JP6571484B2 - 有機凝結剤 - Google Patents
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Description
また、前記脱水処理においては、昨今の汚泥および廃水量の増加に伴う処理速度向上の観点から、より強いフロック形成能が望まれ、脱水ケーキの焼却または埋め立て処分コストの観点からは、脱水ケーキ中の含水率を低減する性能が望まれており、さらには脱水工程後の分離水の脱色およびCOD低減性能をも有する高分子凝集剤が望まれている。
上記の有機凝結剤は、無機凝結剤に比べて低添加量で済み、スラッジ量は大幅に低減できるものの、凝結および脱水の効果が不十分であった。また、上記の有機凝結剤と高分子凝集剤を併用する方法によってもまだ十分とは言えなかった。
本発明の目的は、凝結、脱色効果に優れる有機凝結剤、並びにフロックの粗大化、フロック強度の増大、脱水ケーキの低含水率化、およびろ液の脱色およびCOD低減等の凝結および凝集性能に優れる凝結および凝集処理剤を提供することにある。
CH2=C(CH3)−CO−X1−Q−N+R1R2R3・Z- (1)
[式中、R1〜R3はH、X1はOまたはNH、Qは炭素数1〜4のアルキレン基、Z-はプロトン酸のH+を除く残基を表す。]
X2−N+R4R5R6・Y- (2)
[式中、X2はヘテロ原子を有していてもよい炭素数1〜5の1価の炭化水素基、R4〜R6はH、Y-はプロトン酸のH+を除く残基を表す。]
(1)汚泥または廃水に対して、凝結性能に優れる。
(2)該有機凝結剤と高分子凝集剤(Q)とを組み合わせてなる凝結および凝集処理剤(Z)は、優れた凝結および凝集性能を示す。
なお、本発明において凝結性能とは、分散している懸濁粒子の表面電荷を中和して該懸濁粒子同士を凝結させる性能をいい、後述する上澄み液清澄度、凝結性、上澄み液脱色性および上澄み液CODで評価できる。凝集性能とは、該凝結された微細粒子をさらに架橋吸着作用で凝集させて粗大フロックを形成する性能をいい、後述するフロック粒径、スラッジ体積比率、ろ液COD、ろ液清澄度およびケーキ含水率で評価できる。
本発明における水溶性カチオン性モノマー(a1)は下記一般式(1)で表される。なお、本発明において水溶性モノマーもしくは水溶性(共)重合体とは、水に対する溶解度が1g以上/水100g(20℃)であるものを意味し、後述する水不溶性モノマーとは、水に対する溶解度が1g未満/水100g(20℃)であるものを意味する。
CH2=CR−CO−X−Q−NH3 +・Z- (1)
また、一般式(1)中、QのCが2未満のものは存在せず、5を超えると後述の(A)を含有してなる有機凝結剤(P)の凝結性能が悪くなる。
Qとしては、アルキレン(エチレン、1,3−プロピレン、1,2−プロピレン等)基、ヒドロキシアルキレン(ヒドロキシエチレン、ヒドロキシプロピレン等)基等が挙げられる。有機凝結剤(P)の凝結性能の観点から、Qはアルキレン基が好ましく、エチレン基がさらに好ましい。
(1)無機酸、例えばハロゲン化水素(例えばHF、HCl、HBrおよびHI)、硫酸、硝酸およびリン酸;
(2)硫酸エステル、例えばC1〜30の硫酸エステル[例えばアルキルもしくはアルケニル硫酸(例えばメチル硫酸、エチル硫酸、ラウリル硫酸、ミリスチル硫酸、パルミチル硫酸、ステアリル硫酸、オレイル硫酸、リノール硫酸およびセチル硫酸)および高級アルコール(C10〜20)のエチレンオキサイド(以下、EOと略記)1〜10モル付加物の硫酸エステル];
(4)リン酸エステル、例えばC1〜30のリン酸エステル〔例えばモノ−およびジアルキル(アルキルC1〜30)リン酸エステル、モノ−およびジアルケニル(アルケニルC1〜30)リン酸エステル、(ポリ)オキシアルキレン[EO1〜14モル付加および/またはプロピレンオキサイド(以下、POと略記)1〜9モル付加]アルキル(C1〜30)エーテルリン酸エステル、糖リン酸エステル(例えばグルコース−リン酸エステル、グルコースアミンリン酸エステル、マルトース−1−リン酸および蔗糖リン酸エステル)およびグリセリンリン酸(例えばホスファチジン酸);
(6)カルボン酸、例えばC1〜30のカルボン酸、例えば脂肪族[C1〜30のモノ−およびジカルボン酸、例えばギ酸、シュウ酸、酢酸、プロピオン酸、マレイン酸、フマル酸およびアジピン酸];脂環式[C4〜30のモノ−およびジカルボン酸、例えばシクロペンタン(ジ)カルボン酸およびシクロヘキサン(ジ)カルボン酸];および芳香(脂肪)族[C7〜30のモノ−およびジカルボン酸、例えば安息香酸、フタル酸、キシリレンジカルボン酸]。
本発明における不飽和モノマー(a)には、前記水溶性カチオン性モノマー(a1)以外に、その他の水溶性モノマー(a2)〜(a4)を含有させることができる。該その他の水溶性モノマーとしては、(a1)以外のカチオン性モノマー(a2)、ノニオン性モノマー(a3)、アニオン性モノマー(a4)、およびこれらの混合物が含まれる。
下記のもの、これらの塩[例えば無機酸(塩酸、硫酸、リン酸および硝酸等)塩、メチルクロライド塩、ジメチル硫酸塩およびベンジルクロライド塩等]、およびこれらの混合物が挙げられる。
