JP6209134B2 - リチウム空気二次電池 - Google Patents

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Description

本発明はリチウム空気二次電池に関する。特に本発明は、鉛蓄電池やリチウムイオン電池などの従来の二次電池よりも小型軽量で、かつ遙かに大きい放電容量を実現できるリチウム空気二次電池に関する。
正極活物質として空気中の酸素を用いるリチウム空気二次電池は、電池外部から常に酸素が供給され、電池内に大量の負極活物質である金属リチウムを充填することができる。このため、電池の単位体積当たりの放電容量の値を非常に大きくできることが報告されている。
これまでに非特許文献1や非特許文献2に報告されているように、正極であるガス拡散型空気極に種々の触媒を添加することにより、放電容量、サイクル特性などの電池性能の改善が試みられている。
ガス拡散型空気極の電極触媒として遷移金属酸化物が検討されている。例えば、上記文献では、非特許文献1においてλ−MnOなどの遷移金属酸化物が、非特許文献2では主に酸化鉄(Fe)、コバルト酸化物(Co)などの遷移金属酸化物が検討されている。これらの文献には、以下のようなリチウム空気二次電池の電池特性の試験の結果が示されている。
非特許文献1に開示されている二次電池では、充電電圧が、約4.0Vであり、平均放電電圧の2.7Vと比較して非常に大きく、エネルギー効率が低いという課題がある。また、電流密度1.0mA/cmの条件下では200mAh/g程度と容量が小さい。
一方、非特許文献2では、9種類の触媒を検討し、空気極に含まれるカーボンの重量当たりで1000〜3000mAh/gの非常に大きな放電容量が得られている。しかしながら、ほとんどの場合で平均放電電圧は2.5V程度であり、一方、充電電圧は4.0〜4.5Vを示し、最も低いものでも3.9V程度である。このため、非特許文献2のリチウム空気二次電池は充放電のエネルギー効率は低い。
なお、非特許文献1及び2を含む多くの報告では、リチウム空気二次電池の有機電解液として、LiClO、LiPF、LiTFSI(リチウムビストリフルオロメタンスルホニルイミド)などのリチウム塩を、炭酸プロピレンなどの炭酸エステル系溶媒に1.0mol/l程度の濃度で溶解した溶液が用いられている。
J. Read, Journal of The Electrochemical Society, Vol.149, pp.A1190-A1195 (2002). Aurelie Debart et al., Journal of Power Sources, Vol.174, pp.1177 (2007).
本発明は、リチウム空気二次電池を、高容量二次電池として作動させ、低充電電圧かつ充放電の電圧差が小さく、高出力のリチウム空気二次電池を供することを目的とする。
本発明のリチウム空気二次電池は、導電性材料及び触媒を含む空気極と、金属リチウムまたはリチウム含有物質を含む負極と、前記空気極と前記負極に接する、リチウム塩と有機溶媒を含む有機電解液とを含み、前記空気極は酸化物触媒を含み、かつ、前記有機電解液において、前記リチウム塩がリチウムイオン内包フラーレン塩(Li+−C60)X-(式中、XはPF6、ClO4、TFSI、BF4、又はAsO4から選択される)であり前記有機溶媒がテトラエチレングリコールジメチルエーテル(TEGDME)及び炭酸エステル系溶媒からなる群から選択される
本発明のリチウム空気二次電池は、前記有機電解液中の有機溶媒にリチウム塩としてリチウムイオン内包フラーレン塩(Li+−C60)X-(式中X=PF6、ClO4、TFSI、BF4、又はAsO4から選択される)を含むことによって電池性能の改善を達成することができる。
本発明のリチウム空気二次電池の構成を採用することによって、低充電電圧かつ充放電の電圧差が小さく、優れたレート特性を実現する高エネルギー密度のリチウム空気二次電池を提供することが可能となる。
本発明に係るリチウム空気二次電池の基本的な構成を示す概略図である。 本発明に係る電池性能評価用リチウム空気二次電池セルの基本的な構成を示す概略断面図である。 実施例1に係るリチウム空気二次電池セルの初回充放電曲線を示す図である。
以下に、図面を参照しつつ、本願に係るリチウム空気二次電池の一実施形態について詳細に説明する。
[リチウム空気二次電池の構成]
