JP2004283716A - 汚泥の脱水方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】古紙回収工程で生じるスクリーン粕等の副生物を有効利用できる方法、並びに種々の汚泥に対して凝集脱水性能に優れ、特に余剰比率の大きい汚泥に対しても凝集脱水性能に優れる汚泥の脱水方法の提供。
【解決手段】汚泥に対し、古紙回収工程で得られる繊維分及び有機高分子凝集剤を併用して添加し、脱水する汚泥の脱水方法。
【選択図】なし
【解決手段】汚泥に対し、古紙回収工程で得られる繊維分及び有機高分子凝集剤を併用して添加し、脱水する汚泥の脱水方法。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、汚泥の脱水方法に関するものであり、本発明の脱水方法によれば、種々の汚泥に対して強度、濾過速度及び含水率等のバランスに優れるフロックを得ることができ、廃水処理の技術分野で賞用され得るものである。
【0002】
【従来の技術】
都市下水や工場廃水等で生ずる汚泥の凝集脱水処理のために、従来から各種の凝集剤が広く使用されてきている。近年、汚泥発生量の増加及び汚泥性状の悪化により、従来の高分子凝集剤を必須とした処理だけでは必ずしも満足出来るものではなく、その改善が求められている。
【0003】
このため、高分子凝集剤として、高分子中にカチオン性単位とアニオン性単位を有する両性高分子凝集剤を使用する方法が、種々検討されている。
その他、以下に示す脱水方法が提案されている。
例えば、無機凝集剤としてポリ硫酸鉄を用い、これにノニオン性、アニオン性、又はカチオン性高分子凝集剤を単独で添加してフロックを形成し、脱水する方法(特許文献1)や、無機凝集剤と両性高分子凝集剤を用いる汚泥の脱水方法(特許文献2)が提案されている。これら以外にも、無機凝集剤を添加後、pHを5〜8に調節し、これに両性高分子凝集剤を添加する方法(特許文献3)がある。
【0004】
しかしながら、前記した汚泥の脱水方法は、それなりに特長を有するものではあるが、最近の廃水の難脱水傾向に対して、必ずしも有効的な方法とは言い難いものであった。
具体的には、近年、廃水処理後のCOD値をより低いものとする要求があるため、廃水に対する活性汚泥処理等の生物化学処理の比率が従来より高くなっており、汚泥脱水処理を行う汚泥は余剰汚泥を多く含んだものとなっている。
しかしながら、前記生物化学処理により発生する余剰汚泥は、主成分が生物体の細胞であるため非常に脱水し難い。
又、製紙廃水の処理においては、近年、廃水中の繊維分の回収率が上昇しているため、汚泥中の繊維分含有量が低くなり、従来の高分子凝集剤や汚泥脱水方法では対応できない場合があった。
【0005】
ところで、古紙パルプ再生工程又は古紙繊維回収工程においては、スクリーン粕又はスクリーンリジェクト(以下これらをまとめて「スクリーン粕」という)と称される成分が生じてしまう。
スクリーン粕は、ダンボール、雑誌及び新聞等の雑古紙を水中に離解して得られる古紙離解繊維を、スクリーン等の分離装置を使用して、製紙工程に再使用される繊維分と、プラスチックフィルム及びピッチ等のその他の成分といった夾雑物とに分離する精選工程において副生する、夾雑物を含む繊維分である。
スクリーン粕には、製紙工程に使用可能な繊維分を含んでおり、スクリーン粕を再度精選することにより、製紙工程に再使用される繊維分と夾雑物を分離することも行われている。この場合の精選工程でも、スクリーン粕が発生する。
しかしながら、スクリーン粕の精選を過剰に繰り返すことは工業的に不利となり、従来は、最終的に分離工程から排出されるスクリーン粕は、廃棄又は焼却するしかなく、その処理方法が問題となっていた。
【0006】
【特許文献1】
特開昭58−51998号公報(特許請求の範囲)
【特許文献2】
特開昭59−16599号公報(特許請求の範囲)
【特許文献3】
特開昭63−158200号公報(特許請求の範囲)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、古紙パルプ再生工程又は古紙繊維回収工程で生じるスクリーン粕等を有効利用できる方法、並びに種々の汚泥に対して凝集脱水性能に優れ、特に余剰比率の大きい汚泥に対しても凝集脱水性能に優れる汚泥の脱水方法を見出すため鋭意検討を行ったのである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、汚泥に、古紙パルプ再生工程又は古紙繊維回収工程で得られるスクリーン粕等の繊維分を添加した後、有機高分子凝集剤を添加して脱水することにより、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
以下、本発明を詳細に説明する。
尚、本明細書においては、アクリレート又はメタクリレートを(メタ)アクリレートと表し、アクリルアミド又はメタクリルアミドを(メタ)アクリルアミドと表す。
【0009】
【発明の実施の形態】
1.古紙パルプ再生工程又は古紙繊維回収工程で得られる繊維分
本発明で使用する古紙パルプ再生工程又は古紙繊維回収工程で得られる繊維分(以下単に「繊維分」という)は、古紙パルプ再生工程又は古紙繊維回収工程で得られるものであれば種々のものが使用可能である。
繊維分の具体例としては、古紙離解繊維及び精選工程における夾雑物を含有する繊維分等が挙げられる。
古紙離解繊維としては、より具体的には、古紙パルプ再生工程又は古紙繊維回収工程において、ダンボール、雑誌及び新聞等の雑古紙を水中に離解して得られる繊維状物等が挙げられる。又、精選工程における夾雑物を含有する繊維分としては、前記古紙離解繊維を、スクリーン等の分離装置を使用して、製紙工程に再使用される繊維分と、プラスチックフィルム及びピッチ等のその他の成分といった夾雑物とに分離する精選工程において副生する、夾雑物を含む繊維分等が挙げられ、通常スクリーン粕又はスクリーンリジェクトと呼ばれるもの等が挙げられる。繊維分としては、脱水性能に優れる点で、精選工程で得られる繊維分が好ましい。
これら繊維分は、汚泥脱水における脱水助剤として機能するものである。
【0010】
2.有機高分子凝集剤
本発明で使用する有機高分子凝集剤としては、種々のものが使用でき、具体的には、カチオン性高分子凝集剤、アニオン性高分子凝集剤及び両性高分子凝集剤が挙げられる。
カチオン性高分子凝集剤としては、カチオン性単量体及びノニオン性単量体の共重合体が挙げられる。アニオン性高分子凝集剤としては、アニオン性単量体及びノニオン性単量体の共重合体が挙げられる。両性高分子凝集剤としては、カチオン性単量体、アニオン性単量体及びノニオン性単量体の共重合体を挙げることができる。
以下それぞれの単量体について説明する。
【0011】
カチオン性単量体としては、カチオン性を有しラジカル重合性を有するものであれば、種々の単量体を使用することができる。
具体的には、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びジエチルアミノ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの塩酸塩及び硫酸塩等の3級塩;ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドの塩酸塩及び硫酸塩等の3級塩、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの塩化メチル付加物等のハロゲン化アルキル付加物及び塩化ベンジル付加物等のハロゲン化アリール付加物等の4級塩並びに;ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドの塩化メチル付加物等のハロゲン化アルキル付加物及び塩化ベンジル付加物等のハロゲン化アリール付加物等の4級塩等が挙げられる。
【0012】
アニオン性単量体としては、アニオン性を有しラジカル重合性を有するものであれば、種々の単量体を使用することができる。
具体的には、不飽和カルボン酸及びその塩が挙げられ、より具体的にはアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸及びマレイン酸等が挙げられ、アクリル酸及びメタクリル酸が好ましい。
不飽和カルボン酸の塩としては、アンモニウム塩、ナトリウム及びカリウム等のアルカリ金属塩が挙げられる。
【0013】
ノニオン性単量体としては、(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、アクリロニトリル及びビニルアセテート等を挙げることができる。
これらの中でも、(メタ)アクリルアミドが好ましい。
【0014】
両性高分子凝集剤としては、前記以外にもアニオン性アクリルアミド重合体のマンニッヒ変性物等も挙げることができる。
【0015】
本発明においては、有機高分子凝集剤として両性高分子凝集剤を使用することが好ましい。両性高分子凝集剤としては、1種の両性高分子からなるもの、カチオン当量値及びアニオン当量値の異なる2種以上の両性高分子を混合したものでも良い。
この場合、両性高分子凝集剤のカチオン当量値(以下Caという)及びアニオン当量値(以下Anという)としては、下記式(1)を満たすものがより好ましい。
【0016】
【式1】
0.1<An/Ca<1.5 ・・・・(1)
【0017】
本発明で使用する両性高分子凝集剤としては、Ca及びAnの異なる2種以上の両性高分子を混合したものを使用することが好ましい。この場合、使用する原料両性高分子としては、An/Caの差が大きいもの同志を混合したものが好ましく、具体的にはAn/Ca<1のものとAn/Ca>1のものを構成成分とする組成物が特に好ましい。
【0018】
尚、本発明におけるCa及びAnとは、以下に示すコロイド滴定法によつて求めた値をいい、単位はmeq/gであり、本明細書においてはその記載を省略する。
【0019】
1)Caの測定
(1)滴定法
コニカルビーカーに脱イオン水90mlをとり、試料500ppm溶液10mlを加え、塩酸水溶液でpHを3.0とし、約1分間攪拌する。次に、トルイジンブルー指示薬を2〜3滴加え、N/400ポリビニル硫酸カリウム試薬(以下N/400PVSKという)で滴定する。
滴定速度は2ml/分とし、検水が青から赤紫色に変色、10秒間以上保持する時点を終点とする。
(2)試料500ppm水溶液の調製
試料0.2g(乾品換算しない)を精秤し、共栓付三角コルベンにとり、脱イオン水100mlで溶解する。この25mlを100mlメスフラスコにて脱イオン水でメスアツプする。
(3)計算法
【0020】
【式2】
【0021】
2)Anの測定
(1)滴定法
コニカルビーカーに脱イオン水90mlをとり、試料500ppm溶液10mlを加え、苛性ソーダ水溶液でpHを7.0とし、約1分間攪拌する。次に、トルイジンブルー指示薬を2〜3滴加え、N/400ポリビニル硫酸カリウム試薬(以下N/400PVSKという)で滴定する。
滴定速度は2ml/分とし、検水が青から赤紫色に変色、10秒間以上保持する時点を終点とする。
(2)試料500ppm水溶液の調製
試料0.2g(乾品換算しない)を精秤し、共栓付三角コルベンにとり、脱イオン水100mlで溶解する。この25mlを100mlメスフラスコにて脱イオン水でメスアツプする。
(3)計算法
【0022】
【式3】
【0023】
両性高分子の分子量については、分子量の指標である0.5%塩粘度で示すと、5〜120mPa・sであることが好ましく、安定した脱水処理を達成するためには、15〜90mPa・sがより好ましい。
本発明において0.5%塩粘度とは、4%塩化ナトリウム水溶液に両性高分子を0.5%溶解した試料を25℃で、B型粘度計にて、ローターNo.1又は2を用いて、60rpmで測定した値を意味する。
【0024】
前記共重合体の製造方法としては特に制限はなく、一般的な重合方法を採用して得られたものであれば良い。例えば、水溶液重合であれば、重合開始剤として過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩や、レドックス系の開始剤等を用いることができる。又、ケタール型光重合開始剤及びアセトフェノン型光重合開始剤等の光重合開始剤を使用して、紫外線照射して重合することもできる。又、逆相の懸濁重合や逆相のエマルション重合であれば、前記重合開始剤以外に、アゾビスイソブチロニトリルや過酸化ベンゾイル等の水不溶性開始剤を用いて重合を行っても良い。
【0025】
又、有機高分子凝集剤には、硫酸水素ナトリウム、硫酸ナトリウム及びスルファミン酸等、脱水処理に悪影響がでないかぎり公知の添加剤と混合して使用しても良い。
【0026】
3.汚泥の脱水方法
本発明の脱水方法は、汚泥に対し、繊維分及び有機高分子凝集剤を併用して添加して汚泥フロックを形成させ、脱水する方法である。
汚泥に対する繊維分と有機高分子凝集剤の添加方法としては、繊維分と有機高分子凝集剤を同時に添加しても、前後別々に添加しても良い。好ましい方法は、繊維分を添加した後、有機高分子凝集剤を添加する方法である。又、繊維分の添加は、脱水工程の前であれば特に限定されるものではない。例えば、抄紙工程から排出される排水に添加しても良く、凝沈等の排水処理工程前の排水に添加しても良い。
汚泥に対する繊維分の添加割合としては、汚泥中の全固形分に対する割合(TS%)として、1〜30TS%であることが好ましく、10〜20TS%が更に好ましい。有機高分子凝集剤の添加割合としては、汚泥に対して50〜300ppmが好ましい。
フロックの形成方法は、公知の方法に従えば良い。
【0027】
本発明で使用する有機高分子凝集剤としては、両性高分子凝集剤を使用することが好ましい。両性高分子凝集剤としては、さらにCa及びAnの異なる2種以上の両性高分子を混合したものがより好ましい。
両性高分子凝集剤を使用する場合、アニオン性高分子凝集剤と併用することが好ましい。両性高分子凝集剤とアニオン性高分子凝集剤を併用する場合においては、それぞれの凝集剤を同時に添加しても、前後別々に添加しても良い。本発明においてより好ましい方法は、アニオン性高分子凝集剤を添加した後、両性高分子凝集剤を添加する方法である。
【0028】
両性高分子凝集剤とアニオン性高分子凝集剤を併用する場合においては、使用する全凝集剤の全カチオン当量値(以下Caallという)及び全アニオン当量値(以下Anallという)が、下記式(2)を満たす割合で汚泥に添加する方法がより好ましい。
【0029】
【式4】
0.1<Anall/Caall<1.5 ・・・・(2)
【0030】
本発明が適用される汚泥としては、種々の汚泥に適用可能であり、下水、し尿、並びに食品工業、化学工業及びパルプ又は製紙工業汚泥等の一般産業排水で生じる有機性汚泥及び凝集沈降汚泥を含む混合汚泥等を挙げることができる。
本発明の方法は、これら汚泥の中でも余剰比率の大きい汚泥、特に混合汚泥に好ましく適用できる。具体的には、余剰比率10〜60SS%(汚泥中の懸濁浮遊物の割合)の汚泥に好ましく適用できる。
【0031】
これらの中でも、パルプ又は製紙工業汚泥が好ましい。パルプ又は製紙工業汚泥とは、パルプ又は製紙工業から排出される廃水を処理する際に発生する汚泥である。パルプ廃水としては、クラフトパルプ廃水、亜硫酸パルプ廃水、晒し廃水、グランドパルプ廃水、及びセミケミカルパルプ廃水等が挙げられる。
【0032】
本発明においては、無機凝集剤又は有機カチオン性化合物を添加した後、前記両性高分子凝集剤を添加する方法が好ましい。
【0033】
無機凝集剤としては、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、塩化第二鉄及び硫酸第一鉄及びポリ硫酸鉄等を例示できる。
【0034】
有機カチオン性化合物としては、ポリマーポリアミン、ポリアミジン及びカチオン性界面活性剤等を例示できる。
【0035】
さらに、本発明においては、無機凝集剤又は有機カチオン性化合物を添加した後、pHを4〜8とすることが、より効果的に汚泥の処理を行うことができるため好ましい。
pHの調整方法としては、無機凝集剤又は有機カチオン性化合物を添加した後、当該pH値を満たす場合は、特にpH調整の必要はないが、本発明で限定する範囲を満たさない場合は、酸又はアルカリを添加して調整する。
酸としては、塩酸、硫酸、酢酸及びスルファミン酸等を挙げることができる。又、アルカリとしては、苛性ソーダ、苛性カリ、消石灰及びアンモニア等が挙げられる。
【0036】
無機凝集剤及びカチオン性化合物の添加量、攪拌速度、攪拌時間等は、従来行われている脱水条件に従えば良い。
【0037】
このようにして形成したフロックは、公知の手段を用いて脱水し、脱水ケーキとする。
【0038】
脱水装置としては、スクリュープレス型脱水機、ベルトプレス型脱水機、フィルタープレス型脱水機及びスクリューデカンター等を例示することができる。
【0039】
又、本発明は、濾過部を有する造粒濃縮槽を使用する脱水方法にも適用可能である。
具体的には、汚泥に、無機凝集剤を添加し、さらに高分子凝集剤を添加した後、又は高分子凝集剤と共に、該汚泥を濾過部を有する造粒濃縮槽に導入し、該濾過部からろ液を取り出すと共に造粒し、この造粒物を脱水機で脱水処理する方法等が挙げられる。
【0040】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を挙げ、本発明をより具体的に説明する。
(実施例1)
古紙パルプ廃水のスカム廃水(SS:31000mg/l、VSS:15500mg/l、繊維分300mg/l)と余剰汚泥(SS:10000mg/l、VSS:7900mg/l、繊維分70mg/l)の65:35(SS%)混合汚泥200mlを300mlのビーカーに採取し、これに古紙回収精選工程で発生したスクリーン粕15TS%を添加攪拌した。
続いて、以下に示すアニオン性高分子凝集剤の40ppmを添加して30秒間攪拌後、以下に示す両性高分子凝集剤の120ppmを添加攪拌してフロックを生成させた。
【0041】
○アニオン性高分子凝集剤:An=9.9のアクリル系重合体からなる凝集剤
【0042】
○両性高分子凝集剤:Ca及びAnの異なる2種のアクリル系両性高分子の混合物であって、Ca=3.1及びAn=1.8を有する凝集剤
【0043】
フロックの造粒性を目視で評価すると共に、粒径を測定した。尚、表1の造粒性の評価における優、良及び劣とは、以下を意味する。
優:粒径10mm以上のフロックが形成された後、60rpmで1分間攪拌を続けても崩れない。
良:粒径5〜10mmのフロックが形成された後、60rpmで1分間攪拌を続けても崩れない。
劣:粒径5mm未満のフロックが形成された後、攪拌を続けると崩れてしまう。
その後、80メッシュの網をフィルターとして用いて、前記汚泥フロック分散液を重力濾過した。10秒後の濾液容量を測定しこれを濾過速度として示した。得られたケーキを4mmφのパンチングメタルに挟み、6.5kg×3分間の荷重をかけ、パンチング穴から逸脱したケーキ重量(パンチング漏れ)を秤った。その脱水試験の結果を表1に示す。
【0044】
○実施例2、3及び比較例1
実施例1において、表1に示す古紙離解繊維をアニオン性凝集剤の添加前に添加するか(実施例2及び同3)、又は添加しない(比較例1)以外は実施例1と同様の方法に従い、汚泥の脱水を行った。実施例1と同様に評価した結果を、表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
【発明の効果】
本発明の汚泥方法によれば、古紙回収工程で生じるスクリーン粕等の副生物を有効利用することができるうえ、余剰比率の高い汚泥に対しても、各種凝集脱水性能に優れ、かつ低含水率のケーキを与えることができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、汚泥の脱水方法に関するものであり、本発明の脱水方法によれば、種々の汚泥に対して強度、濾過速度及び含水率等のバランスに優れるフロックを得ることができ、廃水処理の技術分野で賞用され得るものである。
【0002】
【従来の技術】
都市下水や工場廃水等で生ずる汚泥の凝集脱水処理のために、従来から各種の凝集剤が広く使用されてきている。近年、汚泥発生量の増加及び汚泥性状の悪化により、従来の高分子凝集剤を必須とした処理だけでは必ずしも満足出来るものではなく、その改善が求められている。
【0003】
このため、高分子凝集剤として、高分子中にカチオン性単位とアニオン性単位を有する両性高分子凝集剤を使用する方法が、種々検討されている。
その他、以下に示す脱水方法が提案されている。
例えば、無機凝集剤としてポリ硫酸鉄を用い、これにノニオン性、アニオン性、又はカチオン性高分子凝集剤を単独で添加してフロックを形成し、脱水する方法(特許文献1)や、無機凝集剤と両性高分子凝集剤を用いる汚泥の脱水方法(特許文献2)が提案されている。これら以外にも、無機凝集剤を添加後、pHを5〜8に調節し、これに両性高分子凝集剤を添加する方法(特許文献3)がある。
【0004】
しかしながら、前記した汚泥の脱水方法は、それなりに特長を有するものではあるが、最近の廃水の難脱水傾向に対して、必ずしも有効的な方法とは言い難いものであった。
具体的には、近年、廃水処理後のCOD値をより低いものとする要求があるため、廃水に対する活性汚泥処理等の生物化学処理の比率が従来より高くなっており、汚泥脱水処理を行う汚泥は余剰汚泥を多く含んだものとなっている。
しかしながら、前記生物化学処理により発生する余剰汚泥は、主成分が生物体の細胞であるため非常に脱水し難い。
又、製紙廃水の処理においては、近年、廃水中の繊維分の回収率が上昇しているため、汚泥中の繊維分含有量が低くなり、従来の高分子凝集剤や汚泥脱水方法では対応できない場合があった。
【0005】
ところで、古紙パルプ再生工程又は古紙繊維回収工程においては、スクリーン粕又はスクリーンリジェクト(以下これらをまとめて「スクリーン粕」という)と称される成分が生じてしまう。
スクリーン粕は、ダンボール、雑誌及び新聞等の雑古紙を水中に離解して得られる古紙離解繊維を、スクリーン等の分離装置を使用して、製紙工程に再使用される繊維分と、プラスチックフィルム及びピッチ等のその他の成分といった夾雑物とに分離する精選工程において副生する、夾雑物を含む繊維分である。
スクリーン粕には、製紙工程に使用可能な繊維分を含んでおり、スクリーン粕を再度精選することにより、製紙工程に再使用される繊維分と夾雑物を分離することも行われている。この場合の精選工程でも、スクリーン粕が発生する。
しかしながら、スクリーン粕の精選を過剰に繰り返すことは工業的に不利となり、従来は、最終的に分離工程から排出されるスクリーン粕は、廃棄又は焼却するしかなく、その処理方法が問題となっていた。
【0006】
【特許文献1】
特開昭58−51998号公報(特許請求の範囲)
【特許文献2】
特開昭59−16599号公報(特許請求の範囲)
【特許文献3】
特開昭63−158200号公報(特許請求の範囲)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、古紙パルプ再生工程又は古紙繊維回収工程で生じるスクリーン粕等を有効利用できる方法、並びに種々の汚泥に対して凝集脱水性能に優れ、特に余剰比率の大きい汚泥に対しても凝集脱水性能に優れる汚泥の脱水方法を見出すため鋭意検討を行ったのである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、汚泥に、古紙パルプ再生工程又は古紙繊維回収工程で得られるスクリーン粕等の繊維分を添加した後、有機高分子凝集剤を添加して脱水することにより、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
以下、本発明を詳細に説明する。
尚、本明細書においては、アクリレート又はメタクリレートを(メタ)アクリレートと表し、アクリルアミド又はメタクリルアミドを(メタ)アクリルアミドと表す。
【0009】
【発明の実施の形態】
1.古紙パルプ再生工程又は古紙繊維回収工程で得られる繊維分
本発明で使用する古紙パルプ再生工程又は古紙繊維回収工程で得られる繊維分(以下単に「繊維分」という)は、古紙パルプ再生工程又は古紙繊維回収工程で得られるものであれば種々のものが使用可能である。
繊維分の具体例としては、古紙離解繊維及び精選工程における夾雑物を含有する繊維分等が挙げられる。
古紙離解繊維としては、より具体的には、古紙パルプ再生工程又は古紙繊維回収工程において、ダンボール、雑誌及び新聞等の雑古紙を水中に離解して得られる繊維状物等が挙げられる。又、精選工程における夾雑物を含有する繊維分としては、前記古紙離解繊維を、スクリーン等の分離装置を使用して、製紙工程に再使用される繊維分と、プラスチックフィルム及びピッチ等のその他の成分といった夾雑物とに分離する精選工程において副生する、夾雑物を含む繊維分等が挙げられ、通常スクリーン粕又はスクリーンリジェクトと呼ばれるもの等が挙げられる。繊維分としては、脱水性能に優れる点で、精選工程で得られる繊維分が好ましい。
これら繊維分は、汚泥脱水における脱水助剤として機能するものである。
【0010】
2.有機高分子凝集剤
本発明で使用する有機高分子凝集剤としては、種々のものが使用でき、具体的には、カチオン性高分子凝集剤、アニオン性高分子凝集剤及び両性高分子凝集剤が挙げられる。
カチオン性高分子凝集剤としては、カチオン性単量体及びノニオン性単量体の共重合体が挙げられる。アニオン性高分子凝集剤としては、アニオン性単量体及びノニオン性単量体の共重合体が挙げられる。両性高分子凝集剤としては、カチオン性単量体、アニオン性単量体及びノニオン性単量体の共重合体を挙げることができる。
以下それぞれの単量体について説明する。
【0011】
カチオン性単量体としては、カチオン性を有しラジカル重合性を有するものであれば、種々の単量体を使用することができる。
具体的には、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びジエチルアミノ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの塩酸塩及び硫酸塩等の3級塩;ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドの塩酸塩及び硫酸塩等の3級塩、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの塩化メチル付加物等のハロゲン化アルキル付加物及び塩化ベンジル付加物等のハロゲン化アリール付加物等の4級塩並びに;ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドの塩化メチル付加物等のハロゲン化アルキル付加物及び塩化ベンジル付加物等のハロゲン化アリール付加物等の4級塩等が挙げられる。
【0012】
アニオン性単量体としては、アニオン性を有しラジカル重合性を有するものであれば、種々の単量体を使用することができる。
具体的には、不飽和カルボン酸及びその塩が挙げられ、より具体的にはアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸及びマレイン酸等が挙げられ、アクリル酸及びメタクリル酸が好ましい。
不飽和カルボン酸の塩としては、アンモニウム塩、ナトリウム及びカリウム等のアルカリ金属塩が挙げられる。
【0013】
ノニオン性単量体としては、(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、アクリロニトリル及びビニルアセテート等を挙げることができる。
これらの中でも、(メタ)アクリルアミドが好ましい。
【0014】
両性高分子凝集剤としては、前記以外にもアニオン性アクリルアミド重合体のマンニッヒ変性物等も挙げることができる。
【0015】
本発明においては、有機高分子凝集剤として両性高分子凝集剤を使用することが好ましい。両性高分子凝集剤としては、1種の両性高分子からなるもの、カチオン当量値及びアニオン当量値の異なる2種以上の両性高分子を混合したものでも良い。
この場合、両性高分子凝集剤のカチオン当量値(以下Caという)及びアニオン当量値(以下Anという)としては、下記式(1)を満たすものがより好ましい。
【0016】
【式1】
0.1<An/Ca<1.5 ・・・・(1)
【0017】
本発明で使用する両性高分子凝集剤としては、Ca及びAnの異なる2種以上の両性高分子を混合したものを使用することが好ましい。この場合、使用する原料両性高分子としては、An/Caの差が大きいもの同志を混合したものが好ましく、具体的にはAn/Ca<1のものとAn/Ca>1のものを構成成分とする組成物が特に好ましい。
【0018】
尚、本発明におけるCa及びAnとは、以下に示すコロイド滴定法によつて求めた値をいい、単位はmeq/gであり、本明細書においてはその記載を省略する。
【0019】
1)Caの測定
(1)滴定法
コニカルビーカーに脱イオン水90mlをとり、試料500ppm溶液10mlを加え、塩酸水溶液でpHを3.0とし、約1分間攪拌する。次に、トルイジンブルー指示薬を2〜3滴加え、N/400ポリビニル硫酸カリウム試薬(以下N/400PVSKという)で滴定する。
滴定速度は2ml/分とし、検水が青から赤紫色に変色、10秒間以上保持する時点を終点とする。
(2)試料500ppm水溶液の調製
試料0.2g(乾品換算しない)を精秤し、共栓付三角コルベンにとり、脱イオン水100mlで溶解する。この25mlを100mlメスフラスコにて脱イオン水でメスアツプする。
(3)計算法
【0020】
【式2】
【0021】
2)Anの測定
(1)滴定法
コニカルビーカーに脱イオン水90mlをとり、試料500ppm溶液10mlを加え、苛性ソーダ水溶液でpHを7.0とし、約1分間攪拌する。次に、トルイジンブルー指示薬を2〜3滴加え、N/400ポリビニル硫酸カリウム試薬(以下N/400PVSKという)で滴定する。
滴定速度は2ml/分とし、検水が青から赤紫色に変色、10秒間以上保持する時点を終点とする。
(2)試料500ppm水溶液の調製
試料0.2g(乾品換算しない)を精秤し、共栓付三角コルベンにとり、脱イオン水100mlで溶解する。この25mlを100mlメスフラスコにて脱イオン水でメスアツプする。
(3)計算法
【0022】
【式3】
【0023】
両性高分子の分子量については、分子量の指標である0.5%塩粘度で示すと、5〜120mPa・sであることが好ましく、安定した脱水処理を達成するためには、15〜90mPa・sがより好ましい。
本発明において0.5%塩粘度とは、4%塩化ナトリウム水溶液に両性高分子を0.5%溶解した試料を25℃で、B型粘度計にて、ローターNo.1又は2を用いて、60rpmで測定した値を意味する。
【0024】
前記共重合体の製造方法としては特に制限はなく、一般的な重合方法を採用して得られたものであれば良い。例えば、水溶液重合であれば、重合開始剤として過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩や、レドックス系の開始剤等を用いることができる。又、ケタール型光重合開始剤及びアセトフェノン型光重合開始剤等の光重合開始剤を使用して、紫外線照射して重合することもできる。又、逆相の懸濁重合や逆相のエマルション重合であれば、前記重合開始剤以外に、アゾビスイソブチロニトリルや過酸化ベンゾイル等の水不溶性開始剤を用いて重合を行っても良い。
【0025】
又、有機高分子凝集剤には、硫酸水素ナトリウム、硫酸ナトリウム及びスルファミン酸等、脱水処理に悪影響がでないかぎり公知の添加剤と混合して使用しても良い。
【0026】
3.汚泥の脱水方法
本発明の脱水方法は、汚泥に対し、繊維分及び有機高分子凝集剤を併用して添加して汚泥フロックを形成させ、脱水する方法である。
汚泥に対する繊維分と有機高分子凝集剤の添加方法としては、繊維分と有機高分子凝集剤を同時に添加しても、前後別々に添加しても良い。好ましい方法は、繊維分を添加した後、有機高分子凝集剤を添加する方法である。又、繊維分の添加は、脱水工程の前であれば特に限定されるものではない。例えば、抄紙工程から排出される排水に添加しても良く、凝沈等の排水処理工程前の排水に添加しても良い。
汚泥に対する繊維分の添加割合としては、汚泥中の全固形分に対する割合(TS%)として、1〜30TS%であることが好ましく、10〜20TS%が更に好ましい。有機高分子凝集剤の添加割合としては、汚泥に対して50〜300ppmが好ましい。
フロックの形成方法は、公知の方法に従えば良い。
【0027】
本発明で使用する有機高分子凝集剤としては、両性高分子凝集剤を使用することが好ましい。両性高分子凝集剤としては、さらにCa及びAnの異なる2種以上の両性高分子を混合したものがより好ましい。
両性高分子凝集剤を使用する場合、アニオン性高分子凝集剤と併用することが好ましい。両性高分子凝集剤とアニオン性高分子凝集剤を併用する場合においては、それぞれの凝集剤を同時に添加しても、前後別々に添加しても良い。本発明においてより好ましい方法は、アニオン性高分子凝集剤を添加した後、両性高分子凝集剤を添加する方法である。
【0028】
両性高分子凝集剤とアニオン性高分子凝集剤を併用する場合においては、使用する全凝集剤の全カチオン当量値(以下Caallという)及び全アニオン当量値(以下Anallという)が、下記式(2)を満たす割合で汚泥に添加する方法がより好ましい。
【0029】
【式4】
0.1<Anall/Caall<1.5 ・・・・(2)
【0030】
本発明が適用される汚泥としては、種々の汚泥に適用可能であり、下水、し尿、並びに食品工業、化学工業及びパルプ又は製紙工業汚泥等の一般産業排水で生じる有機性汚泥及び凝集沈降汚泥を含む混合汚泥等を挙げることができる。
本発明の方法は、これら汚泥の中でも余剰比率の大きい汚泥、特に混合汚泥に好ましく適用できる。具体的には、余剰比率10〜60SS%(汚泥中の懸濁浮遊物の割合)の汚泥に好ましく適用できる。
【0031】
これらの中でも、パルプ又は製紙工業汚泥が好ましい。パルプ又は製紙工業汚泥とは、パルプ又は製紙工業から排出される廃水を処理する際に発生する汚泥である。パルプ廃水としては、クラフトパルプ廃水、亜硫酸パルプ廃水、晒し廃水、グランドパルプ廃水、及びセミケミカルパルプ廃水等が挙げられる。
【0032】
本発明においては、無機凝集剤又は有機カチオン性化合物を添加した後、前記両性高分子凝集剤を添加する方法が好ましい。
【0033】
無機凝集剤としては、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、塩化第二鉄及び硫酸第一鉄及びポリ硫酸鉄等を例示できる。
【0034】
有機カチオン性化合物としては、ポリマーポリアミン、ポリアミジン及びカチオン性界面活性剤等を例示できる。
【0035】
さらに、本発明においては、無機凝集剤又は有機カチオン性化合物を添加した後、pHを4〜8とすることが、より効果的に汚泥の処理を行うことができるため好ましい。
pHの調整方法としては、無機凝集剤又は有機カチオン性化合物を添加した後、当該pH値を満たす場合は、特にpH調整の必要はないが、本発明で限定する範囲を満たさない場合は、酸又はアルカリを添加して調整する。
酸としては、塩酸、硫酸、酢酸及びスルファミン酸等を挙げることができる。又、アルカリとしては、苛性ソーダ、苛性カリ、消石灰及びアンモニア等が挙げられる。
【0036】
無機凝集剤及びカチオン性化合物の添加量、攪拌速度、攪拌時間等は、従来行われている脱水条件に従えば良い。
【0037】
このようにして形成したフロックは、公知の手段を用いて脱水し、脱水ケーキとする。
【0038】
脱水装置としては、スクリュープレス型脱水機、ベルトプレス型脱水機、フィルタープレス型脱水機及びスクリューデカンター等を例示することができる。
【0039】
又、本発明は、濾過部を有する造粒濃縮槽を使用する脱水方法にも適用可能である。
具体的には、汚泥に、無機凝集剤を添加し、さらに高分子凝集剤を添加した後、又は高分子凝集剤と共に、該汚泥を濾過部を有する造粒濃縮槽に導入し、該濾過部からろ液を取り出すと共に造粒し、この造粒物を脱水機で脱水処理する方法等が挙げられる。
【0040】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を挙げ、本発明をより具体的に説明する。
(実施例1)
古紙パルプ廃水のスカム廃水(SS:31000mg/l、VSS:15500mg/l、繊維分300mg/l)と余剰汚泥(SS:10000mg/l、VSS:7900mg/l、繊維分70mg/l)の65:35(SS%)混合汚泥200mlを300mlのビーカーに採取し、これに古紙回収精選工程で発生したスクリーン粕15TS%を添加攪拌した。
続いて、以下に示すアニオン性高分子凝集剤の40ppmを添加して30秒間攪拌後、以下に示す両性高分子凝集剤の120ppmを添加攪拌してフロックを生成させた。
【0041】
○アニオン性高分子凝集剤:An=9.9のアクリル系重合体からなる凝集剤
【0042】
○両性高分子凝集剤:Ca及びAnの異なる2種のアクリル系両性高分子の混合物であって、Ca=3.1及びAn=1.8を有する凝集剤
【0043】
フロックの造粒性を目視で評価すると共に、粒径を測定した。尚、表1の造粒性の評価における優、良及び劣とは、以下を意味する。
優:粒径10mm以上のフロックが形成された後、60rpmで1分間攪拌を続けても崩れない。
良:粒径5〜10mmのフロックが形成された後、60rpmで1分間攪拌を続けても崩れない。
劣:粒径5mm未満のフロックが形成された後、攪拌を続けると崩れてしまう。
その後、80メッシュの網をフィルターとして用いて、前記汚泥フロック分散液を重力濾過した。10秒後の濾液容量を測定しこれを濾過速度として示した。得られたケーキを4mmφのパンチングメタルに挟み、6.5kg×3分間の荷重をかけ、パンチング穴から逸脱したケーキ重量(パンチング漏れ)を秤った。その脱水試験の結果を表1に示す。
【0044】
○実施例2、3及び比較例1
実施例1において、表1に示す古紙離解繊維をアニオン性凝集剤の添加前に添加するか(実施例2及び同3)、又は添加しない(比較例1)以外は実施例1と同様の方法に従い、汚泥の脱水を行った。実施例1と同様に評価した結果を、表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
【発明の効果】
本発明の汚泥方法によれば、古紙回収工程で生じるスクリーン粕等の副生物を有効利用することができるうえ、余剰比率の高い汚泥に対しても、各種凝集脱水性能に優れ、かつ低含水率のケーキを与えることができる。
Claims (3)
- 汚泥に対し、古紙パルプ再生工程又は古紙繊維回収工程で得られる繊維分及び有機高分子凝集剤を併用して添加し、脱水することを特徴とする汚泥の脱水方法。
- 前記有機高分子凝集剤として、アニオン性高分子凝集剤と両性高分子凝集剤を併用することを特徴とする請求項1記載の汚泥の脱水方法。
- 前記両性高分子凝集剤が、カチオン当量値及びアニオン当量値の異なる2種以上の両性高分子の混合物である請求項1又は請求項2記載の汚泥の脱水方法。
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- 2003-03-20 JP JP2003078333A patent/JP2004283716A/ja active Pending
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