C5〜30のもの、例えばN,N−ジアルキル(アルキル基はC1〜2)アミノアルキル(C2〜3)(メタ)アクリレート[N,N−ジメチルアミノエチルおよび−プロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルおよび−プロピル(メタ)アクリレート等]、複素環含有(メタ)アクリレート[N−モルホリノエチル(メタ)アクリレート等];
C5〜30のもの、例えばN,N−ジアルキル(C1〜2)アミノアルキル(C2〜3)(メタ)アクリルアミド[N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド等]、ビニルアミン、ビニルアニリン、(メタ)アリルアミン、p−アミノスチレン等;
(a23)アミンイミド基を有する化合物
C5〜30のもの、例えば1,1,1−トリメチルアミン(メタ)アクリルイミド、1,1−ジメチル−1−エチルアミン(メタ)アクリルイミド、1,1−ジメチル−1−(2’−フェニル−2’−ヒドロキシエチル)アミン(メタ)アクリルイミド。
下記のもの、およびこれらの混合物が挙げられる。
(a31)(メタ)アクリレート
C4以上かつ数平均分子量[以下Mnと略記。測定は後述のゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)法による。]5,000以下のもの、例えば水酸基含有(メタ)アクリレート[例えばヒドロキシエチル−、ジエチレングリコールモノ−、ポリエチレングリコール(重合度3〜50)モノ−および(ポリ)グリセロール(重合度1〜10)モノ(メタ)アクリレート]およびアクリル酸アルキル(アルキル基はC1〜2)エステル(C4〜5、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル);
(a32)(メタ)アクリルアミドおよびその誘導体
C3〜30のもの、例えば(メタ)アクリルアミド、N−アルキル(C1〜3)(メタ)アクリルアミド[N−メチルおよび−イソプロピル(メタ)アクリルアミド等]、N−アルキロール(メタ)アクリルアミド[N−メチロール(メタ)アクリルアミド等]、N−アルキロール(C1〜2)(メタ)アクリルアミドのアルキレンオキシド(C2〜3、以下AOと略記。)1〜8モル付加物;
(a33) 前記(a1)、(a2)以外の窒素原子含有エチレン性不飽和化合物
C3〜30のもの、例えばアクリロニトリル、N−ビニルホルムアミド、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルスクシンイミド、N−ビニルカルバゾールおよび2−シアノエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチルマレイミドのAO2〜10モル付加物。
下記のもの、これらの塩[アルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウム等、以下同じ。)塩、アルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウム等、以下同じ。)塩、アンモニウム塩およびアミン(C1〜20)塩等]、およびこれらの混合物が挙げられる。
C3〜30のもの、例えば(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、フマル酸、(無水)イタコン酸、ビニル安息香酸、アリル酢酸;
(a42)不飽和スルホン酸
C2〜20の脂肪族不飽和スルホン酸(ビニルスルホン酸等)、C6〜20の芳香族不飽和スルホン酸(スチレンスルホン酸等)、スルホン酸基含有(メタ)アクリレート[スルホアルキル(C2〜20)(メタ)アクリレート[2−(メタ)アクリロイルオキシエタン、−プロパンおよび−ブタンスルホン酸、3−(メタ)アクリロイルオキシプロパンスルホン酸、4−(メタ)アクリロイルオキシブタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2−ジメチルエタンスルホン酸、p−(メタ)アクリロイルオキシメチルベンゼンスルホン酸等]、スルホン酸基含有(メタ)アクリルアミド[2−(メタ)アクリロイルアミノエタンスルホン酸、2−および3−(メタ)アクリロイルアミノプロパンスルホン酸、2−および4−(メタ)アクリロイルアミノブタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2−ジメチルエタンスルホン酸、p−(メタ)アクリロイルアミノメチルベンゼンスルホン酸等]、アルキル(C1〜20)(メタ)アリルスルホコハク酸エステル[メチル(メタ)アリルスルホコハク酸エステル等]等;
(a43)(メタ)アクリロイルポリオキシアルキレン(アルキレン基はC1〜3)硫酸エステル
(メタ)アクリロイルポリオキシエチレン(EO)付加モル数2〜50]硫酸エステル等。
<GPC測定条件>
GPC機種:HLC−8120GPC、東ソー(株)製
カラム :TSKgel GMHXL2本
+TSKgel Multipore HXL−M、東ソー(株)製
カラム温度:40℃
溶媒 :テトラヒドロフラン(THF)
