JP2013180260A - 廃水処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】無機凝結剤を添加せず、或は添加量を低減し、清澄度の高い処理水を得る廃水処理方法を提供する。
【解決手段】少なくとも、一般式(1)CH=CR−CO−X−Q−N・Z(1)で表されるカチオン性モノマーに由来する構成単位を50〜100モル%含有し、かつ30℃で測定した場合の固有粘度が3〜8dl/gである水溶性重合体からなる有機凝結剤を廃水に添加、混合して1次凝集フロックを形成する1次凝集工程と、前記1次凝集フロックを形成した廃水に、高分子凝集剤を添加、混合して2次凝集フロックを形成する2次凝集工程と、を含む廃水処理方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、有機凝結剤を用いる廃水処理方法に関する。
従来、廃水処理方法として、廃水に無機凝結剤を添加混合し、さらに高分子凝集剤を添加混合することにより、廃水中の懸濁物を凝集沈殿させる方法が行われている。かかる廃水処理方法では、凝結剤の荷電中和作用により廃水中の懸濁物の表面電荷を中和し、懸濁物同士の反発力を小さくする。これにより懸濁物を凝結させて1次凝集フロックを形成し、さらに高分子凝集剤を加えることにより2次凝集フロックを形成させ、これを固液分離することにより懸濁物を除去する。しかし、この方法は多量の無機凝結剤が必要となるため、廃水処理後の固液分離で生じるスラッジ量が増大し、処理コストが上昇する。
凝結剤の添加量を低減するため、無機凝結剤に代わり有機凝結剤を使用することが検討されている。特許文献1には、固有粘度が0.05〜1.0dl/gであるポリジメチルアミノアルキル(メタ)アクリレート等を使用した脱墨廃水の処理方法が記載されている(請求項1)。特許文献2には、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドを有機凝結剤として使用した廃水処理の方法が記載されている(請求項2)。特許文献3には、アルキレンジアミン類とエピハロヒドリンを反応して得られる有機凝結剤による廃水処理について記載されている(請求項1)。また、特許文献4には、原水にポリアミン等の有機凝結剤、または無機凝結剤と有機凝結剤とを添加、混合した後、高分子凝集剤を添加、混合する浄水の処理方法が記載されている(要約)。
有機凝結剤を用いる場合、廃水に対する添加量は、無機凝結剤の添加量と比較して少量である。しかし、形成されるフロックのフロック径や凝沈速度などで評価される凝集性能や、処理水の清澄性(濁度、懸濁物(SS)質量)はいまだ十分であるとは言えない。また、有機凝結剤を大量に使用した場合は、コスト上の問題も生じる。従って有機凝結剤を使用する廃水処理方法においては、更に有機凝結剤の添加量を抑制し、凝集性能や処理水の清澄性(濁度、懸濁物(SS)質量)を向上させることが求められている。
特開平10−118660号公報 特開2001−38104号公報 特開2009−125649号公報 特開2002−346572号公報
本発明の目的は、上記の課題を解決し、無機凝結剤を添加せず、或は添加量を低減し、かつ清澄性の高い処理水を得ることができる廃水処理方法を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題に鑑み鋭意検討を続け、所定の有機凝結剤がカチオン性に基づく荷電中和作用と吸着作用とにより、優れた凝結性能を発現することを見いだした。
無機凝結剤の凝結作用は、主にそのカチオン性による荷電中和作用に基づくものであることから、従来の有機凝結剤は、高カチオン性で固有粘度が3dl/g未満の比較的低分子量の水溶性高分子について研究開発が行われてきた。しかし本発明者らが、従来の有機凝結剤に比べて高分子量である固有粘度3dl/g以上で、特定の構造を持ったカチオン性水溶性高分子からなる有機凝結剤について検討を行ったところ、これらの化合物はカチオン性に基づく荷電中和作用の他に、高分子であることによる吸着・架橋作用に基づく凝結作用も発揮することから、その相乗効果によって従来の低分子量の有機凝結剤に比べて優れた凝結作用を発現することを見出した。
本発明者らは、固有粘度3〜8dl/gの所定の化学構造を持ったカチオン性水溶性高分子からなる有機凝結剤に関する知見に基づき、本発明の廃水処理方法を完成するに至った。
本発明は、工業廃水、無機物質懸濁廃水等に対し、少なくとも1次凝集工程と2次凝集工程とを行う廃水処理方法である。1次凝集工程では、少なくとも所定の有機凝結剤を廃水に添加混合して1次凝集フロックを形成する。所定の有機凝結剤と無機凝結剤とを併用してもよい。2次凝集工程では、1次凝集フロックが形成された廃水に、さらに高分子凝集剤を添加混合し、1次凝集フロックを粗大化させて2次凝集フロックを形成する。形成された2次凝集フロックを固液分離して清澄な処理水を得る。本発明を以下に記載する。
