JP4106353B2 - 高分子凝集剤 - Google Patents
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Description
(CH2=CR1−CH2)2N+R2R3・Z- (1)
CH2=CR4−CO−X−Q−N+R5R6R7・Z- (2)
[式中、R1はHまたはメチル基;R2は独立にH、(メタ)アリル基、炭素数1〜16のアルキル基または炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基;R3はH;R4はHまたはメチル基;R5、R6、R7はそれぞれ独立にH、炭素数1〜16のアルキル基またはアラルキル基;XはOまたはNH;Qは炭素数1〜4のアルキレン基または炭素数2〜4のヒドロキシアルキレン基;Z-は対アニオンを表す。]
;該(a)および二酸化硫黄を必須構成単位とする共重合体(A2)と、一般式(2)で表されるモノマー(b1)を必須構成単位とするその他の水溶性重合体(B2)を組み合わせてなり、(B2)の製造前に(A2)を添加してなることを特徴とする高分子凝集剤;並びに、該高分子凝集剤を汚泥または廃水に添加、混合してフロックを形成させ、固液分離を行う工程からなる汚泥または廃水の処理方法において、該高分子凝集剤を用いることを特徴とする汚泥または廃水の処理方法である。
(1)汚泥または廃水に添加、混合することにより、強固かつ大粒径のフロックが形成される。
(2)一旦形成されたフロックは破壊、再分散されにくいことから、凝集または脱水処理時の再汚染がなく、凝集または脱水処理の安定性と処理速度の著しい向上が図れる。
(3)形成されたフロックが緻密で、脱水処理後のケーキ含水率が低いことから、発生する廃棄物量および焼却処理コストを大幅に削減できる。
(4)脱水工程時に発生するろ液のCODを低減し着色成分を除去できる。
R2およびR3のうち好ましいのはHおよびC2〜4のヒドロキシアルキル基、さらに好ましいのはHおよびCH2CH2CH2OH、とくに好ましいのはHおよびCH2CH2OH、最も好ましいのはHである。
・無機酸、例えばハロゲン化水素酸(例えばHF、HCl、HBrおよびHI)、硫酸、硝酸およびリン酸
・硫酸エステル、例えばC1〜30の硫酸エステル[例えばアルキルもしくはアルケニル硫酸(例えばメチル硫酸、エチル硫酸、ラウリル硫酸、ミリスチル硫酸、パルミチル硫酸、ステアリル硫酸、オレイル硫酸、リノール硫酸およびセチル硫酸)および高級アルコール(C10〜20)のエチレンオキサイド(以下、EOと略記)1〜60モル付加物の硫酸エステル]
・有機酸、例えばC1〜30のカルボン酸〔例えばギ酸、シュウ酸、酢酸、プロピオン酸、マレイン酸、フマル酸およびアジピン酸〕
(a1)(メタ)アリル基を2個含む1級または2級アミンの塩(対アニオンは前記例示のもの)
例えばジ(メタ)アリルアミンおよびジ(メタ)アリルアミン誘導体[例えばN−メチルジ(メタ)アリルアミン、N−n−プロピルジ(メタ)アリルアミンおよびN−β−ヒドロキシエチルジ(メタ)アリルアミン]の塩
(a2)(メタ)アリル基を3個含む3級アミンの塩(対アニオンは前記例示のもの)
例えばトリ(メタ)アリルアミンの塩
(a3)(メタ)アリル基を2個含む4級アンモニウム塩(対アニオンは前記例示のもの)
例えばジアルキル[例えばジメチル、ジエチル、ジ−n−プロピル、メチルエチル]ジアリルアンモニウム塩
上記(a)および二酸化硫黄の割合は、それぞれ窒素含有量および硫黄含有量を元素分析により測定することで算出できる。
(A2)の場合、二酸化硫黄の導入方法としては、気体として系内に吹き込み重合する方法、水またはアセトンなどの極性溶媒に溶解させて重合する方法、系内で重亜硫酸ナトリウムを酸(例えば塩酸)で分解させて二酸化硫黄としてこれを重合に用いる方法が使用できる。
(A2)と後述する(B2)を組み合わせて汚泥または廃水に適用するに際しては、(A2)は粉末状、フレーク状、油状、ペースト状、水溶液状、エマルション状または懸濁液状等のいずれの形態でもよい。
CH2=CR3−CO−X−Q−N+R4R5R6・Z- (2)
[式中、XはOまたはNH;Qは炭素数1〜4のアルキレン基または炭素数2〜4のヒドロキシアルキレン基;R3はHまたはメチル基;R4、R5、R6はそれぞれ独立にH、炭素数1〜16のアルキル基またはアラルキル基;Z-は対アニオンを表す。]
R4、R5およびR6のアルキル基としては、例えば前記R2で例示したものが挙げられ、アラルキル基としては、例えばベンジルおよびフェニルエチル基が挙げられる。Zは、前記と同じである。
・(メタ)アクリレート系[一般式(2)におけるXがOの場合]のアミン塩
1級アミノ基含有(メタ)アクリレート[C5〜20、例えばアミノエチル(メタ)アクリレートおよびアミノプロピル(メタ)アクリレート]、2級アミノ基含有(メタ)アクリレート[C6〜20、例えばメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、メチルアミノプロピル(メタ)アクリレートおよびアミノエチル(メタ)アクリレート]および3級アミノ基含有(メタ)アクリレート[C7〜20、例えばジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートおよびジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート]の、無機酸(例えばハロゲン化水素酸(例えばHF、HCl、HBrおよびHI)、硫酸、硝酸およびリン酸)塩、有機酸(C1〜30、例えば蟻酸、酢酸、シュウ酸、プロピオン酸、マレイン酸、フマル酸およびアジピン酸)塩およびこれらのアミン(塩)を4級化剤(例えば塩化メチル、ジメチル硫酸および塩化ベンジル)で4級化してなる第4級アンモニウム塩
