JP6974735B2 - リチウム空気二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、リチウム空気二次電池に関する。
正極活物質として空気中の酸素を用いるリチウム空気二次電池は、電池外部から常に酸素が供給され、電池内に大量の負極活物質である金属亜鉛を充填することができる。このため、電池の単位体積当たりの放電容量の値を大きくできることが知られている。
これまで、正極であるガス拡散型空気極に触媒を添加する、又は、空気極にガス拡散層を積層させることにより、放電容量、及びサイクル特性などの電池性能を改善する試みがなされている。
例えば、非特許文献1では、空気極の電極触媒としてSnOを用いることが検討されている。また、非特許文献2では、主に酸化鉄(FeO)、コバルト酸化物(Co)などの遷移金属酸化物を、空気極の触媒として用いることが検討されている。
B. Wang,et al.,"Graphene-supported SnO2 nanoparticles prepared by a solvothermal approach for an enhanced electrochemical performance in lithium-ion batteries",Nanoscale Research Letters,a SpringerOpen Journal,2012, 7:215 Aurelie Debart,er al.,"An O2 cathode for rechargeable lithium batteries: The effect of a catalyst", Journal of Power Sources, Elsevier B.V.,2007, 174, p.1177-p.1182
しかしながら、非特許文献1の二次電池では、SnOを添加したセルの初回放電容量が1542mAh/gを示し、触媒無添加のセルと比較して3倍に向上するが、10サイクル後の放電容量維持率は約37%1と比較的高い数値を示すが実用には不十分である。
また、非特許文献2の二次電池では、9種類の触媒を検討する中で、空気極んび含まれるカーボンの重量当たり1000〜3000nAh/gと比較的大きな放電容量が得られるが、10サイクル後の放電容量維持率は2%であり、実用に不十分である。
このように従来のリチウム空気二次電池は、二次電池として十分な特性が得られていないという課題がある。
本発明は、この課題に鑑みてなされたものであり、放電容量、及び放電容量維持率を改善させたリチウム空気二次電池を提供することを目的とする。
本実施形態の一態様に係るリチウム空気二次電池は、カーボンを含む空気極と、金属リチウム又はリチウム含有物質を含む負極と、前記空気極と前記負極に接する電解質とを備え、前記電解質は、サレン系金属錯体及びキノン類を含むことを要旨とする。
本発明によれば、充放電エネルギー効率を改善し、充放電サイクル性能の良いリチウム空気二次電池を提供するができる。
本発明の実施の形態に係るリチウム空気二次電池の構成を模式的に示す概念図である。 添加剤(サレン系金属錯体)の構造式を示す図である。 添加剤(キノン類)の構造式を示す図である。 本発明の実施の形態に係るリチウム空気二次電池のより詳細な構成例を示す断面図である。 本発明の実施の形態に係るリチウム空気二次電池の放電特性を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
〔リチウム空気二次電池の概要〕
図1は、本実施形態のリチウム空気二次電池の基本的な概念図である。同図に示すように、リチウム空気二次電池100は、正極である空気極101と、リチウムを含んで構成された負極102と、空気極101と負極102とに挟まれて配置された電解質103を備える。
空気極101は、触媒及び導電性材料を構成要素に含むことができる。負極102は、金属リチウム又はリチウムイオンを放出及び吸収できるリチウム含有合金などの物質を構成要素とすることができる。本実施形態の電解質103は、電解質の添加剤としてサレン系金属錯体及びキノン類を含む。
以下、本実施形態のリチウム空気二次電池100の各構成要素について説明する。なお、電解液とは、ここでは電解質が液体形態である場合をいう。
(I)電解質(電解液)
リチウム空気二次電池100の電解質は、添加剤として少なくともキノン類を含む。より具体的には、電解質103は、Li塩と有機溶媒を含み、且つ、添加剤としてサレン系金属錯体とキノン類を含む。
