JP2023047379A - アニオン性水溶性重合体分散液からなる凝集処理剤 - Google Patents

アニオン性水溶性重合体分散液からなる凝集処理剤 Download PDF

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Abstract

【課題】塩水溶液中、高分子分散剤共存下、分散重合法による得られるアニオン性水溶性重合体分散液であり、硫酸アンモニウムを使用せずに、凝集処理効果の優れたアニオン性水溶性重合体分散液からなる凝集処理剤を提供することを課題とする。【解決手段】硫酸マグネシウムを含有する塩水溶液中、特定の単量体を必須として含有する単量体あるいは単量体混合物を、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸又はその塩を構成単位とする高分子分散剤共存下、分散重合することで、硫酸アンモニウムを使用せずに凝集処理効果の優れたアニオン性水溶性重合体分散液からなる凝集処理剤を提供できる。【選択図】 なし

Description

本発明は、塩水溶液中、高分子分散剤共存下、分散重合法によるアニオン性水溶性重合体分散液からなる凝集処理剤及びそれを用いた汚泥脱水方法並びに廃水処理方法に関するものである。
廃水処理や汚泥脱水用途の凝集処理剤として、ポリアクリルアミド系(PAM系)水溶性高分子が汎用されており、その形態は油中水型エマルジョン、水溶液重合体等があるが、それらの中でも塩水溶液中でイオン性高分子分散剤を共存させ、分散重合法により製造するイオン性水溶性重合体分散液は、製品の溶解性や処理対象物との混合について他の形態よりも優れることから適用されている現場も多い。
イオン性水溶性重合体の中でもアニオン性水溶性重合体分散液が有効な現場に対しては、高分子量の水溶性重合体が要望されるケースも多く、その製造技術について、これまで特許文献1、2等、種々の報告がなされている。
しかし、これらアニオン性水溶性重合体分散液の製造時に、一般的に無機塩として硫酸アンモニウムが使用されているが、分散液を構成する硫酸アンモニウム塩由来の全窒素含有量は、75000ppm(対水溶性重合体分散液製品)程度は含まれている。この全窒素含有量は、農作物に対して大きな影響力を持つ。植物はアンモニウム態窒素又は硝酸態窒素の形で窒素を吸収してその生育に利用する。しかし、窒素過多になるとかえって悪影響を与えることが知られており、含有量の低減が求められている。又、平成26年の水質汚濁防止法改正に伴いアンモニウム化合物が有害物質に指定されていることから硫酸アンモニウムを削減することができるアニオン性水溶性重合体分散液、特に汎用性が高い高分子量のアニオン性水溶性重合体の凝集処理剤が要望されている。
特表2001-508473号公報 特開2002-302521号公報
本発明は、塩水溶液中、高分子分散剤共存下、分散重合法により得られるアニオン性水溶性重合体分散液であり、硫酸アンモニウムを使用せずに、優れた凝集処理効果を有するアニオン性水溶性重合体分散液を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため鋭意検討を行なった結果、重合時、硫酸マグネシウムを含有する塩水溶液中、特定の単量体を必須として含有する単量体あるいは単量体混合物を、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸又はその塩を構成単位とする高分子分散剤共存下、分散重合して得られたアニオン性水溶性重合体分散液が優れた凝集処理効果が得られることを見出し、本発明に至った。
本発明におけるアニオン性水溶性重合体分散液は、硫酸アンモニウムを使用しないため、環境に放出される塩由来の窒素分を抑制できる。更に高分子量のアニオン性水溶性重合体が得られ、汚泥脱水並びに廃水処理用途で優れた凝集処理効果を発揮する。
本発明におけるアニオン性水溶性重合体分散液は、塩水溶液中で、下記一般式(1)で表される単量体を必須として含有する単量体あるいは単量体混合物水溶液を、該塩水溶液中に可溶な高分子分散剤を共存させ、攪拌下、分散重合して得られるアニオン性水溶性重合体分散液である。
Figure 2023047379000001
一般式(1)
は水素、メチル基又はカルボキシメチル基、QはSO、CSO、CONHC(CHCHSO、CCOOあるいはCOO、Rは水素又はCOOY、YあるいはYは水素又は陽イオンをそれぞれ表わす。