1級アミノ基含有(メタ)アクリルアミド[例えばアミノエチル(メタ)アクリルアミドおよびアミノプロピル(メタ)アクリルアミド]、2級アミノ基含有(メタ)アクリルアミド[例えばメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミドおよびメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド]および3級アミノ基含有(メタ)アクリルアミド[例えばジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミドおよびジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド]の無機酸塩(前記のもの)、有機酸塩(前記のもの)および上記アミンを4級化剤(前記のもの)で4級化してなる第4級アンモニウム塩
(b21)ノニオン性モノマー
下記のもの、およびこれらの混合物
(b211)(メタ)アクリレート誘導体
分子量40〜数平均分子量(以下、Mnと略記)3,000、例えば水酸基含有(メタ)アクリレート[例えばヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(重合度3〜50)モノ(メタ)アクリレートおよびポリグリセロール(重合度1〜10)モノ(メタ)アクリレート]および2−シアノエチル(メタ)アクリレート
(b212)(メタ)アクリルアミド誘導体
C3〜30、例えば(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミドおよびN−メチロール(メタ)アクリルアミド
(b213)上記以外の窒素原子含有ビニルモノマー
C3〜30、例えばアクリロニトリル、N−ビニルホルムアミド、N−ビニル−2−ピロリドン、ビニルイミダゾール、N−ビニルスクシンイミドおよびN−ビニルカルバゾール
下記のもの、これらの塩(例えば、前記無機酸、有機酸塩および4級アンモニウム塩)、およびこれらの混合物
(b221)アミノ基を有するビニル化合物
C2〜30、例えばビニルアミン、ビニルアニリン、(メタ)アリルアミン、ジ(メタ)アリルアミン、p−アミノスチレン、2−ビニルピリジン、3−ビニルピペリジン、ビニルピラジンおよびビニルモルホリン
(b222)アミンイミド基を有する化合物
C4〜30、例えば1,1,1−トリメチルアミン(メタ)アクリルイミド、1,1−ジメチル−1−エチルアミン(メタ)アクリルイミド、1,1−ジメチル−1−(2’−フェニル−2’−ヒドロキシエチル)アミン(メタ)アクリルイミドおよび1,1,1−トリメチルアミン(メタ)アクリルイミド
下記の酸、これらの塩[例えばアルカリ金属(例えばリチウム、ナトリウムおよびカリウム)塩、アルカリ土類金属(例えばマグネシウムおよびカルシウム)塩、アンモニウム塩およびアミン(C1〜20、例えばメチルアミン、エチルアミンおよびエタノールアミン)塩]、およびこれらの混合物
モノカルボン酸[C3〜30、例えば(メタ)アクリル酸、ビニル安息香酸およびアリル酢酸]およびポリ(2〜4)カルボン酸[C4〜30、例えば(無水)マレイン酸、フマル酸およびイタコン酸]
アルケンスルホン酸[C2〜20、例えばビニルスルホン酸および(メタ)アリルスルホン酸]、不飽和芳香族スルホン酸[C6〜20、例えばスチレンスルホン酸およびα−メチルスチレンスルホン酸]、スルホカルボン酸(例えばα−スルホアルカン酸およびスルホコハク酸)のアルケニルおよびアルキル(C1〜18)アルケニルエステル[C3〜20、例えばメチルビニル、プロピル(メタ)アリルおよびステアリル(メタ)アリルスルホサクシネート、および(メタ)アリルスルホラウレート]、スルホン酸基含有(メタ)アクリレート〔C4〜30、例えばスルホアルキル(C2〜20)(メタ)アクリレート[例えば2−(メタ)アクリロイルオキシエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロパンスルホン酸、3−(メタ)アクリロイルオキシプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシブタンスルホン酸、4−(メタ)アクリロイルオキシブタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2−ジメチルエタンスルホン酸およびp−(メタ)アクリロイルオキシメチルベンゼンスルホン酸]〕、スルホン酸基含有(メタ)アクリルアミド[C4〜30、例えば2−(メタ)アクリロイルアミノエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルアミノプロパンスルホン酸、3−(メタ)アクリロイルアミノプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルアミノブタンスルホン酸、4−(メタ)アクリロイルアミノブタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2−ジメチルエタンスルホン酸およびp−(メタ)アクリロイルアミノメチルベンゼンスルホン酸]およびアルキル(C1〜20)(メタ)アリルスルホコハク酸エステル[例えばメチル(メタ)アリルスルホコハク酸エステル]
(b233)(メタ)アクリロイルポリオキシアルキレン(C1〜6)硫酸エステル
例えば(メタ)アクリロイルポリオキシエチレン(重合度2〜50)硫酸エステル
(b3)には、下記(b31)〜(b36)、およびこれらの混合物が含まれる。
(b31) C4〜23の(シクロ)アルキル(メタ)アクリレート〔C1〜20の脂肪族および脂環式アルコールの(メタ)アクリレート[例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレートおよびシクロヘキシル(メタ)アクリレート]
(b32) C4〜20のエポキシ基含有(メタ)アクリレート[例えばグリシジル(メタ)アクリレート]〕
(b35) 不飽和アルコール[C2〜8、例えばビニルアルコールおよび(メタ)アリルアルコール]のカルボン酸(C2〜20、例えば酢酸、オクチル酸およびラウリル酸)エステル(例えば酢酸ビニル、オクチル酸ビニルおよびラウリル酸ビニル)
(b36) ハロゲン含有モノマー(C2〜8、例えば塩化ビニル)
