JP6298416B2 - リチウム空気二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、リチウム空気二次電池に関する。本発明は、例えば鉛蓄電池やリチウムイオン電池などの従来の二次電池よりも小型軽量で、かつ遙かに大きい放電容量を実現できるリチウム空気二次電池に関する。
正極活物質として空気中の酸素を用いるリチウム空気二次電池は、電池外部から常に酸素が供給され、電池内に大量の負極活物質である金属リチウムを充填することができる。このため、電池の単位体積当たりの放電容量の値を非常に大きくできることが報告されている。
これまでに非特許文献1や非特許文献2に報告されているように、正極である空気極に種々の触媒を添加することにより、放電容量、サイクル特性などの電池性能を改善する試みがなされている。
空気極の電極触媒として遷移金属酸化物が検討されている。例えば、上記文献では、非特許文献1においてλ−MnO2などの遷移金属酸化物が、非特許文献2では主に酸化鉄(Fe23)、コバルト酸化物(Co34)などの遷移金属酸化物が検討されている。
J. Read, Journal of The Electrochemical Society, Vol.149, pp.A1190-A1195 (2002). Aurelie Debart et al., Journal of Power Sources, Vol.174, pp.1177-1182 (2007).
非特許文献1および非特許文献2には、以下のようなリチウム空気二次電池の電池特性の試験の結果が示されている。
非特許文献1に開示されている二次電池では、充放電サイクルは可能であったが、4サイクル後に放電容量は約1/4に低下し、二次電池としての性能は低いものであった。また、非特許文献1に開示されている二次電池では、充電電圧が、約4.0Vであり、平均放電電圧の2.7Vと比較して非常に大きく、充放電エネルギー効率が低いという課題がある。
一方、非特許文献2では、9種類の触媒を検討し、空気極に含まれるカーボンの重量当たりで1000〜3000mAh/gの非常に大きな放電容量が得られている。しかしながら、充放電を繰り返すと、放電容量の低下が著しく、例えば、Co34の場合、10サイクルで容量維持率が約65%となる。このように、非特許文献2のリチウム空気二次電池でも著しい容量の減少が見られ、二次電池としての十分な特性は得られていない。また、ほとんどの場合で平均放電電圧は2.5V程度であり、一方、充電電圧は4.0〜4.5Vを示し、最も低いものでも3.9V程度である。このため、非特許文献2のリチウム空気二次電池の充放電エネルギー効率は低い。
本発明は、リチウム空気二次電池を、高容量二次電池として作動させ、充放電の電圧差が小さく、充放電サイクルを繰り返しても放電容量の低下が小さいリチウム空気二次電池を提供することを目的とする。
本発明の課題を解決するための手段の一例は、空気極、リチウムを含む負極、および電解質を含み、前記電解質が前記空気極と前記負極との間に配置されているリチウム空気二次電池であって、前記空気極が、YbMn1-xFex3(1≧x≧0)を触媒として含む、リチウム空気二次電池である。
ここで、xが0.4以上0.6以下であることが好ましい。
本発明のリチウム空気二次電池によれば、電池性能の改善を達成することができる。本発明のリチウム空気二次電池によれば、従来よりも優れたサイクル特性を実現でき、更にエネルギー効率などを改善することができる。具体的には、充放電の電圧差が小さく、かつ充放電サイクルを繰り返しても放電容量の低下を抑えることができるリチウム空気二次電池を提供できる。
本発明によるリチウム空気二次電池の基本的な概念図である。 触媒として使用するYbMn1-xFex3(1≧x≧0)の合成スキームの一例を示す。 実施例において測定に用いたリチウム空気二次電池セルの構造を示すための概略断面図である。 実施例1のリチウム空気二次電池の初回の充放電曲線を示すグラフである。
以下に、図面を参照しつつ、本発明のリチウム空気二次電池の一実施形態を詳細に説明する。
[リチウム空気二次電池の構成]
図1に示されるように、本実施形態のリチウム空気二次電池100は、空気極101、負極102及び電解質(例えば有機電解質)103を少なくとも含む。前記空気極101は正極として機能する。また、これらの空気極101と負極102との間に電解質103が配置される。
以下に上記の各構成要素について説明する。
(I)空気極(正極)
空気極101は、少なくとも触媒を含む。
(I−1)触媒
