JP6769926B2 - リチウム空気二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、リチウム空気二次電池に関する。
正極活物質として空気中の酸素を用いるリチウム空気二次電池は、電池外部から常に酸素が供給され、電池内に大量の負極活物質である金属リチウムを充填することができる。そのため、電池の単位体積当たり非常に大きな放電容量を示すことが報告されている。
これまで、非特許文献1,2に報告されているように、正極であるガス拡散型空気極に触媒を添加する、又は空気極にガス拡散層を積層させることにより、放電容量、サイクル特性などの電池性能を改善する試みがなされている。例えば、空気極の電極触媒として、非特許文献1ではSnO、非特許文献2では主に酸化鉄(Fe)、コバルト酸化物(Co)などの遷移金属酸化物が検討されている。
B. Wang、外4名、"Graphene-supported SnO2 nanoparticles prepared by a solvothermal approach for an enhanced electrochemical performance in lithium-ion batteries"、Nanoscale Research Letters、a SpringerOpen Journal、2012年7月、215 Aurelie Debart、外3名、"An O2 cathode for rechargeable lithium batteries: The effect of a catalyst"、Journal of Power Sources、Elsevier B.V.、2007年、174、p.1177-p.1182
しかしながら、非特許文献1の二次電池では、SnOを添加したセルの初回放電容量が1542mAh/gを示し、触媒無添加のセルと比較して3倍に向上するが、放電容量は小さい。また、10サイクル後の放電容量維持率については約37%と比較的高いが、実際の二次電池として使用するには放電容量が小さく、サイクル特性が乏しい。
一方、非特許文献2では、9種類の触媒を検討し、空気極に含まれるカーボンの重量当たり1000〜3000mAh/gと比較的大きな放電容量が得られている。しかしながら、例えば初回放電容量が最も大きかったFeは、充放電を繰り返すと、放電容量の低下が著しく、10サイクルで容量維持率は2%となる。故に、非特許文献2の二次電池でも著しい容量の減少が見られ、二次電池としての十分な特性は得られていない。
それ故、リチウム空気二次電池の高寿命化、高効率化が課題である。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、リチウム空気二次電池の容量及び寿命を改善することを目的とする。
以上の課題を解決するため、請求項1に係るリチウム空気二次電池は、カーボンを含む空気極と、金属リチウム又はリチウム含有物質を含む負極と、前記空気極と前記負極に接する電解質と、を備え、前記電解質は、有機化合物であるキノン類を含むことを特徴とする。
請求項2に係るリチウム空気二次電池は、請求項1に記載のリチウム空気二次電池において、前記キノン類は、アントラキノン、2,5−ジヒドロキシ−1,4−ベンゾキノン、7,7,8,8−テトラシアノジメタン、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン、テトラヒドロキシ−1,4−ベンゾキノンのうちいずれか1つ以上であることを特徴とする。
請求項3に係るリチウム空気二次電池は、請求項1又は2に記載のリチウム空気二次電池において、前記キノン類は、1.0〜50mmol/Lの濃度で前記電解質に溶解していることを特徴とする。
本発明によれば、リチウム空気二次電池を高容量の二次電池として作動させ、高容量及び高寿命を実現することができる。