検出装置 :屈折率検出器
基準物質 :標準ポリスチレン(TSKstandard
POLYSTYRENE)、東ソー(株)製
(a1)の割合は、後述の有機凝結剤(P)の凝結性能の観点から好ましくは40〜100モル%、さらに好ましくは60〜100モル%、とくに好ましくは90〜100モル%;
(a2)の割合は、同様の観点から好ましくは60モル%以下、さらに好ましくは40モル%以下、とくに好ましくは10モル%以下;
(a3)の割合は、同様の観点から好ましくは60モル%以下、さらに好ましくは40モル%以下、とくに好ましくは10モル%以下;
(a4)の割合は、(A)の水への溶解性の観点から好ましくは60モル%以下、さらに好ましくは40モル%以下、とくに好ましくは10モル%以下である。
(x1)C6〜23の(メタ)アクリレート
脂肪族または脂環式アルコール(C3〜20)の(メタ)アクリレート[プロピル−、ブチル−、ラウリル−、オクタデシル−およびシクロヘキシル(メタ)アクリレート等]およびエポキシ基(C4〜20)含有(メタ)アクリレート[グリシジル(メタ)アクリレート等];
モノオール(C1〜20)もしくは1価フェノール(C6〜20)のプロピレンオキシド(以下POと略記)付加物の(メタ)アクリル酸エステル[ω−メトキシPPGモノ(メタ)アクリレート、ω−エトキシPPGモノ(メタ)アクリレート、ω−プロポキシPPGモノ(メタ)アクリレート、ω−ブトキシPPGモノ(メタ)アクリレート、ω−シクロヘキシルPPGモノ(メタ)アクリレート、ω−フェノキシPPGモノ(メタ)アクリレート等]およびジオール(C2〜20)もしくは2価フェノール(C6〜20)のPO付加物の(メタ)アクリル酸エステル[ω−ヒドロキシエチル(ポリ)オキシプロピレンモノ(メタ)アクリレート等]等;
エチレン、ノネン、スチレン、1−メチルスチレン等;
(x4)不飽和アルコール[C2〜4のもの、例えばビニルアルコール、(メタ)アリルアルコール]のカルボン酸(C2〜30)エステル(酢酸ビニル等);
(x5)ハロゲン含有モノマー(C2〜30のもの、例えば塩化ビニル)。
C5〜30のもの、例えばN,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド;
(y2)多価(2〜4またはそれ以上)(メタ)アクリレート
C8〜30のもの、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールポリ(2〜4)(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート;
C4以上かつMn6,000以下、例えばジビニルアミン、多価(2価〜5価またはそれ以上)アミン[C2以上かつMn3,000以下、例えばエチレンジアミン、ポリエチレンイミン(C4以上かつMn3,000以下)]のポリ(2〜20)ビニルアミン、ジビニルエーテル、多価アルコール〔C2以上かつMn3,000以下、例えばアルキレン(C2〜6またはそれ以上)グリコール[エチレングリコール(以下、EGと略記)、プロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール等]、ポリオキシアルキレン[Mn2,000〜3,000、例えばポリエチレングリコール(以下、PEGと略記)(分子量106以上かつMn3,000以下)、PPG(分子量134以上かつMn3,000以下)、ポリオキシエチレン(分子量106以上かつMn3,000以下)/ポリオキシプロピレン(分子量134以上かつMn3,000以下)ブロックコポリマー]、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、(ポリ)(2〜50)グリセリン(グリセリンは以下、GRと略記)、ペンタエリスリトール、ソルビトール、デンプン〕のポリ(2〜20)ビニルエーテル等;
C6以上かつMn3,000以下、例えばジ(メタ)アリルアミン、N−アルキル(C1〜20)ジ(メタ)アリルアミン、多価アミン(上記のもの)のポリ(2〜20)(メタ)アリルアミン、ジ(メタ)アリルエーテル、多価アルコール(上記のもの)のポリ(2〜20)(メタ)アリルエーテル、ポリ(2〜20)(メタ)アリロキシアルカン(C1〜20)(テトラアリロキシエタン等);
(y5)不飽和基を1個以上有し、かつ反応性エポキシ基を1個もしくはそれ以上有するもの
C6以上かつMn6,000以下、例えばグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシヘキサヒドロベンジル(メタ)アクリレート、グリシジルPEG(メタ)アクリレート。
水溶性(共)重合体(A)は、ラジカル重合開始剤(d)、必要によりラジカル重合用連鎖移動剤(e)を用いて、上記モノマーを、公知の水溶液重合(例えば、特開昭55−133413号公報に記載の滴下重合、断熱重合、薄膜重合、噴霧重合等)や、公知の逆相懸濁重合(例えば特公昭54−30710号公報、特開昭56−26909号公報、特開平1−5808号公報に記載のもの)を含む種々の重合法[光重合(例えば特公平6−804公報に記載のもの)、沈澱重合(例えば特開昭61−123610公報に記載のもの)、逆相乳化重合(例えば特開昭58−197398号、特開平9−276605号に記載のもの)等]で、製造することができる。