本発明に係るリチウム空気二次電池100は、図1に示されるように、空気極102、負極104及び有機電解質106を少なくとも含み、前記空気極102が正極として機能する。
より具体的には、前記空気極102は、触媒、導電性材料及び結着剤を構成要素に含むことができる。負極104は金属リチウム又はリチウムイオンを放出及び吸収することができるリチウム含有合金などの物質を構成要素とすることができる。また、これらの空気極と負極との間に有機電解液が配置されうる。
以下に上記の各構成要素について説明する。なお、本明細書において、電解液とは、電解質が液体形態である場合をいう。
(I)電解質(有機電解液)
本発明のリチウム空気二次電池は電解質を含む。本発明では、この電解質はリチウムイオン内包フラーレン塩及び有機溶媒を含む。
リチウムイオン内包フラーレン塩は、(Li−C60)X(式中、XはPF、ClO、TFSI、BF、又はAsOから選択される)で表されるものである。特に好ましくは、リチウムイオン内包フラーレン塩は(Li−C60)X(X=PF)であり、この化合物は、例えばイデア・インターナショナル社から入手することができる。
本発明では、電解質(有機電解液)の溶媒には、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(TEGDME)、炭酸ジメチル(DMC)、炭酸メチルエチル(MEC)、炭酸メチルプロピル(MPC)、炭酸メチルイソプロピル(MIPC)、炭酸メチルブチル(MBC)、炭酸ジエチル(DEC)、炭酸エチルプロピル(EPC)、炭酸エチルイソプロピル(EIPC)、炭酸エチルブチル(EBC)、炭酸ジプロピル(DPC)、炭酸ジイソプロピル(DIPC)、炭酸ジブチル(DBC)、炭酸エチレン(EC)、炭酸プロピレン(PC)、炭酸1,2−ブチレン(1,2−BC)、又はこれらの混合物を挙げることができる。
本発明では、電解質中のリチウムイオン内包フラーレン塩の濃度は、0.1〜2mol/Lの範囲が好ましく、1mol/Lがより好ましい。
上述のような、リチウムイオン内包フラーレン塩及び有機溶媒を含む電解質は、一般的にリチウム空気二次電池に用いられる電解質よりも高いイオン導電性を有するため、通常の電解質を用いたリチウム空気二次電池よりも電池性能が大きく向上する。
(II)空気極(正極)
本発明では、前記空気極は、導電性材料、触媒、結着剤等を含むことができる。
(I−1)導電性材料
本発明では、空気極に導電性材料を含むことができる。導電性材料には、例えばカーボンを例示することができる。具体的には、ケッチェンブラック、アセチレンブラックなどのカーボンブラック類、活性炭類、グラファイト類、カーボン繊維類などを挙げることができる。空気極中で反応部位を十分に確保するために、カーボンは比表面積が大きなものが適している。具体的には、BET比表面積で300m/g以上の値を有しているものが望ましい。これらのカーボンは、例えば市販品として、又は公知の合成により入手することが可能である。
(I−2)触媒
本発明のリチウム空気二次電池では、空気極の触媒は、酸化マンガン(MnO)、ルテニウム酸化物(RuO)等の酸素還元(放電)及び酸素発生(充電)の両反応に対して高活性な、従来から公知の酸化物触媒であれば特に限定されない。
本発明のリチウム二次電池の空気極では、電解液/電極触媒/ガス(酸素)の三相部分において、電極反応が進行する。即ち、空気極102中に有機電解液106が浸透し、同時に大気中の酸素ガスが供給され、電解液−電極触媒−ガス(酸素)が共存する三相部位が形成される。前記電極触媒が高活性であれば、酸素還元(放電)及び酸素発生(充電)がスムーズに進行し、電池性能は大きく向上することになる。
空気極での反応は次のように表すことができる。
2Li+(1/2)O+2e → LiO (1)
2Li+O+2e → Li (2)
上式中のリチウムイオン(Li)は、負極から電気化学的酸化により有機電解液中に溶解し、この有機電解液中を空気極表面まで移動してきたものである。また、酸素(O)は、大気(空気)中から空気極内部に取り込まれたものである。なお、負極から溶解する材料(Li)、空気極で析出する材料(LiO)、及び空気(O)を図1の構成要素と共に示した。
空気極(正極)の電極触媒として用いることができる酸化物、特に酸化マンガン(MnO)、酸化ルテニウム(RuO)などは、マンガン及びルテニウムが、+4、+3などの価数を有するイオンで存在しうる。また、これらの酸化物を合成する際の条件によっては、酸化マンガン、酸化ルテニウム等の酸化物内に酸素を取り込むことができる空孔(本明細書では酸素空孔とも称する)が存在する場合もある。