リチウム空気二次電池の基本構成を示す図である。 リチウム空気二次電池の断面構造を示す図である。 リチウム空気二次電池の充放電曲線を示す図である。 添加剤(キノン類)の構造式を示す図である。 添加剤(キノン類)の種類・濃度及び有無に応じて行った初回放電容量と初回放電容量維持率の性能試験結果を示す図である。
以下、図面を参照しつつ、一実施の形態に係るリチウム空気二次電池について詳細に説明する。
[リチウム空気二次電池の構成]
本実施の形態に係るリチウム空気二次電池100は、図1に示すように、空気極102、負極104、及び電解質106を少なくとも含み、空気極102が正極として機能する。また、空気極102と負極104との間に、例えば有機電解質などの電解質106が配置される。電解質106は、電解質の添加剤として、有機化合物であるキノン類を含むことを特徴とする。
空気極102は、触媒及び導電性材料を構成要素に含むことができる。また、空気極102には、導電性材料を一体化するための結着剤を含むことが好ましい。負極104は、金属リチウム又はリチウムイオンを放出及び吸収することができるリチウム含有合金などの物質を構成要素とすることができる。
以下に上記の各構成要素について説明する。なお、本明細書において、電解液とは電解質が液体形態である場合をいう。
(I)電解質
本実施の形態に係るリチウム空気二次電池100の電解質106は、添加剤としてキノン類を少なくとも含む。より具体的には、本実施の形態に係るリチウム空気二次電池100では、電解質106は、Li塩と有機溶媒を含み、かつ、添加剤としてキノン類を含む。
キノン類は、図4を有する化合物である。キノン類として、例えば、アントラキノン(AQ)、2,5−ジヒドロキシ−1,4−ベンゾキノン(DHBQ)、7,7,8,8−テトラシアノジメタン(TCNQ)、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(DDQ)、又は、テトラヒドロキシ−1,4−ベンゾキノン(THBQ)から選択されることが好ましい。キノン類は、1種類で用いてもよく、又は、2種以上混合して用いてもよい。キノン類を2種以上混合する場合の混合割合は特に限定されず、どのような割合であってもよい。
電解質106は、上記キノン類と共に、Li塩を含む。Li塩は、リチウムを含む金属塩から供給される。金属塩は、例えば、溶質の金属塩には、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)、過塩素酸リチウム(LiClO)、リチウムトリフルオロメタンスルホニルアミド(LiTFSA)[(CFSONLi]などを挙げることができる。
また、電解質106は溶媒を含む。溶媒は、例えば、炭酸ジメチル(DMC)、炭酸メチルエチル(MEC)、炭酸メチルプロピル(MPC)、炭酸メチルイソプロピル(MIPC)、炭酸メチルブチル(MBC)、炭酸ジエチル(DEC)、炭酸エチルプロピル(EPC)、炭酸エチルイソプロピル(EIPC)、炭酸エチルブチル(EBC)、炭酸ジプロピル(DPC)、炭酸ジイソプロピル(DIPC)、炭酸ジブチル(DBC)、炭酸エチレン(EC)、炭酸プロピレン(PC)、炭酸1,2−ブチレン(1,2−BC)などの炭酸エステル系溶媒、1,2−ジメトキシエタン(DME)、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル系溶媒、γ−ブチロタクトン(GBL)などのラクトン系溶媒、或いは、これらの中から二種類以上を混合した溶媒を挙げることができる。本実施の形態では、混合溶媒を用いる場合の混合割合は特に限定されない。
有機電解液中のキノン類は、有機電解液量を基準に1.0mmol/L以上の濃度で添加され、好ましくは飽和濃度で存在する。なお、飽和濃度については、吸光度測定により求められる。有機電解液中でのキノン類濃度が高いほど優れた電池特性が得られるため、本実施の形態では、キノン類は添加する有機電解液の飽和濃度で添加されていることが望ましい。
(II)空気極(正極)
本実施の形態では、空気極102は、導電性材料を少なくとも含み、必要に応じて触媒及び/又は結着剤などを含むことができる。
(II−1)導電性材料