[1]少なくとも、一般式(1)
(化1)
CH =CR −CO−X−Q−N ・Z (1)
[式中、XはOまたはNH;Qは炭素数1〜4のアルキレン基または炭素数2〜4のヒドロキシアルキレン基;RはHまたはメチル基;R は炭素数1〜3のアルキル基、R、Rはそれぞれ独立にH、炭素数1〜3のアルキル基、Zは対アニオンを表す。]
で表されるカチオン性モノマーに由来する構成単位を50〜100モル%含有し、かつ30℃で測定した場合の固有粘度が3〜8dl/gである水溶性重合体からなる有機凝結剤を廃水に添加、混合して1次凝集フロックを形成する1次凝集工程と、前記1次凝集フロックを形成した廃水に、さらに高分子凝集剤を添加、混合して2次凝集フロックを形成する2次凝集工程と、を含むことを特徴とする廃水処理方法。
[2]前記1次凝集工程で、さらに無機凝結剤を廃水に添加、混合する[1]に記載の廃水処理方法。
[3]前記カチオン性モノマーが、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートの塩化メチル4級化物である[1]または[2]のいずれかに記載の廃水処理方法。
[4]廃水が無機物質懸濁廃水である[1]ないし[3]のいずれかに記載の廃水処理方法。
[5]廃水が製紙廃水又は食品加工工場廃水である[2]または[3]に記載の廃水処理方法。
本発明は、無機凝結剤を添加しないで、または無機凝結剤の添加量を少量に抑制し、かつ清澄性の高い処理水を得ることができる。
以下、本発明の廃水処理方法の詳細について記載する。
本発明の処理対象となる廃水には産業廃水、無機物質懸濁廃水等が含まれる。廃水については後に詳説する。
(1)1次凝集工程
本発明の1次凝集工程では、廃水に所定の有機凝結剤を添加する。
廃水に所定の有機凝結剤を添加し、通常の凝集沈殿法と同様にして撹拌することにより、廃水中のSS等が凝集して1次凝集フロックを形成する。
(1−1)有機凝結剤
本発明で用いられる有機凝結剤は、下記式(1)で表されるカチオン性モノマーに由来する構成単位を、カチオン性水溶性重合体の全構成単位に対して50〜100モル%含有し、かつ30℃で測定した場合の固有粘度が3〜8dl/gである水溶性重合体からなる。
(化1)
CH =CR −CO−X−Q−N ・Z (1)
式中、XはOまたはNH;Qは炭素数1〜4のアルキレン基または炭素数2〜4のヒドロキシアルキレン基;R はHまたはメチル基;Rは炭素数1〜3のアルキル基、R、R はそれぞれ独立にH、炭素数1〜3のアルキル基、Zは対アニオンを表す。対アニオンとしては、塩素イオン等のハロゲンイオン、硫酸イオン、硝酸イオン、リン酸イオン、メチルスルホン酸イオンを挙げることができる。
上記式(1)で表されるカチオン性モノマーの例としては、ジメチルアミノエチルアクリレート、及びジメチルアミノエチルメタクリレート(以下、両者をジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートと表す。以降、他のモノマーについても同様な構造類似体は(メタ)を付けて表す。) の塩、4級化物等を挙げることができる。好ましくは、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートの塩化メチル4級化物が用いられる。
本発明の水溶性重合体は、上記式(1)で表されるカチオン性モノマーを単独で重合させることにより得ることができる。2種類以上の該カチオン性モノマーを含有するモノマー混合物を重合させてもよい。
水溶性重合体におけるカチオン性モノマーの含有量は、カチオン性水溶性重合体の全構成単位に対し、50〜100モル%である。好ましくは80〜100モル%、より好ましくは90〜100モル%含有される。50モル%より少ない場合、清澄性の高い処理水を得ることができない。
上記式(1)で表されるカチオン性モノマーと、本発明の効果を損なわない限り他のモノマーとを共重合させてもよい。他のモノマーとしては、ラジカル重合性を有する種々の化合物を使用でき、ノニオン性モノマー、アニオン性モノマーおよび疎水性モノマーを挙げることができる。
ノニオン性モノマーとしては、(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド及びジエチル(メタ)アクリルアミド等のジアルキル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシルエチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、ジアルキルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド等を挙げることができる。これらの中でも、(メタ)アクリルアミドが好ましい。