図2は、サレン系金属錯体の構造式を示す。サレン系金属錯体は、例えば、(R,R)−(−)−N,N‘−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノクロム(III)クロリド(CrSl)、(R,R)−(−)−N,N‘−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノマンガン(III)クロリド(MnSl)、(R,R)−(−)−N,N‘−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノ鉄(III)クロリド(FeSl)、及び(R,R)−(−)−N,N‘−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノコバルト(III))(CoSl)の中から選択されることが好ましい。
図3は、キノン類の構造式を示す。キノン類は、例えば、アントラキノン(AQ)(図3(a))、2,5−ジヒドロキシ−1,4−ベンゾキノン(DHBQ)(図3(b))、7,7,8,8−テトラシアノジメタン(TCNQ)(図3(c))、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(DDQ)(図3(d))、テトラヒドロキシ−1,4−ベンゾキノン(THBQ)(図3(e))、及び2,5−ジtertブチル−1,4−ベンゾキノン(DBBQ)(図3(f))の中から選択されることが好ましい。
サレン系金属錯体及びキノン類は、上記の中の1種類を用いても、又は2種類以上を混合して用いてもよい。なお、混合する場合の混合割合は特に限定されず、どのような割合であってもよい。
電解質103は、上記サレン系金属錯体及びキノン類と共に、Li塩を含む。Li塩は、リチウムを含む金属塩から供給される。金属塩は、例えば、溶質の金属塩には、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)、過塩素酸リチウム(LiClO)、リチウムトリフルオロメタンスルホニルアミド(LiTFSA)[(CFSONLi]などを挙げることができる。
また、電解質103は溶媒を含む。溶媒は、例えば、炭酸ジメチル(DMC)、炭酸メチルエチル(MEC)、炭酸メチルプロピル(MPC)、炭酸メチルイソプロピル(MIPC)、炭酸メチルブチル(MBC)、炭酸ジエチル(DEC)、炭酸エチルプロピル(EPC)、炭酸エチルイソプロピル(EIPC)、炭酸エチルブチル(EBC)、炭酸ジプロピル(DPC)、炭酸ジイソプロピル(DIPC)、炭酸ジブチル(DBC)、炭酸エチレン(EC)、炭酸プロピレン(PC)、炭酸1,2−ブチレン(1,2−BC)などの炭酸エステル系溶媒、1,2−ジメトキシエタン(DME)、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル系溶媒、及びγ−ブチロタクトン(GBL)などのラクトン系溶媒、或いは、これらの中から二種類以上を混合した溶媒を挙げることができる。本実施の形態では、混合溶媒を用いる場合の混合割合は特に限定されない。
有機電解液中のサレン系金属錯体及びキノン類は、有機電解液量を基準に1.0mmol/L以上の濃度で添加され、好ましくは飽和濃度で存在する。なお、飽和濃度については、吸光度測定により求められる。有機電解液中でのサレン系金属錯体及びキノン類濃度が高いほど優れた電池特性が得られるため、本実施の形態では、サレン系金属錯体及びキノン類は添加する有機電解液の飽和濃度で添加されていることが望ましい。
(II)空気極(正極)
リチウム空気二次電池100の空気極101は、導電性材料を少なくとも含み、必要に応じて触媒及び/又は結着剤等を含む。
(II−1)導電性材料
本実施形態の空気極101に含まれる導電性材料は、カーボンが好適である。導電性材料は、例えば、ケッチェンブラック、アセチレンブラックなどのカーボンブラック類、活性炭類、グラファイト類、カーボンファイバー類、カーボンシート、及びカーボンクロス等を挙げることができる。
(II−2)触媒
本実施形態の空気極101の触媒は、酸化マンガン(MnO)、酸化ルテニウム(RuO)などの酸素還元(放電)及び酸素発生(充電)の両反応に対して高活性な、従来から公知の酸化物触媒であれば特に限定されない。具体的には、MnO、Mn、MnO、FeO、Fe、FeO、CoO、Co、NiO、NiO、V、WOなどの単独酸化物、La0.6Sr0.4MnO、La0.6Sr0.4FeO、La0.6Sr0.4CoO、La0.6Sr0.4CoO、Pr0.6Ca0.4MnO、LaNiO、La0.6Sr0.4Mn0.4Fe0.6などのペロブスカイト型構造を有する複合酸化物を用いることができる。これらの触媒は、固相法、液相法などの公知のプロセスを用いて合成することができる。
