JP6521379B2 - リチウム空気二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、正極活性物質として酸素を用いるリチウム空気二次電池に関する。
正極活物質として空気中の酸素を用いるリチウム空気二次電池は、電池外部から常に酸素が供給され、電池内に大量の負極活物質である金属リチウムを充填することができる。このため、電池の単位重量当たりの放電容量の値を非常に大きくできることが報告されている。
これまでに、非特許文献1,非特許文献2に報告されているように、正極であるガス拡散型空気極に種々の触媒を添加することにより、放電容量やサイクル特性などの電池性能を改善する試みがなされている。
非特許文献1では、λ−MnO2などの遷移金属酸化物が、非特許文献2では主に酸化鉄(Fe23)、コバルト酸化物(Co34)などの遷移金属酸化物が、上述した触媒として検討されている。これらの文献には、以下のようなリチウム空気二次電池の電池特性の試験の結果が示されている。
非特許文献1に開示されている二次電池では、充放電サイクルは可能であるが、4サイクル後に放電容量は約1/4に低下し、二次電池としての性能は低いものである。また、非特許文献1に開示されている二次電池では、充電電圧が、約4.0Vであり、平均放電電圧の2.7Vと比較して非常に大きく、充放電エネルギー効率が低いという課題がある。
非特許文献2では、9種類の触媒を検討し、空気極に含まれるカーボンの重量当たりで1000〜3000mAh/gの非常に大きな放電容量が得られている。しかしながら、充放電を繰り返すと、放電容量の低下が著しく、例えば、Co34の場合、10サイクルで容量維持率が約65%となる。このように、非特許文献2のリチウム空気二次電池でも著しい容量の減少が見られ、二次電池としての十分な特性は得られていない。また、ほとんどの場合で平均放電電圧は2.5V程度であり、一方、充電電圧は4.0〜4.5Vを示し、最も低いものでも3.9V程度である。このため、非特許文献2のリチウム空気二次電池は、充放電のエネルギー効率は低い。
J. Read , "Characterization of the Lithium/Oxygen Organic Electrolyte Battery", Journal of The Electrochemical Society, vol.149, no.9, pp.A1190-A1195, 2002. A. Debart et al. , "An O2 cathode for rechargeable lithium batteries: The effect of a catalyst", Journal of Power Sources, vol.174, pp.1177-1182, 2007.
上述したように、従来のリチウム空気二次電池は、充放電を繰り返すと放電容量が低下するという問題があった。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、リチウム空気二次電池において、充放電を繰り返しても放電容量の低下が抑制できるようにすることを目的とする。
本発明に係るリチウム空気二次電池は、空気極と、空気極に担持された触媒と、リチウムを含んで構成された負極と、空気極と負極とに挾まれて配置された有機電解質とを備え、触媒は、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Pd、Sn、In、Ir、Auから選ばれる金属とPtとRuとから構成されている。
上記リチウム空気二次電池において、触媒は、PtxRuyz[M=Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Pd、Sn、In、Ir、Au、x≦y、0.2≦z/(x+y+z)≦0.5]であ
以上説明したことにより、本発明によれば、リチウム空気二次電池において、充放電を繰り返しても放電容量の低下が抑制できるという優れた効果が得られる。
図1は、本発明の実施の形態におけるリチウム空気二次電池の構成を示す構成図である。 図2は、リチウム空気二次電池のより詳細な構成例を示す断面図である。 図3は、実施例1における試料7の初回の放電および充電曲線を示す特性図である。
以下、本発明の実施の形態について図1を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態におけるリチウム空気二次電池の構成を示す構成図である。
このリチウム空気二次電池は、一般的なよく知られたリチウム空気二次電池と同様に、正極でありガス拡散型の空気極101と、リチウム(Li)を含んで構成された負極102と、空気極101と負極102とに挾まれて配置された電解質103とを備える。空気極101の一方の面は大気に曝され、他方の面は電解質103と接する。また、負極102の電解質103の側の面は、電解質103と接する。なお、電解質103は、電解液または固体電解質のいずれであってもよい。電解液とは、電解質が液体形態である場合をいう。また、固体電解質とは、電解質がゲル形態または固体形態である場合をいう。
