JP2002097236A - ブロック共重合体の製造方法、当該共重合体を含む高分子凝集剤及び汚泥の脱水方法 - Google Patents

ブロック共重合体の製造方法、当該共重合体を含む高分子凝集剤及び汚泥の脱水方法

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JP2002097236A
JP2002097236A JP2001200097A JP2001200097A JP2002097236A JP 2002097236 A JP2002097236 A JP 2002097236A JP 2001200097 A JP2001200097 A JP 2001200097A JP 2001200097 A JP2001200097 A JP 2001200097A JP 2002097236 A JP2002097236 A JP 2002097236A
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Yoshio Mori
嘉男 森
Minoru Atsuji
稔 阿津地
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Toagosei Co Ltd
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Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】安定に製造することができ、得られる共重合体
を高分子凝集剤として使用した場合、汚泥の脱水におい
て、フロック強度、濾過速度及び含水率のバランス性に
優れたフロックが得られる共重合体の製造方法及び汚泥
の脱水方法の提供。 【解決手段】アゾ基を有するポリアルキレンオキサイド
化合物又は光解裂基を有するポリアルキレンオキサイド
化合物の存在下に、水性媒体中で水溶性単量体を重合す
ることを特徴とするブロック共重合体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブロック共重合体
の製造方法に関するものであり、本発明により得られる
共重合体は、高分子凝集剤、歩留まり向上剤、紙力増強
剤、分散剤及び増粘剤等として有用なもので、特に高分
子凝集剤として有用なものであり、これら技術分野で賞
用され得るものである。
【0002】
【従来の技術】(メタ)アクリル酸塩等のアニオン性単
量体、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート4吸
塩等のカチオン性単量体及び(メタ)アクリルアミド等
のノニオン性単量体を使用し、アニオン性単量体及びノ
ニオン性単量体の共重合体、カチオン性単量体及びノニ
オン性単量体の共重合体、並びにカチオン性単量体、ア
ニオン性単量体及びノニオン性単量体との共重合体等と
いったイオン性を有する重合体(以下イオン性重合体と
いう)は、高分子凝集剤、歩留まり向上剤、紙力増強
剤、分散剤及び増粘剤等の種々の技術分野で応用されて
いる。しかしながら、種々の用途に応用する場合、従来
のカチオン性単量体及びアニオン性単量体等を組み合わ
せた重合体のみでは、十分に対応できない例が出てきて
いる。
【0003】ところで、都市下水や工場廃水等で生ずる
汚泥の凝集脱水のために、従来から各種の凝集剤が広く
使用されてきている。例えば、無機凝集剤としてポリ硫
酸鉄を用い、これにノニオン性、アニオン性、又はカチ
オン性高分子凝集剤を単独で添加してフロックを形成
し、脱水する方法(特開昭58−51998号)や、無
機凝集剤と、カチオン性及びアニオン性を有する両性高
分子凝集剤を用いる汚泥の脱水方法(特開昭59−16
599号)が提案されている。その他にも、無機凝集剤
を添加後、pHを5〜8に調節し、これに両性高分子凝
集剤を添加する方法(特開昭63−158200号)が
ある。更に古くは、ポリカルボン酸の一部又は全部が炭
素数6以上のカチオン性界面活性剤と塩を形成している
重合体塩からなることを特徴とする凝集剤(特公昭42
−1729号)、アクリル酸とアクリル酸メチル等のア
クリル酸アルキルを必須成分とするアニオン性共重合体
