JP2005255748A - 水溶性両性重合体を含む組成物 - Google Patents

水溶性両性重合体を含む組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】種々の汚泥や抄紙系に対して各種凝集性能に優れる組成物であって、特に高分子凝集剤として優れる組成物の提供。さらに種々の汚泥に対する脱水性能に優れ、特に造粒性に優れる汚泥脱水剤の提供。
【解決手段】カチオン性単量体単位、アニオン性単量体単位及び長鎖状親水性基を有する単量体単位を有し、前記長鎖状親水性基をグラフト状に有する2種の水溶性両性重合体を含む組成物であって、該両性重合体として、カチオン性単量体単位のアニオン性単量体単位に対するモル基準の割合(以下、Ca/Anという)がCa/An≧1を満たすものとCa/An<1を満たすものとを併用してなる組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、水溶性両性重合体を含む組成物に関するものであり、本発明の組成物は、高分子凝集剤として有用であり、特に汚泥脱水剤及び歩留り向上剤等の種々の技術分野で賞用され得るものである。
従来から、水溶性重合体、特に高分子量の水溶性重合体は、高分子凝集剤、歩留まり向上剤、紙力増強剤、さらには増粘剤等として種々の技術分野で利用されている。
かかる水溶性重合体として、例えば、(メタ)アクリル酸塩等のアニオン性単量体、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート4級塩等のカチオン性単量体、及び(メタ)アクリルアミド等のノニオン性単量体等を重合して得られる、それぞれの単独重合体や、アニオン性単量体とノニオン性単量体の共重合体、カチオン性単量体とノニオン性単量体の共重合体、及びカチオン性単量体、アニオン性単量体、ノニオン性単量体との共重合体等と言ったイオン性を有する重合体が知られている。
ところで、汚泥の脱水処理には、カチオン性高分子凝集剤が単独で使用されることが多かった。
しかしながら、近年、汚泥発生量の増加及び汚泥性状の悪化により、従来のカチオン性高分子凝集剤では、汚泥の処理量に限界があることや、脱水ケーキ含水率、SS回収率等の点で処理状態は必ずしも満足できるものではなく、これらの点を改善することが要求されているため、種々の両性高分子凝集剤やこれらを使用した脱水方法が検討される様になった。
例えば、無機汚泥を含まない無機凝集剤を添加したpHが5〜8の有機質汚泥に、特定イオン当量のカチオンリッチ両性高分子凝集剤を添加する汚泥の脱水方法(特許文献1)、pHが5〜8の有機質汚泥に、アクリレート系カチオン性高分子凝集剤と両性高分子凝集剤を併用する汚泥の脱水方法(特許文献2)、汚泥に無機凝集剤を添加し、pHを5未満に設定し、特定組成のアニオンリッチ両性高分子凝集剤を添加する脱水方法(特許文献3)および排水に無機凝集剤、アニオン性高分子及びカチオンリッチ両性高分子凝集剤を順次添加する有機性排水の処理方法(特許文献4)等が知られている。
又、両性高分子凝集剤を使用する以外の方法としては、高分子に疎水性を付与して対応する試みもなされている。
例えば、繰り返し数が1〜5のアルキレンオキサイド骨格を有する末端(メタ)アクリレート型ポリアルキレンオキサイドオリゴマーと、(メタ)アクリルアミド及びカチオン性単量体単位からなる高分子を凝集剤とする方法(特許文献5)、カチオン性単量体、アニオン性単量体及び水溶性ノニオン性単量体と、例えば炭素数8以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステルと言った水への溶解度が1g以下の疎水性のアクリル酸誘導体を必須成分とする両性重合体を汚泥脱水剤とする方法(特許文献6)等がある。
一方、従来より抄紙工程においては、填料を含む紙料を抄紙機に送入する最終濃度に希釈する際、又は希釈後に、歩留向上剤を添加し、抄紙機からの白水中へのパルプ及び填料流出を抑制し、歩留を向上させている。
歩留向上剤としては、通常、水溶性の高分子量ポリエチレンオキサイドやカチオン性ポリアクリルアミド等の水溶性重合体が用いられている。
しかしながら、これら水溶性重合体含む歩留向上剤は、歩留率をより向上させる目的で、歩留向上剤を比較的多量に使用する必要があり、その結果、巨大なフロックが生成してしまい、紙の地合性を極度に悪化させてしまうという問題を有するものであった。
この問題を解決するため、最近では、カチオン性重合体とアニオン性化合物又は重合体を併用するデュアルシステムと呼ばれる方法が脚光を浴びている。その代表例としては、カチオン性重合体を添加後にベントナイト等のアニオン性無機化合物を添加する方法(特許文献7)や、カチオン性重合体の添加後にアニオン性コロイダルシリカを添加する方法等が挙げられる(特許文献8)。