また、空気極101に添加される触媒として、中心金属に、Mn、Fe、Co、Ni、V、及びWなどの遷移金属を少なくとも一種含むポルフィリン、フタロシアニンなどの大環状金属錯体も用いることができる。これらの金属錯体は、カーボンと混合後、不活性ガス雰囲気中で熱処理を行い活性化させてもよい。
空気極101に添加される触媒としては、上記の化合物系だけでなく、Pt、Au、Pdなどの貴金属、及びCo、Ni、Mnなどの遷移金属の単体金属を用いてもよい。例えば、これらの金属をカーボン上に高分散担持させることにより高い活性を発現することができる。
本実施の形態に係るリチウム空気二次電池100の空気極101では、電解液/電極触媒/ガス(酸素)の三相部分において、電極反応が進行する。即ち、空気極101中に電解質103(有機電解液)が浸透し、同時に大気中の酸素ガスが供給され、電解液−電極触媒−ガス(酸素)が共存する三相部位が形成される。電極触媒が高活性であれば、酸素還元(放電)及び酸素発生(充電)がスムーズに進行し、電池特性は大きく向上することになる。
空気極101での放電反応は次のように表すことができる。
2Li+(1/2)O+2e→LiO ・・・(1)
2Li+O+2e→Li ・・・(2)
上式中のリチウムイオン(Li)は、負極102から電気化学的酸化により有機電解液中に溶解し、この有機電解液中を空気極表面まで移動してきたものである。また、酸素(O)は、大気(空気)中から空気極内部に取り込まれたものである。なお、負極102から溶解する材料(Li)、空気極101で析出する材料(Li)、及び空気(O)を図1の構成要素と共に示した。
空気極(正極)101の電極触媒として用いることができる酸化物、特に酸化マンガン(MnO)、酸化ルテニウム(RuO)などは、マンガン及びルテニウムが、+4、+3などの価数を有するイオンで存在しうる。また、これらの酸化物を合成する際の条件によっては、酸化マンガン、酸化ルテニウムなどの酸化物内に酸素を取り込むことができる空孔(ここでは酸素空孔とも称する)が存在し、活性サイトとして機能すると考えられる。そのため、このような酸化物触媒は、正極活物質である酸素との相互作用が強く、多くの酸素種を酸化物表面上に吸着でき、又は酸素空孔内に酸素種を吸蔵することができる。
このように、酸化物表面上に吸着された、又は酸素空孔内に吸蔵された酸素種は、上記式(1)及び式(2)の酸素源(活性な中間反応体)として酸素還元反応に使用され、上記反応が容易に進むようになる。また、式(1)及び式(2)の逆反応である充電反応に対しても、上記の酸化物は活性を有している。従って、電池の充電、つまり、空気極上での酸素発生反応も効率よく進行する。このように、酸化マンガン、酸化ルテニウムなどの酸化物は、電極触媒として有効に機能する。
本実施の形態に係るリチウム空気二次電池100では、電池の効率を上げるために、電極反応を引き起こす反応部位(上記の電解液/電極触媒/空気(酸素)の三相部分)がより多く存在することが望ましい。このような観点から、本実施の形態では、上述の三相部位が電極触媒表面に多量に存在することが重要であり、使用する触媒は比表面積が高い方が好ましい。例えば、焼成後の比表面積が10m2/g以上であることが好適である。
(II−3)結着剤(バインダー)
空気極101は、結着剤(バインダー)を含むことができる。この結着剤は、特に限定されないが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリブタジエンゴムなどを例として挙げることができる。これらの結着剤は、粉末として又は分散液として用いることができる。
本実施形態のリチウム空気二次電池100において、空気極101の触媒含有率は空気極101の重量を基準に、例えば0を越え、100重量%未満であることが望ましい。その他の成分の割合は、従来のリチウム空気二次電池と同じである。
(II−4)空気極の調製
空気極101は、以下のように調製することができる。触媒である酸化物粉末、カーボン粉末及びポリフッ化ビニリデン(PVDF)のようなバインダー粉末を所定量混合し、この混合物をチタンメッシュなどの支持体上に圧着することにより、空気極101を成形することができる。また、上記の混合物を有機溶剤などの溶媒中に分散してスラリー状にし、金属メッシュ又はカーボンクロス、カーボンシート上に塗布して乾燥することによって、空気極101を形成することができる。