からなる凝集剤(特開昭49−41281号)が知られて
おり、又最近では、カチオン性単量体、アニオン性単量
体、水溶性ノニオン性単量体と、例えば炭素数8以上の
(メタ)アクリル酸アルキルエステルといった水への溶解
度が1g以下の疎水性のアクリル酸誘導体を必須成分と
する両性共重合体からなる汚泥脱水剤(特開平11−1
56400号)等が提案されている。しかしながら、こ
うした様々な凝集剤や脱水方法においても、処理の対象
とする汚泥の種類によっては、十分な効果が得られない
場合があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記に述べた各種の提
案による凝集脱水方法はそれなりに特長を有し使用され
ているものであるが、最近の生活環境の変化による、都
市下水や工場廃水で生ずる汚泥の増加に伴い生じている
凝集剤や脱水剤の使用量の増加が問題とされ、より少量
の使用で効率的に凝集・脱水が行える、すなわちより優
れた凝集剤、汚泥脱水剤が強く求められてきている。し
かしながら、これら問題を解決するためには、従来のイ
オン性重合体では十分に対応することができないことが
あった。従来のイオン性重合体とは異なるものとして、
特開平4−96913号公報には、イオン性単量体と末
端に不飽和基を有するポリアルキレンオキサイドを有す
る単量体を反応させ、ポリアルキレンオキサイドをグラ
フトさせたイオン性重合体の例が開示されている。しか
しながら、当該製造方法では、反応中にゲル化を起こし
易く、特に高分子量の重合体が要求される凝集剤の用途
にこの製造方法に適用した場合、完全にゲル化してしま
うという問題を有するであった。本発明者らは、前記の
要望に応えられる、安定に製造することができ、得られ
る共重合体を高分子凝集剤として使用した場合、汚泥の
脱水において、フロック強度、濾過速度及び含水率のバ
ランス性に優れたフロックが得られる共重合体の製造方
法及び汚泥の脱水方法を提供すべく研究を行ったのであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、アゾ基を有するポ
リアルキレンオキサイド化合物又は光解裂基を有するポ
リアルキレンオキサイド化合物の存在下に、水性媒体中
に水溶性単量体を重合する方法が、ゲル化等の問題を起
こすことなく良好に共重合体を製造できるうえ、得られ
る共重合体が、高分子凝集剤として使用する場合、汚泥
の脱水処理において、フロック強度、含水率及び濾過速
度に優れたフロックを得ることが出来ることを見出し、
本発明を完成したのである。以下、本発明を詳細に説明
する。尚、本明細書においては、アクリレート又はメタ
クリレートを(メタ)アクリレートと表し、アクリルア
ミド又はメタクルアミドを(メタ)アクリルアミドと表
す。
【0006】
【発明の実施の形態】1.ブロック共重合体 本発明の製造方法で得られるブロック共重合体は、ポリ
アルキレンオキサイド単位及び水溶性単量体の重合体単
位を有するものである。当該重合体単位の結合の形式と
しては、例えばAB型、ABA型等が挙げられる。
【0007】ポリアルキレンオキサイド単位としては、
エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド及びブチレ
ンオキサイド等を単量体単位とするものが挙げられ、こ
れらの2種以上有するものであっても良い。具体的に
は、ポリエチレンオキサイド単位、ポリプロピレンオキ
サイド単位及びポリブチレンオキサイド単位等が挙げら
れる。
【0008】2.ブロック共重合体の製造方法 本発明は、アゾ基を有するポリアルキレンオキサイド化
合物(以下アゾ系RO開始剤という)を重合開始剤とし
て、又は光解裂基を有するポリアルキレンオキサイド化
合物(以下光系RO開始剤という)を重合開始剤として
使用し、当該重合開始剤の存在下に、水性媒体中で水溶
性単量体を重合するブロック共重合体の製造方法に関す
るものである。本発明の製造方法によれば、ゲル化等の
問題を生じることなく、目的のブロック共重合体を好ま
しく製造することができる。以下、アゾ系RO開始剤及
び光系RO開始剤について説明する。
【0009】1)アゾ系RO開始剤 アゾ系RO開始剤の好ましい例としては、下記式(1)で
