JP2010222505A - 水溶性高分子組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】
下水処理場における下水余剰汚泥や下水消化汚泥のように繊維分の少ない所謂難脱水汚泥に対し、脱水ケーキ含水率低下の要求を満足し、同時に架橋あるいは分岐した水溶性高分子の難点とされる薬剤添加量の増加にも対応でき、コスト増加を抑制可能な汚泥脱水剤を提供する。
【解決手段】
定義1あるいは定義2で表される電荷内包率35%以上90%以下のカチオン性官能基を有する水溶性高分子(A)、アミジン系水溶性高分子(B)、カチオン性水溶性高分子(C)、両性水溶性高分子(D)および酸性物質(E)からなる水溶性高分子組成物であって、前記水溶性カチオン性高分子(A)は、特定の単量体と高分子構造改質剤からなる共重合物であり、これら水溶性高分子の配合物によって達成できる。

【選択図】 なし

Description

本発明は、水溶性高分子組成物およびそれを用いた汚泥脱水方法に関するものであり、詳しくは電荷内包率35%以上90%以下のカチオン性官能基を有する水溶性高分子(A)、アミジン系水溶性高分子(B)、カチオン性水溶性高分子(C)、カチオン性官能基およびアニオン性官能基を有する両性水溶性高分子(D)および酸性物質(E)からなる水溶性高分子組成物に関するものであり、またそれを使用した汚泥の脱水方法に関する。
従来、下水、し尿等で生じる有機性汚泥の脱水に対しては、カチオン性高分子凝集剤が広く使用され、その後両性高分子凝集剤が提案されている(特許文献1)。近年では下水処理場が脱水ケーキの含水率低下を要求する傾向が強く、上記の単なるカチオン性あるいは両性高分子では対応ができない状況である。また下水余剰汚泥や下水消化汚泥のように繊維分の少ない所謂難脱水汚泥では、特別の性能を要する凝集剤が必要になり、二種以上配合凝集剤が提案される所以である。例えば特許文献2は、メタアクリル系カチオンポリマー(A)と(メタ)アクリル系両性ポリマーが、特許文献3ではカチオン性高分子(A)と、酸基の3〜30モル%がアルカリにより中和されてなるアニオン性単量体単位を含む両性高分子(B)の配合が、さらに特許文献4では、カチオン化度を規定し、カチオン性基とアニオン性基の比率を規定した両性高分子との配合をそれぞれ提案している。これらは上記謂難脱水汚泥の処理を意図したものであるが、下水処理場の脱水ケーキ含水率低下の要求には到底満足されるものではない。また上記謂難脱水汚泥には、架橋あるいは分岐した水溶性高分子が有効とされているが(特許文献5など)、薬剤添加量が増加し処理コストを押し上げるのが問題となっている。
特開昭63−260928号公報 特開平8−112504号公報 特開2000−218297号公報 特開平9−57299号公報 特許3218578号公報
本発明の課題は、下水処理場における下水余剰汚泥や下水消化汚泥のように繊維分の少ない所謂難脱水汚泥に対し、脱水ケーキ含水率低下の要求を満足し、
同時に架橋あるいは分岐した水溶性高分子の難点とされる薬剤添加量の増加にも対応でき、コスト増加を抑制可能な汚泥脱水剤を開発することである。
上記の問題を解決するために鋭意検討した結果、以下に述べる発明に達した。すなわち請求項1の発明は、下記定義1あるいは定義2で表される電荷内包率35%以上90%以下のカチオン性官能基を有する水溶性高分子(A)、下記一般式(1)及び/または又は一般式(2)で表される構造単位を有するアミジン系水溶性高分子(B)、下記一般式(3)で表される単量体を必須として含有する単量体あるいは単量体混合物を重合したものであるカチオン性水溶性高分子(C)、下記一般式(3)で表わされる単量体と下記一般式(4)で表わされる単量体を必須とする単量体混合物を重合したものである(D)および酸性物質(E)からなる水溶性高分子組成物である。
定義1)水溶性カチオン性高分子および両性でかつカチオン性単量体とアニオン性単量体共重合率の差が正である水溶性両性高分子の場合
電荷内包率[%]=(1−α/β)×100
αは酢酸にてpH4.0に調整した水溶性カチオン性高分子あるいは両性水溶性高分子水溶液をポリビニルスルホン酸カリウム水溶液にて滴定した滴定量。βは酢酸にてpH4.0に調整した水溶性カチオン性高分子あるいは両性水溶性高分子水溶液にポリビニルスルホン酸カリウム水溶液を前記水溶性カチオン性高分子あるいは両性水溶性高分子の電荷の中和を行うに十分な量加え、その後ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド水溶液にて滴定した滴定量をブランク値から差し引いた滴定量。ここでブランク値とは、水溶性カチオン性高分子あるいは両性水溶性高分子水溶液無添加時にポリビニルスルホン酸カリウム水溶液をポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド水溶液にて滴定した滴定量である。
定義2)両性でかつカチオン性単量体とアニオン性単量体の共重合率の差が負である水溶性高分子の場合
電荷内包率[%]=(1−α/β)×100