本発明におけるアニオン性水溶性重合体分散液を製造する際に使用する前記一般式(1)で表されるアニオン性単量体は1~100モル%の範囲である。アニオン性基の効果が得られ高分子量のものを得るには、5~80モル%が好ましく、5~60モル%が更に好ましい。アニオン性単量体の例としては、ビニルスルホン酸、ビニルベンゼンスルホン酸あるいは2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フタル酸あるいはp-カルボキシスチレン酸等とそれらの塩が挙げられる。これらを二種以上組み合わせて使用しても良い。製造時、アニオン性単量体を水酸化ナトリウム等のアルカリ金属の水酸化物やアミン類等の様なアルカリ物質によって任意の中和度により中和して重合することができる。
一般式(1)で表されるアニオン性単量体と非イオン性単量体を使用しても良い。一般式(1)で表されるアニオン性単量体と非イオン性単量体を共重合させる場合に使用する非イオン性単量体としては、(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシエチル、ジアセトンアクリルアミド、N-ビニルピロリドン、N-ビニルホルムアミド、N-ビニルアセトアミド、アクリロイルモルホリン等が挙げられる。これらを二種以上組み合わせて使用しても良い。
本発明における水溶性重合体分散液を製造する際に、アニオン性基の効果を阻害しない範囲内において、カチオン性単量体を使用することができる。
カチオン性単量体としては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートあるいはジメチルアミノプロピルアクリルアミドの塩化メチルや塩化エチルなど低級アルキル基のハロゲン化物による四級化物である。例えば、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルアミノプロピルジメチルベンジルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルオキシ-2-ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム塩化物等である。これらを二種以上、組み合わせても差し支えない。カチオン性単量体は10モル%未満が好ましく、5モル%未満が更に好ましい。又、一般式(1)で表されるアニオン性単量体とカチオン性単量体と非イオン性単量体を共重合させても良い。
本発明における塩水中分散重合は、特開昭62-20511号公報、特開平10-212320号公報あるいは特開2004-231822号公報等で開示されている常法により製造することができる。本発明では、塩水溶液中において、該塩水溶液中に構成単位として2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸又はその塩を構成単位とする高分子分散剤を共存させ、無機塩として硫酸マグネシウムを用いて、一般式(1)で表される単量体を必須として含有する単量体あるいは単量体混合物水溶液を分散重合する。
分散重合する際に、重合遅延性物質を全単量体に対し0.5~5質量%添加することにより、増粘の抑制効果があり、適宜に添加して製造することができる。重合遅延性物質としては、イタコン酸、マレイン酸、フタル酸等が挙げられる。
塩水中分散重合に使用する高分子分散剤は、本発明においては、構成単位として2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸又はその塩を含有するものを使用する。ポリ2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸又はその塩でも良いが、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸又はその塩と非イオン性単量体との共重合体も使用可能である。非イオン性単量体の例としては、アクリルアミド、N-ビニルホルムアミド、N-ビニルアセトアミド、N-ビニルピロリドン、N、N-ジメチルアクリルアミド、アクリロニトリル、ジアセトンアクリルアミド、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等であるが、アクリルアミドとの共重合体が好ましい。又、その他のカチオン性単量体、例えば、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物などを高分子分散剤組成中に含有していても差し支えない。
高分子分散剤の分子量としては、高いと分散液の粘性が高くなり好ましくない。従って5,000~200万、好ましくは5万~100万である。高分子分散剤の添加率は、単量体に対して1~20質量%であり、好ましくは3~20質量%である。分散液に対して5質量%未満が好ましい。これは5質量%以上含有すると経済的に不利であり、高分子の機能を阻害する可能性が有るためである。