また、電極の強度を高め電解液の漏洩を防止するために、冷間プレスだけでなく、ホットプレスを適用することによっても、より安定性に優れた空気極101を作製することができる。
なお、空気極101は、これを構成する電極の片面は大気に曝され、もう一方の面は電解液と接する。
(III)負極
本実施形態のリチウム空気二次電池100は、負極102に負極活物質を含む。この負極活性物質は、リチウム二次電池の負極材料として用いることができる材料であれば特に制限されない。例えば、金属リチウムを挙げることができる。或いは、リチウム含有物質として、リチウムイオンを放出及び吸蔵することができる物質である、リチウム、シリコン、及びスズとの合金、又はLi2.6Co0.4Nなどのリチウム窒化物を例として挙げることができる。
負極102は、公知の方法で形成することができる。例えば、リチウム金属を負極とする場合には、複数枚の金属リチウム箔を重ねて所定の形状に成形することで、負極102を作製すればよい。
なお、上記のシリコンの合金又はスズの合金を負極として用いる場合、負極102を合成する時にリチウムを含まないシリコン又はスズなどを用いることもできる。しかし、この場合には、空気電池の作製に先立って、化学的手法又は電気化学的手法(例えば、電気化学セルを組んで、リチウムとシリコン、及びリチウムとスズの合金化を行う方法)によって、シリコン又はスズが、リチウムを含む状態にあるように処理しておく必要がある。具体的には、作用極にシリコン又はスズを含み、対極にリチウムを用い、有機電解液中で還元電流を流すことによって合金化を行う等の処理をしておくことが好ましい。
ここで、放電時の負極(金属リチウム)の反応は以下のように表すことができる。
(放電反応)
Li→Li+e (2)
なお、充電時の負極102においては、式(2)の逆反応であるリチウムの析出反応が起こる。
(IV)他の要素
本実施形態のリチウム空気二次電池100は、上記構成要素に加え、セパレータ、電池ケース、金属メッシュ(例えばチタンメッシュ)などの構造部材、その他のリチウム空気二次電池に要求される要素を含むことができる。これらは、従来のものを使用することができる。
〔リチウム空気二次電池の作製〕
リチウム空気二次電池100のセル(単電池)を以下の手順で作製した。以降、セルの文言は省略する。
ケッチェンブラック粉末及びポリフッ化ビニリデン(PVDF)粉末を9:1の重量比で、ミキサーを用いてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に十分混合し、スラリーを作製した。このスラリーを直径17mmのカーボンペーパーに塗布し、90℃の真空乾燥機に入れ、一晩乾燥させ、ガス拡散型の空気極101を得た。
図4は、リチウム空気二次電池100の断面図である。リチウム空気二次電池100は、露点が−60℃以下の乾燥空気中で、以下の手順で作製した。
上記の方法で調製した空気極(正極)101を、PTFEで被覆された空気極支持体115の凹部に配置し、空気極固定用リング104で固定した。なお、空気極101と空気極支持体101が接触する部分は、電気的接触をとるためにPTFEによる被覆を施さないものとした。
次に、空気極101と大気が接触する面とは逆の面に、リチウム空気二次電池用のセパレータ105を凹部の底面に配置した。続いて、図4に示すような負極固定用座金108に負極102である厚さ150μmの4枚の金属リチウム箔を同心円上に重ねて圧着した。
続いて、負極固定用リング107を、空気極101を設置する凹部と対向する逆の凹部に配置し、中央部に金属リチウムが圧着された負極固定用座金108を更に配置した。続いて、Oリング111を、図4に示すように空気極支持体115の底部に配置した。
次に、セルの内部(空気極(正極)1と負極8との間)に有機電解液(電解質103)を充填し、負極支持体109を被せて、PTFE被覆された固定ねじ110でセル全体を固定した。有機電解液は、上記した“LiTFSAを有機溶媒TEGDMEに1mol/Lの濃度で溶解し、添加剤としてCrSl及びAQを飽和濃度にて混合した有機電解液を用いた。
続いて、空気極端子121を空気極支持体115に設置し、負極端子122を負極支持体109に設置した。
〔電池のサイクル試験〕