本実施の形態に係る空気極102に含まれる導電性材料は、カーボンであることが好ましい。特に、本実施の形態に係る導電性材料としては、以下のものに限定されないが、ケッチェンブラック、アセチレンブラックなどのカーボンブラック類、活性炭類、グラファイト類、カーボンファイバー類、カーボンシート、カーボンクロスなどを挙げることができる。また、これらのカーボンは、例えば市販品として、又は合成により入手することが可能である。
(II−2)触媒
本実施の形態に係るリチウム空気二次電池100では、空気極102の触媒は、酸化マンガン(MnO)、酸化ルテニウム(RuO)などの酸素還元(放電)及び酸素発生(充電)の両反応に対して高活性な、従来から公知の酸化物触媒であれば特に限定されない。具体的には、MnO、Mn、MnO、FeO、Fe、FeO、CoO、Co、NiO、NiO、V、WOなどの単独酸化物、La0.6Sr0.4MnO、La0.6Sr0.4FeO、La0.6Sr0.4CoO、La0.6Sr0.4CoO、Pr0.6Ca0.4MnO、LaNiO、La0.6Sr0.4Mn0.4Fe0.6などのペロブスカイト型構造を有する複合酸化物を用いることができる。これらの触媒は、固相法、液相法などの公知のプロセスを用いて合成することができる。
また、空気極102に添加される触媒として、中心金属にMn、Fe、Co、Ni、V、Wなどの遷移金属を少なくとも一種含むポルフィリン、フタロシアニンなどの大環状金属錯体も用いることができる。これらの金属錯体は、カーボンと混合後、不活性ガス雰囲気中で熱処理を行い活性化させてもよい。
本実施の形態に係る空気極102に添加される触媒としては、上記の化合物系だけでなく、Pt、Au、Pdなどの貴金属、およびCo、Ni、Mnなどの遷移金属の単体金属を用いてもよい。例えば、これらの金属をカーボン上に高分散担持させることにより高い活性を発現することができる。
本実施の形態に係るリチウム空気二次電池100の空気極102では、電解液/電極触媒/ガス(酸素)の三相部分において、電極反応が進行する。即ち、空気極102中に電解質106(有機電解液)が浸透し、同時に大気中の酸素ガスが供給され、電解液−電極触媒−ガス(酸素)が共存する三相部位が形成される。電極触媒が高活性であれば、酸素還元(放電)及び酸素発生(充電)がスムーズに進行し、電池特性は大きく向上することになる。
空気極102での放電反応は次のように表すことができる。
2Li+(1/2)O+2e→LiO ・・・(1)
2Li+O+2e→Li ・・・(2)
上式中のリチウムイオン(Li)は、負極104から電気化学的酸化により有機電解液中に溶解し、この有機電解液中を空気極表面まで移動してきたものである。また、酸素(O)は、大気(空気)中から空気極内部に取り込まれたものである。なお、負極104から溶解する材料(Li)、空気極102で析出する材料(Li)、及び空気(O)を図1の構成要素と共に示した。
空気極(正極)102の電極触媒として用いることができる酸化物、特に酸化マンガン(MnO)、酸化ルテニウム(RuO)などは、マンガン及びルテニウムが、+4、+3などの価数を有するイオンで存在しうる。また、これらの酸化物を合成する際の条件によっては、酸化マンガン、酸化ルテニウムなどの酸化物内に酸素を取り込むことができる空孔(本明細書では酸素空孔とも称する)が存在し、活性サイトとして機能すると考えられる。そのため、このような酸化物触媒は、正極活物質である酸素との相互作用が強く、多くの酸素種を酸化物表面上に吸着でき、又は酸素空孔内に酸素種を吸蔵することができる。
このように、酸化物表面上に吸着された、又は酸素空孔内に吸蔵された酸素種は、上記式(1)及び式(2)の酸素源(活性な中間反応体)として酸素還元反応に使用され、上記反応が容易に進むようになる。また、式(1)及び式(2)の逆反応である充電反応に対しても、上記の酸化物は活性を有している。従って、電池の充電、つまり、空気極上での酸素発生反応も効率よく進行する。このように、酸化マンガン、酸化ルテニウムなどの酸化物は、電極触媒として有効に機能する。
