JP2017000914A - 高分子凝集剤及びその製造方法並びにそれを用いる汚泥脱水方法 - Google Patents

高分子凝集剤及びその製造方法並びにそれを用いる汚泥脱水方法 Download PDF

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Abstract

【課題】凝集性に優れ、フロック径が大きく、ろ過速度やろ液の外観にも優れ、効果的に脱水ができ、含水率の低い脱水ケーキができる高分子凝集剤であって、幅広い添加率でその性能を発揮できる高分子凝集剤及びその製造方法並びに汚泥の脱水方法の提供。
【解決手段】水溶液が所定の粘弾性を有する架橋型水溶性高分子。即ち、歪み率依存性測定における0.1質量%水溶液の貯蔵弾性率G1と損失弾性率G2との関係が、歪み率1%未満の時、G2<G1であり、歪み率350%を超える時、G2>G1であるとともに、角周波数依存性測定における0.1質量%水溶液の貯蔵弾性率G3と損失弾性率G4との関係が、角周波数0.05rad/s未満の時、G3<G4であり、角周波数15rad/sを超える時、G3>G4である架橋型水溶性高分子を高分子凝集剤として使用する方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、高分子凝集剤及びその製造方法並びに汚泥の脱水方法に関する。詳しくは、水溶液が所定の粘弾性を有する高分子凝集剤及びその製造方法並びに汚泥の脱水方法に関する。
生活排水、産業排水等に含まれる汚泥を凝集・沈降・分離させることを目的として、高分子凝集剤が使用されている。高分子凝集剤としては、線状型水溶性高分子から成るカチオン性高分子や両性高分子が多用されている。汚泥の処理において、脱水ケーキの含水率は高分子凝集剤の添加率に密接に関連する。高分子凝集剤の添加率が低い場合は、脱水ケーキの含水率を十分に低下させることができない。また、高分子凝集剤の添加率が高い場合も、脱水ケーキの含水率を十分に低下させることができない。即ち、従来の高分子凝集剤は、その添加率が低過ぎても高過ぎても良好な性能を発揮することができない。高分子凝集剤の最適な添加率は、汚泥の性状や濃度等によって変動し、一定ではない。
従来の線状型水溶性高分子から成る高分子凝集剤は、汚泥の処理に適する添加率の幅が狭い。そのため、余剰汚泥単独や消化汚泥等の難脱水汚泥を処理するにあたり、高分子凝集剤を最適な添加率で添加していない場合、脱水ケーキの含水率を十分に低下させることができないことがある。また、高分子凝集剤を最適な添加率で添加していない場合、凝集後のフロックの強度が低く、フロックのろ布からの剥離性も低いので、処理量を十分に上げることができないことがある。
その原因の一つとして、本発明者は以下のように考える。従来の線状型水溶性高分子から成る高分子凝集剤は、凝集剤分子同士が糸まり状に絡まり合うため、凝集剤分子同士の相互作用が強い。即ち、凝集剤分子同士の相互作用が、凝集剤分子と汚泥との相互作用よりも強固であり、凝集剤分子と汚泥との反応が進行し難いため、強固なフロックを形成できない。
上記の問題を解決するために、高分子凝集剤として架橋型水溶性高分子を使用することが提案されている(特許文献1)。架橋型水溶性高分子は、水溶液中において分子の立体構造が保持されているので、凝集剤分子同士の相互作用が弱く、粘性が低い。そのため、汚泥との反応が速やかに進行し、強固なフロックを形成することができる。しかしながら、架橋型水溶性高分子を高分子凝集剤として用いる場合、線状型水溶性高分子を用いる場合と比較し、汚泥を処理するために必要な添加量が多くなる。そのため、経済的に満足できるものではない。
高分子凝集剤として、架橋型水溶性高分子と線状型水溶性高分子との混合物を用いることも提案されている(特許文献2−3)。しかし、これらの高分子凝集剤を使用しても、難脱水性汚泥に対しては、十分に満足できる性能は得られない。
特開2014−180648号公報 特開2004−57837号公報 国際公開WO2008/015769号公報
本発明が解決しようとする課題は、前記の問題点を解決し、難脱水性汚泥に対する凝集性に優れ、フロック径が大きく、ろ過速度やろ液の外観にも優れ、効果的に脱水することができ、含水率の低い脱水ケーキを得ることができる高分子凝集剤であって、幅広い添加率でその性能を発揮することができる高分子凝集剤及びその製造方法並びに汚泥の脱水方法を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、水溶液が所定の粘弾性を有する架橋型水溶性高分子を高分子凝集剤として使用すると、難脱水性汚泥に対しても凝集性に優れ、フロック径が大きく、重力ろ過性やろ液の外観にも優れ、効果的に脱水することができ、含水率の低い脱水ケーキを得られるとともに、幅広い添加率でその優れた性能を発揮することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
上記課題を解決する本発明は以下に記載するものである。
〔1〕 レオメーターを用いた0.1質量%水溶液の25℃での歪み率依存性測定における貯蔵弾性率G1と損失弾性率G2が、歪み率1%未満の時、G2<G1であり、歪み率350%を超える時、G2>G1であるとともに、
レオメーターを用いた0.1質量%水溶液の25℃での角周波数依存性測定における貯蔵弾性率G3と損失弾性率G4が、角周波数0.05rad/s未満の時、G3<G4であり、角周波数15rad/sを超える時、G3>G4である
架橋型水溶性高分子(A)を含むことを特徴とする高分子凝集剤。
〔2〕 前記架橋型水溶性高分子(A)1質量部に対して、0.1〜99質量部の線状型水溶性高分子(B)を含む〔1〕に記載の高分子凝集剤。
〔3〕 レオメーターを用いた0.1質量%水溶液の25℃での歪み率依存性測定における貯蔵弾性率G5と損失弾性率G6が、歪み率1%未満の時、G6<G5であり、歪み率500%を超える時、G6>G5であるとともに、
レオメーターを用いた0.1質量%水溶液の25℃での角周波数依存性測定における貯蔵弾性率G7と損失弾性率G8が、角周波数0.02rad/s未満の時、G7<G8であり、角周波数15rad/sを超える時、G7>G8である〔2〕に記載の高分子凝集剤。
〔4〕 前記架橋型水溶性高分子(A)が、
下記一般式(1)
Figure 2017000914
(但し、Rは水素原子又はメチル基、Rは炭素数1〜3のアルキル基又はベンジル基、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基、Xは酸素原子又はNH、Qは炭素数1〜4のアルキレン基又は炭素数2〜4のヒドロキシアルキレン基、Zは対アニオンをそれぞれ表す。)
で表されるカチオン性単量体5〜98.9999モル%と、
ノニオン性単量体1〜94.9999モル%と、
架橋性単量体0.0001〜0.01モル%と、
からなる単量体混合物の重合体である〔1〕に記載の高分子凝集剤。
〔5〕 前記架橋型水溶性高分子(A)を油中水型エマルションの形態で含む〔1〕乃至〔4〕のいずれかに記載の高分子凝集剤。
