JP4382533B2 - 高分子凝集剤 - Google Patents
高分子凝集剤 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4382533B2 JP4382533B2 JP2004064874A JP2004064874A JP4382533B2 JP 4382533 B2 JP4382533 B2 JP 4382533B2 JP 2004064874 A JP2004064874 A JP 2004064874A JP 2004064874 A JP2004064874 A JP 2004064874A JP 4382533 B2 JP4382533 B2 JP 4382533B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- acid
- less
- polymerization
- parts
- polymer flocculant
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Treatment Of Sludge (AREA)
- Graft Or Block Polymers (AREA)
- Separation Of Suspended Particles By Flocculating Agents (AREA)
Description
また廃水等の無機性の汚泥又は廃水の脱水に対しては、ポリアクリルアミド等のノニオン性高分子凝集剤、アクリルアミド−アクリル酸ナトリウムコポリマー等のアニオン性高分子凝集剤が広く使用されている。
これらの高分子凝集剤の製造方法としては、水溶液重合法、薄膜重合法、逆相懸濁重合法、沈殿重合法及び乳化重合法等が知られている。
これらの高分子凝集剤の中で、近年、特に有機性汚泥の脱水に関して、発生する汚泥量の増加から脱水処理速度のアップのニーズが高まってきており、より強いフロック強度を形成する高分子凝集剤が望まれている。また、脱水ケーキを焼却処分する際の焼却処分費用の高騰、脱水ケーキをそのまま埋め立て処分する際の埋め立て地の逼迫した状況から、脱水ケーキ中含水率の低減を実現することができる高分子凝集剤が望まれている。
最近では、これらの高性能化を目的とした高分子凝集剤として、例えば、油中水型乳化重合において、重合時に過酸化水素あるいは過酸化水素を発生する物質を添加して製造したもの(例えば、特許文献1参照)、重合時又は重合後にポリマー中のカルボン酸基と化学結合する架橋剤を加え反応させることで部分架橋を形成させた両性高分子凝集剤(例えば、特許文献2参照)、重合時にアゾ基を有するポリアルキレンオキサイド化合物又は光開裂基を有するポリアルキレンオキサイド化合物を添加して製造したもの(例えば、特許文献3参照)、重合時にニトロキシラジカルを添加して製造したもの(例えば、特許文献4参照)、重合時にアミノ基を有するカチオン性単位と2つのカルボキシル基を有するアニオン性単位を有する両性高分子化合物を添加して製造したもの(例えば、特許文献5参照)等が提案されている。
本発明の課題は、上記問題点を解決することである。すなわち、フロックを粗大化でき、強いフロック強度を示し、かつ脱水ケーキ中の含水率が低い高分子凝集剤を提供することである。
すなわち、本発明は、
下記一般式(5)で表される尿素、グアニジン及びそれらの誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種(a)と、アクリルアミドを49モル%以下含有する水溶性不飽和モノマー(b)の(共)重合物、および/または(a)の存在下で(b)を(共)重合させてなり、(b)の重量に基づく(a)の使用量が7%以上、50%以下である(共)重合物からなることを特徴とする高分子凝集剤(A)
;該高分子凝集剤を下水汚泥又は廃水に添加してフロックを形成させた後、固液分離を行うことを特徴とする下水汚泥又は廃水の処理方法;並びに、該高分子凝集剤からなる製紙用薬剤または原油増産用添加剤である。
(a1−1)上記一般式(1)で表されるカルボン酸アミド、及びその誘導体
ホルムアミド、カルボン酸[炭素数(以下Cと略記)1〜20]アミド(アセトアミド、プロピオンアミド、酪酸アミド、吉草酸アミド等)、アリール(C6〜20)アミド(ベンズアミド等)、N−アルキル(C1〜20)カルボン酸(C1〜20)アミド(N−メチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N−エチルアセトアミド、N−エチルプロピオンアミド等)、及びこれらのアセチル、プロピオニルおよびベンジル化物;N,N−ジアルキル(C1〜20)カルボン酸(C1〜20)アミド(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルプロピオンアミド、N,N−ジエチルアセトアミドおよびN,N−ジエチルプロピオンアミド);N(,N)−(ジ)メチロールカルボン酸(C1〜20)アミド(N−メチロールホルムアミド、N−メチロールアセトアミド、N−メチロールプロピオンアミド等);N−アルコキシ(C1〜20)アルキル(C1〜20)カルボン酸(C1〜20)アミド(N−メトキシメチルホルムアミド、N−エトキシメチルホルムアミド、N−メトキシメチルアセトアミド、N−メトキシメチルプロピオンアミド等)等
ホルムアミジン、アルカノイル(C1〜20)アミジン(アセトアミジン、プロピオニルアミジン、ブチリルアミジン等)、N(,N)−(ジ)アルキル(C1〜20)ホルムアミジン(N−メチルホルムアミジン、N−エチルホルムアミジン、N,N−ジメチルホルムアミジン等)、N(,N)−(ジ)アルキル(C1〜20)アルカノイル(C1〜20)アミジン(N−メチルアセトアミジン、N−メチルプロピオンアミジン、N,N−ジメチルアセトアミジン等)、N,N’−ジアルキル(C1〜20)アルカノイル(C1〜20)アミジン(N,N’−ジメチルアセトアミジン、N,N’−ジメチルプロピオンアミジン等)、N,N,N’−トリアルキル(C1〜20)アルカノイル(C1〜20)アミジン(N,N,N’−トリメチルアセトアミジン、N,N,N’−トリメチルプロピオンアミジン等)、及びこれらの塩[無機酸(塩酸、塩素酸、過塩素酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、亜硫酸、リン酸、硝酸、炭酸、スルファミン酸等)塩および有機酸(C1〜20、例えば蟻酸、酢酸、プロピオン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等)塩]等。
