および他の化合物との比較のため、O2イオン電流の測定値を、Li22を含有し、かつ候補化合物を含有しない容器について得た。3つの容器(試験容器、対照容器、および候補化合物を含有しない容器)の酸素イオン電流は、816pA、4pA、および8pAであった。対照容器と比較すると、試験容器の高い酸素イオン電流は、MeCN中のLi22を酸化させることによって酸素を発生させるTMB2+種の能力を裏付ける。Li−空気セルでは、TMB2+種は、セルの充電中に、TMB(芳香族窒素含有化合物)から電気的に発生させることができる。この、および類似した実施例の結果を表5に要約する。
この実験では、MPT(ClO4)の存在下でのLi−空気電池放電生成物からの酸素発生を実証する。実験手順は、候補化合物として1mmolのMPT(ClO4)を含有する混合物とともに試験容器を調製したことを除いて、実施例13の手順と同じであった。3つの容器(試験容器、対照容器、および候補化合物を含有しない容器)の酸素イオン電流は、589pA、3pA、および8pAであった。対照容器の酸素イオン電流と比較すると、試験容器の高い酸素イオン電流は、MeCN中のLi22を酸化させることによって酸素を発生させるMPT+種の能力を裏付ける。Li−空気セルでは、MPT+種は、セルの充電中に、MPT(芳香族硫黄および窒素含有化合物)から電気的に発生させることができる。この、および類似した実施例の結果を表5に要約する。
この実験では、MPT(ClO4)の存在下でのNa−空気電池の放電生成物からの酸素発生を実証する。実験手順は、候補化合物として1mmolのMPT(ClO4)を含有する混合物とともに試験容器を調製したこと、および電池放電生成物として2mmolのNa2Oを使用したことを除いて、実施例13の手順と同じであった。3つの容器(試験容器、対照容器、および候補化合物を含有しない容器)の酸素イオン電流は、92pA、3pA、および3pAであった。対照容器の酸素イオン電流と比較すると、試験容器の高い酸素イオン電流は、MeCN中のNa2Oを酸化させることによって酸素を発生させるMPT種の能力を裏付ける。Na−空気セルでは、MPT+種は、セルの充電中に、MPT(芳香族硫黄および窒素含有化合物)から電気的に発生させることができる。この、および類似した実施例の結果を表5に要約する。
この実験では、TMPD(ClO4)の存在下での、Li空気電池放電生成物からの酸素発生を実証する。実験手順は、候補化合物として1mmolのTMPD(ClO4)を含有する混合物とともに試験容器を調製したことを除いて、実施例13の手順と同じであった。3つの容器(試験容器、対照容器、および候補化合物を含有しない容器)の酸素イオン電流は、88pA、5pA、および8pAであった。対照容器の酸素イオン電流と比較すると、試験容器の高い酸素イオン電流は、MeCN中のLi22を酸化させることによって酸素を発生させるTMPD+種の能力を裏付ける。Li−空気セルでは、TMPD+種は、セルの充電中に、TMPD(芳香族窒素含有化合物)から電気的に発生させることができる。この、および類似した実施例の結果を表5に要約する。
この実験では、I2の存在下での、Li空気電池放電生成物からの酸素発生を実証する。実験手順は、候補化合物として1mmolのI2を含有する混合物とともに試験容器を調製したことを除いて、実施例13の手順と同じであった。3つの容器(試験容器、対照容器、および候補化合物を含有しない容器)の酸素イオン電流は、912pA、4pA、および8pAであった。対照容器の酸素イオン電流と比較すると、試験容器の高い酸素イオン電流は、MeCN中のLi22を酸化させることによって酸素を発生させるI2種の能力を裏付ける。Li−空気セルでは、I2種は、セルの充電中に、全てがハロゲン化物化合物である、I5 -、I3 -、またはI−から電気的に発生させることができる。この、および類似した実施例の結果を表5に要約する。
この実験では、DDQの存在下での、Li空気電池放電生成物からの酸素発生を実証する。実験手順は、候補化合物として1mmolのDDQを含有する混合物とともに試験容器を調製したことを除いて、実施例13の手順と同じであった。3つの容器(試験容器、対照容器、および候補化合物を含有しない容器)の酸素イオン電流は、684pA、3pA、および8pAであった。対照容器の酸素イオン電流と比較すると、試験容器の高い酸素イオン電流は、MeCN中のLi22を酸化させることによって酸素を発生させるDDQ種の能力を裏付ける。Li−空気セルでは、DDQ種は、セルの充電中に、DDQ-またはDDQ2-、キノン化合物から電気的に発生させることができる。この、および類似した実施例の結果を表5に要約する。
この実験では、DDQの存在下でのNa−空気電池放電生成物からの酸素発生を実証する。実験手順は、候補化合物として1mmolのDDQを含有する混合物とともに試験容器を調製したこと、および電池放電生成物として2mmolのNa2Oを使用したことを除いて、実施例13の手順と同じであった。3つの容器(試験容器、対照容器、および候補化合物を含有しない容器)の酸素イオン電流は、366pA、3pA、および8pAであった。対照容器の酸素イオン電流と比較すると、試験容器の高い酸素イオン電流は、MeCN中のNa2Oを酸化させることによって酸素を発生させるMPT種の能力を裏付ける。Na−空気セルでは、DDQ種は、セルの充電中に、DDQ-またはDDQ2-、キノン化合物から電気的に発生させることができる。この、および類似した実施例の結果を表5に要約する。
この実験では、Cu(ClO42の存在下での、Li空気電池放電生成物からの酸素発生を実証する。実験手順は、候補化合物として1mmolのCu(ClO42を含有する混合物とともに試験容器を調製したことを除いて、実施例13の手順と同じであった。3つの容器(試験容器、対照容器、および候補化合物を含有しない容器)の酸素イオン電流は、1968pA、5pA、および8pAであった。対照容器の酸素イオン電流と比較すると、試験容器の高い酸素イオン電流は、MeCN中のLi22を酸化させることによって酸素を発生させるCu(II)種の能力を裏付ける。Li−空気セルでは、Cu(II)種は、セルの充電中に、低酸化数のCu種から電気的に発生させることができる。Cu金属中心は、無機アニオンまたは遷移金属錯体中に安定的に含有することができる。この、および類似した実施例の結果を表5に要約する。