〔6〕 前記架橋型水溶性高分子(A)を粉末の形態で含む〔1〕乃至〔4〕のいずれかに記載の高分子凝集剤。
〔7〕 下記一般式(1)
Figure 2017000914
(但し、Rは水素原子又はメチル基、Rは炭素数1〜3のアルキル基又はベンジル基、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基、Xは酸素原子又はNH、Qは炭素数1〜4のアルキレン基又は炭素数2〜4のヒドロキシアルキレン基、Zは対アニオンをそれぞれ表す。)
で表されるカチオン性単量体5〜98.9999モル%と、
ノニオン性単量体1〜94.9999モル%と、
架橋性単量体0.0001〜0.01モル%と、
からなる単量体混合物をエマルション重合することを特徴とする〔1〕に記載の高分子凝集剤の製造方法。
〔8〕
下記一般式(1)
Figure 2017000914
(但し、Rは水素原子又はメチル基、Rは炭素数1〜3のアルキル基又はベンジル基、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基、Xは酸素原子又はNH、Qは炭素数1〜4のアルキレン基又は炭素数2〜4のヒドロキシアルキレン基、Zは対アニオンをそれぞれ表す。)
で表されるカチオン性単量体5〜98.9999モル%と、
ノニオン性単量体1〜94.9999モル%と、
架橋性単量体0.0001〜0.01モル%と、
からなる単量体混合物をエマルション重合して重合体を得、該重合体を乾燥することを特徴とする〔1〕に記載の高分子凝集剤の製造方法。
〔9〕 下記一般式(1)
Figure 2017000914
(但し、Rは水素原子又はメチル基、Rは炭素数1〜3のアルキル基又はベンジル基、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基、Xは酸素原子又はNH、Qは炭素数1〜4のアルキレン基又は炭素数2〜4のヒドロキシアルキレン基、Zは対アニオンをそれぞれ表す。)
で表されるカチオン性単量体5〜98.9999モル%と、
ノニオン性単量体1〜94.9999モル%と、
架橋性単量体0.0001〜0.01モル%と、
からなる単量体混合物を水溶液重合してゲル状の重合体を得、該ゲル状の重合体を乾燥することを特徴とする〔1〕に記載の高分子凝集剤の製造方法。
〔10〕 〔1〕乃至〔6〕のいずれかに記載の高分子凝集剤を汚泥に添加して汚泥フロックを形成した後、該汚泥フロックを脱水することを特徴とする汚泥脱水方法。
本発明の高分子凝集剤は、難脱水性汚泥に対する凝集性に優れ、フロック径が大きく、ろ過速度やろ液の外観にも優れ、効果的に脱水することができ、含水率の低い脱水ケーキを得ることができる。そして、本発明の高分子凝集剤は、この優れた性能が幅広い添加率で発揮される。
以下に本発明について詳細に説明する。
なお、本明細書においては、アクリレート及び/又はメタクリレートを(メタ)アクリレートと表し、アクリロイル基及び/又はメタクリロイル基を(メタ)アクリロイル基と表し、アクリルアミド及び/又はメタクリルアミドを(メタ)アクリルアミドと表し、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を(メタ)アクリル酸と表す。
(1)高分子凝集剤
本発明の高分子凝集剤は、水溶液の粘弾性が所定の値を示す架橋型水溶性高分子(A)を含むことを特徴とする。本発明の高分子凝集剤は、架橋型水溶性高分子(A)に所定の割合の線状型水溶性高分子(B)が混合されて成ることが好ましい。架橋型の水溶性高分子を含まない高分子凝集剤は、以下に説明するパラメータを具備する場合であっても本発明の範囲外である。
(1−1)架橋型水溶性高分子(A)
本発明の高分子凝集剤に必須成分として含まれる架橋型水溶性高分子(A)は、水溶液が所定の粘弾性を有することを特徴とする。架橋型水溶性高分子(A)が高分子凝集剤としての優れた性能を発揮するための物性は、レオメーターを用いて測定する粘弾性によって規定することができる。粘弾性によって規定することにより、好ましい架橋型水溶性高分子(A)の物性を規定することができる。
架橋型水溶性高分子(A)は、レオメーターを用いた0.1質量%水溶液の25℃での歪み率依存性測定における貯蔵弾性率G1と損失弾性率G2とが、歪み率<1%である時は常にG2<G1の関係にあり、1%≦歪み率≦350%の範囲においてG1とG2との大小関係が逆転し、歪み率>350%である時は常にG2>G1の関係になるとともに、
角周波数依存性測定における貯蔵弾性率G3と損失弾性率G4とが、角周波数<0.05rad/sの時は常にG3<G4の関係にあり、0.05rad/s≦角周波数≦15rad/sの範囲においてG3とG4との大小関係が逆転し、角周波数>15rad/sの時は常にG3>G4の関係となることを特徴とする。
即ち、以下の式(1)
tanδ=G2/G1 ・・・式(1)
で表されるtanδが1となるのは、歪み率が1〜350%の範囲内である。tanδ=1となるのは、歪み率が5〜300%の範囲内であることが好ましく、10〜200%の範囲内であることがさらに好ましく、30〜150%の範囲内であることが特に好ましい。tanδ=1となる点が歪み率350%を超える場合、架橋型水溶性高分子の架橋が不十分であり、その性質は線状型水溶性高分子の性質に近くなる。その結果、フロック径が大きくならなかったり、重力ろ過性が向上しなかったり、脱水ケーキの含水率が低下しないことがある。また、高分子凝集剤が高い性能を発揮することができる添加率の幅が狭くなる。tanδ=1となる点が歪み率1%未満である場合、架橋反応が進み過ぎて、添加量が増加したり、脱水ケーキの含水率を十分に低下できないことがある。
また、以下の式(2)
tanδ=G4/G3 ・・・式(2)
で表されるtanδが1となるのは、角周波数が0.05〜15rad/sの範囲内である。tanδ=1となるのは、角周波数が0.08〜12rad/sの範囲内であることが好ましく、0.1〜10rad/sの範囲内であることがさらに好ましく、0.12〜1.6rad/sの範囲内であることが特に好ましい。tanδ=1となる点が角周波数0.05rad/s未満である場合、架橋が不十分であり、その性質は線状型水溶性高分子の性質に近くなる。その結果、フロック径が大きくならなかったり、重力ろ過性が向上しなかったり、脱水ケーキの含水率が低下しないことがある。また、高分子凝集剤が高い性能を発揮することができる添加率の幅が狭くなる。tanδ=1となる点が角周波数15rad/sを超える場合、架橋反応が進み過ぎて、高い性能を発揮するのに必要な添加量が増えたり、脱水ケーキの含水率を十分に低下できないことがある。
なお、上記で規定される粘弾性は、架橋型水溶性高分子の3次元構造を示した指標である。この値は、架橋性単量体の添加量及び連鎖移動剤の添加量、重合触媒の量等を適宜変えることによって調整することができる。例えば、架橋性単量体の添加量を増加することにより、tanδ=1となる歪み率を低くすることができる。また、架橋性単量体の添加量を増加することにより、tanδ=1となる角周波数を大きくすることができる。同様に連鎖移動剤の添加量を増加することにより、tanδ=1となる歪み率を大きくすることができる。また、連鎖移動剤の添加量を増加することにより、tanδ=1となる角周波数を低くすることができる。
