JP5032353B2 - 汚泥脱水処理用両性高分子凝集剤 - Google Patents
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Description
本発明の目的は、併用する無機凝集剤が低添加量でも強固なフロックを形成させて汚泥の脱水処理効率を高めることができる両性高分子凝集剤を提供することにある。
(a)/[(a)+(b)]=0.35〜0.55
(b)−(c)=−2.0〜2.0
(c)=10〜25
(1)併用する無機凝集剤が低添加量であっても強固なフロックを形成する。
(2)汚泥脱水処理後のケーキ含水率を低減できる。
(3)発生するケーキ量およびケーキ焼却後の灰の発生量を低減できる。
CH2=CH(CH3)−COOCH2CH2−N+R1R2R3・Z- (1)
CH2=CH−COOCH2CH2−N+R1R2R3・Z- (2)
該アルキル基としては、C1〜16、例えばメチル、エチル、n−およびi−プロピル、n−、i−、sec−およびt−ブチル、n−、i−、sec−およびt−アミル、2−エチルヘキシル、ノニルおよびラウリル基;アリールアルキル基としては、C7〜10、例えばベンジルおよびフェニルエチル基;アルキルアリール基としては、C7〜10、例えばトルイル、エチルフェニルおよびクミル基が挙げられる。これらのうち、水溶性の観点から好ましいのはメチル、エチル、ベンジル、さらに好ましいのはメチルである。
(a)/[(a)+(b)]=0.35〜0.55
(b)−(c)=−2.0〜2.0
(c)=10〜25
該その他のビニルモノマーとしては、非イオン性ビニルモノマー〔C2以上かつ数平均分子量[以下Mnと略記。測定はゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)法による。]1,000以下、例えばメタアクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、ビニルピロリドン、(ポリ)エチレングリコール(C2以上かつMn1,000以下。以下同じ。)モノ−およびジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコール(C2以上かつMn1,000以下。以下同じ。)モノ−およびジ(メタ)アクリレート〕、アニオン性ビニルモノマー[C4〜20、例えばメタアクリル酸、(メタ)アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、イタコン酸]、カチオン性ビニルモノマー[C5〜20、例えばアミノエチル(メタ)アクリレート、アミノプロピル(メタ)アクリレート、メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、メチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アリルアミン、(メチル)ジアリルアミン、ビニルピリジン、N、N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、およびそれらの無機酸(塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等)塩、前記(A)、(B)を除く4級化物(メチルクロライド塩、ジメチル硫酸塩、ベンジルクロライド塩等)]等が挙げられる。
該その他のビニルモノマーの使用量は、本発明の両性高分子凝集剤の全構成モノマーの合計に基づいて、通常10モル%以下、好ましくは5モル%以下、さらに好ましくは2モル%以下である。
該(P)を構成するモノマーとしては特に限定されないが、先に挙げた(A)、(B)、アクリル酸、アクリルアミド等のモノマーの(共)重合体からなるカチオン性(共)重合体、アニオン性(共)重合体、および本発明の両性高分子凝集剤を構成する共重合体以外の両性共重合体等が挙げられる。