本実施の形態に係るリチウム空気二次電池100では、電池の効率を上げるために、電極反応を引き起こす反応部位(上記の電解液/電極触媒/空気(酸素)の三相部分)がより多く存在することが望ましい。このような観点から、本実施の形態では、上述の三相部位が電極触媒表面に多量に存在することが重要であり、使用する触媒は比表面積が高い方が好ましい。例えば、焼成後の比表面積が10m/g以上であることが好適である。
(II−3)結着剤(バインダー)
空気極102は結着剤(バインダー)を含むことができる。この結着剤は、特に限定されないが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリブタジエンゴムなどを例として挙げることができる。これらの結着剤は、粉末として又は分散液として用いることができる。
本実施の形態に係るリチウム空気二次電池100において、空気極102中での触媒含有量は、空気極102の重量を基準に、例えば0を超え、100重量%以下であることが望ましい。その他の成分の割合は、従来のリチウム空気二次電池と同様である。
(II−4)空気極の調製
空気極102は、以下のように調製することができる。触媒である酸化物粉末、カーボン粉末及びポリフッ化ビニリデン(PVDF)のようなバインダー粉末を所定量混合し、この混合物をチタンメッシュなどの支持体上に圧着することにより、空気極102を成形することができる。また、前述の混合物を有機溶剤などの溶媒中に分散してスラリー状にし、金属メッシュ又はカーボンクロス、カーボンシート上に塗布して乾燥することによって、空気極102を形成することができる。
また、電極の強度を高め電解液の漏洩を防止するために、冷間プレスだけでなく、ホットプレスを適用することによっても、より安定性に優れた空気極102を作製することができる。
なお、空気極102は、これを構成する電極の片面は大気に曝され、もう一方の面は電解液と接する。
(III)負極
本実施の形態に係るリチウム空気二次電池100は、負極104に負極活物質を含む。この負極活性物質は、リチウム空気二次電池100の負極材料として用いることができる材料であれば特に制限されない。例えば、金属リチウムを挙げることができる。或いは、リチウム含有物質として、リチウムイオンを放出及び吸蔵することができる物質である、リチウムと、シリコン又はスズとの合金、或いはLi2.6Co0.4Nなどのリチウム窒化物を例として挙げることができる。
本実施の形態に係るリチウム空気二次電池100の負極104は、公知の方法で形成することができる。例えば、リチウム金属を負極とする場合には、複数枚の金属リチウム箔を重ねて所定の形状に成形することで、負極104を作製すればよい。
なお、上記のシリコン又はスズの合金を負極として用いる場合、負極104を合成する時にリチウムを含まないシリコン又はスズなどを用いることもできる。しかし、この場合には、空気電池の作製に先立って、化学的手法又は電気化学的手法(例えば、電気化学セルを組んで、リチウムとシリコン又はスズとの合金化を行う方法)によって、シリコン又はスズがリチウムを含む状態にあるように処理しておく必要がある。具体的には、作用極にシリコン又はスズを含み、対極にリチウムを用い、有機電解液中で還元電流を流すことによって合金化を行うなどの処理をしておくことが好ましい。
ここで、放電時の負極(金属リチウム)の放電反応は、以下のように表すことができる。
Li→Li+e ・・・(3)
なお、充電時の負極においては、式(3)の逆反応であるリチウムの析出反応が起こる。
(IV)他の要素
本実施の形態に係るリチウム空気二次電池100は、上記構成要素に加え、セパレータ、電池ケース、金属メッシュ(例えば、チタンメッシュ)などの構造部材、その他のリチウム空気二次電池に要求される要素を含むことができる。これらは、従来公知のものを使用することができる。
(V)リチウム空気二次電池の調製
