JP6688210B2 - セパレータ及びリチウム空気二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、電池に用いられるセパレータおよび当該セパレータを用いたリチウム空気二次電池の技術に関する。
負極活物質として金属リチウムを用い、正極活物質として空気中の酸素を用いるリチウム空気二次電池は、電池外部から常に酸素が供給されるので、電池内に大量の負極活物質である金属リチウムを充填することができる。そのため、電池の単位体積当たりの放電容量の値を非常に大きくできることが報告されている。
これまで、非特許文献1や非特許文献2に報告されているように、正極であるガス拡散型空気極に種々の触媒を添加する、あるいは空気極にガス拡散層を積層させることにより、放電容量、サイクル特性、電流密度特性などの電池性能を改善する試みがなされている。
なお、空気極の電極触媒として遷移金属酸化物が検討されている。例えば、非特許文献1ではλ−MnO2、非特許文献2では主に酸化鉄(Fe23)、コバルト酸化物(Co34)などの遷移金属酸化物が検討されている。
J. Read,"Characterization of the Lithium/Oxygen Organic Electrolyte Battery", Journal of The Electrochemical Society, The Electrochemical Society, 2002, Volume 149, Issue 9, pp. A1190-A1195 Aurelie Debart, et al., "An O2 cathode for rechargeable lithium batteries: The effect of a catalyst", Journal of Power Sources, Elsevier B.V., 2007, Volume 174, pp. 1177-1182
非特許文献1の二次電池では、充放電サイクルは可能であったが、4サイクル後に放電容量は約1/4に低下し、二次電池としての性能は低いものであった。また、非特許文献1の二次電池は、充電電圧が約4.0Vであり、平均放電電圧の2.7Vと比較して非常に大きく、充放電エネルギー効率は低い。
一方、非特許文献2では、9種類の触媒を検討し、空気極に含まれるカーボンの重量当たりで1000〜3000mAh/gの非常に大きな放電容量が得られている。しかしながら、充放電を繰り返すと、放電容量の低下が著しく、例えば、Co34の場合、10サイクルで容量維持率が約65%となる。非特許文献2の二次電池でも著しい容量の減少が見られ、二次電池としての十分な特性は得られていない。また、非特許文献2の二次電池では、ほとんどの場合で平均放電電圧は2.5V程度であり、一方、充電電圧は4.0〜4.5Vを示し、最も低いものでも3.9V程度である。このため、非特許文献2の二次電池の充放電に関するエネルギー効率は低い。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、リチウム空気二次電池の充放電サイクル回数の増加及び充放電に関するエネルギー効率の向上を図ることを目的とする。
第1の本発明に係るセパレータは、電池用のセパレータであって、金属1,3,5−ベンゼントリカルボキシラート錯体を含み、前記金属1,3,5−ベンゼントリカルボキシラート錯体の金属は、セリウム、インジウム、モリブデンのうちのいずれかであることを特徴とする。
第2の本発明に係るリチウム空気二次電池は、空気極と、リチウムを含む負極と、前記空気極と前記負極との間に配置された電解質と、前記電解質を含浸させた金属1,3,5−ベンゼントリカルボキシラート錯体を含むセパレータとを有し、前記金属1,3,5−ベンゼントリカルボキシラート錯体の金属は、セリウム、インジウム、モリブデンのうちのいずれかであることを特徴とする。
本発明によれば、リチウム空気二次電池の充放電サイクル回数の増加及び充放電に関するエネルギー効率の向上を図ることができる。
本実施形態のリチウム空気二次電池の基本的な概念図である。 本実施形態のリチウム空気二次電池の構成を示す断面図である。 実施例1のセパレータを用いたリチウム空気二次電池の放電及び充電曲線を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
[リチウム空気二次電池の構成]