水溶液重合としては、例えばモノマーの水溶液を外部からの熱の出入りがない容器中に入れ、断熱重合をする方法(例えば特公昭59−40843号公報)およびモノマーの水溶液を外部から温調可能な容器中で定温重合する方法(例えば特開平3−189000号公報)を用いることができる。
油溶性高分子物質としては、例えばセルロースエーテル(Mn100〜100,000、例えばエチルセルロースおよびエチルヒドロキシエチルセルロース)、アルケンとα,β−不飽和多価カルボン酸(無水物)との共重合体またはその誘導体[Mn100〜100,000、例えばC20〜40の1−オレフィンと(無水)マレイン酸の共重合体]が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、例えばショ糖脂肪酸エステル(C13〜100、例えばショ糖ジステアレートおよびショ糖トリステアレート)、ソルビタン脂肪酸エステル(C7〜100、例えばソルビタンモノステアレートおよびソルビタンモノオレート)およびポリグリセリン脂肪酸エステル(C6〜100、例えばモノステアリン酸グリセリン)が挙げられる。
油溶性高分子物質の使用量は、使用する有機溶媒の重量に基づいて、下限は通常0.1重量%、好ましくは0.2重量%、さらに好ましくは0.5重量%、上限は通常10重量%、好ましくは5重量%、さらに好ましくは3重量%である。
また、使用する分散媒(有機溶媒)としては、例えば脂肪族炭化水素(C6〜30、例えばヘキサン、ヘプタンおよびn−デカン)、脂環式炭化水素(C6〜30、例えばシクロヘキサンおよびデカリン)、芳香族炭化水素(C6〜12、例えばベンゼン、トルエンおよびキシレン等)等が挙げられる。
使用する分散媒としては、例えば炭化水素[C6〜30、例えばパラフィン(例えばn−パラフィンおよびイソパラフィン)、鉱油(例えば灯油、軽油および中油)および合成油]およびこれらの混合物が挙げられる。
乳化する際に用いられる界面活性剤としては、例えば特許第2676483号公報および特開平9−208802号公報に記載の公知のものが使用でき、これらのうちでは、エマルションの安定性の観点から好ましいのは、ノニオン性界面活性剤およびノニオン性界面活性剤と他のイオン性界面活性剤との併用である。
これらの界面活性剤の使用量は、分散媒の重量に基づいて、下限は通常0.05%、好ましくは0.1%、さらに好ましくは0.12%、上限は通常1%、好ましくは0.5%、さらに好ましくは0.25%である。
また、油中水型エマルションを水に希釈して使用する際に、水に投入して素早く転相するように、予め油中水型エマルションに転相剤を添加しておいてもよい。転相剤としては、親水性の高い界面活性剤[例えば、HLB(Hydrophile-Lipophile Balance、親水性と親油性のつり合いを示す指標で、グリフィンのHLB理論に基づくもの)が9〜20のもの]、例えば特許第2676483号公報および特開平9−208802号公報に記載のカチオン性界面活性剤および/またはノニオン性界面活性剤が使用できる。
上記の過酸化物は還元剤と組み合わせてレドックス開始剤として用いてもよく、還元剤としては重亜硫酸塩(例えば重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸カリウムおよび重亜硫酸アンモニウム)、還元性金属塩[例えば硫酸鉄(II)]、3級アミン[例えばジメチルアミノ安息香酸(塩)およびジメチルアミノエタノール]、遷移金属塩のアミン錯体[例えば塩化コバルト(III)のペンタメチレンヘキサミン錯体および塩化銅(II)のジエチレントリアミン錯体]および有機性還元剤(例えばアスコルビン酸)が挙げられる。また、アゾ開始剤、過酸化物開始剤およびレドックス開始剤はそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上の開始剤を併用してもよい。
これらのうちで分子量制御の観点から好ましいのは、分子内に1つまたは2つ以上のチオール基を有する化合物である。
・1価チオール
脂肪族メルカプタン[C1〜20、例えばメチルメルカプタン、エチルメルカプタン、プロピルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、ヘキサデシルメルカプタン、n−オクタデシルメルカプタン、2−メルカプトエタノール、メルカプト酢酸、3−メルカプトプロピオン酸、チオ酢酸、1−チオグリセロール、チオグリコール酸モノエタノールアミン、チオマレイン酸、システインおよび2−メルカプトエチルアミン]、脂環式メルカプタン(C5〜20、例えばシクロペンチルメルカプタンおよびシクロヘキシルメルカプタン)および芳香族メルカプタン(C6〜12、例えばチオフェノール、ベンジルメルカプタン、チオ安息香酸およびチオサリチル酸)が挙げられる。
ジチオール[脂肪族ジチオール(C2〜40、例えばエチレンジチオール、ジエチレンジチオール、トリエチレンジチオール、プロピレンジチオール、1,3−および1,4−ブタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオールおよびネオペンチルジチオール)、脂環式ジチオール(C5〜20、例えばシクロペンタンジチオールおよびシクロヘキサンジチオール)および芳香族ジチオール(C6〜16、例えばベンゼンジチオールおよびビフェニルジチオール)、トリチオール(C3〜20、例えばチオグリセリン)が挙げられる。
逆相懸濁重合では、下限は通常30%、好ましくは40%、さらに好ましくは45%、とくに好ましくは50%、最も好ましくは55%、上限は通常90%、好ましくは85%、さらに好ましくは80%、とくに好ましくは78%、最も好ましくは75%である。
逆相乳化重合では、下限は通常10%、好ましくは20%、さらに好ましくは30%、とくに好ましくは40%、最も好ましくは55%以上、上限は通常90%、好ましくは80%、より好ましくは75%、とくに好ましくは70%、最も好ましくは65%である。
逆相乳化重合における分散媒の使用量は、エマルションの安定性の観点からモノマー水溶液の全重量に基づいて、好ましい下限は20%、さらに好ましくは30%、とくに好ましくは40%、エマルションの粘度の観点から好ましい上限は80%、さらに好ましくは70%、とくに好ましくは60%である。