本実施の形態に係るリチウム空気二次電池100は、上述した通り、少なくとも空気極(正極)102、負極104、及び電解質106を含み、例えば図1に示されるように、空気極102と負極104の間に上述したキノン類を含有する電解質106を狭持するように構成される。このような構成のリチウム空気二次電池100は、従来型の二次電池と同様に調製することができる。
一実施形態では、例えば図2のような円柱形のリチウム空気二次電池100を調製することができる。具体的には、まず、空気極1を、絶縁被覆(PTFE被覆)された空気極支持体2に配置して固定する。負極8は、負極支持体11に固定する。リチウム空気二次電池100の内部(空気極1と負極8の間となる部分)に、上述したようなキノン類を含有した電解質10を充填し、負極8が空気極1の大気と接する面と逆の面に配置されるように負極支持体11を被せてリチウム空気二次電池100の全体を固定する。
上記構成要素に加え、空気極1と負極8の間となる部分にはセパレータ5などの部材を配置することができ、その他、絶縁部材、Oリング、固定具などを適宜配置することができる。
本実施の形態に係るリチウム空気二次電池100は、電気自動車、スマートフォンなどのモバイル機器の駆動を大幅に長時間化することが期待できる。
[実施例]
以下に図面を参照して、本実施の形態に係るリチウム空気二次電池100の実施例を詳細に説明する。なお、本実施の形態に係る発明は、下記の実施例に示したものに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
(実施例1)
実施例1では、アントラキノン(AQ)を含む電解液を用いる。
市販のAQ(アルドリッチ社製)を有機電解液に混合した。混合する際、超音波洗浄機を用いて最大出力で約2時間の分散を行った。また、有機電解液はLiTFSAを有機溶媒TEGDMEに1mol/Lの濃度で溶解したものを用いた。その有機電解液に、添加剤としてAQを50mmol/Lを混合した。
リチウム空気二次電池セルを以下の手順で作製した。
ケッチェンブラック粉末及びポリフッ化ビニリデン(PVDF)粉末を9:1の重量比で、ミキサーを用いてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に十分混合し、スラリーを作製した。このスラリーを直径17mmのカーボンペーパーに塗布し、90℃の真空乾燥機に入れ、一晩乾燥させ、ガス拡散型の空気極を得た。
図2に示す断面構造を有する円柱形のリチウム空気二次電池100のセルを作製した。図2は、リチウム空気二次電池セルの断面図である。リチウム空気二次電池セルは、露点が−60℃以下の乾燥空気中で、以下の手順で作製した。
上記の方法で調製した空気極(正極)1を、PTFEで被覆された空気極支持体2の凹部に配置し、空気極固定用PTFEリング3で固定した。なお、空気極1と空気極支持体2が接触する部分は、電気的接触をとるためにPTFEによる被覆を施さないものとした。
次に、空気極1と大気が接触する面とは逆の面に、リチウム空気二次電池用のセパレータ5を凹部の底面に配置した。続いて、図2に示すような負極固定用座金7に負極8である厚さ150μmの4枚の金属リチウム箔を同心円上に重ねて圧着した。続いて、負極固定用PTFEリング6を、空気極1を設置する凹部と対向する逆の凹部に配置し、中央部に金属リチウムが圧着された負極固定用座金7を更に配置した。続いて、Oリング9を、図2に示すように空気極支持体2の底部に配置した。
次に、セルの内部(空気極(正極)1と負極8との間)に有機電解液10(電解質106)を充填し、負極支持体11を被せて、PTFE被覆されたセル固定用ねじ12でセル全体を固定した。有機電解液10は、上述した“LiTFSAを有機溶媒TEGDMEに1mol/Lの濃度で溶解し、添加剤としてAQを50mmol/Lを混合した有機電解液”(Coサレン錯体含有有機電解液)を用いた。
続いて、空気極端子4を空気極支持体2に設置し、負極端子13を負極支持体11に設置した。