図1は、本実施形態のリチウム空気二次電池の基本的な概念図である。同図に示すように、リチウム空気二次電池100は、空気極101、負極102、有機電解質103、及びセパレータ104を備える。
空気極101の一方の面は大気に曝され、他方の面は有機電解質103及び有機電解質103を含浸させたセパレータ104と接する。負極102はリチウムを含み、有機電解質103及び有機電解質103を含浸させたセパレータ104と接する。
本実施形態では、セパレータ104が、以下の化学式で示される、金属1,3,5−benzenetricarboxylate錯体(金属BTC錯体)を含んで構成されている。
Figure 0006688210
以下、本実施形態のリチウム空気二次電池100の各構成について説明する。
(I)空気極(正極)
空気極101は、導電性材料を少なくとも含み、必要に応じて触媒及び/又は結着剤等を含む。
(I−1)導電性材料
導電性材料としてカーボンを用いる。例えば、導電性材料は、ケッチェンブラック、アセチレンブラックなどのカーボンブラック類、活性炭類、グラファイト類、カーボンファイバー類、カーボンシート、カーボンクロスなどを用いることができる。これらのカーボンは、例えば市販品として入手可能であり、また合成により入手することが可能である。
(I−2)触媒
触媒としては、酸素還元(放電)及び酸素発生(充電)の両反応に対して高活性な公知の酸化物触媒を用いる。例えば、MnO2、Mn34、MnO、FeO2、Fe34、FeO、CoO、Co34、NiO、NiO2、V25、RuO2、WO3などの単独酸化物、あるいはLa0.6Sr0.4MnO3、La0.6Sr0.4FeO3、La0.6Sr0.4CoO、La0.6Sr0.4CoO3、Pr0.6Ca0.4MnO3、LaNiO3、La0.6Sr0.4Mn0.4Fe0.63などのペロブスカイト型構造を有する複合酸化物を用いることができる。これらの触媒は、固相法や液相法などの公知のプロセスを用いて合成することができる。
また、触媒として、中心金属にMn、Fe、Co、Ni、V、W等の遷移金属を少なくとも一種含むポルフィリンやフタロシアニンなどの大環状金属錯体も用いることができる。これらの金属錯体は、カーボンと混合後、不活性ガス雰囲気中で熱処理を行い活性化させてもよい。
また、上記の化合物系に限らず、Pt、Au、Pdなどの貴金属、およびCo、Ni、Mnなどの遷移金属の単体金属を触媒として用いてもよい。例えば、これらの金属をカーボン上に高分散担持させることにより高い活性を発現することができる。
空気極101では、電解質/電極触媒/ガス(酸素)の三相部分(三相界面)において電極反応が進行する。空気極101中に有機電解質103が浸透し、ここに大気中の酸素ガスが供給されることで、電解質−電極触媒−ガス(酸素)が共存する三相部位が形成される。電極触媒が高活性であれば、酸素還元(放電)及び酸素発生(充電)が円滑に進行し、電池性能が大きく向上することになる。
空気極101での放電反応は次のように表すことができる。
2Li++(1/2)O2+2e-→Li2O … (1)
2Li++O2+2e-→Li22 … (2)
上式中のリチウムイオン(Li+)は、負極102から電気化学的酸化により、有機電解質103中に溶解し、有機電解質103中を空気極101の表面まで移動してきたものである。また、酸素(O2)は、大気(空気)中から空気極101の内部に取り込まれたものである。なお、図1において、負極102から溶解する材料(Li+)、空気極101で析出する材料(Li22)、および空気(O2)を構成要素と共に示している。
空気極101の電極触媒として用いることができる酸化物、特に酸化マンガン(MnO2)、酸化ルテニウム(RuO2)などは、マンガンおよびルテニウムが、+4、+3などの価数を有するイオンで存在しうる。また、これらの酸化物を合成する際の条件によっては、酸化マンガン、酸化ルテニウム等の酸化物内に酸素を取り込むことができる空孔(以下、「酸素空孔」とも称する)が存在し、活性サイトとして機能すると考えられる。このため、このような酸化物触媒は、正極活物質である酸素との相互作用が強く、多くの酸素種を酸化物表面上に吸着でき、または酸素空孔内に酸素種を吸蔵することができる。酸化物表面上に吸着された、または酸素空孔内に吸蔵された酸素種は、上記式(1)および式(2)の酸素源(活性な中間反応体)として酸素還元反応に使用され、上記反応が容易に進むようになる。また、式(1)および式(2)の逆反応である充電反応に対しても、上記の酸化物は活性を有している。したがって、電池の充電に対応する空気極101上での酸素発生反応も効率よく進行する。このように、酸化マンガン、酸化ルテニウムなどの酸化物は、電極触媒として有効に機能する。