表される単位を有する化合物を挙げることができる。
【0010】
【化1】
【0011】尚、式(1)において、R1としては、メチレ
ン基及びエチレン基等の炭素数1〜4のアルキレン基、
2としては、メチレン基、エチレン基及びプロピレン
基等の炭素数1〜4のアルキレン基、R3としては、そ
れぞれが同一であっても異なっていても良い、水素原
子、メチル基等のアルキル基及びシアノ基が挙げられ
る。mは10〜500であり、nは1〜50、好ましく
は3〜20である。又、式(1)における、末端基として
は、水素原子又はアルキル基等が挙げられる。
【0012】
【化2】
【0013】式(1)で表される単位を有する化合物とし
ては、さらに上記式(2)で表される化合物が好ましい。
mは40〜150が好ましく、nは5〜10が好まし
い。
【0014】2)光系RO開始剤 光系RO開始剤の好ましい例としては、下記式(3)で表
される単位を有する化合物を挙げることができる。
【0015】
【化3】
【0016】式(3)において、R4は水素原子、メチル基
及びエチル基等のアルキル基、水酸基、ヒドロキシメチ
ル基及びヒドロキシエチル基等のヒドロキシアルキル
基、並びにポリアルキレンオキサイド基を表す。ポリア
ルキレンオキサイド基としては、繰り返し単位1〜10
0のものが好ましく、より好ましくは10〜50であ
る。さらにポリオキシアルキレン基としては、下記式
(4)に示す官能基が特に好ましい。
【0017】
【化4】
【0018】尚、式(4)において、R8はメチレン基、エ
チレン基及びプロピレン基等の炭素数1〜4のアルキレ
ン基であり、R9は水素原子又は炭素数1〜4のアルキ
ル基であり、sは1〜100であり、好ましくは10〜
50である。
【0019】式(3)において、R5及びR6は、それぞれ
が同一であっても異なっていても良い、水素原子、メチ
ル基及びエチル基等のアルキル基、フェニル基、メトキ
シ基及びエトキシ基等の炭素数1〜5のアルキル基を有
するアルコキシ基及びシクロヘキシル基等の環状アルキ
ル基が挙げられる。R7は、水酸基及びポリアルキレン
オキサイド基である。ポリアルキレンオキサイド基とし
ては、繰り返し単位1〜100のものが好ましくより、
好ましくは10〜50である。ポリアルキレンオキサイ
ド基としては、前記式(4)で表される官能基が特に好ま
しい。尚、式(3)において、R4又はR7は少なくともど
ちらか一方が、ポリオキシアルキレン基である必要があ
る。
【0020】式(3)で表される化合物としては、さらに
式(5)〜(7)で表される化合物が好ましい。
【0021】
【化5】
【0022】
【化6】
【0023】
【化7】
【0024】アゾ系RO開始剤又は光系RO開始剤の使
用割合は、得ようとする共重合体の目的とする分子量に
より適宜設定すれば良いが、全単量体を基準として0.
05〜5質量%が好ましい。0.05質量%に満たない
場合は、得られる共重合体の濾過速度向上及び含水率低
減効果が不充分となることがあり、5質量%を超えると
凝集力が低下することがある。
【0025】3)水溶性単量体 水溶性単量体としては、カチオン性単量体、アニオン性
単量体及びノニオン性単量体等を挙げることができる。
以下それぞれの単量体について説明する。 カチオン性単量体 カチオン性単量体としてはラジカル重合性を有するもの
であれば、使用に制限は無く、以下の様な化合物が適用
される。ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジ
エチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びジエチルア
ミノ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のジ
アルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの塩酸塩及
び硫酸塩等の3級塩;ジメチルアミノプロピル(メタ)ア
クリルアミド等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アク
リルアミドの塩酸塩及び硫酸塩等の3級塩、ジアルキル