特公平5−56199号公報(特許請求の範囲) 特許2933627号公報(特許請求の範囲) 特公平6−239号公報(特許請求の範囲) 特開平6−134213号公報(特許請求の範囲) 特開平4−96913号公報(特許請求の範囲) 特開平11−156400号公報(特許請求の範囲) 特開平4−281095号公報(特許請求の範囲) 特許第2945761号公報(特許請求の範囲)
しかしながら、特許文献1〜同4記載の両性高分子からなる汚泥脱水剤は、それなりに特長を有するものではあるが、最近の廃水の難脱水化傾向に対して、必ずしも有効的な方法とは言い難いものであった。
又、特許文献5及び同6で開示された、凝集剤や汚泥脱水剤として良好とされている重合体は、それらの単量体を重合する過程に問題のあるものであった。例えば、重合過程でゲル化を起こし易く、特に高分子量の重合体を製造する際には、系全体がゲル化することがあり、それを避けようとすると分子量の低いものしか得られないとか、各々の単量体の共重合性比が大きく異なり、各単量体の仕込み割合通りの共重合体が得られ難いという問題を有するものであった。その結果、目的とする性能改良効果が得られず、さらに、例え目的とする共重合体が得られたとしても、処理の対象とする汚泥の種類によっては、十分な効果を発揮し得ないという問題を有している。
一方、特許文献7及び同8記載の歩留向上剤は、歩留率と紙の地合性のバランス性に比較的優れているものの、そのレベルは未だ不十分であり、更に、これらの歩留向上剤は2液を併用して使用する必要がある為、抄紙工程においてそれぞれの剤の添加個所、添加のタイミング及び添加量のバランス等と言った、使用方法が煩雑であるという問題を有するものであった。
本発明者らは、前記課題を解決する為に、イオン当量の異なる2種の両性高分子を含む組成物からなる高分子凝集剤(特許文献9)、及び特定のエチレン性不飽和基を片末端に有するポリアルキレンオキサイドオリゴマーを必須の構成単量体とする高分子量の新規な水溶性重合体を提案している(特許文献10)。
これらの水溶性重合体や高分子凝集剤は、前記課題を解決する優れた性能を有するものであるが、さらなる汚泥脱水性能及び歩留り向上性能が要求される用途においては、不十分となる場合があった。特に、適用する汚泥によっては、造粒性が不十分であった。
本発明者らは、種々の汚泥や抄紙系に対して各種凝集性能に優れる組成物であって、特に高分子凝集剤として優れる組成物を見出すため鋭意検討を行い、さらに種々の汚泥に対する脱水性能に優れ、特に造粒性に優れる汚泥脱水剤、並びに高い歩留率を実現できることはもちろんのこと、同時に紙の高地合性が確保でき、さらには使用方法が簡便な新規な歩留向上剤を見出すため、鋭意検討を行ったのである。
特開2003−175302号公報(特許請求の範囲) 特開2003−321523号公報(特許請求の範囲)
本発明者らは、上記課題を解決すべく種々の検討を行った結果、長鎖状の親水性基がグラフトされた両性重合体であって、カチオン性単量体単位とアニオン性単量体単位の割合が異なる2種以上の両性重合体を併用した組成物が、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
尚、本明細書では、アクリル又はメタクリルを「(メタ)アクリル」といい、アクリレート又はメタクリレートを「(メタ)アクリレート」という。
以下、本発明を詳細に説明する。
1.水溶性両性重合体
本発明の組成物における水溶性両性重合体(以下単に両性重合体という)は、カチオン性単量体単位、アニオン性単量体単位及び長鎖状親水性基を有する単量体単位を有し、前記長鎖状親水性基をグラフト状に有する重合体である。
以下それぞれの構成単量体について説明する。
1-1.カチオン性単量体
カチオン性単量体としては、ラジカル重合性を有するものであれば、使用に制限は無く、具体的には、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びジエチルアミノ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの塩酸塩及び硫酸塩等の3級塩、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドの塩酸塩及び硫酸塩等の3級塩、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの塩化メチル付加物等のハロゲン化アルキル付加物及び塩化ベンジル付加物等のハロゲン化アリール付加物等の4級塩、並びにジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドの塩化メチル付加物等のハロゲン化アルキル付加物及び塩化ベンジル付加物等のハロゲン化アリール付加物等の4級塩等が挙げられる。