また、重合中は所定重合温度を一定(例えば所定重合温度±5℃)に保つよう、適宜加熱、冷却して調節することが好ましい。重合温度を一定に保つために、予め所定重合温度に温調した分散媒に撹拌下でモノマーを随時滴下してもよい。 その際の滴下時間は、モノマー濃度、および重合反応発熱量により異なるが、通常0.5〜20時間、好ましくは1〜10時間である。
逆相乳化重合における重合温度は、下限は通常0℃、好ましくは5℃、さらに好ましくは10℃、とくに好ましくは15℃、最も好ましくは20℃、上限は通常95℃、好ましくは90℃、さらに好ましくは80℃、とくに好ましくは70℃、最も好ましくは55℃である。
また、重合中は所定重合温度を一定(例えば所定重合温度±5℃)に保つように、適宜加熱、冷却して調節してもよいし、比較的低温(例えば15〜35℃)で重合を開始させ、一定時間(例えば1〜3時間)重合後に昇温(例えば55〜80℃)してもよい。
上記のモノマー濃度、重合温度および重合時間は、モノマー組成、重合法および開始剤種類等によって適宜調整することができる。
上記pHに調整するために用いられるpH調整剤としては特に限定されることはなく、モノマー水溶液がアルカリ性の場合には無機酸(例えば塩酸、硫酸、硝酸およびリン酸)、無機固体酸性物質(例えば酸性リン酸ソーダ、酸性ぼう硝、塩化アンモン、硫安、重硫安およびスルファミン酸)および有機酸(例えばシュウ酸、こはく酸およびリンゴ酸)が挙げられ、モノマー水溶液が酸性の場合には無機アルカリ性物質(例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよびアンモニア)および有機アルカリ性物質(例えばグアニジン)が挙げられる。
なお、上記pHは、重合で用いるモノマー水溶液の原液についての室温(20℃)での測定値である。
(A1)と(B1)からなる高分子凝集剤における、(A1)と(B1)の合計重量に基づく(A1)の割合、または(A2)と上記(B2)を組み合わせてなる高分子凝集剤における、(A2)と(B2)の合計重量に基づく(A2)の割合は、凝集剤性能と、ろ液の清澄性向上効果(例えばCOD低減および脱色)の観点から、好ましい下限は0.5%、好ましくは1%、さらに好ましくは2%、とくに好ましくは3%、最も好ましくは5%、凝集剤性能の観点から、好ましい上限は70%以下、好ましくは60%以下、さらに好ましくは50%、とくに好ましくは30%、最も好ましくは20%である。
以降において、(A2)または(B2)の製造前もしくは製造途中に(B2)または(A2)を添加して得られる生成物を、それぞれ(BA2)または(AB2)と略記する。
キレート化剤としては、C6〜12のアミノカルボン酸(例えばエチレンジアミンテトラ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸、ニトリロトリ酢酸およびトリエチレンテトラミンヘキサ酢酸)、多価カルボン酸〔例えばマレイン酸、ポリアクリル酸(Mn1,000〜10,000)およびイソアミレン−マレイン酸共重合体(Mn1,000〜10,000)〕、C3〜10のヒドロキシカルボン酸(例えばクエン酸、グルコン酸、乳酸およびリンゴ酸)、縮合リン酸(例えばトリポリリン酸およびトリメタリン酸)およびこれらの塩〔例えばアルカリ金属(例えばナトリウムおよびカリウム)塩、アルカリ土類金属(例えばカルシウムおよびマグネシウム)塩、アンモニウム塩、C1〜20のアルキルアミン(例えばメチルアミン、エチルアミンおよびオクチルアミン)塩およびC2〜12のアルカノールアミン(例えばモノ−、ジ−およびトリエタノールアミン)塩〕;
ブロッキング防止剤としては、ポリエーテル変性シリコーンオイル、例えば、ポリエチレンオキサイド変性シリコーンおよびポリエチレンオキサイド・ポリプロピレンオキサイド変性シリコーン;
防腐剤としては、例えば安息香酸、パラオキシ安息香酸エステルおよびソルビン酸が挙げられる。
上記添加剤の使用量は、添加剤を(A1)、(A2)、(B1)および/または(B2)あるいは(C)に含有させる場合は、(A1)、(A2)、(B1)および/または(B2)の合計重量あるいは(C)の重量に基づいて、またモノマー水溶液中に予め含有させる場合は、モノマー重量に基づいて、消泡剤は通常5%以下、好ましくは1〜3%、キレート化剤は通常30%以下、好ましくは2〜10%、pH調整剤は通常10%以下、好ましくは1〜5%、界面活性剤およびブロッキング防止剤はそれぞれ通常5%以下、好ましくは1〜3%、酸化防止剤、紫外線吸収剤および防腐剤はそれぞれ通常5%以下、好ましくは0.1〜2%である。
有機性汚泥の場合は、懸濁粒子の大きさが比較的大きく、また水中において懸濁粒子表面がマイナスに帯電していることから、本発明の高分子凝集剤のうち好ましいのはカチオン性高分子凝集剤および/または両性高分子凝集剤、さらに本発明の特徴である上記効果をより一層発揮できるとの観点から、さらに好ましいのは両性高分子凝集剤である。
ここでカチオン性高分子凝集剤とは、分子内にカチオン性基を有する高分子凝集剤、すなわち水に溶解した際にカチオン性を示す高分子凝集剤であり、また両性高分子凝集剤とは、分子内にカチオン性基およびアニオン性基を有する高分子凝集剤または分子内にカチオン性基を有する高分子凝集剤と分子内にアニオン性基を有する高分子凝集剤の混合物、すなわち水に溶解した際にカチオン性およびアニオン性を示す高分子凝集剤である。これらの高分子凝集剤の水中におけるカチオン性またはアニオン性は、コロイド当量値(meq/g)を目安として評価することができる。即ち、カチオン性凝集剤中のカチオン性基当量値はカチオンコロイド当量値として求めることができ、両性凝集剤中のカチオン性基当量値およびアニオン性基当量値は、それぞれカチオンコロイド当量値およびアニオンコロイド当量値として求めることができる。
また本発明の両性高分子凝集剤中のカチオンコロイド当量値(meq/g)は、上記と同様の観点から、好ましい下限は1、さらに好ましくは1.5、とくに好ましくは2、また好ましい上限は6、さらに好ましくは5、とくに好ましくは4.5である。