ジアセトアミド、マロン酸ジアミド、N−メチルマロン酸ジアミド、N,N’−ジメチルマロン酸ジアミド、コハク酸ジアミド、N−メチルコハク酸ジアミド、N,N’−ジメチルコハク酸ジアミド、グルタル酸ジアミド、N−メチルグルタル酸ジアミド、N,N’−ジメチルグルタル酸ジアミド等のジアミド及びこれらのアセチル、プロピオニルおよびベンジル化物等。
β−プロピオラクタム、ε−カプロラクタム、N−メチル−β−プロピオラクタム、N−メチル−ε−カプロラクタム、2−ピロリドン、2−ピペリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチル−2−ピペリドン等。
コハク酸イミド、N−メチルコハク酸イミド、グルタル酸イミド、N−メチルグルタル酸イミド、フタルイミド、N−メチルフタルイミド等。
(a2−1)一般式(5)で表される尿素及びその誘導体
尿素、チオ尿素、N−アルキル(C1〜20)(チオ)尿素[N−メチル(チオ)尿素、N−エチル(チオ)尿素等]、N,N(,N’)−(ポリ)(2〜3)アルキル(C1〜20)(チオ)尿素[N,N−ジメチル(チオ)尿素、N,N’−ジメチル(チオ)尿素、N,N’−ジプロピル(チオ)尿素、トリメチル(チオ)尿素、N,N’−エチレン(チオ)尿素等]、N,N,N’,N’−テトラアルキル(C1〜20)(チオ)尿素[N,N,N’,N’−テトラメチル(チオ)尿素等]、N,N,N’−[ポリ(2〜3)]アリール(C6〜20)(チオ)尿素[N,N’−ジフェニル(チオ)尿素等]、及びこれらのアセチル、プロピオニルおよびベンジル化物;N,N,N’,N’−テトラアリール(C6〜20)(チオ)尿素[N,N,N’,N’−テトラフェニル(チオ)尿素等];N(,N’)−(ジ)−メチロール(チオ)尿素、N(,N’)−(ジ)−アルコキシ(C1〜20)メチル(チオ)尿素[N−メトキシメチル(チオ)尿素、N,N’−ジメトキシメチル(チオ)尿素等];(チオ)アロファン酸およびその誘導体[(チオ)アロファン酸及びこれらのアルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウム等、以下同じ。)塩、アルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウム等、以下同じ。)塩、(チオ)アロファン酸メチル、(チオ)アロファン酸エチル等]、(チオ)ヒダントイン酸およびその誘導体[(チオ)ヒダントイン、(チオ)ヒダントイン酸及びこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、(チオ)ヒンダトイン酸メチル、(チオ)ヒンダトイン酸エチル等]、ビウレットおよびその誘導体(ビウレット、N−メチルビウレット、N,N’−ジメチルビウレット、N−ベンゾイルビウレット等)等。
グアニジン、アルキル(C1〜20)グアニジン(例えば1−N−メチルグアニジン、2−N−メチルグアニジン、1−N−エチルグアニジン、2−N−エチルグアニジン等)、ポリ(2〜5)アルキル(C1〜20)グアニジン(例えば1,2−N−ジメチルグアニジン、1,3−N−ジメチルグアニジン、1,1,3,3,−N−テトラメチルグアニジン等)、ビグアニド、ビグアニド誘導体(例えば、N−メチルビグアニド、N−ベンゾイルビグアニド、シアノビグアニド等)、及びこれらのアセチル、プロピオニルおよびベンジル化物;グアニルアルキル(C1〜20)ウレタン(例えば、グアニルメチルウレタン、グアニルエチルウレタン等);グアニル−O−アルキル(C1〜20)イソ尿素(例えば、グアニル−O−メチルイソ尿素、グアニル−O−エチルイソ尿素等);カルバモイルグアニル−O−アルキル(C1〜20)イソ尿素(例えば、カルバモイルグアニル−O−メチルイソ尿素、カルバモイルグアニル−O−エチルイソ尿素等}等;その他のグアニジン誘導体[例えばジシアンジアミド、ジシアノグアニジン、グアニル(チオ)尿素、シアノグアニル(チオ)尿素、グアノリン、アミノグアニジン等]等;及びこれらの無機酸(上記)及び有機酸(上記)塩;グリコシアミン、アラノシアミン、およびこれらのアセチル、プロピオニルおよびベンジル化物、並びにこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等。
グリコールウリルおよびその誘導体[グリコールウリル、N1(,N2)(,N3)(,N4)−(ポリ)メチルグリコールウリル等];シアヌル酸およびその誘導体[シアヌル酸メチルエステル、シアヌル酸エチルエステル等];環状アミジン誘導体[グリコシアミジン、N(,N’)−(ジ)メチルグリコシアミジン等];グアナジンおよびその誘導体(グアナジン、グアナゾール等);グアニン等。
メラミン、グアナミン、アンメリン、アンメリドおよびベンゾグアナミン、及びこれらのアセチル、プロピオニルおよびベンジル化物等、並びにこれらの無機酸(上記)および有機酸(上記)塩等。
数平均分子量(以下Mnと略記)500〜100,000の、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、グアニジン−ホルムアルデヒド樹脂、ジシアンジアミド−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂およびグアナミン−ホルムアルデヒド樹脂等。
上記モノマーおよび/またはポリマーと(a)との作用機構は不明であるが、恐らく(a)がモノマーおよび/またはポリマーと水素結合、疎水結合、静電引力などの相互作用をすることにより、本発明の高分子凝集剤の高次構造が従来の高分子凝集剤と異なっているものと推測する。
上記(2)の方法の場合の(a)の使用量(重量%)は、凝集性能の観点から、ポリマー重量に対して、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.1以上、特に好ましくは1以上、最も好ましくは4以上であり、好ましくは50以下、より好ましくは40以下、特に好ましくは30以下、最も好ましくは20以下である。
(b1) ノニオン性モノマー
下記のもの、及びこれらの混合物
(b1−1) (メタ)アクリレート[C5〜250、例えばヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(重合度3〜50)モノ(メタ)アクリレート、ポリグリセロール(重合度1〜10)モノ(メタ)アクリレート、2−シアノエチル(メタ)アクリレート等]