一般的に塩水中分散重合時に使用する無機塩としては、硫酸アンモニウムが使用されている。本発明では、重合時に使用する無機塩として硫酸マグネシウムを使用する。硫酸マグネシウムを必須として使用することで大きな増粘を抑制し、高分子量で分離安定性に優れる水溶性重合体分散液を製造することができる。水溶性重合体分散液総量に対して、5質量%以上で塩水溶液中飽和濃度に至る量を添加する。硫酸マグネシウムは7水和物等の水和物が好適に使用できる。
その他の塩として、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化リチウム、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム等が含有しても良いが、重合時無機塩の総量中、硫酸マグネシウムが50質量%以上である必要がある。好ましくは70質量%以上である。これら無機塩水溶液中に前記単量体類を溶解させ、更に高分子分散剤を共存させ、pHを2~5に調製した後、窒素置換後、重合開始剤によって重合を開始させる。
本発明は重合時の無機塩として硫酸マグネシウムを含有し、構成単位として2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸又はその塩を含有する高分子分散剤を使用することで増粘を抑制し、高分子量のアニオン性水溶性重合体分散液が、安定して製造できることを見出したものである。
重合時の無機塩として硫酸マグネシウムを含有し、構成単位として2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸又はその塩を含有する高分子分散剤を使用すると増粘を抑制する効果があることについては、理論的には不明な部分が多く解明できないが、現象面から推定すると以下の様になる。
即ち、塩水溶液中で重合が進行していくと、生成高分子濃度は、溶解度以上となり高分子粒子の析出が始まるが、その手前では溶解している高分子のため重合物自体(重合系)の粘性も増加し、溶解高分子と析出粒子が共存した状態になる。この後、析出した高分子の割合は増加していき、重合物は徐々に粘性が低下し、分散状態に相変化する。この共存状態時に、析出粒子とゲル状の溶解高分子間における滑りを向上させ、相変化前の増粘状態から分散状態への相変化をスムーズに移行させるのが、相移行期における分散剤の主な役目と考えられる。重合の初期段階では、分散剤の構成単位である2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸又はその塩の作用により、生成高分子の比較的低分子量の相分離に関与し、相変化を円滑に進行させ、重合の後半では塩析力の強い硫酸マグネシウムの作用により生成高分子の比較的高分子量のものとの塩析効果を促進する結果、高分子分散液が安定して製造できると考えられる。これらは、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸又はその塩の相変化を円滑にする作用と、硫酸マグネシウムの塩析効果促進作用の相乗効果と考えられる。
本発明の様な水溶性重合体分散液の無機塩として、一般的に硫酸アンモニウムが好適に使用されているが、汎用品では硫酸アンモニウム塩由来の全窒素含有量は、75000ppm(対水溶性重合体分散液製品)程度は含まれている。この硫酸アンモニウム塩由来の窒素を無くすことで、全窒素含有量を20000ppm(対水溶性重合体分散液製品)程度にまで低減することができる。全窒素含有量は、農作物に対して大きな影響力を持つ。植物はアンモニウム態窒素又は硝酸態窒素の形で窒素を吸収してその生育に利用されるが、窒素過多になるとかえって悪影響を与えることが知られており、含有量の低減が求められている。又、平成26年の水質汚濁防止法改正に伴いアンモニウム化合物が有害物質に指定されていることから環境に与える影響が懸念されており、本発明の水溶性重合体分散液は、硫酸アンモニウムを使用しないので極めて有用である。
重合濃度としては、単量体濃度として2質量%~25質量%である。これは単量体濃度が低いと実用性が低く、単量体濃度が高い程、輸送コストの問題で経済的に有利であるが、単量体濃度が25質量%を超えると製造時に増粘が大きくなり分散液が得られ難くなるためである。好ましくは5質量%~20質量%である。単量体供給方法としては、重合開始時、一括して仕込んでも良いし、適宜分割して仕込んでも良い。
重合条件は通常、使用する単量体や共重合モル%によって適宜決定し、温度としては0~100℃の範囲で行う。重合開始はラジカル重合開始剤を使用する。これら開始剤は油溶性あるいは水溶性のどちらでも良く、アゾ系、過酸化物系、レドックス系の何れでも重合することが可能である。油溶性アゾ系開始剤の例としては、2、2’-アゾビスイソブチロニトリル、1、1’-アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2、2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、2、2’-アゾビス(2-メチルプロピオネート)、2、2’-アゾビス(4-メトキシ-2、4-ジメチル)バレロニトリル等が挙げられ、水混溶性溶剤に溶解し添加する。