空気極101は、触媒(電極触媒)としてYbMn1-xFex3を含む。リチウム二次電池の空気極では、電解液/電極触媒/ガス(酸素)の三相部分において、電極反応が進行する。典型的には、空気極101中に電解質103としての有機電解液が浸透し、同時に大気中の酸素ガスが供給され、電解液−電極触媒−ガス(酸素)が共存する三相部位が形成される。電極触媒が高活性であれば、酸素還元(放電)及び酸素発生(充電)がスムーズに進行し、電池性能は大きく向上することになる。
空気極101での放電反応は次のように表すことができる。
2Li++(1/2)O2+2e-→Li2O …(1)
2Li++O2+2e-→Li22 …(2)
上式中のリチウムイオン(Li+)は、負極102から電気化学的酸化により電解質(典型的には有機電解液)103中に溶解し、この電解質103中を空気極101の表面まで移動してきたものである。また、酸素(O2)は、大気(空気)中から空気極101の内部に取り込まれたものである。なお、負極102から溶解する材料(Li+)、空気極101で析出する材料(Li22)、及び空気(O2)を図1の構成要素と共に示した。
空気極(正極)101の電極触媒として用いるYbMn1-xFex3は、比表面積(m2/gで表される)が大きく、酸化物内に酸素を取り込むことができる空孔(本明細書では酸素空孔とも称する)が存在する酸化物触媒である。
このような酸化物触媒は、正極活物質である酸素との相互作用が強いので、多くの酸素種を酸化物表面上に吸着でき、又は酸素空孔内に酸素種を吸蔵することができる。
このように、酸化物表面上に吸着された、又は酸素空孔内に吸蔵された酸素種は、上記式(1)及び式(2)の酸素源(活性な中間反応体)として酸素還元反応に使用され、上記反応が容易に進むようになる。また、式(1)及び式(2)の逆反応である充電反応に対しても、上記の酸化物は活性を有している。従って、電池の充電、つまり、空気極101上での酸素発生反応も効率よく進行する。
リチウム空気二次電池では、電池の効率を上げるために、電極反応を引き起こす反応部位(上記の電解液/電極触媒/空気(酸素)の三相部分)がより多く存在することが望ましい。このような観点から、上述の三相部位が電極触媒表面に多量に存在することが重要であり、使用する触媒は比表面積が高い方が好ましい。
YbMn1-xFex3触媒は、各種手法により合成することができる。例えば、合成法には、固相法や液相法などの公知のプロセスを用いることができる。しかし、高比表面積の粒子が得られる湿式法を用いることがより好ましい。
比表面積の測定は、市販の装置を用いて行うことができる。例えば、比表面積は、市販の測定装置を用いて、液体窒素を冷却媒として使用するような手順で測定することができる。
(I−2)導電性材料
空気極101は、導電性材料を含むことができる。導電性材料としては、例えばカーボンを例示することができる。具体的には、ケッチェンブラック、アセチレンブラックなどのカーボンブラック類、活性炭類、グラファイト類、カーボン繊維類などを挙げることができる。空気極101中で反応サイトを十分に確保するために、カーボンは比表面積が大きなものが適している。具体的には、BET比表面積で300m2/g以上の値を有しているものが望ましい。これらのカーボンは、例えば市販品として、又は公知の合成手法により入手することが可能である。
空気極101に使用される触媒および好ましいカーボンの比表面積は、所定の値を有することが望ましい。比表面積の測定は、市販の装置を用いて行うことができる。例えば、比表面積は、市販の測定装置を用いて、液体窒素を冷却媒として使用するようなBET法で測定することができる。
(I−3)結着剤(バインダー)
空気極101は、必要に応じて各材料を一体化するための結着剤(バインダー)等の添加剤を含むことができる。この結着剤は、特に限定されないが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリブタジエンゴムなどを例として挙げることができる。これらの結着剤は、粉末として又は分散液として用いることができる。
(I−4)空気極の調製
空気極101は以下のように調製することができる。触媒である酸化物粉末、カーボン粉末及びポリフッ化ビニリデン(PVDF)のようなバインダー粉末を混合し、この混合物をチタンメッシュ等の支持体上に圧着することにより、空気極101を成形することができる。また、前述の混合物を有機溶剤等の溶媒中に分散してスラリー状にし、金属メッシュ又はカーボンクロスやカーボンシート上に塗布して乾燥することによって、空気極101を形成することができる。