上述した基本構成に加え、本発明の実施の形態では、空気極101に担持された触媒を備え、触媒を、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Pd、Sn、In、Ir、Auから選ばれる金属とPtとRuとから構成したところに大きな特徴がある。触媒は、PtxRuyz[M=Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Pd、Sn、In、Ir、Au、x≦y、0.2≦z/(x+y+z)≦0.5]であればよい。このように、空気極101に、触媒としてPtxRuyz(M=Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Pd、Sn、In、Ir、Au)を担持させるようにしたので、充放電を繰り返しても放電容量の低下が抑制でき、充放電のエネルギー効率が高くできるようになる。
白金(Pt)およびルテニウム(Ru)を含んで構成された触媒は、酸素還元(放電)・酸素発生(充電反応)に対して高活性であることが報告されている。発明者らの鋭意の研究・検討の結果、PtおよびRuに、MとしてCr、Mn、Fe、Co、Ni、Pd、Sn、In、Ir、Auのいずれかを加えたPtxRuyzを触媒として用いることで、更に高い活性を示すことを見出した。
本発明の空気極触媒であるPtxRuyzは、原子比でRu含有量(組成)yがPt含有量(組成)x以上(x≦y)の関係にあり、更に上記Mの含有量(組成)zとした場合、[20≦[100z/(x+y+z)]≦50」の関係を満たす組成比となっていればよい。Mとしては、Snが最も好ましく、このスズ(Sn)添加による高活性化の要因としては、Sn添加により粒子の微細化が進み、空気極触媒の比表面積が向上し反応サイト数が増加するためである。
なお、空気極101は、よく知られているように、導電性材料から構成され、また、上記触媒を担持し、必要に応じて結着剤などを添加して用いればよい。
空気極101では、電解質/電極触媒/空気(酸素)の三相界面サイトにおいて、電極反応が進行する。空気極101中に有機電解液などの電解質103が浸透し、同時に大気中の酸素ガスが供給され、電解質−電極触媒−空気(酸素)が共存する三相界面サイトが形成される。電極触媒が高活性であれば、酸素還元(放電)および酸素発生(充電)がスムーズに進行し、電池性能は大きく向上することになる。
空気極101での反応は次のように表すことができる。
2Li++O2+2e-→Li22・・・(1)
上式中のリチウムイオン(Li+)は、負極102から電気化学的酸化により有機電解液などの電解質103中に溶解し、電解質103中を空気極101の表面まで移動してきたものである。また、酸素(O2)は、大気(空気)中から空気極101の内部に取り込まれたものである。なお、負極102から溶解する物質(Li+)、空気極101で析出する物質(Li22)、および空気(O2)を図1の構成要素と共に示した。
正極となる空気極101の電極触媒として好ましい白金ルテニウムスズ(PtxRuySnz)を、空気極101に含有(担持)させた場合、酸素との相互作用が強く、更に比表面積が高いため、多くの酸素種を触媒の表面に吸着できる。このように、触媒の表面上に吸着された酸素種は、上記式(1)の酸素源(活性な中間反応体)として酸素還元反応に使用され、上記反応が容易に進むようになる。また、式(1)の逆反応である充電反応に対しても、PtxRuyzは活性を有している。従って、電池の充電、つまり、空気極上での酸素発生反応も効率よく進行する。このように、PtxRuyzは、空気極101の触媒として有効に機能する。
リチウム空気二次電池では、電池の効率を上げるために、電極反応を引き起こす反応サイト(上記の電解質/電極触媒/空気(酸素)の三相部分)がより多く存在することが望ましい。このような観点から、上述の三相部位が電極触媒表面に多量に存在することが重要であり、使用する触媒は比表面積が高いことが望ましい。例えば、触媒であるPtxRuyzは、BET比表面積が30m2/g以上、好ましくは50m2/g以上であることが好適である。
PtxRuyzは、各種方法で入手することができる。例えば、PtxRuyzは、固相法、液相法などの公知のプロセスを用いる各種合成法で得ることができる。以下、PtxRuySnzを例にしてこの製造について説明する。
例えばH2PtCl6などのPtの可溶性化合物、例えばRuCl3などのRuの可溶性化合物、および例えばSnCl2のようなSnの可溶性化合物を用いる液相法により、PtxRuySnz前駆体を調製し、これを熱処理することによりPtxRuySnzを合成することができる。