水溶液重合としては、例えばモノマーの水溶液を外部からの熱の出入りがない反応容器中に入れ、断熱重合させる方法(例えば特公昭59−40843号公報)およびモノマーの水溶液を外部から温度調整可能な容器中で定温重合させる方法(例えば特開平3−189000号公報)を用いることができる。
光増感剤としては、過酸化物(過酸化ベンゾイル等)、アゾ化合物(アゾビスイソブチロニトリル等)、カルボニル化合物(ジアセチル、ジベンジル等)、硫黄化合物(ジフェニルモノ−およびジスルフィド、ジベンゾイルモノ−およびジスルフィド等)、ハロゲン化合物(四塩化炭素等)、および金属塩(三塩化鉄等)等が挙げられる。
油溶性高分子物質としては、例えばセルロースエーテル〔数平均分子量[以下Mnと略記。測定はゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)法による。]100〜100,000、例えばエチルセルロースおよびエチルヒドロキシエチルセルロース〕、アルケンとα,β−不飽和多価カルボン酸(無水物)との共重合体またはその誘導体[Mn100〜100,000、例えばC20〜40の1−オレフィンと(無水)マレイン酸の共重合体]が挙げられる。
び(ポリ)グリセリン脂肪酸エステル(C6〜100、例えばグリセリンモノステアレート)が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤の使用量は、後述の分散媒(有機溶媒)の重量に基づいて、下限は通常0.1%、分散粒径安定化の観点から好ましくは0.2%、さらに好ましくは0.5%、上限は通常5%、反応系の低粘度化の観点から好ましくは3%、さらに好ましくは1%である。
分散媒の使用量は、分散系の安定性の観点からモノマー水溶液の全重量に基づいて、好ましい下限は25%、さらに好ましくは40%、とくに好ましくは65%、分散系の粘度の観点から好ましい上限は1,000%、さらに好ましくは400%、とくに好ましくは200%である。
使用する疎水性溶媒としては、前記逆相懸濁重合におけるものと同様のものが挙げられる。
溶媒の使用量は、エマルションの安定性の観点からモノマー水溶液の全重量に基づいて、好ましい下限は20%、さらに好ましくは30%、とくに好ましくは40%、エマルションの粘度の観点から好ましい上限は80%、さらに好ましくは70%、とくに好ましくは60%である。
上記界面活性剤としては、例えば特許第2676483号公報および特開平9−208802号公報に記載のものが使用でき、これらのうちエマルションの安定性の観点から好ましいのは、ノニオン性界面活性剤である。
また、油中水型エマルションを使用する際に、水に投入してすばやく転相して水に溶解するように、予め油中水型エマルションに転相剤を添加しておいてもよい。
転相剤としては、親水性の高い界面活性剤[例えば、HLB(Hydrophile−Lipophile Balance、親水性と親油性のつり合いを示す指標で、グリフィンのHLB理論に基づくもの)が9〜20のもの]、例えば特許第2676483号公報および特開平9−208802号公報に記載のカチオン性界面活性剤および/またはノニオン性界面活性剤が使用できる。
上記の過酸化物は還元剤と組み合わせてレドックス開始剤として用いてもよく、還元剤としては重亜硫酸塩(例えば重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸カリウム、重亜硫酸アンモニウム)、還元性金属塩[例えば硫酸鉄(II)]、3級アミン[例えばジメチルアミノ安息香酸(塩)、ジメチルアミノエタノール]、遷移金属塩のアミン錯体[例えば塩化コバルト(III)のペンタメチレンヘキサミン錯体、塩化銅(II)のジエチレントリアミン錯体]および有機性還元剤(例えばアスコルビン酸)等が挙げられる。また、アゾ開始剤、過酸化物開始剤、レドックス開始剤はそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
