JP5952593B2 - 廃水処理方法 - Google Patents
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Description
[1]少なくとも、一般式(1)
(化1)
CH2 =CR1 −CO−X−Q−N+R2 R3 R4 ・Z− (1)
[式中、XはOまたはNH;Qは炭素数1〜4のアルキレン基または炭素数2〜4のヒドロキシアルキレン基;R1はHまたはメチル基;R2 は炭素数1〜3のアルキル基、R3、R4はそれぞれ独立にH、炭素数1〜3のアルキル基、Z−は対アニオンを表す。]
で表されるカチオン性モノマーに由来する構成単位を50〜100モル%含有し、かつ30℃で測定した場合の固有粘度が3〜8dl/gである水溶性重合体からなる有機凝結剤を廃水に添加、混合して1次凝集フロックを形成する1次凝集工程と、前記1次凝集フロックを形成した廃水に、さらに高分子凝集剤を添加、混合して2次凝集フロックを形成する2次凝集工程と、を含むことを特徴とする廃水処理方法。
[2]前記1次凝集工程で、さらに無機凝結剤を廃水に添加、混合する[1]に記載の廃水処理方法。
[3]前記カチオン性モノマーが、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートの塩化メチル4級化物である[1]または[2]のいずれかに記載の廃水処理方法。
[4]廃水が無機物質懸濁廃水である[1]ないし[3]のいずれかに記載の廃水処理方法。
[5]廃水が製紙廃水又は食品加工工場廃水である[2]または[3]に記載の廃水処理方法。
本発明の1次凝集工程では、廃水に所定の有機凝結剤を添加する。
廃水に所定の有機凝結剤を添加し、通常の凝集沈殿法と同様にして撹拌することにより、廃水中のSS等が凝集して1次凝集フロックを形成する。
本発明で用いられる有機凝結剤は、下記式(1)で表されるカチオン性モノマーに由来する構成単位を、カチオン性水溶性重合体の全構成単位に対して50〜100モル%含有し、かつ30℃で測定した場合の固有粘度が3〜8dl/gである水溶性重合体からなる。
(化1)
CH2 =CR1 −CO−X−Q−N+ R2 R3R4 ・Z− (1)
式中、XはOまたはNH;Qは炭素数1〜4のアルキレン基または炭素数2〜4のヒドロキシアルキレン基;R1 はHまたはメチル基;R2は炭素数1〜3のアルキル基、R3、R4 はそれぞれ独立にH、炭素数1〜3のアルキル基、Z−は対アニオンを表す。対アニオンとしては、塩素イオン等のハロゲンイオン、硫酸イオン、硝酸イオン、リン酸イオン、メチルスルホン酸イオンを挙げることができる。
これらの中でも、(メタ)アクリル酸が好ましい。
本発明は、1次凝集工程において凝結作用を向上させるために、本発明の効果を阻害しない範囲で、さらに公知の無機凝結剤や、上記に説明した所定の有機凝結剤と異なる他の有機凝結剤を併用することができる。
本発明の処理対象となる廃水には、産業廃水、無機物質懸濁廃水等が含まれる。具体的には、自動車業、製鉄業等の工業廃水、クリーニング業廃水、金属加工業の廃液が挙げられる。金属加工業の廃液には、例えば、ダイキャスト鋳造、熱間鍛造で用いられる水溶性または水分散性の処理液や潤滑剤、切削油等を含む廃液が挙げられる。
2次凝集工程では、上記1次凝集工程で処理された廃水に高分子凝集剤を添加混合する。これにより、1次凝集フロックがさらに粗大化した2次凝集フロックが形成される。
本工程は、2次凝集工程で形成された2次凝集フロック等を固液分離することにより、清澄な処理水を得る工程である。
表1に示す組成のモノマーを重合して得られる水溶性重合体A1〜A9およびB1〜B4の0.1質量%水溶液を用いた。表1において、略号DMC、DACおよびAMDは以下を意味する。
DMC:ジメチルアミノエチルメタクリレートの塩化メチル4級化物
DAC:ジメチルアミノエチルアクリレートの塩化メチル4級化物
AMD:アクリルアミド
有機凝結剤A3は、以下に記載する工程により合成した。
有機凝結剤A4は、以下に記載する工程により合成した。
硫酸バンドの0.8質量%水溶液、ポリ塩化アルミニウム(PAC)の1.2質量%水溶液、又はポリ鉄の1.5質量%水溶液を用いた。
