JP5641642B2 - 汚泥の濃縮方法 - Google Patents

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Description

本発明は汚泥の濃縮方法に関し、詳しくは、ベルト型濃縮装置により脱水用の汚泥を濃縮する際、特定の構造単位を含有するカチオン性または両性水溶性高分子の油中水型エマルジョンを使用することを特徴とする汚泥の濃縮方法に関する。
近年地球規模で提唱されているCO低減を実現させるために、排水処理分野ではさまざまな試みが検討されているが、汚泥脱水の場合、脱水用の汚泥濃度を高くすることにより、汚泥脱水時における処理量の向上、含水率の低下及び脱水時に消費される電力コストの低減を図ることが出来る。
汚泥濃縮装置は浮上濃縮装置、遠心濃縮装置、ベルト濃縮装置が代表的であるが、中でも比較的安価で消費電力が少ないベルト濃縮装置による濃縮が最近増加している。ベルト濃縮の際には一般にカチオン性高分子を使用して凝集フロックを生成させた後、この凝集汚泥を移動する濾過用のベルト上に流し込んで凝集濾液を濾過し、汚泥を濃縮する方法が採られている。
しかしながら、ベルト濃縮装置による濃縮に粉末状カチオン性高分子を使用した場合、各種の汚泥に対する凝集力が十分ではないため良好な処理量が得られない場合が多い。
また、濾過された濾液に多量の泡が発生して、しばしば濾液の貯留槽のセンサーに誤作動を起こして濃縮操作に支障が生じ、また返送された濾液により曝気槽に泡が生じて生物処理及び余剰汚泥の濃縮性が悪化するケースも多く発生している。
この発泡の抑制には従来、消泡剤を添加する方法が採られてきたが、この方法を用いる場合、新たに薬品コスト及び消泡剤を添加するポンプ及び装置のコストが生じ、また消泡剤添加の調整管理が必要になるため敬遠される傾向にあり、今後ますます濃縮の際の濾液の発泡性を、コストをかけることなく抑制する方法が望まれるようになってきている。
特開平7−195098号公報 特開平9−299998号公報
ベルト濃縮装置による濃縮を行う際はカチオン性高分子を使用して水切れの良いフロックを生成させる必要があるが、濾過性が十分でないと濃縮性が悪化してしまう。また濾液にしばしば泡が発生するため、濾液貯留槽におけるセンサーの誤作動、生物処理槽に返送する際に発泡が生じて沈降性の悪化を引き起こす等の支障が生じてしまう。そのため濾液に発泡を生じさせることなく濃縮用汚泥を高い濃縮率で濃縮させる方法が求められている。本発明はベルト濃縮装置により汚泥濃縮を実施する際に、汚泥を凝集させ分離した濾液の発泡を生じさせることなく、ベルト濃縮装置による汚泥濃縮を可能にすることが可能な汚泥濃縮方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、ベルト型濃縮装置により脱水用の汚泥を濃縮する際、下記一般式(1)〜(4)いずれか一種の構造単位を含有するカチオン性または両性水溶性高分子の油中水型エマルジョンを使用することにより、濃縮用汚泥の濃縮比を向上し、また濃縮用汚泥を凝集させ分離した濾液の発砲性を低減することが可能であることを発見し本発明に到達した。
一般式(1)
は水素又はメチル基、R、Rは炭素数1〜3のアルキルあるいはアルコキシル基、Rは水素、炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシル基あるいはベンジル基であり、同種でも異種でも良い、Aは酸素原子またはNH、Bは炭素数2〜4のアルキレン基またはアルコキシレン基を表わす、X は陰イオンをそれぞれ表わす。
一般式(2)
、Rは水素又はメチル基、R、Rは炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシ基あるいはベンジル基、X は陰イオンをそれぞれ表わす。
一般式(3)
一般式(4)
、R10、R11は水素又はメチル基、Zは陰イオンをそれぞれ表わす。
本発明に係るカチオン性または両性水溶性高分子の油中水型エマルジョンを濃縮用汚泥に添加し、攪拌して凝集フロックを生成させた後、ベルト濃縮装置にて濃縮することにより、濃縮性を向上させることができるとともに、濃縮し分離した濾液の発泡を著しく抑制できる。
