JP4021418B2 - 有機凝結剤および高分子凝集剤 - Google Patents
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Description
また、これらの有機性もしくは無機性の汚泥または廃水の脱水処理に対しては、縮合系ポリアミンの有機凝結剤および両性高分子凝集剤を併用する方法(例えば、特許文献2参照)等が提案されている。
とくに近年下水等の有機性汚泥においては嫌気性消化処理された消化汚泥、および消化汚泥を含有する混合汚泥の割合が増加しており、これらの汚泥では消化処理が進むと難脱水化される傾向があり、従来の有機凝結剤または高分子凝集剤では性能が不十分であった。
また、上記の汚泥または廃水の脱水処理においては、昨今の汚泥および廃水量の増加に伴う処理速度向上の観点から、より強いフロックを形成する性能、および汚泥の難脱水化に伴う脱水ケーキの焼却または埋め立て処分コスト増加の観点から、脱水ケーキ中の含水率を大幅に低減する性能を有し、さらには脱水工程後の分離水の脱色およびCOD低減性能をも有する高分子凝集剤が望まれている。しかしながら、上記提案の高分子凝集剤では、これらの性能を満足することはできず、また、上記提案の有機凝結剤と高分子凝集剤を併用する方法によってもまだ十分とはいえなかった。
本発明の目的は、凝結、脱色効果に優れる有機凝結剤、並びに、フロックの粗大化、フロック強度の増大、脱水ケーキの低含水率化、およびろ液の脱色およびCOD低減等の特性に優れる高分子凝集剤を提供することにある。
を重合してなる水溶性(共)重合体(B)からなる(但し、塩水溶液に可溶な天然系高分子からなる分散剤は含有しない)ことを特徴とする有機凝結剤
CH2=CR1−CO−X−Q−N+R2R3R4 ・Z- (1)
[式中、XはOまたはNH;Qは炭素数1〜4のアルキレン基または炭素数2〜4のヒドロキシアルキレン基;R1はHまたはメチル基を表し、R1がHのときはR1がメチル基のものとの混合物である;R2、R3、R4はそれぞれ独立にH、炭素数1〜16のアルキル、アラルキルまたはアルキルアリール基、;Z-は対アニオンを表す。]
;該有機凝結剤と該水溶性(共)重合体(B)を除くその他の水溶性(共)重合体(C)を組み合わせてなることを特徴とする高分子凝集剤;該有機凝結剤を汚泥または廃水に添加、混合した後、さらに(C)を添加、混合してフロックを形成させ、固液分離を行うことを特徴とする該高分子凝集剤の使用方法;並びに、高分子凝集剤を汚泥または廃水に添加、混合してフロックを形成させ、固液分離を行う工程からなる汚泥または廃水の処理方法において、該高分子凝集剤を用いることを特徴とする汚泥または廃水の処理方法である。
(1)汚泥または廃水に添加、混合することにより、強固かつ大粒径のフロックが形成さ れる。
(2)上記で一旦形成されたフロックは破壊、再分散されにくいことから、凝集または脱 水処理時の再汚染がなく、凝集または脱水処理の安定性と処理速度の著しい向上が 図れる。
(3)上記形成されたフロックが緻密で、脱水処理後のケーキ含水率が低いことから、発 生する廃棄物量および焼却処理コストを大幅に削減できる。
(4)上記形成されたフロックの脱水工程時に発生するろ液のCODを低減し着色成分を 除去できる。
アミンには、下記のものが含まれる。
(a1) 1級アミン、例えば脂肪族アミン〔モノアミン[炭素数(以下、Cと略記)1〜32、例えばメチルアミン、エチルアミン、n−およびi−プロピルアミン、n−、i−およびsec−ブチルアミン、アミルアミン、2−エチルヘキシルアミン、デシルアミン、ヘキサデシルアミンおよびアイコサミン、アルカノールアミン(例えばエタノールアミンおよびプロパノールアミン)]およびポリアミン(C2〜32、例えばエチレンジアミン、プロピレンジアミンおよびヘキサメチレンジアミン)];脂環式アミン[モノアミン(C5〜32、例えばシクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミンおよびメチルシクロヘキシルアミン)およびポリアミン(C6〜32、例えば1,3−シクロペンタンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミンおよび1,4−ビス(アミノエチル)シクロヘキサン)];芳香(脂肪)族アミン[モノアミン(C6〜32、例えばアニリン、ナフチルアミン、ベンジルアミンおよびフェネチルアミン)およびポリアミン(C6〜32、例えばフェニレンジアミン、ナフチレンジアミン、ジアミノフェニルエーテル、トルイレンジアミンおよびキシリレンジアミン)];およびこれらの混合物
(a2) 2級アミン、例えば脂肪族アミン〔モノアミン[C2〜32、例えばジメチルアミン、メチルエチルアミン、ジエチルアミン、エチルヘキシルアミン、メチル−t−ブチルアミンおよびジn−ブチルアミン、アルカノールアミン(例えばジエタノールアミンおよびジプロパノールアミン)]およびポリアミン(C2〜32、例えばN,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチルプロピレンジアミンおよびN,N’−ジメチルヘキサメチレンジアミン)];脂環式アミン[モノアミン(C6〜32、例えばN,N−メチルシクロペンチルアミンおよびN,N−メチルシクロヘキシルアミン)およびポリアミン(C7〜32、例えばN,N’−ジメチル−1,3−シクロペンタンジアミンおよびN,N’−ジメチル−1,4−シクロヘキサンジアミン)];芳香(脂肪)族アミン[モノアミン(C7〜32、例えばメチルアニリン)およびポリアミン(C6〜32、例えばN,N’−ジメチル−フェニレンジアミン)];複素環含有アミン[C4〜32、例えば2級アミン:ピペラジン、ピペリジン、ホモピペラジン、1−メチルピペラジン、およびピペコリン];およびこれらの混合物
(a3) 1、2級アミノ基含有アミン、例えば脂肪族アミン(C4〜32、例えばジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサエチレンヘプタミン、ジプロピレントリアミン、ジブチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン、モノメチルアミノプロピルアミンおよびメチルイミノビスプロピルアミン);脂環式アミン(C4〜32、例えばN−シクロヘキシルエチレンジアミン);芳香(脂肪)族アミン(C7〜32、例えばN−メチルフェニレンジアミン);複素環含有アミン(C5〜32、例えば1−アミノエチルピペラジン);およびこれらの混合物