この実験では、Cu(ClO42の存在下でのMg−空気電池放電生成物からの酸素発生を実証する。実験手順は、候補化合物として1mmolのCu(ClO42を含有する混合物とともに試験容器を調製したこと、および電池放電生成物として2mmolのMgOを使用したことを除いて、実施例13の手順と同じであった。3つの容器(試験容器、対照容器、および候補化合物を含有しない容器)の酸素イオン電流は、21pA、5pA、および8pAであった。対照容器の酸素イオン電流と比較すると、試験容器の高い酸素イオン電流は、MeCN中のMgOを酸化させることによって酸素を発生させるCu(II)種の能力を裏付ける。Mg−空気セルでは、Cu(II)種は、セルの充電中に、低酸化数のCu種から電気的に発生させることができる。Cu金属中心は、無機アニオンまたは遷移金属錯体中に安定的に含有することができる。この、および類似した実施例の結果を表5に要約する。
この実験では、Cu(ClO42の存在下での、Li空気電池放電生成物からの酸素発生を実証する。実験手順は、候補化合物として1mmolのCu(ClO42を含有する混合物とともに試験容器を調製したこと、および電池放電生成物として2mmolのLi2Oを使用したことを除いて、実施例13の手順と同じであった。3つの容器(試験容器、対照容器、および候補化合物を含有しない容器)の酸素イオン電流は、35pA、5pA、および8pAであった。対照容器の酸素イオン電流と比較すると、試験容器の高い酸素イオン電流は、MeCN中のMgOを酸化させることによって酸素を発生させるCu(II)種の能力を裏付ける。Li−空気セルでは、Cu(II)種は、セルの充電中に、低酸化数のCu種から電気的に発生させることができる。Cu金属中心は、無機アニオンまたは遷移金属錯体中に安定的に含有することができる。この、および類似した実施例の結果を表5に要約する。
この実験では、AuCl3の存在下での、Li空気電池放電生成物からの酸素発生を実証する。実験手順は、候補化合物として1mmolのAuCl3を含有する混合物とともに試験容器を調製したことを除いて、実施例13の手順と同じであった。3つの容器(試験容器、対照容器、および候補化合物を含有しない容器)の酸素イオン電流は、1727pA、7pA、および8pAであった。対照容器の酸素イオン電流と比較すると、試験容器の高い酸素イオン電流は、MeCN中のLi22を酸化させることによって酸素を発生させるAu(III)種の能力を裏付ける。Li−空気セルでは、Au(III)種は、セルの充電中に、低酸化数のAu種から電気的に発生させることができる。Au金属中心は、無機アニオンまたは遷移金属錯体中に安定的に含有することができる。この、および類似した実施例の結果を表5に要約する。
この実験では、フェロセニウムヘキサフルオロホスフェイト(FcPF6)の存在下での、Li空気電池放電生成物からの酸素発生を調査する。実験手順は、候補化合物として1mmolのFcPF6を含有する混合物とともに試験容器を調製したことを除いて、実施例13の手順と同じであった。3つの容器(試験容器、対照容器、および候補化合物を含有しない容器)の酸素イオン電流は、1pA、2pA、および8pAであった。対照容器の酸素イオン電流と比較すると、試験容器の高い酸素イオン電流の不足は、フェロセニウムが、MeCN中のLi22からの酸素の発生に対して不活性または弱活性であることを示す。この、および類似した実施例の結果を表5に要約する。
この実験では、酸化テトラチアフルバレン(TTF)の存在下での、Li空気電池放電生成物からの酸素発生を実証する。実験手順は、候補化合物として1mmolのTTF(ClO4)を含有する混合物とともに試験容器を調製したことを除いて、実施例13の手順と同じであった。3つの容器(試験容器、対照容器、および候補化合物を含有しない容器)の酸素イオン電流は、695pA、3pA、および8pAであった。対照容器の酸素イオン電流と比較すると、試験容器の高い酸素イオン電流は、MeCN中のLi22を酸化させることによって酸素を発生させるTTF+種の能力を裏付ける。Li−空気セルでは、TTF+種は、セルの充電中に、TTF(芳香族硫黄含有化合物)から電気的に発生させることができる。この、および類似した実施例の結果を表5に要約する。
この実験では、酸化MOPPの存在下での、Li空気電池放電生成物からの酸素発生を実証する。実験手順は、候補化合物として1mmolのMOPP(ClO4)を含有する混合物とともに試験容器を調製したことを除いて、実施例13の手順と同じであった。3つの容器(試験容器、対照容器、および候補化合物を含有しない容器)の酸素イオン電流は、918pA、4pA、および8pAであった。対照容器の酸素イオン電流と比較すると、試験容器の高い酸素イオン電流は、MeCN中のLi22を酸化させることによって酸素を発生させるMOPP+種の能力を裏付ける。Li−空気セルでは、MOPP+種は、セルの充電中に、MOPP(芳香族硫黄含有化合物)から電気的に発生させることができる。この、および類似した実施例の結果を表5に要約する。
この実験では、酸化N4,N4,N4´,N4´−テトラブチル−3,3´−ジメトキシ−[1,1´−ビフェニル]−4,4´−ジアミン(TBDMB)の存在下での、Li空気電池放電生成物からの酸素発生を実証する。実験手順は、候補化合物として2mmolのTBDMB(ClO4)を含有する混合物とともに試験容器を調製したことを除いて、実施例13の手順と同じであった。3つの容器(試験容器、対照容器、および候補化合物を含有しない容器)の酸素イオン電流は、557pA、4pA、および8pAであった。対照容器の酸素イオン電流と比較すると、試験容器の高い酸素イオン電流は、MeCN中のLi22を酸化させることによって酸素を発生させるTBDMB+種の能力を裏付ける。Li−空気セルでは、TBDMB+種は、セルの充電中に、TBDMB(芳香族窒素含有化合物)から電気的に発生させることができる。この、および類似した実施例の結果を表5に要約する。
Figure 2013527567