この濃縮性の向上は、油中水型高分子エマルジョンが各種の架橋型構造を持たせることが可能なため、難凝集性の汚泥に対しても良好な凝集力を発揮することが出来ることに因るものと考えられる。
またこの濾液の発泡を著しく抑制する効果は、従来型である粉末高分子には全くないことを考慮すると、おそらく油中水型エマルジョンに含まれるオイル及びノニオン性界面活性剤に因るものであると考えられる。本発明に係るカチオン性または両性水溶性高分子の油中水型高分子エマルジョンは、分子構造を自在に変化させることができるため幅広い汚泥種に対して良好な凝集、濃縮効果を発揮できる。例えば繊維分が少ない、いわゆる難脱水性汚泥の場合には油中水型エマルジョン重合時に架橋性単量体を共存させ重合し、製造した架橋型水溶性高分子を使用し、繊維分が多く脱水しやすい汚泥に対しては、油中水型エマルジョン重合時に架橋性単量体を共存させることなく重合し、製造した直鎖型水溶性高分子を使用することで大きな凝集フロックを生成させることができる結果、濾過速度が速くなり良好な濃縮性能を得ることができる。
本発明で使用するカチオン性または両性水溶性高分子の油中水型高分子エマルジョンは、300万〜1500万の重量平均分子量のものが好ましく、幅広い汚泥種に対して良好な凝集をさせることが可能であるが、各種余剰汚泥や下水混合生汚泥等にはおおよそ300万〜600万の分子量のものが適合する。また、低い添加量においての濃縮を目的とする場合は、300万〜1000万の分子量を有するカチオン性または両性水溶性高分子の油中水型エマルジョンを使用することが好ましい。なお本発明における平均分子量を求める際は光散乱分析法を用いて測定を行った。
また、カチオン性または両性水溶性高分子の油中水型高分子エマルジョンのカチオン度としては主に各種余剰汚泥、下水混合生汚泥に対しては20〜100モル%のものが望ましいが、40〜90モル%のものを使用したほうが低添加量で良好な濃縮効果を発現する例が多い。
一般式(1)あるいは一般式(2)で表される(メタ)アクリル系あるいはジアリルアミン系両性油中水型高分子からなる油中水型エマルジョンは製造時、カチオン性単量体としてジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等あるいはジアリルアルキルアミン等の3級塩、または塩化メチル等のハロゲン化アルキル等、あるいは塩化ベンジルなどのハロゲン化アリール化合物による4級化物等が挙げられ、これらのカチオン性ビニル系単量体は1種を単独で用いることができ、2種以上を組み合わせて用いることもできる。また必用に応じて共重合されるノニオン性単量体としては、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,Nジエチル(メタ)アクリルアミド等があげられる。
上記に述べたカチオン性水溶性高分子は、カチオン性構成単位の全構成単位に対する割合が20〜100モル%であれば良い。例えば余剰汚泥の割合が高い下水混合生汚泥ではSS当たりカチオン要求量が高いため、カチオン当量値(以下Cvと記す)が高いカチオン性水溶性高分子が適す。また余剰汚泥の比率が低い下水混合生汚泥の場合は、SS当たりのカチオン要求量が低いためCvが低いものが適す。
本発明においては両性高分子を使用しても良好な濃縮効果を達成できる場合があるが、カチオン性単量体としてはジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートたとえばジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートあるいはジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等の塩化メチル等のハロゲン化アルキルあるいは塩化ベンジル等のハロゲン化アリール化合物等による4級化物等カチオン性水溶性高分子と同様である。アニオン性単量体としては、(メタ)アクリル酸あるいはそのナトリウム塩等のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩、マレイン酸あるいはそのアルカリ金属塩、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等のアクリルアミドアクリルアルカンスルホン酸あるいはそのアルカリ金属塩またはアンモニウム塩等があげられる。