αはアンモニアにてpH10.0に調整した水溶性両性高分子水溶液をポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド水溶液にて滴定した滴定量。βはアンモニアにてpH10.0に調整した水溶性両性高分子水溶液にポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド水溶液を前記水溶性両性高分子の電荷の中和を行うに十分な量加え、その後ポリビニルスルホン酸カリウム水溶液にて滴定した滴定量をブランク値から差し引いた滴定量。ここでブランク値とは、水溶性両性高分子水溶液無添加時にジアリルジメチルアンモニウムクロライド水溶液をポリビニルスルホン酸カリウム水溶液にて滴定した滴定量である。
一般式(1)
は水素またはメチル基、Hは無機酸および/または有機酸を表し、
未中和時H=0である。
一般式(2)
2、は水素またはメチル基、Hは無機酸および/または有機酸を表し、
未中和時H=0である。
請求項2の発明は、前記水溶性高分子(A)が、下記一般式(3)で表される単量体1mol%以上100mol%以下、下記一般式(4)で表される単量体0mol%以上50mol%以下、水溶性の非イオン性単量体0mol%以上50mol%以下からなることを特徴とした請求項1に記載の水溶性高分子組成物である。
一般式(3)
は水素又はメチル基、R、Rは炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシル基あるいはベンジル基、Rは水素、炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシル基あるいはベンジル基であり、同種でも異種でも良い。AはOまたはNH、Bは炭素数2〜4のアルキレン基またはアルコキシレン基、X は陰イオンをそれぞれ表す。
一般式(4)
12は水素またはCHCOOY、R13は水素、メチル基またはCOOY、QはSO 、CSO 、CONHC(CHCHSO 、CCOOあるいはCOOであり、Y、Yは水素または陽イオンをそれぞれ表す。
請求項3の発明は、前記カチオン系水溶性高分子(C)が一般式(3)で表される単量体を1mol%以上100mol%以下の範囲で有し、かつ両性水溶性高分子(D)が、一般式(3)で表される単量体1mol%以上99mol%以下、一般式(4)で表される単量体1mol%以上99mol%以下、水溶性の非イオン性単量体0mol%以上98mol%以下の範囲で有することを特徴とした請求項1あるいは2に記載の水溶性高分子組成物である。
請求項4の発明は、前記水溶性高分子組成物の0.1重量%水溶液のpHが4.0以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の水溶性高分子組成物である。
請求5の発明は、前記水溶性高分子(A)、アミジン系水溶性高分子(B)、カチオン性水溶性高分子(C)および両性水溶性高分子(D)の質量混合比が、(A):(B):(C):(D)=40〜85:5〜50:5〜50:5〜50の範囲であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の水溶性高分子組成物である。
請求項6の発明は、粉末からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の水溶性高分子組成物である。
請求項7の発明は、前記水溶性高分子(A)が、界面活性剤により水に非混和性有機液体を連続相、カチオン性単量体および複数の不飽和二重結合を有する多官能性単量体を必須として含む単量体混合物水溶液を分散相となるよう乳化し重合した後、得られる油中水滴型エマルジョン状液体を乾燥し得られるものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の水溶性高分子組成物である。
請求項8の発明は、 請求項1〜7のいずれかに記載の水溶性高分子組成物を汚泥脱水剤として使用することを特徴とする水溶性高分子組成物の使用方法である。
本発明は定義で表される電荷内包率35%以上90%以下のカチオン性官能基を有する水溶性高分子(A)、下記一般式(1)及び/または又は一般式(2)で表される構造単位を有するアミジン系水溶性高分子(B)、下記一般式(3)で表される単量体を必須として含有する単量体あるいは単量体混合物を重合したものであるカチオン性水溶性高分子(C)、下記一般式(3)で表わされる単量体と下記一般式(4)で表わされる単量体を必須とする単量体混合物を重合したものである両性水溶性高分子(D)および酸性物質(E)からなる水溶性高分子組成物であることを特徴とする。この水溶性高分子組成物は、下水処理場における下水余剰汚泥や下水消化汚泥のように繊維分の少ない所謂難脱水汚泥に対し、脱水ケーキ含水率低下の要求を満足し、同時に架橋あるいは分岐した水溶性高分子の難点とされる薬剤添加量の増加にも対応でき、コスト増加を抑制可能である。
一般式(1)
は水素またはメチル基、Hは無機酸および/または有機酸を表し、
未中和時H=0である。
一般式(2)
2、は水素またはメチル基、Hは無機酸および/または有機酸を表し、
未中和時H=0である。
一般式(3)
は水素又はメチル基、R、Rは炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシル基あるいはベンジル基、Rは水素、炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシル基あるいはベンジル基であり、同種でも異種でも良い。AはOまたはNH、Bは炭素数2〜4のアルキレン基またはアルコキシレン基、X は陰イオンをそれぞれ表す。
一般式(4)
12は水素またはCHCOOY、R13は水素、メチル基またはCOOY、QはSO 、CSO 、CONHC(CHCHSO 、CCOOあるいはCOOであり、Y、Yは水素または陽イオンをそれぞれ表す。