水溶性アゾ系開始剤の例としては、2,2’-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]二塩酸塩、2、2’-アゾビス(2-アミジノプロパン)二塩酸塩、4、4’-アゾビス(4-シアノ吉草酸)等が挙げられる。又、レドックス系の例としては、過硫酸アンモニウムと亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、トリメチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン等との組み合わせが挙げられる。更に過酸化物の例としては、過硫酸アンモニウム或いはカリウム、過酸化水素、ベンゾイルペルオキサイド、ラウロイルペルオキサイド、オクタノイルペルオキサイド、サクシニックペルオキサイド、t-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエート等を挙げることができる。
アゾ系開始剤あるいは過酸化物系開始剤の添加率は、重合開始時、単量体当たり50~500ppm、好ましくは70~200ppm添加する。しかし、一回の添加では重合率が低くなるので、数回に分けて添加することが好ましい。
レドックス系開始剤で共重合する場合、40℃以上の条件で重合を開始させると重合の制御は難しく、急激な温度上昇や重合液の塊状化などが起きて、高重合度で安定な分散液が得られないため、15~35℃が好ましい。この開始剤の添加率は、重合開始時、単量体当たり5~100ppm、好ましくは10~100ppm添加する。しかし、一回の添加では重合率が低くなるので、数回添加することが好ましい。添加回数としては、2~5回、好ましくは2~3回である。
又、重合度を調節するためギ酸ナトリウム、イソプロピルアルコール等を対単量体0.1~5質量%併用すると効果的である。
重合反応終了後は、塩を追加して製品の安定化を調整することができる。追加する塩としては、硫酸マグネシウムでも良いが、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化リチウム、硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウムなども使用できる。又、併用しても良い。特に硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウムから選択される一種以上が好ましい。これら追加する塩は、水溶性重合体分散液総量に対して1~10質量%の範囲で添加する。
本発明における凝集処理剤を汚泥脱水用途として汚泥種は、製紙排水、化学工業排水、食品工業排水などの生物処理したときに発生する余剰汚泥、あるいは都市下水、し尿、産業排水の処理で生じる有機性汚泥(いわゆる生汚泥、余剰汚泥、混合生汚泥、消化汚泥、凝沈・浮上汚泥およびこれらの混合物)等で適用可能であるが、特に製鉄、土木工事、廃棄物処理等から発生する無機系汚泥に有効である。これら汚泥に任意の濃度に水で希釈して添加される。0.01~1.0質量%の範囲が好ましい。汚泥に対する添加率は、汚泥種、脱水機種によっても異なるが、汚泥液量に対し1~1000ppmである。使用する脱水機の種類は、ベルトプレス、遠心脱水機、スクリュープレス、多重円板型脱水機、ロータリープレス、フィルタープレス等に対応できる。
本発明における凝集処理剤を廃水処理用途として適用する際は、対象とする廃水に添加、混合し凝集させた後、固液分離するが、廃水の懸濁物質の種類によって凝集沈殿処理あるいは凝集浮上処理が可能である。
適用する廃水は、自動車製造工場、機械製造工場、半導体製造工場、製鉄工場、紙パルプ製造業、クリーニング、砂利産業、化学工場、食品製造工場、印刷工場、整備工場、製油工場、廃棄物処理工場等の各種産業廃水に適用可能である。特に本発明における凝集処理剤をアルカリ剤と併用して処理すると有効な場合がある。例えば、半導体製造工場やその関連工場等から排出されるフッ化水素やフッ化アンモニウム等のフッ素含有廃水、製鉄所のコークス製造工程、金属メッキ工場、化学工場等から排出されるシアン含有廃水、ゴミ焼却場、製鉄工場から排出される洗煙廃水、あるいはメッキ洗浄廃水等の金属含有水を処理する際の水酸化物沈殿法において、それぞれアルカリ剤使用による高アルカリ化処理が必要であり、これら廃水処理において本発明における凝集処理剤を添加する処理方法が有効である。アルカリ剤は、消石灰(水酸化カルシウム)、苛性ソーダ、炭酸ソーダ、炭酸カリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。これらの中から一種あるいは二種以上を組み合わせて使用することができる。