該重合法のうち、工業上の観点から好ましいのは滴下重合、水溶液重合、逆相懸濁重合、および逆相乳化重合、さらに好ましいのは水溶液重合および逆相懸濁重合である
上記過酸化物は還元剤と組み合わせてレドックス開始剤として用いてもよく、還元剤としては重亜硫酸塩(重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸カリウム、重亜硫酸アンモニウム等)、還元性金属塩[硫酸鉄(II)等]、遷移金属塩のアミン錯体[塩化コバルト(III)のペンタメチレンヘキサミン錯体、塩化銅(II)のジエチレントリアミン錯体等]、有機性還元剤〔アスコルビン酸、3級アミン[ジメチルアミノ安息香酸(塩)、ジメチルアミノエタノール等]等〕が挙げられる。
また、アゾ化合物、過酸化物およびレドックス開始剤はそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもいずれでもよい。
また、(d)の使用量は(A)の最適な分子量を得るとの観点から、(A)を構成するモノマーの全重量に基づいて、好ましい下限は0.001重量%、さらに好ましくは0.005重量%、とくに好ましくは0.01重量%、好ましい上限は1重量%、さらに好ましくは0.5重量%、とくに好ましくは0.1重量%、最も好ましくは0.05重量%である。
連鎖移動定数の定義は、ジェー・ブランドルプおよびイー・エッチ・インマーグト編「ポリマー・ハンドブック(第4版)」、ジョン ウィレー アンド サンズ刊(J.Brandrup and E.H.Immergut編のPolymer Handbook fourth edition,JOHN WILEY & SONS)の97〜98頁に記載されている。
本発明における連鎖移動定数は、「高分子合成の実験法」[化学同人(株)、1993年刊行]等に記載されている一般的な方法を用いて測定される、60℃のアクリルアミドへの連鎖移動定数であるものとする。
(1)1価チオール
脂肪族チオール(C1〜20のもの、例えばメタンチオール、エタンチオール、プロパンチオール、n−オクタンチオール、n−ドデカンチオール、ヘキサデカンチオール、n−オクタデカンチオール、2−メルカプトエタノール、メルカプト酢酸、3−メルカプトプロピオン酸、1−チオグリセロール、チオグリコール酸モノエタノールアミン、チオマレイン酸、メルカプトコハク酸、システイン、システアミン)、脂環含有チオール(C5〜20のもの、例えばシクロペンタンチオール、シクロヘキサンチオール)、芳香族チオール(C6〜12のもの、例えばチオフェノール、チオサリチル酸、チオクレゾール、チオキシレノール、チオナフトール)および芳香脂肪族チオール(C7〜20のもの、例えばα−トルエンチオール)が挙げられる。
ジチオール[脂肪族ジチオール(C2〜40のもの、例えばエタンジチオール、ジエチレンジチオール、トリエチレンジチオール、1,2−および1,3−プロパンジチオール、1,3−および1,4−ブタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、ネオペンタンジチオール、トリエチレングリコールジチオール、EG−ジ−2−メルカプトエチルエーテル)、脂環式ジチオール(C5〜20のもの、例えばシクロペンタンジチオール、シクロヘキサンジチオール)、芳香族ジチオール(C6〜16のもの、例えばベンゼンジチオール、ビフェニルジチオール)および芳香脂肪族ジチオール(C8〜20のもの、例えばキシレンジチオール)が挙げられる。
また、重合中は所定重合温度を一定(例えば所定重合温度±5℃)に保つよう、適宜加熱、冷却して調節することが好ましい。重合温度を一定に保つために、予め所定重合温度に温調した分散媒に撹拌下でモノマーを随時滴下してもよい。その際の滴下時間は、モノマー濃度、および重合反応発熱量により異なるが、通常0.5〜20時間、生産性および温度制御の観点から好ましくは1〜10時間である。
上記のモノマー濃度、重合温度および重合時間は、モノマー組成、および開始剤種類等によって適宜調整することができる。
重合時のモノマー水溶液のpHは、特に限定されないが、重合速度、得られる水溶性重合体の溶解性の観点から、好ましくは0.5〜7、さらに好ましくは1〜6、とくに好ましくは1.5〜5である。
なお、該(A)の固有粘度[η]は、必要により後述の方法で有機凝結剤(P)から該(A)を単離して測定できる。
本発明における塩(B)は下記一般式(2)で表される。
X2−N+R4R5R6・Y- (2)
例えばメチルアミン、エチルアミン;
(b12)ヒドロキシアルキルアミン
例えばモノエタノールアミン、モノプロパノールアミン、モノイソプロパノールアミン;
(b13)アルコキシアルキルアミン
例えばメトキシエチルアミン;
(b14)アルキルチオエーテルアルキルアミン
例えばメチルチオエチルアミン。
例えばハロゲン化水素(例えば、HF、HCl、HBrおよびHI)、硫酸、硝酸およびリン酸;
(b22)硫酸エステル