アニオン性モノマーとしては、(メタ)アクリル酸及びその塩、クロトン酸、イタコン酸及びマレイン酸等の不飽和カルボン酸及びその塩、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等のアクリルアミドアルキルアルカンスルホン酸及びその塩、並びにビニルスルホン酸及びその塩が挙げられる。塩としては、アンモニウム塩、並びにナトリウム及びカリウム等のアルカリ金属塩を挙げることができる。
これらの中でも、(メタ)アクリル酸が好ましい。
疎水性モノマーとしては、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート及びビニルアセテート等を挙げることができる。
本発明に用いる水溶性重合体に含有可能なノニオン性モノマー、アニオン性モノマーおよび疎水性モノマーは、上記の所定のカチオン性モノマーとの共重合において、単独で使用でき、2種類以上を使用してもよい。
本発明で用いる水溶性重合体の重合方法は、公知のラジカル重合が好適である。公知のラジカル重合としては、塊状重合、懸濁重合、分散重合、エマルション重合、水溶液ゲル重合等を挙げることができる。製造コストや重合物の取り扱い易さの観点から、水溶液ゲル重合やエマルション重合が好ましい。
ラジカル重合における重合開始剤の例としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、過酢酸、t−ブチルハイドパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド等の過酸化物、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)2塩酸塩、アゾビスシアノバレリン酸、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド、アゾビスシアノバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系開始剤、過酸化水素、過硫酸ナトリウム等の過酸化物と、重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸カリウム、硫酸第一鉄、アスコルビン酸等還元剤との組み合わせからなるレドックス系開始剤、及び光重合開始剤等がある。本発明で用いる水溶性重合体の合成では、上記に例示した重合開始剤をラジカル重合方法に応じて適宜利用できる。重合開始剤の使用量は、水溶性重合体に含有される全モノマーの合計質量に対し0.001〜5質量%が好ましい。
上記の重合開始剤のほか、必要に応じて連鎖移動剤を使用してもよい。連鎖移動剤の例としては、メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類、メチルアミン、ジメチルアミン等のアミン類、メタンチオール、エタンチオール等のチオール類、メタリルスルホン酸およびその塩等を挙げることができる。
水溶液ゲル重合を行う場合、水溶性重合体は公知の重合条件で合成される。重合開始温度は0〜35℃が好ましく、重合時間は0.1〜3時間が好ましい。重合反応は酸素の存在しない不活性雰囲気で行うことが好ましい。重合反応終了後には、必要に応じて適宜熱処理や乾燥を行う。
エマルション重合を行う場合、本発明に用いる所定のモノマー、ラジカル開始剤および連鎖移動剤等を含有する水相と、非混和性の炭化水素からなる油状物質と、油中水滴型エマルションを形成させる有効量の界面活性剤とを用いて油中水滴型エマルションを形成させる。形成された油中水滴型エマルションを重合させることにより、本発明に用いる水溶性重合体を合成することができる。
油状物質としては、パラフィン類、各種鉱油、パラフィン類や各種鉱油と同等の特性を有する炭化水素系油、およびこれらの混合物を挙げることができる。油状物質の含有量は、油中水滴型エマルション全量に対して20質量%〜50質量%の範囲であり、好ましくは25質量%〜40質量%の範囲である。
界面活性剤は、HLBが3〜11であることが好ましい。そのような界面活性剤の例としては、ソルビタンモノオレート、ソルビタンモノステアレート等のノニオン性界面活性剤を挙げることができる。これらの界面活性剤の添加量は、油中水滴型エマルション全量に対して0.5〜10質量%が好ましく、1〜5質量%がより好ましい。
エマルション重合を行う場合の重合条件は、使用するモノマーや開始剤、重合体の物性に応じて適宜設定される。重合温度は0〜100℃が好ましく、20〜80℃がより好ましく、20〜60℃がさらに好ましい。モノマーの重合濃度は20〜50質量%が好ましく、25〜40質量%がより好ましい。重合時間は1〜10時間が好ましく、2〜6時間がより好ましい。重合反応は酸素の無い不活性雰囲気で行うことが好ましい。