次に、電池のサイクル試験について説明する。電池のサイクル試験は、充放電測定システム(Bio Logic社製)を用いて、空気極101の重量当たりの電流密度で100mA/gを通電し、開回路電圧から電池電圧が、2.0Vに低下するまで放電電圧の測定を行った。電池の充電試験は、放電時と同じ電流密度で、電池電圧が、4.4Vに達するまで行った。電池の充放電試験は、通常の生活環境下で行った。充放電容量は空気極(カーボン+酸化物+PVDF)重量当たりの値(mAh/g)で表した。
本実施形態に係るリチウム空気二次電池100の電解質(有機電解液)103の溶媒とその電解質に含有させる添加剤を変えて、電池性能を評価した実験例について説明する。
(実験例1)
実験例1の電解質103は、(R,R)−N,N‘−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノクロム(III)クロリド(CrSl)、及びアントラキノン(AQ)を含む有機電解液を用いる。
該有機電解液に、CrSl(アルドリッチ社製)及びAQ(アルドリッチ社製)を有機電解液に混合した。混合する際、超音波洗浄機を用いて最大出力で約30分の分散を行った。また、有機電解液はLiTFSAを有機溶媒TEGDMEに1mol/Lの濃度で溶解したものを用いた。その有機電解液に、添加剤としてCrSl及びAQを飽和濃度にて混合した。
(比較例)
本実施形態に係るリチウム空気二次電池100と比較する比較例のリチウム空気二次電池の電解質は、1mol/LのLiTFSA/TEGDME溶液の有機電解液を用いた。有機電解液以外の条件は、実験例1と同じである。
図5に、実験例1のリチウム空気二次電池100の初回の放電と充電曲線の一例を示す。図5の横軸は充放電容量(mAh/g)、縦軸は電池電圧(V)である。図中の実線で示す特性は実験例1の特性、一点鎖線で示す特性は比較例の特性である。
図5に示すように、実験例1の初回放電容量は8578mAh/gであり、10サイクル目における容量維持率は75%であった。また、比較例の初回放電容量は742mAh/gであり、10サイクル目における容量維持率は4%であった。
本実施形態に係るリチウム空気二次電池100(実験例1)の初回放電容量と容量維持率は、比較例よりも優れた特性を示す。このように、CrSl−AQ含有1mol/L,LiTFSA/TEGDME溶液を有機電解液として使用したリチウム空気二次電池100は,電池特性を向上させることが確認できた。以下、有機電解液に含有させる添加剤を変えて実験した実験条件を示す。
(実験例2)
実験例2は、CrSl及び2,5−ジヒドロキシ−1,4−ベンゾキノン(DHBQ)を含む有機電解液を用いた。
実験例1と同様の手順で、有機電解液に、添加剤としてCrSl(アルドリッチ社製)及びDHBQ(アルドリッチ社製)を飽和濃度にて混合した。他の条件は、すべて実験例1と同様にして、セルを作製し、電池特性の評価を行った。
実験例2の初回放電容量は6927mAh/g、10サイクル目の容量維持率は56%であった。各実験例の評価結果は、後に示す表1にまとめて表記する。
(実験例3)
実験例3は、CrSl及び7,7,8,8−テトラシアノジメタン(TCNQ)を含む有機電解液を用いた。
実験例1と同様の手順で、有機電解液に、添加剤としてCrSl(アルドリッチ社製)及びTCNQ(アルドリッチ社製)を飽和濃度にて混合した。他の条件は、すべて実験例1と同様にして、セルを作製し、電池特性の評価を行った。
実験例3の初回放電容量は8180mAh/g、10サイクル目の容量維持率は69%であった。
(実験例4)
実験例4は、CrSl及び2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(DDQ)を含む有機電解液を用いた。
実験例1と同様の手順で、有機電解液に、添加剤としてCrSl(アルドリッチ社製)及びDDQ(アルドリッチ社製)を飽和濃度にて混合した。他の条件は、すべて実験例1と同様にして、セルを作製し、電池特性の評価を行った。
実験例4の初回放電容量は7001mAh/g、10サイクル目の容量維持率は53%であった。
(実験例5)
実験例5は、CrSl及びテトラヒドロキシ−1,4−ベンゾキノン(THBQ)を含む有機電解液を用いた。
実験例1と同様の手順で、有機電解液に、添加剤としてCrSl(アルドリッチ社製)及びTHBQ(東京化成工業社製)を飽和濃度にて混合した。他の条件は、すべて実験例1と同様にして、セルを作製し、電池特性の評価を行った。