前記廃水の中でも特にフッ素含有廃水の処理についてはカルシウム化合物である消石灰を添加し、フッ化カルシウムを形成させ、本発明におけるアニオン性水溶性重合体分散液の凝集処理によりフッ素も処理することができ極めて有効である。
アルカリ剤を併用する場合、アニオン性水溶性重合体分散液の添加順序は同時、あるいはどちらを先に添加しても良いが、アルカリ剤を添加後にアニオン性水溶性重合体分散液を添加する方が好ましい。アルカリ剤の添加率としては、廃水の種類や性状によって変わってくるが、廃水液量に対して、5~5000ppmであり、10~1000ppmが好ましく適用できる範囲である。廃水のpHを中性から弱アルカリ域にすることにより処理効果が高まり、pH6~11が好ましく、pH7~11が更に好ましく、pH8~11がより一層好ましい範囲である。
本発明における水溶性重合体分散液は、溶解性が優れるため製品のままの状態で添加することもできるし、任意の濃度に水で溶解、希釈して廃水に添加できる。溶解する場合は、一般的に溶解濃度0.05~0.3質量%を適用する。又、廃水に対する添加率は、廃水に対して通常1~100ppm、好ましくは2~50ppmである。又、塩化第二鉄、硫酸第二鉄、PAC、硫酸バンド等の無機系凝集剤と併用しても差し支えない。
本発明における水溶性重合体分散液の分子量の指標となる0.4質量%塩水溶液粘度、即ち、分散液を構成する水溶性重合体の25℃で測定した0.4質量%における、4質量%塩化ナトリウム水溶液中(pH8.5に調製)の水溶液粘度では5~200mPa・sの範囲である。高分子量のアニオン性水溶性高分子重合体が要望される場合が多く、その場合では、アニオン性単量体は10~60モル%が汎用され、0.4質量%における、4質量%塩化ナトリウム水溶液中の水溶液粘度が20~200mPa・sが好ましく、50~200mPa・sがより好ましく、80~200mPa・sがより一層好ましい。尚、0.4質量%塩水溶液粘度は、B型粘度計(東機産業TVB-10M等)において2号ローター、60rpmで測定した値である。
又、水溶性重合体分散液の25℃において測定した0.5質量%における、4質量%塩化ナトリウム水溶液中(pH8.5に調製)の固有粘度は、10~30dl/gの範囲が好ましい。
以下に本発明におけるアニオン性水溶性重合体分散液からなる凝集処理剤について具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
先ず、本発明におけるアニオン性水溶性重合体分散液の製造例を示す。
(製造例1)アンカー翼撹拌機、冷却管及び窒素導入管を備えた0.5Lのセパラブルフラスコに脱塩水91.4g、硫酸マグネシウム7水和物71.8gを加え、撹拌下均一に溶解した。次に、80質量%アクリル酸15.9g、48質量%水酸化ナトリウム2.4g、50質量%アクリルアミド58.6g、ギ酸ナトリウム0.4g、イタコン酸0.4g、15質量%ポリ2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸ナトリウム15.4gを加え均一溶液とし、33℃の湯浴に浸し温度を安定化させた。次に、窒素雰囲気下、4質量%の過硫酸アンモニウム水溶液と4質量%の亜硫酸水素ナトリウム水溶液を重合開始剤として対単量体あたり55ppm添加し、撹拌下30℃で10時間重合した。その後、上記重合開始剤を300ppm添加して、5時間重合した。反応終了後、得られた分散液に硫酸ナトリウム5.0gと硫酸マグネシウム7水和物38.8gとチオ硫酸ナトリウム0.9gを加え、溶け残りがなくなるまで撹拌して水溶性重合体分散液を得た。この水溶性重合体のモル組成比は、アクリルアミド/アクリル酸=70/30モル%となる。この分散液の粘度は390mPa・sで、4質量%塩化ナトリウム水溶液に水溶性重合体分散液を0.4質量%濃度に溶かした時の粘度は120mPa・sであった。この水溶性重合体分散液の全窒素含有量は理論値としては19650ppm(対分散液)となる。又、遠心分離操作を行い、分離安定性試験を実施した。これを製造例1として表1に示す。
