JP6209134B2 - リチウム空気二次電池 - Google Patents
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Description
本発明に係るリチウム空気二次電池100は、図1に示されるように、空気極102、負極104及び有機電解質106を少なくとも含み、前記空気極102が正極として機能する。
本発明のリチウム空気二次電池は電解質を含む。本発明では、この電解質はリチウムイオン内包フラーレン塩及び有機溶媒を含む。
(II)空気極(正極)
本発明では、前記空気極は、導電性材料、触媒、結着剤等を含むことができる。
本発明では、空気極に導電性材料を含むことができる。導電性材料には、例えばカーボンを例示することができる。具体的には、ケッチェンブラック、アセチレンブラックなどのカーボンブラック類、活性炭類、グラファイト類、カーボン繊維類などを挙げることができる。空気極中で反応部位を十分に確保するために、カーボンは比表面積が大きなものが適している。具体的には、BET比表面積で300m2/g以上の値を有しているものが望ましい。これらのカーボンは、例えば市販品として、又は公知の合成により入手することが可能である。
本発明のリチウム空気二次電池では、空気極の触媒は、酸化マンガン(MnO2)、ルテニウム酸化物(RuO2)等の酸素還元(放電)及び酸素発生(充電)の両反応に対して高活性な、従来から公知の酸化物触媒であれば特に限定されない。
2Li++(1/2)O2+2e− → Li2O (1)
2Li++O2+2e− → Li2O2 (2)
空気極は結着剤(バインダー)を含むことができる。この結着剤は、特に限定されないが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリブタジエンゴムなどを例として挙げることができる。これらの結着剤は、粉末として又は分散液として用いることができる。
空気極は以下のように調製することができる。触媒である酸化物粉末、カーボン粉末及びポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のようなバインダー粉末を混合し、この混合物をチタンメッシュ等の支持体上に圧着することにより、空気極を成形することができる。また、前述の混合物を有機溶剤等の溶媒中に分散してスラリー状にし、金属メッシュ又はカーボンクロスやカーボンシート上に塗布して乾燥することによって、空気極を形成することができる。
本発明のリチウム空気二次電池は、負極に負極活物質を含む。この負極活性物質は、リチウム二次電池の負極材料として用いることができる材料であれば特に制限されない。例えば、金属リチウムを挙げることができる。或いは、リチウム含有物質として、リチウムイオンを放出及び吸蔵することができる物質である、リチウムと、シリコン又はスズとの合金、或いはLi2.6Co0.4Nなどのリチウム窒化物を例として挙げることができる。
Li→Li++e− (3)
本発明のリチウム空気二次電池は、上記構成要素に加え、セパレータ、電池ケース、金属メッシュ(例えばチタンメッシュ)などの構造部材、その他のリチウム空気二次電池に要求される要素を含むことができる。これらは、従来公知のものを使用することができる。
以下に添付図面を参照して、本発明に係るリチウム空気二次電池についての実施例を詳細に説明する。なお、本発明は下記の実施例に示したものに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
空気極用の触媒として公知であるマンガン酸化物(MnO2)を用いて、リチウム空気二次電池セルを以下の手順で作製した。マンガン酸化物(MnO2)は市販試薬(関東化学社製)を用いた。有機電解液として、リチウムイオン内包フラーレン塩である(Li+−C60)X−(X=PF6)を有機溶媒TEGDMEに1mol/Lの濃度で溶解したものを用いた。
以上の手順で調製したリチウム空気二次電池セルの電池性能を測定した。なお、図2に示す正極端子4及び負極端子13を、電池性能の測定試験に用いた。
本実施例では、実施例1のリチウムイオン内包フラーレン塩有機電解液を用い、以下の電流密度で通電した例である。
(実施例2):電流密度0.5mA/cm2
(実施例3):電流密度1.0mA/cm2
本実施例では、有機電解液として、1mol/l (Li+−C60)PF6 −/DMSO溶液を用いた。他の条件は、すべて実施例1と同様にして、セルを作製し、電池性能の評価を行った。
本実施例では、実施例4のリチウムイオン内包フラーレン塩有機電解液を用い、以下の電流密度で通電した例である。
(実施例6):電流密度1.0mA/cm2
本実施例では、有機電解液として、1mol/l (Li+−C60)PF6 −/EC−DMC(1:1)溶液を用いた。他の条件は、すべて実施例1と同様にして、セルを作製し、電池性能の評価を行った。
本実施例では、実施例7のリチウムイオン内包フラーレン塩有機電解液を用い、以下の電流密度で通電した例である。
(実施例9):電流密度1.0mA/cm2
(比較例1)
有機電解液として1mol/lのLiTFSI/TEGDME溶液を用いて、リチウム空気二次電池セルを実施例1と同様にして作製した。有機電解液以外のリチウム空気二次電池の作製条件及びサイクル試験の条件は、実施例1と同様である。
本比較例では、比較例1の有機電解液を用い、電流密度0.5mA/cm2で通電した。他の条件は、すべて比較例1と同様にして、セルを作製し、電池性能の評価を行った。
有機電解液として1mol/lのLiPF6/TEGDME溶液を用いて、リチウム空気二次電池セルを実施例1と同様にして作製した。有機電解液以外のリチウム空気二次電池の作製条件及びサイクル試験の条件は、実施例1と同様である。
本比較例では、比較例3の有機電解液を用い、電流密度0.5mA/cm2で通電した。他の条件は、すべて比較例3と同様にして、セルを作製し、電池性能の評価を行った。
有機電解液として1mol/lのLiTFSI/DMSO溶液を用いて、リチウム空気二次電池セルを実施例1と同様にして作製した。有機電解液以外のリチウム空気二次電池の作製条件及びサイクル試験の条件は、実施例1と同様である。
本比較例では、比較例5の有機電解質を用い、電流密度0.5mA/cm2で通電した。他の条件は、すべて比較例5と同様にして、セルを作製し、電池性能の評価を行った。
有機電解液として1mol/lのLiPF6/DMSO溶液を用いて、リチウム空気二次電池セルを実施例1と同様にして作製した。有機電解液以外のリチウム空気二次電池の作製条件及びサイクル試験の条件は、実施例1と同様である。
本比較例では、比較例7の有機電解液を用い、電流密度0.5mA/cm2で通電した。他の条件は、すべて比較例7と同様にして、セルを作製し、電池性能の評価を行った。
2 正極支持体(PTFE被覆)
3 正極固定用リング(PTFEリング)
4 空気極端子
5 セパレータ
6 負極固定用リング(PTFEリング)
7 負極固定用座金
8 負極
9 Oリング
10 有機電解液
11 負極支持体
12 セル固定ねじ(PTFE被覆)
13 負極端子
100 リチウム空気二次電池
102 空気極
104 負極
106 有機電解質
Claims (1)
- 導電性材料及び触媒を含む空気極と、
金属リチウムまたはリチウム含有物質を含む負極と、
前記空気極と前記負極に接する、リチウム塩と有機溶媒を含む有機電解液とを含み、
前記空気極は酸化物触媒を含み、かつ、
前記有機電解液において、
前記リチウム塩はリチウムイオン内包フラーレン塩(Li+−C60)X-(式中、XはPF6、ClO4、TFSI、BF4、又はAsO4から選択される)であり、
前記有機溶媒はテトラエチレングリコールジメチルエーテル(TEGDME)及び炭酸エステル系溶媒からなる群から選択される
ことを特徴とするリチウム空気二次電池。
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