上記に説明した重合方法を用いることにより、本発明の有機凝結剤に用いる水溶性重合体を合成することができる。合成された水溶性重合体の、30℃で測定した場合の固有粘度は、好ましくは3〜8dl/gであり、より好ましくは3〜7dl/gであり、さらに好ましくは3〜5dl/gである。固有粘度の調整は、重合度を調節することにより達成することができる。重合度の調節は、重合触媒濃度、連鎖移動剤の使用等、公知の方法により行うことができる。
かかる固有粘度を有する本発明の水溶性重合体は、従来の有機凝結剤と比較して高分子量である。そのため、廃水内の懸濁物表面に吸着・架橋作用を発揮する。これにより、本発明の1次凝集工程では、有機凝結剤の荷電中和作用で懸濁物表面の反発力を弱めると共に、有機凝結剤の吸着・架橋作用により懸濁物同士を凝集させることができ、従来の有機凝結剤に比べて少量の添加量で1次凝集フロックを形成することができる。従って、本発明は、有機凝結剤の使用コストの観点において有利である。
固有粘度が3dl/g未満である場合、有機凝結剤が十分に吸着・架橋作用を発揮することができず、所望の凝集性能を得ることができない。固有粘度が8dl/gを超える場合、微小SSを取りきれず廃水の処理性が悪化し、処理水の清澄性に悪影響を及ぼす。
廃水に添加される有機凝結剤の態様は、溶液、粉末、エマルション等、特に限定されないが水溶液であることが好ましい。
有機凝結剤の添加量は、廃水のpH、SS、溶解性物質濃度等、廃水の性状に応じて調整される。有機凝結剤の添加量は、廃水の量に対して固形分換算で通常0.1〜20mg/l、好ましくは0.5〜10mg/lである。無機凝結剤を併用する場合は、無機凝結剤の添加量も考慮される。例えば、有機凝結剤を使用することにより低減された無機凝結剤の量100質量部に対し、有機凝結剤の添加量を0.1〜20質量部とすることが好ましく、0.1〜10質量部とすることがより好ましい。無機凝結剤については、後に詳説する。
本発明の有機凝結剤は、本発明の効果を阻害しない範囲で、さらに消泡剤、酸化防止剤、pH調整剤等の添加剤を加えてもよい。
本発明は、上記の有機凝結剤を廃水に添加するため、無機凝結剤を大量に添加する必要がない。有機凝結剤の荷電中和作用および吸着・架橋作用により、無機凝結剤を添加しない場合や添加量が少量の場合にも十分に凝集性能が発揮され、所望の1次凝集フロックを形成することができる。
(1−2)他の凝結剤
本発明は、1次凝集工程において凝結作用を向上させるために、本発明の効果を阻害しない範囲で、さらに公知の無機凝結剤や、上記に説明した所定の有機凝結剤と異なる他の有機凝結剤を併用することができる。
公知の無機凝結剤の例としては、硫酸バンドやポリ塩化アルミニウム(PAC)、塩化アルミ、 塩化第2鉄、硫酸第1鉄、ポリ鉄、ポリシリカ鉄等を挙げることができる。これらの無機凝結剤は単独でも2種類以上用いてもよい。
無機凝結剤の添加量は、廃水のpH、SS、TS等、廃水の性状、本発明必須の有機凝結剤の添加量に応じて調整される。無機凝結剤の添加量は廃水の量に対して固形分換算で10〜2000mg/lが好ましく、50〜2000mg/lがより好ましい。廃水に添加される無機凝結剤の態様は、溶液、粉末等、特に限定されないが、水溶液であることが好ましい。
他の有機凝結剤の例としては、ジメチルアミンとエピクロロヒドリンとの縮合物、ポリエチレンイミン塩酸塩、ポリアリルアミン塩酸塩およびポリジメチルジアリルアンモニウムクロライド等を挙げることができる。
1次凝集工程で、上記(1−1)に説明した本発明必須の有機凝結剤と、無機凝結剤や他の有機凝結剤とを併用する場合、これらの廃水への添加順序は特に制限されない。本発明必須の有機凝結剤と、無機凝結剤や他の有機凝結剤とを個別に廃水に添加してもよく、予め混合して添加することもできる。本発明の有機凝結剤と無機凝結剤を併用する場合は、無機凝結剤を添加混合後、有機凝結剤を添加混合することが好ましい。
(1−3)廃水
本発明の処理対象となる廃水には、産業廃水、無機物質懸濁廃水等が含まれる。具体的には、自動車業、製鉄業等の工業廃水、クリーニング業廃水、金属加工業の廃液が挙げられる。金属加工業の廃液には、例えば、ダイキャスト鋳造、熱間鍛造で用いられる水溶性または水分散性の処理液や潤滑剤、切削油等を含む廃液が挙げられる。
他の例としては、半導体製造や液晶パネル製造における現像工程、剥離工程、エッチング工程、洗浄工程等で発生する電子産業廃水、塗装・染色工場で発生する有機性廃水、化学工場廃水、下水処理場等における下水の汚濁廃水がある。他に、食肉加工工場廃水、食品加工工場廃水がある。食品加工工場廃水には、有機質、油分が多く含まれる。
他の例として、動物や魚の血液等を含む畜産系処理水や、し尿及び有機性産業汚濁廃水がある。