(b1−2) (メタ)アクリルアミド、及びその誘導体[C3〜30、例えばN−メチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等]
(b1−3) (b1−1)および(b1−2)以外の窒素原子含有ビニルモノマー[C3〜12、例えば(メタ)アクリロニトリル、N−ビニルホルムアミド、N−ビニル−2−ピロリドン、ビニルイミダゾール、N−ビニルスクシンイミド、N−ビニルカルバゾール等]等。
下記のもの、これらの塩(塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、メチルクロライド塩、ジメチル硫酸塩及びベンジルクロライド塩等)、及びこれらの混合物
(b2−1) 窒素原子含有(メタ)アクリレート誘導体[C6〜30、例えばN,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N−モルホリノエチル(メタ)アクリレート等]
(b2−2) (メタ)アクリルアミド誘導体[C6〜20、例えばN,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド等]
(b2−3) アミノ基を有するビニル化合物[C2〜12、例えばビニルアミン、ビニルアニリン、(メタ)アリルアミン、p−アミノスチレン等]等
(b2−4) アミンイミド基を有する化合物[C7〜20、例えば1,1,1−トリメチルアミン(メタ)アクリルイミド、1,1−ジメチル−1−エチルアミン(メタ)アクリルイミド、1,1−ジメチル−1−(2’−フェニル−2’−ヒドロキシエチル)アミン(メタ)アクリルイミド、1,1,1−トリメチルアミン(メタ)アクリルイミド等]等。
(b2−5) 上記以外の窒素原子含有ビニルモノマー[C7〜20、例えば2−ビニルピリジン、3−ビニルピペリジン、ビニルピラジン、ビニルモルホリン等]等。
下記の酸、これらの塩[アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩及びアミン[C1〜20の1級、2級および3級アミン(メチルアミン、エチルアミン、ジプロピルアミン、トリエチルアミン等)およびC2〜12のアルカノールアミン(エタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン等)]、及びこれらの混合物
(b3−1) 不飽和カルボン酸[C3〜12、例えば(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、ビニル安息香酸、アリル酢酸等]
(b3−2) 不飽和スルホン酸〔C2〜20の脂肪族不飽和スルホン酸(ビニルスルホン酸等)、C6〜20の芳香族不飽和スルホン酸(スチレンスルホン酸等)、スルホン酸基含有(メタ)アクリレート[C5〜24、例えば2−(メタ)アクリロイルオキシエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロパンスルホン酸、3−(メタ)アクリロイルオキシプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシブタンスルホン酸、4−(メタ)アクリロイルオキシブタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2−ジメチルエタンスルホン酸、p−(メタ)アクリロイルオキシメチルベンゼンスルホン酸等]、スルホン酸基含有(メタ)アクリルアミド[C4〜20、例えば2−(メタ)アクリロイルアミノエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルアミノプロパンスルホン酸、3−(メタ)アクリロイルアミノプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルアミノブタンスルホン酸、4−(メタ)アクリロイルアミノブタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2−ジメチルエタンスルホン酸、p−(メタ)アクリロイルアミノメチルベンゼンスルホン酸等]、アルキル(C1〜20)(メタ)アリルスルホコハク酸エステル[C5〜20、例えばメチル(メタ)アリルスルホコハク酸エステル等]等〕
(b3−3) (メタ)アクリロイルポリオキシアルキレン(C1〜6)硫酸エステル[C5〜60、例えば(メタ)アクリロイルポリオキシエチレン(重合度2〜50)硫酸エステル等]等。
下記の(x1)〜(x5)、及びこれらの混合物
(x1) C4〜23の(メタ)アクリレート〔C1〜20の脂肪族及び脂環式アルコールの(メタ)アクリレート[メチル、エチル、ブチル、ラウリル、オクタデシルおよびシクロヘキシル(メタ)アクリレート等]、C4〜20のエポキシ基含有(メタ)アクリレート[グリシジル(メタ)アクリレート等]等〕
(x4) 不飽和アルコール[C2〜20、例えばビニルアルコール、(メタ)アリルアルコール]のカルボン酸(C2〜20、例えば酢酸、プロピオン酸)エステル(例えば酢酸ビニル)
(x5) ハロゲン含有化合物(例えば塩化ビニル)等。
なお、上記pHの測定方法としては、重合するモノマー溶液の原液を20℃でそのまま測定すればよい。
重合方法としては、公知の水溶液重合、逆相懸濁重合、光重合、沈澱重合、逆相乳化重合などのラジカル重合法が採用できる。これらのうち工業的観点から水溶液重合、逆相懸濁重合、逆相乳化重合がより好ましい。
逆相懸濁重合についても公知の方法が使用でき、例えば、水溶性ビニルモノマーの水溶液を油溶性高分子物質を分散安定剤として、油中水型に分散して重合させる方法(特開昭56−53111号公報等)等が挙げられる。
油溶性高分子物質としては、セルロースエーテル(エチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース等)、ショ糖脂肪酸エステル(ショ糖ジステアレート、ショ糖トリステアレート等)、ソルビタン脂肪酸エステル(ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレート等)、ポリグリセリン脂肪酸エステル(モノステアリン酸グリセリン等)、アルケンとα,β−不飽和多価カルボン酸(無水物)との共重合体またはその誘導体[C20以上40以下の1−オレフィンと(無水)マレイン酸の共重合体等]等が挙げられる。これらの使用量(重量%)は、使用する有機溶媒の重量に対して、通常0.1以上、好ましくは0.2以上、より好ましくは0.5以上であり、通常10以下、好ましくは5以下、より好ましくは3以下である。