上述したような、金属の塩化物や硝酸塩、酢酸塩などを用いる液相法を含む様々な製造方法でPtxRuySnzを調製すればよい。液相法には、上述した金属の塩化物や硝酸塩、酢酸塩などの水溶液を蒸発乾固し、水素還元する方法などがある。より具体的な手順としては、Ptの可溶性化合物、Ruの可溶性化合物、Snの可溶性化合物の水溶液を混合し、得られた溶液を蒸発乾固し乾燥した後、H2ガス等の還元性雰囲気下で熱処理する方法などがある。なお、この熱処理の手順は、100℃以上、好ましくは150〜600℃の温度で昇温還元することが含まれる。
また、PtxRuySnz前駆体を還元剤とともに100℃以下の低温で熱処理することによって、前駆体中の酸素が除去されたPtxRuySnzを合成することができる。還元剤としては、金属を含有しない非イオン性界面活性剤[ポリ(オキシエチレン)5ノニルフェニルエーテルなど]や亜鉛などの金属粒子の使用が好ましい。
このようにして得られたPtxRuySnzは、本発明のリチウム空気二次電池の空気極の電極触媒として用いた場合において高い性能を示す。得られるPtxRuySnz(PtxRuyz)は、固溶体および金属間化合物などの合金の状態を含む様々な形態となっているものと考えられる。
次に、空気極101を構成する触媒以外の基本的な材料について説明する。まず、空気極101を構成する導電性材料について説明する。導電性材料は、例えばカーボンを例示することができる。具体的には、ケッチェンブラック、アセチレンブラックなどのカーボンブラック類、活性炭類、グラファイト類、カーボン繊維類などを挙げることができる。空気極101中で反応サイトを十分に確保するために、カーボンは比表面積が大きなものが適している。具体的には、BET比表面積で300m2/g以上の値を有している材料が望ましい。これらのカーボンは、例えば市販品として、または公知の合成により入手することが可能である。
リチウム空気二次電池では、上述のように、空気極101に使用する触媒およびカーボンの比表面積は、所定の値を有することが望ましい。この比表面積の測定は、市販の装置を用いて行うことができる。例えば、比表面積は、市販の測定装置を用いて、液体窒素を冷却媒として使用するようなBET法で測定することができる。
次に、空気極101を構成する結着剤(バインダー)について説明する。前述したように、空気極101は結着剤を用いて作製するとよい。この結着剤は、特に限定されないが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンブタジエンゴムなどを例として挙げることができる。これらの結着剤は、粉末としてまたは分散液として用いることができる。
次に、空気極101の製造について、簡単に説明する。空気極101は以下のように製造すればよい。触媒であるPtxRuyzの粉末、カーボン粉末、および必要に応じてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のようなバインダー粉末を混合し、この混合物をチタンメッシュなどの支持体上に圧着することにより、空気極101を成形すればよい。
また、上記混合物を有機溶剤などの溶媒中に分散してスラリーとし、このスラリーを金属メッシュまたはカーボンクロスやカーボンシート上に塗布して乾燥することによって、空気極101を形成してもよい。
また、電極の強度を高め、液状とした電解質103の漏洩を防止するために、冷間プレスだけでなく、ホットプレスを適用することによっても、より安定性に優れた空気極101を作製することができる。
空気極101は、一方の面は大気に曝され、他方の面は電解質103と接する。以上のように、白金ルテニウム系金属(PtxRuyz)を添加した(担持させた)空気極101を作製することで、充電および放電反応に対して高活性な空気極101を得ることができる。更に、上記のような構成のリチウム空気二次電池の空気極101を作製することにより、充放電サイクルなどの電池性能を改善することができる。
次に、負極102について説明する。負極102は負極活性物質から構成する。この負極活性物質は、リチウム空気二次電池の負極材料として用いることができる材料であれば特に制限されない。例えば、金属リチウムを挙げることができる。あるいは、リチウムイオンを吸蔵および放出することができる物質である、Liと、シリコン(Si)またはスズ(Sn)との合金、あるいはLi2.6Co0.4Nなどのリチウム窒化物を例として挙げることができる。
なお、SiまたはSnの合金を負極102として用いる場合、負極102を作成するときにLiを含まないSiまたはSnなどを用いることもできる。しかし、この場合には、リチウム空気二次電池の作製に先立って、化学的手法または電気化学的手法(例えば、電気化学セルを組んで、LiとSiまたはSnとの合金化を行う方法)によって、SiまたはSnが、Liを含む状態にあるように処理しておく必要がある。
具体的には、作用極にSiまたはSnを含み、対極にLiを用い、有機電解質中で還元電流を流すことによって合金化を行うなどの電気化学的な処理をしておくことが好ましい。
負極102は、公知の方法で形成することができる。例えば、リチウム金属を負極102とする場合には、複数枚の金属リチウム箔を重ねて所定の形状に成形することで、負極102を作製すればよい。