はじめに電荷内包率35%以上90%以下であるカチオン性水溶性高分子(A)に関して説明する。電荷内包率は、以下のように定義される。すなわち
定義1)水溶性カチオン性高分子および両性でかつカチオン性単量体とアニオン性単量体共重合率の差が正である水溶性両性高分子の場合
電荷内包率[%]=(1−α/β)×100
αは酢酸にてpH4.0に調整した水溶性カチオン性高分子あるいは両性水溶性高分子水溶液をポリビニルスルホン酸カリウム水溶液にて滴定した滴定量。βは酢酸にてpH4.0に調整した水溶性カチオン性高分子あるいは両性水溶性高分子水溶液にポリビニルスルホン酸カリウム水溶液を前記水溶性カチオン性高分子あるいは両性水溶性高分子の電荷の中和を行うに十分な量加え、その後ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド水溶液にて滴定した滴定量をブランク値から差し引いた滴定量。ここでブランク値とは、水溶性カチオン性高分子あるいは両性水溶性高分子水溶液無添加時にポリビニルスルホン酸カリウム水溶液をポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド水溶液にて滴定した滴定量である。
定義2)両性でかつカチオン性単量体とアニオン性単量体の共重合率の差が負である水溶性高分子の場合
電荷内包率[%]=(1−α/β)×100
αはアンモニアにてpH10.0に調整した水溶性両性高分子水溶液をポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド水溶液にて滴定した滴定量。βはアンモニアにてpH10.0に調整した水溶性両性高分子水溶液にポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド水溶液を前記水溶性両性高分子の電荷の中和を行うに十分な量加え、その後ポリビニルスルホン酸カリウム水溶液にて滴定した滴定量をブランク値から差し引いた滴定量。ここでブランク値とは、水溶性両性高分子水溶液無添加時にジアリルジメチルアンモニウムクロライド水溶液をポリビニルスルホン酸カリウム水溶液にて滴定した滴定量である。
すなわち電荷内包率の高い水溶性高分子は、架橋が高まった水溶性高分子であり、電荷内包率の低い水溶性高分子は、架橋が少ない水溶性高分子であると言える。この理由は、以下の通りに説明される。直鎖状水溶性高分子は、希薄溶液中では、分子はほぼ「伸びきった」形状をしている。一方、架橋性水溶性高分子は、溶液中において粒子状の丸まった形状をしていて、粒子状の内部に存在するイオン性基は、外側には現われにくく、反対電荷との反応も緩慢に起こると考えられる。
ここで架橋性水溶性カチオン性高分子および、両性でかつカチオン性単量体とアニオン性単量体の共重合率の差が正である架橋性水溶性両性高分子に関しては、電荷内包率は以下のようになる。
電荷内包率[%]=(1−α/β)×100
滴定量αは、試料である架橋性カチオン性(両性)水溶性高分子に反対電荷を有するポリビニルスルホン酸カリウム水溶液を滴下して行き、水溶性カチオン性(両性)高分子の「表面」(粒子状の表面部)に存在するイオン性基にイオン的静電反応を行わせる操作を意味する。
次に架橋性カチオン性(両性)水溶性高分子の理論的な電荷量を中和するに十分な量以上の反対電荷を有するポリビニルスルホン酸カリウムを添加し、反応時間を十分取ったその後、余剰のポリビニルスルホン酸カリウムをジアリルジメチルアンモニウムクロライド水溶液により滴定する。また別に架橋性カチオン性(両性)水溶性高分子を添加しないでポリビニルスルホン酸カリウム溶液をジアリルジメチルアンモニウムクロライド水溶液により滴定し、ブランク値を出しておき、ブランク値より架橋性カチオン性(両性)水溶性高分子を添加した場合の滴定量を差し引き、この値がβとなる。β値は、架橋性カチオン性(両性)水溶性高分子の化学組成から計算される理論的な電荷量に相当すると考えられる。すなわち架橋性カチオン性(両性)水溶性高分子に対し、反対電荷が多量に存在するので、表面のカチオン性電荷だけでなく、内部の電荷まで静電的な中和反応が行われると考えられる。架橋度が高ければ、αはβに対し小さくなり、(1−α/β)値は、1に比べ大きくなり電荷内包率は大きい(すなわち架橋の度合いは高くなる)。
両性でかつカチオン性単量体とアニオン性単量体の共重合率の差が負である架橋性水溶性両性高分子の電荷内包率に関しても、上記とほぼ同じ内容で説明することができるが、アニオン性基を解離させるためアンモニアでpHをアルカリ性にするという違いだけがある。
本発明は、架橋性のイオン性水溶性高分子を使用する場合、電荷内包率35%以上90%以下であることが好ましい。電荷内包率35%より小さい水溶性高分子を汚泥に添加した場合、比較的低い添加量で凝集し含水率は低下するが、添加量の増大とともに汚泥が再分散し、粘性を帯び、汚泥含水率が増大する。電荷内包率35%以上のものを添加した場合、幅広い添加量範囲で添加の増大とともに巨大で強固なフロックを形成し、著しく汚泥ジの含水率を低下させる。また、90%より大きいものを添加した場合は、それ以外のものの数倍以上の薬品を添加せねば汚泥の凝集挙動に全く寄与しない。