このような酸化物触媒は、正極活物質である酸素との相互作用が強いので、多くの酸素種を酸化物表面上に吸着でき、又は酸素空孔内に酸素種を吸蔵することができる。
このように、酸化物表面上に吸着された、又は酸素空孔内に吸蔵された酸素種は、上記式(1)及び式(2)の酸素源(活性な中間反応体)として酸素還元反応に使用され、上記反応が容易に進むようになる。また、式(1)及び式(2)の逆反応である充電反応に対しても、上記の酸化物は活性を有している。従って、電池の充電、つまり、空気極上での酸素発生反応も効率よく進行する。このように、酸化マンガン、酸化ルテニウムなどの酸化物は、電極触媒として有効に機能する。
本発明のリチウム空気二次電池では、電池の効率を上げるために、電極反応を引き起こす反応部位(上記の電解液/電極触媒/空気(酸素)の三相部分)がより多く存在することが望ましい。このような観点から、本発明では、上述の三相部位が電極触媒表面に多量に存在することが重要であり、使用する触媒は比表面積が高い方が好ましい。
本発明で好ましく使用される酸化物触媒は、市販品として、或いは、各種合成法により入手することができる。例えば、合成法には、固相法や液相法などの公知のプロセスを用いる、各種合成法を挙げることができる。
本発明では、比表面積の測定は、市販の装置を用いて行うことができる。例えば、比表面積は、市販の測定装置を用いて、液体窒素を冷却媒として使用するような手順で測定することができる。
(I−3)結着剤(バインダー)
空気極は結着剤(バインダー)を含むことができる。この結着剤は、特に限定されないが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリブタジエンゴムなどを例として挙げることができる。これらの結着剤は、粉末として又は分散液として用いることができる。
(I−4)空気極の調製
空気極は以下のように調製することができる。触媒である酸化物粉末、カーボン粉末及びポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のようなバインダー粉末を混合し、この混合物をチタンメッシュ等の支持体上に圧着することにより、空気極を成形することができる。また、前述の混合物を有機溶剤等の溶媒中に分散してスラリー状にし、金属メッシュ又はカーボンクロスやカーボンシート上に塗布して乾燥することによって、空気極を形成することができる。
本発明のリチウム空気二次電池において、空気極中での触媒含有量は、1〜50重量%、より好ましくは5〜30重量%であることが望ましい。
また、電極の強度を高め電解液の漏洩を防止するために、冷間プレスだけでなく、ホットプレスを適用することによっても、より安定性に優れた空気極を作製することができる。
空気極は、これを構成する電極の片面は大気に曝され、もう一方の面は電解液と接する。
(II)負極
本発明のリチウム空気二次電池は、負極に負極活物質を含む。この負極活性物質は、リチウム二次電池の負極材料として用いることができる材料であれば特に制限されない。例えば、金属リチウムを挙げることができる。或いは、リチウム含有物質として、リチウムイオンを放出及び吸蔵することができる物質である、リチウムと、シリコン又はスズとの合金、或いはLi2.6Co0.4Nなどのリチウム窒化物を例として挙げることができる。
なお、上記のシリコン又はスズの合金を負極として用いる場合、負極を合成する時にリチウムを含まないシリコン又はスズなどを用いることもできる。しかし、この場合には、空気電池の作製に先立って、化学的手法又は電気化学的手法(例えば、電気化学セルを組んで、リチウムとシリコン又はスズとの合金化を行う方法)によって、シリコン又はスズが、リチウムを含む状態にあるように処理しておく必要がある。具体的には、作用極にシリコン又はスズを含み、対極にリチウムを用い、有機電解液中で還元電流を流すことによって合金化を行う等の処理をしておくことが好ましい。
本発明のリチウム空気二次電池の負極は、公知の方法で形成することができる。例えば、リチウム金属を負極とする場合には、複数枚の金属リチウム箔を重ねて所定の形状に成形することで、負極を作製すればよい。
ここで、放電時の負極(金属リチウム)の反応は以下のように表すことができる。
(放電反応)
Li→Li+e (3)
なお、充電時の負極においては、式(3)の逆反応であるリチウムの析出反応が起こる。