さらに他の例として、地盤改良、トンネル掘削、ビル建設現場等で発生する工事・建設汚濁廃水、砂利採取、砂利砕石、河川、港湾等の工事現場で発生する浚渫泥漿等が挙げられる。一般的にこれらの廃水には無機懸濁物が多量に含まれる。
本発明は、製紙工業で発生する製紙廃水の処理に有効である。製紙廃水とは、古紙パルプを製造する際に排出される古紙パルプ製造廃水、クラフトパルプ(KP)を製造する際に排出されるクラフトパルプ製造廃水、機械パルプを製造する際に排出される機械パルプ製造廃水、塗料を紙に塗工する際に排出される塗工液廃水、パルプを抄紙する際に排出される抄紙工程廃水、塩素で漂白処理をした際に排出される晒し系廃水等である。さらにこれらの製紙廃水を活性汚泥処理した廃水、クラリファイヤー処理水、及びこれらを更に硫酸アルミニウム等で処理した廃水、さらに上述の各種製紙廃水や、冷却廃水等からなる総合廃水であってもよい。一般的に、前記製紙廃水には、繊維分、填料、顔料等の懸濁物質が含まれる。
(2)2次凝集工程
2次凝集工程では、上記1次凝集工程で処理された廃水に高分子凝集剤を添加混合する。これにより、1次凝集フロックがさらに粗大化した2次凝集フロックが形成される。
本工程では、公知のアニオン性またはノニオン性高分子凝集剤を用いることができる。アニオン性高分子凝集剤としては、アクリルアミドとアクリル酸ナトリウムの共重合物、アクリルアミドと2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の共重合物、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリルアミドの部分加水分解物等を挙げることができる。ノニオン性高分子凝集剤としてはポリアクリルアミド、アクリルアミドと他のノニオン性モノマーの共重合物等を挙げることができる。
高分子凝集剤の固有粘度は、5〜40dl/gが好ましく、凝集性能の観点から8〜30dl/gがより好ましい。
高分子凝集剤の添加量は、公知の添加量の範囲内で、1次凝集工程後の廃水の性状により調整される。添加量は1次凝集工程で処理された廃水中に廃水の量に対して固形分換算で0.05〜20mg/lが好ましく、0.1〜10mg/lがより好ましい。
2次凝集工程で高分子凝集剤が添加混合されることにより、廃水内に粗大化した2次凝集フロックが形成される。
(3)2次凝集工程の後処理工程
本工程は、2次凝集工程で形成された2次凝集フロック等を固液分離することにより、清澄な処理水を得る工程である。
固液分離の方法は従来公知の方法で行うことができる。例えば、沈降分離、加圧浮上、濾過などにより固液分離でき、好ましくは沈降分離が行われる。
上記のフロックを固液分離することにより、清澄度の良好な処理水を得ることができる。
本発明の廃水処理方法は、適宜pH調整剤を廃水に添加しながら行ってもよい。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(有機凝結剤)
表1に示す組成のモノマーを重合して得られる水溶性重合体A1〜A9およびB1〜B4の0.1質量%水溶液を用いた。表1において、略号DMC、DACおよびAMDは以下を意味する。
DMC:ジメチルアミノエチルメタクリレートの塩化メチル4級化物
DAC:ジメチルアミノエチルアクリレートの塩化メチル4級化物
AMD:アクリルアミド
Figure 2013180260
(有機凝結剤A3の製造例)
有機凝結剤A3は、以下に記載する工程により合成した。
1000ml四つ口セパラブルフラスコに50%アクリルアミド水溶液11.0gと、79%ジメチルアミノエチルアクリレートの塩化メチル4級化物360.0gと、連鎖移動剤としてメタリルスルホン酸ナトリウム0.29g(モノマー合計質量に対し0.1質量%)と、蒸留水とを投入し、濃硫酸でpHを4に調整した後、開始剤として2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)2塩酸塩を1.1g含む水溶液20gを添加し、全量400gのモノマー水溶液になるように調製した。調整したモノマー水溶液を、HLB4.2のノニオン性界面活性剤9.9gを溶解したパラフィン油160gに加え、ホモジナイザーにて高速攪拌して乳化した。フラスコに窒素ガス吹き込み管、還流冷却器、温度計を取り付け、攪拌機を通常の化学反応用の攪拌機にかえ、攪拌しながらこの乳化液中に30分間窒素ガスを通し脱気した後、50℃に昇温して、窒素ガス雰囲気下で4時間重合を行った。重合終了後、HLBが13.0のノニオン性界面活性剤10.5gを加えて水溶性重合体A3のエマルションを得た。得られた水溶性重合体A3のサンプルをとり、固有粘度を測定した。固有粘度は、3.3dl/gであった。
(有機凝結剤A4の製造例)
有機凝結剤A4は、以下に記載する工程により合成した。