Claims (77)

  1. a)活性金属イオンを取り込み、放出することが可能な負電極と、
    b)電気活性材料として酸素を使用する、多孔質正電極と、
    c)前記負電極と正電極との間でイオンを伝導するように構成され、かつ1つ以上の相を含む、電解質と、
    を備え、少なくとも1つの相は、液体を含み、少なくとも部分的に前記正電極の孔を満たし、
    前記液体は、酸素発生触媒を備える、
    充電式金属空気電池。
  2. 前記酸素発生触媒は、無機アニオンを含む、請求項1に記載の電池。
  3. 前記酸素発生触媒は、ハロゲン化物を含む、請求項1に記載の電池。
  4. 前記ハロゲン化物は、I-である、請求項3に記載の電池。
  5. 前記酸素発生触媒は、擬ハロゲン化物を含む、請求項1に記載の電池。
  6. 前記酸素発生触媒は、ポリオキソメタレートを含む、請求項1に記載の電池。
  7. 前記酸素発生触媒は、1つ以上のリガンドに結合される1つ以上の遷移金属中心を含む、遷移金属錯体を備える、請求項1に記載の電池。
  8. 前記1つ以上の遷移金属中心は、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Nb、Mo、Ru、Pd、Ag、W、Os、Ir、Pt、Au、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項7に記載の電池。
  9. 前記酸素発生触媒は、
    Figure 2013527567
    およびそれらの組み合わせから成る群から選択される、遷移金属錯体であり、
    式中、Mは独立して、Li、Na、Al、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Nb、Mo、Ru、Pd、Ag、W、Os、Ir、Pt、またはAuから選択され、
    1〜R16は独立して、置換された又は非置換の、C1−C10アルキル基、アリール基、C4−C8炭素環式基、C4−C8複素環式基から選択され、ヘテロ原子は独立して、N、O、S、Se、もしくはTe、ハロゲン、または短分子から選択される、請求項1に記載の電池。
  10. 前記酸素発生触媒は、キノンまたはキノイドを含む、請求項1に記載の電池。
  11. 前記酸素発生触媒は、
    Figure 2013527567
    およびそれらの組み合わせから成る群から選択され、
    式中、R1〜R4は独立して、置換された又は非置換の、C1−C10アルキル基、アリール基、C4−C8炭素環式基、C4−C8複素環式基から選択され、ヘテロ原子は独立して、N、O、S、Se、もしくはTe、ハロゲン、または短分子から選択される、請求項10に記載の電池。
  12. 前記酸素発生触媒は、芳香族化合物を含む、請求項1に記載の電池。
  13. 前記酸素発生触媒は、窒素含有芳香族化合物を含む、請求項1に記載の電池。
  14. 前記酸素発生触媒は、以下の構造を有する置換されたトリアリールアミンを含み、
    Figure 2013527567
    式中、R1〜R5は独立して、置換された又は非置換の、C1−C10アルキル基、アリール基、C4−C8炭素環式基、C4−C8複素環式基から選択され、ヘテロ原子は独立して、N、O、S、Se、もしくはTe、ハロゲン、または短分子から選択される、請求項13に記載の電池。
  15. 前記酸素発生触媒は、
    Figure 2013527567
    およびそれらの組み合わせから成る群から選択され、
    式中、R1〜R12は独立して、置換された又は非置換の、C1−C10アルキル基、アリール基、C4−C8炭素環式基、C4−C8複素環式基から選択され、ヘテロ原子は独立して、N、O、S、Se、もしくはTe、ハロゲン、または短分子から選択される、請求項13に記載の電池。
  16. 前記酸素発生触媒は、
    Figure 2013527567
    およびそれらの組み合わせから成る群から選択され、
    式中、R1〜R12は独立して、置換された又は非置換の、C1−C10アルキル基、アリール基、C4−C8炭素環式基、C4−C8複素環式基から選択され、ヘテロ原子は独立して、N、O、S、Se、もしくはTe、ハロゲン、または短分子から選択される、請求項13に記載の電池。
  17. 前記酸素発生触媒は、以下の構造を有する置換されたフェノチアジンを含み、
    Figure 2013527567
    式中、R1〜R9は独立して、置換された又は非置換の、C1−C10アルキル基、アリール基、C4−C8炭素環式基、C4−C8複素環式基から選択され、前記ヘテロ原子は独立して、N、O、S、Se、もしくはTe、任意のハロゲン、または短分子から選択される、請求項1に記載の電池。
  18. 前記酸素発生触媒は、以下の構造を有する置換された1,2−ビス(3−アルキル−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イリデン)ヒドラジンを含み、
    Figure 2013527567
    式中、X1およびX2は独立して、SまたはOから選択され、
    1〜R10は独立して、置換された又は非置換の、C1−C10アルキル基、アリール基、C4−C8炭素環式基、C4−C8複素環式基から選択され、ヘテロ原子は独立して、N、O、S、Se、もしくはTe、ハロゲン、または短分子から選択される、請求項1に記載の電池。
  19. 前記酸素発生触媒は、以下の構造を有する置換されたカルバゾールを含み、
    Figure 2013527567
    式中、Xは、NR、CR2、C=CR2、C=O、S、Se、Te、またはOであり、
    1〜R8は独立して、置換された又は非置換の、C1−C10アルキル基、アリール基、C4−C8炭素環式基、C4−C8複素環式基から選択され、ヘテロ原子は独立して、N、O、S、Se、もしくはTe、ハロゲン、または短分子から選択される、請求項1に記載の電池。