なお、金属リチウムから構成した負極102における放電時の反応は、以下のように表すことができる。
Li→Li++e-・・(2)
一方、充電時の負極102においては、式(2)の逆反応であるリチウムの析出反応が起こる。
次に、電解質103について説明する。電解質103は、空気極101(正極)および負極102間でリチウムイオンの移動が可能な物質であればよい。例えば、リチウムイオンを含む金属塩を溶解した非水溶媒(有機溶媒)を電解質103とすればよい。具体的には、リチウムイオンを含む金属塩としては、リチウムビストリフルオロメタンスルホニルアミド(LiTFSA)、過塩素酸リチウム(LiClO4)、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)などのリチウムイオンを含む金属塩を挙げることができる。
また、非水溶媒としては、炭酸ジメチル(DMC)、炭酸メチルエチル(MEC)、炭酸メチルプロピル(MPC)、炭酸メチルイソプロピル(MIPC)、炭酸メチルブチル(MBC)、炭酸ジエチル(DEC)、炭酸エチルプロピル(EPC)、炭酸エチルイソプロピル(EIPC)、炭酸エチルブチル(EBC)、炭酸ジプロピル(DPC)、炭酸ジイソプロピル(DIPC)、炭酸ジブチル(DBC)、炭酸エチレン(EC)、炭酸プロピレン(PC)、炭酸1,2−ブチレン(1,2−BC)などの炭酸エステル系溶媒、1,2−ジメトキシエタン(DME)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(TEGDME)などのエーテル系溶媒、γ−ブチロタクトン(GBL)などのラクトン系溶媒、またはジメチルスルホキシド(DMSO)などのスルホキシド系溶媒、あるいはこれらの中から2種類以上を混合した溶媒を挙げることができる。2種類以上を混合した溶媒としては、例えば炭酸エチレン(EC)および炭酸ジメチル(DMC)(体積比1:1)の混合溶媒、ECおよび炭酸ジエチル(DEC)などのような混合溶媒を挙げることができる。
また、電解質103を構成する他の材料として、リチウムイオンを通す固体電解質(例えば、Li2SやP25を含む硫化物系固体電解質など)、リチウムイオンを通すポリマー電解質(例えば、ポリエチレンオキシド系、具体的には、例えば、上記有機電解液とポリエチレンオキシドをコンポジット化した物質など)等を挙げることができる。ただし、電解質103を構成する材料は、これらに限定されず、リチウム空気二次電池で使用される公知のリチウムイオンを通す固体電解質またはリチウムイオンを通すポリマー電解質であれば好適に使用することができる。
なお、リチウム空気二次電池は、上記構成に加え、セパレータ、電池ケース、金属メッシュ(例えばチタンメッシュ)などの構造部材、また、リチウム空気二次電池に要求される要素を含むことができる。これらは、従来公知のものを使用することができる。
次に、製造方法について説明する。本発明のリチウム空気二次電池は、後述する空気極製造方法により得られる空気極と負極と電解質とを、所望のリチウム空気二次電池の構造に基づいた他の必要な要素と共に、ケースなどの適切な容器内に適切に配置することで作製することができる。これらのリチウム空気二次電池の製造手順は、従来知られている方法を適用することができる。
以下、より詳細に説明する。本発明のリチウム空気二次電池は、空気極と負極と電解質とを、所望のリチウム空気二次電池の構造に基づいた他の必要な要素と共に、ケースなどの適切な容器内に適切に配置することで作製することができる。これらのリチウム空気二次電池の製造手順は、従来知られている方法を適用することができる。
以下、実施例を用いてより詳細に説明する。以下では、実際にリチウム空気二次電池を作製し、作製した各試料について放電容量の変化について測定した。はじめに、実際に用いた電池の構成について図2を用いて説明する。図2は、リチウム空気二次電池のより詳細な構成例を示す断面図である。
このリチウム空気二次電池は、空気極201,負極202,電解質203,セパレータ204,空気極支持体205、空気極固定用リング206,負極固定用リング207,負極固定用座金208,負極支持体209,固定ねじ210,Oリング211,空気極端子221,負極端子222を備える。
空気極201,負極202,電解質203,セパレータ204は、円筒形状の空気極支持体205に収容されている。空気極支持体205は、円筒内中央部に仕切り251があり、仕切り251により空気極201が配置される第1領域205aと、負極202およびセパレータ204が配置される第2領域205bとに区画されている。また、仕切り251は中央部が開口しており、開口部により第1領域205aと第2領域205bが連通している。
液状の電解質203は、仕切り251の開口に配置され、空気極201および塩橋となるセパレータ204に挟まれている。セパレータ204には電解質203が含浸している。なお、セパレータ204の周囲にも電解質203は配置されている。電解質203は、1mol/Lのリチウムビストリフルオロメタンスルホニルアミド/炭酸プロピレン[(CF3SO22NLi/PC]溶液である。