ステンレス製反応容器に、79%ジメチルアミノエチルアクリレート塩化メチル4級化物水溶液360.0g、50%アクリルアミド水溶液11.0gを入れ、全重量が1kg、全単量体濃度が55質量%になるように蒸留水を加えて,その後塩酸でpH=4に調整した。つづいて、窒素ガスを60分間溶液に吹き込みながら溶液温度を温度20℃に調節し、これにより重合用単量体混合物水溶液を得た。さらに、全単量体重量を基準として、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)2塩酸塩を1500ppm、重亜硫酸ナトリウムを25ppm加えて、反応容器の上方から、13Wブラックライトを用いて0.4mW/cmの照射強度で60分間照射して重合を行い、含水ゲル状の水溶性共重合体を得た。含水ゲル状の水溶性共重合体を容器から取り出し細断し、これを温度80℃で5時間乾燥後粉砕して粉末状の水溶性共重合体A4を得た。得られた水溶性重合体A4のサンプルをとり、固有粘度を測定した。固有粘度は7.5dl/gであった。
他の有機凝結剤A1、A2、A5〜A9およびB1〜B4は、上記のA3又はA4と同様の工程で反応条件を適宜調整して合成した。
(無機凝結剤)
硫酸バンドの0.8質量%水溶液、ポリ塩化アルミニウム(PAC)の1.2質量%水溶液、又はポリ鉄の1.5質量%水溶液を用いた。
(高分子凝集剤)
以下のポリアクリルアミド系凝集剤A〜Dを用いた。AcNaは、アクリル酸ナトリウムの略号である。AMDは、アクリルアミドの略号である。
高分子凝集剤A:AcNa/AMD=8/92(mol/mol)、固有粘度=19.3dl/g
高分子凝集剤B:AcNa/AMD=12/88(mol/mol)、固有粘度=21dl/g
高分子凝集剤C:AcNa/AMD=20/80(mol/mol)、固有粘度=20dl/g
高分子凝集剤D:AcNa/AMD=5/95(mol/mol)、固有粘度=20dl/g
(廃水)
異なる製紙工場から排出される工場廃水(廃水A、廃水B)、食品工場廃水(廃水C)及び砂利砕石廃水(廃水D)を処理対象とした。廃水A、廃水B、廃水C及び廃水Dの性状は以下のとおりである。
廃水A:pH=8.75、SS=430mg/l、TS=1020mg/l
廃水B:pH=7.07、SS=700mg/l、TS=1000mg/l
廃水C:pH=6.96、SS=240mg/l、TS=1200mg/l
廃水D:pH=7.93、SS=17200mg/l、TS=18100mg/l。
(固有粘度)
表1に記載した有機凝結剤A1〜A9およびB1〜B4のサンプルは、有機凝結剤が粉末の場合はそのまま、エマルションの場合はアセトンを用いて精製した後に乾燥したものを用いた。サンプル中の有機凝結剤の含量は、105℃で1.5時間乾燥することにより算出した。これらのサンプル約0.4gを精秤してイオン交換水約200mlに溶解し、サンプルの固形分換算で0.2%(W/V)に調整した。サンプルの水溶液を、マグネチックスターラーでできるだけ緩やかに撹拌し、完全溶解した。この0.2%水溶液100g を、200ml共栓付三角フラスコに取り、イオン交換水で調整した2N−硝酸ナトリウム水溶液100gを加え、0.1%(W/V)−1N−硝酸ナトリウム水溶液とした。水溶液はフラスコを緩やかに20回揺り動かして均一にした。この0.1%(W/V)−1N−硝酸ナトリウム水溶液を母液とし、1N−硝酸ナトリウム水溶液を希釈液として用いて0.02%、0.04%、0.06%、0.08%のサンプル溶液を調整した。
30±0.1℃に調整した恒温槽中に、ラウダ社製PVS-1型自動測定装置(ウベローデ粘度計)をセットし、これに所定量の1N−硝酸ナトリウム水溶液を入れ、30分間放置した後、ラウダ社製PVS-1型自動測定装置に付属の自動測定プログラムを用いて3回以上流下時間の測定を行い、その平均値をセットした粘度計のブランク流下時間(t)とした。次に0.02%、0.04%、0.06%、0.08%の各サンプル溶液について同様にして測定を行い、流下時間(t)を測定した。
上記の方法により測定したデータに基づき、サンプル溶液の濃度CをX軸に、還元粘度(ηsp/C)をY軸に取り最小二乗法で直線式を算出した。C=0の時のY切片を求め、このY切片の値を固有粘度(dl/g)とした。
上記の還元粘度ηsp/Cは、ηsp/C=(ηr−1)/Cの式より求めた。ここで、ηr=t/t、ηsp=ηr−1である。ηrは相対粘度、ηspは比粘度、Cはサンプル溶液の濃度(%(W/V))を意味する。
(フロック径)
500mlビーカー内で複数形成されるフロックのフロック径をそれぞれ目視で計測し、平均値を算出した。
(沈降時間)
2次凝集工程後、撹拌停止後に2次凝集フロックが、500mlビーカーの底に沈降するまでの時間を測定し、沈降時間とした。
(透視度)
JIS K0102工場排水試験法に従い、透視度計を用いて目視で測定した。
(実施例1〜9、比較例1〜6)