架橋型水溶性高分子(A)は、所定のカチオン性単量体及び所定の架橋性単量体を必須成分とし、共重合可能な他の単量体を任意成分とする単量体混合物を重合することにより製造される高分子化合物である。
(1−1−1)カチオン性単量体
カチオン性単量体としては、ラジカル重合し得るラジカル重合性の二重結合及びカチオン基を有する単量体であって、下記一般式(1)で表される化合物の他、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド等のジアリルジアルキルアンモニウムハロゲン化物等を挙げることができる。これらのカチオン性単量体の中でも、ラジカル重合反応性に優れて、高分子凝集剤として必要な高分子量化が容易であり、得られる架橋型水溶性高分子(A)の高分子凝集剤としての性能が優れることから、下記一般式(1)で表される化合物が好ましい。
Figure 2017000914
但し、上記一般式(1)中のRは水素原子又はメチル基、Rは炭素数1〜3のアルキル基又はベンジル基、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基であり、同種でも異種でもよい。Xは酸素原子又はNH、Qは炭素数1〜4のアルキレン基又は炭素数2〜4のヒドロキシアルキレン基、Zは対アニオンをそれぞれ表す。Zとしては、塩化物イオン等のハロゲン化物イオンや硫酸イオンが例示される。
前記一般式(1)で表されるカチオン性単量体の具体例としては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートや、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドの塩酸塩及び硫酸塩が例示される。また、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートやジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドの塩化メチル等のハロゲン化アルキル付加物、塩化ベンジル等のハロゲン化ベンジル付加物、硫酸ジメチル等の硫酸ジアルキル付加物等である第4級塩が例示される。
これらの好ましいカチオン性単量体の中でも、特に高分子凝集剤としての性能に優れ、カチオン性単量体及び架橋型水溶性高分子(A)の品質及び貯蔵安定性にも優れることから、ジメチルアミノエチルアクリレートの塩化メチル付加物である第4級塩及びジメチルアミノエチルメタクリレートの塩化メチル付加物である第4級塩が最も好ましい。
これらのカチオン性単量体は単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
単量体混合物中におけるカチオン性単量体の配合量は、5〜98.9999モル%であることが好ましく、20〜98モル%であることがより好ましく、50〜95モル%であることが特に好ましい。即ち、架橋型水溶性高分子(A)は、カチオン性単量体単位を5〜98.9999モル%で含むことが好ましく、20〜98モル%で含むことがより好ましく、50〜95モル%で含むことが特に好ましい。
(1−1−2)架橋性単量体
架橋性単量体としては、下記一般式(2)で表される(メタ)アクリロイル基を、1分子中に2個以上有する(メタ)アクリレート系架橋性単量体(以下、単に「架橋性単量体」又は「架橋剤」と略記することもある)を挙げることができる。
CH=CR−CO− ・・・化(2)
但し、上記一般式(2)中のRは水素原子又はメチル基であり、−CO−はカルボニル基を表す。
前記架橋性単量体の1分子中に有する(メタ)アクリロイル基の数は、2個以上である。2〜5個であるものが好ましく、2〜3個であるものがさらに好ましい。1分子中に有する(メタ)アクリロイル基の数が5個を超えても、(メタ)アクリロイル基の数に相応の高分子凝集剤としての性能向上の効果が得られない場合がある。
このような架橋性単量体としては、メチレンビスアクリルアミド、エチレン又はポリエチレンジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の、アルキレンビス(メタ)アクリルアミド、モノ及びポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリメチロールアルカンポリ(メタ)アクリレートが例示される。これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いても良い。
単量体混合物中における架橋性単量体の配合量は、0.0001〜0.01モル%であることが好ましく、0.0002〜0.008モル%であることがより好ましく、0.0005〜0.007モル%であることが特に好ましい。即ち、架橋型水溶性高分子(A)は、架橋性単量体単位を0.0001〜0.01モル%で含むことが好ましく、0.0002〜0.008モル%で含むことがより好ましく、0.0005〜0.007モル%で含むことが特に好ましい。架橋性単量体の添加量が0.0001〜0.01モル%である場合、架橋型水溶性高分子同士の相互作用が弱いため粘性が低く、ハンドリングが優れる。また、粘性が低いことから、汚泥との反応が速やかに進行し、強固なフロックを形成することができる。0.0001モル%未満である場合、架橋反応が不十分となることがあり、その場合、高分子凝集剤としての汚泥フロックの形成能が不足して、フロック径が十分に大きくならなかったり、脱水ケーキの含水率が低くならなかったりすることがある。また、架橋性単量体の添加量が0.01モル%を超えると、架橋反応が進み過ぎることがあり、これは、特に水溶液重合の場合では不溶解量が増加し、高分子凝集剤として有効に作用する有効成分の量が減るため、凝集効果を十分に発揮できない。また、エマルションの場合は、処理に必要な添加量が増え、処理コストが増大する。
(1−1−3)共重合可能な単量体
本発明の高分子凝集剤は、前記カチオン性単量体の他、必要に応じて共重合可能な単量体の1種又は2種以上を併用してもよい。共重合可能な単量体としては、特に制限されないが、以下に記載するアニオン性単量体及びノニオン性単量体が例示される。
アニオン性単量体としては、下記一般式(3)で表される(メタ)アクリル酸及びこれらの塩類の他、ビニルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、マレイン酸等及びこれらの塩類を挙げることができる。これらのアニオン性単量体の中でも、カチオン性単量体との共重合性に優れて、高分子凝集剤として必要な高分子量化が容易であり、高分子凝集剤としての性能が優れることから、下記一般式(3)で表される(メタ)アクリル酸及びそれらの塩類が好ましい。塩類としては、アンモニウム塩並びにナトリウム塩及びカリウム塩等のアルカリ金属塩が好ましい。