空気極101中での触媒含有量は、例えば30重量%を越え、60重量%以下あることが望ましい。その他の成分の割合は、従来のリチウム空気二次電池と同様である。
また、電極の強度を高め電解質103の漏洩を防止するために、冷間プレスだけでなく、ホットプレスを適用することによっても、より安定性に優れた空気極101を作製することができる。空気極101は、これを構成する電極の片面は大気に曝され、もう一方の面は電解質103と接する。
(II)負極
負極102は、負極活物質としてのリチウムを含む。この負極活性物質は、リチウム二次電池の負極材料として用いることができるリチウム含有物質であれば特に制限されない。負極活物質として、例えば金属リチウムを挙げることができる。或いは、リチウム含有物質として、リチウムイオンを放出及び吸蔵することができる物質である、リチウムと、シリコン又はスズとの合金、或いはLi2.6Co0.4Nなどのリチウム窒化物を例として挙げることができる。
なお、上記のシリコン又はスズの合金を負極102として用いる場合、負極102を合成する時にリチウムを含まないシリコン又はスズなどを用いることもできる。しかし、この場合には、空気電池の作製に先立って、化学的手法又は電気化学的手法(例えば、電気化学セルを組んで、リチウムとシリコン又はスズとの合金化を行う方法)によって、シリコン又はスズが、リチウムを含む状態にあるように処理しておく必要がある。具体的には、作用極にシリコン又はスズを含み、対極にリチウムを用い、電解質103中で還元電流を流すことによって合金化を行う等の処理をしておくことが好ましい。
負極102は、公知の方法で形成することができる。例えば、リチウム金属を負極102とする場合には、複数枚の金属リチウム箔を重ねて所定の形状に成形することで、負極102を作製すればよい。
ここで、放電時の負極(金属リチウム)102の反応は以下のように表すことができる。
(放電反応)
Li→Li++e- (3)
なお、充電時の負極102においては、式(3)の逆反応であるリチウムの析出反応が起こる。
(III)電解質
本発明のリチウム空気二次電池は、電解質103を含む。なお、本明細書において、電解液とは、電解質103が液体形態である場合をいう。電解質103は、空気極(正極)101および負極102間でリチウムイオンの移動が可能な物質であればよい。例えば、リチウムイオンを含む金属塩を溶解した非水溶媒を使用できる。具体的には、リチウムイオンを含む金属塩として、リチウムビストリフルオロメタンスルホニルイミド(LiTFSI)、過塩素酸リチウム(LiClO4)、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)などのリチウムイオンを含む金属塩を挙げることができる。また、非水溶媒としては、炭酸ジメチル(DMC)、炭酸メチルエチル(MEC)、炭酸メチルプロピル(MPC)、炭酸メチルイソプロピル(MIPC)、炭酸メチルブチル(MBC)、炭酸ジエチル(DEC)、炭酸エチルプロピル(EPC)、炭酸エチルイソプロピル(EIPC)、炭酸エチルブチル(EBC)、炭酸ジプロピル(DPC)、炭酸ジイソプロピル(DIPC)、炭酸ジブチル(DBC)、炭酸エチレン(EC)、炭酸プロピレン(PC)、炭酸1,2−ブチレン(1,2−BC)などの炭酸エステル系溶媒、1,2−ジメトキシエタン(DME)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(TEGDME)などのエーテル系溶媒、γ−ブチロタクトン(GBL)などのラクトン系溶媒、又は、ジメチルスルホキシド(DMSO)などのスルホキシド系溶媒、並びに、これらの中からの二種類以上を混合した溶媒[例えば炭酸エチレン(EC)及び炭酸ジメチル(DMC)(体積比1:1)の混合溶媒、EC及び炭酸ジエチル(DEC)などのような混合溶媒]を挙げることができる。
他の電解質103として、リチウムイオンを通す固体電解質(例えば、Li2SやP25を含む硫化物系固体電解質など)、リチウムイオンを通すポリマー電解質(例えば、ポリエチレンオキシド系、具体的には、例えば、上記有機電解液とポリエチレンオキシドをコンポジット化した物質など)等を挙げることができる。但し、本発明は、これらに限定されず、リチウム空気二次電池で使用される公知のリチウムイオンを通す固体電解質又はリチウムイオンを通すポリマー電解質であれば好適に使用することができる。
(IV)他の要素