また両性高分子は必要に応じてノニオン性単量体を共重合したものであっても良い。ノニオン性単量体としては、(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、ジメチルアクリルアミド等が挙げられる。また本発明で使用する両性高分子の水溶性を阻害しない範囲でアクリロニトリル、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸アルキル等の油溶性単量体も使用できる。
一般式(3)で表されるポリビニルアミンおよびポリビニルアミン繰り返し単位を有する水溶性共重合物に関して説明する。ポリビニルアミン系水溶性高分子の製造法に関しては、特開平6−65329号公報に開示されている。本発明で使用するポリビニルアミンおよびポリビニルアミン繰り返し単位を有する水溶性共重合物は、N−ビニルホルムアミド重合物あるいは共重合体を重合体中のホルミル基を酸あるいは苛性アルカリにより変性することにより容易に得ることができる。すなわちN−ビニルホルムアミドと他の共重合可能な単量体とのモル比が、通常50:50〜100:0の混合物、好ましくは、80:20〜100:0の混合物をラジカル重合開始剤の存在下、重合することにより製造される。
また、酸性変性に使用される変性剤としては、強酸性に作用する化合物ならばいずれも使用することが可能であり、例えば、塩酸、臭素酸、フッ化水素酸、硫酸、硝酸、燐酸、スルファミン酸、アルカンスルホン酸等が挙げられる。変性剤の使用量は、重合体中のホルミル基に対して、通常0.1〜2倍モルの範囲から目的の変性率に応じて適宜選択される。苛性アルカリとしては水酸化ナトリウムや水酸化カリウムが使用される。また、変性反応は通常40〜100℃の条件で実施される。重合体中のビニルアミン繰り返し単位は、10〜100モル%であり、好ましくは30〜100モル%であり、更に好ましくは50〜100モル%である。
一般式(4)で表されるポリビニルアミジンおよびビニルアミジン繰り返し単位を有する水溶性共重合物は、以下のようなものである。N−ビニルホルムアミドとアクリロニトリル共重合体を酸により加水分解し、一級アミノ基を生成させ、そのご隣接するアクリロニトリルのシアノ基と反応することにより生成する。すなわちN−ビニルホルムアミドとアクリロニトリルのモル比が、通常50:50〜60:40の混合物をラジカル重合開始剤の存在下、重合する。その後、酸により加水分解する。酸性変性に使用される変性剤としては、強酸性に作用する化合物ならばいずれも使用することが可能であり、塩酸やスルファミン酸等が挙げられる。変性剤の使用量は、重合体中のホルミル基に対して、通常0.1〜2倍モルの範囲から目的の変性率に応じて適宜選択される。また、変性反応は通常40〜100℃の条件で実施される。重合体中のアミジン繰り返し単位は、20〜100モル%であり、好ましくは30〜100モル%であり、更に好ましくは50〜100モル%である。
本発明のカチオン性または両性水溶性高分子からなる油中水型エマルジョンは、