(a4) 3級アミン、例えば脂肪族アミン〔モノアミン[C3〜32、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミンおよびトリn−ブチルアミン、アルカノールアミン(例えばトリエタノールアミンおよびトリプロパノールアミン)]およびポリアミン(C3〜32、例えばN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルプロピレンジアミンおよびN,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン)];脂環式アミン[モノアミン(C6〜32、例えばN,N,N−ジメチルシクロペンチルアミンおよびN,N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン)およびポリアミン(C7〜32、例えばN,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−シクロペンタンジアミンおよびN,N,N’,N’−テトラメチル−1,4−シクロヘキサンジアミン)];芳香(脂肪)族アミン[モノアミン(C7〜32、例えばジメチルアニリン)およびポリアミン(C6〜32、例えばN,N,N’,N’−テトラメチル−フェニレンジアミン)];複素環含有アミン[C6〜32、例えばN,N’−ジメチルピペラジン、N−メチルピペリジンおよびN,N’−ジメチルホモピペラジン];およびこれらの混合物
(a4) その他のアミン、例えばメラミン、グアナミン、環状アミンの重合体(重量平均分子量300〜200万、例えばポリエチレンイミン、ポリプロピレンイミン、ポリ−3−メチルプロピルイミンおよびポリ−2−エチルプロピルイミン)、不飽和アミンの重合体(重量平均分子量300〜200万、例えばポリビニルアミン、ポリアリルアミンおよびポリジアリルアミン)およびこれらの混合物
Qは、C1〜4のアルキレン基またはC2〜4のヒドロキシアルキレン基を表す。QのCが4を超えると(B)の水への溶解性が悪くなる。
QのうちC1〜4のアルキレン基には、メチレン、エチレン、n−およびi−プロピレン、1,2−、1,3−および2,3−ブチレンおよびテトラメチレン基が含まれ;C2〜4のヒドロキシアルキレン基には、ヒドロキシエチレン、1−および2−ヒドロキシプロピレン、1−ヒドロキシ−i−プロピレン、1−および2−ヒドロキシテトラメチレン、2−ヒドロキシメチルプロピレンおよび2−メチル−2−ヒドロキシプロピレン基が含まれる。
(1)無機酸、例えばハロゲン化水素(例えばHF、HCl、HBrおよびHI)、硫酸、硝酸およびリン酸
(2)硫酸エステル、例えばC1〜30の硫酸エステル[例えばアルキルもしくはアルケニル硫酸(例えばメチル硫酸、エチル硫酸、ラウリル硫酸、ミリスチル硫酸、パルミチル硫酸、ステアリル硫酸、オレイル硫酸、リノール硫酸およびセチル硫酸)および高級アルコール(C10〜20)のエチレンオキサイド(以下、EOと略記)1〜60モル付加物の硫酸エステル]
(6)カルボン酸、例えば脂肪族[C1〜30のモノ−およびジカルボン酸、例えばギ酸、シュウ酸、酢酸、プロピオン酸、マレイン酸、フマル酸およびアジピン酸];脂環式[C4〜30のモノ−およびジカルボン酸、例えばシクロペンタン(ジ)カルボン酸およびシクロヘキサン(ジ)カルボン酸];および芳香族[C7〜30のモノ−およびジカルボン酸、例えば安息香酸およびフタル酸]
(b11)(メタ)アクリレート[一般式(1)におけるXがOの場合]のアミン塩
1級アミノ基含有(メタ)アクリレート[C5〜20、例えばアミノエチル(メタ)アクリレートおよびアミノプロピル(メタ)アクリレート]、2級アミノ基含有(メタ)アクリレート[C6〜20、例えばメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、メチルアミノプロピル(メタ)アクリレートおよびアミノエチル(メタ)アクリレート]および3級アミノ基含有(メタ)アクリレート[C7〜20、例えばジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートおよびジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート]の、無機酸(前記のもの)塩、有機酸(前記のもの)塩およびこれらのアミン(塩)を4級化剤(前記のもの)で4級化してなる第4級アンモニウム塩
1級アミノ基含有(メタ)アクリルアミド[例えばアミノエチル(メタ)アクリルアミドおよびアミノプロピル(メタ)アクリルアミド]、2級アミノ基含有(メタ)アクリルアミド[例えばメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミドおよびメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド]および3級アミノ基含有(メタ)アクリルアミド[例えばジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミドおよびジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド]の無機酸塩(前記のもの)、有機酸塩(前記のもの)および上記アミンを4級化剤(前記のもの)で4級化してなる第4級アンモニウム塩
(b2)には、下記(b21)〜(b23)、およびこれらの混合物が含まれる。
(b21)ノニオン性モノマー
下記のもの、およびこれらの混合物
(b211)(メタ)アクリレート
分子量40〜数平均分子量[以下、Mnと略記、測定はゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)による]3,000、例えば水酸基含有(メタ)アクリレート[例えばヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(重合度3〜50)モノ(メタ)アクリレートおよびポリグリセロール(重合度1〜10)モノ(メタ)アクリレート]および2−シアノエチル(メタ)アクリレート