リチウム空気二次電池では、電池の効率を上げるために、電極反応を引き起こす反応部位(電解質/電極触媒/ガス(酸素)の三相部分)がより多く存在することが望ましい。このような観点から、上述の三相部位が電極触媒表面に多量に存在することが重要であり、使用する触媒は比表面積が高い方が好ましい。例えば、空気極101における比表面積は、10m2/g以上であることが好適である。
空気極101中での触媒含有量は、空気極101の重量を基準に、例えば0を越え、100重量%以下であることが望ましい。空気極101における他の成分の割合は、従来のリチウム空気二次電池と同様である。
(I―3)結着剤(バインダー)
結着剤は、特に限定されないが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリブタジエンゴムなどを例として挙げることができる。これらの結着剤は、粉末としてまたは分散液として用いることができる。
(I―4)空気極の調製
触媒である酸化物粉末、カーボン粉末及びポリフッ化ビニリデン(PVDF)のようなバインダー粉末を所定量混合し、この混合物をチタンメッシュなどの支持体上に圧着することにより、空気極101を成形することができる。また、前述の混合物を有機溶剤等の溶媒中に分散してスラリー状にし、金属メッシュまたはカーボンクロスやカーボンシート上に塗布して乾燥することによって、空気極101を形成することができる。電極の強度を高め電解質の漏洩を防止するために、冷間プレスだけでなく、ホットプレスを適用することによっても、より安定性に優れた空気極101を作製することができる。
(II)負極
負極102は、負極活物質を含んで構成される。負極活物質は、金属二次電池の負極材料として用いることができる材料であれば特に制限されない。例えば負極活物質は、金属リチウムである。また、負極活物質は、リチウム含有物質として、リチウムイオンを放出および吸蔵することができる物質であるリチウムと、シリコンまたはスズとの合金、あるいは、Li2.6Co0.4Nなどのリチウム窒化物であってもよい。
負極102は、公知の方法で作製することができる。例えば、リチウム金属を負極とする場合には、複数枚の金属リチウム箔を重ねて所定の形状に成形し、負極を作製できる。
なお、上記のシリコンまたはスズの合金を負極102として用いる場合、負極102を作成する時にリチウムを含まないシリコンまたはスズなどを用いることもできる。しかし、この場合には、空気電池の作製に先立って、化学的手法または電気化学的手法(例えば、電気化学セルを組んで、リチウムとシリコンまたはスズとの合金化を行う方法)によって、シリコンまたはスズが、リチウムを含む状態にあるように処理しておく必要がある。具体的には、作用極にシリコンまたはスズを含み、対極にリチウムを用い、電解質中で還元電流を流すことによって合金化を行うなどの電気化学的な処理をしておくことが好ましい。
金属リチウムから構成した負極102における放電時の反応は、以下のように表すことができる。
(放電反応)
Li→Li++e- … (3)
なお、充電時の負極102においては、式(3)の逆反応であるリチウムの析出反応が起こる。
(III)電解質
有機電解質103は、リチウムイオンを供給するためのリチウム化合物(金属塩など)と有機溶媒から構成されている。金属塩は、例えば、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、過塩素酸リチウム(LiClO4)、リチウムトリフルオロメタンスルホニルアミド(LiTFSA)[(CF3SO22NLi]などを挙げることができる。
有機溶媒は、例えば、炭酸ジメチル(DMC)、炭酸メチルエチル(MEC)、炭酸メチルプロピル(MPC)、炭酸メチルイソプロピル(MIPC)、炭酸メチルブチル(MBC)、炭酸ジエチル(DEC)、炭酸エチルプロピル(EPC)、炭酸エチルイソプロピル(EIPC)、炭酸エチルブチル(EBC)、炭酸ジプロピル(DPC)、炭酸ジイソプロピル(DIPC)、炭酸ジブチル(DBC)、炭酸エチレン(EC)、炭酸プロピレン(PC)、炭酸1,2−ブチレン(1,2−BC)などの炭酸エステル系溶媒、1,2−ジメトキシエタン(DME)、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、などのエーテル系溶媒、γ−ブチロタクトン(GBL)などのラクトン系溶媒、あるいはこれらの中から二種類以上を混合した溶媒を挙げることができる。混合溶媒を用いる場合の混合割合は、特に限定されない。