以下のポリアクリルアミド系凝集剤A〜Dを用いた。AcNaは、アクリル酸ナトリウムの略号である。AMDは、アクリルアミドの略号である。
高分子凝集剤A:AcNa/AMD=8/92(mol/mol)、固有粘度=19.3dl/g
高分子凝集剤B:AcNa/AMD=12/88(mol/mol)、固有粘度=21dl/g
高分子凝集剤C:AcNa/AMD=20/80(mol/mol)、固有粘度=20dl/g
高分子凝集剤D:AcNa/AMD=5/95(mol/mol)、固有粘度=20dl/g
異なる製紙工場から排出される工場廃水(廃水A、廃水B)、食品工場廃水(廃水C)及び砂利砕石廃水(廃水D)を処理対象とした。廃水A、廃水B、廃水C及び廃水Dの性状は以下のとおりである。
廃水A:pH=8.75、SS=430mg/l、TS=1020mg/l
廃水B:pH=7.07、SS=700mg/l、TS=1000mg/l
廃水C:pH=6.96、SS=240mg/l、TS=1200mg/l
廃水D:pH=7.93、SS=17200mg/l、TS=18100mg/l。
表1に記載した有機凝結剤A1〜A9およびB1〜B4のサンプルは、有機凝結剤が粉末の場合はそのまま、エマルションの場合はアセトンを用いて精製した後に乾燥したものを用いた。サンプル中の有機凝結剤の含量は、105℃で1.5時間乾燥することにより算出した。これらのサンプル約0.4gを精秤してイオン交換水約200mlに溶解し、サンプルの固形分換算で0.2%(W/V)に調整した。サンプルの水溶液を、マグネチックスターラーでできるだけ緩やかに撹拌し、完全溶解した。この0.2%水溶液100g を、200ml共栓付三角フラスコに取り、イオン交換水で調整した2N−硝酸ナトリウム水溶液100gを加え、0.1%(W/V)−1N−硝酸ナトリウム水溶液とした。水溶液はフラスコを緩やかに20回揺り動かして均一にした。この0.1%(W/V)−1N−硝酸ナトリウム水溶液を母液とし、1N−硝酸ナトリウム水溶液を希釈液として用いて0.02%、0.04%、0.06%、0.08%のサンプル溶液を調整した。
500mlビーカー内で複数形成されるフロックのフロック径をそれぞれ目視で計測し、平均値を算出した。
2次凝集工程後、撹拌停止後に2次凝集フロックが、500mlビーカーの底に沈降するまでの時間を測定し、沈降時間とした。
JIS K0102工場排水試験法に従い、透視度計を用いて目視で測定した。
500mlのビーカーに廃水Aを500ml採取し、硫酸バンドの0.8質量%水溶液を表2に示す添加量で添加し、120rpm×30秒で撹拌した。続いて、表1に示す有機凝結剤の0.1質量%水溶液を表2に示す添加量で添加し、120rpm×60秒撹拌した。その後、高分子凝集剤Aを0.5mg/l添加して120rpm×60秒、続いて60rpm×60秒撹拌し、凝集フロックを形成させ、撹拌停止後にフロックが500mlビーカーの底に沈降するまでの沈降時間を測定し た。形成された2次凝集フロックのフロック径を測定した。1分間静置後、ビーカー内の廃水の透視度を測定した。各実施例および比較例で形成されたフロックのフロック径および透視度を表2に示す。
500mlのビーカーに廃水Bを500ml採取し、PACの1.2質量%水溶液を表3に示す添加量で添加し、120rpm×30秒で撹拌した。続いて、有機凝結剤の0.1質量%水溶液を表3に示す添加量で添加し、120rpm×60秒撹拌した。その後、高分子凝集剤Bを0.5mg/l添加して120rpm×60秒、続いて60rpm×60秒撹拌し、凝集フロックを形成させ、撹拌停止後にフロックが500mlビーカーの底に沈降するまでの沈降時間を測定した。形成された2次凝集フロックのフロック径を測定した。1分間静置後、ビーカー内の廃水の透視度を測定した。各実施例および比較例で形成されたフロックのフロック径および透視度を表3に示す。
の添加量は比較例7の1/2であったが、良好な凝集性能を発揮した。廃水の透視度も比較例7と比較して向上した。