本発明では上記のような電荷内包率を有する水溶性高分子(A)を製造するため重合時あるいは重合後、架橋性単量体を単量体総量に対し0.0005〜0.0050mol%、また好ましくは0.0008〜0.002mol%存在させる。架橋性単量体の例としては、N,N−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、トリアリルアミン、ジメタクリル酸エチレングリコール、ジメタクリル酸ジエチレングリコール、ジメタクリル酸トリエチレングリコール、ジメタクリル酸テトラエチレングリコール、ジメタクリル酸―1,3−ブチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、N−ビニル(メタ)アクリルアミド、N−メチルアリルアクリルアミド、アクリル酸グリシジル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、アクロレイン、グリオキザール、ビニルトリメトキシシランなどがあるが、この場合の架橋剤としては、水溶性ポリビニル化合物がより好ましく、最も好ましいのはN,N−メチレンビス(メタ)アクリルアミドである。またギ酸ナトリウム、イソプロピルアルコール等の連鎖移動剤を併用して使用することも架橋性を調節する手法として効果的である。
カチオン性水溶性高分子(C)を製造するため使用するカチオン性単量体は、前記一般式(3)で表わされる単量体を必須として含有する単量体あるいは単量体混合物を重合したものである。水溶性高分子(A),水溶性両性高分子(D)は、前記一般式(3)で表わされる単量体と前記一般式(4)で表わされる単量体を必須として含有する単量体混合物を重合したものである。カチオン性単量体の例は、(メタ)アクリロイルオキシアルキル4級アンモニウム塩:(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムブロマイドなど(メタ)アクリロイルオキシアルキル3級アミン塩:(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルアミン硫酸塩、(メタ)アクリロイルオキシプロピルジメチルアミン塩酸塩など。(メタ)アクリロイルアミノアルキル4級アンモニウム塩:(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムメチルサルフェートなど。(メタ)アクリロイルアミノ(ヒドロキシ)アルキル3級アミン塩:(メタ)アクリロイルアミノエチルジメチルアミン塩酸塩などである。
水溶性高分子(A)あるいは水溶性両性高分子(D)を製造するため使用するアニオン性単量体の例は、ビニルスルホン酸、ビニルベンゼンスルホン酸あるいは2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸あるいはp−カルボキシスチレンなどである。
水溶性高分子(A)、カチオン性水溶性高分子(C)あるいは両性水溶性高分子(D)を製造する場合、非イオン性単量体を共重合してもよくその例としては以下のようなものがある。すなわちアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、酢酸ビニル、アクリロニトリル、アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、ジアセトンアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、アクリロイルモルホリンなどがあげられる。
水溶性高分子(A)におけるカチオン性単量体のmol%は1〜100mol%、好ましくは40〜100mol%、最も好ましくは50〜100mol%である。またアニオン性単量体のmol%は、0〜50mol%であり、好ましくは0〜40mol%であり、最も好ましくは0〜30mol%である。水溶性の非イオン性単量体構成単位0〜50mol%である。また分子量は重量平均分子量で500万〜1500万であり、好ましくは500万〜1200万であり、最も好ましくは700〜1000万である。
カチオン性水溶性高分子(C)におけるカチオン性単量体の量としては、重合後の水溶性高分子がカチオン性を有する範囲であれば特に制限は無いが、前記多官能性単量体を除く全単量体に対してカチオン性単量体の量が1〜99mol%であることが好ましい。両性水溶性高分子(D)におけるカチオン性単量体のmol%は1〜99mol%、好ましくは10〜80mol%、最も好ましくは20〜50mol%である。アニオン性単量体のmol%は1〜99mol%、好ましくは、1〜50mol%、最も好ましくは1〜30mol%である。また分子量は重量平均分子量で500万〜1500万であり、好ましくは500万〜1200万であり、最も好ましくは700〜1000万である。
次に配合するアミジン系水溶性高分子(B)について説明する。この高分子はN−ビニルカルボン酸アミドと(メタ)アクリロニトリルとの共重合物の酸による加水分解反応により合成することができる。単量体であるN−ビニルカルボン酸アミドの例としては、N−ビニルホルムアミドやN−ビニルアセトアミドなどをあげることができる。また共重合するビニル系ニトリル類としては、アクリロニトリルが最も一般的である。重合法としては、水溶液重合、油中水型エマルジョン重合、油中水型分散重合、塩水中分散重合などによって重合した後、それぞれ水溶液、分散液、エマルジョンあるいは粉末など任意の製品形態にすることができる。加水分解時使用する酸は、無機の強酸が好ましく、例えば塩酸、硝酸あるいはp−トルエンスルフォン酸などである。