リチウム空気二次電池は、上記構成要素に加え、セパレータ、電池ケース、金属メッシュ(例えばチタンメッシュ)などの構造部材、その他のリチウム空気二次電池に要求される要素を含むことができる。これらは、従来公知のものを使用することができる。
[実施例]
以下に添付図面を参照して、本発明の実施例および比較例を詳細に説明する。なお、本発明は下記の実施例に示したものに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
(実施例1−6)
前述した空気極101の電極触媒として用いるYbMn1-xFex3粉末を、図2に示す以下の手順で合成した。
まず、硝酸イッテルビウム、硝酸マンガン、硝酸鉄を、所望するYb:Mn:Fe比になるように蒸留水に混合・溶解した。例えば、YbMn0.4Fe0.63を合成する場合は、モル濃度で、Yb:1mol/l、Mn:0.4mol/l、Fe:0.6mol/lとなるように調製した。続いて、0.1mol/lリンゴ酸を、溶解している金属イオンのモル数の3倍量となるように、前記金属硝酸塩水溶液に混合した。その後、図2に示すように、アンモニア水によるpH調整、蒸発乾固を行い、Yb、Mn、Feを含むアモルファス前駆体を得た。この前駆体粉末をさらに空気中で焼成することにより、所望のYbMn1-xFex3を得た。具体的には、x=0(実施例1)、0.2(実施例2)、0.4(実施例3)、0.6(実施例4)、0.8(実施例5)、1.0(実施例6)のYb−Mn−Fe酸化物を合成した。この粉末は、X線回折(XRD)測定、BET比表面積測定を行い、評価した。
焼成後の粉末はXRD測定を行い、ICDDパターン(YbMn0.9Fe0.13:01−078−6043、YbMn0.8Fe0.23:01−078−6044、YbMn0.7Fe0.33:01−078−6045)を参考に同定し、Yb、Mn、Feの単独酸化物を含まず、YbMn1-xFex3単相で得られていることを確認した。ここでICDDパターンとは、International Center for Diffraction Dataの略称であり、結晶性の物質および材料の同定に用いられる粉末回折データのことをいう。
(空気極の調製)
次に、このようなYbMn1-xFex3(1≧x≧0)粉末を用いて空気極1及びこの空気極1を用いたリチウム空気二次電池セル200を以下のようにして作製した。
YbMn1-xFex3(1≧x≧0)粉末、ケッチェンブラックEC600JD粉末及びポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粉末を50:30:20の重量比でらいかい機を用いて十分に粉砕混合し、ロール成形して、シート状電極(厚さ:0.5mm)を作製した。このシート状電極を直径23mmの円形に切り抜き、チタンメッシュ上にプレスすることにより、ガス拡散型の空気極1を得た。
(リチウム二次電池セルの作製)
図3に示す断面構造を有する円柱形のリチウム空気二次電池セル200を作製した。図3は、リチウム空気二次電池セル200の概略縦断面図である。リチウム空気二次電池セル200は、露点が−60℃以下の乾燥空気中で、以下の手順で作製した。
上記の方法で調製した空気極(正極)1を、PTFE被覆された空気極支持体10の凹部に配置し、空気極固定用PTFEリング8で固定した。なお、空気極1と空気極支持体10が接触する部分は、電気的接触をとるためにPTFEによる被覆を施さないものとした。また、空気極1と空気との接触する電極の有効面積は2cm2とした。
次に、空気極1と大気が接触する面とは逆の面に、リチウム二次電池用のセパレータ5を凹部の底面に配置した。続いて、図に示すような負極固定用座金7に負極2である厚さ150μmの4枚の金属リチウム箔(有効面積:2cm2)を同心円上に重ねて圧着した。次いで、負極固定用PTFEリング6を、空気極1を設置する凹部と対向する逆の凹部に配置し、中央部に金属リチウムが圧着された負極固定用座金7を更に配置した。続いて、Oリング9を、図に示すように空気極支持体10の底部に配置した。
次に、セルの内部(空気極(正極)1と負極2との間)に、電解質3としての有機電解液を充填し、負極支持体11を被せて、セル固定用ねじ12で、セル全体を固定した。電解質3は、1mol/lのリチウムトリフルオロメタンスルホニルアミド/トリエチレングリコールジメチルエーテル(LiTFSA/TEGDME)溶液を用いた。
続いて、空気極(正極)端子4を空気極支持体10に設置し、負極端子13を負極支持体11に設置した。
(電池性能)
以上の手順で調製したリチウム空気二次電池セル200の電池性能を測定した。なお、図3に示す空気極(正極)端子4及び負極端子13を、電池性能の測定試験に用いた。