例えばC1〜3のアルキルもしくはアルケニル硫酸エステル(例えばメチル硫酸、エチル硫酸、プロピル硫酸);
(b23)スルホン酸
例えばC1〜3のアルキルもしくはアルケニルスルホン酸(例えばメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸);
例えばC1〜3のアルキルもしくはアルケニルリン酸エステル(例えばメチルリン酸エステル、エチルリン酸エステル、プロピルリン酸エステル);
(b25)ホスホン酸
例えばC1〜3のアルキルもしくはアルケニルホスホン酸(例えばメチルホスホン酸、エチルホスホン酸、プロピルホスホン酸);
(b26)カルボン酸
例えばC1〜3のアルキルもしくはアルケニルカルボン酸(例えば酢酸、プロピオン酸)。
本発明の有機凝結剤(P)は、前記水溶性(共)重合体(A)、前記塩(B)を含有してなる。該(A)の重量に基づく該塩(B)の含有量は、1〜20%、好ましくは3〜15%、さらに好ましくは5〜9%である。1%未満ではCOD低減に劣り、20%を超えると水溶性(共)重合体(A)による凝結性が劣る。
有機凝結剤(P)が顕著な凝結性能を発揮するのは、仮説ではあるが、特定量の塩(B)が汚泥または廃水のCOD成分と相互作用することに起因するものと考えられる。
また、特定量の塩(B)の存在下で水溶性不飽和モノマー(a)を重合させることにより、有機凝結剤(P)中の水溶性(共)重合体(A)の分子量分布、ポリマー鎖の拡がりがさらに好適になっているものと推定される。
なお、有機凝結剤(P)の形態は、粉末状、水溶液、エマルションの形態であってもよい。工業上、取り扱いの観点から好ましいのは、水溶液の形態である。(P)が水溶液の形態の場合、(P)に基づく、(A)と(B)との合計[以下、濃度ということがある]は、好ましくは15〜50重量%である。
[1]500mLのガラス製容器に有機凝結剤(P)5.0gにメチルエチルケトン250gを加えて、マグネティックスターラー[マイティ・スターラーパワータイプHE−16GB、小池精密機器製作所製]を用いて室温で30分間、500rpmの条件で撹拌する。
[2]内容物の全量を加圧ろ過し、ろ過ケーキ(β)、ろ液(γ)を得る。
[3]ろ過ケーキ(β)の全量をステンレス製容器に移す。次に循風乾燥機で100℃、5時間乾燥させて(A)を単離し、(P)中の(A)の重量(Wβ)を精秤する。
[4]ろ液(γ)の全量をステンレス製容器に移す。次に循風乾燥機で100℃、5時間乾燥させて塩(B)を単離し、(P)中の塩(B)の重量(Wγ)を精秤する。
[5]次式により、(A)の重量に基づく塩(B)の含有量(α)を算出する(単位:重量%)。
(α)=(Wγ)×100/(Wβ)
これらの添加剤の合計の使用量は、(A)の重量に基づいて通常20%以下、各添加剤の併用効果および凝集性能の観点から好ましくは0.1〜10%である。
(P)の希釈方法としては、例えば予め秤りとった水を、後述のジャーテスター等の撹拌装置を用いて撹拌しながら所定量の(P)を加え、30分(約20分〜40分程度)撹拌して溶解させる方法等が採用できる。
該公知の無機凝結剤(C1)としては、例えば硫酸バンド、ポリ塩化アルミニウム、塩化第二鉄、硫酸第二鉄、ポリ硫酸鉄および消石灰が挙げられる。
該公知の有機凝結剤(C2)としては、例えばアニリン−ホルムアルデヒド重縮合物塩酸塩、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルジ(メタ)アリルアンモニウムクロライド、(ジ)(メタ)アリルアミンマレイン酸共重合体、(ジ)(メタ)アリルアミンシトラコン酸共重合体、(ジ)(メタ)アリルアミンイタコン酸、(ジ)(メタ)アリルアミンフマル酸共重合体が挙げられる。
これらの公知の無機および有機凝結剤はそれぞれ1種単独または2種以上を使用しても、あるいは両者を併用してもいずれでもよい。
本発明における高分子凝集剤(Q)は前記不飽和モノマー(a)を構成単位とする(共)重合体(D)を含有してなる。
(D)を構成するモノマー(a1)〜(a4)およびモノマー(x)、(y)としてはそれぞれ前記(共)重合体(A)に使用されるものが挙げられ、好ましいものも同様である。
で表した場合、下限は通常3.6、凝集性能(とくにフロック粒径の増大)の観点から好ましくは4、さらに好ましくは5、とくに好ましくは6、最も好ましくは7、上限は通常40、凝集性能(とくにフロック強度の向上)の観点から好ましくは30、さらに好ましくは20、とくに好ましくは15、最も好ましくは12である。
(D1)を構成する不飽和モノマー(a)の合計モル数に基づくモル割合(モル%)は、汚泥粒子表面の荷電中和の観点から、(a1)と(a2)の合計は好ましくは40%以上、さらに好ましくは60〜100%、(a3)は好ましくは60%以下、さらに好ましくは0〜40%である。
(D2)を構成する不飽和モノマー(a)の合計モル数に基づくモル割合(モル%)は、凝集性能の観点から、(a1)および/または(a2)は好ましくは5〜90%、さらに好ましくは10〜80%、(a3)は好ましくは5〜90%、さらに好ましくは10〜80%、(a4)は好ましくは5〜50%、さらに好ましくは10〜40%である。