実験例5の初回放電容量は7668mAh/g、10サイクル目の容量維持率は82%であった。
(実験例6)
実験例6は、CrSl及び2,5−ジtertブチル−1,4−ベンゾキノン(DBBQ)を含む有機電解液を用いた。
実験例1と同様の手順で、有機電解液に、添加剤としてCrSl(アルドリッチ社製)及びDBBQ(アルドリッチ社製)を飽和濃度にて混合した。他の条件は、すべて実験例1と同様にして、セルを作製し、電池特性の評価を行った。
実験例6の初回放電容量は8149mAh/g、10サイクル目の容量維持率は66%であった。
(実験例7)
実験例7は、(R,R)−N,N‘−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノマンガン(III)クロリド(MnSl)及びAQを含む有機電解液を用いた。
実験例1と同様の手順で、有機電解液に、添加剤としてMnSl(アルドリッチ社製)及びAQ(アルドリッチ社製)を飽和濃度にて混合した。他の条件は、すべて実験例1と同様にして、セルを作製し、電池特性の評価を行った。
実験例7の初回放電容量は8911mAh/g、10サイクル目の容量維持率は65%であった。
(実験例8)
実験例8は、MnSl及びDHBQを含む有機電解液を用いた。
実験例1と同様の手順で、有機電解液に、添加剤としてMnSl(アルドリッチ社製)及びDHBQ(アルドリッチ社製)を飽和濃度にて混合した。他の条件は、すべて実験例1と同様にして、セルを作製し、電池特性の評価を行った。
実験例8の初回放電容量は7771mAh/g、10サイクル目の容量維持率は70%であった。
(実験例9)
実験例9は、MnSl及びTCNQを含む有機電解液を用いた。
実験例1と同様の手順で、有機電解液に、添加剤としてMnSl(アルドリッチ社製)及びTCNQ(アルドリッチ社製)を飽和濃度にて混合した。他の条件は、すべて実験例1と同様にして、セルを作製し、電池特性の評価を行った。
実験例9の初回放電容量は7719mAh/g、10サイクル目の容量維持率は67%であった。
(実験例10)
実験例10は、MnSl及びDDQを含む有機電解液を用いた。
実験例1と同様の手順で、有機電解液に、添加剤としてMnSl(アルドリッチ社製)及びDDQ(アルドリッチ社製)を飽和濃度にて混合した。他の条件は、すべて実験例1と同様にして、セルを作製し、電池特性の評価を行った。
実験例10の初回放電容量は8861mAh/g、10サイクル目の容量維持率は72%であった。
(実験例11)
実験例11は、MnSl及びTHBQを含む有機電解液を用いた。
実験例1と同様の手順で、有機電解液に、添加剤としてMnSl(アルドリッチ社製)及びTHBQ(東京化成工業社製)を飽和濃度にて混合した。他の条件は、すべて実験例1と同様にして、セルを作製し、電池特性の評価を行った。
実験例11の初回放電容量は7773mAh/g、10サイクル目の容量維持率は78%であった。
(実験例12)
実験例12は、MnSl及びDBBQを含む有機電解液を用いた。
実験例1と同様の手順で、有機電解液に、添加剤としてMnSl(アルドリッチ社製)及びDBBQ(アルドリッチ社製)を飽和濃度にて混合した。他の条件は、すべて実験例1と同様にして、セルを作製し、電池特性の評価を行った。
実験例12の初回放電容量は7856mAh/g、10サイクル目の容量維持率は91%であった。
(実験例13)
実験例13は、(R,R)−N,N‘−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノ鉄(III)クロリド(FeSl)及びAQを含む電解液を用いた。
(R,R)−(−)−N,N‘−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)−1,2−ジクロヘキサンジアミン(アルドリッチ社製)を塩基性条件下で塩化鉄(III)(和光純薬工業社製)と反応させることにより、FeSlを得た。有機電解液に、添加剤として作製したFeSl及びAQ(アルドリッチ社製)を飽和濃度にて混合した。他の条件は、すべて実験例1と同様にして、セルを作製し、電池特性の評価を行った。
実験例13の初回放電容量は8446mAh/g、10サイクル目の容量維持率は63%であった。
(実験例14)
実験例14は、FeSl及びDHBQを含む有機電解液を用いた。
実験例13と同様の手順でFeSlを作製した。有機電解液に、添加剤として作製したFeSl及びDHBQ(アルドリッチ社製)を飽和濃度にて混合した。他の条件は、すべて実験例1と同様にして、セルを作製し、電池特性の評価を行った。