アミノアルキル(メタ)アクリレートの塩化メチル付加物
等のハロゲン化アルキル付加物及び塩化ベンジル付加物
等のハロゲン化アリール付加物等の4級塩並びに;ジア
ルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドの塩化メチ
ル付加物等のハロゲン化アルキル付加物及び塩化ベンジ
ル付加物等のハロゲン化アリール付加物等の4級塩等が
挙げられる。
【0026】アニオン性単量体単位 アニオン性単量体としてもラジカル重合性を有するもの
であれば、使用に制限無く、以下の様な化合物が適用さ
れる。具体的には、不飽和カルボン酸及びその塩が挙げ
られ、より具体的にはアクリル酸、メタクリル酸、クロ
トン酸、イタコン酸及びマレイン酸等が挙げられ、本発
明で好ましい単量体は、アクリル酸及びメタクリル酸で
ある。不飽和カルボン酸の塩としては、アンモニウム
塩、ナトリウム及びカリウム等のアルカリ金属塩が挙げ
られる。
【0027】ノニオン性単量体 ノニオン性単量体としては、アクリルアミド、メタクリ
ルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリル
アミド、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブ
チルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、メ
トキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレー
ト、エチルカルビトールアクリレート、アクリロニトリ
ル及びビニルアセテート等を挙げることができる。
【0028】これらのカチオン性単量体、アニオン性単
量体及びノニオン性単量体は単独でも、2種以上を混合
して使用することもできる。
【0029】水溶性単量体の好ましい割合としては、全
単量体を基準として70〜100質量%が好ましく、よ
り好ましくは80〜100質量%、特に好ましくは95
〜100質量%である。水溶性単量体において、各単量
体の割合としては、カチオン性単量体又はアニオン性単
量体が5〜100モル%が好ましく、ノニオン性単量体
が10〜95モル%が好ましい。
【0030】4)製造方法 本発明は、アゾ系RO開始剤又は光系RO開始剤の存在
下に、水性媒体中で水溶性単量体を重合させる方法であ
る。
【0031】まず、アゾ系RO開始剤を使用する例につ
いて説明する。具体的な一例として水溶液重合の例を挙
げれば、単量体濃度が10〜80質量%、好ましくは2
5〜60質量%の単量体水溶液を酸素の非存在下に、ア
ゾ系RO開始剤を用いて、重合開始温度0〜35℃、重
合温度100℃以下で、0.1〜10時間重合させて重
合体とする。この場合、必要に応じてアゾ系RO開始剤
以外の重合開始剤を併用することもできる。具体的に
は、過硫酸ナトリウム及び過硫酸カリウム等の過硫酸
塩;、ベンゾイルパーオキシド等の有機過酸化物;2.2'
-アゾビス-(アミジノプロパン)ハイドロクロライド、ア
ゾビスシアノバレリン酸、2.2'-アゾビスイソブチロニ
トリル及び2.2'-アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒ
ドロキシエチル)−プロピオンアミド]等のアゾ系化合
物;並びに過酸化水素、過硫酸ナトリウムと重亜硫酸ナ
トリウム、硫酸第一鉄等の組み合わせからなるレドック
ス触媒等が挙げられる。紫外線による重合を行うことも
出来、例えばケタール型、アセトフェノン型等の光重合
開始剤を用いることも出来る。
【0032】アゾ系RO開始剤の使用量としては、目的
とする高分子凝集剤の重合度及び粘度等に従えば良く、
通常全単量体及びアゾ系RO開始剤の合計量を基準にし
て0.5〜5質量%用いることが好ましい。又、アゾ系
RO開始剤とその他の開始剤を併用する場合は、10時
間半減期温度がアゾ系RO開始剤の半減期温度よりも高
いものを用いることが好ましい。半減期温度が低いもの
を用いると、ブロック共重合体比率が減少し本発明の効
果が乏しくなる。
【0033】次に、光系RO開始剤を使用する例につい
て説明する。具体的には、重合開始剤を光系RO開始剤
に変更し、強度0.5〜1000W/m2の光を照射し
て重合を開始する以外は、前記アゾ系RO開始剤を用い
た製造方法と同様の方法で目的のブロック共重合を得る
ことができる。この場合、反応はバッチ式でも連続式で
も行なうことができる。光系RO開始剤の使用量として
は、目的とする高分子凝集剤の重合度及び粘度等に従え
ば良く、通常全単量体の合計量を基準にして0.05〜
5質量%用いることが好ましい。又、アゾ系RO開始剤
と同様、光系RO開始剤とその他の開始剤を併用する場
合は、前記と同様の理由で10時間半減期温度がアゾ系
RO開始剤の半減期温度よりも高いものを用いることが
好ましい。
【0034】3.用途 本発明の製造方法により得られる共重合体は、種々の用
途に応用することが可能である。例えば、高分子凝集
剤;歩留まり向上剤、紙力増強剤、ピッチコントロール
剤及びサイジング剤等の製紙工程における抄紙用薬剤;
炭酸カルシウム分散用等の分散剤;塗料用等の増粘剤;
洗剤用等のビルダー;並びに膏体用基材等が挙げられ
る。本発明で得られる共重合体は、特に高分子凝集剤と
して有用なものである。以下、高分子凝集剤について説
明する。
【0035】1)高分子凝集剤 得られる共重合体を凝集剤として使用する場合は、平均
分子量が数百万〜千数百万が好ましく、特に、下記の測
定方法で測定した0.5%塩粘度が5〜200mPa.s、
0.1%不溶解分量が洗浄後で5ml以下のものが好まし
い。 0.1%不溶解分量:共重合体を純水に溶解し、400m
lの0.1質量%(固形分換算)溶液を調製する。この溶
液全量を直径20cm、83メッシュの篩で濾過し、篩上
に残った不溶解分を集めてその容量を測定する。 0.5%塩粘度:共重合体を4質量%の塩化ナトリウム
水溶液に溶解し、0.5質量%共重合体溶液を調製す
る。B型粘度計を用いて、25℃、60rpm、5分後
の共重合体溶液の粘度を測定する。
【0036】水溶液重合により得られた共重合体は、通
常ゲル状であり、公知の方法で細断し、バンド式乾燥
機、遠赤外線式乾燥機等で60〜100℃程度の温度で
乾燥し、ロール式粉砕機等で粉砕して粉末状の共重合体
とされ、粒度調整されあるいは添加剤等が加えられて高
分子凝集剤として供せられる。
【0037】本発明の高分子凝集剤の使用に際しては、
硫酸水素ナトリウム、硫酸ナトリウム及びスルファミン
酸等、脱水処理に悪影響がでないかぎり公知の添加剤と
混合して使用しても良い。
【0038】2)汚泥の脱水方法 本発明の高分子凝集剤は、種々の汚泥に加えられて、フ
ロック強度、濾過速度及び含水率のバランス性に優れた
フロックを形成するものであるが、汚泥への添加方法、
フロックの形成方法に格別の方法はなく、現在使用され
ている方法が問題なく適用される。適用できる汚泥とし
ては、特に制限はなく、具体例としては、生活廃水処理
汚泥、食品工業廃水処理汚泥、化学工業廃水処理汚泥、
養豚場廃水処理汚泥及びパルプ又は製紙工業汚泥等が挙
げられる。又、本発明の高分子凝集剤は単独でも使用で
きるが、無機凝集剤又は有機カチオン性化合物と併用す
ることもできる。無機凝集剤としては、硫酸アルミニウ
ム、ポリ塩化アルミニウム、塩化第二鉄及びポリ硫酸鉄
等が挙げられる。有機カチオン性化合物としては、ポリ
マーポリアミン、ポリアミジン及びカチオン性界面活性
剤等が挙げられる。特に、本発明の高分子凝集剤が両性
高分子凝集剤である場合は、無機凝集剤の添加された汚
泥に、本発明の高分子凝集剤を添加する方法が、脱水方
法としてより効率的である。この場合、無機凝集剤を添
加した後、pHを4〜8調整することが好ましく、より
好ましくは5〜7である。本発明の高分子凝集剤の汚泥
への添加量は通常0.1〜3%/汚泥の乾燥固形分、好
ましくは0.2〜2%/汚泥の乾燥固形分であり、0.1
%未満では汚泥の懸濁物回収率が充分でなく、3%を越
えて使用しても効果の向上は認められない。形成された
フロックは、スクリュープレス型脱水機、ベルトプレス
型脱水機、フィルタープレス型脱水機、スクリュウーデ
カンター等の脱水装置を用いて脱水され脱水ケーキとす
ることが出来る。
【0039】又、本発明の凝集剤は、濾過部を有する造
粒濃縮槽を使用する脱水方法にも適用可能である。具体
的には、汚泥に、無機凝集剤を添加し、さらに高分子凝
集剤を添加した後、又は高分子凝集剤と共に、該汚泥を
濾過部を有する造粒濃縮槽に導入し、該濾過部からろ液
を取り出すと共に造粒し、この造粒物を脱水機で脱水処
理する方法等が挙げられる。
【0040】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げ、本発明をよ
り具体的に説明する。 (実施例1)ステンレス製デュワー瓶に、ジメチルアミ
ノエチルアクリレート塩化メチル4級塩水溶液(以下DAC
と言う)、アクリルアミド水溶液(以下AMと言う)を入
れ、それぞれが60.0、40.0モル%の組成で、全
重量が1Kg、全単量体濃度が46質量%になる様に蒸留
水を加えた。続いて窒素ガスを60分間溶液に吹き込み
ながら溶液温度を15℃に調節し、これにより重合用単
量体混合物水溶液を得た。次いで、全単量体重量を基準
として、塩化第二銅を銅イオンとして0.3ppm、アゾ系
RO開始剤〔和光純薬工業(株)製、商品名VPE−0
201、前記式(2)において、mが約40〜50で、n
が約5〜10である化合物〕を1.4質量%及び亜硫酸
水素ナトリウム(NaHSO3)を70ppmとなる様に加えて重
合を開始し、静置状態で1時間重合を続けた。その後得
られた含水ゲル状の水溶性共重合体をデュワー瓶から取
り出し細断した。これを80℃で5時間乾燥後粉砕して
目的の高分子凝集剤を得た。得られた各高分子凝集剤を
用いて、0.1%不溶解分量と0.5%塩粘度を測定し
た。それらの結果を表1に示す。
【0041】(実施例2〜5、比較例1〜3)単量体、
重合開始剤等を表1記載の条件に変更する以外は、実施
例1と同様にして高分子凝集剤を製造した。得られた各
高分子凝集剤を用いて、0.1%不溶解分量と0.5%
塩粘度を測定した。それらの結果を、表1に示す。尚、
表中のDMCはジメチルアミノエチルメタクリレートのメ
チルクロライド4級塩、AAはアクリル酸を、V−50は
アゾビスアミジノプロパン塩酸塩〔和光純薬(株)製〕を
表す。
【0042】
【表1】
【0043】(実施例6)ガラス製の容器に、DAC、AM
及びAAを入れ、それぞれが35.0、5.0及び60.
0モル%の組成で、全重量が1Kg、全単量体濃度が36
質量%になる様に蒸留水を加えた。続いて窒素ガスを6
0分間溶液に吹き込みながら溶液温度を15℃に調節
し、これにより重合用単量体混合物水溶液を得た。次い
で、全単量体重量を基準として、前記式(5)で表される
光系RO開始剤(s=20)を1200ppmとなる様に
加えて、反応器の上方から、100Wブラックライトを
用いて6.0mW/cm2の照射強度で60分間照射し
て重合を行った。その後得られた含水ゲル状の水溶性共
重合体をデュワー瓶から取り出し細断した。これを80
℃で5時間乾燥後粉砕して目的の高分子凝集剤C4を得
た。得られた高分子凝集剤を用いて、0.1%不溶解分
量と0.5%塩粘度を測定した。それらの結果を表2に
示す。
【0044】
【表2】
【0045】(実施例7)単量体、重合開始剤等を表2
記載の条件に変更する以外は、実施例6と同様にして高
分子凝集剤B2を得た。得られた高分子凝集剤を用い
て、0.1%不溶解分量と0.5%塩粘度を測定した。
それらの結果を表2に示す。
【0046】(実施例8及び比較例4)都市下水の混合
生汚泥(SS:15500mg/L、VSS:12400
mg/L)100mlを300mlのビーカーに採取し、実施
例1及び比較例1で製造した高分子凝集剤のいずれかを
添加後、攪拌機を用いて1000rpmで30秒間攪拌し
て汚泥フロックを生成させ、フロックの粒径を測定し
た。その後、80メッシュの網をフィルターとして用い
て、前記汚泥フロック分散液を重力濾過した。10秒後
の濾液容量を測定しこれを濾過速度として示した。得ら
れたケーキを遠心脱水機(4000rpm)で1分間脱水
し含水量を測定した。これらの測定結果を、表3及び表
4に示す。
【0047】(実施例9及び比較例5)都市下水の混合
生汚泥(SS:18900mg/L、VSS:14300
mg/L)200mlを300mlのビーカーに採取し、実施
例2、実施例7及び比較例2で製造した高分子凝集剤の
いずれかを添加後、攪拌機を用いて200rpmで60秒