(b212)(メタ)アクリルアミド化合物
C4〜30、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミドおよびN−メチロール(メタ)アクリルアミド
(b213)上記以外の窒素原子含有ビニルモノマー
C3〜30、例えばアクリロニトリル、N−ビニルホルムアミド、N−ビニル−2−ピロリドン、ビニルイミダゾール、N−ビニルスクシンイミドおよびN−ビニルカルバゾール
下記のもの、これらの塩(例えば、前記無機酸または有機酸の塩および4級アンモニウム塩)およびこれらの混合物
(b221)アミノ基を有するビニル化合物
C2〜30、例えばビニルアミン、ビニルアニリン、(メタ)アリルアミン、ジ(メタ)アリルアミン、p−アミノスチレン、2−ビニルピリジン、3−ビニルピペリジン、ビニルピラジンおよびビニルモルホリン
(b222)アミンイミド基を有する化合物
C4〜30、例えば1,1,1−トリメチルアミン(メタ)アクリルイミド、1,1−ジメチル−1−エチルアミン(メタ)アクリルイミド、1,1−ジメチル−1−(2’−フェニル−2’−ヒドロキシエチル)アミン(メタ)アクリルイミドおよび1,1,1−トリメチルアミン(メタ)アクリルイミド
下記の酸、これらの塩[例えばアルカリ金属(例えばリチウム、ナトリウムおよびカリウム)塩、アルカリ土類金属(例えばマグネシウムおよびカルシウム)塩、アンモニウム塩およびアミン(C1〜20、例えばメチルアミン、エチルアミンおよびエタノールアミン)塩]、およびこれらの混合物
モノカルボン酸[C3〜30、例えば(メタ)アクリル酸、ビニル安息香酸およびアリル酢酸]およびポリ(2〜4)カルボン酸[C4〜30、例えば(無水)マレイン酸、フマル酸およびイタコン酸]
アルケンスルホン酸[C2〜20、例えばビニルスルホン酸および(メタ)アリルスルホン酸]、不飽和芳香族スルホン酸[C6〜20、例えばスチレンスルホン酸およびα−メチルスチレンスルホン酸]、スルホカルボン酸(例えばα−スルホアルカン酸およびスルホコハク酸)のアルケニルおよびアルキル(C1〜18)アルケニルエステル[C3〜20、例えばメチルビニル、プロピル(メタ)アリルおよびステアリル(メタ)アリルスルホサクシネート、および(メタ)アリルスルホラウレート]、スルホン酸基含有(メタ)アクリレート〔C4〜30、例えばスルホアルキル(C2〜20)(メタ)アクリレート[例えば2−(メタ)アクリロイルオキシエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロパンスルホン酸、3−(メタ)アクリロイルオキシプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシブタンスルホン酸、4−(メタ)アクリロイルオキシブタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2−ジメチルエタンスルホン酸およびp−(メタ)アクリロイルオキシメチルベンゼンスルホン酸]〕、スルホン酸基含有(メタ)アクリルアミド[C4〜30、例えば2−(メタ)アクリロイルアミノエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルアミノプロパンスルホン酸、3−(メタ)アクリロイルアミノプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルアミノブタンスルホン酸、4−(メタ)アクリロイルアミノブタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2−ジメチルエタンスルホン酸およびp−(メタ)アクリロイルアミノメチルベンゼンスルホン酸]およびアルキル(C1〜20)(メタ)アリルスルホコハク酸エステル[例えばメチル(メタ)アリルスルホコハク酸エステル]
(b233)(メタ)アクリロイルポリオキシアルキレン(C1〜6)硫酸エステル 例えば(メタ)アクリロイルポリオキシエチレン(重合度2〜50)硫酸エステル
(b3)には、下記(b31)〜(b36)およびこれらの混合物が含まれる。
(b31) C4〜23の(シクロ)アルキル(メタ)アクリレート〔C1〜20の脂肪族および脂環式アルコールの(メタ)アクリレート[例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレートおよびシクロヘキシル(メタ)アクリレート]
(b32) C4〜20のエポキシ基含有(メタ)アクリレート[例えばグリシジル(メタ)アクリレート]〕
(b35) 不飽和アルコール[C2〜8、例えばビニルアルコールおよび(メタ)アリルアルコール]のカルボン酸(C2〜20、例えば酢酸、オクチル酸およびラウリル酸)エステル(例えば酢酸ビニル、オクチル酸ビニルおよびラウリル酸ビニル)
(b36) ハロゲン含有モノマー(C2〜8、例えば塩化ビニル)
水溶液重合としては公知の方法、例えばモノマーの水溶液を外部からの熱の出入りがない容器中に入れ、断熱重合する方法(例えば特公昭59−40843号公報)およびモノマーの水溶液を外部から温調可能な容器中で定温重合する方法(例えば特開平3−189000号公報)を用いることができる。
光増感剤としては、過酸化物(過酸化ベンゾイル等)、アゾ化合物(アゾビスイソブチロニトリル等)、カルボニル化合物(ジアセチル、ジベンジル等)、硫黄化合物(ジフェニルモノ−およびジスルフィド、ジベンゾイルモノ−およびジスルフィド等)、ハロゲン化合物(四塩化炭素等)、および金属塩(三塩化鉄等)が挙げられる。
油溶性高分子物質としては、例えばセルロースエーテル(Mn100〜100,000、例えばエチルセルロースおよびエチルヒドロキシエチルセルロース)、アルケンとα,β−不飽和多価カルボン酸(無水物)との共重合体またはその誘導体[Mn100〜100,000、例えばC20〜40の1−オレフィンと(無水)マレイン酸の共重合体]が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、例えばショ糖脂肪酸エステル(C13〜100、例えばショ糖ジステアレートおよびショ糖トリステアレート)、ソルビタン脂肪酸エステル(C7〜100、例えばソルビタンモノステアレートおよびソルビタンモノオレート)および(ポリ)グリセリン脂肪酸エステル(C6〜100、例えばグリセリンモノステアレート)が挙げられる。