また、空気極201は、ポリテトラフルオロエチレン (PTFE)より構成された空気極固定用リング206と仕切り251とに挟まれて、空気極支持体205の円筒内の第1領域205aに固定されている。空気極固定用リング206の開口内において、空気極101と空気との接触する電極の有効面積は、2cm2とされている。一方、セパレータ204は、PTFEより構成された負極固定用リング207と仕切り251とに挟まれて、空気極支持体205の円筒内の第2領域205bに固定されている。このようにして、液状の電解質203が、仕切り251の開口において空気極201とセパレータ204との間に封入されている。
また、負極202は、負極固定用リング207の内部で、負極固定用座金208が積層され、この上に金属から構成された負極支持体209が被せられている。負極202は、厚さ150μmの4枚の金属リチウム箔が同心円上に重ねられて構成され、負極固定用座金208に圧着されている。負極202は、有効面積が2cm2とされている。負極支持体209は、固定ねじ210により空気極支持体205に固定されている。また、空気極支持体205と負極支持体209との間には、Oリング211が配置されている。
固定ねじ210により空気極支持体205の側に押しつけられている負極支持体209により、負極固定用座金208を介し、負極202がセパレータ204の方向に押圧され、セパレータ204に圧接されている。これら構成としたリチウム空気二次電池は、露点が−60℃以下の乾燥空気中で作製した。
なお、空気極支持体205は、金属から構成されているが、図示していないが、PTFEに被覆され、電解質203,セパレータ204などと絶縁分離されている。なお、空気極201と空気極支持体205が接触する部分は、電気的接触をとるためにPTFEによる被覆を施さない。また、金属から構成された固定ねじ210も、図示していないが、PTFEに被覆され、空気極支持体205と負極支持体209とが、電気的に分離された状態としている。
[実施例1]
はじめに、実施例1について説明する。実施例1では、PtxRuyz(x=y=z)を空気極の触媒とした場合について説明する。試料1は、M=Cr、試料2は、M=Mn,試料3は、M=Fe,試料4は、M=Co、試料5は、M=Ni、試料6は、M=Pd、試料7は、M=Sn、試料8は、M=In、試料9は、M=Ir)、試料10は、M=Auとした。
市販されているヘキサクロリド白金酸(H2PtCl6)(シグマアルドリッチ社製)、市販の塩化ルテニウム水和物(RuCl3・nH2O)(フルヤ金属社製)と、試料1〜10の金属の塩化物を蒸留水に溶かし、Pt、Ru、Mが原子量比で1:1:1になるように調整した。金属塩の総濃度は0.3mol/Lとした。
なお、試料1〜10の金属の塩化物は、塩化クロム(CrCl3、シグマアルドリッチ社製)、塩化マンガン(MnCl2、シグマアルドリッチ社製)、塩化鉄(FeCl2、シグマアルドリッチ社製)、塩化コバルト(CoCl2、シグマアルドリッチ社製)、塩化ニッケル(NiCl2、シグマアルドリッチ社製)、塩化パラジウム(PdCl2、シグマアルドリッチ社製)、塩化スズ(SnCl2、シグマアルドリッチ社製)、塩化インジウム(InCl3、シグマアルドリッチ社製)、塩化イリジウム(IrCl3、シグマアルドリッチ社製)、テトラクロリド金(III)酸(HAuCl4、シグマアルドリッチ社製)である。
上述した溶液に、非イオン性界面活性剤ポリ(オキシエチレン)5ノニルフェニルエーテル(花王社製)を50wt%となるように添加した。この混合物を40℃で一晩撹拌することによりPt-Ru-M含有ゲルを得た。更に、ゲルに、ゲル全体に分散できる程度の亜鉛(Zn)粒子を混合し撹拌した。Zn粒子の混合拡散により、ゲルは更に深い黒色を呈し、金属へと還元されていることが示唆された。得られた黒色ゲルに対し、アセトンによる洗浄、イオン交換水による洗浄、塩酸(2mol/l)による洗浄の順に3回繰り返し、界面活性剤および亜鉛などを除去した。
洗浄により得られた粉末を空気中で100℃・12hの熱処理を行った。このPtxRuyzの粉末をHCl−HNO3水溶液で溶解して分析試料を作製し、作製した分析試料を高周波誘導結合プラズマ(ICP)発光分析で分析した。また、得られた粉末をX線回折(XRD)測定で分析した。また、BET比表面積測定を行い評価した。
熱処理後の粉末は、ICP発光分析により、Pt:Ru:M=1:1.10:0.95〜1.05(原子比)であり、ほぼ設計の通りの組成比に合成できていることが確認された。また、得られた試料についてXRD測定を行ったところ、結晶相を示すピークや、含有金属の酸化物などの副生成物に帰属されるピークは観察されなかったことから、試料はアモルファス構造を有していることが分かった。