CH=CR−CO−OM ・・・化(3)
但し、上記一般式(3)中のRは水素原子又はメチル基であり、Mは水素原子、アンモニウム基又はアルカリ金属原子を表す。
これらの(メタ)アクリル酸及びそれらの塩類の中でも、高分子凝集剤としての性能が特に優れることから、アクリル酸及びそのアンモニウム塩が最も好ましい。
これらのアニオン性単量体は単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
単量体混合物中におけるアニオン性単量体の配合量は、1〜94.9999モル%であることが好ましく、2〜80モル%であることがより好ましく、5〜50モル%であることがより好ましい。
ノニオン性単量体としては、下記一般式(4)で表される(メタ)アクリルアミド系化合物の他、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル等の(メタ)アクリル酸アルキル、スチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル等を挙げることができる。これらのノニオン性単量体の中でも、カチオン性単量体との共重合性に優れて、高分子凝集剤として必要な高分子量化が容易であり、高分子凝集剤としての性能が優れることから、下記一般式(4)で表される(メタ)アクリルアミド系化合物が好ましい。
CH=CR−CO−NR ・・・化(4)
但し、上記一般式(4)中のRは水素原子又はメチル基であり、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表す。
これらの(メタ)アクリルアミド系化合物の中でも、水溶性であり、高分子凝集剤としての性能が特に優れることから、アクリルアミドが最も好ましい。
これらのノニオン性単量体は単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
単量体混合物中におけるノニオン性単量体の配合量は、1〜94.9999モル%であることが好ましく、2〜80モル%であることがより好ましく、5〜50モル%であることがより好ましい。即ち、架橋型水溶性高分子(A)は、ノニオン性単量体単位を1〜94.9999モル%で含むことが好ましく、2〜80モル%で含むことがより好ましく、5〜65モル%で含むことが特に好ましい。
(1−2)線状型水溶性高分子(B)
本発明の高分子凝集剤は、架橋型水溶性高分子(A)に所定の割合の線状型水溶性高分子(B)が混合されて成ることが好ましい。線状型水溶性高分子(B)としては、上記架橋型水溶性高分子(A)を得るための単量体混合物から上記架橋性単量体を除いた単量体混合物を用いて製造される線状型水溶性高分子(B)が挙げられる。ポリ-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ポリジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ポリジメチルアミノ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のポリジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートや、ポリジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドの塩酸塩及び硫酸塩ポリマーが例示される。また、ポリジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートポリマーやジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドの塩化メチル等のハロゲン化アルキル付加物、塩化ベンジル等のハロゲン化ベンジル付加物、硫酸ジメチル等の硫酸ジアルキル付加物等である第4級塩ポリマーが例示され、またこれら4級アンモニウム含有モノマーと(メタ)アクリルアミドとの共重合体、4級アンモニウム含有モノマーと(メタ)アクリルアミドと(メタ)アクリル酸との三元共重合体がある。
架橋型水溶性高分子(A)に所定の割合の線状型水溶性高分子(B)が混合されて成る高分子凝集剤は、レオメーターを用いた0.1質量%水溶液の25℃での歪み率依存性測定における貯蔵弾性率G5と損失弾性率G6とが、歪み率<1%である時は常にG6<G5の関係にあり、1%≦歪み率≦500%の範囲においてG5とG6との大小関係が逆転し、歪み率>500%である時は常にG6>G5の関係になるとともに、
レオメーターを用いた0.1質量%水溶液の25℃での角周波数依存性測定における貯蔵弾性率G7と損失弾性率G8とが、角周波数<0.02rad/sの時は常にG7<G8の関係にあり、0.02rad/s≦角周波数≦15rad/sの範囲においてG7とG8との大小関係が逆転し、角周波数>15rad/sの時は常にG7>G8の関係になることが好ましい。
即ち、以下の式(3)
tanδ=G4/G3 ・・・式(3)
で表されるtanδが1となるのは、歪み率が1〜500%の範囲内である。tanδ=1となるのは、歪み率が5〜480%の範囲内であることが好ましく、10〜300%の範囲内であることがさらに好ましく、200〜480%の範囲内であることがさらに好ましい。tanδ=1となる点が歪み率500%を超える場合、架橋型水溶性高分子の架橋が不十分であるか、架橋型水溶性高分子(A)の配合量が不足する。その結果、高分子凝集剤の性質は線状型水溶性高分子のみを用いる高分子凝集剤の性質に近くなる。また、汚泥処理に適する高分子凝集剤の添加率の幅が狭くなる。
また、以下の式(4)
tanδ=G8/G7 ・・・式(4)
で表されるtanδが1となるのは、角周波数が0.02〜15rad/sの範囲内である。tanδ=1となるのは、角周波数が0.02〜12rad/sの範囲内であることが好ましく、0.02〜10rad/sの範囲内であることがより好ましく、0.02〜1rad/sの範囲内であることがより好ましい。tanδ=1となる点が角周波数0.02rad/s未満である場合、架橋型水溶性高分子の架橋が不十分であるか、架橋型水溶性高分子(A)の配合量が不足する。その結果、高分子凝集剤の性質は線状型水溶性高分子のみを用いる高分子凝集剤の性質に近くなる。また、汚泥処理に適する高分子凝集剤の添加率の幅が狭くなる。
架橋型水溶性高分子(A)と線状型水溶性高分子(B)との混合割合は、架橋型水溶性高分子(A)1質量部に対して、0.1〜99質量部であり、0.5〜30質量部であることが好ましく、1〜10質量部であることがより好ましい。
(2)架橋型水溶性高分子(A)の製造方法
架橋型水溶性高分子(A)を得るための重合の方法は、ラジカル重合であること以外には特に制限されないが、本発明に適用可能なラジカル重合の具体的な形態として、水溶液重合や懸濁重合、エマルション重合等が例示される。これらの中でも操作方法が簡便且つ原料及び製品の取扱いが容易であり、工業的な生産における生産コストの面でも有利な水溶液重合やエマルション重合が好ましい。また、エマルション重合で水層や油層を揮発させて粉末化させた場合の製造物でも構わない。