(D3)を構成する不飽和モノマー(a)の合計モル数に基づくモル割合(モル%)は、凝集性能の観点から、(a4)は好ましくは70%以上、さらに好ましくは80〜100%、(a3)は好ましくは30%以下、さらに好ましくは0〜20%である。
ラジカル重合開始剤(d)の使用量は、(D)として最適な分子量を得るとの観点から、モノマーの合計重量に基づいて、好ましい下限は0.001%、さらに好ましくは0.005%、好ましい上限は1%、さらに好ましくは0.5%である。
連鎖移動剤(e)を使用する場合の使用量は、(D)として最適な分子量を得るとの観点から、モノマーの合計重量に基づいて、好ましい下限は0.0001%、さらに好ましくは0.0005%、特に好ましくは0.001%、最も好ましくは0.005%、好ましい上限は10%、さらに好ましくは5%、とくに好ましくは3%、最も好ましくは1%である。
逆相懸濁重合における重合温度は、下限は通常10℃、重合速度の観点から好ましくは20℃、より好ましくは30℃、とくに好ましくは40℃、最も好ましくは50℃、上限は通常95℃、ポリマーの熱劣化防止の観点から好ましくは90℃、さらに好ましくは80℃、とくに好ましくは70℃、最も好ましくは60℃である。
また、重合中は所定重合温度を一定(例えば所定重合温度±5℃)に保つよう、適宜加熱、冷却して調節することが好ましい。重合温度を一定に保つために、予め所定重合温度に温調した分散媒に撹拌下でモノマーを随時滴下してもよい。その際の滴下時間は、モノマー濃度、および重合反応発熱量により異なるが、通常0.5〜20時間、生産性と温度制御の観点から好ましくは1〜10時間である。
本発明の汚泥または廃水処理用の凝結および凝集処理剤(Z)は前記有機凝結剤(P)および前記高分子凝集剤(Q)を組み合わせてなる。
本発明の凝結および凝集処理剤(Z)を用いた下水等の有機性汚泥や工場廃水等の無機性の汚泥または廃水の処理方法は、凝結および凝集処理剤(Z)と、汚泥または廃水とを混合してフロックを形成させ、固液分離を行う方法であれば特に限定されることはない。
該処理剤(Z)を用いた汚泥または廃水の処理方法としては、例えば下記の(1)、(2)が挙げられる。
(2)有機凝結剤(P)と高分子凝集剤(Q)とを予め混合して混合物とした上で、汚泥または廃水と混合して凝結および凝集処理してフロックを形成させ、その後固液分離を行うことを目的とする処理剤(Z);
上記処理方法のうち、凝結および凝集性能(例えばフロック粒径の増大および脱水ケーキの低含水率化)発揮の観点から好ましいのは、(1)の方法である。
防腐剤としては、例えば安息香酸、パラオキシ安息香酸エステルおよびソルビン酸が挙げられる。
上記添加剤全体の使用量は、添加剤を有機凝結剤(P)および/または(Q)あるいは(Z)に含有させる場合は、有機凝結剤(P)および/または(Q)の重量あるいは(Z)の重量に基づいて、またモノマー水溶液中に予め含有させる場合は、モノマー重量に基づいて、通常30%以下、本発明の効果(凝結性能または凝集性能)の観点から好ましくは0〜10%である。
各添加剤の使用量については、上記と同様の重量に基づいて、消泡剤は通常5%以下、好ましくは1〜3%、キレート化剤は通常30%以下、好ましくは2〜10%、pH調整剤は通常10%以下、好ましくは1〜5%、界面活性剤およびブロッキング防止剤はそれぞれ通常5%以下、好ましくは1〜3%、酸化防止剤、紫外線吸収剤および防腐剤はそれぞれ通常5%以下、好ましくは0.1〜2%である。
(1)水溶性カチオン性モノマー
(a1−1):アミノエチルメタクリレートメタンスルホン酸塩の80%水溶液
(a1−2):アミノエチルメタクリレート塩酸塩の80%水溶液
(a1−3):アミノエチルメタクリレート硫酸塩の80%水溶液
(a2−1):N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートのメチルクロライド塩
の78.3%水溶液
(a2−2):N,N−ジメチルアミノエチルアクリレートのメチルクロライド塩
の80%水溶液
(2)(a1)、(a2)以外の水溶性モノマー
(a3−1):アクリルアミドの50%水溶液
(a4−1):アクリル酸の80%水溶液
(3)ラジカル重合開始剤(d)
(d−1) :アゾビスアミジノプロパン塩酸塩[和光純薬工業(株)製、
「V−50」、10時間半減期温度:56℃]の10%水溶液
(d−2) :過酸化水素の1%の水溶液
(d−3) :アスコルビン酸の1%水溶液
(d−4) :硫酸鉄(II)の1%水溶液
(4)連鎖移動剤(e)
(e) :次亜リン酸ナトリウムの10%水溶液
(1)上澄み液清澄度(%)
ジャーテスター[型式「JMD−6HS−A」、宮本理研工業(株)製、以下同じ。]に板状の塩ビ製撹拌羽根(ヨコ5cm、高さ2cm、厚さ0.2cm)2枚を十字(半径2.5cm)になるように上下に連続して取り付けた撹拌装置を組み立てる。次に、500mlのビーカーに廃水200gを入れ、前記撹拌装置にセットする。ジャーテスターの回転数を300rpmにして撹拌しながら、所定量の0.2%の凝結剤水溶液を一気に添加し30秒間撹拌する。10分後上澄み液を分光光度計[UV−1200、(株)島津製作所製、以下同じ。]で波長590nmおよび700nmにおける透過率を測定し、ろ液清澄度を評価する。なお、透過率(%)は、イオン交換水の透過率を100%とした時の値を示す。