また、使用する有機溶媒としては、脂肪族炭化水素(C6〜12、例えばヘプタンおよびシクロヘキサン)、芳香族炭化水素(C6〜20、例えばベンゼン、トルエンおよびキシレン)等が挙げられる。
使用する分散媒としては、例えば炭化水素[パラフィン(n−およびi−パラフィン等)、鉱油(灯油、軽油、中油等)、炭化水素系合成油等}、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
これらの界面活性剤の添加量(重量%)は、分散媒の全量に対して、通常0.05以上、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.12以上であり、通常1以下、好ましくは0.5以下、より好ましくは0.25以下である。
また油中水型エマルションを水に希釈して使用する際に、水に投入して素早く転相するように、予め油中水型エマルションに転相剤を添加してもよい。転相剤としては、親水性の高い界面活性剤[例えば、HLB(Hydrophile-Lipophile Balanceを略記したグリフィンのHLBを意味し、親水性と親油性とのつり合いを表す。)9〜20]が使用でき、特許第2676483号公報、特開平9−208802号公報等に記載のカチオン性界面活性剤及び/又はノニオン性界面活性剤等が挙げられる。
上記の過酸化物は還元剤と組み合わせてレドックス開始剤として用いてもよく、還元剤の例としては重亜硫酸塩(重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸カリウム、重亜硫酸アンモニウム等)、還元性金属塩[硫酸鉄(II)等]、3級アミン[ジメチルアミノ安息香酸(塩)、ジメチルアミノエタノール等]、遷移金属塩のアミン錯体[塩化コバルト(III)のペンタメチレンヘキサミン錯体、塩化銅(II)のジエチレントリアミン錯体等]、有機性還元剤(アスコルビン酸等)等が挙げられる。また、アゾ開始剤、過酸化物開始剤及びレドックス開始剤はそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
これらのうちで分子量制御の観点から、好ましくは分子内に1つ又は2つ以上のチオール基を有する化合物である。
(1)1価チオール
脂肪族チオール[C1〜20、例えばメタンチオール、エタンチオール、プロパンチオール、n−オクタンチオール、n−ドデカンチオール、ヘキサデカンチオール、n−オクタデカンチオール、2−メルカプトエタノール、メルカプト酢酸、3−メルカプトプロピオン酸、1−チオグリセロール、チオグリコール酸モノエタノールアミン)、1−チオグリセロール、チオグリコール酸モノエタノールアミン、チオマレイン酸、システインおよび2−メルカプトエチルアミン]、脂環式チオール(C5〜20、例えばシクロペンタンチオールおよびシクロヘキサンチオール)および芳香(脂肪)族チオール(C6〜12、例えばベンゼンチオールおよびベンジルメルカプタンおよびチオサリチル酸)が挙げられる。
ジチオール[脂肪族(C2〜40)ジチオール(例えばエタンジチオール、ジエチレンジチオール、トリエチレンジチオール、プロパンジチオール、1,3−および1,4−ブタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、ネオペンタンジチオール等)、脂環式(C5〜20)ジチオール(例えばシクロペンタンジチオールおよびシクロヘキサンジチオール)および芳香族(C6〜16)ジチオール(例えばベンゼンジチオール、ビフェニルジチオール)が挙げられる。
ここでモノマー水溶液重量とは、モノマー{(b)及び必要により(x)}、(a)、水、開始剤、必要により連鎖移動剤、その他の添加剤(後述)の全重量を指す。
逆相乳化重合の際の分散媒の使用量(重量%)は、エマルションの安定性の観点からモノマー水溶液の全重量に基づいて、好ましくは20以上、さらに好ましくは30以上、特に好ましくは40以上であり、好ましくは80以下、さらに好ましくは70以下、特に好ましくは60以下である。
上記のモノマー濃度、重合温度、重合時間は、モノマー組成、重合法、開始剤種類等によって適宜調整することができる。
上記の下水汚泥等の凝集処理用高分子凝集剤としては、該下水汚泥中の懸濁粒子の大きさが比較的大きく、また水中における懸濁粒子表面がマイナスに帯電していることから、カチオン性高分子凝集剤又は両性高分子凝集剤、及びこれらの混合物が好ましい。
ここでカチオン性高分子凝集剤とは、分子内にカチオン性基を有する高分子凝集剤、すなわち水に溶解した際にカチオン性を示す高分子凝集剤であり、また両性高分子凝集剤とは、分子内にカチオン性基及びアニオン性基を有する高分子凝集剤、すなわち水に溶解した際にカチオン性及びアニオン性を示す高分子凝集剤である。これらの高分子凝集剤の水中におけるカチオン性又はアニオン性の評価方法については、コロイド当量値(meq/g)として求めることができる。すなわち、カチオン性凝集剤中のカチオン性基当量値はカチオンコロイド当量値として求めることができ、両性凝集剤中のカチオン性基当量値及びアニオン性基当量値は、それぞれカチオンコロイド当量値、アニオンコロイド当量値として求めることができる。
また、本発明の両性高分子凝集剤中のカチオンコロイド当量値は、上記と同様の観点から、0.1以上が好ましく、より好ましくは0.5以上、さらに好ましくは1.0以上、特に好ましくは1.5以上、最も好ましくは2.0以上であり、7.0以下が好ましく、より好ましくは6.0以下、さらに好ましくは5.5以下、特に好ましくは5.2以下、最も好ましくは5.0以下である。
またアニオンコロイド当量値は−13.0以上が好ましく、より好ましくは−10.0以上、さらに好ましくは−8.0以上、特に好ましくは−5.0以上、最も好ましくは−3.0以上であり、−0.05以下が好ましく、より好ましくは−0.1以下、さらに好ましくは−0.3以下、特に好ましくは−0.5以下、最も好ましくは−1.0以下である。
(1)測定試料(50ppm水溶液)の調製