重合時に構造改質剤、すなわち架橋性単量体を添加し構造変性した高分子を製造することができる。この架橋性単量体は、単量体総量に対し0.0001〜0.0100質量%、好ましくは0.0003〜0.0050質量%存在させる。架橋性単量体の例としては、N,N−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、トリアリルアミン、ジメタクリル酸エチレングリコール、ジメタクリル酸ジエチレングリコール、ジメタクリル酸トリエチレングリコール、ジメタクリル酸テトラエチレングリコール、ジメタクリル酸―1,3−ブチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、N−ビニル(メタ)アクリルアミド、N−メチルアリルアクリルアミド、アクリル酸グリシジル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、アクロレイン、グリオキザール、ビニルトリメトキシシランなどがあるが、この場合の架橋剤としては、水溶性ポリビニル化合物がより好ましく、最も好ましいのはN,N−メチレンビス(メタ)アクリルアミドである。またギ酸ナトリウム、イソプロピルアルコール等の連鎖移動剤を併用して使用することも架橋性を調節する手法として効果的である。
本発明におけるカチオン性あるいは水溶性高分子の塩水溶液粘度(4%食塩水中に高分子濃度が0.5%になるように完全溶解したときの粘度を25℃において回転粘度計にて測定)は5mPa・S以上、120mPa・S以下、好ましくは10mPa・S以上、80mPa・S以下であればその効果を発揮することが出来る。一般に塩水溶液粘度が低いカチオン性高分子または両性高分子は弱攪拌条件の攪拌槽に適合し、塩水溶液粘度が高いカチオン性高分子または両性高分子は強攪拌条件の攪拌槽に適合する。これらを重量平均分子量で表せば、前述のように300万〜1500万であり、好ましくは500万〜1000万である。
また汚泥濃度によっても適合する塩水溶液粘度の汚泥脱水組成物を任意で使い分けることができる。すなわち汚泥濃度が高く、比較的弱い攪拌条件の場合には分散性の良好な低い塩水溶液粘度のカチオン性高分子及び両性高分子からなる組成物が適し、汚泥濃度が低い場合では比較的強い攪拌条件では塩水溶液粘度の比較的高いカチオン性高分子及び両性高分子が適す。
本発明において用いる油中水型高分子エマルジョンを汚泥に添加する際は、状況に応じた濃度の水溶液にすることが適しており、添加時の溶液量や粘性を考慮すると0.2〜0.5質量%溶液で添加する方法が好ましい。
以下に実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
(汚泥脱水剤組成物の調製)
下記表1のような組成の高分子を一定比率で混合し、汚泥脱水剤組成物を調製した。
表1
モル比*;全モノマーに対するモル比。MBAAのみ全モノマーに対する質量
換算割合(ppm)
P:粉末タイプ
EC;油中水型エマルジョン高分子(カチオン性)
ECX:カチオンとアニオンのモル比が1より大きい両性高分子
EAX:カチオンとアニオンのモル比が1より小さい両性高分子
C1〜C3;粉末高分子(カチオン性)
AAm:アクリルアミド、AAc:アクリル酸
DAA:アクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロリド四級化物
DAM:メタクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロリド四級化物
MBAA:メチレンビスアクリルアミド
0.5%塩粘度:0.5%塩水溶液中に4重量%完全溶解後にB型粘度計により25℃の条件において測定された粘度
重量平均分子量:静的光散乱による分子量測定装置による

下水処理場より発生する下水余剰汚泥(汚泥性状がpH6.5、SS:9250mg/L、TS:9750mg/L、VSS:84.4%/SS)についてベルト濃縮機を対象とした凝集濾過試験及び濾過の発泡性試験を実施した。この汚泥を300mL容のポリプロピレン製ビーカーに汚泥を200mL入れた後、油中水型高分子エマルジョンEC1〜EC−7及びECX−1、EAX−2の0.2%(W/V)溶解液を所定量添加し、ビーカー移し替え攪拌にて往復10回攪拌後に敷島カンバス社製の濾布であるT−1179Lの上に内径62mmの円筒を置き、その中に上記攪拌操作により生成した凝集物を注ぎ込み、経過時間毎の濾過量を記録した。また発泡性は、ビーカーにて採取した濾液100mLを採取して、シリンダーに入れ、上下に激しく往復20回攪拌して、10秒後に液面上部の泡の厚さを計測した。