(IV)他の要素
本発明のリチウム空気二次電池は、上記構成要素に加え、セパレータ、電池ケース、金属メッシュ(例えばチタンメッシュ)などの構造部材、その他のリチウム空気二次電池に要求される要素を含むことができる。これらは、従来公知のものを使用することができる。
本発明のリチウム空気二次電池は、電気自動車やスマートフォン等のモバイル機器の駆動を大幅に長時間化することが期待できる。
[実施例]
以下に添付図面を参照して、本発明に係るリチウム空気二次電池についての実施例を詳細に説明する。なお、本発明は下記の実施例に示したものに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
(実施例1)
空気極用の触媒として公知であるマンガン酸化物(MnO)を用いて、リチウム空気二次電池セルを以下の手順で作製した。マンガン酸化物(MnO)は市販試薬(関東化学社製)を用いた。有機電解液として、リチウムイオン内包フラーレン塩である(Li−C60)X(X=PF)を有機溶媒TEGDMEに1mol/Lの濃度で溶解したものを用いた。
なお、(Li−C60)X(X=PF)のXはPFに限定されるものではなく、ClO、TFSI、BF、AsO等を用いてもよい。また、濃度は1mol/Lに限定されるものではなく、0.1〜2mol/Lの範囲であればよい。
マンガン酸化物(MnO)粉末、ケッチェンブラック粉末及びポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粉末を5:57:38の重量比で、らいかい機を用いて十分に粉砕及び混合し、ロール成形し、シート状電極(厚さ:0.5mm)を作製した。このシート状電極を直径23mmの円形に切り抜き、チタンメッシュ上にプレスして、ガス拡散型の空気極を得た。
図2に示す断面構造を有する円柱形のリチウム空気二次電池セルを作製した。図2は、リチウム空気二次電池セルの断面図である。リチウム空気電池セルは、露点が−60℃以下の乾燥空気中で、以下の手順で作製した。
上記の方法で調整した空気極(正極)1を、PTFEで被覆された空気極支持体2の凹部に配置し、空気極固定用のPTFEリング3で固定した。なお、空気極1と空気極支持体2が接触する部分は、電気的接触をとるためにPTFEによる被覆を施さないものとした。また、空気極1と空気とが接触する電極の有効面積は2cmとした。
次に、空気極1と大気が接触する面とは逆の面に、リチウム二次電池用のセパレータ5を凹部の底面に配置した。続いて、図2に示すような負極固定用座金7に負極8である厚さ150μmの4枚の金属リチウム箔(有効面積:2cm)を同心円上に重ねて圧着した。続いて、負極固定用のPTFEリング6を、空気極1を設置する凹部と対向する逆の凹部に配置し、中央部に金属リチウムが圧着された負極固定用座金7を更に配置した。続いて、Oリング9を、図2に示すように正極支持体2の底部に配置した。
次に、セルの内部(正極1と負極8との間)に、有機電解液10を充填し、負極支持体11を被せて、セル固定用ねじ12で、セル全体を固定した。有機電解液10は、上述の有機電解液(1mol/l:(Li−C60)PF /TEGDME溶液)を用いた。
続いて、正極端子4を正極支持体2に設置し、負極端子13を負極支持体11に設置した。
(電池性能)
以上の手順で調製したリチウム空気二次電池セルの電池性能を測定した。なお、図2に示す正極端子4及び負極端子13を、電池性能の測定試験に用いた。
電池のサイクル試験は、充放電測定システム(Bio Logic社製)を用いて、空気極1の有効面積当たりの電流密度で0.05mA/cmを通電し、開回路電圧から電池電圧が、2.0Vに低下するまで放電電圧の測定を行った。電池の充電試験は、放電時と同じ電流密度で、電池電圧が、4.5Vに達するまで行った。電池の充放電試験は、通常の生活環境下で行った。充放電容量は空気極(カーボン+酸化物+PTFE)重量当たりの値(mAh/g)で表した。
電流密度で0.05mA/cmを通電した場合の初回の放電及び充電曲線を図3に示す。平均充放電電圧は、図中に示すように、全放電容量の中間値時の放電電圧及び充電電圧と定義する。表1に、本実施例の性能をまとめて示した。
図3より、1mol/l (Li−C60)PF /TEGDME溶液を有機電解液に用いたときの平均放電電圧は2.79Vであり、初回放電容量は1,350mAh/gであることが分かる。また、平均放電電圧と平均充電電圧の差(ΔV)は、0.90Vであった。このΔVの値は、非特許文献1及び2で報告されたものよりも低い値であることがわかった。