なお、PtxRuyzは、全てアモルファス構造であり、これは結晶化が進んでおらず、また粒子の成長も抑制されていることを示している。このような現象は、PtxRuyzの高表面積化に繋がり、触媒として有利であると考えられる。
実際に、実施利2における各試料1〜10のPtRuMについて、BET法により粉末の比表面積を測定したところ、試料1は、42m2/g、試料2は、35m2/g、試料3は、43m2/g、試料4は、31m2/g、試料5は、28m2/g、試料6は、55m2/g、試料7は、92m2/g、試料8は、60m2/g、試料9は、52m2/g、試料10は、71m2/gであった。
次に、上述した各試料のPtxRuyz粉末を用い、空気極を作製した。PtRuM粉末、ケッチェンブラック粉末およびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粉末を10:70:20の重量比でらいかい機を用いて十分に粉砕混合し、ロール成形して、厚さ0.5mmのシート状電極を作製した。このシート状電極を直径23mmの円形に切り抜き、チタンメッシュ上にプレスすることにより、ガス拡散型の空気極を得た。
次に、各試料について作製した空気極を、図2を用いて説明したリチウム空気二次電池の空気極201とし、各サンプルについてリチウム空気二次電池を組み立てた。まず、作製した空気極201を、空気極支持体205の第1領域205aにおいて、仕切り251に接する状態に配置して空気極固定用リング206で固定した。
次に、空気極支持体205の第2領域205bにおいて、仕切り251に接する状態にセパレータ204を配置した。次に、負極固定用リング207に負極202として厚さ150μmの4枚の金属リチウム箔(有効面積:2cm2)を同心円上に重ねて圧着した。次に、負極固定用リング207を、空気極支持体205の第2領域205bに配置し、この中央部に、負極202が圧着された負極固定用リング207を勘合した。
次に、空気極201と負極202との間に電解質203を構成する有機電解液を充填し、この状態で、空気極支持体205の底面にOリング211を配置して負極支持体209を被せ、固定ねじ210で空気極支持体205に固定した。有機電解液としては、1mol/リットルのリチウムビストリフルオロメタンスルホニルアミド/テトラエチレングリコールジメチルエーテル(LiTFSA/TEGDME)溶液を用いた。この後、空気極端子221を空気極支持体205に設置し、負極端子222を負極支持体209に設置した。
次に、実際に作製したリチウム空気二次電池の電池性能を測定した実施例1の結果について説明する。なお、空気極端子221および負極端子222を、電池性能の測定試験に用いた。電池のサイクル試験は、充放電測定システム(VMP3,Bio Logic社製)を用い、空気極の有効面積当たりの電流密度で0.1mA/cm2を通電し、開回路電圧から電池電圧が、2.0Vに低下するまで放電電圧の測定を行った。また、電池の充電試験は、放電時と同じ電流密度で、電池電圧が4.2Vに増加するまで行った。電池の放電試験は、通常の生活環境下で行った。充放電容量は空気極(カーボン+触媒(PtxRuyz粉末)+PTFE)1重量当たりの値(mAh/g)で表した。
まず、PtRuSnを触媒として用いた試料7の初回の放電および充電曲線を図3に示す。図3に示すように、PtRuSnを空気極触媒に用いたときの平均放電電圧は、2.48V、平均充電電圧は、4.11V、放電容量は990mAh/gであることが分かる。なお、平均充放電電圧は、図3の全放電容量の中間値時の放電電圧および充電電圧と定義する。
次に、試料1〜10における放電容量のサイクル依存性を以下の表1に示す。いずれの試料においても、サイクルを繰り返すことによって放電容量の減少が見られるものの、100サイクル後においても初回容量の約90%を維持しており、後記する比較例よりも明らかに安定したサイクル特性が得られていることが分かる。この中でも、特にM=Snを用いる試料7では、充放電サイクルを100回繰り返しても、放電容量は905mAh/gと特に高い数値を維持している。
これらの触媒活性の序列については、触媒のBET比表面積に大きく依存しており、最も高表面積が得られるSn系が高活性を示したと考えられる。上記の試料より、PtRuM、この中でもPtRuSn粉末は、リチウム空気二次電池の空気極用の触媒として非常に優れた活性を有していることが分かった。
Figure 0006521379
次に、上述した実施例1における試料で最も高活性を示したPt−Ru−Sn系を例示することによって、本発明における有効な金属組成比(Pt:Ru:M)の条件について説明を行う。
[実施例2]
次に、実施例2について説明する。実施例2では、Pt:Ru:Sn=1:1:2(試料11)、Pt:Ru:Sn=1:2:1(試料12)、Pt:Ru:Sn=1:3:1(試料13)を空気極の触媒とした場合について説明する。