えばメチルアミン、ジメチルアミン、トリエチルアミンおよびプロパノールアミン)]および分子内に1つまたは2つ以上のチオール基を有する化合物(後述)が挙げられる。
これらのうちで分子量制御の観点から好ましいのは、分子内に1つまたは2つ以上のチオール基を有する化合物である。
(1)1価チオール
脂肪族チオール[C1〜20、例えばメタンチオール、エタンチオール、プロパンチオール、n−オクタンチオール、n−ドデカンチオール、ヘキサデカンチオール、n−オクタデカンチオール、2−メルカプトエタノール、メルカプト酢酸、3−メルカプトプロピオン酸、1−チオグリセロール、チオグリコール酸モノエタノールアミン)、1−チオグリセロール、チオグリコール酸モノエタノールアミン、チオマレイン酸、システインおよび2−メルカプトエチルアミン]、脂環式チオール(C5〜20、例えばシクロペンタンチオールおよびシクロヘキサンチオール)および芳香(脂肪)族チオール(C6〜12、例えばベンゼンチオールおよびベンジルメルカプタンおよびチオサリチル酸)が挙げられる。
ジチオール[脂肪族(C2〜40)ジチオール(例えばエタンジチオール、ジエチレンジチオール、トリエチレンジチオール、プロパンジチオール、1,3−および1,4−ブタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、ネオペンタンジチオール等)、脂環式(C5〜20)ジチオール(例えばシクロペンタンジチオールおよびシクロヘキサンジチオール)および芳香族(C6〜16)ジチオール(例えばベンゼンジチオール、ビフェニルジチオール)が挙げられる。
また、重合中は所定重合温度を一定(例えば所定重合温度±5℃)に保つように、適宜加熱、冷却して調節してもよいし、比較的低温(例えば15〜35℃)で重合を開始させ、一定時間(例えば1〜3時間)重合後に昇温(例えば55〜80℃)してもよい。
また、重合中は所定重合温度を一定(例えば所定重合温度±5℃)に保つよう、適宜加熱、冷却して調節することが好ましい。重合温度を一定に保つために、予め所定重合温度に温調した分散媒に撹拌下でモノマーを随時滴下してもよい。その際の滴下時間は、モノマー濃度、および重合反応発熱量により異なるが、通常0.5〜20時間、好ましくは1〜10時間である。
また、重合中は所定重合温度を一定(例えば所定重合温度±5℃)に保つように、適宜加熱、冷却して調節してもよいし、比較的低温(例えば15〜35℃)で重合を開始させ、一定時間(例えば1〜3時間)重合後に昇温(例えば55〜80℃)してもよい。
逆相懸濁重合の場合のように、モノマーを随時滴下する場合は滴下終了後から上記時間重合させることが好ましい。
上記のモノマー濃度、重合温度および重合時間は、モノマー組成、重合法および開始剤種類等によって適宜調整することができる。
また、逆相懸濁重合の場合は、重合時の温度調節が容易である点から、好ましくは重合温度において、分散媒が沸騰する圧力または疎水性分散媒と水とが共沸する圧力が好ましい。具体的には、好ましい下限は5kPa、さらに好ましくは12kPa、とくに好ましくは25kPa、好ましい上限は95kPa、さらに好ましくは80kPa、とくに好ましくは65kPaである。
水溶液重合および光重合の場合の粉末化法としては、重合後の含水ゲルを細断して公知の乾燥機(バンド式乾燥機、遠赤外線式乾燥機など)を用い加熱(温度80〜120℃)して乾燥し、公知の粉砕機〔奈良式粉砕機[奈良機械(株)製]、ロール式粉砕機等〕を用いて粉砕し体積平均粒径100〜2,000μmの粉末状にする方法等が挙げられる。