その結果、濃縮性においてはEC−6、EC−7による濃縮効果が最も優れ、0.43質量%/SSの添加率の条件において良好なフロック形成と濾過速度が得られ、濃縮倍率は3.2倍であった。架橋性単量体であるメチレンビスアクリルアミドの含有量が多いEC−7は、濾過速度は最も優れ、濃縮倍率では3.3倍という高い値を示したものの、必要添加量が多くなる傾向が見られた。
また両性ポリマーではカチオンリッチ(アニオンに比べカチオンの割合が高い)両性であればアニオンリッチ両性に較べ良好な濃縮結果を示したがEC−6、EC−7には及ばなかった。また架橋性単量体を含まないEC−1〜EC−5のポリマーは比較的少ない添加量で凝集する傾向が見られたが、濃縮性はEC−6、EC−7には及ばなかった。しかしながら塩粘度が32mPa・sであるEC−2は、架橋性単量体を含まないEC−1〜EC−5の中では0.42質量%/SSにおける濃縮倍率で2.9倍という最も良好な濃縮性を示した。また、ろ過後の濾液の発泡性を上記方法により確認した結果、すべてのポリマーにおいて泡の厚さが2mm以下であり、発泡性は殆ど無かった。これらの結果を表−2に示す。
比較試験として、従来品である粉末カチオン高分子による濃縮試験を実施した。これらの結果を表3に示す。
(表2)実施例1









(表3)比較試験1
下水処理場より発生する下水混合生汚泥(汚泥性状がpH5.2、SS:11500mg/L、TS:13000mg/L、VSS:81.5質量%/SS)についてベルト濃縮機を対象とした凝集濾過試験及び濾過の発泡性試験を実施した。この汚泥を300mL容のポリプロピレン製ビーカーに汚泥を200mL入れた後、油中水型高分子エマルジョン0.2%(W/V)溶解液を所定量添加し、ビーカー移し替え攪拌にて往復10回攪拌後に敷島カンバス社製の濾布であるT−1179Lの上に内径62mmの円筒を置き、その中に上記攪拌操作により生成した凝集物を注ぎ込み、経過時間毎のろ過量を記録した。また発泡性は、ビーカーにて採取した濾液100mLを採取して、シリンダーに入れ、上下に激しく往復20回攪拌して、10秒後に液面上部の泡の厚さを計測した。
その結果、濃縮性においてはEC−6が最も優れ、0.30質量%/TSの添加率の条件において良好なフロック形成と濾過速度が得られ、2.8倍の濃縮倍率が得られたが、架橋性単量体であるメチレンビスアクリルアミドの含有量が多いEC−7は、濾過速度は最も優れるものの、必要添加量が多くなる傾向が見られた。
また実施例1の余剰汚泥と違い両性ポリマーの凝集性は不良であった。また架橋性単量体を含まないEC−1〜EC−5のポリマーは比較的少ない添加量で凝集する傾向が見られ、添加量0.3質量%/TSにおける濃縮倍率は2.5倍の濃縮倍率が得られたが濃縮性でEC−6には及ばなかった。しかしながら塩粘度が32mPa・sであるEC−2は実施例1と同様架橋性単量体を含まないEC−1〜EC−5の中では最も良好な濃縮性を示した。また、濾過後の濾液の発泡性を上記方法により確認した結果、すべてのポリマーにおいて泡の厚さが2mm以下であり、発泡性は殆ど無かった。これらの結果を表4に示す
比較試験として、従来品である粉末カチオン高分子をによる濃縮試験を実施した。 これらの結果を表5に示す。
(表4)実施例2
(表5)比較試験2
下水処理場より発生する下水消化汚泥(汚泥性状がpH7.4、SS:11250mg/L、TS:12500mg/L、VSS:71.5%/SS)についてベルト濃縮機を対象とした凝集濃縮試験及びろ過の発泡性試験を実施した。当該汚泥300mL容のポリプロピレン製ビーカーに汚泥を200mL入れた後、油中水型高分子エマルジョン0.2%(W/V)溶解液を所定量添加し、ビーカー移し替え攪拌にて往復10回攪拌後に敷島カンバス社製のろ布であるT−1179Lの上に内径62mmの円筒を置き、その中に上記攪拌操作により生成した凝集物を注ぎ込み、経過時間毎のろ過量を記録した。
尚、ビーカーにて採取した濾液100mLを採取して、シリンダーに入れ、上下に激しく往復20回攪拌して、10秒後に液面上部の泡の厚さを計測した。