(製造例2)アンカー翼撹拌機、冷却管及び窒素導入管を備えた0.5Lのセパラブルフラスコに脱塩水65.0g、硫酸マグネシウム7水和物67.7gを加え、撹拌下均一に溶解した。次に、80質量%アクリル酸21.6g、48質量%水酸化ナトリウム3.2g、50質量%アクリルアミド79.5g、ギ酸ナトリウム0.4g、イタコン酸0.6g、15質量%ポリ2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸ナトリウム20.9gを加え均一溶液とし、33℃の湯浴に浸し温度を安定化させた。次に、窒素雰囲気下、4質量%の過硫酸アンモニウム水溶液と4質量%の亜硫酸水素ナトリウム水溶液を重合開始剤として対単量体あたり55ppm添加し、撹拌下30℃で10時間重合した。その後、上記重合開始剤を300ppm添加して、5時間重合した。反応終了後、得られた分散液に硫酸ナトリウム4.7gと硫酸マグネシウム7水和物36.5gとチオ硫酸ナトリウム0.9gを加え、溶け残りがなくなるまで撹拌して水溶性重合体分散液を得た。この水溶性重合体のモル組成比は、アクリルアミド/アクリル酸=70/30モル%となる。この分散液の粘度は1050mPa・sで、4質量%塩化ナトリウム水溶液に水溶性重合体分散液を0.4質量%濃度に溶かした時の粘度は131mPa・sであった。この水溶性重合体分散液の全窒素含有量は理論値としては26670ppm(対分散液)となる。又、遠心分離操作を行い、分離安定性試験を実施した。これを製造例2として表1に示す。
(製造例3)アンカー翼撹拌機、冷却管及び窒素導入管を備えた0.5Lのセパラブルフラスコに脱塩水114.3g、硫酸マグネシウム7水和物75.2gを加え、撹拌下均一に溶解した。次に、80質量%アクリル酸15.1g、48質量%水酸化ナトリウム2.2g、50質量%アクリルアミド35.8g、ギ酸ナトリウム0.4g、イタコン酸0.3g、15質量%ポリ2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸ナトリウム10.8gを加え均一溶液とし、33℃の湯浴に浸し温度を安定化させた。次に、窒素雰囲気下、4質量%の過硫酸アンモニウム水溶液と4質量%の亜硫酸水素ナトリウム水溶液を重合開始剤として対単量体あたり55ppm添加し、撹拌下30℃で10時間重合した。その後、上記重合開始剤を300ppm添加して、5時間重合した。反応終了後、得られた分散液に硫酸ナトリウム5.3gと硫酸マグネシウム7水和物40.6gとチオ硫酸ナトリウム0.9gを加え、溶け残りがなくなるまで撹拌して水溶性重合体分散液を得た。この水溶性重合体のモル組成比は、アクリルアミド/アクリル酸=60/40モル%となる。この分散液の粘度は183mPa・sで、4質量%塩化ナトリウム水溶液に水溶性重合体分散液を0.4質量%濃度に溶かした時の粘度は46.6mPa・sであった。この水溶性重合体分散液の全窒素含有量は理論値としては12060ppm(対分散液)となる。又、遠心分離操作を行い、分離安定性試験を実施した。これを実施例3として表1に示す。
(製造例4)アンカー翼撹拌機、冷却管及び窒素導入管を備えた0.5Lのセパラブルフラスコに脱塩水116.5g、硫酸マグネシウム7水和物75.2gを加え、撹拌下均一に溶解した。次に、80質量%アクリル酸26.4g、48質量%水酸化ナトリウム7.8g、50質量%アクリルアミド17.8g、ギ酸ナトリウム0.4g、イタコン酸0.3g、15質量%ポリ2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸ナトリウム12.0gを加え均一溶液とし、33℃の湯浴に浸し温度を安定化させた。次に、窒素雰囲気下、4質量%の過硫酸アンモニウム水溶液と4質量%の亜硫酸水素ナトリウム水溶液を重合開始剤として対単量体あたり55ppm添加し、撹拌下30℃で10時間重合した。その後、上記重合開始剤を300ppm添加して、5時間重合した。反応終了後、得られた分散液に硫酸ナトリウム5.3gとチオ硫酸ナトリウム0.8gを加え、溶け残りがなくなるまで撹拌して水溶性重合体分散液を得た。この水溶性重合体のモル組成比は、アクリルアミド/アクリル酸=30/70モル%となる。この分散液の粘度は250mPa・sで、4質量%塩化ナトリウム水溶液に水溶性重合体分散液を0.4質量%濃度に溶かした時の粘度は25.3mPa・sであった。この水溶性重合体分散液の全窒素含有量は理論値としては7120ppm(対分散液)となる。又、遠心分離操作を行い、分離安定性試験を実施した。これを製造例4として表1に示す。
(製造例5)アンカー翼撹拌機、冷却管及び窒素導入管を備えた0.5Lのセパラブルフラスコに脱塩水91.4g、硫酸マグネシウム7水和物71.8gを加え、撹拌下均一に溶解した。次に、80質量%アクリル酸15.9g、48質量%水酸化ナトリウム2.4g、50質量%アクリルアミド58.6g、ギ酸ナトリウム0.4g、イタコン酸0.4g、15質量%アクリルアミド/2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸ナトリウム(5/95モル%)共重合体15.4gを加え均一溶液とし、33℃の湯浴に浸し温度を安定化させた。次に、窒素雰囲気下、4質量%の過硫酸アンモニウム水溶液と4質量%の亜硫酸水素ナトリウム水溶液を重合開始剤として対単量体あたり55ppm添加し、撹拌下30℃で10時間重合した。その後、上記重合開始剤を300ppm添加して、5時間重合した。反応終了後、得られた分散液に硫酸ナトリウム5.0gと硫酸マグネシウム7水和物38.8gとチオ硫酸ナトリウム0.9gを加え、溶け残りがなくなるまで撹拌して水溶性重合体分散液を得た。この水溶性重合体のモル組成比は、アクリルアミド/アクリル酸=70/30モル%となる。この分散液の粘度は180mPa・sで、4質量%塩化ナトリウム水溶液に水溶性重合体分散液を0.4質量%濃度に溶かした時の粘度は120mPa・sであった。この水溶性重合体分散液の全窒素含有量は理論値としては19650ppm(対分散液)となる。又、遠心分離操作を行い、分離安定性試験を実施した。これを製造例5として表1に示す。