電池のサイクル試験は、充放電測定システム(BioLogic社製)を用いて、空気極1の重量当たりの電流密度で100mA/gを通電し、開回路電圧から電池電圧が2.0Vに低下するまで放電電圧の測定を行った。電池の充電試験は、放電時と同じ電流密度で電池電圧が4.4Vに達するまで行った。電池の充放電試験は、通常の生活環境下で行った。充放電容量は空気極(カーボン+酸化物+PVDF)重量当たりの値(mAh/g)で表した。
電流密度100mA/gを通電した場合の初回の放電及び充電曲線を図3に示す。図5に、実施例1の性能を示した。
図3より、上記AQ含有1mol/L,LiTFSA/TEGDME溶液を有機電解液に用いたときの電流密度100mA/g時の初回放電容量は4932mA/gであった。このAQ含有1mol/L,LiTFSA/TEGDME溶液を有機電解液として使用したリチウム空気二次電池は、非特許文献1,2で報告されたものよりも、初回放電容量がそれ以上、且つ、10サイクル目における容量維持率が86%と高いことがわかった。初回放電容量及び初回放電容量に対する10サイクル目における放電容量維持率を図5に示す。
このように、AQ含有1mol/L,LiTFSA/TEGDME溶液を有機電解液として使用したリチウム空気二次電池は,電池特性を向上できることが確認された。
(実施例2)
実施例1と同様の手順で、有機電解液に、添加剤としてAQを1.0mmol/Lを混合した際の測定結果を図5に示す。図5より、添加濃度が低い場合においても、初回放電容量が2195mAh/g、放電容量維持率が43%と電池特性を向上できることが確認された。
(実施例3)
実施例3では、2,5−ジヒドロキシ−1,4−ベンゾキノン(DHBQ)を含む電解液を用いる。
市販のDHBQ(アルドリッチ社製)を有機電解液に50mmol/L混合した。他の条件は、すべて実施例1と同様にして、セルを作製し、電池特性の評価を行った。
実施例3の測定結果を図5に示す。図5より、初回放電容量は5456mAh/g、放電容量維持率が81%と高い維持率を示した、このように、有機電解液の添加剤としてDHBQを用いた場合においてもリチウム空気二次電池の電池特性を向上できることが確認された。
(実施例4)
実施例1と同様の手順で、有機電解液に、添加剤としてDHBQを1.0mmol/Lを混合した際の測定結果を図5に示す。図5より、添加濃度が低い場合においても、初回放電容量が2755mAh/g、放電容量維持率が61%と電池特性を向上できることが確認された。
(実施例5)
実施例5では、7,7,8,8−テトラシアノジメタン(TCNQ)を含む電解液を用いる。
市販のTCNQ(アルドリッチ社製)を、有機電解液に50mmol/L混合した。他の条件は、すべて実施例1と同様にして、セルを作製し、電池特性の評価を行った。
本実施例の測定結果を図5に示す。図5より、初回放電容量は5387mAh/g、放電容量維持率が83%と高い維持率を示した。このように、有機電解液の添加剤としてTCNQを用いた場合においてもリチウム空気二次電池の電池特性を向上できることが確認された。
(実施例6)
実施例1と同様の手順で、有機電解液に、添加剤としてTCNQを1.0mmol/Lを混合した際の測定結果を図5に示す。図5より、添加濃度が低い場合においても、初回放電容量が2605mAh/g、放電容量維持率が62%と電池特性を向上できることが確認された。
(実施例7)
実施例7では、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(DDQ)を含む電解液を用いる。
市販のDDQ(東京化成工業社製)を有機電解液に50mmol/L混合した。他の条件は、すべて実施例1と同様にして、セルを作製し、電池特性の評価を行った。
実施例7の測定結果を図5に示す。図5より、初回放電容量は5264mAh/g、放電容量維持率が65%と高い維持率を示した。このように、有機電解液の添加剤としてDDQを用いた場合においてもリチウム空気二次電池の電池特性を向上できることが確認された。
(実施例8)