その結果、濃縮性においては実施例1、及び2と同様にEC−6が最も優れ、0.64%/TSの添加率の条件において良好なフロック形成と濾過速度が得られ、2.67倍の濃縮倍率が得られたが、架橋性単量体であるメチレンビスアクリルアミドの含有量が多いEC−7は、濾過速度は最も優れるものの、必要添加量が多くなる傾向が見られた。
また実施例2と同様に実施例1の余剰汚泥と違い両性ポリマーの凝集性は不良であった。また架橋性単量体を含まないEC−1〜EC−5のポリマーは比較的少ない添加量で凝集する傾向が見られたが濃縮性でEC−6には及ばなかった。しかしながら塩粘度が32mPa・sであるEC−2は実施例1と同様架橋性単量体を含まないEC−1〜EC−5の中では最も良好な濃縮性を示し、0.56%/TSの添加率において2.13倍の濃縮率を示した。
また、ろ過後のろ液の発泡性を上記方法により確認した結果、すべてのポリマーにおいて泡の厚さが2mm以下であり、発泡性は殆ど無かった。これらの結果を表4に示す
比較試験として、従来品である粉末カチオン高分子による濃縮試験を実施した。 結果より、下水消化汚泥においては従来品である粉末ポリマーの発泡性は比較例1(下水余剰汚泥)、比較例2(下水混合生汚泥)に比べ高いことが確認された。これらの結果を表7に示す。
(表6)実施例3

(表7)比較試験3
本発明の汚泥濃縮方法は下水処理場、し尿処理場、各種処理場等より発生する脱水用汚泥をベルト濃縮装置にて濃縮する際に、油中水型エマルジョンタイプ高分子凝集剤を使用することにより、濾液の発泡を抑制することが可能である。
その結果、濾液貯留槽のセンサーの誤作動を防止し、また生物処理槽に返送された際の発泡を抑制することもできる。また架橋性水溶性高分子の使用が可能になるなど油中水型エマルジョンタイプ特有の効果が期待でき、凝集性が良好なため濃縮性を向上させることができる。さらに油中水型エマルジョンタイプであるため、作業時粉塵の発生がなく、作業環境を大幅に改善することができる。従って産業上の利用価値は非常に高い。

Claims (3)

  1. ベルト型濃縮装置により脱水用の下水余剰汚泥、下水混合生汚泥から選択される一種である汚泥を濃縮する際、下記一般式(1)〜(4)いずれか一種の構造単位を含有するカチオン性または両性水溶性高分子からなる油中水型エマルジョンであり、該油中水型エマルジョンが、架橋性単量体を単量体総量に対し0.0001〜0.0100質量%共存させ油中水型エマルジョン重合し製造した油中水型エマルジョンを使用することを特徴とする汚泥の濃縮方法。
    一般式(1)
    は水素又はメチル基、R、Rは炭素数1〜3のアルキルあるいはアルコキシル基、Rは水素、炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシル基あるいはベンジル基であり、同種でも異種でも良い、Aは酸素原子またはNH、Bは炭素数2〜4のアルキレン基またはアルコキシレン基を表わす、X は陰イオンをそれぞれ表わす。
    一般式(2)
    、Rは水素又はメチル基、R、Rは炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシ基あるいはベンジル基、X は陰イオンをそれぞれ表わす。
    一般式(3)
    一般式(4)
    、R10、R11は水素又はメチル基、Zは陰イオンをそれぞれ表わす。
  2. 前記両性水溶性高分子が、下記一般式(5)の構造単位を含有するものであることを特徴とする請求項1に記載の汚泥の濃縮方法。
    一般式(5)
    12は水素、メチル基またはカルボキシメチル基、QはSO 、CSO 、CONHC(CHCHSO 、CCOOあるいはCOO、R13は水素またはCOO 、Y およびY は水素イオンまたは陽イオンをそれぞれ表す。
  3. 前記カチオン性または両性水溶性高分子の分子量が300万〜1500万であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の汚泥の濃縮方法。
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