加水分解後の分子中アミジン基のモル%は、5〜100モル%であり、好ましくは10〜100モル%、最も好ましくは20〜80モル%である。非イオン性構造単位は、未加水分解のカルボン酸アミド基と未反応のニトリル基であり、0〜95モル%であり、好ましくは0〜90モル%、最も好ましくは20〜80モル%である。最も好ましい形態としては、粉末品である。分子量は、100万〜1000万であるが、好ましくは200万〜700万である。
本発明における水溶性高分子(A)、カチオン性水溶性高分子(B)、カチオン性水溶性高分子(C)および両性水溶性高分子(D)の質量混合比は、(A):(B):(C):(D)=40〜85:5〜50:5〜50:5〜50である。この理由は、アミジン系水溶性高分子(B)、カチオン性水溶性高分子(C)、両性水溶性高分子(D)は水溶性高分子(A)の改良剤として働き、架橋性水溶性高分子の添加量増加を抑制、フロック形成の促進、低含水率化するなどの作用が期待されるからである。水溶性高分子(A)が上記の範囲を下回る場合、難処理汚泥に有効とされる架橋性ポリマーの特性が弱く、有効ではない。また、上記の範囲を超える場合は、改良剤として添加する他のポリマーによる効果が薄くなり、含水率の低下、添加量の低減、強固なフロック形成が期待できない。
水溶性高分子の(A)製品形態としては、輸送コストや他の水溶性高分子と混合することを想定すると粉末状であることが望ましい。粉末状の水溶性高分子(A)は、界面活性剤により水に非混和性有機液体を連続相、カチオン性単量体および複数の不飽和二重結合を有する多官能性単量体を含む単量体水溶液混合物を分散相となるよう乳化し重合した後、得られる油中水滴型エマルジョン状液体を噴霧乾燥するか、あるいはエマルジョン状液体をそのまま乾燥機などに入れ、乾燥しその後、造粒し得ることが出来る。
油中水滴型エマルジョン重合品の製造方法としては、カチオン性単量体、あるいはアニオン性単量体、共重合可能な単量体及びこれら単量体に対し生成した重合体が水溶性を保つモル比で添加した架橋性単量体を含有する単量体混合物を水、少なくとも水と非混和性の炭化水素からなる油状物質、油中水滴型エマルジョンを形成するに有効な量とHLBを有する少なくとも一種類の界面活性剤を混合し、強攪拌し油中水型エマルジョンを形成させ重合することにより合成する。
また分散媒として使用する炭化水素からなる油状物質の例としては、パラフィン類あるいは灯油、軽油、中油などの鉱油、あるいはこれらと実質的に同じ範囲の沸点や粘度などの特性を有する炭化水素系合成油、あるいはこれらの混合物があげられる。含有量としては、油中水型エマルジョン全量に対して20質量%〜50質量%の範囲であり、好ましくは20質量%〜35質量%の範囲である。
油中水型エマルジョンを形成するために有効な界面活性剤の例としては、HLB3〜10のノニオン性界面活性剤であり、その具体例としては、ソルビタンモノオレ−ト、ソルビタンジオレ−ト、ソルビタントリオレート、ソルビタンモノステアレ−ト、ソルビタンジステアレ−ト、ソルビタンモノラウレ−ト、ソルビタンジラウレ−ト、ソルビタンモノパルミテ−ト、ソルビタンジパルミテ−ト、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンステアリルエ−テル、ポリオキシエチレンラウリルエ−テル、ポリオキシエチレンセチルエ−テル、ポリオキシエチレントリデシルエ−テル、ポリオキシエチレンオレイルエ−テル、高分子非イオン性界面活性剤類などがあげられる。これら界面活性剤の添加量としては、油中水型エマルジョン全量に対して0.5〜10重量%であり、好ましくは1〜5重量%の範囲である。
重合条件は通常、使用する単量体や共重合モル%によって適宜決めていき、温度としては0〜100℃の範囲で行う。特に油中水型エマルジョン重合法を適用する場合は、20〜80℃、好ましくは20〜60℃の範囲で行う。重合開始はラジカル重合開始剤を使用する。これら開始剤は油溶性あるいは水溶性のどちらでも良く、アゾ系、過酸化物系、レドックス系いずれでも重合することが可能である。油溶性アゾ系開始剤の例としては、2、2’−アゾビスイソブチロニトリル、1、1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2、2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2、2’−アゾビス(2−メチルプロピオネ−ト)、4、4−アゾビス(4−メトキシ−2、4ジメチル)バレロニトリルなどがあげられる。
水溶性アゾ系開始剤の例としては、2、2’−アゾビス(アミジノプロパン)二塩化水素化物、2、2’−アゾビス〔2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕二塩化水素化物、4、4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)などがあげられる。またレドックス系の例としては、ペルオクソ二硫酸アンモニウムと亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、トリメチルアミン、テトラメチルエチレンジアミンなどとの組み合わせがあげられる。さらに過酸化物の例としては、ペルオクソ二硫酸アンモニウムあるいはカリウム、過酸化水素,ベンゾイルペルオキサイド、ラウロイルペルオキサイド、オクタノイルペルオキサイド、サクシニックペルオキサイド、t-ブチルペルオキシ2−エチルヘキサノエ−トなどをあげることができる。