電池のサイクル試験は、充放電測定システム(VMP3、Bio Logic社製)を用いて、空気極の有効面積当たりの電流密度で0.1mA/cm2を通電し、開回路電圧から電池電圧が、2.0Vに低下するまで放電電圧の測定を行った。また、電池の充電試験は、放電時と同じ電流密度で、電池電圧が4.2Vに増加するまで行った。電池の放電試験は、通常の生活環境下で行った。充放電容量は空気極(カーボン+YbMn1-xFex3+PTFE)1重量当たりの値(mAh/g)で表した。
初回の放電及び充電曲線を図4に示す。図より、YbMn0.4Fe0.63(実施例4)を空気極触媒に用いたときの平均放電電圧は2.83V、放電容量は1860mAh/gと大きな値であることが確認された。ここで、平均充放電電圧は、図中の全放電容量の中間値時の放電電圧及び充電電圧と定義する。また、初回の充電電圧は3.66V、充電容量は放電容量とほぼ同様の1878mAh/gであり、可逆性に優れていることが分かる。
他の実施例についても電池性能の測定を行った。100回の充放電サイクルを繰り返した場合の放電電圧と放電容量の推移を、YbMn1-xFex3のBET比表面積とともに第1表に示す。
第1表より、x=0.6のYbMn0.4Fe0.63(実施例4)が、最も平均放電電圧が高く、放電容量が大きいことが分かった。また、100サイクル後の放電容量維持率も85%と高く、100サイクル後にどの組成のYbMn1-xFex3より高い放電電圧と大きな放電容量を示すことが確認された。x=0.6に続いて、高いサイクル性能を示したサンプルはx=0.4であり、100サイクル後の放電容量維持率は約77%であった。このようなFe置換量(x)依存性は、得られたサンプルのBET比表面積に影響していることが第1表より示唆された。よって、好ましい置換量は、高い比表面積サンプルが得られる0.4−0.6の範囲であることがわかる。
このように、YbMn1-xFex3(1≧x≧0)はリチウム空気二次電池の空気極用の触媒として非常に優れた活性を有していることが分かった。
(比較例1)
空気極用の電極触媒として公知であるマンガン酸化物(MnO2)を用いて、リチウム空気二次電池セルを実施例と同様にして作製した。また、マンガン酸化物(MnO2)は市販試薬(キシダ化学(株)製)を用いた。電池のサイクル試験の条件は、実施例と同様である。
本比較例に係るリチウム空気二次電池の放電容量に関するサイクル性能を、実施例1〜6の結果とともに第1表に示す。
第1表に示されるように本比較例では、初回放電容量は約850mAh/gと中庸な値を示したが、100サイクル後の放電容量はほぼゼロであり、サイクル安定性に乏しい。
以上の結果より、本発明のようにYbMn1-xFex3(1≧x≧0)を電極触媒として含む電極を空気極として含むリチウム空気二次電池は、公知の材料を用いた場合よりも、容量及び電圧に関してサイクル特性に優れており、YbMn1-xFex3(1≧x≧0)は、リチウム空気二次電池用の空気極の触媒として有効であることが確認された。
リチウム空気二次電池の空気極用の電極触媒としてYbMn1-xFex3(1≧x≧0)を用いることにより、充放電サイクル性能に優れたリチウム空気二次電池を作製することができ、様々な電子機器の駆動源として有効利用することができる。
1、101 空気極(正極)
2、102 負極
3、103 電解質
4 空気極(正極)端子
5 セパレータ
6 負極固定用PTFEリング
7 負極固定用座金
8 空気極(正極)固定用PTFEリング
9 Oリング
10 空気極(正極)支持体(PTFE被覆)
11 負極支持体
12 セル固定用ねじ(PTFE被覆)
13 負極端子
100 リチウム空気二次電池
200 リチウム空気二次電池セル

Claims (2)

  1. 空気極、リチウムを含む負極、および電解質を含み、前記電解質が前記空気極と前記負極との間に配置されているリチウム空気二次電池であって、
    前記空気極が、YbMn1−xFe(1≧x0)を触媒として含む、リチウム空気二次電池。
  2. 空気極、リチウムを含む負極、および電解質を含み、前記電解質が前記空気極と前記負極との間に配置されているリチウム空気二次電池であって、
    前記空気極が、YbMn 1−x Fe (1≧x≧0)を触媒として含み、
    xが0.4以上0.6以下である、リチウム空気二次電池。
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