なお、有機電解質103は、電解液または固体電解質のいずれであってもよい。電解液とは、電解質が液体形態である場合をいう。また、固体電解質とは、電解質がゲル形態または固体形態である場合をいう。
(IV)セパレータ
セパレータ104は、金属BTC錯体を含み、酸化グラフェンを含んでもよい。金属BTC錯体の配位金属は、Cr、Ce、Fe、In、Zn、またはMoのいずれか1つであれば良い。あるいは、金属BTC錯体の配位金属は、Cr、Ce、Fe、In、Zn、またはMoの少なくとも1つを含んで構成されていてもよい。また、セパレータ104は、既知の構成材料として、多孔性ポリオレフィン膜やガラス繊維を含んでも良い。
(V)他の要素
なお、リチウム空気二次電池100は、上記構成に加え、電池ケース、金属メッシュ(例えばチタンメッシュ)などの構造部材、また、リチウム空気二次電池100に要求される要素を含むことができる。これらは、従来公知のものを使用することができる。
[セパレータの実施例]
次に、本実施形態のセパレータの実施例1−6について説明する。
(実施例1)Cr3(BTC)2で構成されたセパレータの調製
Cr(CO)6(アルドリッチ社製)とBTC(アルドリッチ社製)をモル比で3:2でジメチルホルムアミド(DMF)溶媒中にて撹拌する。さらに、DMF溶媒をメタノールと置換し、160℃にて48時間真空乾燥することにより脱溶媒和することでCr3(BTC)2を得る。
酸化グラフェンは、ハマーズ法により得られる。天然グラファイト(ベイカーボン社製)を純水と混合し、超音波処理することによりグラフェンのコロイドディスパージョンを得る。
Cr3(BTC)2とコロイドディスパージョンとを混合し、露紙で数回濾過することで、実施例1のセパレータを得る。
(実施例2)CeBTCで構成されたセパレータの調製
硝酸セリウム(III)6水和物(アルドリッチ社製)とBTC(アルドリッチ社製)をモル比5:3でDMF溶媒中にて撹拌する。混合物を130℃で24時間オートクレーブにかけ、室温まで冷やした後に、DMFで洗浄する。その混合物を50℃にて真空乾燥させることによりCeBTCを得る。このCeBTCを実施例2のセパレータに用いる。
(実施例3)FeBTCで構成されたセパレータの調製
FeBTC(アルドリッチ社製)を実施例3のセパレータに用いる。
(実施例4)InBTCで構成されたセパレータの調製
塩化インジウム(III)四水和物(アルドリッチ社製)とBTC(アルドリッチ社製)をモル比1:1にてピリジン1mlと水5mlの混合溶媒中にて撹拌し、165℃で85時間加熱する。その混合物を室温まで冷まし、DMF溶媒及び水で洗浄後、50℃にて真空乾燥することによりInBTCを得る。このInBTCを実施例4のセパレータに用いる。
(実施例5)Zn2(BTC)で構成されたセパレータの調製
硝酸亜鉛六水和物(アルドリッチ社製)とBTC(アルドリッチ社製)をモル比2:1にてトリエチルアミン溶媒中にて撹拌し、室温で6日間静置する。その混合物を室温まで冷まし、DMF溶媒及び水で洗浄後、50℃にて真空乾燥することによりZn2(BTC)を得る。このZn2(BTC)を実施例5のセパレータに用いる。
(実施例6)Mo3(BTC)2で構成されたセパレータの調製
モリブデンヘキサカルボニル(アルドリッチ社製)とBTC(アルドリッチ社製)をモル比で3:2でDMF溶媒中にて撹拌する。さらに、DMF溶媒をメタノールと置換し、160℃にて48時間真空乾燥して脱溶媒和することでMo3(BTC)2を得る。このMo3(BTC)2を実施例6のセパレータに用いる。
[リチウム空気二次電池の構成]
次に、本実施形態のリチウム空気二次電池の構成について説明する。
図2は、本実施形態のリチウム空気二次電池の構成を示す断面図である。
図2に示すリチウム空気二次電池は、空気極201、負極202、有機電解質203、セパレータ204、空気極支持体205、空気極固定用リング206、負極固定用リング207、負極固定用座金208、負極支持体209、固定ねじ210、Oリング211、空気極端子221、及び負極端子222を備える。