試料0.2g(固形分含量換算したもの)を精秤し、200mlのガラス製三角フラスコにとり、全体の重量(試料とイオン交換水の合計重量)が100gとなるようにイオン交換水を加えた後、マグネチックスターラー(1,000rpm)で、3時間撹拌して完全に溶解し、0.2重量%の高分子凝集剤溶液を調製する。さらに500mlのガラス製ビーカーに上記で調整した溶液を10mlのホールピペットを用いてこの溶液10mlをとり、全体の重量(溶液10mlとイオン交換水の合計重量)が400gとなるようにイオン交換水を加え、再度マグネチックスターラー(1,000〜1,200rpm)で、30分間撹拌して、均一な測定試料とする。
なお、高分子凝集剤の固形分含量は、試料約1.0gをシャーレに秤量(W1)して、循風乾燥機中で105±5℃で90分間乾燥させた後の残存重量を(W2)として、次式から算出した値である。
固形分含量(重量%)=(W2)×100/(W1)
測定試料100gを200mlのガラス製コニカルビーカーにとり、撹拌しながら徐々に0.5重量%硫酸水溶液を加え、pH3に調整する。次にトルイジンブルー指示薬(TB指示薬)を2〜3滴加え、N/400ポリビニル硫酸カリウム(N/400PVSK)試薬で滴定する。滴定速度は2ml/分とし、測定試料が青から赤紫色に変色し、30秒間保持する時点を終点とする。
(3)アニオンコロイド当量値の測定
測定試料100gを200mlのガラス製コニカルビーカーにとり、マグネチックスターラー(500rpm)で撹拌しながら、N/10水酸化ナトリウム水溶液0.5mlを加え、さらにN/200メチルグリコールキトサン水溶液5mlを5mlのホールピペットを用いて加えた後、5分間撹拌する(その時のpH約10.5)。TB指示薬を2〜3滴加え、(2)と同様にして滴定する。
(4)空試験
測定試料の代わりにイオン交換水100gを用いる以外(2)及び(3)と同様の操作を行う。
(5)計算方法
カチオンまたはアニオンコロイド当量値(meq/g)
=(1/2)×(試料の滴定量−空試験の滴定量)×(N/400PVSKの力価)
下水汚泥又は廃水に添加する場合の(A)の添加量(重量%)は、該下水汚泥又は廃水の種類、懸濁している粒子の含有量、(A)の分子量等によって異なるが、特に限定なく使用でき、下水汚泥又は廃水中の蒸発残留物重量(以下、TSと略記)に対して、通常0.01以上10以下、凝集性能の観点から好ましくは0.1以上、より好ましくは0.5以上、特に好ましくは1以上であり、好ましくは5以下、より好ましくは3以下、特に好ましくは2以下である。
溶解方法、溶解後の希釈方法については特に限定はないが、例えば予め量りとった水に、ジャーテスターなどの撹拌装置を用いて撹拌しながら所定量の高分子凝集剤をゆっくりと加え、数時間(約2〜4時間程度)撹拌して溶解する方法などが採用できる。特に粉末状の高分子凝集剤を水に溶解する際、高分子凝集剤を一度に加えるとままこを生じ、高分子凝集剤が完全に水に溶解しにくくなるため好ましくない。
無機凝結剤及び/又は有機凝結剤の使用量(重量%)は、該下水汚泥又は廃水の種類、懸濁している粒子の大きさ、用いる凝結剤の種類等によって異なるが、特に限定はなく、下水汚泥又は廃水中のTSに対して、無機凝結剤では通常20以下、懸濁液の荷電中和の観点から好ましくは0.5以上、より好ましくは1以上、特に好ましくは3以上、脱水ケーキ焼却後の灰分量の観点から好ましくは10以下、より好ましくは8以下、特に好ましくは5以下であり、有機凝結剤では通常1以下、懸濁液の荷電中和の観点から好ましくは0.01以上、より好ましくは0.025以上、特に好ましくは0.05以上、処理費用の観点から好ましくは0.5以下、より好ましくは0.2以下、特に好ましくは0.15以下である。
固有粘度[η](dl/g)は1N−NaNO3水溶液中、30℃で測定した値である。高分子凝集剤のコロイド当量値及び固形分含量は、上述の方法によって測定した。
なお、汚泥中のTS、有機分(強熱減量)は、下水道試験方法(日本下水道協会、1984年度版)記載の分析方法に準じて行った。
撹拌機を備えたコルベンにアクリルアミド50%水溶液65部、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレートのメチルクロライド塩の80%水溶液74部、尿素23部を加えた後、さらに系内のモノマーの合計%が30%となるようにイオン交換水を加え(この場合イオン交換水144部)、槽内が均一の溶液になるまで撹拌した。さらに撹拌を続けながら、硫酸を用いてモノマー水溶液のpH(20℃)を5.0に調整した。次に、40℃の恒温槽中で溶液の温度を40℃に調整し、系内を窒素(純度99.999%以上)で充分に置換した(気相酸素濃度10ppm以下)。次いで開始剤として2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジハイドロクロライドの10%水溶液0.46部を撹拌しながら加えた。約1分後に重合が開始し発熱が認められたが外部から冷却して内容物温度40〜50℃で10時間重合を行った。その後外部から加温して、70℃で1時間熟成し重合を完結した。なお重合中、内容物が高粘度となり撹拌が困難となったため、撹拌は途中で停止した。重合完結後、内容物を取り出し、これにアセトン2,000部を加えてミキサーで30分間撹拌して沈殿物を得た。この沈殿物を減圧ろ過(JIS規検2種のろ紙を使用)により取り出した後、沈殿物を減圧乾燥機中(減圧度10mmHg、40℃×2時間)で溶媒を留去し、粉末状の高分子凝集剤(1)119部を得た(収率98%、固形分含量95%)。
アクリルアミド50%水溶液65部の代わりに42部、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレートのメチルクロライド塩の80%水溶液74部の代わりに88部を用いた以外は参考例1と同様にして、粉末状の高分子凝集剤(2)119部を得た(収率98%、固形分含量95%)。
アクリルアミド50%水溶液65部の代わりに34部、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレートのメチルクロライド塩の80%水溶液74部の代わりにN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートのメチルクロライド塩の80%水溶液94部、尿素23部の代わりにグアニジン炭酸塩7部を用いた以外は参考例1と同様にして、粉末状の高分子凝集
剤(3)104部を得た(収率98%、固形分含量93%)。