間攪拌して汚泥フロックを生成させ、フロックの粒径を
測定した。その後、実施例6と同様の方法で、前記汚泥
フロック分散液を重力濾過し、濾過速度を測定した。得
られたケーキをミニベルトプレス機にて圧搾脱水(面圧
0.5kg/cm2、3段)し含水量を測定した。これ
らの測定結果を、表2に示す。
【0048】(実施例10〜13及び比較例6)製紙パ
ルプ工業排水汚泥(SS:31900mg/L、VSS:
19100mg/L)500mlを1lビーカーに採取し、
硫酸バンド3質量%(対SS)を添加後、実施例3〜6
及び比較例3で製造した高分子凝集剤のいずれかを添加
後、攪拌機を用いて100rpmで90秒間攪拌して汚泥
フロックを生成させ、フロックの粒径を測定した。その
後、実施例8と同様の方法で、前記汚泥フロック分散液
を重力濾過し、濾過速度を測定した。得られたケーキ
を、実施例9と同様の方法で圧搾脱水し、含水量を測定
した。これらの測定結果を、表3及び表4に示す。
【0049】実施例8と比較例4、実施例9と比較例
5、及び実施例10〜12と比較例6を比較すると明ら
かな様に、いずれの実施例の高分子凝集剤も、比較例の
高分子凝集剤と比較して、濾過速度に優れ、フロック含
水率も減少している。尚、フロック含水率が2質量%減
少すると、その後の焼却工程において、使用する重油の
量を10質量%を削減することができる。
【0050】
【表3】
【0051】
【表4】
【0052】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、ゲル化等を
起こすことなく安定に共重合体を得ることができ、又得
られる共重合体は高分子凝集剤として使用した場合、汚
泥の脱水において、フロック強度、濾過速度、含水率の
バランス性に優れたフロックの形成を可能とする優れた
効果を奏するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01F 17/38 B01F 17/38 C02F 11/14 C02F 11/14 D E ZAB ZABB D21H 17/42 D21H 17/42 17/44 17/44 21/10 21/10 21/20 21/20 Fターム(参考) 4D015 BA05 BA19 BB05 BB09 BB11 BB12 CA11 DA04 DA05 DA17 DB19 DB44 FA03 FA19 FA28 4D059 BE08 BE16 BE19 BE26 BE55 BE57 BE60 BE61 DA16 DA17 DB21 DB22 4D077 AC05 CA11 DD05 DD28 DD42 4J026 GA06 HA39 HA43 HA45 HB10 HB11 HB17 HE01 HE02 4L055 AG70 AG71 AG72 AG88 AG89 AG91 AG99 AH17 AH18 AH36 AH50 FA10 FA13 FA20 FA30

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アゾ基を有するポリアルキレンオキサイド
    化合物又は光解裂基を有するポリアルキレンオキサイド
    化合物の存在下に、水性媒体中で水溶性単量体を重合す
    ることを特徴とするブロック共重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の製造方法で得られたブロッ
    ク共重合体を含有してなる高分子凝集剤。
  3. 【請求項3】前記水溶性単量体がカチオン性単量体を含
    有することを特徴とする請求項2記載のカチオン性高分
    子凝集剤。
  4. 【請求項4】前記水溶性単量体がカチオン性単量体及び
    アニオン性単量体を含有することを特徴とする請求項2
    記載の両性高分子凝集剤。
  5. 【請求項5】汚泥に無機凝集剤又は有機カチオン性化合
    物を添加した後又は添加せずに前記請求項2〜4のいず
    れかに記載の高分子凝集剤を添加し脱水処理することを
    特徴とする汚泥の脱水方法。
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