またアニオンコロイド当量値(meq/g)は高分子凝集剤の水への溶解性の観点から好ましい下限は−5、さらに好ましくは−4、とくに好ましくは−3、また凝集性の観点から好ましい上限は−0.1、さらに好ましくは−0.3、とくに好ましくは−0.5である。
(1)測定試料(50ppm水溶液)の調製
試料0.2g(固形分含量換算したもの)を精秤し、200mlのガラス製三角フラスコにとり、全体の重量(試料とイオン交換水の合計重量)が100gとなるようにイオン交換水を加えた後、マグネチックスターラー(1000rpm)で、3時間撹拌して完全に溶解し、0.2重量%の高分子凝集剤溶液を調製する。さらに500mlのガラス製ビーカーに上記調製した溶液10.00gを小数点第2位まで計ることができる天秤を用いて正確に秤りとり、全体の重量(溶液10mlとイオン交換水の合計重量)が400.00gとなるようにイオン交換水を加え、再度マグネチックスターラー(1,000〜1,200rpm)で、30分間撹拌して、均一な測定試料とする。
なお、高分子凝集剤の固形分含量は、試料約1.0gをシャーレに秤量(W1)して、循風乾燥機中105±5℃で90分間乾燥させた後の残存重量を(W2)として、次式から算出した値である。
固形分含量(重量%)=(W2)×100/(W1)
測定試料100.0gを200mlのガラス製コニカルビーカーにとり、撹拌しながら徐々に0.5重量%硫酸水溶液を加え、pH3に調整する。次にトルイジンブルー指示薬(TB指示薬)を2〜3滴加え、N/400ポリビニル硫酸カリウム(N/400PVSK)試薬で滴定する。滴定速度は2ml/分とし、測定試料が青から赤紫色に変色し、30秒間保持する時点を終点とする。
(3)アニオンコロイド当量値の測定
測定試料100.0gを200mlのガラス製コニカルビーカーにとり、マグネチックスターラー(500rpm)で撹拌しながら、N/10水酸化ナトリウム水溶液0.5mlを加え、さらにN/200メチルグリコールキトサン水溶液5mlを5mlのホールピペットを用いて加えた後、5分間撹拌する(その時のpH約10.5)。TB指示薬を2〜3滴加え、(2)と同様にして滴定する。
(4)空試験
測定試料の代わりにイオン交換水100.0gを用いる以外(2)および(3)と同様の操作を行う。
(5)計算方法
カチオンまたはアニオンコロイド当量値(meq/g)=1/2×(試料の滴定量−空試験の滴定量)×(N/400PVSKの力価)
上記処理方法のうち、後述する本発明の効果(例えば高フロック強度、フロック粒径の増大、脱水ケーキの低含水率化およびろ液のCOD低減と脱色効果)発揮の観点から好ましいのは、(1)(AB1)および/または(AB2)を下水汚泥または廃水に添加、混合してフロックを形成させ、固液分離を行う方法、(2)(A2)を汚泥または廃水に添加、混合した後、さらに(B2)を添加、混合してフロックを形成させ、固液分離を行う方法、および(3)(A2)と(B2)を予め混合して高分子凝集剤(C)とした後、(C)を下水汚泥または廃水に添加、混合してフロックを形成させ、固液分離を行う方法、さらに好ましいのは(1)および(2)の方法、とくに好ましいのは(1)の方法である。
(A2)の溶解方法および溶解後の希釈方法は特に限定はされないが、例えば予め計りとった水を、ジャーテスター等の撹拌装置を用いて撹拌しながら所定量の(A2)を加え、数時間(約1〜4時間程度)撹拌して溶解する方法等が採用できる。
有機凝結剤としては、例えばエピハロヒドリンとアミンとの重縮合体(もしくはその塩酸塩、以下塩酸塩と略記)、エピハロヒドリンとアルキレンジアミンとの重縮合体(塩酸塩)、ポリエチレンイミン(塩酸塩)、アルキレンジハライド−アルキレンポリアミン重縮合体(塩酸塩)、アニリン−ホルムアルデヒド重縮合体(塩酸塩)、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ポリビニルピリジン(塩酸塩)、(ジ)メチルジ(メタ)アリルアンモニウムクロライドおよびポリビニルイミダゾリン(塩酸塩)が挙げられる。
これらの無機凝結剤および有機凝結剤はそれぞれの1種または2種以上用いても、あるいは両者を併用してもいずれでもよい。
溶解方法、溶解後の希釈方法は特に限定はなく、上記(A2)の場合と同様である。とくに粉末状の(B2)を水に溶解する際、(B2)を一度に加えるとままこを生じて水に溶解しにくくなるため好ましくない。
溶解方法、溶解後の希釈方法は特に限定はなく、上記(A2)および(B2)の場合と同様である。
固有粘度[η](dl/g)は1N−NaNO3水溶液中、30℃で測定した値である。高分子凝集剤のコロイド当量値および固形分含量は、前記の方法によって測定した。
なお、汚泥または廃水中のTS(蒸発残留)、有機分(強熱減量)は、下水道試験方法(日本下水道協会、1984年度版)記載の分析方法に準じて行った。
また本実施例中のフロック粒径、ろ液量、ろ布剥離性、ケーキ含水率、CODおよびろ液清澄度は以下の方法に従って実施した。
ジャーテスター[宮本理研工業(株)製、形式JMD−6HS−A]に板状の塩ビ製撹拌羽根(直径5cm、高さ2cm、厚さ0.2cm)2枚を十字になる様に上下に連続して撹拌棒に取り付け、汚泥または廃水[もしくは予め(A)を添加、混合した汚泥または廃水]200mlを500mlのビーカーに取り、ジャーテスターにセットした。ジャーテスターの回転数を120rpmにし、ゆっくり汚泥または廃水を撹拌しながら、所定量の0.2重量%の高分子凝集剤水溶液[もしくは予め(A)を添加、混合した汚泥または廃水の場合は0.2重量%の(B)]を一度に添加し、30秒間撹拌した後、撹拌を止め凝集物の大きさを目視にて観察した(回転数120rpmでのフロック粒径を表中に示す)。
続いて回転数を300rpmにセットし、さらに30秒間撹拌した後、撹拌を止め凝集物の大きさを再度目視にて観察した(回転数300rpmでのフロック粒径を表中に示す)。
T−1189のナイロン製ろ布[敷島カンバス(株)製、円形状、直径9cm]、ヌッチェ漏斗、300mlが測れるメスシリンダーをセットし、上記フロック粒径試験後の汚泥を一度に投入して濾過し、ストップウォッチを用いて投入直後から60秒後のろ液量を測定した。
<ろ布剥離性>
濾過した汚泥の一部をスパーテルで取り出し、プレスフィルター試験機を用いて脱水試験(2kg/cm2、60秒)を行い、試験後のろ布からの脱水ケーキの剥離性を下記の基準に従って評価した。
◎:非常に剥がれやすい(ろ布付着物ほとんどなし)
○:剥がれやすい(僅かにろ布付着物あり)
△:多少剥がれにくい(ろ布付着物あり、僅かにろ布内部まで付着)
×:剥がれにくい(ろ布内部まで付着)
上記ろ布剥離性試験後の脱水ケーキ約3.0gをシャーレに秤量(W3)して、循風乾燥機中で完全に水分が蒸発するまで(例えば、105±5℃で8時間)乾燥させた後、シャーレ上に残った乾燥ケーキの重量を(W4)として、次式からケーキ含水率を算出した。
ケーキ含水率(重量%)={(W3)−(W4)}×100/(W3)
上記ろ液量測定後のろ液を用いて、JIS K−0102(1998年度版)に記載のCODMn分析方法に準じてCODを測定した。
<ろ液清澄度>
上記ろ液量測定後のろ液を用いて、吸光度計[(株)島津製作所製、UV−1200]で波長590nmおよび700nmの時の吸光度を測定した。なお、吸光度の数値(%)は、イオン交換水の吸光度を100%とした時の値を示す。
撹拌機、温度センサーおよび温度制御装置を備えたオートクレーブに、水230部および35%塩酸76部を仕込み、冷却しながらジアリルアミン72部を徐々に滴下しジアリルアンモニウムクロライド水溶液を得た。次いで系内を窒素(純度99.999%以上)で充分に置換した後、無水重亜硫酸ナトリウム18部と35%塩酸18部を仕込み系内に二酸化硫黄を発生させ、開始剤として2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジハイドロクロライドの10%水溶液29.2部を撹拌しながら加えた。系内を外部から徐々に加熱し、50℃で重合が開始し発熱が認められたので外部から冷却して内容物温度50〜60℃で10時間重合を行った。その後外部から加温して、80℃で1時間熟成し重合を完結させた。重合完結後、内容物を取り出し、これにアセトン2,000部を加えて市販のジューサーミキサーで30分間撹拌して沈殿物を得た。この沈殿物を減圧ろ過(JIS規格2種のろ紙を使用)により取り出した後、沈殿物を減圧乾燥機中(減圧度1.3kPa、40℃×2時間)で溶媒を留去し、粉末状の共重合体[A1]108部を得た(収率93%、固形分含量95%)。元素分析により、[A1]を構成する全モノマーの合計量に基づくジアリルアンモニウムクロライドの割合は80モル%、二酸化硫黄の割合は20モル%であった。
撹拌機、温度センサーおよび温度制御装置を備えたコルベンに、メチルジアリルアンモニウムクロライドの結晶を970部入れ、系内が20〜80℃となるように外部より冷却しながら、これに二酸化硫黄163部を徐々に吹き込んだ。発熱を伴い二酸化硫黄はメチルジアリルアンモニウムクロライドに吸収され液状の混合物を得た。次いでこの混合物100部を厚み0.1mmの透明のポリエチレン製の袋に入れ、厚み約3mm、縦横各5cmの平板上に拡げた。これを300〜450nmの波長分布をもった蛍光灯(40W、長さ120cm)の中心の直下10cmのところに置き、3時間照射した。照射してから直ちに発熱を伴って重合が開始し、全体が固化した。重合後内容物を取り出し、後は製造例1と同様に処理して粉末状の共重合体[A2]97部を得た(収率97%、固形分含量99%)。元素分析により、[A2]を構成する全モノマーの合計量に基づくメチルジアリルアンモニウムクロライドの割合は72モル%、二酸化硫黄の割合は28モル%であった。
撹拌機、温度センサーおよび温度制御装置を備えたオートクレーブに、ジメチルジアリルアンモニウムクロライドの60%水溶液を200部入れた。次いで系内を窒素(純度99.999%以上)で充分に置換した後、開始剤として2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジハイドロクロライドの10%水溶液29.2部を撹拌しながら加えた。系内を外部から徐々に加熱し、50℃で重合が開始し発熱が認められたので外部から冷却して内容物温度50〜60℃で10時間重合を行った。その後外部から加温して、80℃で1時間熟成し重合を完結させた。重合完結後、内容物を取り出し、これにアセトン2,000部を加えて市販のジューサーミキサーで30分間撹拌して沈殿物を得た。この沈殿物を減圧ろ過(JIS規格2種のろ紙を使用)により取り出した後、沈殿物を減圧乾燥機中(減圧度1.3kPa、40℃×2時間)で溶媒を留去し、粉末状の共重合体[A3]121部を得た(収率96%、固形分含量95%)。
撹拌機を備えたコルベンにN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートにメチルクロライドを反応させた4級アンモニウム塩の80%水溶液115部(100モル%)を加えた後、さらに系内のモノマーの合計が30%となる様にイオン交換水192部を加え、系内が均一の溶液になるまで撹拌した。さらに撹拌を続けながら、硫酸を用いてモノマー水溶液のpH(20℃)をpHメーターで監視しながら4.0に調整した。次に、40℃の恒温槽中で溶液の温度を40℃に調整し、系内を窒素(純度99.999%以上)で充分に置換した(気相酸素濃度10ppm以下)。次いで開始剤として2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジハイドロクロライドの10%水溶液0.46部を撹拌しながら一気に加えた。約1分後に重合が開始し発熱が認められたが外部から冷却して内容物温度40〜50℃で10時間重合を行った。その後外部から加温して、70℃で1時間熟成し重合を完結した。なお重合中、内容物が高粘度となり撹拌が困難となったため、撹拌は途中で停止した。
重合完結後、内容物を取り出し、後は製造例1と同様に処理して粉末状の水溶性重合体[B1]95部を得た(収率98%、固形分含量95%)。
製造例4において、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートのメチルクロライド4級アンモニウム塩の80%水溶液115部の代わりにN,N−ジメチルアミノエチルアクリレートのメチルクロライド塩の80%水溶液74部(40モル%)とアクリルアミドの50%水溶液65部(60モル%)を用いた以外は製造例3と同様にして、粉末状の水溶性重合体[B2]97部を得た(収率98%、固形分含量93%)。
製造例4において、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートのメチルクロライド4級アンモニウム塩の80%水溶液115部の代わりに該水溶液を10部(5モル%)、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレートのメチルクロライド塩の80%水溶液58部(30モル%)、アクリルアミドの50%水溶液51部(45モル%)およびアクリル酸12部(20モル%)を用いた以外は製造例3と同様にして、粉末状の水溶性重合体[B3]95部を得た(収率96%、固形分含量93%)。
市販のジメチルアミンとエピクロルヒドリン重縮合体[四日市合成(株)製、カチオマスターPD−7、固形分濃度50%水溶液]50部をアセトン2,000部中に加え、ミキサーで30分間撹拌して沈殿物を得た。後は製造例1と同様に処理して粉末状の重縮合体[A4]23部を得た(収率93%)。
水溶性重合体[B1]9部と共重合体[A1]1.3部を密栓可能なガラス瓶に採り、均一になるまでよく振り混ぜて高分子凝集剤[C1]10.3部を得た。
水溶性重合体[B1]の代わりに水溶性重合体[B2]9部、共重合体[A1]の代わりに共重合体[A2]0.42部を用いた以外は参考例1と同様にして、高分子凝集剤[C2]9.42部を得た。
水溶性重合体[B1]の代わりに水溶性重合体[B3]9部、共重合体[A1]の代わりに共重合体[A2]0.84部を用いた以外は参考例1と同様にして、高分子凝集剤[C3]9.84部を得た。
製造例4において、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートのメチルクロライド4級アンモニウム塩の80%水溶液115部の代わりに該水溶液を113部(100モル%)および[A1]の30%水溶液33部を用いた以外は製造例4と同様にして、粉末状の水溶性重合体[C4]105部を得た(収率99%、固形分含量95%)。
製造例4において、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートのメチルクロライド4級アンモニウム塩の80%水溶液115部の代わりに該水溶液を113部(100モル%)および[A3]の30%水溶液33部を用いた以外は製造例4と同様にして、粉末状の水溶性重合体[C5]105部を得た(収率99%、固形分含量95%)。
製造例4において、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートのメチルクロライド4級アンモニウム塩の80%水溶液115部の代わりにN,N−ジメチルアミノエチルアクリレートのメチルクロライド塩の80%水溶液73部(40モル%)とアクリルアミドの50%水溶液64部(60モル%)および[A2]の30%水溶液33部とを用いた以外は製造例4と同様にして、粉末状の水溶性重合体[C6]106部を得た(収率98%、固形分含量93%)。
製造例4において、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートのメチルクロライド4級アンモニウム塩の80%水溶液115部の代わりに該水溶液を10部(5モル%)、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレートのメチルクロライド塩の80%水溶液57部(30モル%)、アクリルアミドの50%水溶液50部(45モル%)およびアクリル酸11部(20モル%)および[A2]の30%水溶液33部を用いた以外は製造例4と同様にして、粉末状の水溶性重合体[C7]103部を得た(収率96%、固形分含量93%)。
N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートのメチルクロライド4級アンモニウム塩の80%水溶液115部の代わりにN,N−ジメチルアミノエチルアクリレートのメチルクロライド4級アンモニウム塩の80%水溶液56部(30モル%)とアクリルアミドの50%水溶液65部(60モル%)とジアリルアンモニウムクロライドの60%水溶液17部(10モル%)を用いた以外は製造例4と同様にして、粉末状の高分子凝集剤[C8]92部を得た(収率98%、固形分含量93%)。
水溶性重合体(B1)の代わりに水溶性重合体[B3]9部、共重合体[A1]の代わりに比較製造例1で得られた重縮合体[A4]0.84部を用いた以外は参考例1と同様にして、高分子凝集剤[C9]9.84部を得た。
DAAQ:N,N−ジメチルアミノエチルアクリレートのメチルクロライド
4級アンモニウム塩
DAMQ:N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートのメチルクロライド
4級アンモニウム塩
AAc :アクリル酸
共重合体[A1、A2]、重縮合体[A4]および水溶性重合体[B3]をそれぞれイオン交換水にとかして固形分含量が0.2%の水溶液とした。G下水処理場から採取した消化汚泥[pH7.2、TS1.8%、有機分60%、以下同じ。]を500部ずつ3個の別々のビーカーに採り、[A1]、[A2]および[A4]のそれぞれの水溶液25部(この時の固形分添加量0.56%/TS)を加えてハンドミキサーで充分に撹拌、混合
処理した。それぞれの該汚泥200部にさらに上記[B3]水溶液40部を、前記<フロック粒径>測定法に記載した添加、混合方法により混合処理し、前記の方法によりフロック粒径、ろ液量、ろ布剥離性、ケーキ含水率、CODおよびろ液清澄度を測定した〔この時の[B3]の固形分添加量は2.3%/TS〕。試験結果を表3に示す。