実験例14の初回放電容量は8669mAh/g、10サイクル目の容量維持率は83%であった。
(実験例15)
実験例15は、FeSl及びTCNQを含む有機電解液を用いた。
実験例13と同様の手順でFeSlを作製した。有機電解液に、添加剤として作製したFeSl及びTCNQ(アルドリッチ社製)を飽和濃度にて混合した。他の条件は、すべて実験例1と同様にして、セルを作製し、電池特性の評価を行った。
実験例15の初回放電容量は7970mAh/g、10サイクル目の容量維持率は49%であった。
(実験例16)
実験例16は、FeSl及びDDQを含む有機電解液を用いた。
実験例13と同様の手順でFeSlを作製した。有機電解液に、添加剤として作製したFeSl及びDDQ(アルドリッチ社製)を飽和濃度にて混合した。他の条件は、すべて実験例1と同様にして、セルを作製し、電池特性の評価を行った。
実験例16の初回放電容量は8383mAh/g、10サイクル目の容量維持率は56%であった。
(実験例17)
実験例17では、FeSl及びTHBQを含む有機電解液を用いる。
実験例13と同様の手順でFeSlを作製した。有機電解液に、添加剤として作製したFeSl及びTHBQ(東京化成工業社製)を飽和濃度にて混合した。他の条件は、すべて実験例1と同様にして、セルを作製し、電池特性の評価を行った。
実験例17の初回放電容量は8860mAh/g、10サイクル目の容量維持率は61%であった。
(実験例18)
実験例18は、FeSl及びDBBQを含む有機電解液を用いた。
実験例13と同様の手順でFeSlを作製した。有機電解液に、添加剤として作製したFeSl及びDBBQ(アルドリッチ社製)を飽和濃度にて混合した。他の条件は、すべて実験例1と同様にして、セルを作製し、電池特性の評価を行った。
実験例18の初回放電容量は6828mAh/g、10サイクル目の容量維持率は65%であった。
(実験例19)
実験例19は、(R,R)−N,N‘−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノコバルト(III)(CoSl)及びAQを含む有機電解液を用いた。
実験例1と同様の手順で、有機電解液に、添加剤としてCoSl(アルドリッチ社製)及びAQ(アルドリッチ社製)を飽和濃度にて混合した。他の条件は、すべて実験例1と同様にして、セルを作製し、電池特性の評価を行った。
実験例19の初回放電容量は8388mAh/g、10サイクル目の容量維持率は68%であった。
(実験例20)
実験例20は、CoSl及びDHBQを含む有機電解液を用いた。
実験例1と同様の手順で、有機電解液に、添加剤としてCoSl(アルドリッチ社製)及びDHBQ(アルドリッチ社製)を飽和濃度にて混合した。他の条件は、すべて実験例1と同様にして、セルを作製し、電池特性の評価を行った。
実験例20の初回放電容量は8082mAh/g、10サイクル目の容量維持率は82%であった。
(実験例21)
実験例21は、CoSl及びTCNQを含む有機電解液を用いた。
実験例1と同様の手順で、有機電解液に、添加剤としてCoSl(アルドリッチ社製)及びTCNQ(アルドリッチ社製)を飽和濃度にて混合した。他の条件は、すべて実験例1と同様にして、セルを作製し、電池特性の評価を行った。
実験例20の初回放電容量は6908mAh/g、10サイクル目の容量維持率は52%であった。
(実験例22)
実験例22は、CoSl及びDDQを含む有機電解液を用いた。
実験例1と同様の手順で、有機電解液に、添加剤としてCoSl(アルドリッチ社製)及びDDQ(アルドリッチ社製)を飽和濃度にて混合した。他の条件は、すべて実験例1と同様にして、セルを作製し、電池特性の評価を行った。
実験例20の初回放電容量は7240mAh/g、10サイクル目の容量維持率は49%であった。
(実験例23)
実験例23は、CoSl及びTHBQを含む有機電解液を用いた。
実験例1と同様の手順で、有機電解液に、添加剤としてCoSl(アルドリッチ社製)及びTHBQ(東京化成工業社製)を飽和濃度にて混合した。他の条件は、すべて実験例1と同様にして、セルを作製し、電池特性の評価を行った。
実験例23の初回放電容量は6538mAh/g、10サイクル目の容量維持率は42%であった。
(実験例24)
実験例24は、CoSl及びDBBQを含む有機電解液を用いた。