(比較製造例1~2)尚、製造例1と同様に同じ単量体組成、重合条件で、それ以外の高分子分散剤、重合時塩、単量体濃度、あるいは無機塩濃度を変更したものを製造した。これらを比較製造例1~2として表1に示す。尚、比較製造例1は反応途中、反応液の粘度が上昇し撹拌困難となり固化した。又、比較製造例2の水溶性重合体分散液の全窒素含有量は理論値としては74870ppm(対分散液)となる。
(表1)
Figure 2023047379000002
単量体組成;AAM:アクリルアミド、AAC:アクリル酸
高分子分散剤;
p-AMPS:ポリ2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸ナトリウム
AAM/AMPS:アクリルアミド/2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸ナトリウム(5/95モル%)共重合体
p-AAC:ポリアクリル酸、高分子分散剤添加率(質量%):対単量体
重合時塩:a;硫酸マグネシウム7水和物、b;硫酸アンモニウム
単量体濃度:水溶性重合体分散液に対する単量体の質量割合
無機塩濃度:水溶性重合体分散液に対する無機塩の質量割合
分散液粘度:水溶性重合体分散液の25℃において測定した粘度
0.4質量%塩水溶液粘度:4質量%塩化ナトリウム水中に高分子濃度が0.4質量%になるように溶解したときの25℃において測定した粘度(pH8.5)。
固有粘度:水溶性重合体分散液の25℃において測定した0.5質量%における、4質量%食塩水溶液中の固有粘度(pH8.5)
重合時の無機塩として硫酸マグネシウム、分散剤として2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸又はその塩を構成単位とする高分子を使用して得られたアニオン性水溶性重合体分散液の実施例1~5では、重合時に硫酸アンモニウムを使用しなくても増粘を抑制でき、製品安定性が良好なアニオン性水溶性重合体分散液が得られた。
(実施例1)
製造例1を本発明におけるアニオン性水溶性重合体分散液からなる凝集処理剤試料Aとして試験に用いた。
(比較例1)比較製造例2を凝集処理剤試料Bとして試験に用いた。これは、アニオン性水溶性重合体分散液として汎用されている組成、物性の範囲のものである。又、各種凝集処理剤試料1~9を調製、準備した。これらを表2に示す。
(表2)
Figure 2023047379000003
単量体組成;AAC:アクリル酸、AAM:アクリルアミド、DMQ:アクリロイルオキシエチルジメチルアンモニウム塩化物、DMBZ:アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウム塩化物
形態;EM:油中水型エマルジョン、P:粉末、DR:塩水液中分散重合液
(実施試験例1)
廃棄物処理工場より発生する化学無機系凝沈汚泥(pH8.6、電気伝導度6340mS/m、SS分13500mg/L、VSS18.5質量%/SS、VTS10.9質量%/TS、M-アルカリ度190mg/L、アニオン量2.42meq/L)について脱水試験を実施した。汚泥200mLをポリビーカーに採取し、実施例1の凝集処理剤試料Aの0.2質量%水溶液を対汚泥液量40ppmあるいは70ppm添加(ポリマー純分)、スパチュラで50回撹拌後、40メッシュにて濾過し濾液量を測定した。その後、ナイロン製濾布(#202)を用いて汚泥をプレス圧4Kg/cmで60秒間脱水し、ケーキ含水率(105℃で20時間乾燥)を測定した。これらの結果を表3に示す。
(比較試験例1)
実施試験例1と同じ汚泥を対象に同様な試験を凝集処理剤試料Bあるいは表2の凝集処理剤試料を用いて実施した。それらの結果を表3に示す。
(表3)
Figure 2023047379000004
(実施試験例2)
廃棄物処理工場より発生する化学無機系凝沈汚泥(pH8.5、電気伝導度4590mS/m、SS分27500mg/L、VSS19.1質量%/SS、VTS6.4質量%/TS、M-アルカリ度3200mg/L、アニオン量4.48meq/L)について脱水試験を実施した。汚泥100mLをポリビーカーに採取し、実施例1の凝集処理剤試料Aの0.2質量%水溶液を対汚泥液量40ppmあるいは70ppm添加(ポリマー純分)、スパチュラで50回撹拌後、40メッシュにて濾過し濾液量を測定した。その後、ナイロン製濾布(#202)を用いて汚泥をプレス圧4Kg/cmで60秒間脱水し、ケーキ含水率(105℃で20時間乾燥)を測定した。これらの結果を表4に示す。