カチオン性単量体としては、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの4級塩が好ましく、さらにジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートのハロゲン化アルキル付加物がより好ましい。
1-2.アニオン性単量体
アニオン性単量体としてもラジカル重合性を有するものであれば、使用に制限は無く、具体的には、不飽和カルボン酸及びその塩が挙げられ、より具体的には(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸及びマレイン酸等が挙げられる。
アニオン性単量体としては、(メタ)アクリル酸が好ましい。
前記不飽和カルボン酸の塩としては、アンモニウム塩、ナトリウム及びカリウム等のアルカリ金属塩が挙げられる。
1-3.長鎖状親水性基を有する単量体
長鎖状親水性基を有する単量体(以下単に親水性単量体という)単位における親水性基としては、種々の官能基が使用でき、ポリアルキレンオキサイド基が好ましい。
ポリアルキレンオキサイド基を構成するアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド及びブチレンオキサイド等が挙げられ、具体的には、ポリエチレンオキサイド基、ポリプロピレンオキサイド基及びポリブチレンオキサイド基等が挙げられる。
又、ポリアルキレンオキサイド基としては、2種以上のポリアルキレンオキサイド単位をブロック状に有するもの、例えば、ポリエチレンオキサイド/ポリプロピレンオキサイドブロック共重合体が挙げられる。
これらの中でも、ポリプロピレンオキサイド単位を有するものが好ましい。
ポリアルキレンオキサイド基において、アルキレンオキサイドの繰り返し単位数は5以上のものが好ましく、より好ましくは5〜80のものである。その数が5に満たないものは、凝集剤又は脱水剤として使用した場合に、十分な脱水性能が発揮されないことがある。又、80を超えた場合も、未重合物が多くなると共に、凝集剤あるいは脱水剤として使用した場合に、同様に、十分な脱水性能が発揮されないことがある。
又、ポリアルキレンオキサイド基の末端については、その構造は必ずしも制限されるものではないが、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜8のアルコキシ基であるものが、重合時にゲル化することなく、重合体が安定に製造できるので、本発明の目的達成のために好ましい。
親水性単量体としては、前記ポリアルキレンオキサイド基を有しエチレン性不飽和基を有する化合物であれば良い。
両性重合体における親水性単量体単位の割合としては、親水性単量体単位を除く全構成単量体単位の合計量に対して0.05〜10モル%有するものが好ましい。
この割合が0.05モル%に満たない場合は、長鎖状親水性基を有することよる凝集力改善効果が認められない場合があり、10モル%を越えると、得られる重合体が水に不溶性になることがある。
両性重合体としては、カチオン性単量体単位及びアニオン性単量体単位を有し、前記親水性基をグラフト状に有するものであれば種々の重合体が使用でき、好ましくは、エチレン性不飽和基を片末端に有するポリアルキレンオキサイドオリゴマー(以下PROオリゴマーという)とカチオン性単量体及びアニオン性単量体を共重合して得られるものが、製造が容易である点で好ましい。
以下、PROオリゴマーについて説明する。
1-3-1.PROオリゴマー
PROオリゴマーとしては、下記一般式(1)で表わされるエチレン性不飽和基を有するものが好ましい。これ以外のエチレン性不飽和基、例えば(メタ)アクリロイル基である場合、重合体製造の際に、ゲル化を起し易く、ゲル化を起さなかった場合でも、得られる重合体が水溶性のものとはならないことがある。
1CH=C(R2)−X− ・・・・(1)
〔上記式中、R1及びR2は、水素又は炭素数1〜3のアルキル基、Xは−R3O−、−O−又は−R4NHCOO−であり、R3及びR4は、炭素数1〜4のアルキレン基、又は−Ph−若しくは−Ph−R5−であり、Phは、置換基を有していても良いフェニレン基であり、R5は、炭素数1〜4のアルキレン基である。〕
1及びR2の炭素数1〜3のアルキル基としては、メチル基が好ましい。
Xは−R3O−、−O−又は−R4NHCOO−であり、Xが、これら以外の例えばエステル結合である場合、重合体製造の際に、ゲル化を起し易く、ゲル化を起さなかった場合でも、得られる重合体が水溶性のものとはならない。Xとしては、−R3O−又は−O−が好ましい。
前記R3及びR4は、炭素数1〜4のアルキレン基又は−Ph−若しくは−Ph−R5−であり、Phは、置換基を有していても良いフェニレン基であり、R5は、炭素数1〜4のアルキレン基である。