  20. 前記酸素発生触媒は、硫黄、セレニウム、およびテルリウムのうちの1つ以上を含有する芳香族化合物を含む、請求項1に記載の電池。
  21. 前記酸素発生触媒は、
    Figure 2013527567
    およびそれらの組み合わせから成る群から選択され、
    式中、X1〜X4は独立して、S、Se、O、またはTeから選択され、
    1〜R8は独立して、置換された又は非置換の、C1−C10アルキル基、アリール基、C4−C8炭素環式基、C4−C8複素環式基から選択され、ヘテロ原子は独立して、N、O、S、Se、もしくはTe、ハロゲン、または短分子から選択される、請求項1に記載の電池。
  22. 前記酸素発生触媒は、
    Figure 2013527567
    およびそれらの組み合わせから成る群から選択され、
    式中、X1〜X3は独立して、S、Se、O、C=CR2、C=O、またはTeから選択され、
    1〜R8は独立して、置換された又は非置換の、C1−C10アルキル基、アリール基、C4−C8炭素環式基、C4−C8複素環式基から選択され、ヘテロ原子は独立して、N、O、S、Se、もしくはTe、ハロゲン、または短分子から選択され、
    nは、0〜100の範囲である、請求項1に記載の電池。
  23. 前記酸素発生触媒は、以下の構造を有する置換されたチアントレンを含み、
    Figure 2013527567
    式中、X1およびX2は独立して、S、Se、O、C=CR2、C=O、またはTeから選択され、
    1〜R8は独立して、置換された又は非置換の、C1−C10アルキル基、アリール基、C4−C8炭素環式基、C4−C8複素環式基から選択され、ヘテロ原子は独立して、N、O、S、Se、もしくはTe、ハロゲン、または短分子から選択される、請求項1に記載の電池。
  24. 前記酸素発生触媒は、酸素含有芳香族化合物を含む、請求項1に記載の電池。
  25. 前記酸素発生触媒は、
    Figure 2013527567
    およびそれらの組み合わせから成る群から選択され、
    式中、R1〜R6は独立して、置換された又は非置換の、C1−C10アルキル基、アリール基、C4−C8炭素環式基、C4−C8複素環式基から選択され、ヘテロ原子は独立して、N、O、S、Se、もしくはTe、ハロゲン、または短分子から選択される、請求項1に記載の電池。
  26. 前記酸素発生触媒は、リン含有芳香族化合物を含む、請求項1に記載の電池。
  27. 前記酸素発生触媒は、
    Figure 2013527567
    およびそれらの組み合わせから成る群から選択され、
    式中、R1〜R14は独立して、置換された又は非置換の、C1−C10アルキル基、アリール基、C4−C8炭素環式基、C4−C8複素環式基から選択され、前記ヘテロ原子は独立して、N、O、S、Se、もしくはTe、ハロゲン、または短分子から選択され、
    nは、1〜100の範囲である、請求項1に記載の電池。
  28. 前記酸素発生触媒は、
    Figure 2013527567
    およびそれらの組み合わせから成る群から選択され、
    式中、X1〜X3は、S、Se、O、C=CR2、C=O、NR、またはTeから独立して選択され、
    1〜R10は独立して、置換された又は非置換の、C1−C10アルキル基、アリール基、C4−C8炭素環式基、C4−C8複素環式基から選択され、前記ヘテロ原子は独立して、N、O、S、Se、もしくはTe、ハロゲン、または短分子から選択され、
    nは、1〜100の範囲である、請求項1に記載の電池。
  29. 前記酸素発生触媒は、
    Figure 2013527567
    およびそれらの組み合わせから成る群から選択され、
    式中、R1〜R4は独立して、置換された又は非置換の、C1−C10アルキル基、アリール基、C4−C8炭素環式基、C4−C8複素環式基から選択され、ヘテロ原子は独立して、N、O、S、Se、もしくはTe、ハロゲン、または短分子から選択される、請求項1に記載の電池。
  30. 前記酸素発生触媒は、ポリマー構造に取り付けられる、請求項1に記載の電池。
  31. 前記酸素発生触媒は、平衡セル電圧より1.5V未満高い平衡電位を有する、請求項1に記載の電池。
  32. 前記酸素発生触媒は、前記平衡セル電圧より1V未満高い平衡電位を有する、請求項1に記載の電池。
  33. 前記酸素発生触媒は、前記平衡セル電圧より0.5V未満高い平衡電位を有する、請求項1に記載の電池。
  34. 前記酸素発生触媒は、前記平衡セル電圧より0.4V未満高い平衡電位を有する、請求項1に記載の電池。
  35. 前記酸素発生触媒は、前記平衡セル電圧より0.3V未満高い平衡電位を有する、請求項1に記載の電池。
  36. 前記酸素発生触媒は、前記平衡セル電圧より0.2V未満高い平衡電位を有する、請求項1に記載の電池。
  37. 前記酸素発生触媒は、前記平衡セル電圧より0.1V未満高い平衡電位を有する、請求項1に記載の電池。
  38. 前記酸素発生触媒は、100以上のターンオーバー数を有する、請求項1に記載の電池。
  39. 前記酸素発生触媒は、500以上のターンオーバー数を有する、請求項1に記載の電池。
  40. 前記酸素発生触媒は、1000以上のターンオーバー数を有する、請求項1に記載の電池。
  41. 前記酸素発生触媒は、5000以上のターンオーバー数を有する、請求項1に記載の電池。
  42. 前記酸素発生触媒は、10,000以上のターンオーバー数を有する、請求項1に記載の電池。
  43. 前記酸素発生触媒は、0.05M以上の前記液体への溶解性を有する、請求項1に記載の電池。