単量体の重合濃度は、乳化液重量に対して、20〜50重量%の範囲であり、好ましくは25〜40重量%の範囲であり、単量体の組成、重合法、開始剤の選択によって適宜重合の濃度と温度を設定する。
一般的な、カチオン性水溶性高分子の油中水滴型エマルジョンを、凝集剤用途として水に溶解して使用する場合、親水性の強い両親媒性共重合物や親水性界面活性剤を添加して油の膜で被われたエマルジョン粒子が水になじみ易くし、中の水溶性高分子が溶解しやすくする処理を行い、水で希釈しそれぞれの用途に用いる。本発明における、油中水滴型エマルジョンにおいても、両親媒性共重合物および親水性界面活性剤を含有することも可能であるが、噴霧乾燥して得られる粉末に不純物が含まれることおよび、噴霧乾燥して得られる粉末を水に溶解して使用する場合、特にHLB値が10以上の親水性界面活性剤を含有する場合、理由は明らかではないがおそらくは界面活性剤とカチオン性高分子が複合体を形成するために溶解速度が遅くなるので、含まない物のほうが好ましい。
カチオン性水溶性高分子(C)、両性水溶性高分子(D)の重合法としては、水溶液重合、油中水型エマルジョン重合、油中水型分散重合、塩水中分散重合などによって重合した後、それぞれ水溶液、分散液、エマルジョンあるいは粉末など任意の製品形態にすることができる。好ましい形態としては、水溶性高分子(A)と混合に適した粉末状が好ましい。
本発明の水溶性高分子組成物は、0.1質量%濃度の水溶液とした時の水溶液pHが通常4.0以下、好ましくは3.0以下である。水溶液pHが4.0を上回ると十分な性能が得られない。そのため酸性物質を配合する。この理由は二つある。すなわち両性水溶性高分子を配合するため溶液pHが約5〜約9の範囲でイオンコンプレックスを形成し溶液が白濁する。このイオンコンプレックスが生成した状態で汚泥など処理対照に添加すると、性能が低下するためである。またpHが5付近より高い範囲では本発明で使用する(メタ)アクリル系水溶性高分子が加水分解を受け、劣化しやすくなる。0.1質量%濃度というのは、処理対照に添加する場合の下限に近い溶液濃度である。これら現象を防止するため水溶液のpHは4以下にすることが好ましい。
このような酸性物質の例として、無機あるいは有機の酸として塩酸、硫酸、酢酸、スルファミン酸、クエン酸、フマル酸、コハク酸、アジピン酸などである。これら酸性物質の添加量として水溶性高分子の固形分換算として、5〜20質量%であり、好ましくは7〜15質量%であり、0.1質量%濃度に溶解してもpHが4以下を確保できる。
本発明の水溶性高分子組成物は、単独で汚泥脱水に使用しても良いが、脱水効果面からより好ましいのは、鉄塩、アルミ塩等の無機多価金属塩と併用する方法である。該無機多価金属塩としては、塩鉄、硫鉄、ポリ鉄、PAC、硫酸バンド、石灰などが挙げられる。汚泥に対する本発明の水溶性高分子組成物の添加量は、通常汚泥固形分に対し0.3〜2質量%、好ましくは0.7〜1.5質量%である。また、併用される無機多価金属塩の添加量は、通常汚泥固形分に対し0.2〜0.6質量%である。
本発明の汚泥の脱水方法は、請求項1〜7のいずれかに記載の水溶性高分子組成物を水に溶解した後、汚泥に添加し凝集させ脱水機により脱水する方法である。
本発明の水溶性高分子組成物は、下水、し尿、産業排水の処理で生じる有機性汚泥(いわゆる生汚泥、余剰汚泥、混合生汚泥、消化汚泥、凝沈・浮上汚泥およびこれらの混合物)に通常0.1〜0.2%水溶液として添加される。本発明の水溶性高分子組成物が対象とする汚泥にはとくに限定ないが、繊維分の少ない汚泥、有機分含有量(VSS/SS)の高い汚泥、腐敗度の高い汚泥に対し特に有効であり好ましい。
以下に、実施例によって本発明を具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に制約されるものではない。
(合成例1)イオン交換水45.85g、50重量%アクリルアミド水溶液220.06g、80重量%アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド水溶液93.71g、0.2重量%メチレンビスアクリルアミド水溶液0.19gおよび2−プロパノール0.19gを仕込んだ水溶液混合物に、ソルビタンモノオレート5.00gおよび沸点190℃ないし230℃のイソパラフィン135.00gからなる混合物を加え、モノジナイザーにて1000rpmの回転数のもとで15分間強攪拌しモノマー乳化液を得た。このものを、十字攪拌ペラを取り付けた攪拌機、還流冷却管、温度計、窒素導入管および冷却装置を備えた四つ口セパラブルフラスコに仕込み、十字攪拌ペラで400prmの攪拌条件下内温30℃で30分間窒素置換を行った。窒素置換が完了した後、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)を0.148g加え窒素雰囲気下30℃で20時間保持し重合を行い、水溶性高分子の油中水型エマルジョンを得た。この油中水型エマルジョンを造粒乾燥装置内に噴霧し、造粒した粉末の水分が5重量%以下になるまで乾燥造粒し、水溶性高分子の粉末を得た。このときの単量体組成はアクリルアミド/アクリロリルオキシトリメチルアンモニウムクロリド=80/20(mol%)である。このものを試料A−1とし、仕込み組成を表1に、及び結果を表2に示す。