市販されているヘキサクロリド白金酸(H2PtCl6)(シグマアルドリッチ社製)、市販の塩化ルテニウム水和物(RuCl3・nH2O)(フルヤ金属社製)、および塩化スズ(SnCl2、シグマアルドリッチ社製)を蒸留水に溶かし、Pt、Ru、Snの原子量比を上記各値となるように各々を調整した。この後、実施例1と同様することで、試料11、試料12、試料13のリチウム空気二次電池を作製した。
また、実施例1と同様に、作製したPtxRuySnzの粉末をHCl−HNO3水溶液で溶解して分析試料を作製し、作製した分析試料をICP発光分析で分析した。また、得られた粉末をXRD測定で分析した。また、BET比表面積測定を行い評価した。
作製したPtxRuySnzの粉末は、実施の形態1の場合と同様に、ICP発光分析によりほぼ設計の組成比を有し、XRD測定によりアモルファス構造を有していることが分かった。また、BET法により粉末の比表面積を測定したところ、試料11は、35m2/g、試料12は、92m2/g、試料13は、132m2/gであり、Ruの組成比が高く、Snの組成比が低いときに、金属粉末の高比表面積化がなされることが分かった。
次に、試料11〜13のPtxRuySnz粉末を空気極の電極触媒として用いたリチウム空気二次電池の初回放電容量および平均放電電圧、50サイクル目と100サイクル目の放電容量を、試料7の結果とともに表2に示す。表2に示すように、Ru含有量が多いほど大きな放電容量と高いサイクル安定性を示し、特に試料13が最も優れた性能を示した。この傾向は、触媒粉末のBET比表面積の傾向と一致し、高比表面積化が空気極活性の向上に大きく寄与していることが分かる。
次に、上述した実施例2に対し、本発明の範囲外とした組成比の試料について説明する。以下では、Pt:Ru:Sn=0.9:1:1(試料14)、1:1:2.1(試料15)、1:3:0.9(試料16)の各組成比で作製した触媒を空気極に適用させた場合について説明する。
市販されているヘキサクロリド白金酸(H2PtCl6)(シグマアルドリッチ社製)、市販の塩化ルテニウム水和物(RuCl3・nH2O)(フルヤ金属社製)、および塩化スズ(SnCl2、シグマアルドリッチ社製)を蒸留水に溶かし、Pt、Ru、Snの原子量比を上記各値となるように各々を調整した。この後、実施例1と同様することで、試料14、試料15、試料16のリチウム空気二次電池を作製した。
作製したPtxRuySnzの粉末は、実施の形態1の場合と同様に、ICP発光分析によりほぼ設計の組成比を有し、XRD測定によりアモルファス構造を有していることが分かった。また、BET法により粉末の比表面積を測定したところ、試料14は、8m2/g、試料15は、6m2/g、試料16は、10m2/gであり、試料11〜13と比較すると、かなり比表面積が小さいことが分かった。
また、組成範囲x≦yを逸脱する領域ではPtの凝集が、スズ含有率[100z/(x+y+z)]が20%以上かつ50%以下である組成範囲を逸脱する領域ではRuの凝集またはSnの凝集が起こっていることを電子顕微鏡(SEM)観察で確認した。
上述したことから明らかなように、試料14〜16は、均一性が低下したことが低表面積化の一因となっていると考えられる。
試料14〜16のPtxRuySnz粉末を空気極の触媒として用いたリチウム空気二次電池の初回放電容量および平均放電電圧、50サイクル目と100サイクル目の放電容量を、試料7、11〜13の結果とともに表2に示す。表2に示すように、試料14〜16の電池性能は、試料7、11〜13と比較して、明らかに放電電圧も低く初回放電容量も小さく、サイクルを繰り返した際の容量減少も著しいことが分かった。
本発明における組成範囲外での結果は、本発明におけるPtxRuyzの組成要件が、電池性能の向上に非常に有益であることを示している。
Figure 0006521379
[実施例3]
次に、実施例3について説明する。実施例3では、PtxRuyzのMをSn以外の金属とした場合について示す。より詳細には、本発明の条件の範囲としたPtxRuyCrzによる試料17−19、本発明の条件の範囲外としたPtxRuyCrzによる試料20−22)について、前述した実施の形態1,2と同様に、空気極を作製し、リチウム空気二次電池を作製し、放電容量のサイクル依存性を測定した結果を表3に示す。
また、本発明の条件の範囲としたPtxRuyMnzによる試料23−25、本発明の条件の範囲外としたPtxRuyMnzによる試料26−28について、前述した実施の形態1,2と同様に、空気極を作製し、リチウム空気二次電池を作製し、放電容量のサイクル依存性を測定した結果を表4に示す。
また、本発明の条件の範囲としたPtxRuyFezによる試料29−31、本発明の条件の範囲外としたPtxRuyFezによる試料32−34について、前述した実施の形態1,2と同様に、空気極を作製し、リチウム空気二次電池を作製し、放電容量のサイクル依存性を測定した結果を表5に示す。
また、本発明の条件の範囲としたPtxRuyCozによる試料35−37、本発明の条件の範囲外としたPtxRuyCozによる試料38−40について、前述した実施の形態1,2と同様に、空気極を作製し、リチウム空気二次電池を作製し、放電容量のサイクル依存性を測定した結果を表6に示す。