  44. 前記酸素発生触媒は、0.1M以上の前記液体への溶解性を有する、請求項1に記載の電池。
  45. 前記酸素発生触媒は、0.5M以上の前記液体への溶解性を有する、請求項1に記載の電池。
  46. 前記酸素発生触媒は、1.0M以上の前記液体への溶解性を有する、請求項1に記載の電池。
  47. 前記酸素発生触媒は、2.0M以上の前記液体への溶解性を有する、請求項1に記載の電池。
  48. 前記液体は、極性非プロトン溶媒である、請求項1に記載の電池。
  49. 前記極性非プロトン溶媒は、エーテル、グリム、炭酸塩、ニトリル、アミド、アミン、有機硫黄溶媒、有機リン溶媒、有機ケイ素溶媒、フッ素化溶媒、およびイオン液体から成る群から選択される、1つ以上の溶媒を含む、請求項48に記載の電池。
  50. 前記電解質は、前記正電極と負電極との間に間置される第2の相を含み、前記酸素発生触媒に対して半透過性および実質的に不透過性である、請求項1に記載の電池。
  51. 前記第2の電解質相は、ポリマーを含む、請求項50に記載の電池。
  52. 前記第2の電解質相は、ガラスセラミックを含む、請求項50に記載の電池。
  53. 前記第2の電解質相は、固体電解質中間相を含む、請求項50に記載の電池。
  54. 前記電解質は、アニオン受容体、カチオン受容体、および固体電解質中間相形成剤から成る群から選択される、1つ以上の添加剤を含有する、請求項1に記載の電池。
  55. 前記負電極は、活性Liイオンを取り込み、放出することが可能である、請求項1に記載の電池。
  56. 前記正電極は、Li22またはLi2Oをさらに含む、請求項55に記載の電池。
  57. 前記負電極は、活性Naイオンを取り込み、放出することが可能である、請求項1に記載の電池。
  58. 前記正電極は、Na22またはNa2Oをさらに含む、請求項57に記載の電池。
  59. 前記負電極は、活性Mgイオンを取り込み、放出することが可能である、請求項1に記載の電池。
  60. 前記正電極は、MgOまたはMgO2をさらに含む、請求項59に記載の電池。
  61. 前記負電極は、活性Caイオンを取り込み、放出することが可能である、請求項1に記載の電池。
  62. 前記正電極は、CaOまたはCaO2をさらに含む、請求項61に記載の電池。
  63. 前記負電極は、Si、Ge、Sn、Sb、Al、Mg、およびBiから成る群から選択される、1つ以上の合金材料をさらに含む、請求項1に記載の電池。
  64. 前記負電極は、金属酸化物、金属水素化物、金属窒化物、金属フッ化物、金属硫化物、金属アンチモン化物、および金属リン化物から成る群から選択される、転換反応材料をさらに含む、請求項1に記載の電池。
  65. 酸素発生触媒を備える、第1の構成要素を提供することと、
    金属酸化物放電生成物を含む、第2の構成要素を提供することと、
    前記第1の構成要素および前記第2の構成要素を備える、空気電極を形成することと、
    を含む、方法。
  66. 活性金属イオンを取り込み、放出することが可能な負電極を提供することと、
    電解質を使用して前記負電極と前記空気電極の間の接続を形成することと、
    をさらに含む、請求項65に記載の方法。
  67. 金属空気電池で使用するための空気電極であって、
    a) 電子伝導性成分と、
    b) 金属酸化物と、
    c) 酸素発生触媒と、
    を備える、空気電極。
  68. 前記金属酸化物は、20質量%を超える量で前記空気電極中に含有される、請求項67に記載の空気電極。
  69. 前記金属酸化物は、40質量%を超える量で前記空気電極中に含有される、請求項67に記載の空気電極。
  70. 前記金属酸化物は、60質量%を超える量で前記空気電極中に含有される、請求項67に記載の空気電極。
  71. 前記金属酸化物は、80質量%を超える量で前記空気電極中に含有される、請求項67に記載の空気電極。
  72. 前記金属酸化物は、Na22またはNa2Oである、請求項67に記載の空気電極。
  73. 前記金属酸化物は、MgOまたはMgO2である、請求項67に記載の空気電極。
  74. 前記金属酸化物は、CaOまたはCaO2である、請求項67に記載の空気電極。
  75. 前記金属酸化物は、Li22またはLi2Oである、請求項67に記載の空気電極。
  76. 前記空気電極は、90%を超える前記金属酸化物が酸化されるように、0.2mA/cm2を超える電流密度で、電池のOCVより1V以下高い電圧まで前記電池に充電することが可能である、請求項75に記載の空気電極。
  77. 充電式金属空気電池で使用するための材料であって、
    a) 前記電池に用いられる液体に可溶であり、
    b) 前記平衡セル電圧を超える電位で電気化学的に活性化され、
    c) 前記充電式金属空気電池の放電中に生成される金属酸化物放電生成物を酸化させることによって、酸素ガスを発生させることが可能である、
    材料。
JP2013506357A 2010-04-23 2011-04-25 充電式金属空気電池のための可溶性酸素発生触媒 Pending JP2013527567A (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US32730410P 2010-04-23 2010-04-23
US61/327,304 2010-04-23
US39201410P 2010-10-11 2010-10-11
US61/392,014 2010-10-11
PCT/US2011/033821 WO2011133982A1 (en) 2010-04-23 2011-04-25 Soluble oxygen evolving catalysts for rechargeable metal-air batteries

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013527567A true JP2013527567A (ja) 2013-06-27
JP2013527567A5 JP2013527567A5 (ja) 2014-10-02

Family

ID=44834547

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013506357A Pending JP2013527567A (ja) 2010-04-23 2011-04-25 充電式金属空気電池のための可溶性酸素発生触媒

Country Status (5)

Country Link
US (2) US20120028137A1 (ja)
EP (1) EP2561573B1 (ja)
JP (1) JP2013527567A (ja)
KR (1) KR20130103333A (ja)
WO (1) WO2011133982A1 (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015022858A1 (ja) * 2013-08-15 2015-02-19 国立大学法人 東京大学 リチウム-空気電池用電解液
WO2015133139A1 (en) * 2014-03-06 2015-09-11 Sharp Kabushiki Kaisha Battery anode with preloaded metals
US9178254B2 (en) 2010-12-07 2015-11-03 Samsung Electronics Co., Ltd. Lithium air battery
JP2016110699A (ja) * 2014-12-02 2016-06-20 日本電信電話株式会社 リチウム空気二次電池
JP2017507472A (ja) * 2012-03-28 2017-03-16 シャープ株式会社 予め充填された金属を有する電池の負極
JP2017054760A (ja) * 2015-09-11 2017-03-16 日本電信電話株式会社 リチウム空気二次電池
CN106732766A (zh) * 2015-11-20 2017-05-31 现代自动车株式会社 用于锂‑空气电池的可溶性催化剂
JP2017103215A (ja) * 2015-12-01 2017-06-08 株式会社デンソー 非水型マグネシウム酸素電池
JP2017107786A (ja) * 2015-12-11 2017-06-15 日本電信電話株式会社 リチウム空気二次電池およびリチウム空気二次電池用電解質
JP2019003940A (ja) * 2017-06-12 2019-01-10 パナソニックIpマネジメント株式会社 空気電池
JP2019003935A (ja) * 2017-06-12 2019-01-10 パナソニックIpマネジメント株式会社 リチウム空気電池
JP2019046784A (ja) * 2017-08-31 2019-03-22 パナソニックIpマネジメント株式会社 リチウム空気電池