油溶性高分子物質の使用量は、使用する後述の分散媒(有機溶媒)の重量に基づいて、下限は通常0.1%、分散粒径安定化の観点から好ましくは0.2%、さらに好ましくは0.5%、上限は通常10%、反応系の低粘度化の観点から好ましくは5%、さらに好ましくは3%である。
ノニオン性界面活性剤の使用量は、使用する後述の分散媒(有機溶媒)の重量に基づいて、下限は通常0.1%、分散粒径安定化の観点から好ましくは0.2%、さらに好ましくは0.5%、上限は通常5%、反応系の低粘度化の観点から好ましくは3%、さらに好ましくは1%である。
使用する分散媒(有機溶媒)としては、例えば脂肪族炭化水素[C6〜30、例えばヘキサン、ヘプタン、n−デカン、パラフィン(例えばn−およびi−パラフィン)、鉱油(例えば灯油、軽油および中油)および合成油]が挙げられる、脂環式炭化水素(C6〜30、例えばシクロヘキサンおよびデカリン)および芳香族炭化水素(C6〜12、例えばベンゼン、トルエンおよびキシレン)およびこれらの混合物が挙げられる。
分散媒の使用量は、分散系の安定性の観点からモノマー水溶液の全重量に基づいて、好ましい下限は25%、さらに好ましくは40%、とくに好ましくは65%、分散系の粘度の観点から好ましい上限は1,000%、さらに好ましくは400%、とくに好ましくは200%である。
使用する分散媒としては、前記逆相懸濁重合と同様のものが挙げられる。分散媒の使用量は、エマルションの安定性の観点からモノマー水溶液の全重量に基づいて、好ましい下限は20%、さらに好ましくは30%、とくに好ましくは40%、エマルションの粘度の観点から好ましい上限は80%、さらに好ましくは70%、とくに好ましくは60%である。
乳化する際に用いられる界面活性剤としては、例えば特許第2676483号公報および特開平9−208802号公報に記載の公知のものが使用でき、これらのうちエマルションの安定性の観点から好ましいのは、ノニオン性界面活性剤である。
界面活性剤の使用量は、分散媒の重量に基づいて、下限は通常0.05%、分散粒径安定化の観点から好ましくは0.1%、さらに好ましくは0.12%、上限は通常1%、反応系の低粘度化の観点から好ましくは0.5%、さらに好ましくは0.25%である。
また、油中水型エマルションを水で希釈して使用する際に、水に投入して素早く転相して水に溶解するように、予め油中水型エマルションに転相剤を添加しておいてもよい。転相剤としては、親水性の高い界面活性剤[例えば、HLB(Hydrophile−Lipophile Balance、親水性と親油性のつり合いを示す指標で、グリフィンのHLB理論に基づくもの)が9〜20のもの]、例えば特許第2676483号公報および特開平9−208802号公報に記載のカチオン性界面活性剤および/またはノニオン性界面活性剤が使用できる。
上記の過酸化物は還元剤と組み合わせてレドックス開始剤として用いてもよく、還元剤としては重亜硫酸塩(例えば重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸カリウムおよび重亜硫酸アンモニウム)、還元性金属塩[例えば硫酸鉄(II)]、3級アミン[例えばジメチルアミノ安息香酸(塩)およびジメチルアミノエタノール]、遷移金属塩のアミン錯体[例えば塩化コバルト(III)のペンタメチレンヘキサミン錯体および塩化銅(II)のジエチレントリアミン錯体]および有機性還元剤(例えばアスコルビン酸)が挙げられる。また、アゾ開始剤、過酸化物開始剤およびレドックス開始剤はそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上の開始剤を併用してもよい。
これらのうちで分子量制御の観点から好ましいのは、分子内に1つまたは2つ以上のチオール基を有する化合物である。
(1)1価チオール
脂肪族チオール[C1〜20、例えばメタンチオール、エタンチオール、プロパンチオール、n−オクタンチオール、n−ドデカンチオール、ヘキサデカンチオール、n−オクタデカンチオール、2−メルカプトエタノール、メルカプト酢酸、3−メルカプトプロピオン酸、1−チオグリセロール、チオグリコール酸モノエタノールアミン)、1−チオグリセロール、チオグリコール酸モノエタノールアミン、チオマレイン酸、システインおよび2−メルカプトエチルアミン]、脂環式チオール(C5〜20、例えばシクロペンタンチオールおよびシクロヘキサンチオール)および芳香(脂肪)族チオール(C6〜12、例えばベンゼンチオールおよびベンジルメルカプタンおよびチオサリチル酸)が挙げられる。
ジチオール[脂肪族(C2〜40)ジチオール(例えばエタンジチオール、ジエチレンジチオール、トリエチレンジチオール、プロパンジチオール、1,3−および1,4−ブタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、ネオペンタンジチオール等)、脂環式(C5〜20)ジチオール(例えばシクロペンタンジチオールおよびシクロヘキサンジチオール)および芳香族(C6〜16)ジチオール(例えばベンゼンジチオール、ビフェニルジチオール)が挙げられる。
また、重合中は所定重合温度を一定(例えば所定重合温度±5℃)に保つように、適宜加熱、冷却して調節してもよいし、比較的低温(例えば15〜35℃)で重合を開始させ、一定時間(例えば1〜3時間)重合後に昇温(例えば55〜80℃)してもよい。
また、重合中は所定重合温度を一定(例えば所定重合温度±5℃)に保つよう、適宜加熱、冷却して調節することが好ましい。重合温度を一定に保つために、予め所定重合温度に温調した分散媒に撹拌下でモノマーを随時滴下してもよい。その際の滴下時間は、モノマー濃度、および重合反応発熱量により異なるが、通常0.5〜20時間、好ましくは1〜10時間である。