(2)凝結性(%)
上記評価[1](1)の評価後、測定液をビーカーに戻し、その後処理廃水を遠心分離機[形式LC06、(株)トミー精工製]を用いて2,000rpmにて10分間遠心分離を行い、全廃水体積に対する、沈降スラッジ(下層)体積%を測定し凝結性を評価する。該体積%が小さいほど凝結性に優れることを示す。
(3)遠心分離後の上澄み液の脱色性(%)
上記(2)の遠心分離後の上澄み液について、分光光度計で波長430nmおよび700nmにおける透過率を測定し脱色性を評価する。なお、透過率の数値(%)は、イオン交換水の透過率を100%としたときの値を示す。
(4)遠心分離後の上澄み液のCOD(mg/L)
上記(2)の遠心分離後の上澄み液について、JIS K−0102に記載のCODMn分析方法に準じて測定する。
(1)フロック粒径(mm)
300mlのビーカーに汚泥または廃水200gを入れ、上記評価[1](1)と同じ撹拌装置にセットする。ジャーテスターの回転数を300rpmとし、徐々に汚泥または廃水を撹拌しながら、所定の濃度の有機凝結剤の水溶液、所定の濃度の高分子凝集剤の水溶液を所定の方法で添加し、30秒間撹拌した後、撹拌を止め形成されたフロックの粒径(mm)を目視にて観察した。
T−1189のナイロン製ろ布[敷島カンバス(株)製、円形状、直径9cm]、ヌッチェ漏斗、500mlのメスシリンダーをセットし、上記フロック粒径試験後の処理水全量を一度に投入してろ過する。ろ過して得られたスラッジの量を測定し、全廃水体積に対する体積比率(%)を算出しスラッジ体積比率とする。
上記(2)のろ過後のろ液について、上記評価[1](4)の分析方法で測定する。
(4)ろ液清澄度(%)
上記(2)のろ過後のろ液について、上記評価[1](1)の分光光度計を用いて評価する。
(5)ケーキ含水率(%)
上記(2)で濾過して得られたスラッジの一部をスパーテルで取り出し、プレスフィルター試験機を用いて脱水する(加圧条件2kgf/cm2、60秒)。脱水されたケーキ約3gをシャーレに秤量(W3)して、循風乾燥機中で完全に水分が蒸発するまで(例えば、105±5℃で8時間)乾燥させた後、シャーレ上に残った乾燥ケーキの重量を(W4)として、次式からケーキ含水率を算出する。
ケーキ含水率(重量%)=[(W3)−(W4)]×100/(W3)
製造例1
撹拌翼付ガラス製反応槽にメタンスルホン酸70%水溶液1,000部を仕込んだ後、撹拌しながら、モノエタノールアミン445部を60分間かけて滴下した。滴下後、槽内を減圧にし、水を留去した。反応槽からペースト状の内容物を取り出し、100℃の循風乾燥機で6時間乾燥させ、モノエタノールアミンメタンスルホン酸塩(B−1)(白色固体、水分0.1%)1,145部を得た。
製造例1においてメタンスルホン酸70%水溶液1,000部、モノエタノールアミン445部に代えて、硫酸1,000部、モノプロパノールアミン750部とした以外は、製造例1と同様にしてモノプロパノールアミン硫酸塩(B−2)1,710部を得た。
製造例1においてモノエタノールアミン445部を水酸化ナトリウム48%水溶液60
8部に代えた以外は、製造例1と同様にしてメタンスルホン酸ナトリウム塩(B’−1)860部を得た。
[第1工程]
容器に、表1に従って、(a)および緩衝剤を仕込み、水相(1)を室温(20〜25℃)で調製した。さらにスルファミン酸を用いて水相(1)のpH(20℃)をpHメーターで監視しながら3.0に調整した。別の容器に、重合開始剤(d−1)、連鎖移動剤(e)およびイオン交換水を表1に従って配合し、水相(2)を調製した。
該水相(1)、(2)を別々に窒素(純度99.999%以上。以下同じ。)を通気して十分に窒素置換(溶存酸素濃度100ppb以下)した。
これらとは別に、撹拌翼を備えた温度調節可能なガラス製反応槽に、撹拌翼を350rpmの回転数にて撹拌しながら、水相(1)および水相(2)をスタティックミキサー経由で混合し、ポンプを用いて120分間かけて滴下した。滴下開始と同時に反応槽内部を70℃維持した。反応槽を滴下終了から6時間保持し重合を完結させ、水溶性(共)重合体(A−1)の水溶液を得た。
[第2工程]
重合が完結した反応槽に表1記載の重量部数の塩(b−1)を加え、25℃まで冷却しながら、30分間撹拌し、均一に溶解させた。反応槽から取り出して、循風乾燥機で100℃で2時間乾燥後、ジューサーミキサーで粉砕して、水溶性(共)重合体(A−1)と塩(B−1)とを含有してなる有機凝結剤(P−1)を得た(収率98%、固形分含量90%)。
[有機凝結剤(P−2)〜(P−14)、(RP−1)〜(RP−6)]
実施例1において、モノマー水溶液配合組成、開始剤・連鎖移動剤水溶液配合組成、追加する塩(B)を表1に基づいて代えたこと以外は実施例1と同様にして、有機凝結剤(P−2)〜(P−14)、(RP−1)〜(RP−6)を得た。結果を表1に示す。