逆相懸濁重合の場合の粉末化法としては、重合後の含水ゲル(通常体積平均粒径100〜2,000μm)をロ過または遠心分離により固液分離させた後、公知の乾燥機(真空乾燥機、スクリューコンベア、ドラムドライヤーなど)を用いて加熱(温度30〜120℃)し乾燥させる方法等が挙げられる。
またアニオンコロイド当量値(meq/g)は高分子凝集剤の水への溶解性の観点から好ましい下限は−2.6、さらに好ましくは−2.4、とくに好ましくは−2.2、また凝集性の観点から好ましい上限は−0.1、さらに好ましくは−0.3、とくに好ましくは−0.5である。
(1)測定試料(50ppm水溶液)の調製
試料0.2g(固形分含量換算したもの)を精秤し、200mlのガラス製三角フラスコにとり、全体の重量(試料とイオン交換水の合計重量)が100gとなるようにイオン交換水を加えた後、マグネチックスターラー(1,000rpm)で、3時間撹拌して完全に溶解し、0.2重量%の高分子凝集剤溶液を調製する。さらに500mlのガラス製ビーカーに上記調製した溶液10.00gを小数点第2位まで計ることができる天秤を用いて正確に秤りとり、全体の重量(溶液10mlとイオン交換水の合計重量)が400.00gとなるようにイオン交換水を加え、再度マグネチックスターラー(1,000〜1,200rpm)で、30分間撹拌して、均一な測定試料とする。
なお、高分子凝集剤の固形分含量は、試料約1.0gをシャーレに秤量(W1)して、循風乾燥機中105±5℃で90分間乾燥させた後の残存重量を(W2)として、次式から算出した値である。
固形分含量(重量%)=(W2)×100/(W1)
測定試料100.0gを200mlのガラス製コニカルビーカーにとり、撹拌しながら徐々に0.5重量%硫酸水溶液を加え、pH3に調整する。次にトルイジンブルー指示薬(TB指示薬)を2〜3滴加え、N/400ポリビニル硫酸カリウム(N/400PVSK)試薬で滴定する。滴定速度は2ml/分とし、測定試料が青から赤紫色に変色し、30秒間保持する時点を終点とする。
(3)アニオンコロイド当量値の測定
測定試料100.0gを200mlのガラス製コニカルビーカーにとり、マグネチックスターラー(500rpm)で撹拌しながら、N/10水酸化ナトリウム水溶液0.5mlを加え、さらにN/200メチルグリコールキトサン水溶液5mlを5mlのホールピペットを用いて加えた後、5分間撹拌する(その時のpH約10.5)。TB指示薬を2〜3滴加え、(2)と同様にして滴定する。
(4)空試験
測定試料の代わりにイオン交換水100.0gを用いる以外(2)および(3)と同様の操作を行う。
(5)計算方法
カチオンまたはアニオンコロイド当量値(meq/g)=1/2×(試料の滴定量−空試験の滴定量)×(N/400PVSKの力価)
キレート化剤としては、C6〜12のアミノカルボン酸(例えばエチレンジアミンテトラ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸、ニトリロトリ酢酸およびトリエチレンテトラミンヘキサ酢酸)、多価カルボン酸〔例えばマレイン酸、ポリアクリル酸(Mn1,000〜10,000)およびイソアミレン−マレイン酸共重合体(Mn1,000〜10,000)〕、C3〜10のヒドロキシカルボン酸(例えばクエン酸、グルコン酸、乳酸およびリンゴ酸)、縮合リン酸(例えばトリポリリン酸およびトリメタリン酸)およびこれらの塩〔例えばアルカリ金属(例えばナトリウムおよびカリウム)塩、アルカリ土類金属(例えばカルシウムおよびマグネシウム)
塩、アンモニウム塩、C1〜20のアルキルアミン(例えばメチルアミン、エチルアミンおよびオクチルアミン)塩およびC2〜12のアルカノールアミン(例えばモノ−、ジ−およびトリエタノールアミン)塩〕;
ブロッキング防止剤としては、ポリエーテル変性シリコーンオイル、例えば、ポリエチレンオキシド変性シリコーンおよびポリエチレンオキシド・ポリプロピレンオキシド変性シリコーン;
防腐剤としては、例えば安息香酸、パラオキシ安息香酸エステルおよびソルビン酸が挙げられる。
上記添加剤全体の使用量は、両性高分子凝集剤および/または(P)の重量に基づいて、またモノマー水溶液中に予め含有させる場合は、モノマー重量に基づいて、通常30%以下、本発明の効果(汚泥ケーキ含水率低減)の観点から好ましくは0〜10%である。
各添加剤の使用量については、上記と同様の重量に基づいて、消泡剤は通常5%以下、好ましくは1〜3%、キレート化剤は通常30%以下、好ましくは2〜10%、pH調整剤は通常10%以下、好ましくは1〜5%、界面活性剤およびブロッキング防止剤はそれぞれ通常5%以下、好ましくは1〜3%、酸化防止剤、紫外線吸収剤および防腐剤はそれぞれ通常5%以下、好ましくは0.1〜2%である。
公知の無機凝集剤としては、例えば硫酸バンド、ポリ塩化アルミニウム、塩化アルミニウム、塩化第二鉄、ポリ硫酸第二鉄、硫酸第一鉄および消石灰が挙げられる。これらの中で汚泥のケーキ含水率を低減できる点から好ましいのはポリ硫酸第二鉄、ポリ塩化アルミニウム、塩化アルミニウム、塩化第二鉄で特に好ましいのはポリ硫酸第二鉄、ポリ塩化アルミニウムである。
これらの公知の無機凝集剤および有機凝結剤はそれぞれの1種または2種以上用いても、あるいは両者を併用してもいずれでもよい。
溶解方法、溶解後の希釈方法は特に限定はないが、粉末状の高分子凝集剤を水に溶解する際、一度に加えるとままこを生じて水に溶解しにくくなるため好ましくない。
また、本発明の両性高分子凝集剤の溶解性を高めるために、溶解した水溶液のpHが2.0〜5.0の範囲になるように前述したpH調整剤を添加し調整するのが好ましい。さらに好ましくはpHが2.5〜4.0、とくに好ましくはpHが2.7〜3.5である。
高分子凝集剤の固有粘度[η](単位はdl/g。以下においては数値のみを示す。)は1N−NaNO3水溶液中、30℃で測定した値である。高分子凝集剤のコロイド当量値(単位はmeq/g。以下においては数値のみを示す。)および固形分含量は、前記の方法によって測定した。なお、汚泥または廃水中のTS、有機分(強熱減量)は、下水道試験方法(日本下水道協会、1997年度版)記載の分析方法に準じて行った。
また、本実施例中のフロック粒径、ろ液量、ろ布剥離性、ケーキ含水率、ろ液清澄度は以下の方法に従って性能評価した。
ジャーテスター[宮本理研工業(株)製、形式JMD−6HS−A、以下同じ。]に板状の塩ビ製撹拌羽根(直径5cm、高さ2cm、厚さ0.2cm)2枚を十字になる様に上下に連続して撹拌棒に取り付け、汚泥200部を500mlのビーカーに取り、ジャーテスターにセットする。ジャーテスターの回転数を120rpmにし、ゆっくり汚泥を撹拌しながら、所定量の0.2重量%の高分子凝集剤水溶液を一気に添加し、30秒間撹拌した後、撹拌を止め凝集物の大きさを目視にて観察する[回転数120rpmでのフロック粒径(mm)を表中に示す]。続いて回転数を300rpmにセットし、さらに30秒間撹拌した後、撹拌を止め凝集物の大きさを再度目視にて観察する[回転数300rpmでのフロック粒径(mm)を表中に示す]。
T−1189のナイロン製ろ布[敷島カンバス(株)製、円形状、直径9cm]、ヌッチェ漏斗、300mlが測れるメスシリンダーをセットし、上記フロック粒径試験後の汚泥を一度に投入して濾過し、ストップウォッチを用いて投入直後から20秒後のろ液量(ml)を測定する。
<ろ布剥離性>
濾過した汚泥の一部をスパーテルで取り出し、プレスフィルター試験機を用いて脱水試験(2kg/cm2、60秒)を行い、試験後のろ布からの脱水ケーキの剥離性を下記の基準に従って評価する。
◎:非常に剥がれやすい(ろ布付着物ほとんどなし)
○:剥がれやすい (僅かにろ布付着物あり)
△:多少剥がれにくい (ろ布付着物あり、僅かにろ布内部まで付着)
×:剥がれにくい (ろ布内部まで付着)
上記ろ布剥離性試験後の脱水ケーキ約3.0gをシャーレに秤量(W3)して、循風乾燥機中で完全に水分が蒸発するまで(例えば、105±5℃で8時間)乾燥させた後、シャーレ上に残った乾燥ケーキの重量を(W4)として、次式からケーキ含水率を算出する。
ケーキ含水率(重量%)={(W3)−(W4)}×100/(W3)
上記ろ液量測定後のろ液を用いて、吸光度計[(株)島津製作所製、UV−1200、以下同じ。]で波長590nmおよび700nmの時の吸光度を測定し、ろ液清澄度を評価する。なお、吸光度の数値(%)は、イオン交換水の吸光度を100%とした時の値を示す。
内径25mm高さ200mmの試験管にジメチルアミノエチルメタクリレートメチルクロライド4級塩(以下DAMQと略記)の60%水溶液4.8部、ジメチルアミノエチルアクリレートメチルクロライド4級塩(以下DAAQと略記)の70%水溶液7.2部、アクリル酸2.3部、アクリルアミドの50%水溶液35.7部、水10.0部を入れ、液中に窒素を5分間通気して窒素置換した後、2,2’−アゾビス−(アミジノプロパン)ジハイドロクロライドの2%水溶液を2.5部添加し、密閉下45℃で20時間重合させた。その後試験管内の共重合物(ゲル)を取り出し細断後、循風乾燥機で80℃×2時間乾燥し、さらにジューサーミキサーで粉砕(体積平均粒径0.1〜1.7mm、以下同じ。)して高分子凝集剤(X−1)を得た。(X−1)の[η]は10.0、カチオンコロイド当量値は1.42、アニオンコロイド当量値は1.15であった。
実施例1におけるモノマーを表1に示す割合に代えたこと以外は、実施例1と同様にして各高分子凝集剤[(X−2)〜(X−29)、(比X−1)〜(比X−24)]を得た。
モニウム塩
DAAQ:N,N−ジメチルアミノエチルアクリレートのメチルクロライド4級アンモ
ニウム塩
AAc :アクリル酸
AAm :アクリルアミド
実施例1〜29、比較例1〜24
上記で得られた各高分子凝集剤について性能評価を行った。
高分子凝集剤をそれぞれイオン交換水に溶解して固形分含量0.2%の水溶液とした。
H下水処理場から採取した混合汚泥[余剰汚泥/消化汚泥=1/1(重量比)、pH5.8、TS2.5%、有機分72%]を必要な個数の500mlビーカーに200部ずつ採り、それぞれポリ硫酸第二鉄液[「ポリテツ」日鉄鉱業(株)製]0.3部を添加しハンドミキサーで30秒間撹拌混合したのち、先に調製した各水溶液15部を添加(固形分添加量0.6%/TS)して、性能評価した。結果を表2に示す。
Claims (2)
- 汚泥に無機凝集剤を添加し、次いで(A)ジアルキルアミノエチルメタクリレートの4級アンモニウム塩、(B)ジアルキルアミノエチルアクリレートの4級アンモニウム塩、アクリル酸およびアクリルアミドを必須構成単位とする共重合体を含有してなり、該必須構成単位の合計モル数に基づく(A)、(B)、アクリル酸それぞれの割合(モル%)を(a)、(b)、(c)としたとき、下記の関係式をいずれも満足する両性高分子凝集剤を添加して(但し、架橋性カチオン性高分子凝集剤を添加することを除く)フロックを形成させ固液分離することを特徴とする汚泥の脱水処理方法。
(a)/[(a)+(b)]=0.35〜0.55
(b)−(c)=−2.0〜2.0
(c)=10〜25 - 請求項1記載の脱水処理方法用である、(A)ジアルキルアミノエチルメタクリレートの4級アンモニウム塩、(B)ジアルキルアミノエチルアクリレートの4級アンモニウム塩、アクリル酸およびアクリルアミドを必須構成単位とする共重合体を含有してなり、該必須構成単位の合計モル数に基づく(A)、(B)、アクリル酸それぞれの割合(モル%)を(a)、(b)、(c)としたとき、下記の関係式をいずれも満足する、両性高分子凝集剤。
(a)/[(a)+(b)]=0.35〜0.55
(b)−(c)=−2.0〜2.0
(c)=10〜25
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