500mlのビーカーに廃水Aを500ml採取し、硫酸バンドの0.8質量%水溶液を表2に示す添加量で添加し、120rpm×30秒で撹拌した。続いて、表1に示す有機凝結剤の0.1質量%水溶液を表2に示す添加量で添加し、120rpm×60秒撹拌した。その後、高分子凝集剤Aを0.5mg/l添加して120rpm×60秒、続いて60rpm×60秒撹拌し、凝集フロックを形成させ、撹拌停止後にフロックが500mlビーカーの底に沈降するまでの沈降時間を測定し た。形成された2次凝集フロックのフロック径を測定した。1分間静置後、ビーカー内の廃水の透視度を測定した。各実施例および比較例で形成されたフロックのフロック径および透視度を表2に示す。
Figure 2013180260
比較例1は、無機凝結剤だけを添加する従来の廃水処理方法である。実施例1〜9は、本発明の所定の有機凝結剤と無機凝結剤とを添加した。無機凝結剤の添加量は比較例1の1/2であったが、良好な凝集性能を発揮した。廃水の透視度も比較例1と比較して向上した。
比較例2は、有機凝結剤を添加しなかった。結果は、実施例1〜9及び比較例1に比べ凝集性能が低下し、廃水の透視度も劣った。
比較例3は、水溶性重合体の固有粘度が、本発明に用いる水溶性重合体の規定範囲を超えていた。そのため、微小SSを取りきれず清澄性で劣った。
比較例4は、有機凝結剤中のカチオン性モノマーの割合が、本発明に用いる水溶性重合体の規定範囲より低かった。そのため清澄性が劣った。
比較例5は、水溶性重合体の固有粘度が、本発明で用いる水溶性重合体の規定範囲より低かった。そのため、凝集性能が劣った。
比較例6は、一般に使用されている市販の有機凝結剤を使用した。そのため、凝集性能、清澄性が共に劣った。
(実施例10〜18、比較例7〜12)
500mlのビーカーに廃水Bを500ml採取し、PACの1.2質量%水溶液を表3に示す添加量で添加し、120rpm×30秒で撹拌した。続いて、有機凝結剤の0.1質量%水溶液を表3に示す添加量で添加し、120rpm×60秒撹拌した。その後、高分子凝集剤Bを0.5mg/l添加して120rpm×60秒、続いて60rpm×60秒撹拌し、凝集フロックを形成させ、撹拌停止後にフロックが500mlビーカーの底に沈降するまでの沈降時間を測定した。形成された2次凝集フロックのフロック径を測定した。1分間静置後、ビーカー内の廃水の透視度を測定した。各実施例および比較例で形成されたフロックのフロック径および透視度を表3に示す。
Figure 2013180260
比較例7は、無機凝結剤だけを添加する従来の廃水処理方法である。実施例10〜18は、本発明の所定の有機凝結剤と無機凝結剤とを添加した。無機凝結剤
の添加量は比較例7の1/2であったが、良好な凝集性能を発揮した。廃水の透視度も比較例7と比較して向上した。
比較例8は、有機凝結剤を添加しなかった。結果は、実施例10〜18に比べ凝集性能が低下し、廃水の透視度も劣った。
比較例9は、水溶性重合体の固有粘度が、本発明に用いる水溶性重合体の規定範囲を超えていた。そのため、微小SSを取りきれず清澄性で劣った。
比較例10は、有機凝結剤中のカチオンモノマーの割合が、本発明に用いる水溶性重合体の規定範囲より低かった。そのため清澄性が劣った。
比較例11は、水溶性重合体の固有粘度が、本発明で用いる水溶性重合体の規定範囲より低かった。そのため清澄性が劣った。
比較例12は、一般に使用されている市販の有機凝結剤を使用した。そのため、凝集性能、清澄性が共に劣った。
(実施例19〜27、比較例13〜18)
500mlのビーカーに廃水Cを500ml採取し、ポリ鉄の1.5質量%水溶液を表4に示す添加量で添加し、120rpm×30秒で撹拌した。続いて、有機凝結剤の0.1質量%水溶液を表4に示す添加量で添加し、120rpm×60秒撹拌した。その後、高分子凝集剤Cを10mg/l添加して120rpm×60秒、続いて60rpm×60秒撹拌し、凝集フロックを形成させ、撹拌停止後にフロックが500mlビーカーの底に沈降するまでの沈降時間を測定した。形成された2次凝集フロックのフロック径を測定した。1分間静置後、ビーカー内の廃水の透視度を測定した。各実施例および比較例で形成されたフロックのフロック径および透視度を表4に示す。
Figure 2013180260
比較例13は、無機凝結剤だけを添加する従来の廃水処理方法である。実施例19〜27は、本発明の所定の有機凝結剤と無機凝結剤とを添加した。無機凝結剤の添加量は比較例13の1/2であったが、良好な凝集性能を発揮した。廃水の透視度も比較例13と比較して向上した。
比較例14は、有機凝結剤を添加しなかった。そのため、実施例19〜27に比べ凝集性能が低下し、廃水の透視度も劣った。
比較例15は水溶性重合体の固有粘度が、本発明で用いる水溶性重合体の規定範囲を超えていた。そのため、微小SSを取りきれず清澄性で劣った。