逆相乳化重合における重合温度は、下限は通常0℃、(B)として最適な分子量を得るとの観点から好ましくは5℃、さらに好ましくは10℃、とくに好ましくは15℃、最も好ましくは20℃、上限は通常95℃、上記と同様の観点から好ましくは90℃、さらに好ましくは80℃、とくに好ましくは70℃、最も好ましくは55℃である。
また、重合中は所定重合温度を一定(例えば所定重合温度±5℃)に保つように、適宜加熱、冷却して調節してもよいし、比較的低温(例えば15〜35℃)で重合を開始させ、一定時間(例えば1〜3時間)重合後に昇温(例えば55〜80℃)してもよい。
逆相懸濁重合の場合のように、モノマーを随時滴下する場合は滴下終了後から上記時間重合することが好ましい。
上記のモノマー濃度、重合温度および重合時間は、モノマー組成、重合法および開始剤種類等によって適宜調整することができる。
水溶液重合および光重合の場合の粉末化法としては、重合後の含水ゲルを細断して公知の乾燥機(バンド式乾燥機、遠赤外線式乾燥機など)を用い加熱(温度80〜120℃)して乾燥し、公知の粉砕機〔奈良式粉砕機[奈良機械(株)製]、ロール式粉砕機など〕を用いて粉砕し体積平均粒径100〜2,000μmの粉末状にする方法などが挙げられる。
逆相懸濁重合の場合の粉末化法としては、重合後の含水ゲル(通常体積平均粒径100〜2,000μm)をロ過または遠心分離により固液分離させた後、公知の乾燥機(真空乾燥機、スクリューコンベア、ドラムドライヤーなど)を用いて加熱(温度30〜120℃)し乾燥させる方法などが挙げられる。
(C)には、上記モノマー(b1)を必須構成成分とし、必要により(b2)および(b3)からなる群から選ばれる1種または2種以上からなるモノマーを共重合させたものが含まれる。
(b1)、(b2)、(b3)としてはそれぞれ上記(B)において使用されるものが挙げられ、好ましいものも同様である。
水溶液重合、逆相懸濁重合、逆相乳化重合、光重合としては前記(B)において挙げた公知の方法、を用いることができる。
ラジカル重合開始剤の使用量は、(C)として最適な分子量を得るとの観点から、モノマーの合計重量に基づいて、好ましい下限は0.001%、さらに好ましくは0.005%、とくに好ましくは0.01%、最も好ましくは0.02%、好ましい上限は1%、さらに好ましくは0.5%、とくに好ましくは0.1%、最も好ましくは0.05%である。
ラジカル重合用連鎖移動剤を使用する場合の使用量は、(C)として最適な分子量を得るとの観点から、モノマーの合計重量に基づいて、好ましい下限は0.0001%、さらに好ましくは0.0005%、とくに好ましくは0.001%、最も好ましくは0.005%、好ましい上限は10%、さらに好ましくは5%、とくに好ましくは3%、最も好ましくは1%である。
逆相懸濁重合における重合温度は、(B)の場合と同様であり、好ましい条件も(B)と同様である。
キレート化剤としては、C6〜12のアミノカルボン酸(例えばエチレンジアミンテトラ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸、ニトリロトリ酢酸およびトリエチレンテトラミンヘキサ酢酸)、多価カルボン酸〔例えばマレイン酸、ポリアクリル酸(Mn1,000〜10,000)およびイソアミレン−マレイン酸共重合体(Mn1,000〜10,000)〕、C3〜10のヒドロキシカルボン酸(例えばクエン酸、グルコン酸、乳酸およびリンゴ酸)、縮合リン酸(例えばトリポリリン酸およびトリメタリン酸)およびこれらの塩〔例えばアルカリ金属(例えばナトリウムおよびカリウム)塩、アルカリ土類金属(例えばカルシウムおよびマグネシウム)塩、アンモニウム塩、C1〜20のアルキルアミン(例えばメチルアミン、エチルアミンおよびオクチルアミン)塩およびC2〜12のアルカノールアミン(例えばモノ−、ジ−およびトリエタノールアミン)塩〕;
ブロッキング防止剤としては、ポリエーテル変性シリコーンオイル、例えば、ポリエチレンオキシド変性シリコーンおよびポリエチレンオキシド・ポリプロピレンオキシド変性シリコーン;
防腐剤としては、例えば安息香酸、パラオキシ安息香酸エステルおよびソルビン酸が挙げられる。
上記添加剤全体の使用量は、添加剤を有機凝結剤および/または(C)あるいは(D)に含有させる場合は、有機凝結剤および/または(C)の重量あるいは(D)の重量に基づいて、またモノマー水溶液中に予め含有させる場合は、モノマー重量に基づいて、通常30%以下、本発明の効果(凝結性能または凝集性能)の観点から好ましくは0〜10%である。
各添加剤の使用量については、上記と同様の重量に基づいて、消泡剤は通常5%以下、好ましくは1〜3%、キレート化剤は通常30%以下、好ましくは2〜10%、pH調整剤は通常10%以下、好ましくは1〜5%、界面活性剤およびブロッキング防止剤はそれぞれ通常5%以下、好ましくは1〜3%、酸化防止剤、紫外線吸収剤および防腐剤はそれぞれ通常5%以下、好ましくは0.1〜2%である。
また、有機凝結剤と(C)を混合する方法は、有機凝結剤と(C)が混合できれば特に限定はされず、(B)と(C)をそれぞれ重合で得た後に、例えばブレンダー等の撹拌装置を用いて混合する方法、および(B)または(C)の製造前、製造途中もしくは製造後に(C)または(B)を添加する方法が含まれる。
有機性汚泥の場合は、懸濁粒子の大きさが比較的大きく、また水中において懸濁粒子表面がマイナスに帯電していることから、本発明の高分子凝集剤のうち好ましいのはカチオン性高分子凝集剤および/または両性高分子凝集剤、さらに本発明の特徴である上記効果をより一層発揮できるとの観点から、さらに好ましいのはカチオン性高分子凝集剤である。
これらの高分子凝集剤の水中におけるカチオン性またはアニオン性は、コロイド当量値(meq/g)を目安として評価することができる。即ち、カチオン性凝集剤中のカチオン性基当量値はカチオンコロイド当量値として求めることができ、両性凝集剤中のカチオン性基当量値およびアニオン性基当量値は、それぞれカチオンコロイド当量値およびアニオンコロイド当量値として求めることができる。
またアニオンコロイド当量値(meq/g)は高分子凝集剤の水への溶解性の観点から好ましい下限は−5、さらに好ましくは−4、とくに好ましくは−3、また凝集性の観点から好ましい上限は−0.1、さらに好ましくは−0.3、とくに好ましくは−0.5である。
(1)測定試料(50ppm水溶液)の調製