アクリルアミド50%水溶液65部とN,N−ジメチルアミノエチルアクリレートのメチルクロライド塩の80%水溶液74部の代わりにN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートのメチルクロライド塩の80%水溶液115部、尿素23部の代わりにジシアンジアミド9部を用いた以外は参考例1と同様にして、粉末状の高分子凝集剤(4)104部を得た(収率96%、固形分含量93%)。
アクリルアミド50%水溶液65部の代わりに33部、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレートのメチルクロライド塩の80%水溶液74部の代わりに33部、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートのメチルクロライド塩の80%水溶液52部、アクリル酸7部、尿素23部の代わりにグアニル尿素リン酸塩14部を用い、硫酸を用いてモノマー水溶液のpH(20℃)を3.0に調整した以外は参考例1と同様にして、粉末状の高分子凝集剤(5)112部を得た(収率97%、固形分含量92%)。
尿素を用いない以外は参考例1と同様にして、粉末状の高分子凝集剤(比1)95部を得た(収率97%、固形分含量94%)。
尿素を用いない以外は実施例1と同様にして、粉末状の高分子凝集剤(比2)95部を得た(収率97%、固形分含量94%)。
グアニジン炭酸塩を用いない以外は実施例2と同様にして、粉末状の高分子凝集剤(比3)95部を得た(収率97%、固形分含量94%)。
ジシアンジアミドを用いない以外は実施例3と同様にして、粉末状の高分子凝集剤(比4)95部を得た(収率96%、固形分含量93%)。
グアニル尿素リン酸塩を用いない以外は実施例4と同様にして、粉末状の高分子凝集剤(比5)96部を得た(収率97%、固形分含量93%)。
アクリルアミド50%水溶液65部、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレートのメチルクロライド塩の80%水溶液74部、尿素6部を加えた後、さらに系内のモノマーの合計%が60%となる様にイオン交換水(この場合イオン交換水8部)を加えて、室温(20〜25℃)で混合液を調製した。撹拌しながら硫酸を用いてモノマー水溶液のpH(20℃)を5.0に調整した。得られた混合液を十分に窒素(純度99.999%以上)で置換(気相酸素濃度10ppm以下)した後、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジハイドロクロライドの10%水溶液0.46重量部を加えて均一溶液とし、モノマー水溶液を調製した。
別に還流脱水配管、滴下漏斗、窒素導入管及び撹拌翼(マックスブレンド翼)を備えた反応槽にシクロヘキサン230部を仕込んだ後、これにアルケン(C30以上)と無水マレイン酸共重合体(三菱化学(株)製、商品名「ダイヤカルナ30」)7部を加えて、撹拌翼を300rpmの回転数にて攪拌しながら、反応槽内を窒素置換(気相酸素濃度10
ppm以下)した後、55℃まで昇温した。55℃に到達後、反応槽内を減圧(60kPa)にし、予め滴下漏斗内に仕込んだ前述のモノマー水溶液を反応槽中に120分間かけて全量投入し、投入完了後60分間55℃で攪拌を継続し重合させた。
重合後の樹脂のスラリーを、減圧濾過機に供給し固液分離を行った後、減圧乾燥機中(減圧度10mmHg、40℃×2時間)で乾燥し、真球状の高分子凝集剤(6)102部を得た(収率98%、固形分含量94%)。
アクリルアミド50%水溶液65部の代わりに42部、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレートのメチルクロライド塩の80%水溶液74部の代わりに88部を用いた以外は参考例2と同様にして、真球状の高分子凝集剤(7)102部を得た(収率98%、固形分含量94%)。
アクリルアミド50%水溶液65部の代わりに34部、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレートのメチルクロライド塩の80%水溶液74部の代わりにN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートのメチルクロライド塩の80%水溶液94部、尿素6部の代わりにグアニル尿素リン酸塩3部を用いた以外は参考例2と同様にして、真球状の高分子凝集剤(8)98部を得た(収率98%、固形分含量95%)。
アクリルアミド50%水溶液65部とN,N−ジメチルアミノエチルアクリレートのメチルクロライド塩の80%水溶液74部の代わりにN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートのメチルクロライド塩の80%水溶液115部、尿素6部の代わりにスルファミン酸グアニジン2部を用いた以外は参考例2と同様にして、真球状の高分子凝集剤(9)97部を得た(収率97%、固形分含量94%)。
アクリルアミド50%水溶液65部の代わりに33部、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレートのメチルクロライド塩の80%水溶液74部の代わりに33部、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートのメチルクロライド塩の80%水溶液52部、アクリル酸7部、尿素6部の代わりに11部を用い、硫酸を用いてモノマー水溶液のpH(20℃)を3.0に調整した以外は参考例2と同様にして、真球状の高分子凝集剤(10)107部を得た(収率98%、固形分含量94%)。
尿素を用いない以外は参考例2と同様にして、真球状の高分子凝集剤(比6)95部を得た(収率97%、固形分含量94%)。
尿素を用いない以外は実施例5と同様にして、真球状の高分子凝集剤(比7)95部を得た(収率97%、固形分含量94%)。
グアニル尿素リン酸塩を用いない以外は参考例3と同様にして、真球状の高分子凝集剤(比8)96部を得た(収率98%、固形分含量94%)。
スルファミン酸グアニジンを用いない以外は参考例4と同様にして、真球状の高分子凝集剤(比9)96部を得た(収率97%、固形分含量93%)。
尿素を用いない以外は実施例6と同様にして、真球状の高分子凝集剤(比10)96部を得た(収率97%、固形分含量93%)。