3及びR4のアルキレン基としては、直鎖状であっても、分枝状であってもよく、置換基を有していても良いフェニレン基としては、具体的に、p−フェニレン基、m−フェニレン基、及びこれらの混合物等があり、好ましくはp−フェニレン基である。フェニレン基への置換基としてはアルキル基及びアルキルエステル基等が挙げられる。
5のアルキレン基としては、直鎖状であっても、分枝状であってもよい。
3及びR4としては、メチレン基又はフェニレン基が特に好ましい。
上記一般式(1)で表わされるエチレン性不飽和基は、具体的には、アリルオキシ、メタリルオキシ、アリルエトキシ、アリルプロポキシ、アリルブトキシ、プロペニルオキシ基、ビニルベンジルオキシ基等が挙げられる。これらの中でも反応性に優れ、入手が容易である点で、アリルオキシ基、メタリルオキシ基及びプロペニルオキシ基が好ましい。
PROオリゴマーの主鎖を構成するアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド及びブチレンオキサイド等が挙げられ、具体的には、ポリエチレンオキサイドオリゴマー、ポリプロピレンオキサイドオリゴマー及びポリブチレンオキサイドオリゴマー等が挙げられる。
又、2種以上のポリアルキレンオキサイド単位をブロック状に有するもの、例えば、ポリエチレンオキサイド/ポリプロピレンオキサイドブロックオリゴマーが挙げられる。
これらの中でも、ポリプロピレンオキサイド単位を有するものが好ましい。
PROオリゴマーにおいて、アルキレンオキサイドの繰り返し単位数は、前記と同様の理由で、5以上のものが好ましく、より好ましくは5〜80のものである。
又、PROオリゴマーの他の末端については、その構造は必ずしも制限されるものではないが、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜8のアルコキシ基であるものが、前記と同様の理由で好ましい。
これらのPROオリゴマーは、通常のポリアルキレンオキサイドオリゴマーとアルコール、イソシアネオート化合物とのエステル化、エーテル化、ウレタン化反応等により調製されるが、市販されているものもあり、本発明においては、それら市販品を使用することもできる。
PROオリゴマーと単量体の共重合割合としては、前記と同様の理由で、PROオリゴマーを除く全単量体の合計量に対して、PROオリゴマーを0.05〜10モル%とするのが好ましい。
1-4.その他の単量体
本発明における両性重合体は、前記カチオン性単量体単位、アニオン性単量体単位及び親水性単量体単位を必須とするものであるが、その他の単量体単位を有するものであっても良い。
その他の単量体としては、水溶性単量体が好ましく、ノニオン性単量体がより好ましい。ノニオン性単量体としては、(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド及びヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。ノニオン性単量体としては、(メタ)アクリルアミドが好ましい。
両性重合体としては、重合体の水溶性を損なわない範囲内で、必要に応じて水溶性単量体以外の単量体を共重合しても良い。具体的には、例えば、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル及びビニルアセテート等が挙げられる。
1-5.単量体の選択
前記した単量体は、それぞれの単量体を単独で使用しても、2種以上を併用しても良い。
本発明においては、カチオン性単量体、アニオン性単量体及び親水性単量体との共重合性を改善でき、得られる重合体の特性を調整できる点で、ノニオン性単量体として(メタ)アクリルアミドを併用することが好ましい。
この場合、(メタ)アクリルアミドの割合としては、全単量体中に5〜80モル%が好ましい。
本発明における、親水性単量体以外の単量体の好ましい組合せとしては、[1]カチオン性単量体としてジアルキルアミノアルキルアクリレートの3級塩又は4級塩、アニオン性単量体としてアクリル酸塩及びノニオン性単量体としてアクリルアミドからなる共重合体、[2]カチオン性単量体としてジアルキルアミノアルキルメタクリレートの3級塩又は4級塩、アニオン性単量体としてアクリル酸塩及びノニオン性単量体としてアクリルアミドからなる共重合体、並びに[3]カチオン性単量体としてジアルキルアミノアルキルメタクリレートの3級塩又は4級塩とジアルキルアミノアルキルアクリレートの3級塩又は4級塩、アニオン性単量体としてアクリル酸塩及びノニオン性単量体としてアクリルアミドからなる共重合体がある。
1-6.製造方法
両性重合体の製造方法としては、カチオン性単量体、アニオン性単量体及び親水性単量体を、好ましくはカチオン性単量体、アニオン性単量体及びPROオリゴマーを、さらにはこれらと必要に応じて併用するその他の重合性単量体との混合物を使用し、水溶性重合体を得る方法として一般的な重合方法により重合して製造すれば良い。
重合方法としては、水溶液重合、逆相エマルション重合及び逆相懸濁重合等が挙げられ、取り扱いが容易である点で、水溶液重合及び逆相エマルション重合が好ましい。
水溶液重合を採用する場合においては、水性媒体中に、単量体を溶解又は分散させ、重合開始剤の存在下10〜100℃で重合させる方法等が挙げられる。原料の単量体は、水中に溶解又は分散させたものを、水性媒体に添加して使用する。
逆相エマルション重合を採用する場合においては、単量体を含む水溶液と、HLBが3〜6である疎水性界面活性剤を含む有機分散媒とを攪拌混合し乳化させた後、重合開始剤の存在下10〜100℃で重合させ、油中水型(逆相)重合体エマルションを得る方法が挙げられる。有機分散媒としては、ミネラルスピリット等の高沸点炭化水素系溶剤等が挙げられる。
水性媒体中又は有機分散媒中の単量体の割合は、目的に応じて適宜設定すれば良く、20〜70質量%が好ましい。
この場合の重合開始剤としては、具体的に、過硫酸ナトリウム及び過硫酸カリウム等の過硫酸塩、ベンゾイルパーオキシド等の有機過酸化物、2,2'−アゾビス−(アミジノプロパン)ハイドロクロライド、アゾビスシアノバレリン酸、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル及び2,2'−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド]等のアゾ系化合物、並びに過酸化水素、過硫酸ナトリウムと重亜硫酸ナトリウム、硫酸第一鉄等の組み合わせからなるレドックス触媒等が挙げられる。
又、水溶液重合の場合は、重合を紫外線照射により行うこともでき、例えばケタール型、アセトフェノン型等の光重合開始剤を用いて重合することもできる。
重合開始剤の使用量としては、目的とする重合体の重合度及び粘度等に応じて定めれば良く、通常、全単量体及び重合開始剤の合計量を基準にして10〜2万ppm用いることが好ましい。
両性重合体の分子量は、使用する単量体及び重合開始剤の種類及び割合の他、さらに連鎖移動剤を併用して、この種類及び割合を変えることにより調整することもできる。
この場合の連鎖移動剤としては、メルカプトエタノール、メルカプトプロピオン酸等のチオール化合物や、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸水素ナトリウム及び次亜リン酸ナトリウム等の還元性無機塩類等が挙げられる。
連鎖移動剤の添加量としては、水溶液中に10〜2000ppmが好ましい。
水溶液重合により得られた両性重合体は、通常ゲル状で、公知の方法で細断し、バンド式乾燥機、遠赤外線式乾燥機等で温度60〜150℃程度で乾燥し、ロール式粉砕機等で粉砕して粉末状の重合体とされ、粒度調整され、あるいは添加剤等が加えられて使用される。
油中水型(逆相)エマルション重合で得られた両性重合体を実際に使用する場合には、HLBの比較的高い親水性界面活性剤を添加し、水で希釈、転相させて水中油型エマルションとして使用する。
本発明における両性重合体の好ましい分子量は、分子量の指標である0.5%塩粘度が10〜120mPa・sのものが好ましく、後記する高分子凝集剤として使用する場合、安定した脱水処理を達成するためには、15〜90mPa・sがより好ましい。
尚、本発明における0.5%塩粘度とは、以下の方法に従い測定した値を意味する。
0.5%塩粘度:
重合体を4質量%の塩化ナトリウム水溶液に溶解し、0.5質量%重合体溶液を調製する。B型粘度計を用いて、温度25℃、60rpm、5分後の重合体溶液の粘度を測定する。
2.組成物
本発明の組成物は、前記両性重合体において、カチオン性単量体単位とアニオン性単量体単位の共重合割合が異なる2種の両性重合体を含むもので、両性重合体として、カチオン性単量体単位のアニオン性単量体単位に対するモル基準の割合(以下、Ca/Anという)がCa/An≧1を満たすもの(以下カチオンリッチ両性重合体という)とCa/An<1を満たすもの(以下アニオンリッチ両性重合体という)とを併用してなるものである。
この場合、カチオンリッチ両性重合体としては、Ca/Anが1.5〜10.0のものが好ましく、アニオンリッチ両性重合体としては、Ca/Anが0.5〜0.9のものが好ましい。
カチオンリッチ両性重合体及びアニオンリッチ両性重合体は、前記単量体単位を満たす様に、カチオン性単量体、アニオン性単量体及び親水性単量体と、必要に応じてノニオン性単量体を共重合して得ることができる。
本発明の組成物は、カチオンリッチ両性重合体及びアニオンリッチ両性重合体を混合することにより製造することができる。又、後記する汚泥の脱水や抄紙工程においては、それぞれの成分を別々に添加することもできる。
カチオンリッチ両性重合体及びアニオンリッチ両性重合体としては、それぞれ1種を使用することも、2種以上を併用することもでき、カチオンリッチ両性重合体及びアニオンリッチ両性重合体の1種ずつを使用することが簡便であり好ましい。
組成物における両性重合体の割合としては、目的に応じて適宜設定すれば良く、カチオンリッチ両性重合体が20〜60質量%及びアニオンリッチ両性重合体が40〜80質量%が好ましい。
本発明の組成物は水溶液の形態で使用することが好ましい。この場合、水溶液の濃度としては、水溶液中に使用する両性重合体の合計量として0.05〜0.5質量%が好ましい。使用する両性重合体を別々に使用する場合においても、それぞれを水溶液の形態で使用することが好ましく、前記と同様の水溶液濃度が好ましい。
3.用途
本発明の組成物は、種々の用途に応用することが可能である。例えば、高分子凝集剤及び塗料用等の増粘剤等が挙げられる。高分子凝集剤としては、汚泥脱水剤、及び歩留向上剤等の製紙工程における抄紙用薬剤等が挙げられる。
本発明の組成物は、高分子凝集剤として有用なものであり、特に汚泥脱水剤及び歩留向上剤として有用なものである。
以下、汚泥脱水剤及び歩留向上剤について説明する。
3−1.汚泥脱水剤及び汚泥の脱水方法
本発明の組成物は、特に汚泥脱水剤として有用なものである。
組成物としては、粉末状のものや逆相乳化物が好ましい。実際の使用に当たっては、組成物が粉末の場合には、粉末を水に溶解させ水溶液として使用する。又、組成物が逆相乳化物の場合には、水で希釈、転相させて水中油型エマルションとして使用する。
又、汚泥脱水剤として粉末のものを使用する場合には、組成物に、硫酸水素ナトリウム、硫酸ナトリウム及びスルファミン酸等、脱水処理に悪影響がでないかぎり公知の添加剤と混合して使用しても良い。
本発明の汚泥脱水剤(以下高分子凝集剤ということもある)は、種々の汚泥に適用可能であり、下水、し尿、並びに食品工業、化学工業及びパルプ又は製紙工業汚泥等の一般産業排水で生じる有機性汚泥及び凝集沈降汚泥を含む混合汚泥等を挙げることができる。
本発明の汚泥脱水剤は、特に繊維分が少ない汚泥や余剰比率の高い汚泥に好ましく適用できるものである。具体的には、余剰比率が10SS%以上の汚泥に好ましく適用でき、より好ましくは20〜80SS%の汚泥に適用できる。又、繊維分が10%以下の汚泥に好ましく適用できる。
本発明の汚泥脱水剤を使用する脱水方法は、具体的には、汚泥に汚泥脱水剤を添加した後、これにより汚泥フロックを形成させるものである。フロックの形成方法は、公知の方法に従えば良い。
又、必要に応じて、無機凝集剤、有機カチオン性化合物、カチオン性高分子凝集剤及びアニオン性高分子凝集剤を併用することができる。
無機凝集剤としては、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、塩化第二鉄及び硫酸第一鉄及びポリ硫酸鉄等を例示できる。
有機カチオン性化合物としては、ポリマーポリアミン、ポリアミジン及びカチオン性界面活性剤等を例示できる。
無機凝集剤又は有機カチオン性化合物を添加した場合においては、pHを4〜8とすることが、より効果的に汚泥の処理を行うことができるため好ましい。
pHの調整方法としては、無機凝集剤又は有機カチオン性化合物を添加した後、当該pH値を満たす場合は、特にpH調整の必要はないが、本発明で限定する範囲を満たさない場合は、酸又はアルカリを添加して調整する。
酸としては、塩酸、硫酸、酢酸及びスルファミン酸等を挙げることができる。又、アルカリとしては、苛性ソーダ、苛性カリ、消石灰及びアンモニア等が挙げられる。
カチオン性高分子凝集剤としては、前記したカチオン性単量体の単独重合体及び前記したカチオン性単量体及びノニオン性単量体の共重合体等を挙げることができる。
アニオン性高分子凝集剤としては、前記したアニオン性単量体の単独重合体及び前記したアニオン性単量体及びノニオン性単量体の共重合体等を挙げることができる。
高分子凝集剤の汚泥に対する添加割合としては、高分子凝集剤の固形分として5〜500ppmが好ましく、SSに対しては0.05〜1質量%が好ましい。高分子凝集剤とその他の高分子凝集剤を併用する場合は、全高分子凝集剤の合計量が前記添加割合を満たすことが好ましい。
汚泥脱水剤、その他凝集剤の添加量、攪拌速度、攪拌時間等は、従来行われている脱水条件に従えば良い。
このようにして形成したフロックは、公知の手段を用いて脱水し、脱水ケーキとする。
脱水装置としては、スクリュープレス型脱水機、ベルトプレス型脱水機、フィルタープレス型脱水機及びスクリューデカンター等を例示することが出来る。
又、本発明の汚泥脱水剤は、濾過部を有する造粒濃縮槽を使用する脱水方法にも適用可能である。
具体的には、汚泥に、無機凝集剤を添加し、さらに汚泥脱水剤を添加した後、又は汚泥脱水剤と共に、該汚泥を濾過部を有する造粒濃縮槽に導入し、該濾過部からろ液を取り出すと共に造粒し、この造粒物を脱水機で脱水処理する方法等が挙げられる。
3−2.歩留向上剤及び抄紙方法
本発明の組成物を歩留向上剤として使用する場合、高分子としては、粉末状のものや逆相乳化物が好ましい。実際の使用に当たっては、前記と同様に、高分子が粉末の場合には、粉末を水に溶解させ水溶液として使用し、高分子が逆相乳化物の場合には、水で希釈、転相させて水中油型エマルションとして使用する。この場合の固形分としては、いずれの場合も、0.01〜0.5質量%が好ましく、より好ましくは0.01〜0.1質量%である。
歩留向上剤の使用方法としては常法に従えば良く、例えば、紙料を抄紙機に送入する最終濃度に希釈する際、又は希釈後に添加する。
歩留向上剤が適用される紙料としては、通常の抄紙工程で使用されるものであればよく、通常、少なくともパルプ及び填料を含み、必要に応じて填料以外の添加剤、具体的には、サイズ剤、定着剤、紙力増強剤及び着色剤等を含むものである。
本発明の歩留向上剤は、パルプとして、パルプ中に占める脱墨古紙等の古紙比率が比較的高いものに好ましく適用できる。又、本発明の歩留向上剤は、填料比率の高い抄紙系、中性抄紙系、高速抄紙系に好ましく適用できる。
填料としては、白土、カオリン、アガライト、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸石灰、硫酸バリウム、酸化亜鉛及び酸化チタン等が挙げられる。サイズ剤としては、アクリル酸・スチレン共重合体等が挙げられ、定着剤としては、硫酸バンド、カチオン澱粉及びアルキルケテンダイマー等が挙げられ、紙力増強剤としては、澱粉及びカチオン性又は両性ポリアクリルアミド等が挙げられる。
歩留向上剤の好ましい添加割合としては、紙料中の乾燥パルプ質量当たり、0.05〜0.8質量%が好ましく、より好ましくは0.05〜0.5質量%である。
歩留向上剤の添加後の紙料のpHとしては、5〜10に維持することが好ましく、より好ましくは5〜8である。歩留向上剤の添加後に、紙料は直ちに抄紙機に送入される。
本発明の組成物は、濾過速度及び含水率等の脱水性及びフロック造粒性に優れるため、高分子凝集剤として有用であり、特に汚泥脱水剤や抄紙用の歩留向上剤として有用なものである。
本発明の組成物は、カチオンリッチ両性重合体及びアニオンリッチ両性重合体を含む組成物である。
使用する両性重合体としては、以下に示すものが好ましい。
即ち、両性重合体における長鎖状親水性基として、アルキレンオキサイド基の繰り返し数が5以上の重合体が好ましく、又、両性重合体が、片末端が前記一般式(1)で表わされるエチレン性不飽和基を有するPROオリゴマーとカチオン性単量体及びアニオン性単量体を重合して得られる重合体が好ましい。この場合、PROオリゴマーの他の末端としては炭素数1〜8のアルコキシル基を有するものが好ましい。
又、本発明の組成物の用途としては、高分子凝集剤として有用であり、特に特に汚泥脱水剤として有用なものである。
以下に、実施例及び比較例を挙げ、本発明をより具体的に説明する。
尚、以下において、「部」とは、質量部を意味する。
○製造例1
アリルオキシポリ(エチレングリコール/プロピレングリコール)モノブチルエーテル〔日本油脂(株)製商品名PKA−5015。エチレングリコール/プロピレングリコールはブロック共重合体で、それらのモル比は75:25。エチレンオキサイドの繰り返し数=平均24、プロピレンオキサイドの繰り返し数=平均8。数平均分子量:1600。以下「PKA−5015」という〕、ジメチルアミノエチルアクリレート塩化メチル4級塩(以下、DACという。)水溶液、アクリル酸(以下、AAという。)水溶液及びアクリルアミド(以下、AMという。)水溶液を、各単量体がモル比でPKA−5015/DAC/AA/AM=1/42/5/52(重量比でPKA−5015/DAC/AA/AM=11.6/59.0/2.6/26.8)で固形分38%となる様に、ステンレス製反応容器に合計800g仕込んだ。
続いて、窒素ガスを60分間溶液に吹き込みながら溶液温度を10℃に調節後、全単量体の固形分重量を基準として、アゾビスアミジノプロパン塩酸塩を1000ppm、亜硫酸水素ナトリウムを35ppmとなるように加えて、反応容器の上方から、100Wブラックライトを用いて6.0mW/cm2の照射強度で60分間照射して重合を行い、含水ゲル状の両性重合体を得た。
得られた両性重合体を容器から取り出し、乾燥・粉砕して粉末状の両性重合体を得た。この両性重合体をPCR−1という。
得られた両性重合体について、塩粘度を測定した。その結果を表1に示す。