(比較試験例2)
実施試験例2と同じ汚泥を対象に同様な試験を凝集処理剤試料Bあるいは表2の凝集処理剤試料を用いて実施した。それらの結果を表4に示す。
(表4)
Figure 2023047379000005
本発明におけるアニオン性水溶性重合体分散液を汚泥に添加し、脱水処理することで従来のアニオン性水溶性重合体分散液やその他の形態のアニオン性水溶性重合体に比べても、汚泥脱水性能が優れた。特に従来のアニオン性水溶性重合体分散液試料Bより効果が優れることから、アンモニウム化合物の環境への放出を抑制でき極めて有用である。
(実施試験例3)
機械製造工場より発生する酸洗浄廃水(pH7.6、SS分83mg/L、濁度94NTU)について、シリンダーテストによる沈降性試験を実施した。廃水200mLをポリビーカーに採取、硫酸バンド(無機系凝集剤)、苛性ソーダを所定量添加(対廃水液量)、pH測定、実施例1の凝集処理剤試料Aの0.2質量%溶解液を廃水液量に対して1ppm添加後、シリンダーを左右に強振5回、弱振5回実施後、シリンダーを静置、30分後の沈降界面容積とフロックの沈降速度を測定、上澄み液の濁度を測定した。又、アルカリ剤の種類を替えて、あるいは無添加で同様な試験を実施した。これらの結果を表5に示す。
(比較試験例3)
実施試験例3と同じ廃水を対象に同様な試験を凝集処理剤試料Bあるいは表2の凝集処理剤試料を用いて実施した。それらの結果を表5に示す。
(表5)
Figure 2023047379000006
(実施試験例4)
食品製造工場より発生する食品凝沈廃水(pH4.2、SS分174mg/L、濁度266NTU)について、ジャーテスターによる沈降性試験を実施した。廃水200mLをポリビーカーに採取、硫酸バンド(無機系凝集剤)、苛性ソーダを所定量添加(対廃水液量)、pH測定、実施例1の凝集処理剤試料Aの0.2質量%溶解液を廃水液量に対して1ppm添加後、150rpm60秒、150rpm30秒、40rpm30秒攪拌、フロックの沈降速度、5分間静置後の上澄み液の濁度、SV(スラッジボリューム)を測定した。又、アルカリ剤の種類を替えて同様な試験を実施した。これらの結果を表6に示す。
(比較試験例4)
実施試験例4と同じ廃水を対象に同様な試験を凝集処理剤試料Bあるいは表2の凝集処理剤試料を用いて実施した。それらの結果を表6に示す。
(表6)
Figure 2023047379000007
本発明におけるアニオン性水溶性重合体分散液を廃水に添加し、凝集処理することで従来のアニオン性水溶性重合体分散液やその他の形態のアニオン性水溶性重合体に比べても、廃水処理性能が優れた。特に従来のアニオン性水溶性重合体分散液試料Bより効果が優れることから、アンモニウム化合物の環境への放出を抑制でき極めて有用である。















Claims (6)

  1. 硫酸マグネシウムを含有する塩水溶液中で、下記一般式(1)で表される単量体を必須として含有する単量体あるいは単量体混合物水溶液を、該塩水溶液中に2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸又はその塩を構成単位とする高分子分散剤を共存させ、攪拌下、分散重合して得られるアニオン性水溶性重合体分散液からなる凝集処理剤。
    Figure 2023047379000008
    一般式(1)
    は水素、メチル基又はカルボキシメチル基、QはSO、CSO、CONHC(CHCHSO、CCOOあるいはCOO、Rは水素又はCOOY、YあるいはYは水素又は陽イオンをそれぞれ表わす。
  2. 前記アニオン性水溶性重合体の25℃で測定した0.4質量%における、4質量%塩化ナトリウム水溶液粘度が20~200mPa・sの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の凝集処理剤。
  3. 前記請求項1あるいは2に記載の凝集処理剤を汚泥に添加し、脱水することを特徴とする汚泥の脱水方法。
  4. 前記請求項1あるいは2に記載の凝集処理剤を廃水に添加し、凝集処理することを特徴とする廃水の処理方法。
  5. 前記廃水にアルカリ剤を併用することを特徴とする請求項4に記載の廃水の処理方法。
  6. 前記アルカリ剤が、消石灰、苛性ソーダ、炭酸ソーダ、炭酸カリウム及び水酸化カリウムから選択される一種以上であることを特徴とする請求項5に記載の廃水の処理方法。
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