比較例16は、有機凝結剤中のカチオンモノマーの割合が、本発明に用いる水溶性重合体の規定範囲より低かった。そのため清澄性が劣った。
比較例17は、水溶性重合体の固有粘度が本発明で用いる水溶性重合体の規定範囲より低かった。そのため、清澄性が劣った。
比較例18は、一般に使用されている市販の有機凝結剤を使用した。そのため、凝集性能、清澄性が共に劣った。
上記の実施例1〜27の場合は、本発明は、無機凝結剤の量を従来の添加量から少なくとも半減させることができた。有機凝結剤の添加量は、半減した無機凝結剤の添加量の100分の1以下であった。
(実施例28〜39、比較例19〜23)
500mlのビーカーに廃水Dを500ml採取し、PACの1.2質量%水溶液を表5に示す添加量で添加し、120rpm×30秒で撹拌した(実施例37〜39および比較例19)。続いて、有機凝結剤の0.1質量%水溶液を表5に示す添加量で添加し、120rpm×60秒撹拌した(実施例28〜39、比較例19〜23)。その後、高分子凝集剤Dを10mg/l添加して120rpm×60秒、続いて60rpm×60秒撹拌し、凝集フロックを形成させ、撹拌停止後にフロックが500mlビーカーの底に沈降するまでの沈降時間を測定した。形成された2次凝集フロックのフロック径を測定した。形成された2次凝集フロックのフロック径を測定した。1分間静置後、ビーカー内の廃水の透視度を測定した。各実施例および比較例で形成されたフロックのフロック径および透視度を表5に示す。
Figure 2013180260
比較例19は、無機凝結剤だけを添加する従来の廃水処理方法である。実施例28〜36は、本発明の所定の有機凝結剤を添加した。無機凝結剤は添加しなかったが、良好な凝集性能を発揮した。廃水の透視度も比較例19と比較して向上した。
比較例20〜23は、無機凝結剤を使用しなかった。
比較例20は水溶性重合体の固有粘度が、本発明に用いる水溶性重合体の規定範囲を超えていた。そのため、微小SSを取りきれず清澄性で劣った。
比較例21は、有機凝結剤中のカチオンモノマーの割合が、本発明に用いる水溶性重合体の規定範囲より低かった。そのため清澄性が劣った。
比較例22は、有機凝結剤の固有粘度が、本発明で用いる水溶性重合体の規定範囲より低かった。そのため、凝集性能が劣った。
比較例23は、一般に使用されている市販の有機凝結剤を使用した。そのため、凝集性能、清澄性共に劣った。
実施例37〜39は、本発明の所定の有機凝結剤と無機凝結剤とを添加した。無機凝結剤の添加量は比較例19の1/2であったが、良好な凝集性能を発揮した。廃水の透視度も比較例19と比較して向上した。その結果は、有機凝結剤を単独で添加する実施例28〜36よりも更に良好であった。
上記の実施例28〜36の場合は、本発明は、無機凝結剤を使用することなく良好な凝集性能が発揮され、清澄性の良好な処理水を得ることができた。さらに、実施例37〜39の場合は、本発明の有機凝結剤と、無機凝結剤とを併用することにより、さらに良好な結果が得られた。有機凝結剤の添加量は、無機凝結剤を単独で使用する場合の添加量の100分の1以下であった。
すなわち、本発明は、無機凝結剤を使用することなく、又は無機凝結剤の添加量を従来に比べ大幅に低減し、かつ良好な凝集性能を発揮する。これにより、清澄性の高い処理水を得る廃水処理方法を実現している。

Claims (5)

  1. 少なくとも、一般式(1)
    (化1)
    CH =CR −CO−X−Q−N ・Z (1)
    [式中、XはOまたはNH;Qは炭素数1〜4のアルキレン基または炭素数2〜4のヒドロキシアルキレン基;RはHまたはメチル基;R は炭素数1〜3のアルキル基、R、Rはそれぞれ独立にH、炭素数1〜3のアルキル基、Zは対アニオンを表す。]
    で表されるカチオン性モノマーに由来する構成単位を50〜100モル%含有し、かつ30℃で測定した場合の固有粘度が3〜8dl/gである水溶性重合体からなる有機凝結剤を廃水に添加、混合して1次凝集フロックを形成する1次凝集工程と、
    前記1次凝集フロックを形成した廃水に、さらに高分子凝集剤を添加、混合して2次凝集フロックを形成する2次凝集工程と、を含むことを特徴とする廃水処理方法。
  2. 前記1次凝集工程で、さらに無機凝結剤を廃水に添加、混合する請求項1に記載の廃水処理方法。
  3. 前記カチオン性モノマーが、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートの塩化メチル4級化物である請求項1または2に記載の廃水処理方法。
  4. 廃水が無機物質懸濁廃水である請求項1ないし3のいずれかに記載の廃水処理方法。
  5. 廃水が製紙廃水又は食品加工工場廃水である請求項2または請求項3に記載の廃水処理方法。


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