○製造例2〜同5
使用する成分及び割合を、下記表1の通り変更する以外は製造例1と同様の方法で両性重合体を製造した。尚、製造例3〜同5については、PKA−5015を使用せず、単量体のみを使用した。
得られた両性重合体について、0.5%塩粘度を測定した。それらの結果を表1に示す。
Figure 2005255748
〇実施例1
両性重合体としてPCR−1の70部とPAR−1の30部を使用し、これらを混合して組成物を製造し、これを高分子凝集剤(以下PBL−1という)として使用した。
製紙汚泥(SS:35,200mg/l、VSS:21,700mg/l、繊維分530mg/l)200mlを300mlのビーカーに採取し、高分子凝集剤の0.2%水溶液を汚泥に対して80ppm添加した後、ジャーテスターで150rpmにて60秒間攪拌してフロックを形成させた。この時のフロックの造粒性を下記の3段階で評価し、得られたフロックの粒径を測定した。
その後、ヌッチェに、80メッシュの濾布を敷き、その上に円筒を立て、前記汚泥フロック分散液を円筒内に流し込み、重力濾過した。10秒後の濾液容量を測定し、これを濾過速度とした。得られた濾液の外観を目視で観察し、下記の3段階で評価した。濾過後、円筒を取り外し、得られたケーキについて、下記の3段階で評価した。評価結果を表3に示す。
・造粒性
優:攪拌すると直ちに粒径の大きなフロックを形成し、攪拌によってフロックが破壊され難かった。
良:攪拌すると直ちに粒径の大きなフロックを形成するが、攪拌によってフロックが破壊され易かった。
不良:攪拌を続けても粒径の比較的小さなフロックしか形成せず、例え形成しても攪拌により破壊されやすかった
・濾過外観
優:完全に透明。良好:僅かに浮遊物あり。不良:多くの浮遊物あり。
・自立性
優:完全にケーキが自力で立った。良好:僅かにケーキが流れた。不良:ケーキが流れてしまった。
○比較例1及び同2
高分子凝集剤として、下記表2に示す組成物BL−1と前記表1に示すCO−1を使用した以外は、実施例1と同様にして汚泥の脱水処理を行った。
実施例1と同様に評価した結果を、表3に示す。
Figure 2005255748
Figure 2005255748
実施例1の高分子凝集剤は、評価を行った全ての脱水性能に優れるものであった。
これに対して、比較例1で使用した高分子凝集剤BL−1は、PBL−1において親水性単量体を共重合しない重合体のブレンド体に相当するものであるが、攪拌と続けるとフロックが破壊されやすく、その結果として各種脱水性能が不十分なものであった。比較例2で使用した高分子凝集剤CO−1は、PBL−1と同じ単量体組成であるが単一の両性重合体からなり、親水性単量体を共重合しない重合体であるが、これもフロックの造粒性に劣り、各種脱水性能が不充分なものであった。
本発明の組成物は、高分子凝集剤として好ましく利用でき、より好ましくは汚泥脱水剤及び歩留向上剤として利用でき、特に好ましくは汚泥脱水剤として利用できる。

Claims (6)

  1. カチオン性単量体単位、アニオン性単量体単位及び長鎖状親水性基を有する単量体単位を有し、前記長鎖状親水性基をグラフト状に有する2種の水溶性両性重合体を含む組成物であって、該両性重合体として、カチオン性単量体単位のアニオン性単量体単位に対するモル基準の割合(以下、Ca/Anという)がCa/An≧1を満たすものとCa/An<1を満たすものとを併用してなる組成物。
  2. 前記両性重合体が、長鎖状親水性基としてアルキレンオキサイド単位の繰り返し数が5以上のポリアルキレンオキサイド基を有する重合体である請求項1に記載の組成物。
  3. 前記両性重合体が、片末端が下記一般式(1)で表わされるエチレン性不飽和基であるポリアルキレンオキサイドオリゴマーと、カチオン性単量体及びアニオン性単量体を重合して得られる重合体であることを特徴とする請求項2に記載の組成物。
    1CH=C(R2)−X− ・・・・(1)
    〔上記式中、R1及びR2は、水素又は炭素数1〜3のアルキル基、Xは−R3O−、−O−又は−R4NHCOO−であり、R3及びR4は、炭素数1〜4のアルキレン基、又は−Ph−若しくは−Ph−R5−であり、Phは、置換基を有していても良いフェニレン基であり、R5は、炭素数1〜4のアルキレン基である。〕
  4. 前記ポリアルキレンオキサイドオリゴマーが、他の末端として炭素数1〜8のアルコキシル基を有するものであることを特徴とする請求項3に記載の組成物。
  5. 前記請求項1〜4のいずれかに記載の組成物からなることを特徴とする高分子凝集剤。
  6. 汚泥に、請求項5記載の高分子凝集剤を添加して脱水処理することを特徴とする汚泥の脱水方法。
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