反応容器に、表1に従って、不飽和モノマー(a1−1)、緩衝剤およびイオン交換水を配合したモノマー水溶液[水相(1)]を系内が均一溶液になるまで混合、撹拌した。撹拌下、モノマー水溶液のpH(20℃)をpHメーターで監視しながら硫酸を用いて3.0に調整した。
次に、0℃の恒温水槽中で該反応容器の溶液温度を0℃に調整し、系内を窒素で充分に置換した(気相酸素濃度約5ppm)。その後、連鎖移動剤(e)、ラジカル重合開始剤(d−1)〜(d−4)、およびイオン交換水を表1に基づいて配合した開始剤水溶液[水相(2)]を滴下ロートから反応容器に仕込み、溶液温度0℃で重合を開始させ、重合により発生する熱により溶液温度が上昇し、溶液温度が80℃に達した時点で80℃の恒温槽内に反応容器を入れて10時間保温し重合を完結させた。なお重合中、内容物が高粘度となり撹拌が困難となったため、撹拌は途中で停止した。
その後、得られた含水ゲルを取り出し、ミートチョッパー機[型番「12VR−400K」、ROYAL(株)製、目皿の目開き6mm]により混合、混練、さらにミンチ状に細断し、80℃の熱風で2時間乾燥後、ジューサーミキサーで粉砕して、水溶性(共)重合体(D−1)を含有してなる性高分子凝集剤(Q−1)を990部を得た(収率99%、固形分含量92%)。結果を表1に示す。
製造例3において、モノマー水溶液配合組成、モノマー水溶液中のモノマー濃度および重合開始剤組成を表1に基づいて代えたこと以外は製造例1と同様にして、水溶性(共)重合体を含有してなる高分子凝集剤(Q−2)〜(Q−3)を得た(収率98%、固形分含量93%)。結果を表1に示す。
上記得られた各有機凝結剤をそれぞれイオン交換水に溶解させて固形分含量0.2%の水溶液とした。J染物工場から採取した廃水[pH4.9、TS0.12% CODMn1,050mg/L。以下同じ。]200gずつを各500mLのビーカーに採り、上記有機凝結剤の各水溶液0.6部(このときの固形分添加量0.50%/TS)を添加し、300rpmで30秒間撹拌し、廃水処理を行い、前記の評価[1]の方法で評価した。結果を表2に示す。
[汚泥または廃水用の凝結および凝集処理剤(Z−1)〜(Z−16)、(RZ−1)〜(RZ−6)の性能評価]
有機凝結剤(P−1)〜(P−14)、(RP−1)〜(RP−6)および高分子凝集剤(Q−1)〜(Q−3)をそれぞれイオン交換水に溶解させて固形分含量0.2%の水溶液とした。K市処理場から採取した下水混合汚泥[pH7.4、TS4.0%、SS3.2%、有機分55%、アルカリ度1,700mg−CaCO3/L]200gずつを各500mLのビーカーに採り、上記有機凝結剤の0.2%水溶液4.0部(このときの固形分添加量0.15%/TS)添加し、それぞれ300rpmで30秒間撹拌した。
さらに、実施例29〜42および比較例13〜18では、高分子凝集剤(Q−2)の水溶液、実施例43では、高分子凝集剤(Q−1)の水溶液、実施例44では、高分子凝集剤(Q−3)の水溶液をそれぞれ40部ずつ添加(このときの固形分添加量1.00%/TS)し、前記の評価[2]の方法で性能を評価した。結果を表3に示す。
有機凝結剤(P−2)50部と高分子凝集剤(Q−2)500部をビーカーに測り取り、スパチュラーを用いて10分間よく混合し、凝結および凝集処理剤(Z−17)を得た。
次に凝結および凝集処理剤(Z−17)をイオン交換水に溶解させて固形分量0.2%の水溶液とした。実施例29〜44、比較例13〜18の手順と同様に、K市下水混合汚泥に、(Z−17)の水溶液44部を添加(このときの固形分添加量1.15%/TS)し、前記の評価[2]の方法で性能を評価した。結果を表3に示す。
Claims (3)
- 下記一般式(1)で表される水溶性カチオンモノマー(a1)を含有する水溶性不飽和モノマー(a)を構成単位とする水溶性(共)重合体(A)と、塩(B)とを含有してなり、該塩(B)がモノエタノールアミン又はモノプロパノールアミンであるヒドロキシアルキルアミン(b1)と、HCl、硫酸及び炭素数1〜3のアルキルスルホン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種のプロトン酸(b2)とから構成される塩であって、該(A)の重量に基づく該(B)の含有量が1〜20%であり、該(A)を構成するモノマーの合計モル数に基づく(a1)の含有量が90%以上であって、該(A)の固有粘度[η]が0.010〜3.5である有機凝結剤(P)。
CH2=C(CH3)−CO−X1−Q−N+R1R2R3・Z- (1)
[式中、R1〜R3はH、X 1 はO、Qはエチレン基、Z - は、塩酸、硫酸及びメタンスルホン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種のプロトン酸のH+を除く残基を表す。]
- 請求項1記載の有機凝結剤(P)と、水溶性(共)重合体(D)を含有してなる高分子凝集剤(Q)とを組み合わせてなる汚泥または廃水用の凝結および凝集処理剤(Z)。
- 汚泥または廃水と、請求項1記載の有機凝結剤(P)とを混合し、次いで高分子凝集剤(Q)を混合してフロックを形成させ固液分離する汚泥または廃水の処理方法。
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