また、本発明の条件の範囲としたPtxRuyNizによる試料41−43、本発明の条件の範囲外としたPtxRuyNizによる試料44−46について、前述した実施の形態1,2と同様に、空気極を作製し、リチウム空気二次電池を作製し、放電容量のサイクル依存性を測定した結果を表7に示す。
また、本発明の条件の範囲としたPtxRuyPdzによる試料47−49、本発明の条件の範囲外としたPtxRuyPdzによる試料50−52について、前述した実施の形態1,2と同様に、空気極を作製し、リチウム空気二次電池を作製し、放電容量のサイクル依存性を測定した結果を表8に示す。
また、本発明の条件の範囲としたPtxRuyInzによる試料53−55、本発明の条件の範囲外としたPtxRuyInzによる試料56−58について、前述した実施の形態1,2と同様に、空気極を作製し、リチウム空気二次電池を作製し、放電容量のサイクル依存性を測定した結果を表9に示す。
また、本発明の条件の範囲としたPtxRuyIrzによる試料59−61、本発明の条件の範囲外としたPtxRuyIrzによる試料62−64について、前述した実施の形態1,2と同様に、空気極を作製し、リチウム空気二次電池を作製し、放電容量のサイクル依存性を測定した結果を表10に示す。
また、本発明の条件の範囲としたPtxRuyAuzによる試料65−67、本発明の条件の範囲外としたPtxRuyAuzによる試料68−70について、前述した実施の形態1,2と同様に、空気極を作製し、リチウム空気二次電池を作製し、放電容量のサイクル依存性を測定した結果を表11に示す。
Figure 0006521379
Figure 0006521379
Figure 0006521379
Figure 0006521379
Figure 0006521379
Figure 0006521379
Figure 0006521379
Figure 0006521379
Figure 0006521379
表3〜表11に示す結果より、x≦yとM含有率[100z/(x+y+z)]が20%以上かつ50%以下という本発明の条件を満たしている場合、放電容量が大きく、安定したサイクル特性を示すのに対し、本発明の範囲外の場合は、初回放電容量が大きくても、サイクル安定性が低い例が多く見られた。これらの各試料による実験の結果より、本発明の有効性が実証された。
[比較例]
次に、比較例について説明する。空気極用の電極触媒として公知である鉄酸化物(Fe23)を用い、リチウム空気二次電池セルを前述した試料と同様にして作製した。また、Fe23は、市販試薬(和光純薬工業社製)を用いた。空気極や空気電池の作製条件や評価法は、前述した各試料の場合と同様である。
比較例におけるリチウム空気二次電池の放電容量に関するサイクル性能を、最も高い性能を示した試料13の結果とともに表12に示す。
Figure 0006521379
表12に示されるように、比較例では、初回放電容量は1450mAh/gであり、試料13よりも大きな値を示した。しかしながら、充放電サイクルを繰り返すと、試料13とは異なり、放電容量の極端な減少が見られ、50サイクル後の容量維持率は初期の約50%、100サイクル後は約7%と非常に低い値であった。
以上の結果より、PtxRuyzを電極触媒とした空気極を用いたリチウム空気二次電池は、従来の電極触媒を用いた場合よりも、充放電サイクル特性に優れており、PtxRuyzは、リチウム空気二次電池用の空気極の触媒として有効であることが確認された。
以上に説明したように、本発明によれば、PtxRuyzを空気極の触媒として用いるようにしたので、充放電を繰り返しても放電容量の低下が抑制できるようになり、本発明におけるリチウム空気二次電池によれば、様々な電子機器の駆動源として有効利用することができる。
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形および組み合わせが実施可能であることは明白である。
101…空気極、102…負極、103…電解質。

Claims (1)

  1. 空気極と、
    前記空気極に担持された触媒と、
    リチウムを含んで構成された負極と、
    前記空気極と前記負極とに挾まれて配置された有機電解質と
    を備え、
    前記触媒は、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Pd、Sn、In、Ir、Auから選ばれる金属とPtとRuとから構成され
    前記触媒は、Pt x Ru y z [M=Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Pd、Sn、In、Ir、Au、x≦y、0.2≦z/(x+y+z)≦0.5]であることを特徴とするリチウム空気二次電池。
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