放電容量のサイクル依存性を表1に示す。表1に示されるように、本実施例(実施例1)では充放電サイクルを100回繰り返しても、放電容量は約50%維持された。
(実施例2〜3)
本実施例では、実施例1のリチウムイオン内包フラーレン塩有機電解液を用い、以下の電流密度で通電した例である。
(実施例2):電流密度0.5mA/cm
(実施例3):電流密度1.0mA/cm
上記以外の他の条件は、すべて実施例1と同様にして、セルを作製し、電池性能の評価を行った。
本実施例の測定結果を表1に併せて示す。表1より、電流密度を1.0mA/cmとした場合でも、初回放電容量は789mAh/gの高い容量を示した。また、充放電サイクルを100回繰り返しても、放電容量は約60%維持された。このように、(Li−C60)PF /TEGDME溶液を有機電解液として使用したリチウム空気二次電池は、レート特性に優れることがわかる。また、(Li−C60)PF /TEGDME溶液はリチウム空気二次電池の電池性能を向上できることが確認された。
(実施例4)
本実施例では、有機電解液として、1mol/l (Li−C60)PF /DMSO溶液を用いた。他の条件は、すべて実施例1と同様にして、セルを作製し、電池性能の評価を行った。
本実施例の測定結果を、表1に併せて示す。
表1に示されるように、放電電圧の高電圧化及び充電電圧の低電圧化、並びにサイクル特性の改善が達成されたことが明らかとなった。このように、有機電解液の溶媒にDMSOを用いた場合においても、リチウムイオン内包フラーレン塩は電池性能の向上に資することが確認された。
(実施例5〜6)
本実施例では、実施例4のリチウムイオン内包フラーレン塩有機電解液を用い、以下の電流密度で通電した例である。
(実施例5):電流密度0.5mA/cm
(実施例6):電流密度1.0mA/cm
上記以外の他の条件は、すべて実施例4と同様にして、セル作製を作製し、電池性能の評価を行った。
本実施例の測定結果を、表1に併せて示す。表1より、電流密度を1.0mA/cmとした場合でも初回放電容量850mAh/gの高い容量を示した。また、充放電サイクルを100回繰り返しても、放電容量は70%維持された。このように、有機電解液の溶媒にDMSOを用いた場合においても本発明のリチウム空気二次電池はレート特性に優れることがわかる。また、(Li−C60)PF /DMSO溶液は、リチウム空気二次電池の電池性能を向上できることが確認された。
(実施例7)
本実施例では、有機電解液として、1mol/l (Li−C60)PF /EC−DMC(1:1)溶液を用いた。他の条件は、すべて実施例1と同様にして、セルを作製し、電池性能の評価を行った。
本実施例の測定結果を、表1に併せて示す。
表1に示されるように、放電電圧の高電圧化及び充電電圧の低電圧化、並びにサイクル特性の改善が達成されたことが明らかとなった。このように、有機電解液の溶媒にEC−DMC(1:1)を用いた場合においても、リチウムイオン内包フラーレン塩は電池性能の向上に資することが確認された。
(実施例8〜9)
本実施例では、実施例7のリチウムイオン内包フラーレン塩有機電解液を用い、以下の電流密度で通電した例である。
(実施例8):電流密度0.5mA/cm
(実施例9):電流密度1.0mA/cm
上記以外の他の条件は、すべて実施例7と同様にして、セルを作製し、電池性能の評価を行った。
本実施例の測定結果を表1に併せて示す。表1より、電流密度を1.0mA/cmとした場合でも、初回放電容量は796mAh/g近くの高い容量を示した。このように、有機電解液の溶媒にECを用いた場合においても、(Li−C60)PF /EC−DMC(1:1)溶液を有機電解液として使用したリチウム空気二次電池は、レート特性に優れることがわかる。また、(Li−C60)PF /EC−DMC(1:1)溶液はリチウム空気二次電池の電池性能を向上できることが確認された。また、充放電サイクルを100回繰り返した後の放電容量維持率は50%であった。
実施例1〜9の結果から、リチウムイオン内包フラーレン塩有機電解液を電解液に用いた場合に、リチウム空気二次電池の電池性能に溶媒依存性が見られた。上記の各実施例の結果(表1)から、有機溶媒はTEGDMEを用いるのが最も望ましいと考えられる。
(比較例)
(比較例1)