(合成例2)合成例1と同様な操作により単量体組成アクリルアミド/アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド=40/60(mol%)からなる油中水型エマルジョンを重合した。このものを試料A−2とし、仕込み組成を表1に、及び結果を表2に示す。
(合成例3)合成例1と同様な操作により単量体組成アクリルアミド/アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド=20/80(mol%)からなる油中水型エマルジョンを重合した。このものを試料A−3とし、仕込み組成を表1に、及び結果を表2に示す。
(合成例4)合成例1と同様な操作により単量体組成アクリルアミド/アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド/メタアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド/アクリル酸=50/39/1/10(mol%)からなる油中水型エマルジョンを重合した。このものを試料A−4とし、仕込み組成を表1に、及び結果を表2に示す。
(合成例5)合成例1と同様な操作により単量体組成アクリルアミド/アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド=40/60(mol%)からなる油中水型エマルジョンを重合した。このものを試料A−5とし、仕込み組成を表1に、及び結果を表2に示す。
(比較例1)合成例1と同様な操作により単量体組成アクリルアミド/アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド=40/60(mol%)からなる油中水型エマルジョンを重合した。このものを比較−1とし、仕込み組成を表1に、及び結果を表2に示す。
(比較例2)合成例1と同様な操作により単量体組成アクリルアミド/アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド/メタアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド/アクリル酸=50/39/1/10(mol%)からなる油中水型エマルジョンを重合した。このものを比較−2とし、仕込み組成を表1に、及び結果を表2に示す。
〔試料B〕アミジン性水溶性高分子として(アミジン構造単位67モル%、ビニルアミン構造単位6モル%、N−ビニルホルムアミド構造単位7モル%、アクリロニトリル構造単位16モル%、分子量300万)粉末品を調製した。
〔試料C〕カチオン性水溶性高分子として市販されている粉末品より選択した。組成を表3に示す。
〔試料D〕両性水溶性高分子として市販されている粉末品より選択した。組成を表3に示す。
水溶性高分子(A)とアミジン系水溶性高分子(B)とカチオン性水溶性高分子(C)と両性水溶性高分子(D)を混合した試料を調整した。混合比(質量比)を表4に記す。
(表1)
AAM:アクリルアミド
DMC:メタクロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド
DMQ:アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド
AAC:アクリル酸
MBA:メチレンビスアクリルアミド
(表2)
(表3)
AAM:アクリルアミド
DMC:メタクロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド
DMQ:アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド
AAC:アクリル酸
(表4)
表4に記載の水溶性高分子粉末試料−1〜試料−5を水で溶解し0.2重量%の水溶液を調製し汚泥の脱水試験を行った。下水余剰汚泥(pH6.70、全ss分33,200mg/L)を200mLポリビーカーに採取し、表4の試料−1〜試料−5を汚泥の固形分に対して1.2%添加し、それぞれビーカー移し変え攪拌20回行った後、T−1178Lのナイロン濾布で濾過し、10秒後の濾液量の測定、及びフロック強度(大きさ)を目視により測定した。その後50秒間濾過した汚泥をプレス圧3Kg/m2で1分間脱水する。その後、ケ−キ含水率(105℃で20hr乾燥)を測定した。結果を表5に示す。
(比較例1)
表4の比較試料、比較−3〜比較−11を用い、実施例1〜5と同様な操作によって試験した。結果を表5に示す。
比較−3、4は、水溶性高分子(A)の電荷内包率が35%未満、比較試料−5は単独の試料であり、比較6〜比較−11は、水溶性高分子(B)、(C)、(D)の1種以上を欠いた混合物である。試料−1〜試料−5は比較−3〜比較−11に比べて優れた効果を示した。
(表5)
ケーキ含水率:質量%、10秒後濾液量:mL、フロック強度:mm

Claims (8)

  1. 下記定義1あるいは定義2で表される電荷内包率35%以上90%以下のカチオン性官能基を有する水溶性高分子(A)、下記一般式(1)及び/または又は一般式(2)で表される構造単位を有するアミジン系水溶性高分子(B)、下記一般式(3)で表される単量体を必須として含有する単量体あるいは単量体混合物を重合したものであるカチオン性水溶性高分子(C)、下記一般式(3)で表わされる単量体と下記一般式(4)で表わされる単量体を必須とする単量体混合物を重合したものである両性水溶性高分子(D)および酸性物質(E)からなる水溶性高分子組成物。
    定義1)水溶性カチオン性高分子および両性でかつカチオン性単量体とアニオン性単量体共重合率の差が正である水溶性両性高分子の場合
    電荷内包率[%]=(1−α/β)×100
    αは酢酸にてpH4.0に調整した水溶性カチオン性高分子あるいは両性水溶性高分子水溶液をポリビニルスルホン酸カリウム水溶液にて滴定した滴定量。βは酢酸にてpH4.0に調整した水溶性カチオン性高分子あるいは両性水溶性高分子水溶液にポリビニルスルホン酸カリウム水溶液を前記水溶性カチオン性高分子あるいは両性水溶性高分子の電荷の中和を行うに十分な量加え、その後ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド水溶液にて滴定した滴定量をブランク値から差し引いた滴定量。ここでブランク値とは、水溶性カチオン性高分子あるいは両性水溶性高分子水溶液無添加時にポリビニルスルホン酸カリウム水溶液をポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド水溶液にて滴定した滴定量である。
    定義2)両性でかつカチオン性単量体とアニオン性単量体の共重合率の差が負である水溶性高分子の場合
    電荷内包率[%]=(1−α/β)×100
    αはアンモニアにてpH10.0に調整した水溶性両性高分子水溶液をポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド水溶液にて滴定した滴定量。βはアンモニアにてpH10.0に調整した水溶性両性高分子水溶液にポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド水溶液を前記水溶性両性高分子の電荷の中和を行うに十分な量加え、その後ポリビニルスルホン酸カリウム水溶液にて滴定した滴定量をブランク値から差し引いた滴定量。ここでブランク値とは、水溶性両性高分子水溶液無添加時にジアリルジメチルアンモニウムクロライド水溶液をポリビニルスルホン酸カリウム水溶液にて滴定した滴定量である。


    一般式(1)
    は水素またはメチル基、Hは無機酸および/または有機酸を表し、
    未中和時H=0である。
    一般式(2)
    2、は水素またはメチル基、Hは無機酸および/または有機酸を表し、
    未中和時H=0である。
  2. 前記水溶性高分子(A)が、下記一般式(3)で表される単量体1mol%以上100mol%以下、下記一般式(4)で表される単量体0mol%以上50mol%以下、水溶性の非イオン性単量体0mol%以上50mol%以下からなることを特徴とした請求項1に記載の水溶性高分子組成物。
    一般式(3)
    は水素又はメチル基、R、Rは炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシル基あるいはベンジル基、Rは水素、炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシル基あるいはベンジル基であり、同種でも異種でも良い。AはOまたはNH、Bは炭素数2〜4のアルキレン基またはアルコキシレン基、X は陰イオンをそれぞれ表す。
    一般式(4)
    は水素またはCHCOOY、Rは水素、メチル基またはCOOY、QはSO 、CSO 、CONHC(CHCHSO 、CCOOあるいはCOOであり、Y、Yは水素または陽イオンをそれぞれ表す。
  3. 前記カチオン性水溶性高分子(C)が一般式(3)で表される単量体を1mol%以上100mol%以下の範囲で有し、かつ両性水溶性高分子(D)が、一般式(3)で表される単量体1mol%以上99mol%以下、一般式(4)で表される単量体1mol%以上99mol%以下、水溶性の非イオン性単量体0mol%以上98mol%以下の範囲で有することを特徴とした請求項1あるいは2に記載の水溶性高分子組成物。
  4. 前記水溶性高分子組成物の0.1重量%水溶液のpHが4.0以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の水溶性高分子組成物。
  5. 前記水溶性高分子(A)、アミジン系水溶性高分子(B)、カチオン性水溶性高分子(C)および両性水溶性高分子(D)の質量混合比が、(A):(B):(C):(D)=40〜85:5〜50:5〜50:5〜50の範囲であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の水溶性高分子組成物。
  6. 粉末からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の水溶性高分子組成物。
  7. 前記水溶性高分子(A)が、界面活性剤により水に非混和性有機液体を連続相、カチオン性単量体および複数の不飽和二重結合を有する多官能性単量体を必須として含む単量体混合物水溶液を分散相となるよう乳化し重合した後、得られる油中水滴型エマルジョン状液体を乾燥し得られるものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の水溶性高分子組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の水溶性高分子組成物を汚泥脱水剤として使用することを特徴とする水溶性高分子組成物の使用方法。
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