500mlのビーカーに廃水Cを500ml採取し、ポリ鉄の1.5質量%水溶液を表4に示す添加量で添加し、120rpm×30秒で撹拌した。続いて、有機凝結剤の0.1質量%水溶液を表4に示す添加量で添加し、120rpm×60秒撹拌した。その後、高分子凝集剤Cを10mg/l添加して120rpm×60秒、続いて60rpm×60秒撹拌し、凝集フロックを形成させ、撹拌停止後にフロックが500mlビーカーの底に沈降するまでの沈降時間を測定した。形成された2次凝集フロックのフロック径を測定した。1分間静置後、ビーカー内の廃水の透視度を測定した。各実施例および比較例で形成されたフロックのフロック径および透視度を表4に示す。
500mlのビーカーに廃水Dを500ml採取し、PACの1.2質量%水溶液を表5に示す添加量で添加し、120rpm×30秒で撹拌した(実施例37〜39および比較例19)。続いて、有機凝結剤の0.1質量%水溶液を表5に示す添加量で添加し、120rpm×60秒撹拌した(実施例28〜39、比較例19〜23)。その後、高分子凝集剤Dを10mg/l添加して120rpm×60秒、続いて60rpm×60秒撹拌し、凝集フロックを形成させ、撹拌停止後にフロックが500mlビーカーの底に沈降するまでの沈降時間を測定した。形成された2次凝集フロックのフロック径を測定した。形成された2次凝集フロックのフロック径を測定した。1分間静置後、ビーカー内の廃水の透視度を測定した。各実施例および比較例で形成されたフロックのフロック径および透視度を表5に示す。
Claims (5)
- 一般式(1)
(化1)
CH2 =CR1 −CO−X−Q−N+R2 R3 R4 ・Z− (1)
[式中、XはOまたはNH;Qは炭素数1〜4のアルキレン基または炭素数2〜4のヒドロキシアルキレン基;R1はHまたはメチル基;R2 は炭素数1〜3のアルキル基、R3、R4はそれぞれ独立にH、炭素数1〜3のアルキル基、Z−は対アニオンを表す。]
で表されるカチオン性モノマーに由来する構成単位を50〜95モル%含有するとともに、アクリルアミド及び/又はメタクリルアミドに由来する構成単位を5〜50モル%含有し、かつ30℃で測定した場合の固有粘度が3.2〜7.5dl/gである水溶性重合体からなる有機凝結剤を廃水に対して固形分換算で0.1〜20mg/L添加、混合して1次凝集フロックを形成する1次凝集工程と、
前記1次凝集フロックを形成した廃水に、さらに高分子凝集剤を廃水に対して固形分換算で0.05〜20mg/L添加、混合して2次凝集フロックを形成する2次凝集工程と、を含むことを特徴とする無機凝結剤を添加しない廃水処理方法。 - 無機凝結剤を廃水に対して固形分換算で10〜2000mg/L添加、混合した後、
一般式(1)
(化1)
CH2 =CR1 −CO−X−Q−N+R2 R3 R4 ・Z− (1)
[式中、XはOまたはNH;Qは炭素数1〜4のアルキレン基または炭素数2〜4のヒドロキシアルキレン基;R1はHまたはメチル基;R2 は炭素数1〜3のアルキル基、R3、R4はそれぞれ独立にH、炭素数1〜3のアルキル基、Z−は対アニオンを表す。]
で表されるカチオン性モノマーに由来する構成単位を50〜95モル%含有するとともに、アクリルアミド及び/又はメタクリルアミドに由来する構成単位を5〜50モル%含有し、かつ30℃で測定した場合の固有粘度が3.2〜7.5dl/gである水溶性重合体からなる有機凝結剤を廃水に対して固形分換算で0.1〜20mg/L添加、混合して1次凝集フロックを形成する1次凝集工程と、
前記1次凝集フロックを形成した廃水に、さらに高分子凝集剤を廃水に対して固形分換算で0.05〜20mg/L添加、混合して2次凝集フロックを形成する2次凝集工程と、を含むことを特徴とする廃水処理方法。 - 前記カチオン性モノマーが、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートの塩化メチル4級化物である請求項1または2に記載の廃水処理方法。
- 廃水が無機物質懸濁廃水である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の廃水処理方法。
- 廃水が製紙廃水又は食品加工工場廃水である請求項2または請求項3に記載の廃水処理方法。
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