(2−1)水溶液重合
水溶液重合は、上記単量体混合物の水溶液をラジカル重合開始剤の存在下で重合する方法である。水溶液重合の場合、前記単量体混合物の濃度は、25〜85質量%とすることが好ましく、30〜65質量%とすることが特に好ましい。単量体混合物の水溶液のpHは2〜5に調整することが好ましい。
重合反応の際に用いられるラジカル重合開始剤は特に制限されない。水溶液重合の場合は、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、t−ブチルハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系開始剤、レドックス系開始剤及び光重合開始剤等を適宜利用できる。これらのラジカル重合開始剤は単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
重合開始温度は、通常0〜35℃が好ましい。重合時間は、通常0.1〜3時間が好ましい。また、重合反応は酸素の存在しない不活性雰囲気で行うことが好ましい。これらの重合条件は公知である。重合反応終了後には、必要に応じて適宜熱処理や乾燥、粉砕等の後処理を行う。これらの後処理も公知の方法を適用できる。
前記水溶液重合による製造方法の中でも、得られる架橋型水溶性高分子の物性や品質のバラツキが少なく、安定した生産が可能であり、物性の調整が容易である等の理由から、光照射重合が特に好ましい。光照射重合の具体例としては、光重合開始剤及び連鎖移動剤の存在下、前記単量体混合物の水溶液に光を照射して重合を行う方法が例示される。
光照射重合に用いられる光重合開始剤は特に制限されない。好ましい光重合開始剤として、アセトフェノン系光重合開始剤やアゾ系開始剤等が例示される。その中でも単量体混合物の水溶液への溶解度が高く、高分子凝集剤として必要な高分子量化が容易である等の理由から、水溶性のアゾ系開始剤が特に好ましい。
水溶性アゾ系開始剤の具体例としては、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)2塩酸塩、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)等が例示される。
これらの光重合開始剤は単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
光重合開始剤の添加量は特に制限されない。光重合開始剤の種類、架橋型重合体の分子量、単量体組成及び残存単量体の含有量に応じて、適宜調整すればよい。水溶性アゾ系開始剤の場合、通常、単量体混合物中の各単量体の合計質量に対して、質量基準で100〜3000ppmが好ましい。
光照射重合に用いられる連鎖移動剤は、主に架橋型水溶性高分子の分子量の調整及び不溶解物の発生を抑制する目的で添加される。その種類は特に制限されない。本発明で使用可能な連鎖移動剤としては、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、次亜リン酸ナトリウム、メルカプトエタノール、イソプロパノール等が例示される。これらの中でも単量体混合物の水溶液への溶解度が高く、少量の添加量でも効果が高く、架橋型水溶性高分子の分子量を容易に調整できる等の理由から、亜硫酸水素ナトリウムが好ましい。
これらの連鎖移動剤は単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
連鎖移動剤の添加量は特に制限されない。連鎖移動剤の種類、架橋型重合体の分子量、単量体組成、架橋性単量体の添加量及び不溶解量に応じて、適宜調整すればよい。亜硫酸水素ナトリウムの場合、通常、単量体混合物中の各単量体の合計質量に対して、質量基準で5〜500ppmが好ましく、10〜300ppmがさらに好ましく、15〜200ppmが最も好ましい。亜硫酸水素ナトリウムの添加量が5ppm未満では、不溶解物の発生を抑制できない場合がある。その場合、高分子凝集剤として有効に作用する有効成分の量が減る。また、高分子凝集剤を水に溶解した溶解液を送液するポンプを閉塞させるトラブルの原因になることがある。亜硫酸水素ナトリウムの添加量が500ppmを超えると、架橋型重合体の分子量が低くなり過ぎることがある。その場合、高分子凝集剤としての汚泥に対する凝集力が低下し、フロック径が大きくならない。また、ろ過速度が低下したり、汚泥中の微細な固形物がろ液に抜けて、ろ液の透明性が悪化する場合がある。
光照射重合に用いられる光の波長、照射強度、照射時間等の光照射条件は特に制限されない。使用する光重合開始剤の種類及び添加量並びに架橋型重合体の物性及び性能に応じて、適宜調整すればよい。光重合開始剤として、前記水溶性アゾ系開始剤を使用する場合、波長365nm付近の光が好ましく、照射強度は365nm用のUV照度計による0.1〜10.0mW/cmが好ましい。照射時間は、通常0.1〜3時間が好ましい。
(2−2)エマルション重合
エマルション重合は、所定の単量体、ラジカル開始剤及び連鎖移動剤等を含有する水相と、非混和性の炭化水素からなる油状物質と、油中水滴型エマルションを形成させる有効量の界面活性剤と、を用いて油中水滴型エマルションを形成させ、このエマルションの液滴内で単量体を重合させる方法である。
油状物質としては、パラフィン類、各種鉱油、パラフィン類や各種鉱油と同等の特性を有する炭化水素系油、及びこれらの混合物を挙げることができる。油状物質の含有量は、油中水滴型エマルション全量に対して15〜50質量%の範囲であり、20〜40質量%であることが好ましい。
界面活性剤は、HLBが3〜11であることが好ましい。そのような界面活性剤の例としては、ソルビタンモノオレート、ソルビタンモノステアレート等のノニオン性界面活性剤を挙げることができる。これらの界面活性剤の添加量は、油中水滴型エマルション全量に対して0.3〜10質量%が好ましく、0.5〜5質量%がより好ましい。
エマルション重合を行う場合の重合条件は、使用する単量体や開始剤、重合体の物性に応じて適宜設定される。重合温度は5〜90℃が好ましい。単量体の重合濃度は20〜60質量%が好ましく、20〜50質量%がより好ましい。重合時間は1〜10時間が好ましく、2〜6時間がより好ましい。重合反応は酸素のない不活性雰囲気で行うことが好ましい。
エマルション重合を行う場合の平均粒子径は、0.03〜10μmが好ましく、0.1〜5μmがより好ましく、0.5〜3μmがさらに好ましい。平均粒子径は、レーザー回折法により測定される体積平均値をいう。
上記に説明した重合方法を用いることにより、本発明で規定する所定の粘弾性を有する架橋型水溶性高分子(A)を製造することができる。重合反応終了後には、必要に応じて適宜熱処理や乾燥、粉砕等の後処理を行う。これらの後処理も公知の方法を適用できる。架橋型水溶性高分子(A)の0.1%水溶液の粘度は、100〜3,000mPa・sであり、150〜1,500mPa・sであることが更に好ましく、180〜1,000mPa・sであることが特に好ましい。粘度の調整は、重合度や架橋度を調節することにより行うことができる。重合度の調節は、重合触媒濃度、連鎖移動剤の使用等、公知の方法により行うことができる。架橋度の調節は、架橋性単量体の配合量を調節することにより行うことができる。
架橋型水溶性高分子(A)の重量平均分子量は、50万〜1500万であることが好ましい。重量平均分子量が50万未満の場合、高分子凝集剤としての汚泥フロックの形成能が不足して、フロック径が十分に大きくならないことがある。また、重量平均分子量が500万を超えると、高分子凝集剤の溶解性が悪化し、溶解液を送液するポンプを閉塞させるトラブルの原因となる。
架橋型水溶性高分子(A)の不溶解量は、50mL以下であることが好ましく、20mL以下であることがさらに好ましく、10mL以下であることが最も好ましい。不溶解量が50mLを超えると、高分子凝集剤として有効に作用する有効成分量が減る。また、高分子凝集剤を水に溶解した溶解液を送液するポンプを閉塞させるトラブルの原因になることがある。
架橋型水溶性高分子(A)の0.5%塩粘度は、5〜50mPa・sであることが好ましく、7〜30mPa・sであることがさらに好ましく、10〜20mPa・sであることが最も好ましい。0.5%塩粘度が5mPa・s未満の場合、高分子凝集剤としての凝集性能が不足して、フロック径が十分に大きくならなかったり、重力ろ過性が低下することがある。0.5%塩粘度が50mPa・sを超えると、脱水ケーキの含水率が十分に低下しないことがある。
(3)汚泥の脱水方法
本発明の高分子凝集剤を用いる汚泥の脱水方法では、処理対象の汚泥は特に制限されない。下水処理、し尿処理及び生活廃水処理等で発生する汚泥の他、食品工場、食肉加工及び化学工場等の各種産業廃水処理で発生する汚泥、養豚場等の畜産関係で発生する生し尿及びその廃水処理で発生する汚泥、パルプ又は製紙工業で発生する汚泥等の各種汚泥が処理対象になる。汚泥の種類にも制限はなく、初沈汚泥、余剰汚泥及びこれらの混合汚泥、濃縮汚泥及び嫌気性微生物処理した消化汚泥等がいずれも処理対象になる。
本発明の汚泥の脱水方法は、上記各種汚泥に、本発明の架橋型水溶性高分子(A)を含む高分子凝集剤を添加して脱水することを特徴とする。脱水方法の具体例としては、以下の方法が例示される。すなわち、汚泥に、必要に応じて無機凝集剤を添加し、好ましくはpHを4〜7に調節する。その後、この汚泥に本発明の高分子凝集剤を添加し、公知の方法で撹拌及び/又は混合することで汚泥中の懸濁物と高分子凝集剤を作用させて、汚泥フロックを形成させる。形成された汚泥フロックを、公知の手段により機械的に脱水処理することで、処理水と脱水ケーキに分離する。
脱臭、脱リン及び脱窒等を目的とする場合は、汚泥のpHを5未満にすることが好ましい。
無機凝集剤としては、特に制限されないが、硫酸バンド、ポリ塩化アルミニウム、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、ポリ硫酸第二鉄等が例示される。
脱水装置としては、特に制限されないが、スクリュープレス型脱水機、ベルトプレス型脱水機、フィルタープレス型脱水機、スクリューデカンター、多重円盤脱水機等が例示される。
以下、実施例によりさらに具体的に本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。各種物性の測定方法は以下の通りである。各種物性の測定における温度条件は、特に断りのない限り25℃である。
〔粘弾性の歪み率依存性と角周波数依存性の測定方法〕
アントンパール社製 MCRレオメーターを用いて、試料を固形分0.1質量%に溶解した水溶液粘弾性の振動歪み率依存性と角周波数依存性を測定した。
<粘弾性測定装置>
アントンパール社製MCR302型レオメーター、制御ソフトウエアレオプラス32(ver.3.62)
<測定条件>
治具:50mmφ_0.5°コーンプレート
測定温度:25℃
<歪み率依存性測定>
周波数1Hzにおいて歪み率1%→1000%をかけた場合の溶液の貯蔵弾性率と損失弾性率を測定した。
<周波数依存性測定>
歪み率0.1〜10%線形昇降範囲で、角周波数100→0.1rad/sをかけた場合の溶液の貯蔵弾性率と損失弾性率を測定した。
〔フロック径〕
凝集した汚泥中のフロックの大きさ(フロック径)を目視で測定した。
〔ろ過速度〕
内径75mm、深さ100mm、目開き80meshのステンレス製篩に、凝集した汚泥を一気にそそぎ込み、重力ろ過した。このとき、ろ液が200mLのメスシリンダーに入るようにロートをセットしておき、汚泥投入後、5秒、10秒、20秒、30秒経過後のろ液の容量を計測して、重力ろ過性を評価した。このうち、10秒経過後のろ液の容量を10秒後ろ液量(mL)とした。
〔ろ液の外観〕
前記ろ過速度の評価後のろ液の外観について、下記の基準で目視で評価した。
◎: ろ液に懸濁成分(SS)の流出が全く見られない
〇: ろ液に懸濁成分(SS)の流出がほとんど見られない
△: ろ液に懸濁成分(SS)の流出が若干量見られる
×: ろ液に懸濁成分(SS)の流出が多量に見られる
〔ろ液SS〕
ろ過速度を測定した後のろ液50mlをWhatman社製GFBフィルターを用いてろ液を真空ろ過した。このフィルターを100℃の乾燥機に2時間入れ、前後の質量増加よりろ液SSを算出した。
〔脱水ケーキの含水率〕
前記のろ過速度測定後にステンレス製篩上に残った汚泥の含水ケーキを全量取り出し、ベルトプレス用ろ布(ポリエステル製、杉綾織)に挟んで卓上試験用ベルトプレス機を使用して170kPaで3分間圧搾することで脱水ケーキを得た。得られた脱水ケーキから中心の一部をサンプリングしてアルミパンに秤量し、105℃の熱風乾燥機で16時間乾燥した後、乾燥後の質量を測定し、乾燥による減少量と乾燥前の質量の質量比から含水率を求めた。
〔回収率〕
回収率は以下の式により算出した。
(回収率)=(1−(ろ液SS÷原水SS))×100
〔手絞り〕
ろ過速度を測定した後のケーキを採取し,手絞りを実施し、絞り具合を数値化した。
1: 1回目の手絞りで指の間より汚泥が漏れる
2: 2回目の手絞りで指の間から汚泥が漏れる
3: 3回目の手絞りで指の間から汚泥が漏れる
<製造例1>
五つ口セパラブルフラスコにHLB値3.7のソルビタンセスキオレート23.9g、249.5gのパラフィン油を添加し溶解し、油相を調製した。
79%ジメチルアミノエチルアクリレート塩化メチル4級塩水溶液389.4gと50%アクリルアミド水溶液184.8gを混合し、イソプロピルアルコール1.6g、キレート剤EDTAの5%水溶液を4.0g、開始剤としてt−ブチルハイドロパーオキサイド0.01gとメチレンビスアクリルアミド0.008gを含む水溶液を含む水溶液2.0gを添加後、イオン交換水を添加し、98%硫酸でpH3.0に調整し、704.2gの水相を調製した。油相を撹拌しながら、水相を添加し、ホモジナイザーにて高速撹拌して油中水型エマルションを調製した。フラスコに窒素ガス吹き込み管、還流冷却器、温度計をつけ、撹拌翼で撹拌しながら、窒素ガスで脱気を開始した。十分に脱気した後、窒素ガスを供給しながら、さらに二酸化硫黄を0.02vol%含む窒素ガスを34.9ml/分の供給量で乳化液中に吹き込み、重合を開始させた。50℃に到達後、2時間この温度を保持した後、二酸化硫黄を含む窒素ガスの供給量を186.4ml/分に増やし、さらに50℃で1時間保持した後、窒素ガス及び二酸化硫黄を含む窒素ガスを停止し、重合を終了した。親水性界面活性剤として、HLB値13.5のポリエチレングリコールモノオレートをエマルションに含まれる総乳化剤の加重平均のHLB値が10.0となるように、43.1g加えて混合し、油中水型エマルションを調製した。なお、製造例1で得られた重合体を「重合体1」ともいい、製造例2以下についても同様とする。
<製造例2〜3、5〜6>
単量体組成を表1に記載のように変更した以外は、製造例1と同様に操作し、重合体2、3、5、6をそれぞれ得た。これらの重合体の粘弾性の測定結果を表1に示した。
製造例4はエマルション重合でポリマーを製造し、乾燥させることで粉末化した製造物である。
<製造例4>
79%ジメチルアミノエチルアクリレート塩化メチル4級塩水溶液313gと50%アクリルアミド水溶液45.4gを混合し、イソプロピルアルコール1.6g、キレート剤EDTAの5%水溶液を4.0g、開始剤としてt−ブチルハイドロパーオキサイド0.03gとメチレンビスアクリルアミド0.0036gを含む水溶液を含む水溶液2.0gを添加後、イオン交換水を添加し、98%硫酸でpH3.0に調整し、704.2gの水相を調製した。油相を撹拌しながら、水相を添加し、ホモジナイザーにて高速撹拌して油中水型エマルションを調製した。フラスコに窒素ガス吹き込み管、還流冷却器、温度計をつけ、撹拌翼で撹拌しながら、窒素ガスで脱気を開始した。十分に脱気した後、窒素ガスを供給しながら、さらに二酸化硫黄を0.02vol%含む窒素ガスを34.9ml/分の供給量で乳化液中に吹き込み、重合を開始させた。50℃に到達後、2時間この温度を保持した後、二酸化硫黄を含む窒素ガスの供給量を186.4ml/分に増やし、さらに50℃で1時間保持した後、窒素ガスおよび二酸化硫黄を含む窒素ガスを停止し、重合を終了した。親水性界面活性剤として、HLB値13.5のポリエチレングリコールモノオレートをエマルションに含まれる総乳化剤の加重平均のHLB値が10.0となるように、14.1g加えて混合し、エバポレーターにて脱水後、減圧乾燥を行い、粉末の重合体4を得た。
<製造例7>
内面をテフロンコーティングしたステンレス製反応容器に、ジメチルアミノエチルアクリレート塩化メチル第4級塩(以下、「DAC」と略記する)の79質量%水溶液313gとアクリルアミド(以下、「AMD」と略記する)の40質量%水溶液57gを秤量し、純水を加えて全質量を500gとした。このとき、この溶液の各単量体のモル組成はDAC/AM=80/20mol%である。
この溶液をpH=4に調整した後、窒素ガスを60分間溶液に吹き込みながら溶液の温度を5℃に調節した。その後、架橋性単量体として和光純薬株式会社製の、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)2塩酸塩(以下、「V−50」と略記する)及び亜硫酸水素ナトリウムを、各単量体純分の合計質量に対して、それぞれ1000ppm、10ppmとなるように加えた。次いで、反応容器の上方からこの溶液に光照射して重合を行い、含水ゲル状の重合体を得た。光照射には13Wブラックライト蛍光管4本を用い、照射強度が365nm用のUV照度計で0.4mW/cmとなる条件下、60分間光照射して重合を行い、含水ゲル状の重合体を得た。
得られた含水ゲル状の重合体を容器から取り出して細断した。これを温度100℃で2.5時間乾燥後、粉砕して粉末状の重合体7を得た。この重合体7の物性を前記の方法で分析し、結果を表1に示した。
Figure 2017000914
〔汚泥の凝集脱水試験〕
(実施例1)
下水処理場で発生する混合生汚泥(重力濃縮:機械濃縮=6:4)を用いてスクリュープレス脱水機に準じた凝集脱水試験を実施した。混合生汚泥の性状は、TS(Total Solid)=22,900mg/L、pH=4.67であった。
まず、この汚泥200mLを300mLのビーカーに入れた。ここに、重合体7及び重合体4を質量比9:1で混合して成る凝集剤の0.2質量%水溶液を添加した。添加量は、凝集剤として80ppm、100ppm、120ppmの3水準とした。
ジャーテスターを用いて、この汚泥を100rpmで30秒間攪拌することにより、汚泥フロックを形成させ、フロック径を目視で測定した。次に、この凝集した汚泥全量を用いて10秒ろ過速度を測定した。その後、ろ液外観、ろ液SS(Suspended Solids)、回収率、脱水ケーキの含水率を測定した。これらの評価結果を表2に示した。
実施例1で用いた凝集剤の粘弾性を測定した。その結果、0.1質量%水溶液の25℃における貯蔵弾性率G7と、0.1質量%水溶液の25℃における損失弾性率G8と、が同一となる点、即ちtanδ=1となる角周波数は0.0398rad/sであった。同様に、tanδ=1となる歪み率は316%であった。結果は、表3に示した。
(実施例2−3、比較例1)
凝集剤の組成を表2に記載の通り変更した他は実施例1と同様に操作して凝集脱水試験を実施した。
Figure 2017000914
Figure 2017000914
比較例1で用いる線状型水溶性高分子のtanδ=1となる歪み率は464%であり、tanδ=1となる角周波数は0.0398rad/sであった。比較例1の高分子凝集剤は、添加量80ppmの時、ろ過速度が最も良好であるが、添加量をさらに増やすと、ろ過速度が低下した。即ち、添加過剰となった。
これに対して、実施例1−3の高分子凝集剤は、所定の架橋型水溶性高分子(A)を含んでいる。そのため、比較例1と同程度の回収率を得るために必要な高分子凝集剤の添加量はやや多くなるものの、ケーキ含水率は比較例1よりも低くなった。また、高分子凝集剤の添加量を増やしても、ろ過速度の低下は生じ難かった。
(実施例4)
下水処理場で発生する混合生汚泥を用いて遠心脱水機に準じた凝集脱水試験を実施した。混合生汚泥の性状は、pH=4.89、TS=25,100mg/Lであった。
まず、この汚泥100mLを200mLのビーカーに入れた。ここに、重合体5及び重合体1を質量比7:3で混合して成る凝集剤の0.2質量%水溶液を添加した。添加量は、凝集剤として80ppm、100ppm、140ppm、180ppmの4水準とした。
トリトン社製攪拌機を用いて、この汚泥を1000rpmで30秒間攪拌することにより、汚泥フロックを形成させ、フロック径を目視で測定した。次に、この凝集した汚泥全量を用いて10秒ろ過速度を測定した。その後、ろ液外観、ろ液SS、回収率、脱水ケーキの含水率を測定した。これらの評価結果を表4に示した。