空気極201、負極202、有機電解質203、およびセパレータ204は、円筒形状の空気極支持体205に収容される。空気極支持体205は、金属で構成されて、空気極201との間で電気的接触をとる。ただし、空気極支持体205が有機電解質203およびセパレータ204と接する部分はポリテトラフルオロエチレン (PTFE)に被覆されて絶縁分離されている。
空気極支持体205は、円筒内中央部に仕切り251を有する。仕切り251により、空気極支持体205の円筒内部は空気極201を配置する領域と負極202及びセパレータ204を配置する領域に区分される。仕切り251は中央部が開口し、両方の領域が連通している。
液状の有機電解質203は、仕切り251の開口部に配置され、空気極201および塩橋となるセパレータ204に挟まれる。有機電解質203は、セパレータ204に含浸され、セパレータ204の周囲にも存在する。
空気極201は、PTFEにより構成された円筒形状の空気極固定用リング206と仕切り251に挟まれて固定される。
セパレータ204は、PTFEにより構成された円筒形状の負極固定用リング207と仕切り251に挟まれて固定される。
負極202は、負極固定用座金208上に積層されて、負極固定用リング207の円筒内部でセパレータ204に接触している。
負極固定用座金208には、金属により構成された負極支持体209が被せられている。負極支持体209は、固定ねじ210により空気極支持体205に固定されている。空気極支持体205と負極支持体209との間には、Oリング211が配置されている。固定ねじ210はPTFEに被覆されて空気極支持体205と負極支持体209とが電気的に分離された状態としている。
負極支持体209は、固定ねじ210により空気極支持体205の側に押しつけられる。負極202は、負極固定用座金208を介して押圧されて、セパレータ204に圧接される。
空気極端子221は空気極支持体205に導通して配置され、負極端子222は負極支持体209に導通して配置される。
続いて、図2のリチウム空気二次電池は作製手順について説明する。
まず、空気極201を作製する。ルテニウム酸化物(RuO2)粉末、カーボン粉末及びポリフッ化ビニリデン(PVDF)粉末を10:72:18の重量比で、ミキサーを用いてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に十分混合し、スラリーを作製する。このスラリーを直径17mmのカーボンシートに塗布し、90℃の真空乾燥機に入れ、一晩乾燥させ、ガス拡散型の空気極201を得る。
そして、リチウム空気電池セルを、露点が−60℃以下の乾燥空気中で、以下の手順で作製する。
作製した空気極201を、空気極支持体205の円筒内部に仕切り251に接する状態で配置し、空気極固定用リング206で固定する。
負極固定用座金208に負極202となる厚さ150μmの4枚の金属リチウム箔を同心円上に重ねて圧着する。
セパレータ204を、空気極支持体205の円筒内部に、空気極201とは反対側から仕切り251に接する状態で配置し、負極固定用リング207をセパレータ204と同じ側から空気極支持体205の円筒内部に配置し、さらに、負極202を圧着した負極固定用座金208を負極固定用リング207の円筒内部に配置する。
セルの内部(空気極201と負極202との間)に、有機電解質203を充填し、Oリング211を空気極支持体205の底部に配置し、負極支持体209を被せ、固定ねじ210で空気極支持体205と負極支持体209を固定する。有機電解質203は、1.00mol/L:LiTFSA/TEGDME溶液を用いる。
空気極端子221を空気極支持体205に接続して固定し、負極端子222を負極支持体209に接続して固定する。
[電池のサイクル試験]
次に、本実施形態のリチウム空気二次電池のサイクル試験について説明する。
実施例1−6のセパレータを用いたリチウム空気二次電池と一般的なセパレータであるガラスファイバーセパレータ(ワットマン社製)を比較例1のセパレータとして用いたリチウム空気二次電池について電池のサイクル試験を行った。実施例1−6と比較例1のリチウム空気二次電池は、図2で示したリチウム空気二次電池の構成であり、セパレータ以外の構成は同じである。
電池のサイクル試験では、充放電測定システム(Bio Logic社製)を用いて、空気極の重量当たりの電流密度で200mA/gを通電し、充放電試験は2.0Vから4.4Vの範囲内で容量が1000mAh/gまで充放電電圧の測定を行った。電池の充放電試験は、通常の生活環境下で行った。充放電容量は空気極(カーボン粉末+酸化物+PVDF)重量当たりの値(mAh/g)で表した。
図3は、実施例1のセパレータを用いたリチウム空気二次電池の初回と126回目の放電及び充電曲線を示すグラフである。初回の放電及び充電曲線を点線で示し、126回目の放電及び充電曲線を点線で示した。
表1は、実施例1−6と比較例1の電池のサイクル試験の結果である。表中のサイクル回数は、充放電容量を1000mAh/gに設定し、初回放電容量と比較して容量劣化率が20%になったときの充放電回数である。最終サイクルの平均充放電電圧差は、最終サイクルにおける平均充電電圧から平均放電電圧を引いた値である。
Figure 0006688210
図3及び表1に示すように、実施例1のセパレータを用いたリチウム空気二次電池では、サイクル回数は126回を示し、最終サイクルの平均充放電電圧差は1.13Vであった。このリチウム空気二次電池は、非特許文献1,2で報告されたものよりサイクル回数が多く、最終サイクルの平均充放電電圧差が小さい。つまり、実施例1のCr3(BTC)2をセパレータとして使用したリチウム空気二次電池は、電池特性が向上できることが確認された。
また、表1から分かるように、実施例2−6についても、電池特性が向上できることが確認された。
比較例1のセパレータを用いたリチウム空気二次電池では、サイクル回数は81回を示し、最終サイクルの平均充放電電圧差は1.88Vであった。これは実施例1−6のセパレータを用いたリチウム空気二次電池よりも低い電池特性である。
金属BTC錯体をセパレータとして使用することで、セパレータの孔のサイズを調整する性質を利用することが出来る。孔のサイズを調整することで、電解質中を移動する負極の金属イオンのみを透過させ、生成物や充放電時に生成された副生成物と負極との接触が妨げられる。その結果、負極における副反応が抑制されることが考えられ、サイクル回数が大幅増加し、かつ、平均充放電電圧の差が小さくなり、充放電効率が向上するという優れた効果が得られる。
なお、リチウム空気電池以外の金属空気電池についても、リチウム空気電池と作動原理が同じであることから、セパレータの孔径を調節することで本実施の形態のセパレータを適用可能である。例えば、Naを負極として用いるナトリウムイオン電池、ナトリウム空気電池、NaS電池、Kを負極として用いるカリウムイオン電池、カリウム空気電池、Caを負極として用いるカルシウムイオン電池、カルシウム空気電池、Mgを負極として用いる、マグネシウムイオン電池、マグネシウム空気電池、Alを負極として用いるアルミニウムイオン電池、アルミニウム空気電池、Znを負極として用いる亜鉛空気電池、Feを負極として用いる鉄空気電池にも適用可能である。上記電池は一次電池、二次電池を含む。
以上説明したように、本実施の形態によれば、金属BTC錯体を含むセパレータ204を用いてリチウム空気二次電池を構成することで、従来のセパレータを用いたリチウム空気二次電池よりも、サイクル回数が増加し、かつ、充放電に関するエネルギー効率が高い、つまり、高耐久性、高効率な特性が得られるリチウム空気二次電池を提供できる。
100…リチウム空気二次電池
101…空気極
102…負極
103…有機電解質
104…セパレータ
201…空気極
202…負極
203…有機電解質
204…セパレータ
205…空気極支持体
206…空気極固定用リング
207…負極固定用リング
208…負極固定用座金
209…負極支持体
210…固定ねじ
211…Oリング
221…空気極端子
222…負極端子
251…仕切り

Claims (2)

  1. 電池用のセパレータであって、
    金属1,3,5−ベンゼントリカルボキシラート錯体を含み、
    前記金属1,3,5−ベンゼントリカルボキシラート錯体の金属は、セリウム、インジウム、モリブデンのうちのいずれかであることを特徴とするセパレータ。
  2. 空気極と、
    リチウムを含む負極と、
    前記空気極と前記負極との間に配置された電解質と、
    前記電解質を含浸させた金属1,3,5−ベンゼントリカルボキシラート錯体を含むセパレータとを有し、
    前記金属1,3,5−ベンゼントリカルボキシラート錯体の金属は、セリウム、インジウム、モリブデンのうちのいずれかであることを特徴とするリチウム空気二次電池。
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