撹拌機、窒素導入管及び温度計を備えた反応槽にイソパラフィン(沸点190℃ないし230℃)68部、ソルビタンモノオレート6.5部を仕込み、攪拌溶解させた。次に、イオン交換水41部、アクリル酸7部をビーカーに秤取り、氷浴中で冷却しながら48%NaOH水溶液8部を温度を20℃以下で管理しながら徐々に加え中和した。中和後、アクリルアミド50%水溶液33部、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレートのメチルクロライド塩の80%水溶液33部、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートのメチルクロライド塩の80%水溶液52部、尿素9部を加え、硫酸でpH4.0に調整し、上記油相に配合し、ホモジナイザー[特殊機化工業(株)製、T.Kホモミクサー]を用い、回転数1,000rpmで15分間撹拌乳化した。得られたエマルションにイソプロピルアルコール10%水溶液0.02部を加え、恒温槽中で系内温度を26℃に保ち、窒素置換(気相酸素濃度10ppm以下)した後、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩化水素化物の10%水溶液0.17部を加え、重合開始させた。反応温度26℃で10時間重合した後、生成したエマルションに転相剤としてポリオキシエチレントリデシルエーテル5部を加え、均一に混合して、油中水型エマルション状の高分子凝集剤(11)262部を得た(収率100%、固形分含量39%)。
尿素を用いない以外は実施例7と同様にして、油中水型エマルション状の高分子凝集剤(比11)253部を得た(収率100%、固形分含量36%)。
DAAQ:N,N−ジメチルアミノエチルアクリレートのメチルクロライド塩
DAMQ:N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートのメチルクロライド塩
AAc :アクリル酸
表2に示す高分子凝集剤をそれぞれイオン交換水にとかして固形分含量が0.2%のポリマー水溶液とした。また評価する汚泥として、A下水処理場から採取した消化汚泥(pH7.5、TS2.3%、有機分62%)を用いて下記のフロック径、濾液量、濾布剥離性、ケーキ含水率の評価を行った。試験結果を表2に示す。
ジャーテスター[宮本理研工業(株)製、形式JMD−6HS−A]に板状の塩ビ製撹拌羽根(直径5cm、高さ2cm、厚さ0.2cm)2枚を十字になる様に連続して撹拌棒に取り付け、汚泥200mlを500mlのビーカーに取り、ジャーテスターにセットした。ジャーテスターの回転数を120rpmにし、ゆっくり汚泥を撹拌しながら、0.2%ポリマー水溶液20ml(この時の高分子凝集剤添加量0.87%/TS)を一度に添加し、30秒間撹拌した後、撹拌を止め凝集物の大きさを目視にて観察した(フロック径120rpm)。続いて回転数を300rpmにセットし、さらに30秒間撹拌した後、撹拌を止め凝集物の大きさを再度目視にて観察した(フロック径300rpm)。なお、フロック径は図1に示すフロック粒径図に従って判定した。
T−1189のナイロン製濾布[敷島カンバス(株)製、円形状、直径9cm]、ヌッツェ漏斗、300mlが測れるメスシリンダーをセットし、上記フロック径試験後の汚泥を一度に投入して濾過し、ストップウォッチを用いて汚泥投入直後から60秒後の濾液量を測定した。
<濾布剥離性>
濾過した汚泥の一部をスパーテルで取り出し、プレスフィルター試験機を用いて脱水試験(2kg/cm2、60秒)を行い、試験後の濾布からの脱水ケーキの剥離性を下記の評点によって評価した。
◎:非常に剥がれやすい(濾布付着物ほとんどなし)
○:剥がれやすい (僅かに濾布付着物あり)
△:多少剥がれにくい (濾布付着物あり、わずかに濾布内部まで付着)
×:剥がれにくい (濾布内部まで付着)
上記濾布剥離性試験後の脱水ケーキを用いて、下水道試験方法(日本下水道協会、1984年度版)記載の分析方法に準じてケーキ含水率を測定した。
表3に示す高分子凝集剤、B下水処理場から採取した余剰汚泥(pH6.0、TS2.0%、有機分83%)、0.2%ポリマー水溶液35ml(この時の高分子凝集剤添加量1.75%/TS)を用いて、前記と同様にして試験した。試験結果を表3に示す。
表3の結果から、表2の結果と同様、余剰汚泥に対しても、実施例では、比較例に比べて、粗大粒子を形成し、高撹拌下(300rpm)でも一旦形成したフロックが壊れにくい(フロック強度が強い)こと、良好な濾布剥離性、高い脱水性(低いケーキ含水率)を示すことがわかった。
表4に示す高分子凝集剤、C食品工場から採取した余剰汚泥(pH4.5、TS1.8%、有機分90%、ポリ硫酸鉄4%/TS)、0.2%ポリマー水溶液18ml(この時の高分子凝集剤添加量1.0%/TS)を用いて、前記と同様にして試験した。試験結果を表4に示す。
表4の結果から、表2及び3の結果と同様、脱水が比較的困難な高い有機分の余剰汚泥に対しても、実施例では、比較例に比べて、粗大粒子を形成し、高撹拌下(300rpm)でも一旦形成したフロックが壊れにくい(フロック強度が強い)こと、良好な濾布剥離性、高い脱水性(低いケーキ含水率)を示すことがわかった。
Claims (4)
- 下記一般式(5)で表される尿素、グアニジン及びそれらの誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種(a)と、アクリルアミドを49モル%以下含有する水溶性不飽和モノマー(b)の(共)重合物、および/または(a)の存在下で(b)を(共)重合させてなり、(b)の重量に基づく(a)の使用量が7%以上、50%以下である(共)重合物からなることを特徴とする高分子凝集剤(A)。
- 請求項1 記載の高分子凝集剤を下水汚泥又は廃水に添加してフロックを形成させた後、固液分離を行うことを特徴とする下水汚泥又は廃水の処理方法。
- 請求項1 記載の高分子凝集剤からなる製紙用薬剤または原油増産用添加剤。
- 下記一般式(5)で表される尿素、グアニジン及びそれらの誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種(a)の存在下で、かつモノマー溶液のpHを0.5以上5.5以下に保持して、アクリルアミドを49モル%以下含有する水溶性不飽和モノマー(b)を、(b)の重量に基づく(a)の使用量が7%以上、50%以下で(共)重合させることを特徴とする高分子凝集剤(A)の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004064874A JP4382533B2 (ja) | 2003-03-07 | 2004-03-08 | 高分子凝集剤 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003061119 | 2003-03-07 | ||