試料0.2g(固形分含量換算したもの)を精秤し、200mlのガラス製三角フラスコにとり、全体の重量(試料とイオン交換水の合計重量)が100gとなるようにイオン交換水を加えた後、マグネチックスターラー(1,000rpm)で、3時間撹拌して完全に溶解し、0.2重量%の高分子凝集剤溶液を調製する。さらに500mlのガラス製ビーカーに上記調製した溶液10.00gを小数点第2位まで計ることができる天秤を用いて正確に秤りとり、全体の重量(溶液10mlとイオン交換水の合計重量)が400.00gとなるようにイオン交換水を加え、再度マグネチックスターラー(1,000〜1,200rpm)で、30分間撹拌して、均一な測定試料とする。
なお、高分子凝集剤の固形分含量は、試料約1.0gをシャーレに秤量(W1)して、循風乾燥機中105±5℃で90分間乾燥させた後の残存重量を(W2)として、次式から算出した値である。
固形分含量(重量%)=(W2)×100/(W1)
測定試料100.0gを200mlのガラス製コニカルビーカーにとり、撹拌しながら徐々に0.5重量%硫酸水溶液を加え、pH3に調整する。次にトルイジンブルー指示薬(TB指示薬)を2〜3滴加え、N/400ポリビニル硫酸カリウム(N/400PVSK)試薬で滴定する。滴定速度は2ml/分とし、測定試料が青から赤紫色に変色し、30秒間保持する時点を終点とする。
(3)アニオンコロイド当量値の測定
測定試料100.0gを200mlのガラス製コニカルビーカーにとり、マグネチックスターラー(500rpm)で撹拌しながら、N/10水酸化ナトリウム水溶液0.5mlを加え、さらにN/200メチルグリコールキトサン水溶液5mlを5mlのホールピペットを用いて加えた後、5分間撹拌する(その時のpH約10.5)。TB指示薬を2〜3滴加え、(2)と同様にして滴定する。
(4)空試験
測定試料の代わりにイオン交換水100.0gを用いる以外(2)および(3)と同様の操作を行う。
(5)計算方法
カチオンまたはアニオンコロイド当量値(meq/g)=1/2×(試料の滴定量−空試験の滴定量)×(N/400PVSKの力価)
上記処理方法のうち、後述する本発明の効果(例えば高フロック強度、フロック粒径の増大、脱水ケーキの低含水率化およびろ液のCOD低減と脱色効果)発揮の観点から好ましいのは、(1)有機凝結剤を汚泥または廃水に添加、混合した後、さらに(C)を添加、混合してフロックを形成させ、固液分離を行う方法、および(2)有機凝結剤と(C)を予め混合して高分子凝集剤(D)とした後、(D)を汚泥または廃水に添加、混合してフロックを形成させ、固液分離を行う方法、さらに好ましいのは(1)の方法である。
有機凝結剤の溶解方法および溶解後の希釈方法は特に限定はされないが、例えば予め秤りとった水を、後述のジャーテスター等の撹拌装置を用いて撹拌しながら所定量の有機凝結剤を加え、数時間(約1〜4時間程度)撹拌して溶解する方法等が採用できる。
公知の有機凝結剤としては、例えばエピハロヒドリンとアミンとの重縮合体(もしくはその塩酸塩、以下塩酸塩と略記)、エピハロヒドリンとアルキレンジアミンとの重縮合体(塩酸塩)、ポリエチレンイミン(塩酸塩)、アルキレンジハライド−アルキレンポリアミン重縮合体(塩酸塩)、アニリン−ホルムアルデヒド重縮合体(塩酸塩)、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ポリビニルピリジン(塩酸塩)、(ジ)メチルジ(メタ)アリルアンモニウムクロライドおよびポリビニルイミダゾリン(塩酸塩)が挙げられる。
これらの公知の無機および有機凝結剤はそれぞれの1種または2種以上用いても、あるいは両者を併用してもいずれでもよい。
溶解方法、溶解後の希釈方法は特に限定はなく、上記有機凝結剤の場合と同様である。とくに粉末状の(C)を水に溶解する際、(C)を一度に加えるとままこを生じて水に溶解しにくくなるため好ましくない。
溶解方法、溶解後の希釈方法は特に限定はなく、上記有機凝結剤および(C)の場合と同様である。
また、本実施例中のフロック粒径、ろ液量、ろ布剥離性、ケーキ含水率、COD、ろ液清澄度、凝結性および脱色性は以下の方法に従って性能評価した。
ジャーテスター[宮本理研工業(株)製、形式JMD−6HS−A、以下同じ。]に板状の塩ビ製撹拌羽根(直径5cm、高さ2cm、厚さ0.2cm)2枚を十字になる様に上下に連続して撹拌棒に取り付け、汚泥または廃水[もしくは予め(B)を添加、混合した汚泥または廃水]200mlを500mlのビーカーに取り、ジャーテスターにセットする。ジャーテスターの回転数を120rpmにし、ゆっくり汚泥または廃水を撹拌しながら、所定量の0.2重量%の高分子凝集剤水溶液[もしくは予め(B)を添加、混合した汚泥または廃水の場合は0.2重量%の(C)]を一度に添加し、30秒間撹拌した後、撹拌を止め凝集物の大きさを目視にて観察する(回転数120rpmでのフロック粒径を表中に示す)。
続いて回転数を300rpmにセットし、さらに30秒間撹拌した後、撹拌を止め凝集物の大きさを再度目視にて観察する(回転数300rpmでのフロック粒径を表中に示す)。
T−1189のナイロン製ろ布[敷島カンバス(株)製、円形状、直径9cm]、ヌッチェ漏斗、300mlが測れるメスシリンダーをセットし、上記フロック粒径試験後の汚泥を一度に投入して濾過し、ストップウォッチを用いて投入直後から60秒後のろ液量を測定する。
<ろ布剥離性>
濾過した汚泥の一部をスパーテルで取り出し、プレスフィルター試験機を用いて脱水試験(2kg/cm2、60秒)を行い、試験後のろ布からの脱水ケーキの剥離性を下記の基準に従って評価する。
◎:非常に剥がれやすい(ろ布付着物ほとんどなし)
○:剥がれやすい (僅かにろ布付着物あり)
△:多少剥がれにくい (ろ布付着物あり、僅かにろ布内部まで付着)
×:剥がれにくい (ろ布内部まで付着)
上記ろ布剥離性試験後の脱水ケーキ約3.0gをシャーレに秤量(W3)して、循風乾燥機中で完全に水分が蒸発するまで(例えば、105±5℃で8時間)乾燥させた後、シャーレ上に残った乾燥ケーキの重量を(W4)として、次式からケーキ含水率を算出する。
ケーキ含水率(重量%)={(W3)−(W4)}×100/(W3)
上記ろ液量測定後のろ液を用いて、JIS K−0102(1998年度版)に記載のCODMn分析方法に準じてCODを測定する。
<ろ液清澄度>
上記ろ液量測定後のろ液を用いて、吸光度計[(株)島津製作所製、UV−1200、以下同じ。]で波長590nmおよび700nmの時の吸光度を測定し、ろ液清澄度を評価する。なお、吸光度の数値(%)は、イオン交換水の吸光度を100%とした時の値を示す。
<凝結性>
上記フロック粒径の評価方法と同じ装置を用い、汚泥または廃水200mlを500mlのビーカーに取り、ジャーテスターにセットする。ジャーテスターの回転数を120rpmにし、ゆっくり汚泥または廃水を撹拌しながら、所定量の0.2重量%の有機凝結剤水溶液を一度に添加し、30秒間撹拌した。その後汚泥または廃水を遠心分離機[TOMY SEIKO CO.LTD.製、形式LC06]にて2,000rpmにて10分間遠心分離を行い、汚泥または廃水全量に対する凝結して沈降したスラッジの体積%を算出し凝結性を評価する。
<脱色性>
上記遠心分離後のろ液を用いて、吸光度計で波長430nmおよび700nmの時の吸光度を測定し脱色性を評価する。なお、吸光度の数値(%)は、イオン交換水の吸光度を100%とした時の値を示す。
撹拌機、温度センサーを備えたオートクレーブ中に、ジメチルアミンの50%水溶液200部を加え密閉にした後、攪拌しながらエピクロロヒドリン205部をポンプを用いて、槽内に投入した。投入開始後しばらくして温度が上昇し、重合開始してきたので、80〜90℃を保つように冷却しながら3時間かけて投入した。次いで80℃にて5時間熟成し、重合を完結させた。次いで水358部を投入し撹拌、均一とし、ジメチルアミン−エピクロロヒドリン重縮合物(A1)の40%水溶液763部を得た。
撹拌機、温度センサーおよび温度制御装置を備えた反応容器に、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートにメチルクロライドを反応させた4級アンモニウム塩の80%水溶液375部(100モル%)および(A1)の40%水溶液250部を入れた後、さらに系内のモノマーの合計が30%となるようにイオン交換水375部を加え、系内が均一の溶液になるまで撹拌した。さらに撹拌を続けながら、硫酸を用いてモノマー水溶液のpH(20℃)をpHメーターで監視しながら4.0に調整した。系内を窒素(純度99.999%以上)で充分に置換した後、開始剤として過硫酸ナトリウムの10%水溶液50部を撹拌しながら加えた。系内を外部から徐々に加熱し、50℃で重合が開始し発熱が認められたので外部から冷却して内容物温度50〜60℃で10時間重合を行った。その後外部から加温して、80℃で1時間熟成し重合を完結させた。重合完結後、内容物を取り出し、これにアセトン2,000部を加えて市販のジューサーミキサーで30分間撹拌して沈殿物を得た。この沈殿物を減圧ろ過(JIS規格2種のろ紙を使用)により取り出した後、沈殿物を減圧乾燥機中(減圧度1.3kPa、40℃×2時間)で溶媒を留去し、粉末状(体積平均粒子径780μm)の重合体(B1)396部を得た(収率94%、固形分含量95%、)。(B1)の1N−NaNO3 水溶液中30℃で測定した固有粘度は3.2dl/gであった。
(A1)の40%水溶液50部をアセトン2,000部中に加え、ミキサーで30分間撹拌して沈殿物を得た。後は実施例1と同様に処理して(A1)の粉末(体積平均粒子径750μm)19部を得た(収率94%、固形分含量98%)。
撹拌機を備えたコルベンにN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートにメチルクロライドを反応させた4級アンモニウム塩の80%水溶液115部(100モル%)を入れた後、さらに系内のモノマーの合計が30%となるようにイオン交換水192部を加え、系内が均一の溶液になるまで撹拌した。さらに撹拌を続けながら、硫酸を用いてモノマー水溶液のpH(20℃)をpHメーターで監視しながら4.0に調整した。次に、40℃の恒温槽中で溶液の温度を40℃に調整し、系内を窒素(純度99.999%以上)で充分に置換した(気相酸素濃度10ppm以下)。次いで開始剤として2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジハイドロクロライドの10%水溶液0.46部を撹拌しながら一気に加えた。約1分後に重合が開始し発熱が認められたが外部から冷却して内容物温度40〜50℃で10時間重合を行った。その後外部から加温して、70℃で1時間熟成し重合を完結した。なお重合中、内容物が高粘度となり撹拌が困難となったため、撹拌は途中で停止した。
重合完結後、内容物を取り出し、後は実施例1と同様に処理して粉末状(体積平均粒子径850μm)の水溶性重合体(C1)95部を得た(収率98%、固形分含量95%)。(C1)の1N−NaNO3 水溶液中30℃で測定した固有粘度は5.6dl/g、カチオンコロイド当量値は5.0meq/gであった。
製造例1において、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートのメチルクロライド4級アンモニウム塩の80%水溶液115部の代わりに同水溶液を10部(5モル%)、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレートのメチルクロライド塩の80%水溶液58部(30モル%)、アクリルアミドの50%水溶液51部(45モル%)およびアクリル酸12部(20モル%)を用いた以外は製造例2と同様にして、粉末状(体積平均粒子径820μm)の水溶性重合体(C2)95部を得た(収率96%、固形分含量93%)。(C2)の1N−NaNO3 水溶液中30℃で測定した固有粘度は9.8dl/g、カチオンコロイド当量値は3.0meq/g、アニオンコロイド当量値は−1.5meq/gであった。
(B1)2部と(C1)8部を密栓可能なガラス瓶に採り、均一になるまでよく振り混ぜて高分子凝集剤(D1)10部を得た。
(C1)の代わりに(C2)9部を用いた以外は実施例2と同様にして、高分子凝集剤(D2)11部を得た。
(B1)の代わりに(A1)0.55部を用いた以外は実施例2と同様にして、高分子凝集剤(比D1)8.55部を得た。
(B1)の代わりに(A1)0.60部、(C1)の代わりに(C2)9部を用いた以外は実施例2と同様にして、高分子凝集剤(比D2)9.60部を得た。
DAAQ:N,N−ジメチルアミノエチルアクリレートのメチルクロライド4級アンモ
ニウム塩
DAMQ:N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートのメチルクロライド4級アン
モニウム塩
AAc :アクリル酸
(B1)、(C2)および(A1)をそれぞれイオン交換水に溶解して固形分含量0.2%の水溶液とした。F染色工場から採取した廃水[pH6.6、TS2.0%、有機分33%]200mlを300mlのビーカーに採り、(B1)および(A1)のそれぞれの水溶液20ml(固形分添加量1.0%/TS)を加えてハンドミキサーで充分に撹拌、混合処理した。該廃水200mlにさらに上記(C1)水溶液40mlを添加[(C2)の固形分添加量2.0%/TS]して撹拌、混合処理し、前記の方法によりフロック粒径、ろ液量、ろ布剥離性、ケーキ含水率、CODおよびろ液清澄度を性能評価した。結果を表2に示す。
表2から、実施例4では、比較例4に比べて、大粒径のフロックが形成され、高撹拌下(300rpm)でも一旦形成されたフロックが壊れにくく(フロック強度が強い)こと、およびろ布剥離性、脱水性(ケーキ含水率)、COD低減特性およびろ液清澄性において優れた効果を示すことがわかる。
(D1)、(C1)および(比D1)をそれぞれイオン交換水に溶解して固形分含量0.2%の水溶液とした。K下水処理場から採取した消化汚泥[pH6.1、TS1.9%、有機分63%]にそれぞれの水溶液45mlを添加(固形分添加量2.4%/TS)、上記実施例4、比較例4と同様に混合して性能評価した。結果を表3に示す。
表3から、実施例5では、比較例5、6に比べて、大粒径のフロックが形成され、高撹拌下(300rpm)でも一旦形成されたフロックが壊れにくい(フロック強度が強い)こと、およびろ布剥離性、脱水性(ケーキ含水率)、COD低減特性およびろ液清澄性において優れた効果を示すことがわかる。
(D2)、(C2)および(比D2)をそれぞれイオン交換水に溶解して固形分含量0.2%の水溶液とした。H下水処理場から採取した混合汚泥[余剰汚泥/消化汚泥=1/1、pH6.4、TS2.7%、有機分72%]にそれぞれの水溶液50mlを添加(固形分添加量2.1%/TS)、上記実施例4、比較例4と同様に混合して性能評価した。結果を表4に示す。
表4から、実施例6では、比較例7、8に比べて、大粒径のフロックが形成され、高撹拌下(300rpm)でも一旦形成されたフロックが壊れにくい(フロック強度が強い)こと、およびろ布剥離性、脱水性(ケーキ含水率)、COD低減特性およびろ液清澄性において優れた効果を示すことがわかる。
(B1)および(A1)をそれぞれイオン交換水に溶解して固形分含量0.2%の水溶液とした。N染色工場から採取した廃水[pH6.2、TS0.05%、COD560ppm]500mlを1Lのビーカーに採り、(B1)および(A1)のそれぞれの水溶液5ml(固形分添加量0.5%/TS)を加えてハンドミキサーで充分に撹拌、混合処理し、前記の方法により凝結性、CODおよび脱色性を評価した。結果を表5に示す。
表5から、実施例7では、比較例9に比べて、凝結性能に優れ、COD低減特性および脱色性において優れた効果を示すことがわかる。
また、本発明の高分子凝集剤は、下水等または工場廃水等の処理で生じた有機性汚泥または無機性汚泥の脱水処理用として用いることができ、とくに有機性汚泥の脱水処理用として好適に用いられる他、分散剤、スケール防止剤、凝結剤、脱色剤、増粘剤、帯電防止剤、繊維用処理剤等の幅広い用途、およびとくに掘削・泥水処理用凝集剤、製紙用薬剤(例えば製紙工業用地合形成助剤、濾水歩留向上剤、濾水性向上剤および紙力増強剤)および原油増産用添加剤(原油の二、三次回収用添加剤)に好適に用いられる。
Claims (11)
- アンモニアもしくはアミン(a)とエピハロヒドリンとの重縮合物(A)と、(A)の存在下(但し、塩水溶液に可溶な天然系高分子からなる分散剤は存在しない)、一般式(1)で表されるモノマー(b1)からなるモノマー(b)を重合してなる水溶性(共)重合体(B)からなる(但し、塩水溶液に可溶な天然系高分子からなる分散剤は含有しない)ことを特徴とする有機凝結剤。
CH2=CR1−CO−X−Q−N+R2R3R4 ・Z- (1)
[式中、XはOまたはNH;Qは炭素数1〜4のアルキレン基または炭素数2〜4のヒドロキシアルキレン基;R1はHまたはメチル基を表し、R1がHのときはR1がメチル基のものとの混合物である;R2、R3、R4はそれぞれ独立にH、炭素数1〜16のアルキル、アラルキルまたはアルキルアリール基、;Z-は対アニオンを表す。] - (b)中の(b1)の割合が50〜100モル%である請求項1記載の有機凝結剤。
- (B)の、1N−NaNO3中30℃で測定した固有粘度が0.1〜5(dl/g)である請求項1または2記載の有機凝結剤。
- (b)の重量に基づく(A)の割合が1〜100%である請求項1〜3のいずれか記載の有機凝結剤。
- 有機性汚泥の脱水処理用である請求項1〜4のいずれか記載の有機凝結剤。
- 有機性汚泥が消化汚泥を含有してなる請求項5記載の有機凝結剤。
- 請求項1〜6のいずれか記載の有機凝結剤と、(B)を除くその他の水溶性(共)重合体(C)を組み合わせてなることを特徴とする高分子凝集剤。
- (C)がカチオン性(共)重合体(C1)および/または両性(共)重合体(C2)である請求項7記載の高分子凝集剤。
- (C)が、(b1)を必須構成単位とする(共)重合体である請求項7または8記載の高分子凝集剤。
- 請求項1〜6のいずれか記載の有機凝結剤を汚泥または廃水に添加、混合した後、さらに(C)を添加、混合してフロックを形成させ、固液分離を行うことを特徴とする請求項7〜9のいずれか記載の高分子凝集剤の使用方法。
- 高分子凝集剤を汚泥または廃水に添加、混合してフロックを形成させ、固液分離を行う工程からなる汚泥または廃水の処理方法において、請求項7〜9のいずれか記載の高分子凝集剤を用いることを特徴とする汚泥または廃水の処理方法。
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