実験例1と同様の手順で、有機電解液に、添加剤としてCoSl(アルドリッチ社製)及びDBBQ(アルドリッチ社製)を飽和濃度にて混合した。他の条件は、すべて実験例1と同様にして、セルを作製し、電池特性の評価を行った。
実験例24の初回放電容量は7797mAh/g、10サイクル目の容量維持率は85%であった。
表1に、実験例1〜24の電池性能試験の結果を示す。表1の左から2列目はサレン系金属錯体の添加剤、左から3列目はキノン類の添加剤を示す。初回放電容量は、電流密度100mA/gで通電し、電池電圧が2.0Vに低下するまでの容量である。放電容量維持率は、10
サイクル目の値である。
Figure 0006974735
表1に示すように、有機電解液に、添加剤としてサレン系金属錯体とキノン類を含む本実施形態に係るリチウム空気二次電池100は、それらの添加剤を含有しない有機電解液のリチウム空気二次電池(比較例)よりも、初回放電容量及び放電容量維持率の電池特性を向上させることが確認できた。
初回放電容量は、有機電解液に、MnSlとAQを含有させた場合が最も大きな値(8911mAn/g)を示した。また、放電容量維持率は、有機電解液に、MnSlとDBBQを含有させた場合が最も大きな値(91%)を示した。
このように本発明によれば、電解質に添加剤としてサレン系金属錯体とキノン類を含有させることで、放電容量が大きく、且つ充放電サイクル性能の良いリチウム空気二次電池を提供することができる。なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で変形が可能である。
有機電解液の添加剤としてサレン系金属錯体とキノン類を用いることにより、高性能リチウム空気二次電池を作製することができ、様々な電子機器や自動車等の駆動源として有効利用することができる。
100:リチウム空気二次電池
101:正極(空気極)
102:負極
103:電解質(有機電解液)
104:空気極固定用リング
105:セパレータ
107:負極固定用リング
108:負極固定用座金
109:負極支持体
110:固定ねじ
111:Oリング
115:空気極支持体
121:空気極端子
122:負極端子
151:仕切り

Claims (5)

  1. カーボンを含む空気極と、
    金属リチウム又はリチウム含有物質を含む負極と、
    前記空気極と前記負極に接する電解質と
    を備え、
    前記電解質は、
    サレン系金属錯体及びキノン類を含む
    ことを特徴とするリチウム空気二次電池。
  2. 前記サレン系金属錯体は、
    (R,R)−(−)−N,N‘−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノクロム(III)クロリド、(R,R)−(−)−N,N‘−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノマンガン(III)クロリド、(R,R)−(−)−N,N‘−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノ鉄(III)クロリド、及び(R,R)−(−)−N,N‘−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノコバルト(III)の何れかを一つ以上含む
    ことを特徴とする請求項1に記載のリチウム空気二次電池。
  3. 前記キノン類は、
    アントラキノン、2,5−ジヒドロキシ−1,4−ベンゾキノン、7,7,8,8−テトラシアノジメタン、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン、テトラヒドロキシ−1,4−ベンゾキノン、及び2,5−ジtertブチル−1,4−ベンゾキノンの何れかを一つ以上含む
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のリチウム空気二次電池。
  4. 前記サレン系金属錯体は、
    飽和濃度で前記電解質に溶解している
    ことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のリチウム空気二次電池。
  5. 前記キノン類は、
    飽和濃度で前記電解質に溶解している
    ことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のリチウム空気二次電池。
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