表3の結果から、実施例4〜5は、比較例3に比べて、大粒径のフロックを形成し、高撹拌下(300rpm)でも一旦形成されたフロックが壊れにくい(フロック強度が強い)こと、良好なろ布剥離性、高い脱水性(低いケーキ含水率)、COD低減効果およびろ液清澄性を高める効果を有することがわかった。
高分子凝集剤[C3、C7]、比較例として高分子凝集剤[C9]および水溶性重合体[B3]をそれぞれイオン交換水に溶解して固形分含量が0.2%の水溶液とした。G下水処理場から採取した消化汚泥を200部ずつ4個の別々のビーカーに採り、それぞれの水溶液45部を前記<フロック粒径>測定法に記載した装置および添加、混合方法により混合処理して、前記の方法によりフロック粒径、ろ液量、ろ布剥離性、ケーキ含水率、CODおよびろ液清澄度を測定した〔この時の[C3]、[C7]、[C9]および[B3]の固形分添加量は2.5%/TS〕。試験結果を表4に示す。
表4の結果から、実施例6は、比較例4〜5に比べて、大粒径のフロックを形成し、高撹拌下(300rpm)でも一旦形成されたフロックが壊れにくい(フロック強度が強い)こと、良好なろ布剥離性、高い脱水性(低いケーキ含水率)、COD低減効果およびろ液清澄性を高める効果を有することがわかった。
高分子凝集剤[C1、C4、C5]、比較例として水溶性重合体[B1]をそ
れぞれイオン交換水に溶解して固形分含量が0.2%の水溶液とした。J下水処理場から採取した余剰汚泥[pH6.2、TS2.4%、有機分75%]を200部ずつ4個の別々のビーカーに採り、それぞれの水溶液50部を前記<フロック粒径>測定法に記載した装置および添加、混合方法により混合処理して、前記の方法によりフロック粒径、ろ液量、ろ布剥離性、ケーキ含水率、CODおよびろ液清澄度を測定した〔この時の[C1]、[C4]、[C5]および[B1]の固形分添加量は2.1%/TS〕。試験結果を表5に示す。
表5の結果から、実施例7は、比較例6に比べて、大粒径のフロックを形成し、高撹拌下(300rpm)でも一旦形成されたフロックが壊れにくい(フロック強度が強い)こと、良好なろ布剥離性、高い脱水性(低いケーキ含水率)、COD低減効果およびろ液清澄性を高める効果を有することがわかった。
高分子凝集剤[C2、C6]、比較例として水溶性重合体[B2]および高分子凝集剤[C8]をそれぞれイオン交換水にとかして固形分含量が0.2%の水溶液とした。M食品工場から採取した余剰汚泥[pH7.2、TS1.5%、有機分55%]を200部ずつ4個の別々のビーカーに採り、それぞれの水溶液30部を前記<フロック粒径>測定法に記載した装置および添加、混合方法により混合処理して、前記の方法によりフロック粒径、ろ液量、ろ布剥離性、ケーキ含水率、CODおよびろ液清澄度を測定した〔この時の[C2]、[C6]、[B2]および[C8]の固形分添加量は2.0%/TS〕。試験結果を表6に示す。
表6の結果から、実施例8は、比較例7〜8に比べて、大粒径のフロックを形成し、高撹拌下(300rpm)でも一旦形成されたフロックが壊れにくい(フロック強度が強い)こと、良好なろ布剥離性、高い脱水性(低いケーキ含水率)、COD低減効果およびろ液清澄性を高める効果を有することがわかった。
Claims (8)
- 一般式(1)で表されるモノマー(a)を必須構成単位とする(共)重合体(A1)と、(A1)の存在下、一般式(2)で表されるモノマー(b1)を必須とするモノマー(b)を重合してなる、(A1)以外の水溶性重合体(B1)からなることを特徴とする高分子凝集剤。
(CH2=CR1−CH2)2N+R2R3・Z- (1)
CH2=CR4−CO−X−Q−N+R5R6R7・Z- (2)
[式中、R1はHまたはメチル基;R2は独立にH、(メタ)アリル基、炭素数1〜16のアルキル基または炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基;R3はH;R4はHまたはメチル基;R5、R6、R7はそれぞれ独立にH、炭素数1〜16のアルキル基またはアラルキル基;XはOまたはNH;Qは炭素数1〜4のアルキレン基または炭素数2〜4のヒドロキシアルキレン基;Z-は対アニオンを表す。] - 一般式(1)で表されるモノマー(a)および二酸化硫黄を必須構成単位とする共重合体(A2)と、一般式(2)で表されるモノマー(b1)を必須構成単位とするその他の水溶性重合体(B2)を組み合わせてなり、(B2)の製造前に(A2)を添加してなることを特徴とする高分子凝集剤。
(CH2=CR1−CH2)2N+R2R3・Z- (1)
CH2=CR4−CO−X−Q−N+R5R6R7・Z- (2)
[式中、R1はHまたはメチル基;R2は独立にH、(メタ)アリル基、炭素数1〜16のアルキル基または炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基;R3はH;R4はHまたはメチル基;R5、R6、R7はそれぞれ独立にH、炭素数1〜16のアルキル基またはアラルキル基;XはOまたはNH;Qは炭素数1〜4のアルキレン基または炭素数2〜4のヒドロキシアルキレン基;Z-は対アニオンを表す。] - (A2)を構成する全モノマーの合計量に基づく二酸化硫黄の割合が0.1〜50モル%である請求項2記載の高分子凝集剤。
- (A1)または(A2)を構成する全モノマーの合計量に基づく(a)の割合が50〜99.9モル%である請求項1〜3のいずれか記載の高分子凝集剤。
- R1およびR2がH、ZがClである請求項1〜4のいずれか記載の高分子凝集剤。
- (A1)または(A2)中の、(a)からなる構成単位のうち、5員環もしくは6員環構造を有する構成単位の割合が90モル%以上である請求項1〜5のいずれか記載の高分子凝集剤。
- (A1)と(B1)の合計重量に基づく(A1)の割合、または(A2)と(B2)の合計重量に基づく(A2)の割合が0.5〜70%である請求項1〜6のいずれか記載の高分子凝集剤。
- 高分子凝集剤を汚泥または廃水に添加、混合してフロックを形成させ、固液分離を行う工程からなる汚泥または廃水の処理方法において、請求項1〜7のいずれか記載の高分子凝集剤を用いることを特徴とする汚泥または廃水の処理方法。
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