実施例4で用いた凝集剤の粘弾性を測定した。その結果、0.1質量%水溶液の25℃における貯蔵弾性率G7と、0.1質量%水溶液の25℃における損失弾性率G8と、が同一となる点、即ちtanδ=1となる角周波数は0.02rad/sであった。同様に、tanδ=1となる歪み率は316%であった。結果は、表5に示した。
(実施例5−7、比較例2−3)
凝集剤の組成を表4に記載の通り変更した他は実施例4と同様に操作して凝集脱水試験を実施した。
比較例2で用いる高分子凝集剤は本発明で規定する架橋型水溶性高分子(A)を含んでいない。比較例2で用いる高分子凝集剤のtanδ=1となる歪み率は681%であり、tanδ=1となる角周波数は0.02rad/sであった。比較例2の高分子凝集剤は、添加量80ppmの時、ろ過速度が最も良好であるが、添加量をさらに増やすと、ろ過速度が低下した。即ち、添加過剰となった。
比較例3で用いる高分子凝集剤は本発明で規定する架橋型水溶性高分子(A)を含んでいない。比較例3で用いる高分子凝集剤のtanδ=1となる歪み率は681%であり、tanδ=1となる角周波数は0.02rad/sであった。比較例3の高分子凝集剤は、添加量100ppmの時、ろ過速度が最も良好であるが、添加量をさらに増やすと、ろ過速度が低下した。即ち、添加過剰となった。
これに対して、実施例4−6の高分子凝集剤は、所定の架橋型水溶性高分子(A)を含んでいる。そのため、比較例2−3と同程度の清澄性を得るために必要な高分子凝集剤の添加量はやや多くなるものの、ケーキ含水率は比較例2−3よりも低くなった。また、高分子凝集剤の添加量を増加しても、ろ過速度の低下は生じ難かった。
実施例7の高分子凝集剤は、所定の架橋型水溶性高分子(A)のみから成る。そのため、比較例2−3と同程度の清澄性を得るために必要な高分子凝集剤の添加量はやや多くなるものの、高分子凝集剤の添加量を増加しても、ろ過速度の低下は生じ難かった。
Figure 2017000914
Figure 2017000914

Claims (10)

  1. レオメーターを用いた0.1質量%水溶液の25℃での歪み率依存性測定における貯蔵弾性率G1と損失弾性率G2が、歪み率1%未満の時、G2<G1であり、歪み率350%を超える時、G2>G1であるとともに、
    レオメーターを用いた0.1質量%水溶液の25℃での角周波数依存性測定における貯蔵弾性率G3と損失弾性率G4が、角周波数0.05rad/s未満の時、G3<G4であり、角周波数15rad/sを超える時、G3>G4である
    架橋型水溶性高分子(A)を含むことを特徴とする高分子凝集剤。
  2. 前記架橋型水溶性高分子(A)1質量部に対して、0.1〜99質量部の線状型水溶性高分子(B)を含む請求項1に記載の高分子凝集剤。
  3. レオメーターを用いた0.1質量%水溶液の25℃での歪み率依存性測定における貯蔵弾性率G5と損失弾性率G6が、歪み率1%未満の時、G6<G5であり、歪み率500%を超える時、G6>G5であるとともに、
    レオメーターを用いた0.1質量%水溶液の25℃での角周波数依存性測定における貯蔵弾性率G7と損失弾性率G8が、角周波数0.02rad/s未満の時、G7<G8であり、角周波数15rad/sを超える時、G7>G8である請求項2に記載の高分子凝集剤。
  4. 前記架橋型水溶性高分子(A)が、
    下記一般式(1)
    Figure 2017000914
    (但し、Rは水素原子又はメチル基、Rは炭素数1〜3のアルキル基又はベンジル基、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基、Xは酸素原子又はNH、Qは炭素数1〜4のアルキレン基又は炭素数2〜4のヒドロキシアルキレン基、Zは対アニオンをそれぞれ表す。)
    で表されるカチオン性単量体5〜98.9999モル%と、
    ノニオン性単量体1〜94.9999モル%と、
    架橋性単量体0.0001〜0.01モル%と、
    からなる単量体混合物の重合体である請求項1に記載の高分子凝集剤。
  5. 前記架橋型水溶性高分子(A)を油中水型エマルションの形態で含む請求項1乃至4のいずれか1項に記載の高分子凝集剤。
  6. 前記架橋型水溶性高分子(A)を粉末の形態で含む請求項1乃至4のいずれか1項に記載の高分子凝集剤。
  7. 下記一般式(1)
    Figure 2017000914
    (但し、Rは水素原子又はメチル基、Rは炭素数1〜3のアルキル基又はベンジル基、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基、Xは酸素原子又はNH、Qは炭素数1〜4のアルキレン基又は炭素数2〜4のヒドロキシアルキレン基、Zは対アニオンをそれぞれ表す。)
    で表されるカチオン性単量体5〜98.9999モル%と、
    ノニオン性単量体1〜94.9999モル%と、
    架橋性単量体0.0001〜0.01モル%と、
    からなる単量体混合物をエマルション重合することを特徴とする請求項1に記載の高分子凝集剤の製造方法。
  8. 下記一般式(1)
    Figure 2017000914
    (但し、Rは水素原子又はメチル基、Rは炭素数1〜3のアルキル基又はベンジル基、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基、Xは酸素原子又はNH、Qは炭素数1〜4のアルキレン基又は炭素数2〜4のヒドロキシアルキレン基、Zは対アニオンをそれぞれ表す。)
    で表されるカチオン性単量体5〜98.9999モル%と、
    ノニオン性単量体1〜94.9999モル%と、
    架橋性単量体0.0001〜0.01モル%と、
    からなる単量体混合物をエマルション重合して重合体を得、該重合体を乾燥することを特徴とする請求項1に記載の高分子凝集剤の製造方法。
  9. 下記一般式(1)
    Figure 2017000914
    (但し、Rは水素原子又はメチル基、Rは炭素数1〜3のアルキル基又はベンジル基、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基、Xは酸素原子又はNH、Qは炭素数1〜4のアルキレン基又は炭素数2〜4のヒドロキシアルキレン基、Zは対アニオンをそれぞれ表す。)
    で表されるカチオン性単量体5〜98.9999モル%と、
    ノニオン性単量体1〜94.9999モル%と、
    架橋性単量体0.0001〜0.01モル%と、
    からなる単量体混合物を水溶液重合してゲル状の重合体を得、該ゲル状の重合体を乾燥することを特徴とする請求項1に記載の高分子凝集剤の製造方法。
  10. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の高分子凝集剤を汚泥に添加して汚泥フロックを形成した後、該汚泥フロックを脱水することを特徴とする汚泥脱水方法。
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