Families Citing this family (32)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9431660B2 (en) 2010-09-23 2016-08-30 Robert Bosch Gmbh Lithium battery with charging redox couple
US9761878B2 (en) 2010-09-23 2017-09-12 Robert Bosch Gmbh Metal/oxygen battery with a clean surface for oxidizing redox additives
WO2013077863A1 (en) * 2011-11-22 2013-05-30 Robert Bosch Gmbh Lithium battery with charging redox couple
KR101899483B1 (ko) * 2011-11-30 2018-09-18 삼성전자주식회사 리튬 공기 전지
KR101887534B1 (ko) * 2012-04-03 2018-08-13 삼성전자주식회사 리튬 공기 전지의 충전 방법
WO2013183655A1 (ja) * 2012-06-05 2013-12-12 日本電気株式会社 リチウム二次電池
JP5660086B2 (ja) * 2012-08-08 2015-01-28 株式会社デンソー マグネシウム二次電池
EP2883269B1 (en) * 2012-08-10 2019-05-08 Robert Bosch GmbH Controlling the location of product distribution and removal in a metal/oxygen cell
KR101571588B1 (ko) 2012-09-11 2015-11-24 주식회사 두산 퀴녹살린계 유기발광 화합물 및 이를 이용한 유기 전계 발광 소자
WO2014080871A1 (ja) 2012-11-20 2014-05-30 日本電気株式会社 リチウムイオン二次電池
US9450278B2 (en) 2012-12-20 2016-09-20 International Business Machines Corporation Cathode material for lithium—oxygen battery
JP5854009B2 (ja) * 2012-12-26 2016-02-09 株式会社デンソー マグネシウム二次電池用負極の表面処理方法
DE102013200585A1 (de) * 2013-01-16 2014-07-31 Siemens Aktiengesellschaft Wiederaufladbarer elektrischer Energiespeicher
CN103474671B (zh) * 2013-09-13 2015-10-28 深圳大学 一种锂空气电池用碳-过氧化锂正极及其制备方法
KR101600141B1 (ko) 2013-10-11 2016-03-04 서울대학교산학협력단 레독스 플로우 전지용 전해액 및 이를 포함하는 레독스 플로우 전지
KR20150057260A (ko) * 2013-11-19 2015-05-28 한양대학교 산학협력단 리튬 공기 전지용 양극 및 이를 포함하는 리튬 공기 전지
CN103633308A (zh) * 2013-11-28 2014-03-12 宁波金和新材料股份有限公司 一种富锂镍钴铝氧正极材料及其制备方法
US10079401B2 (en) 2014-03-24 2018-09-18 Cornell University Symmetric redox flow battery containing organic redox active molecule
WO2015148358A1 (en) 2014-03-24 2015-10-01 Cornell University Solar flow battery
US9343787B2 (en) 2014-07-30 2016-05-17 Toyota Motor Engineering & Manufacturing North America, Inc. Lithium-air battery with sodium salt as mediator
WO2016024919A1 (en) * 2014-08-15 2016-02-18 National University Of Singapore A battery system
US20160172676A1 (en) * 2014-12-10 2016-06-16 Basf Corporation Metal Hydride Compositions and Lithium Ion Batteries
CN106328964B (zh) * 2015-06-25 2019-04-23 清华大学 金属空气电池正极及金属空气电池
EP3116052A1 (en) 2015-07-08 2017-01-11 Basf Se Rechargeable metal-oxygen cells
US10103402B2 (en) 2015-12-01 2018-10-16 University Of Kentucky Research Foundation Liquid phenothiazine catholytes for non-aqueous redox flow batteries
JP2017022096A (ja) * 2016-06-28 2017-01-26 ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツングRobert Bosch Gmbh 電気化学セル
EP3267514B1 (en) * 2016-07-06 2021-01-27 LiCAP Technologies, Inc. Lithium attached electrodes and method of making same
US10177427B2 (en) * 2017-02-10 2019-01-08 General Electric Company Electrochemical cell for use in high temperature metal-air battery
US10826145B2 (en) 2017-02-10 2020-11-03 General Electric Company Electrochemical cell for use in high temperature metal-air battery
US11515566B2 (en) 2020-04-26 2022-11-29 International Business Machines Corporation Liquid cathode formulation for rechargeable metal halide battery
CN113976099B (zh) * 2021-11-23 2023-06-27 山东交通学院 一种负载氧化钙的磁性多孔碱性碳材料、其制备方法及应用
CN116207313B (zh) * 2023-05-06 2023-07-11 苏州擎动动力科技有限公司 自增湿膜电极及其制备方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20080096061A1 (en) * 2006-06-12 2008-04-24 Revolt Technology Ltd Metal-Air Battery or Fuel Cell
JP2010033890A (ja) * 2008-07-29 2010-02-12 Toyota Central R&D Labs Inc リチウム空気電池
JP2010167390A (ja) * 2009-01-26 2010-08-05 Nec Corp 酸素還元触媒、それを用いた燃料電池および空気電池、酸素還元触媒の製造方法

Family Cites Families (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3316126A (en) * 1962-03-01 1967-04-25 Pullman Inc Fuel cell
US4255498A (en) * 1979-10-26 1981-03-10 Toshiba Ray-O-Vac Co., Ltd. Button-type air cell
US6908710B2 (en) * 2001-10-09 2005-06-21 Valence Technology, Inc. Lithiated molybdenum oxide active materials
US7645543B2 (en) * 2002-10-15 2010-01-12 Polyplus Battery Company Active metal/aqueous electrochemical cells and systems
US6855453B2 (en) * 2002-12-30 2005-02-15 Utc Fuel Cells, Llc Fuel cell having a corrosion resistant and protected cathode catalyst layer
JP2004319324A (ja) * 2003-04-17 2004-11-11 Matsushita Electric Ind Co Ltd 電気化学デバイス
US7238440B2 (en) * 2003-10-03 2007-07-03 E. I. Du Pont De Nemours And Company Membrane free fuel cell
US7282295B2 (en) * 2004-02-06 2007-10-16 Polyplus Battery Company Protected active metal electrode and battery cell structures with non-aqueous interlayer architecture
KR100570359B1 (ko) * 2004-12-23 2006-04-12 비나텍주식회사 하이브리드 전지
GB0505087D0 (en) * 2005-03-12 2005-04-20 Acal Energy Ltd Fuel cells
CN101147286A (zh) * 2005-08-25 2008-03-19 松下电器产业株式会社 氧还原用电极
EP1977475B1 (en) * 2005-12-06 2012-02-29 ReVolt Technology Ltd Bifunctional air electrode
US20110123877A1 (en) * 2007-08-23 2011-05-26 Nec Corporation Catalyst for oxygen reduction electrode and oxygen reduction electrode
US20090053594A1 (en) * 2007-08-23 2009-02-26 Johnson Lonnie G Rechargeable air battery and manufacturing method
JP5315831B2 (ja) * 2008-03-24 2013-10-16 株式会社豊田中央研究所 リチウム空気電池
US20090288946A1 (en) * 2008-05-23 2009-11-26 Lumimove, Inc. Dba Crosslink Electroactivated film with layered structure
US20100266907A1 (en) * 2008-11-04 2010-10-21 Rachid Yazami Metal air battery system
CN101960664B (zh) * 2008-12-25 2014-06-04 丰田自动车株式会社 锂空气电池
KR20120063163A (ko) * 2010-12-07 2012-06-15 삼성전자주식회사 리튬 공기 전지

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20080096061A1 (en) * 2006-06-12 2008-04-24 Revolt Technology Ltd Metal-Air Battery or Fuel Cell
JP2010033890A (ja) * 2008-07-29 2010-02-12 Toyota Central R&D Labs Inc リチウム空気電池
JP2010167390A (ja) * 2009-01-26 2010-08-05 Nec Corp 酸素還元触媒、それを用いた燃料電池および空気電池、酸素還元触媒の製造方法

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9178254B2 (en) 2010-12-07 2015-11-03 Samsung Electronics Co., Ltd. Lithium air battery
JP2017507472A (ja) * 2012-03-28 2017-03-16 シャープ株式会社 予め充填された金属を有する電池の負極
WO2015022858A1 (ja) * 2013-08-15 2015-02-19 国立大学法人 東京大学 リチウム-空気電池用電解液
WO2015133139A1 (en) * 2014-03-06 2015-09-11 Sharp Kabushiki Kaisha Battery anode with preloaded metals
JP2016110699A (ja) * 2014-12-02 2016-06-20 日本電信電話株式会社 リチウム空気二次電池
JP2017054760A (ja) * 2015-09-11 2017-03-16 日本電信電話株式会社 リチウム空気二次電池
CN106732766B (zh) * 2015-11-20 2021-04-27 现代自动车株式会社 用于锂-空气电池的可溶性催化剂
CN106732766A (zh) * 2015-11-20 2017-05-31 现代自动车株式会社 用于锂‑空气电池的可溶性催化剂
JP2017098215A (ja) * 2015-11-20 2017-06-01 現代自動車株式会社Hyundai Motor Company リチウム−空気電池用液相触媒
JP2017103215A (ja) * 2015-12-01 2017-06-08 株式会社デンソー 非水型マグネシウム酸素電池
JP2017107786A (ja) * 2015-12-11 2017-06-15 日本電信電話株式会社 リチウム空気二次電池およびリチウム空気二次電池用電解質
JP2019003940A (ja) * 2017-06-12 2019-01-10 パナソニックIpマネジメント株式会社 空気電池
JP2019003935A (ja) * 2017-06-12 2019-01-10 パナソニックIpマネジメント株式会社 リチウム空気電池
US10629970B2 (en) 2017-06-12 2020-04-21 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Lithium air battery including negative electrode, positive electrode, nonaqueous lithium ion conductor, and copper ion
US10665867B2 (en) 2017-06-12 2020-05-26 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Air battery including negative electrode, positive electrode, nonaqueous metal ion conductor, and oxygen evolving catalyst
JP2019046784A (ja) * 2017-08-31 2019-03-22 パナソニックIpマネジメント株式会社 リチウム空気電池

Also Published As

Publication number Publication date
US20200411933A1 (en) 2020-12-31
KR20130103333A (ko) 2013-09-23
WO2011133982A1 (en) 2011-10-27
US20120028137A1 (en) 2012-02-02
EP2561573B1 (en) 2020-03-25
EP2561573A4 (en) 2016-09-14
EP2561573A1 (en) 2013-02-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20200411933A1 (en) Soluble oxygen evolving catalysts for rechargeable metal-air batteries
Shu et al. Understanding the reaction chemistry during charging in aprotic lithium–oxygen batteries: existing problems and solutions
Yadegari et al. Sodium‐oxygen batteries: a comparative review from chemical and electrochemical fundamentals to future perspective
Bergner et al. How to improve capacity and cycling stability for next generation Li–O2 batteries: approach with a solid electrolyte and elevated redox mediator concentrations
Qin et al. Superoxide-based K–O2 batteries: highly reversible oxygen redox solves challenges in air electrodes
Lin et al. Controlling reversible expansion of Li2O2 formation and decomposition by modifying electrolyte in Li-O2 batteries
JP3555097B2 (ja) 電極材料及び二次電池
JP3525403B2 (ja) 電極材料及び二次電池
Kwon et al. Stability of Glyme Solvate Ionic Liquid as an Electrolyte for Rechargeable Li− O2 Batteries
Trahan et al. Solvent-coupled catalysis of the oxygen electrode reactions in lithium-air batteries
Lee et al. Polyoxometalate as a Nature-Inspired Bifunctional Catalyst for Lithium–Oxygen Batteries
JP6716364B2 (ja) リチウム−空気電池用液相触媒
Lyu et al. A dicyanobenzoquinone based cathode material for rechargeable lithium and sodium ion batteries
JP5589821B2 (ja) 蓄電デバイス及び電極活物質の製造方法
US10727488B2 (en) Redox mediators for metal-sulfur batteries
Liu et al. Prevention of na corrosion and dendrite growth for Long-Life Flexible Na–Air Batteries
JP2017027868A (ja) レドックスフロー電池
JP2008112630A (ja) 二次電池
US9431678B2 (en) Functionalized carboranyl magnesium electrolyte for magnesium battery
Wang et al. Benzene-bridged anthraquinones as a high-rate and long-lifespan organic cathode for advanced Na-ion batteries
Chen et al. Charging processes in lithium-oxygen batteries unraveled through the lens of the distribution of relaxation times
Zhang et al. Real-Time Monitoring of Surface Effects on the Oxygen Reduction Reaction Mechanism for Aprotic Na–O2 Batteries
Wang et al. Bio-derived 4-electron-accepting carbonyl-N-methylpyridinium species for high-performance lithium-organic batteries
KR20130008830A (ko) 신규한 이온성 액체, 이온성 액체를 포함하는 리튬 공기 전지용 겔 고분자 전해질 및 리튬 공기 전지
He et al. The Key Role of Magnesium Polysulfides in the Development of Mg-S Batteries

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140425

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140425

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20140606

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140704

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140626

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150128

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150303

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20150602

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20150703

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20150801

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20151203