実施例1と同様の手順で、有機電解液に、添加剤としてDDQを1.0mmol/Lを混合した際の測定結果を図5に示す。図5より、添加濃度が低い場合においても、初回放電容量が2417mAh/g、放電容量維持率が54%と電池特性を向上できることが確認された。
(実施例9)
実施例9では、テトラヒドロキシ−1,4−ベンゾキノン(THBQ)を含む電解液を用いる。
市販のTHBQ(東京化成工業社製)を有機電解液に50mmol/L混合した。他の条件は、すべて実施例1と同様にして、セルを作製し、電池特性の評価を行った。
本実施例の測定結果を図5に示す。図5より、初回放電容量は5059mAh/g、放電容量維持率が72%と高い維持率を示した。このように、有機電解液の添加剤としてTHBQを用いた場合においてもリチウム空気二次電池の電池特性を向上できることが確認された。
(実施例10)
実施例1と同様の手順で、有機電解液に、添加剤としてTHBQを1.0mmol/Lを混合した際の測定結果を図5に示す。図5より、添加濃度が低い場合においても、初回放電容量が2587mAh/g、放電容量維持率が31%と電池特性を向上できることが確認された。
(比較例1)
有機電解液として1mol/LのLiTFSA/TEGDME溶液を用いて、リチウム空気二次電池セルを実施例1と同様にして作製した。有機電解液以外のリチウム空気二次電池の作製条件及びサイクル試験の条件は、実施例1と同様である。
比較例1の初回充放電結果を図3に示す。図3より、電流密度100mA/g時の初回放電容量は、742mAh/gを示した。また、初回放電容量に対する10サイクル目における放電容量維持率を図5に示す。図5より、放電容量維持率は4%と低い維持率を示した。
以上の結果より、有機電解液を使用したリチウム空気二次電池の添加剤として用いるキノン類は、公知の材料(例えば、LiClO、LiPF、LiTFSI(リチウムビストリフルオロメタンスルホニルイミド)などのリチウム塩を、炭酸プロピレンなどの炭酸エステル系溶媒に1.0mol/L程度の濃度で溶解した有機電解液)よりも電流密度特性に優れており、リチウム空気二次電池用電解液の添加剤として有効であることが確認された。
これは、リチウムイオンを吸蔵可能なキノン類を使用することにより、電解質中のリチウムイオンの移動が促進され、図3に示すように、充電反応電圧が低減し、放電電圧が上昇することで、電池特性が改善されたものと考えられる。
従い、本実施の形態に係る構成を採用することにより、高容量、高寿命のリチウム空気二次電池を提供することができる。また、本実施の形態では、有機化合物であるキノン類が1.0〜50mmol/Lの濃度で有機電解液に溶解しているので、有機電解液中での有機化合物の濃度が高い程、優れた電池特性が得られることから、高容量、高寿命を更に高めることができる。
最後に、本実施の形態で説明したリチウム空気二次電池は、様々な電子機器、自動車などの駆動源として有効利用することができる。
100…リチウム空気二次電池
102,1…空気極(正極)
104,8…負極
106…電解質
2…空気極支持体(PTFE被覆)
3…空気極固定用PTFEリング
4…空気極端子
5…セパレータ
6…負極固定用PTFEリング
7…負極固定用座金
9…Oリング
10…有機電解液
11…負極支持体
12…セル固定用ねじ(PTFE被覆)
13…負極端子

Claims (1)

  1. カーボンを含む空気極と、
    金属リチウム又はリチウム含有物質を含む負極と、
    前記空気極と前記負極に接する電解質と、を備え、
    前記電解質は、
    アントラキノン、2,5−ジヒドロキシ−1,4−ベンゾキノン、7,7,8,8−テトラシアノジメタン、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン、テトラヒドロキシ−1,4−ベンゾキノンのうちいずれか2つ以上のキノン類を含み、
    前記2つ以上のキノン類は、
    飽和濃度で前記電解質に溶解していることを特徴とするリチウム空気二次電池。
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