有機電解液として1mol/lのLiTFSI/TEGDME溶液を用いて、リチウム空気二次電池セルを実施例1と同様にして作製した。有機電解液以外のリチウム空気二次電池の作製条件及びサイクル試験の条件は、実施例1と同様である。
(比較例2)
本比較例では、比較例1の有機電解液を用い、電流密度0.5mA/cmで通電した。他の条件は、すべて比較例1と同様にして、セルを作製し、電池性能の評価を行った。
(比較例3)
有機電解液として1mol/lのLiPF/TEGDME溶液を用いて、リチウム空気二次電池セルを実施例1と同様にして作製した。有機電解液以外のリチウム空気二次電池の作製条件及びサイクル試験の条件は、実施例1と同様である。
(比較例4)
本比較例では、比較例3の有機電解液を用い、電流密度0.5mA/cmで通電した。他の条件は、すべて比較例3と同様にして、セルを作製し、電池性能の評価を行った。
(比較例5)
有機電解液として1mol/lのLiTFSI/DMSO溶液を用いて、リチウム空気二次電池セルを実施例1と同様にして作製した。有機電解液以外のリチウム空気二次電池の作製条件及びサイクル試験の条件は、実施例1と同様である。
(比較例6)
本比較例では、比較例5の有機電解質を用い、電流密度0.5mA/cmで通電した。他の条件は、すべて比較例5と同様にして、セルを作製し、電池性能の評価を行った。
(比較例7)
有機電解液として1mol/lのLiPF/DMSO溶液を用いて、リチウム空気二次電池セルを実施例1と同様にして作製した。有機電解液以外のリチウム空気二次電池の作製条件及びサイクル試験の条件は、実施例1と同様である。
(比較例8)
本比較例では、比較例7の有機電解液を用い、電流密度0.5mA/cmで通電した。他の条件は、すべて比較例7と同様にして、セルを作製し、電池性能の評価を行った。
上記比較例1〜8に係るリチウム空気二次電池の電池性能を、表2に記す。
表1(実施例)と表2(比較例)に示した平均放電電圧と平均充電電圧の差(ΔV)について、TEGDME溶液とDMSO溶液を用いて電流密度0.05又は0.5mA/cmで試験を行った結果を比較すると、実施例の方がΔVの値が低くなった(ΔVの値:実施例1<比較例1、実施例1<比較例3、実施例2<比較例4、実施例4<比較例5、実施例4<比較例7、実施例5<比較例6、実施例5<比較例8)。また、初期容量は1,000mAh/gを超える大きな値であったが、サイクルを繰り返すと、放電容量は著しく減少し、100サイクル後には約150mAh/gの小さな値しか得られなかった。また、電流密度0.5mA/cmで通電すると、100サイクル後には30〜50mAh/g程度の小さな放電容量の値しか得られなかった。
以上の結果より、本発明の有機電解液を用いたリチウム空気二次電池は、優れた電池性能を実現することができ、リチウムイオン内包フラーレン塩有機電解液は、電池性能の改善に大きく寄与することがわかる。また、有機電解液中の有機溶媒にTEGDEMを用いた場合に最も優れた電池性能が得られることが示された。
本発明によるリチウム空気電池の構成を用いることにより、低充電電圧で作動し、充放電サイクル性能に優れた高出力な高エネルギー密度のリチウム空気二次電池を作製することができ、電気自動車や様々な電子機器の駆動源として有効利用することができる。
1 空気極(正極)
2 正極支持体(PTFE被覆)
3 正極固定用リング(PTFEリング)
4 空気極端子
5 セパレータ
6 負極固定用リング(PTFEリング)
7 負極固定用座金
8 負極
9 Oリング
10 有機電解液
11 負極支持体
12 セル固定ねじ(PTFE被覆)
13 負極端子
100 リチウム空気二次電池
102 空気極
104 負極
106 有機電解質

Claims (1)

  1. 導電性材料及び触媒を含む空気極と、
    金属リチウムまたはリチウム含有物質を含む負極と、
    前記空気極と前記負極に接する、リチウム塩と有機溶媒を含む有機電解液とを含み、
    前記空気極は酸化物触媒を含み、かつ、
    前記有機電解液において、
    前記リチウム塩はリチウムイオン内包フラーレン塩(Li+−C60)X-(式中、XはPF6、ClO4、TFSI、BF4、又はAsO4から選択される)であり
    前記有機溶媒はテトラエチレングリコールジメチルエーテル(TEGDME)及び炭酸エステル系溶媒からなる群から選択される
    ことを特徴とするリチウム空気二次電池。
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