JP2003061295 | 2003-03-07 | ||
JP2004064874A JP4382533B2 (ja) | 2003-03-07 | 2004-03-08 | 高分子凝集剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004290969A JP2004290969A (ja) | 2004-10-21 |
JP4382533B2 true JP4382533B2 (ja) | 2009-12-16 |
Family
ID=33424760
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004064874A Expired - Fee Related JP4382533B2 (ja) | 2003-03-07 | 2004-03-08 | 高分子凝集剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4382533B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5037002B2 (ja) * | 2004-11-25 | 2012-09-26 | ダイヤニトリックス株式会社 | 高分子凝集剤を用いた汚泥の凝集脱水処理方法及び廃水の凝集沈殿処理方法 |
JP4658873B2 (ja) * | 2006-07-13 | 2011-03-23 | ハイモ株式会社 | 凝集処理剤および凝集処理剤水溶液の安定化方法 |
JP5461158B2 (ja) * | 2008-12-10 | 2014-04-02 | 三洋化成工業株式会社 | 高分子凝集剤 |
JP5733677B2 (ja) * | 2010-12-02 | 2015-06-10 | 三菱レイヨン株式会社 | 廃水処理剤 |
CN115181222B (zh) * | 2022-07-14 | 2023-12-15 | 福建菲恩新材料科技有限公司 | 一种水处理用有机高分子絮凝剂的制备方法 |
-
2004
- 2004-03-08 JP JP2004064874A patent/JP4382533B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2004290969A (ja) | 2004-10-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4616108B2 (ja) | 有機凝結剤および廃水または汚泥の処理法 | |
JP4498762B2 (ja) | 有機凝結剤および高分子凝集剤 | |
JP4021439B2 (ja) | 高分子凝集剤 | |
JP5528660B2 (ja) | 高分子凝集剤 | |
JP6516354B2 (ja) | 非イオン性界面活性剤およびイオン性ポリマーを含む組成物 | |
JP4901756B2 (ja) | 陽イオン性ポリマー分散液、前記分散液の調製方法およびその使用 | |
KR102378719B1 (ko) | 분말상 수용성 양이온성 중합체 조성물 | |
JP5032353B2 (ja) | 汚泥脱水処理用両性高分子凝集剤 | |
JP4733060B2 (ja) | 高分子凝集剤 | |
WO2002100944A1 (en) | Amphoteric water-soluble polymer dispersion and use thereof | |
JP4786569B2 (ja) | 有機凝結剤 | |
JP2012170853A (ja) | 高分子凝集剤 | |
JP4021418B2 (ja) | 有機凝結剤および高分子凝集剤 | |
JP4382533B2 (ja) | 高分子凝集剤 | |
JP4199084B2 (ja) | 両性水溶性重合体粒子、その製造方法および処理剤 | |
JP5940605B2 (ja) | 高分子凝集剤 | |
JP2007117956A (ja) | 高分子凝集剤 | |
JP2006167584A (ja) | 汚泥または廃水の処理方法 | |
JP3977794B2 (ja) | 高分子凝集剤 | |
JP2004255378A (ja) | 高分子凝集剤 | |
JP5461158B2 (ja) | 高分子凝集剤 | |
JP4106353B2 (ja) | 高分子凝集剤 | |
JP5322879B2 (ja) | 高分子凝集剤 | |
JP4786558B2 (ja) | 高分子凝集剤 | |
JP2005066596A (ja) | 有機凝結剤および高分子凝集剤 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20061121 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20061128 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070129 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20071023 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20071225 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080916 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20081117 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20090915 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20090917 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121002 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131002 Year of fee payment: 4 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |